(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の基板搬送装置は、通常運転時に複数枚の基板をまとめて基板収納体から取出すとともに、複数枚の基板をまとめて基板収納体へ戻し、一の基板処理ユニットで基板処理ができないときに、バッファ間移し換え装置により他の基板処理ユニットの基板バッファへ移し換えられ、当該他の基板処理ユニット内で処理された処理済基板を当該他の基板処理ユニットの基板バッファ内から一枚ずつ基板収納体へ搬送することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の基板処理システム。
第1の基板搬送装置は、一の基板処理ユニットで基板処理ができないときに、当該一の基板処理ユニット内ですでに処理された処理済基板を当該一の基板処理ユニットの基板バッファ内から、未処理基板が他の基板処理ユニットで処理された後、当該基板バッファへ戻ることを待つことなく基板収納体へ搬送することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の基板処理システム。
一の基板処理ユニットの基板バッファ内にある未処理基板を他の基板処理ユニットの基板バッファへバッファ間移し換え装置により移し換える間に一の基板処理ユニットで基板処理が可能となった場合、バッファ間移し換え装置による移し換え作業が終了することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の基板処理システム。
基板処理ができない基板処理ユニットの基板バッファから他の基板処理ユニットの基板バッファへ、未処理基板をバッファ間移し換え装置により一枚ずつ移し換えることを特徴とする請求項1乃至6記載の基板処理システム。
一の基板処理ユニットの第2の基板搬送装置が故障した場合に、当該基板処理ユニットの基板バッファ内の未処理基板を他の基板処理ユニットの基板バッファへバッファ間移し換え装置により移し換えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の基板処理システム。
一の基板処理ユニット内ですべての基板処理モジュールが故障した場合に、当該基板処理ユニットの基板バッファ内の未処理基板を他の基板処理ユニットの基板バッファへバッファ間移し換え装置により移し換えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の基板処理システム。
第1の基板搬送装置は、一の基板処理ユニットで基板処理ができないときに、バッファ間移し換え装置により他の基板処理ユニットの基板バッファへ移し換えられ、当該他の基板処理ユニット内で処理された処理済基板を当該他の基板処理ユニットの基板バッファ内から一枚ずつ基板収納体へ搬送することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか記載の基板搬送方法。
第1の基板搬送装置は、一の基板処理ユニットで基板処理ができないときに、当該一の基板処理ユニット内ですでに処理された処理済基板を当該一の基板処理ユニットの基板バッファ内から、未処理基板が他の基板処理ユニットで処理された後、当該基板バッファへ戻ることを待つことなく基板収納体へ搬送することを特徴とする請求項10乃至13のいずれか記載の基板搬送方法。
一の基板処理ユニットの基板バッファ内にある未処理基板を他の基板処理ユニットの基板バッファへバッファ間移し換え装置により移し換える間に一の基板処理ユニットで基板処理が可能となった場合、バッファ間移し換え装置による移し換え作業が終了することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか記載の基板搬送方法。
基板処理ができない基板処理ユニットの基板バッファから他の基板処理ユニットの基板バッファへ、未処理基板をバッファ間移し換え装置により一枚ずつ移し換えることを特徴とする請求項10乃至15のいずれか記載の基板搬送方法。
一の基板処理ユニットの第2の基板搬送装置が故障した場合に、当該基板処理ユニットの基板バッファ内の未処理基板を他の基板処理ユニットの基板バッファへ基板移し換え装置により移し換えることを特徴とする請求項10乃至16のいずれか記載の基板搬送方法。
一の基板処理ユニット内ですべての基板処理モジュールが故障した場合に、当該基板処理ユニットの基板バッファ内の未処理基板を他の基板処理ユニットの基板バッファへ基板移し換え装置により移し換えることを特徴とする請求項10乃至16のいずれか記載の基板搬送方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。
図1乃至
図8は、本実施の形態に係るウエハ処理システム、基板搬送方法および記憶媒体を示す図である。このうち、
図1は、本実施の形態におけるウエハ処理システムの構成を示す概略側面図であり、
図2は、
図1に示すウエハ処理システムのA−Aライン矢視による上面図であり、
図3は、
図1に示すウエハ処理システムのB−Bライン矢視による上面図である。また、
図4は、
図2に示すウエハ処理システムのC−Cライン矢視による側面図であり、
図5は、ウエハ処理システムの全体を示す模式図である。また、
図6は、
図2に示すウエハ処理システムのD−Dライン矢視による側面図である。また、
図7は、基板搬送方法を示すフローチャートであり、
図8はウエハ処理ユニットに設けられた基板バッファを示す図である。
【0013】
また
図5において、領域Aは基板処理システムを平面からみた図であり、領域Bは基板処理システムを側面からみた図であり、領域Cは基板処理システムの1階部分の基板処理ユニットの平面図と2階部分の基板処理ユニットの平面図を並べて示す図である。
【0014】
図1乃至
図4に示すように、本発明による基板処理システム(ウエハ処理システム)10は、基板となる半導体ウエハ(ウエハともいう)Wに対して例えば洗浄処理等の処理を行なうものである。
【0015】
このような基板処理システム10は、2段に配置されるとともにウエハWに対して洗浄処理を施す2つのウエハ処理ユニット(基板処理ユニットともいう)40A、40Bと、複数のウエハWを収納するフープ(Foup:Front Opening Unified Pod、ウエハ格納用ボード)(基板収納体ともいう)20が搬入される基板載置台25と、各ウエハ処理ユニット40A、40Bに対応して設けられ、複数のウエハWを一時的に収納するバッファ30a、30bとを備えている。
【0016】
このうち2階に設置されたウエハ処理ユニット40AはウエハWに対して例えば洗浄処理等の処理を施す6台のウエハ処理モジュール(基板処理モジュールともいう)40aを有し、1階に設置されたウエハ処理ユニット40Bはウエハ処理モジュール40aと同じ処理が可能な6台のウエハ処理モジュール40bを有する。
【0017】
また基板載置台25上のフープ20内に収納されたウエハWは、複数、例えば5枚毎に第1のウエハ搬送装置(第1の基板搬送装置ともいう)50により各ウエハ処理ユニット40A、40Bの基板バッファ30a、30b内へ搬送される。さらに各ウエハ処理ユニット40A、40Bに対応する基板バッファ30a、30b内のウエハWは、1枚ずつ第2のウエハ搬送装置(第2の基板搬送装置ともいう)60a、60bにより、当該ウエハ処理ユニット40A、40B内のウエハ処理モジュール40a、40bへ搬送される。
【0018】
上述のようにウエハ処理システム10には、第1のウエハ搬送装置50がフープ20と基板バッファ30a、30bとの間に設けられている。また、
図2、
図3、
図6等に示すように、ウエハ処理システム10の各ウエハ処理ユニット40A、40Bには、第2のウエハ搬送装置60a、60bがそれぞれ設けられている。
【0019】
また、1階のウエハ処理ユニット40Aの基板バッファ30aと、2階のウエハ処理ユニット40Bの基板バッファ30bに隣接し、各基板バッファ30a、30b間でウエハWを移し換えるためのウエハ移し換え装置(基板移し換え装置ともいう)35が設けられている。このウエハ移し換え装置35は、バッファ間移し換え装置として機能する。
【0020】
以下、ウエハ処理システム10の各構成要素について更に詳述する。
【0021】
図1および
図2に示すように、ウエハ処理システム10には、4つのフープ20が並列に載置される基板載置台25が設けられている。フープ20は、複数枚、例えば25枚のウエハWを上下方向に互いに離間して積み重ねるよう収容することができるようになっている。
【0022】
次に、各ウエハ処理ユニット40A、40Bに対応して設けられた基板バッファ30a、30bおよびこの基板バッファ30a、30bに隣接して設けられたウエハ移し換え装置35について
図4を用いて説明する。なお、
図4は、
図2に示すウエハ処理システム10のC−Cライン矢視による側面図である。
【0023】
前述のように、各基板バッファ30a、30bは、複数のウエハWを上下方向に互いに離間させて一時的に収容するようになっている。
【0024】
ここで、各基板バッファ30a、30bの具体的な構成について
図4を用いて説明する。各基板バッファ30a、30bは、各々同様の構造を有しており、各基板バッファ30a、30bは、各々複数の領域、例えば領域1、2、3、4をもつ(
図8参照)。
【0025】
このうち下方の領域3、4は、各々フープ20から第1のウエハ搬送装置50により搬送された未処理のウエハWを5枚ずつまとめて収納する領域であり、上方の領域1、2は、各々ウエハ処理モジュール40a、40bから搬送された処理済のウエハWを5枚ずつまとめて収納する領域であり、領域1、2内のウエハWは第1のウエハ搬送装置50によりフープ20へ戻される。
【0026】
なお、各領域1、2、3、4内のウエハWの枚数(5枚)は、第1のウエハ搬送装置50により搬送されるウエハWの枚数に一致する。
【0027】
図4に示すように、各基板バッファ30a、30bは、鉛直方向に延びる複数の支柱部材31を有している。具体的には、支柱部材31は4つ設けられており、各支柱部材31は水平面に沿った仮想の正方形または長方形の四隅の位置に配設されている。そして、これらの各支柱部材31の間に、各基板バッファ30a、30bが形成されている。より詳細には、各支柱部材31をまたがるように、上下方向に沿って複数設けられた水平方向に延びる仕切り部材(図示せず)が各支柱部材31に取り付けられている。
【0028】
このため基板バッファ30a、30bは少なくとも
図2における左右方向および上方向にそれぞれ開口することとなる。このため、第1のウエハ搬送装置50、第2のウエハ搬送装置60a、60bおよびウエハ移し換え装置35は、基板バッファ30a、30bに対してそれぞれ別の方向からアクセスすることができる。すなわち、第1のウエハ搬送装置50は基板バッファ30a、30bに対して
図2における左方から、第2のウエハ搬送装置60a、60bは基板バッファ30a、30bに対して
図2における右方から、ウエハ移し換え装置35は基板バッファ30a、30bに対して
図2における上方から、それぞれアクセスすることとなる。なお、「基板バッファ30a、30bに対してアクセスすることができる」とは、各装置が基板バッファ30a、30bにウエハWを搬送したり、基板バッファ30a、30bからウエハWを取り出したりすることができることをいう。
【0029】
さらに、各基板バッファ30a、30bに対して、第1のウエハ搬送装置50、第2のウエハ搬送装置60a、60b、およびウエハ移し換え装置35のうち少なくとも2つの装置が同時にアクセスすることができるようになっている。このことにより、一の装置が基板バッファ30a、30bにアクセスする間に他の装置が基板バッファ30a、30bにアクセスすることができず待機しなければならないといった事態が発生することを防止することができ、ウエハ処理システム10は単位時間あたりのウエハWの処理枚数を多くすることができる。
【0030】
なお、
図4に示すように、2階の基板バッファ30aの上方、および1階の基板バッファ30bの下方には、それぞれウエハ反転機構34が設けられている。各ウエハ反転機構34は、第2のウエハ搬送装置60a、60bにより当該ウエハ反転機構34に送られたウエハWの表裏を反転させるようになっている。
【0031】
ウエハ移し換え装置35は、例えば1階の基板バッファ30aに収容されたウエハWを、2階の基板バッファ30bに移し換えるようになっている。
【0032】
なお
図4に示すように、ウエハ移し換え装置35は、鉛直方向に延びる支柱部材36と、支柱部材36に沿って昇降自在となっているフォーク支持部材37とを有している。また、フォーク支持部材37により、ウエハWを保持するための上下一対のフォーク38a、38bが支持されている。各フォーク38a、38bは、それぞれウエハWを裏面から(下方から)保持するようになっている。なお、一対のフォーク38a、38bのうち上段のフォーク38aは2階の基板バッファ30aから1階の基板バッファ30bにウエハWを搬送する際に用いられ、下段のフォーク38bは1階の基板バッファ30bから2階の基板バッファ30aにウエハWを搬送する際に用いられるようになっている。そして、一対のフォーク38a、38bのうちいずれか一方のフォークが基板バッファ30a、30bに向かって進出することにより、このフォークは基板バッファ30a、30bにウエハWを収容したり基板バッファ30a、30bからウエハWを取り出したりすることができるようになっている。
【0033】
また2階のウエハ処理ユニット40Aに対応するよう設けられた第2のウエハ搬送装置60aは、ウエハ処理ユニット40Aのウエハ処理モジュール40aと基板バッファ30aとの間でウエハWを搬送するようになっている。また、1階のウエハ処理ユニット40Bに対応するよう設けられた第2のウエハ搬送装置60bは、ウエハ処理ユニット40Bのウエハ処理モジュール40bと基板バッファ30bとの間でウエハWを搬送するようになっている。また、第1のウエハ搬送装置50は、ウエハ処理ユニット40A、40Bにより処理される前の未処理のウエハWをフープ20から基板バッファ30a、30b内へ搬送するとともに、ウエハ処理ユニット40A、40Bにより処理されたウエハWを基板バッファ30a、30bからフープ20に搬送するようになっている。
【0034】
次に、第1のウエハ搬送装置50および第2のウエハ搬送装置60a、60bの具体的な構成について説明する。まず、第1のウエハ搬送装置50の構成について
図1乃至
図3および
図9を用いて説明する。
【0035】
第1のウエハ搬送装置50は、
図3におけるY方向に延びるレール56上を走行する基体部材51と、この基体部材51の上面に設けられ、Z方向に伸縮することができる垂直移動機構52とを有している。この垂直移動機構52の上部には基台55が設けられており、当該基台55にフォーク支持部材53が取り付けられている。そして、このフォーク支持部材53により、ウエハWを保持するための複数、例えば5本のフォーク54a、54b、54c、54d、54eが支持されている。5本のフォークのうちの上の1本のフォーク54aは他の4本のフォーク54b、54c、54d、54eから独立して単独で水平方向に作動可能となっている。4本のフォーク54b、54c、54d、54eは一体的に水平方向に作動可能となっている。上の1本のフォーク54aを作動させることにより1枚のウエハを取り扱うことができ、5本のフォークを同時に作動させることにより5枚のウエハを同時に取り扱うことができる。
【0036】
第2のウエハ搬送装置60a、60bもそれぞれ第1のウエハ搬送装置50と略同一の構成となっている。より具体的には、第2のウエハ搬送装置60a、60bは基台65a、65bを含み、この基台65a、65bは、それぞれθ方向に回転することができるようになっている。また、各基台65a、65bにはそれぞれフォーク支持部材63a、63bが設けられており、フォーク支持部材63a、63bは、それぞれ上下一対のフォーク64a、64aおよび64b、64bを支持するようになっている(
図6参照)。
【0037】
上下一対の各フォーク64a、64aおよび64b、64bは、それぞれウエハWを裏面から(下方から)保持するようになっている。また、上下一対の各フォーク64a、64aおよび64b、64bは、フォーク支持部材63a、63bから
図2や
図3の矢印方向に進退移動することができるようになっている。
【0038】
各ウエハ処理ユニット40A、40B内の各ウエハ処理モジュール40a、40bは、処理チャンバー内においてウエハWを1枚ずつ処理するものからなり、例えば処理チャンバー内でウエハWを回転させながら当該ウエハWに対して処理液による液処理や処理ガスによるガス処理、あるいは洗浄処理や熱的処理等の処理を行うようになっている。
【0039】
また、
図1に示すように、基板処理システム10は、その全体の動作を統括制御するコントローラ(制御部)100を有している。コントローラ100は、基板処理システム10の全ての機能部品(ウエハ処理モジュール40a、40b、第1のウエハ搬送装置50、第2のウエハ搬送装置60a、60b、ウエハ移し換え装置35等)の動作を制御する。コントローラ100は、ハードウエハとして例えば汎用コンピュータと、ソフトウエハとして当該コンピュータを動作させるためのプログラム(装置制御プログラムおよび処理レシピ等)とにより実現することができる。ソフトウエハは、コンピュータに固定的に設けられたハードディスクドライブ等の記憶媒体に格納されるか、あるいはCD−ROM、DVD、フラッシュメモリ等の着脱可能にコンピュータにセットされる記憶媒体に格納される。このような記憶媒体が
図1において参照符号101で示されている。プロセッサ102は必要に応じて図示しないユーザーインターフェースからの指示等に基づいて所定の処理レシピを記憶媒体101から呼び出して実行させ、これによってコントローラ100の制御の下で基板処理システム10の各機能部品が動作して所定の処理が行われる。
【0040】
次に、このような構成からなるウエハ処理システム10の動作、すなわちウエハ搬送方法について
図7により説明する。
【0041】
通常運転時において、最初に、処理されるべきウエハWを例えば25枚収容したフープ20が基板載置台25上に載置される。次に、フープ20に設けられた窓部開閉機構が開かれ、このフープ20内のウエハWが取り出し可能となる。そして、このフープ20に対して第1のウエハ搬送装置50が接近し、この第1のウエハ搬送装置50の複数のフォーク54a、54b、54c、54d、54eがそれぞれフープ20内のウエハWを持ち上げて保持する。この際に、フォーク54a、54b、54c、54d、54eにより、フープ20内から上から順に上下方向に隣り合う複数、本実施の形態では5枚のウエハWが同時に取り出される。
【0042】
次に、第1のウエハ搬送装置50は、フープ20から取り出した5枚のウエハWを同時に2階に設置されたウエハ処理ユニット40Aに対応する基板バッファ30a内に搬送する。次に、第1のウエハ搬送装置50はフープ20から上から順に5枚のウエハWを取り出し、このようにして取り出した5枚のウエハWを同時に1階に設置されたウエハ処理ユニット40Bに対応する基板バッファ30b内へ搬送する。
【0043】
次に2階に設置されたウエハ処理ユニット40Aにおいて、第2のウエハ搬送装置60aが基板バッファ30aに接近し、この第2のウエハ搬送装置60aの上下一対のフォーク64aのうち下段のフォーク64aが基板バッファ30a内に収納されたウエハWを1枚だけ持ち上げて保持する。そして、このフォーク64aがウエハWを保持した状態で上部の第2のウエハ搬送装置60aが一つのウエハ処理モジュール40aに接近し、フォーク64aによって保持されたウエハWがウエハ処理モジュール40a内に持ち込まれる。その後、ウエハ処理ユニット40aの処理チャンバー内において、ウエハWに対する処理、例えば洗浄処理が行われる。
【0044】
次にウエハ処理モジュール40aにより処理されたウエハWは、1枚ずつ第2のウエハ搬送装置60aの上下一対のフォーク64aのうち上段のフォーク64aにより、ウエハ処理モジュール40aから基板バッファ30a内に搬送される。
【0045】
この間、同様にして1階に設置されたウエハユニット40Bにおいて、第2のウエハ搬送装置60bが基板バッファ30bに接近し、この第2のウエハ搬送装置60bの上下一対のフォーク64bのうち下段のフォーク64bが基板バッファ30b内に収納されたウエハWを1枚だけ持ち上げて保持する。そして、このフォーク64bがウエハWを保持した状態で下部の第2のウエハ搬送装置60bが一のウエハ処理モジュール40bに接近し、フォーク64bによって保持されたウエハWがウエハ処理モジュール40b内に持ち込まれる。その後、ウエハ処理ユニット40bの処理チャンバー内において、ウエハWに対する処理、例えば洗浄処理が行われる。
【0046】
次にウエハ処理ユニット40bにより処理されたウエハWは、1枚ずつ第2のウエハ搬送装置60bの上下一対のフォーク64bのうち上段のフォーク64bにより、ウエハ処理モジュール40bから基板バッファ30b内に搬送される。
【0047】
その後、基板バッファ30a、30b内にある処理済のウエハWは、5枚揃った段階で第1のウエハ搬送装置50によって取り出され、再びフープ20の元の場所に戻される。具体的には、第1のウエハ搬送装置50が基板バッファ30a、30bに接近し、この第1のウエハ搬送装置50のフォーク54a、54b、54c、54d、54eがそれぞれ基板バッファ30a、30b内の5枚のウエハWを持ち上げて保持する。その後、第1のウエハ搬送装置50の各フォーク54a、54b、54c、54d、54eにそれぞれ保持された5枚のウエハWがフープ20の元の場所に同時に移載される。
【0048】
ところで、この間、一つのウエハ処理ユニット、例えば1階に設置されたウエハ処理ユニット40B内で異常が発生し、ウエハWの処理を行うことができないため、当該ウエハ処理ユニット40Bに対応する基板バッファ30b内のウエハWをウエハ処理ユニット40B内へ搬送できない場合がある。
【0049】
このようなウエハ処理ユニット40B内の異常としては、第2のウエハ搬送装置60bが故障した場合が考えられる。またウエハ処理ユニット40B内の6台すべてのウエハ処理モジュール40bが使用不可能となって、ウエハ処理ユニット40B内でウエハWを処理できない場合が考えられる。ここで、すべてのウエハ処理モジュール40bが使用不可能となる場合とは、すべてのウエハ処理モジュール40bが故障したり、すべてのウエハ処理モジュール40bへの動力や用水が停止する場合が考えられる。
【0050】
あるいは、ウエハ処理ユニット40B内の構成部品をチェックするため、ウエハWをウエハ処理ユニット40B内へ搬入できないことも考えられる。
【0051】
このような場合は、異常が生じたウエハ搬送ユニット40Bに対応する基板バッファ30b内にウエハWが未処理の状態で取り残されてしまう。
【0052】
このような場合、異常が生じた1階のウエハ処理ユニット40Bに対応する基板バッファ30b内のウエハWはウエハ移し換え装置35により、2階に配置されたウエハ処理ユニット40Aの基板バッファ30a内に送られて移し換えられる。
【0053】
具体的には、
図5に示すように、例えばウエハ処理ユニット40B内の第2のウエハ搬送装置60bが故障して基板バッファ30b内の未処理ウエハWをウエハ処理ユニット40B内へ搬入できない場合、基板バッファ30b内に例えば2枚の未処理ウエハWが残っていたとする。この場合、ウエハ移し換え装置35により、基板バッファ30b内に取り残された未処理ウエハWは、2階のウエハ処理ユニット40Aに対応する基板バッファ30a内に移し換えられる。この場合、未処理ウエハWは1枚ずつ移し換えられる。
【0054】
この間、1階のウエハ処理ユニット40Bに対応する基板バッファ30b内の処理済のウエハWは、5枚揃っていない段階であっても、例えば処理済のウエハWが3枚の段階でも、5枚揃うことを待つことなく、直ちに第1のウエハ搬送装置50により基板載置台25
上のフープ20内の元の場所へ戻される。
【0055】
次に基板バッファ30bから基板バッファ30a内に移し換えられた未処理のウエハWは、上述のように、2階のウエハ処理ユニット40A内において、第2のウエハ搬送装置60aにより一のウエハ処理モジュール40a内へ優先的に搬送される。
【0056】
このように基板バッファ30bから基板バッファ30a内に移し換えられた未処理のウエハWをウエハ処理モジュール40a内へ優先的に搬送して処理することにより、基板バッファ30bに取り残されたウエハWを迅速に処理してウエハWに対する継続処理を行うことができる。
【0057】
その後、当該ウエハWは所定の処理が終了した後、第2のウエハ搬送装置60aによりウエハ処理モジュール40aから基板バッファ30a内に戻される。その後、基板バッファ30bから移し換えられ優先的に処理された基板バッファ30a内の処理済ウエハWは1枚ずつ第1のウエハ搬送装置50により、基板載置台25上のフープ20内の元の領域へ戻される。
【0058】
この場合、上述のように、1階のウエハ処理ユニット40Bに対応する基板バッファ30bから例えば処理済の3枚のウエハWが基板載置台25上のフープ20内の元の領域(5枚のウエハW毎の領域)に戻されている。このため、基板バッファ30bから基板バッファ30a内へ移し換えられ優先的に処理された処理済ウエハWをフープ20内へ1枚ずつ戻すことにより、優先的に処理された当該処理済ウエハWを迅速にフープ20内の元の領域へ戻すことができる。
【0059】
この間、第1のウエハ搬送装置50は、フープ20内の未処理ウエハWを1階のウエハ処理ユニット40Bの基板バッファ30b内へ搬送することなく、未処理ウエハWを2階のウエハ処理ユニット40Aの基板バッファ30a内へ搬送する。
【0060】
次に1階のウエハ処理ユニット40BによるウエハWの処理が可能となった場合、例えば第2のウエハ搬送装置60bが修復された場合、ウエハ移し換え装置35により基板バッファ30b内に取り残された未処理ウエハWを基板バッファ30a内に移し換える作業は終了する。そして第2のウエハ搬送装置60bは、ウエハ処理ユニット40Bのウエハ処理モジュール40b内に取り残されたウエハWがあれば、ウエハ処理ユニット40Bの基板バッファ30b内へ戻す。
【0061】
次に、基板バッファ30b内へ戻されたウエハWは、その後第1のウエハ搬送装置50によりフープ20へ戻される。これらのウエハWのうち、ウエハ処理ユニット40Bにより処理が終了したウエハWはその後、継続して処理され、ウエハ処理ユニット40Bにより処理される前の未処理のウエハWおよびウエハ処理ユニット40Bによる処理が途中で終了した不完全処理のウエハは、その後未処理ウエハおよび不完全処理ウエハとして取扱われる。
【0062】
その後は、第1のウエハ搬送装置50によりフープ20内のウエハWが1階のウエハ処理ユニット40Bの基板バッファ30bおよび2階のウエハ処理ユニット40Aの基板バッファ30a内へ搬送される。次に各ウエハ処理ユニット40A、40Bのウエハ処理モジュール40a、40b内において、ウエハWに対する処理が施される。
【0063】
以上のように本実施の形態によれば、一のウエハ処理ユニット40Bに故障が発生してウエハ処理ユニット40B内にウエハWを搬送することができず、このためウエハ処理ユニット40Bに対応する基板バッファ30b内に未処理ウエハWが取り残された場合、基板バッファ30b内のウエハWを他のウエハ処理ユニット40Aに対応する基板バッファ30a内へウエハ移し換え装置35により移し換えることができる。
【0064】
このためウエハ処理ユニット40Bの基板バッファ30b内に未処理ウエハWが長時間取り残されることはなく、ウエハWに対する処理を継続して行うことが可能となる。
【0065】
また、異常が発生した1階のウエハ処理ユニット40Bの基板バッファ30bから、未処理ウエハWを1枚ずつ2階のウエハ処理ユニット40Aの基板バッファ30a内へウエハ移し換え装置35によって移し換えることによって、2階のウエハ処理ユニット40Aの基板バッファ30a内にすでに未処理のウエハWが複数枚収納されていても、複数枚のウエハWをまとめて移し換える場合に比べて、2階の基板バッファ30a内が詰まることはなく、1階の基板バッファ30bから2階の基板バッファ30a内にスムーズにウエハWを移し換えることができる。
【0066】
なお、上記実施の形態において、バッファ間移し換え装置としてウエハ移し換え装置35を用いた例を示したが、これに限らず第1のウエハ搬送装置50をバッファ間移し換え装置として用いて、1階のウエハ処理ユニット40Bに対応する基板バッファ30b内のウエハWを2階のウエハ処理ユニット40Aに対応する基板バッファ30a内に移し換えても良い。
【0067】
また、基板処理システム10が2階に配置されたウエハ処理ユニット40Aと、1階に配置されたウエハ処理ユニット40Bとを有する例を示したが、これに限らず、基板処理システム10のウエハ処理ユニット40Aと、ウエハ処理ユニット40Bを同一階に平置きに配置してもよい。