(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、タッチスクリーンディスプレイを備える通信機器の一例として、スマートフォンについて説明する。
【0014】
図1から
図3を参照しながら、実施形態に係るスマートフォン1の外観について説明する。
図1から
図3に示すように、スマートフォン1は、ハウジング20を有する。ハウジング20は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1C1〜1C4とを有する。フロントフェイス1Aは、ハウジング20の正面である。バックフェイス1Bは、ハウジング20の背面である。サイドフェイス1C1〜1C4は、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを接続する側面である。以下では、サイドフェイス1C1〜1C4を、どの面であるかを特定することなく、サイドフェイス1Cと総称することがある。
【0015】
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3A〜3Cと、照度センサ4と、近接センサ5と、レシーバ7と、マイク8と、カメラ12とをフロントフェイス1Aに有する。スマートフォン1は、カメラ13をバックフェイス1Bに有する。スマートフォン1は、ボタン3D〜3Fと、外部インターフェイス14とをサイドフェイス1Cに有する。以下では、ボタン3A〜3Fを、どのボタンであるかを特定することなく、ボタン3と総称することがある。
【0016】
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELパネル(Organic Electro−Luminescence panel)、又は無機ELパネル(Inorganic Electro−Luminescence panel)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号又は図形等を表示する。
【0017】
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーンディスプレイ2に対する指、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、又はスタイラスペン等がタッチスクリーンディスプレイ2に接触した位置を検出することができる。
【0018】
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下では、説明を簡単にするため、タッチスクリーン2Bがタッチスクリーンディスプレイ2に対する接触を検出する指、又はスタイラスペン等を単に「指」ということがある。
【0019】
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触位置、接触時間又は接触回数に基づいてジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、タッチスクリーンディスプレイ2に対して行われる操作である。スマートフォン1によって判別されるジェスチャには、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、ピンチアウト等が含まれる。
【0020】
タッチは、タッチスクリーンディスプレイ2(例えば、表面)に指が接触するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2に指が接触するジェスチャをタッチとして判別する。ロングタッチとは、タッチスクリーンディスプレイ2に指が一定時間以上接触するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2に指が一定時間以上接触するジェスチャをロングタッチとして判別する。
【0021】
リリースは、指がタッチスクリーンディスプレイ2から離れるジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーンディスプレイ2から離れるジェスチャをリリースとして判別する。スワイプは、指がタッチスクリーンディスプレイ2上に接触したままで移動するジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーンディスプレイ2上に接触したままで移動するジェスチャをスワイプとして判別する。
【0022】
タップは、タッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャをタップとして判別する。ダブルタップは、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャをダブルタップとして判別する。
【0023】
ロングタップは、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャをロングタップとして判別する。ドラッグは、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャである。スマートフォン1は、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャをドラッグとして判別する。
【0024】
フリックは、タッチに続いて指が一方方向へ高速で移動しながらリリースするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いて指が一方方向へ高速で移動しながらリリースするジェスチャをフリックとして判別する。フリックは、指が画面の上方向へ移動する上フリック、指が画面の下方向へ移動する下フリック、指が画面の右方向へ移動する右フリック、指が画面の左方向へ移動する左フリック等を含む。
【0025】
ピンチインは、複数の指が互いに近付く方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、複数の指が互いに近付く方向にスワイプするジェスチャをピンチインとして判別する。ピンチアウトは、複数の指が互いに遠ざかる方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、複数の指が互いに遠ざかる方向にスワイプするジェスチャをピンチアウトとして判別する。
【0026】
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bを介して判別するこれらのジェスチャにしたがって動作を行う。したがって、利用者にとって直感的で使いやすい操作性が実現される。判別されるジェスチャにしたがってスマートフォン1が行う動作は、タッチスクリーンディスプレイ2に表示されている画面に応じて異なる。
【0027】
図4を参照しながら、ディスプレイ2Aに表示される画面の例について説明する。
図4は、ホーム画面の一例を示している。ホーム画面は、デスクトップ、又は待受画面と呼ばれることもある。ホーム画面は、ディスプレイ2Aに表示される。ホーム画面は、スマートフォン1にインストールされているアプリケーションのうち、どのアプリケーションを実行するかを利用者に選択させる画面である。スマートフォン1は、ホーム画面で選択されたアプリケーションをフォアグランドで実行する。フォアグランドで実行されるアプリケーションの画面は、ディスプレイ2Aに表示される。
【0028】
スマートフォン1は、ホーム画面にアイコンを配置することができる。
図4に示すホーム画面40には、複数のアイコン50が配置されている。それぞれのアイコン50は、スマートフォン1にインストールされているアプリケーションと予め対応付けられている。スマートフォン1は、アイコン50に対するジェスチャを検出すると、そのアイコン50に対応付けられているアプリケーションを実行する。例えば、スマートフォン1は、メールアプリケーションに対応付けられたアイコン50に対するタップを検出すると、メールアプリケーションを実行する。ここで、スマートフォン1は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2に対するアイコン50の表示位置(領域)に対応する位置(領域)へのジェスチャを、アイコン50に対応付けられたアプリケーションの実行命令であると解釈する。
【0029】
アイコン50は、画像と文字列を含む。アイコン50は、画像に代えて、記号又は図形を含んでもよい。アイコン50は、画像又は文字列のいずれか一方を含まなくてもよい。アイコン50は、所定の規則にしたがって配置される。アイコン50の背後には、壁紙41が表示される。壁紙は、フォトスクリーン又はバックスクリーンと呼ばれることもある。スマートフォン1は、任意の画像を壁紙41として用いることができる。画像は、例えば、利用者の設定にしたがって任意の画像が壁紙41として決定される。
【0030】
スマートフォン1は、ホーム画面の数を増減することができる。スマートフォン1は、例えば、ホーム画面の数を利用者による設定にしたがって決定する。スマートフォン1は、ホーム画面を表示する場合、ホーム画面の数が複数であっても、それらのうちから選択された1つをディスプレイ2Aに表示する。
【0031】
スマートフォン1は、ホーム画面上に、1つ又は複数のロケータを表示する。ロケータの数は、ホーム画面の数と一致する。ロケータは、現在表示されているホーム画面の位置を示す。現在表示されているホーム画面に対応するロケータは、他のロケータと異なる態様で表示される。
【0032】
図4に示す例では、4つのロケータ51が表示されている。これは、ホーム画面40の数が4つであることを示す。また、
図4に示す例では、左から2番目のシンボルが他のシンボルと異なる態様で表示されている。これは、左から2番目のホーム画面が現在表示されていることを示している。
【0033】
スマートフォン1は、ホーム画面を表示中に特定のジェスチャを検出すると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を切り替える。例えば、スマートフォン1は、右フリックを検出すると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を1つ左のホーム画面に切り替える。また、スマートフォン1は、左フリックを検出すると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を1つ右のホーム画面に切り替える。
【0034】
ディスプレイ2Aの上端には、領域42が設けられている。領域42には、充電池の残量を示す残量マーク43、及び通信用の電波の電界強度を示す電波レベルマーク44が表示される。スマートフォン1は、領域42に、現在時刻、天気の情報、実行中のアプリケーション、通信システムの種別、電話のステータス、装置のモード、装置に生じたイベント等を表示してもよい。このように、領域42は、利用者に対して各種の通知を行うために用いられる。領域42は、ホーム画面40とは別の画面でも設けられることがある。領域42が設けられる位置は、ディスプレイ2Aの上端に限られない。
【0035】
なお、
図4に示したホーム画面40は、一例であり、各種の要素の形態、各種の要素の配置、ホーム画面40の数、及びホーム画面40での各種の操作の仕方等は上記の説明の通りでなくてもよい。
【0036】
図5は、スマートフォン1の構成を示すブロック図である。
スマートフォン1は、制御部30と、第1通信処理部31と、第1アンテナ部32と、第2通信処理部33と、第2アンテナ部34とを備える。なお、スマートフォン1は、上述した構成要素以外にもマイク等の他の構成要素を備えている。
【0037】
第1通信処理部31は、第1通信システムのネットワークで無線通信を行う。第2通信処理部33は、第2通信システムのネットワークで無線通信を行う。なお、以下では、第1通信処理部31による通信は、第2通信処理部33による通信よりも優先度を高く設定してあるので、上位ベアラ通信ともいう。また、第2通信処理部33による通信は、下位ベアラ通信ともいう。
【0038】
以下、第1通信システムの通信方式は、IEEE802.16に準拠し、第2通信システムの通信方式は、IMT−2000標準に準拠しているものとする。具体的には、第1通信システムは、WiMAXである。また、第2通信システムは、CDMA(例えば、CDMA2000_1x、W−CDMA等)である。
【0039】
この場合、スマートフォン1は、WiMAXがロストしてCDMAで通信を行っている際はもちろん、WiMAXで通信を行っている際も、CDMAではページングの間欠受信を行っており、着信データ又はプッシュ通信の一斉配信情報等を受信できる。
【0040】
ところで、緊急地震速報、津波警報、災害・避難情報等の一斉配信情報は、多数の通信機器へ一斉に配信される。多くの通信機器は、表示部の電源がオフの状態において、この一斉配信情報を受信すると、表示部の電源をオンにするとともに、WiMAXの基地局のサーチ、認証及びネットワークエントリを試行する。
【0041】
また、多くの通信機器は、表示部の電源がオフの状態においてアラームがオンになると、表示部の電源をオンにするとともに、WiMAXの基地局のサーチ、認証及びネットワークエントリを試行する。アラームは、例えば朝の0分や30分等、特定の時刻に設定されることが多いため、同様に多数の通信機器が同時期に認証及びネットワークエントリを試みる可能性がある。
【0042】
ところが、通常は認証及びネットワークエントリの際にのみ必要となる認証サーバ及びDHCPサーバの数は、基地局の数に比べて少ない。このため、一斉配信情報又はアラームに応じて多数の通信機器が同時期に認証及びネットワークエントリを試みると、各サーバで処理が輻輳し、認証又はネットワークエントリが失敗したり、ネットワークがダウンしたりする可能性がある。
【0043】
そこで、制御部30は、WiMAXによるデータ通信のセッションが確立されている状態で当該セッションが切断された場合、第1通信処理部31を制御して、WiMAXの基地局のサーチを行うことにより、効率的にネットワークに接続する。以下、制御部30による、WiMAXの基地局のサーチを行う処理について説明する。
【0044】
制御部30は、無線通信のセッションが切断状態において、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンの状態の場合、第1時間間隔以下の時間間隔で無線通信におけるネットワークへの接続を試行し、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの状態の場合、第1時間間隔で当該ネットワークへの接続を試行する。
【0045】
すなわち、制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンであり、WiMAXによるデータ通信のセッションが確立されている状態で当該セッションが切断された場合、WiMAXに対するスマートフォン1の認証に成功するまで、第1時間間隔以下の時間間隔で当該認証を試行する。また、制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの状態において、WiMAXによるデータ通信のセッションが確立されている状態で当該セッションが切断された場合、WiMAXに対するスマートフォン1の認証に成功するまで、第1時間間隔で当該認証を試行する。
【0046】
以下、具体的な処理について説明する。まず、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンの状態について説明する。
制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンの状態において、WiMAXによるデータ通信のセッションが切断された場合、WiMAXの基地局のサーチに成功するまで、第1時間間隔より短い第2時間間隔から段階的に時間間隔を増加させて、WiMAXの基地局のサーチを試行する。ここで、第1時間は、例えば30分である。また、第2時間は、n分(例えば2分)である。また、第2時間間隔から段階的に時間間隔を増加させるとは、例えば、時間間隔を2分、4分、6分、・・・30分と増加させることをいう。
【0047】
すなわち、制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンの状態において、WiMAXによるデータ通信のセッションが切断された場合、2分間にわたり、第1通信処理部31を停止させた後、第1通信処理部31を制御して、WiMAXの基地局をサーチする。制御部30は、WiMAXの基地局がサーチできた場合、基地局を介して、スマートフォン1の認証情報を認証サーバに送信し、WiMAXに対するスマートフォン1の認証を試行する。なお、第1通信処理部31が停止している状態を、スリープ状態という。
【0048】
制御部30は、WiMAXに対するスマートフォン1の認証に成功した場合、ネットワークに対するネットワークエントリを行う。すなわち、制御部30は、認証に成功した場合、ネットワーク上に存在するDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバにIPアドレスの取得要求を行い、ネットワークエントリを行う。スマートフォン1が、自身のIPアドレスをDHCPサーバから取得できた場合、ネットワークエントリに成功したものとする。
【0049】
制御部30は、WiMAXの基地局をサーチできなかった場合、スマートフォン1の認証に成功しなかった場合、又はネットワークエントリに成功しなかった場合、2分間にわたり、第1通信処理部31を停止させた後、WiMAXの基地局のサーチ、WiMAXに対するスマートフォン1の認証及びネットワークエントリを試行する。
【0050】
その後、制御部30は、WiMAXの基地局をサーチできなかった場合、スマートフォン1の認証に成功しなかった場合、又はネットワークエントリに成功しなかった場合に、第1通信処理部31を停止させる時間を、2分ずつ延伸する。なお、一度に延伸する時間を2分に限らず、5分、10分等、他の時間にしてもよい。
【0051】
ここで、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンの状態において、第1通信処理部31を停止させる時間の最大値は、第1時間、すなわち30分である。すなわち、制御部30は、WiMAXの基地局をサーチできなかった場合、又は2分間でスマートフォン1の認証に成功しなかった場合に、第1通信処理部31を停止させる時間を30分まで延伸する。
なお、制御部30は、スマートフォン1がWiMAXの通信接続が確立して所定時間経過した場合、WiMAXの基地局のサーチ間隔を、第2時間、すなわち2分に更新する。
【0052】
続いて、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの状態について説明する。
制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフであり、WiMAXによるデータ通信のセッションが確立されている状態で当該セッションが切断された場合、WiMAXに対するスマートフォン1の認証に成功するまで、第1時間間隔で当該認証を試行する。ここで、第1時間は、上述したように30分である。
【0053】
具体的には、制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの状態において、WiMAXによるデータ通信のセッションが切断された場合、WiMAXの基地局のサーチに成功するまで、30分間隔で、WiMAXの基地局のサーチを試行する。制御部30は、WiMAXの基地局をサーチできた場合、基地局を介して、スマートフォン1の認証情報を認証サーバに送信し、WiMAXに対するスマートフォン1の認証を試行する。制御部30は、WiMAXに対するスマートフォン1の認証に成功した場合、ネットワークに対するネットワークエントリを行う。
【0054】
すなわち、制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの状態において、WiMAXによるデータ通信のセッションが切断された場合には、常に30分間隔で、WiMAXの基地局のサーチ、スマートフォン1の認証を試行する。
【0055】
また、制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの間に、WiMAXによるデータ通信のセッションが切断されている(ロストしている)場合、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンになったことに応じてWiMAXの基地局のサーチを試行し、スマートフォン1の認証及びネットワークエントリを試行する。
【0056】
タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンになるタイミングは、ユーザからの操作入力、音声若しくはメール等の着信、ファームウェアアップデート確認、プッシュ通信や時刻に応じたアプリケーションの起動等のタイミングがある。プッシュ通信には、緊急地震速報、津波警報、災害・避難情報等の配信情報が含まれる。このような配信情報は、スマートフォン1を含む多数の通信機器へ一斉に配信される。これら複数の機器に共通のタイミングで発生するイベントを、以下では所定のイベントと呼ぶ。
【0057】
図6は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフからオンになったことに伴うネットワークエントリの例を示す図である。
【0058】
スマートフォン1は、WiMAXに接続中、時刻t1において、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフになった後、時刻t2において、WiMAXをロストして圏外になった。この場合、スマートフォン1は、30分間にわたり第1通信処理部31を停止させる。
【0059】
時刻t2から30分経過していない時刻t3において、所定のイベント等によって、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンになると、制御部30は、WiMAXの基地局をサーチできた場合に、ネットワーク接続試行を行い、通信接続を確立する。ここで、ネットワーク接続試行とは具体的には、基地局のサーチ、ネットワーク内のサーバとの認証、ネットワークエントリを含む。
【0060】
図7は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフである場合に行われるWiMAXの基地局のサーチに伴うネットワークエントリの例を示す図である。
【0061】
スマートフォン1は、WiMAXに接続中、時刻t4において、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフになった後、時刻t5において、WiMAXをロストして圏外になった。この場合、スマートフォン1は、30分間にわたり第1通信処理部31を停止させる。
【0062】
時刻t5から30分経過した時刻t6において、スマートフォン1は、WiMAXの基地局をサーチする。そして、スマートフォン1は、WiMAXの基地局をサーチできた場合に、スマートフォン1の認証及びネットワークエントリを開始し、通信接続を確立する。
【0063】
時刻t7において、所定のイベント等によって、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンになった場合、制御部30は、既に通信接続が確立されているため、この時点でスマートフォン1の認証及びネットワークエントリを行わない。
【0064】
スマートフォン1が複数存在する場合、これらのスマートフォン1において、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフになるタイミングはそれぞれ異なる。そして、これらスマートフォン1は、30分間隔で自身の認証及びネットワークエントリを行うため、各サーバに対するアクセスタイミングが異なる。また、これらのスマートフォン1は、所定のイベントによって、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンになったとしても、この時点において既に通信接続が確立されていれば、認証及びネットワークエントリを行わないため、輻輳が抑制される。
【0065】
図8は、スマートフォン1におけるタッチスクリーンディスプレイ2の電源状態に応じた処理の流れを示すフローチャートである。
本処理は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンになった際に実行される。
【0066】
ステップS1において、制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンか否かを判定する。制御部30は、この判定がYESの場合、ステップS2に処理を移す。制御部30は、この判定がNOの場合、
図9のステップS9に処理を移す。
【0067】
ステップS2において、制御部30は、WiMAXがロスト中か否かを判定する。制御部30は、この判定がYESの場合、ステップS3に処理を移す。制御部30は、この判定がNOの場合、ステップS1に処理を移す。
【0068】
ステップS3において、制御部30は、第1通信処理部31をスリープさせる。
ステップS4において、制御部30は、第1通信処理部31をA分スリープさせたか否かを判定する。制御部30は、この判定がYESである場合、ステップS5に処理を移す。制御部30は、この判定がNOの場合、ステップS1に処理を移す。ここで、Aの初期値は2であるものとするが、30分、すなわち、第1時間よりも小さい値であれば、他の値であってもよい。
【0069】
ステップS5において、制御部30は、WiMAXの基地局をサーチする。
ステップS6において、制御部30は、ステップS5におけるサーチの結果、WiMAXの基地局をサーチできたか否かを判定する。制御部30は、この判定がYESの場合、ステップS7に処理を移す。制御部30は、この判定がNOの場合、ステップS8に処理を移す。
【0070】
ステップS7において、制御部30は、認証サーバ及びDHCPサーバにアクセスし、スマートフォン1の認証とネットワークエントリとを試行する。なお、ステップS7において認証又はネットワークエントリに失敗した場合、制御部30は、ステップS8に処理を移すようにしてもよい。制御部30は、これらの処理が終了すると、本フローチャートの処理を終了する。
【0071】
ステップS8において、制御部30は、Aにnを加算する。ここで、nは、30以下の整数であり、例えば、2でもよい。これにより、次回WiMAXの基地局をサーチするまでの間隔が2分延伸される。なお、制御部30は、Aが30以上となった場合、Aにnを加算しない。
【0072】
図9に説明を移す。ステップS9において、制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンか否かを判定する。制御部30は、この判定がYESの場合、
図1のステップS1に処理を移す。制御部30は、この判定がNOの場合、ステップS10に処理を移す。
【0073】
ステップS10において、制御部30は、WiMAXがロスト中か否かを判定する。制御部30は、この判定がYESの場合、ステップS11に処理を移す。制御部30は、この判定がNOの場合、ステップS9に処理を移す。
【0074】
ステップS11において、制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンか否かを判定する。制御部30は、この判定がYESの場合、
図1のステップS5に処理を移す。制御部30は、この判定がNOの場合、ステップS12に処理を移す。
【0075】
ステップS12において、制御部30は、第1通信処理部31をスリープさせる。
ステップS13において、制御部30は、第1通信処理部31を30分スリープさせたか否かを判定する。制御部30は、この判定がYESである場合、ステップS14に処理を移す。制御部30は、この判定がNOの場合、ステップS11に処理を移す。
【0076】
ステップS14において、制御部30は、WiMAXの基地局をサーチする。
ステップS15において、制御部30は、ステップS14におけるサーチの結果、WiMAXの基地局をサーチできたか否かを判定する。制御部30は、この判定がYESの場合、ステップS16に処理を移す。制御部30は、この判定がNOの場合、ステップS11に処理を移す。
【0077】
ステップS16において、制御部30は、認証サーバ及びDHCPサーバにアクセスし、スマートフォン1の認証とネットワークエントリとを試行する。なお、ステップS16において認証又はネットワークエントリに失敗した場合、制御部30は、ステップS11に処理を移すようにしてもよい。制御部30は、これらの処理が終了すると、本フローチャートの処理を終了する。
【0078】
以上のように、本実施形態によれば、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンの状態において、WiMAXによるデータ通信のセッションが確立されている状態で当該セッションが切断された場合、WiMAXに対するスマートフォン1の認証に成功するまで、第1時間間隔以下の時間間隔で当該認証を試行し、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの状態において、WiMAXによるデータ通信のセッションが切断されている場合、WiMAXに対するスマートフォン1の認証に成功するまで、第1時間分間隔で当該認証を試行する。
【0079】
このようにして、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイの電源がオフの状態において、WiMAXによるデータ通信のセッションが切断されている場合、30分間隔でスマートフォン1の認証及びネットワークエントリを行う。よって、スマートフォン1は、多数の通信機器へ一斉に配信されるプッシュ通信及びアラーム等を起因としてタッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンになった場合において、既に認証が完了しているとき、認証サーバに対してアクセスしない。したがって、スマートフォン1は、プッシュ通信又はアラーム等を起因としてネットワークに対する急激な負荷がかかることを低減し、効率的にネットワークへ接続できる。
【0080】
さらに、スマートフォン1は、認証に成功した場合に、ネットワークに対してネットワークエントリを行う。したがって、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの状態において、ネットワークエントリまで完了していることから、この時点で、DHCPサーバに対するアクセスは、行われない。したがって、スマートフォン1は、プッシュ通信又はアラーム等を起因としてネットワークに対する急激な負荷がかかることを低減し、より効率的にネットワークへ接続できる。
【0081】
また、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンの状態において、WiMAXによるデータ通信のセッションが切断された場合、WiMAXの基地局のサーチに成功するまで、30分間隔より短い間隔から段階的に時間間隔を増加させて、WiMAXの基地局のサーチを試行する。また、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンの状態において、常に30分間隔でWiMAXの基地局のサーチを試行する。
【0082】
このように、スマートフォン1は、ユーザが使用していると考えられるタッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンの状態においては、WiMAXの基地局のサーチ間隔を短くする。また、スマートフォン1は、ユーザが使用していないと考えられるタッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの状態においては、WiMAXの基地局のサーチを最小限に留める。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンの状態において、利便性を維持するとともに、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフからオンに切り替わる場合のネットワークに対する負荷を抑制することができる。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、前述の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0084】
前述の実施形態では、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの状態において、WiMAXによるデータ通信のセッションが切断されている場合、WiMAXに対するスマートフォン1の認証に成功するまで、第1時間分間隔で当該認証を試行することとしたが、これに限らない。例えば、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの状態において、WiMAXによるデータ通信がアイドル中の場合にセッションが切断されたとき、第1時間分間隔で当該認証を試行するようにしてもよい。また、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフの状態において、WiMAXによるデータ通信が行われている場合にセッションが切断されたとき、第1時間間隔以下の時間間隔で当該認証を試行するようにしてもよい。
【0085】
また、前述の実施形態では、スマートフォン1は、WiMAX及びCDMAに対応するものとして説明したが、これには限られず、上位ベアラ又は下位ベアラは、他の無線通信システムであってもよいし、スマートフォン1は、3以上の無線通信システムに対応していてもよい。
【0086】
また、前述の実施形態では、通信機器の一例として、スマートフォン1について説明したが、本発明の通信機器は、スマートフォンに限定されない。例えば、通信機器は、モバイルフォン、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ又はゲーム機等の携帯電子機器、あるいは通信機能に特化した通信専用モジュールであってもよい。また、通信機器は、デスクトップパソコン、テレビ受像器等の据え置き型の電子機器であってもよい。
【0087】
また、前述の実施形態では、制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオンであり、WiMAXによるデータ通信のセッションが確立されている状態で当該セッションが切断された場合、WiMAXに対するスマートフォン1の認証に成功するまで、第1時間間隔以下の時間間隔で当該認証を試行することとしたが、これに限らない。制御部30は、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフにおいて、WiMAXによるデータ通信のセッションが確立されている状態で当該セッションが切断された場合、WiMAXに対するスマートフォン1の認証に成功するまで、第1時間間隔以下の時間間隔で当該認証を試行することとしてもよい。また、制御部30は、WiMAXによるデータ通信のセッションが確立されている状態で当該セッションが切断された後、タッチスクリーンディスプレイ2の電源がオフとなった場合、WiMAXに対するスマートフォン1の認証に成功するまで、第1時間間隔以下の時間間隔で当該認証を試行することとしてもよい。