【実施例1】
【0011】
本発明に係るシャッター付きLC形プラグ1は、
図1−A、
図1−Bに示すように、接続相手のLC形アダプタ24に嵌合されるものである。
図1−B、
図2、
図3に示すように、LC形アダプタ24への嵌合時に、前記アダプタ24の開口部の縁部に、フロントハウジング2の突起部2bが当接することで、該突起部2bを外周部に一体に形成しているフロントハウジング2が、スプリング21の付勢力に抗して後方移動せしめられる。
【0012】
それにより、
図4に示すように、前記フロントハウジング2を移動自在に内側で支持するプラグフレーム4に内包されたフェルール16の先端部が、前記フロントハウジング2の開口部2dから外部に突出するものである。
【0013】
本発明に係るシャッター付きLC形プラグ1は、前記フロントハウジング2を常に前方に付勢するように、係止ハウジング3の収納空間部3aの壁面に反力を取るスプリング21がある。
【0014】
図3、
図5−A、
図6−Aに示すように、前記フロントハウジング2に設けられた前記スプリング前部用の収納空間部2cと、前記係止用ハウジング3に設けられた前記スプリング後部用の収納空間部3aとが、未接続状態において、その互いの接合部側において重畳して設けられている。
【0015】
そして、前記両収納空間部2c,3aに収納されることで、このLC形プラグ1の未接続時においても当該スプリング21が外部に露出しないように収納される。
【0016】
各部品について説明すると、前記フロントハウジング2は、
図5−A(A)〜(E)に示すように、四角形状の筒体であり、このフロントハウジング2の前方からLC形アダプタ24に挿着される。また、後方の開口部は、
図3乃至
図4に示すように、係止用ハウジング3の嵌合部3fに嵌合されているプラグフレーム4の外側に被せて挿着され、該プラグフレーム4によって、当該フロントハウジング2が摺動自在に支持されている。
【0017】
前記フロントハウジング2の上部には、嵌合時の位置決めとなるガイド部2aが形成され、その側壁に突起部2bが形成されている。前記突起部2bがLC形アダプタ24の開口縁部に当接して、フロントハウジング2が後方に移動される。また、フロントハウジング2の筒体の下部には、フロントハウジング2の後退の位置決めとなる位置決め突起2eが設けられている。
【0018】
前記ガイド部2aは、
図5−A(E)に示すように、後方に延設され、その内部は、スプリング21を収納するための収納空間部2cとして形成されている。これを、
図5−B(A),(B)に示すように、従来例のフロントハウジング19と比較してみると、ガイド部19aは後方へ短くして形成され、本発明に係るフロントハウジング2のガイド部2aは後方に長く形成されている。よって、従来では、前記スプリング21の前端部がガイド部19bの収納空間部19aに収納されているが、他は外部に露出している。
【0019】
前記係止用ハウジング3は、
図6−A(A)〜(E)に示すように、四角形状の筒体の上部にスプリング21用の収納空間部3aが設けられ、更に前方にフロントハウジング2
のガイド部2aの後端部を収納するガイド部用収納部3bが設けられている。
【0020】
前記収納空間部3aの上に延設してツマミ部3gとLC形アダプタ24に係止するアダプタ用係止片3cが形成されている。筒体から前方に突出しているのはプラグフレーム4(
図7参照)を接続するためのプラグフレーム嵌合部3fであり、その外側周囲にフロントハウジング用収納部3dが形成されている。
【0021】
前記係止用ハウジング3と従来の係止用ハウジング20とにおいて、
図6−B(A),(B)に示すように、収納空間部3a、ガイド部用収納部3b及びアダプタ用係止片3cと収納空間部20a、アダプタ用係止片20bとを比較すると、従来の係止用ハウジング20では、フロントハウジング19のガイド部19bを延長させた場合にこれを収納するための収納部が無かった。
【0022】
それに対して、本発明に係る係止用ハウジング3では、アダプタ用係止片3cにおけるラッチ高さおよび係止位置を変更しないで、下側のラッチ形状を変更して、係止用ハウジング3の上面高さ方向に肉増しを行い、収納空間部3aを設けるとともに前方側にガイド部用収納部3bを形成することができたのである。
【0023】
前記プラグフレーム4は、
図7(A),(B)に示すように、四角形状の筒体であって、前記係止用ハウジング3のプラグフレーム嵌合部3fに差し込まれて嵌合され、側壁に設けた係止孔4bがプラグフレーム用突起部3hに係止され、このプラグフレーム4の前方への抜け出しが阻止される。
【0024】
前記プラグフレーム4の筒体の内部には、係合部4aが形成されており、後方開口部から挿入されるフェルール16の仕切り壁となり、前方への抜け止めとなるものである。
また、
図7(C)にシャッター22の斜視図と、同図(D)にフェルール用スプリング17の斜視図と、同図(E)にフロントハウジング用スプリング21の斜視図とをそれぞれ示す。
【0025】
以上の様にして、本発明に係るシャッター付きLC形プラグ1においては、前記フロントハウジング2の収納空間部2cと、前記係止用ハウジング3に設けられた前記スプリング後部用の収納空間部3aとが、スプリング21の全部を収納するとともに、
図3に示すように、未接続状態において、ガイド部用収納部3bにガイド部2aの接合部側端部(後端部)が内包されて、その互いの接合部側において重畳して設けられているので、前記スプリング21が完全に収納空間部の中に収納されて外部からは見えない様になっている。これにより、スプリング21の腐食などが防止されるものである。
【0026】
更に、前記両収納空間部2c,3aにおいては、前記細長いスプリング21の座屈防止用としての、ピン21aが存在しない。これに対して、従来例に係るシャッター付きLC形プラグ15においては、前記ピン21aが必要で有り、組立部品となっていて、部品点数が増えていた。
【0027】
このように、本発明に係るシャッター付きLC形プラグ1では、前記ピン21aが不要であって、前記フロントハウジング2の収納空間部2cにスプリング21に入れて、係止ハウジング3に当該フロントハウジング2を嵌合させて組み立てれば良い。これにより、部品点数が削減され、組立コストも低減されるものである。