(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンピュータ読み取り可能プログラム・コードを含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含むコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ読み取り可能プログラム・コードがコンピュータ上で実行された場合に前記コンピュータに請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ・プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に述べる例は、当業者が本発明を実施することを可能とするために必要な情報を提示する。添付図面を参照して以下の説明を読めば、当業者は本発明の概念を理解し、本明細書において具体的に述べないこれらの概念の用途を認識するであろう。これらの概念および用途が本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内にあることは理解されよう。
【0010】
本明細書に記載する主題は、インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた多数デバイスの監視および制御を提供する。無線物理デバイスのグループの各々に共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスを割り当て、グループ内の全デバイスと通信を行うために単一の無線通信チャネルを用いる。無線物理デバイスのグループは、無線ネットワーク内で共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスを介してアドレス可能な論理デバイス・グループを形成する。共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスは、単一の無線通信チャネル上でグループとネットワーク・レベルの通信を行うために用いられる。チャネル共有ゲートウェイが、アプリケーション・サーバ等のサーバと無線物理デバイスとの間のメッセージングを傍受する。サーバから傍受されたメッセージの場合、無線物理デバイスの物理ネットワーク・アドレスは、無線物理デバイスが論理的にグループ化されている共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスに変換される。無線物理デバイスの物理ネットワーク・アドレスは、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスにアドレスされたデータ・パケット内に埋め込まれ、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスを介して物理デバイスから受信される。物理デバイスから傍受されたメッセージの場合、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスがデータ・パケットのソース・アドレスとして用いられ、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスは無線物理デバイスの埋め込み物理ネットワーク・アドレスに変換される。本明細書において、「物理デバイス」という言葉は、単数および複数の文脈で「無線物理デバイス」と交換可能に用いることができる。本明細書に記載する場合、無線物理デバイスは例えば、配電網、ならびに配水網および配ガス網を含む他のネットワークの監視および制御等、スマート・グリッド用途の監視および制御に用いることができる。このため、無線物理デバイスは例えば、あり得る実施の中でも、スマート・グリッド配電システム監視デバイスのネットワーク、配水システム監視デバイスのネットワーク、配ガス・システム監視デバイスのネットワークの少なくとも一部を形成することができる。
【0011】
本発明は例えば、スマート・グリッドまたは他の被監視デバイス等のデバイスの数が無線ネットワーク内の利用可能チャネル数よりも多い場合に利用することができる。更に本発明は、多数のスマート・グリッドまたは他の被監視デバイスを収容するセル・サイト等の無線インフラストラクチャの資本支出を削減するためチャネル共有が望ましい場合に適用可能である。本発明は更に、チャネルを共有することで無線アクセス負担を一定に保ち得る場合に適用可能であり、各無線デバイスの動作におけるデータ要求が各無線チャネルのデータ容量(帯域幅)よりも小さい場合に利用可能である。本発明は、セル方式ネットワーク、WIMAX(R)(worldwide interoperability formicrowave access)ネットワーク等の無線広帯域アクセス技術、またはアクセス・デバイス数が増えるとチャネルが制限されることがある他の無線ネットワークを含む多数の形態の無線ネットワークに適用される。
【0012】
セル方式の用途では、物理デバイスに2枚の加入者識別モジュール(SIM)・カードが備えられている。多数の物理デバイスは論理プール/グループとして構成される。論理グループ内の各物理デバイスにおける第1の「共有アイデンティティ」SIMモジュールは、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスを介して無線ネットワーク上で共有通信を行うように構成される。アプリケーション・サーバ等のアプリケーション・レベルのデバイスと論理グループ内の物理デバイスとの間の多数の無線通信セッションは、チャネル共有ゲートウェイによって単一の無線チャネル上で多重化される。各物理デバイスにおける第2の「個別アイデンティティ」SIMモジュールは、別個の無線チャネルを介して無線ネットワークに対する個別アクセスを提供し、無線物理デバイスによって用いられてチャネル共有ゲートウェイから共有無線チャネル・アクセス情報(例えばセッション・キー等)を取得し、これは共有アイデンティティSIMカードを用いた多重化通信の間に用いられる。また、チャネル共有ゲートウェイは、個々の無線物理デバイスの構成および更新のために各物理デバイスの第2の個別アイデンティティSIMカードを介した通信を用いるが、これについては以下で詳述する。
【0013】
本明細書に記載する二重SIM技術を用いることで、共有アイデンティティSIMを用いてホーム・ロケーション・レジスタ(HLR)への登録を試みる第1の物理デバイスに、登録を付与し、セッション情報を提供することができる。次いでこの最初の登録デバイスは、チャネル共有ゲートウェイと通信を行い、セッション情報をチャネル共有ゲートウェイに提供することができる。これ以降に共有アイデンティティSIMを用いてHLRへの登録を試みる物理デバイスに対しては、登録を拒否することができる。そのデバイスは次いで、個別アイデンティティSIMを用いてHLRに登録してチャネル共有ゲートウェイとの通信を可能とし、チャネル共有ゲートウェイから共有アイデンティティSIMと共に用いるためのセッション情報を取得することができる。次いでデバイスは、取得したセッション情報を用いて共有アイデンティティSIMを構成し、各論理デバイス・グループの一部として多重化通信を行うために共有アイデンティティSIMに切り換えることができる。
【0014】
上述のように、インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた多数デバイス監視および制御は、無線物理デバイスを論理デバイス・プール/グループにグループ化することにより実施される。論理グループ内の各デバイスは、共有アイデンティティSIMカードを用いた物理通信のために共通論理デバイス・アイデンティティ(すなわち共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレス)に割り当てられる。チャネル共有ゲートウェイは、アプリケーション・サーバと基地局等の無線ネットワーク要素との間を連結し、この要素が最終的に論理デバイス・グループ内の物理デバイスと相互接続する。上述し更に以下でも詳述するように、チャネル共有ゲートウェイは、共有アイデンティティSIMカードを用いて単一の共有通信チャネル上での多数の無線通信セッションを多重化するように動作する。更にチャネル共有ゲートウェイは、別個の無線チャネルを介して第2の個別アイデンティティSIMカードを用いて物理デバイスと個別に通信を行うように動作する。
【0015】
チャネル共有ゲートウェイは、個別の物理デバイスに宛てられたアプリケーション・サーバからのメッセージを傍受し、これらのメッセージを変換して、論理デバイス・アイデンティティを宛先アドレスとして用いる。チャネル共有ゲートウェイは、最初にアプリケーション・サーバによりメッセージが送信された各物理デバイス(複数のデバイス)の物理デバイス識別子を、共通共有論理デバイス・アイデンティティに物理的にアドレスされたデータ・パケットのペイロード内に符号化する。各物理デバイスは、論理デバイス・アイデンティティに宛てられた各メッセージを受信し、物理デバイス識別子についてペイロードをパースする。ペイロード内の物理デバイス識別子によって、グループ内の各物理デバイスは、グループの論理デバイス・アイデンティティを介して受信した各物理デバイス宛ての通信を論理的に区別することができる。
【0016】
チャネル共有ゲートウェイは、各物理デバイスに、物理デバイスが発生したデータ・パケット(例えば監視したデータ、ステータス等)の送信を開始させるが、その際に、各メッセージのペイロード内に符号化された物理デバイス識別子を用いて各物理デバイスに論理的にアドレスされたデータ・パケット内で各物理デバイスにトークンを送信する。各物理デバイスは、その物理デバイス識別子をペイロードに符号化した応答データ・パケットで応答し、これは共通共有論理デバイス識別子を用いてチャネル共有ゲートウェイに物理的にアドレスされている。
【0017】
アプリケーション・サーバを宛先とし、チャネル共有ゲートウェイにアドレスされた、共通共有論理デバイス・アイデンティティからのメッセージを受信したことに応じて、チャネル共有ゲートウェイは、応答メッセージのペイロードから物理デバイス・アイデンティティを抽出すると共にソース・アドレスを各物理デバイスのアドレスに変換することによって、共有通信を多重分離する。チャネル共有ゲートウェイは、メッセージをアプリケーション・サーバに転送する。
【0018】
このように、各無線物理デバイスのネットワーク・アドレスは変換されて論理デバイス物理ネットワーク・アドレスを共有し、多数の物理デバイスは単一の指定された通信チャネルを共有し、しかも無線通信インフラストラクチャを変更することも、物理デバイスからデータを収集するアプリケーション・サーバ・デバイスを変更することもない。従って本発明は、アプリケーション・サーバも無線ネットワーク要素(例えば基地局等)も変更することなく実施可能である。
【0019】
データ・パケットのペイロード内に符号化される物理デバイス識別子は、論理デバイス・アイデンティティに物理的にアドレスされたパケットについて、ネットワーク物理接続レイヤよりも上位の各デバイスの論理アドレッシングを与える。共通共有論理デバイス・アイデンティティに宛てられたパケットのためのパケット・アドレッシングは、各デバイスによって各物理デバイス識別子を用いて復号することができる。
【0020】
単一の論理メッセージのペイロード内に多数の物理デバイスをアドレスすることができる。例えば同報通信メッセージを用いて、論理グループ内の多数のデバイスの構成、リセット、または他の方法でのこれらとの相互作用を行うことができる。他の変形も可能であり、それらは全て本主題の範囲内であると考えられる。
【0021】
チャネル共有ゲートウェイと論理グループとの間で無線チャネルを介した通信のためにチャネル共有ゲートウェイが用いる論理グループの物理アドレスは、デバイス・グループの論理アドレスに相当することに留意すべきである。これに対して、各メッセージのペイロード内に符号化されたデバイスの物理アドレスは、物理デバイスの論理アドレスに相当する。このように、本記載はある程度、論理および物理アドレッシングの概念を逆にしている。例えば、無線通信チャネルを介して伝達されるメッセージは論理グループに物理的にアドレスされる。しかしながら個々のデバイスは、各物理デバイスの物理デバイス識別子を用いて、メッセージ(論理グループにアドレスされている)のペイロード内に論理的にアドレスされる。
【0022】
物理デバイスのメッセージ処理を更に参照すると、上述したように、共有論理デバイス・アイデンティティにアドレスされたデータ・パケット/メッセージの受信に応じて、論理デバイス・プール/グループ内の各物理デバイスは、論理デバイスにアドレスされたデータ・パケットを開き、ペイロード内の物理デバイス識別子を調べて、パケットが各物理デバイスに論理的にアドレスされている(例えば宛てられている)か否かを判定する。パケットが各物理デバイスに宛てられていない場合、パケットを破棄することができる。パケットが各物理デバイスに宛てられている場合、物理デバイスのプロセッサ・デバイスによって実行されるデバイス・アプリケーション・レイヤにパケットを渡して、更に処理を行う。デバイス・アプリケーション・レイヤは、パケット/メッセージによって要求された処理を判断する。要求された処理は、動作のための物理デバイスの構成、ステータス(例えば動作状態、フォールト状況等)の報告、測定値(例えば電力読み取り値)の報告、または所与の実施に適切な他の処理を含むことができる。
【0023】
アプリケーション・サーバ等の監視デバイスにパケットを送信する場合、各物理デバイスの処理デバイスにより実行されるアプリケーション・レイヤは、監視デバイスのために物理デバイスが発生したデータをデータ・パケット/メッセージ内にカプセル化し、これは論理デバイスから来たように見える。このデータは、受信されたメッセージに対する応答情報(例えば肯定応答(複数の肯定応答)、測定値(複数の測定値)等)、または特定の時点に送信されるように構成された情報(測定値(複数の測定値)等)を含むことができる。アプリケーション・レイヤは、各デバイスのデータ送信の順番を知らせるトークンをチャネル共有ゲートウェイから共有通信チャネルを介して受信するまで待機する。次いでアプリケーション・レイヤは、形成したパケット・ペイロードまたはパケットをネットワーク・レイヤに転送し、これが監視デバイスに送信されて処理が行われる。ネットワーク・レイヤは、データをネットワーク・レイヤのパケット/メッセージにパッケージ化する。これは、ペイロード内に物理デバイス識別子を含み、ソース・アドレスとして論理グループの論理アドレスを有する。ネットワーク・レイヤは、ネットワーク・レイヤのパケット/メッセージをアプリケーション・サーバにアドレスし、ネットワーク・レイヤのパケット/メッセージを転送する。上述のように、チャネル共有ゲートウェイは、アプリケーション・サーバに宛てられたメッセージを傍受し、各物理デバイスのペイロード符号化物理デバイス識別子を用いて、論理グループのソース・アドレスを変換し、物理デバイスのソース・アドレスを示す。
【0024】
あるいは物理デバイスは、チャネル共有ゲートウェイを直接アドレスし、ペイロード内でアプリケーション・サーバのアドレスを宛先アドレスとして符号化することも可能であることに留意すべきである。かかる実施において、チャネル共有ゲートウェイは、論理グループおよびチャネル共有ゲートウェイからのソース・アドレスおよび宛先アドレスの双方をそれぞれ物理デバイスおよびアプリケーション・サーバに変換することができる。更にチャネル共有ゲートウェイは、論理通信セッション・テーブルまたはメモリ内に記憶された他のデータ構造等を用いて、アプリケーション・サーバと論理デバイス・グループ内の各物理デバイスとの間のメッセージング・セッションを記録化または追跡して、リターン・メッセージ・サービス多重分離を促進することができる。あるいはチャネル共有ゲートウェイは、所与の実施に合わせて適宜、完全リアルタイム処理を実行して、顕著な通信セッションを追跡することなく通信セッションおよびメッセージを多重化および多重分離することができる。
【0025】
ルーチンでデータを送信するように構成された物理デバイスを用いた実施では、トークンを物理デバイス識別子として実施可能であることに留意すべきである。あるいは、所与の実施に合わせて適宜、トークンはペイロード内の追加のデータ・フィールドとして実施することができる。このように、共有通信チャネル上でのチャネル共有ゲートウェイと物理デバイスとの間の論理デバイス通信には多くの可能な変形が存在し、かかる可能な変形は全て本主題の範囲内であると考えられる。
【0026】
不正に変更されたデバイスがそれらに宛てられていないパケット/メッセージを悪意で読み取ることを防ぐために、暗号化を用いることができる。所与の実施に合わせて適宜、意図する目的に適したいずれかの暗号化アルゴリズムを使用可能である。
【0027】
上述のことに鑑み、更に以下で詳述するように、多数のデバイスが単一の無線チャネルを共有し、無線チャネルに対して単一の論理デバイスとして動作することができ、無線チャネルに同時にアクセスしてその利用可能容量を用いることができる。チャネル共有ゲートウェイは、1つ以上の利用可能な物理無線チャネル上で、以下で詳述するようなネットワーク・アドレス変換(NAT)の一形態を用いて多数の無線通信セッションを多重化する。チャネル共有ゲートウェイは、NATを用いてアプリケーション・サーバと各無線物理デバイスとの間で通信されるデータ・パケット/メッセージを操作するが、この際に、物理デバイスのためのデータ・パケットを、各物理デバイスが論理的に関連付けられた論理デバイスの物理アドレスに対するパケットにカプセル化する。チャネル共有ゲートウェイは、所与の実施に合わせて適宜、メモリ内に記憶されたデータ構造を用いて物理デバイスと論理デバイスとの関連付けのレジスタを維持する。
【0028】
上述のように、本主題は例えば、スマート・グリッドまたは他の被監視デバイスの数が無線ネットワーク内の利用可能チャネル数よりも多い場合に利用することができる。本主題は更に、チャネルを共有することで無線アクセス負担を一定に保ち得る場合に適用可能であり、各無線デバイスの動作におけるデータ要求が各無線チャネルのデータ容量(帯域幅)よりも小さい場合に利用可能である。
【0029】
更に、再びセル方式の実施を参照すると、所与の論理プール内の全物理デバイスに通信を行うために多数のチャネルを用いる場合がある。かかる状況では、ネットワーク帯域幅を一定に保つために、デバイスは送信間隔をあけるように制御されることがある。かかる実施では、各物理デバイスがオンに切り換えられるかまたは動作を始めると、デバイスは各ネットワークへの接続を試みることができる。各デバイスはネットワークによって一意に識別され、HLRに登録することができる。ネットワークは各物理デバイスについて課金記録を発生する。各デバイスはチャネル共有ゲートウェイに接続し、論理デバイス・プールのメンバーとしてそれ自身を識別する。チャネル共有ゲートウェイは、インターネット・プロトコル(IP)・アドレッシング・スキームを用いて、本明細書に記載するトークン・ベースの技法によってデバイスが同時にIPパケットを送信しないことを確実とすることができる。デバイスは、いつデータを送信するかを命令されるまで待機し、この結果、デバイスは並列でなくシリアルに通信を行う。このため、セル方式ネットワーク内の帯域幅を一定に保つことができる。
【0030】
本記載は、例示の目的のために、監視ドメインとしてスマート・グリッドを、被監視デバイスとしてスマート・グリッド・デバイスを利用することに留意すべきである。しかしながら本主題は、車両、自動販売機、配水網、電話会社インフラストラクチャ、および多数のデバイスを監視することが望ましい場合がある他のシステム等、他の監視ドメインおよびデバイスに適用することができる。従って、かかる監視ドメインは全て本主題の範囲内であると考えられる。
【0031】
本例の目的のためのスマート・グリッドについて更に述べると、スマート・グリッドは電気/配電網の進化したものであり、情報および通信技術を電力網と一体化させて電力網の監視、制御、および最適化を行う。スマート・グリッドの実施において、電力網の構成要素は、変圧器、スイッチ、ケーブル、および他の構成部分等のデバイスを含む。これらの電力網構成要素は、アプリケーション・サーバ等のインテリジェント・デバイスによって監視され、このデバイスは、インターネット・プロトコル・ベース(IPベース)のデータ通信ネットワークを介して、電圧、電流、および電力等の電気ステータスを収集し、これをリモート・サーバに伝達する。また、スマート・グリッドは、本明細書において「スマート・メータ」と称する需要家の構内ベースの計器内にネットワーク通信および処理機能(features)を組み込み、この計器が電気消費データおよび警報を電気供給業者に中継する。
【0032】
スマート・グリッドの実施において、事象、警報、計器の読み取り値、および他のデータ等の電力網情報が捕獲、報告、および分析される。分析された電力網情報により、電気供給、インフラストラクチャ、および労働力の最適化を確実とするような措置を取ることができる。
【0033】
本主題の概念は、スマート・グリッド・ネットワーク構成要素の監視に伴う一定の制限があることを認識した結果であることに留意すべきである。通信サービス提供者(CSP:communications service provider)が提供する公的無線ネットワークは、多数の加入者および事業に共有されていることが認められた。無線ネットワークに接続された各デバイスは、IEEE802.11規格内の媒体アクセス制御(MAC)アドレス、またはGSM(global system for mobilecommunications)規格内のIMSI(international mobile subscriberidentity)等の一意/個別の識別子を有する。一意/個別の識別子によって、個々のデバイスが呼、データ、およびメッセージを発生、送信、および受信することができる。従来の無線ネットワーク内では、デバイスごとに1つの通信チャネルが消費される。このチャネルは、通信セッションの持続時間(デバイスがオンに切り換えられている限り続く場合がある)中は、デバイスが通信を継続するか否かには関わらず割り当てられたままである。更に、例えば電気/配電網を監視するために展開されたスマート・グリッド・デバイスの量は、従来の無線通信システムの特定のセルがサポートすることができる通信チャネル数をはるかに上回る場合があることが認められた。更に、一例として配電網を用いると、例えばハリケーンまたは大竜巻等の緊急事態では、配電網の一部が動作不能となって修理が必要となり得ることが認識された。配電網を診断し修理するために、サービス・スタッフが多数のスマート・グリッド・デバイスとの通信を試みる場合がある。更に、そのような時には、公益企業のサービス・スタッフができる限り迅速に配電網の接続を復活させようとして停電の場所を特定するために多数のデバイスへのアクセスを試みている間に、緊急スタッフおよび他の人々が無線ハンドヘルド・デバイスを用いて高いレベルで無線通信セルを利用しようとする恐れがある。しかしながら、無線ハンドヘルド・デバイスの使用が増えるために、全ての被監視デバイスに接続する能力が制限され得る。更に、被監視スマート・グリッド・デバイスのトラフィック負荷は、各デバイスとの通信に用いられる所与のチャネルの容量よりも小さい場合があり、この結果として、スマート・グリッド実施における現在の無線チャネルの使用では帯域幅の非効率が生じている。本主題は、上述し更に以下でも詳述するようなインテリジェントなデバイス・チャネル共有を提供することによって、多数デバイス監視および制御ならびにチャネル使用の効率を向上させる。このように、本明細書に述べる主題によって、改良した多数デバイス監視および制御を達成することができる。
【0034】
本明細書に述べるインテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御をリアルタイムで実行することで、無線通信チャネルを介した多数デバイスの迅速な監視を可能とする。本記載の目的のため、リアルタイムは、ここに記載する主題のユーザにとって許容可能である情報処理の妥当な応答時間を与えることに関して、充分に短い持続時間のいずれかの期間を含むものとする。更に、「リアルタイム」という言葉は、一般に「準リアルタイム」と言われるものを含む。これは概ね、ここに記載する主題のユーザにとって許容可能であるオンデマンド情報処理の妥当な応答時間を与えることに関して、充分に短い持続時間のいずれかの期間を意味する(例えば1秒の何分の1か、または数秒内)。これらの言葉は、正確に定義することは困難であるが、当業者には充分に理解される。
【0035】
図1は、インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御のためのシステム100の実施例のブロック図である。アプリケーション・サーバ102はチャネル共有ゲートウェイ104に連結する。チャネル共有ゲートウェイ104は、アプリケーション・サーバ102から多数の物理デバイスへの通信を、物理デバイス数よりも少数の通信チャネル上で多重化するように動作する。これについては以下で更に詳細に述べる。本例の目的のため、物理デバイス数は利用可能な通信チャネル数よりも著しく多い、例えば一桁以上多いものと想定する。しかしながら、利用可能チャネルに対する物理デバイスの関係は、所与の実施に合わせて適宜変わり得ることは理解されよう。また、
図1の例では、以下で述べる基地局等、セル方式通信に関連付けた特定の構成要素を示すが、本主題は他の無線ドメインにも適用可能であり、この無線ドメインは、限定ではないが、WIMAX(R)ネットワークまたはアクセス・デバイス数が増えた場合にチャネル制限があり得る他の無線ネットワークを含むことに留意すべきである。このため、本明細書に与える記載に基づいて、所与の実施に合わせて本例を適宜変更することができる。
【0036】
チャネル共有ゲートウェイ104は基地局106に連結して、通信チャネル108から通信チャネル110として表す多数の通信チャネルを介して、論理デバイス_1 112から論理デバイス_X 114として表す論理プール/グループに組織化された物理デバイスと通信を行う。論理デバイス_1 112は、物理デバイス_1 116、物理デバイス_2 118から物理デバイス_N 120として表す多数の物理デバイスを含む。論理デバイス_X 114は、物理デバイス_1 122、物理デバイス_2 124から物理デバイス_M 126として表す多数の物理デバイスを含む。
【0037】
本例の目的のため、アプリケーション・サーバ102、基地局106、および通信チャネル108から110は、本明細書において記載する処理を実行するために変更されない構成要素を表す。チャネル共有ゲートウェイ104は、物理デバイスおよび各物理デバイスが関連付けられた論理デバイス・プール/グループ(例えば論理デバイス_1 112から論理デバイス_X 114)のレジスタを維持する。チャネル共有ゲートウェイ104は、このレジスタを用いて、アプリケーション・サーバと各物理デバイスとの間でアドレスを変換する。
【0038】
チャネル共有ゲートウェイ104は、個々の通信チャネル108から110上での多数の無線通信セッションの多重化装置として動作する。チャネル共有ゲートウェイ104は、ネットワーク・アドレス変換(NAT)の一形態を用いて、「M個」の論理通信セッションを、通信チャネル108から110によって表される「N個」の利用可能な物理無線チャネル上に多重化する。チャネル共有ゲートウェイ104は、NATを用いて、アプリケーション・サーバ102と物理デバイス116から126との間で通信されるデータ・パケットを操作するが、その際に、物理デバイスのためのデータ・パケットを、各物理デバイスが関連付けられた各論理デバイス112から114にアドレスされるパケットにカプセル化する。また、チャネル共有ゲートウェイ104は、各物理デバイスがデータを送信する場合に、各物理デバイスを指し示すトークンをそのデバイスに渡す。
【0039】
所与の通信シーケンスにおいて、チャネル共有ゲートウェイ104は、物理デバイス116から126等の物理デバイスに物理的にアドレスされた、アプリケーション・サーバ102から送信されたパケットを傍受する。チャネル共有ゲートウェイ104は、各物理デバイスがどの論理グループ(例えば論理デバイス_1 112から論理デバイス_X 114)内に位置するかを判定し、データ・パケットを各論理デバイスに物理的にルーティングするためにアドレス変換を実行する。チャネル共有ゲートウェイ104は、データ・パケットを各論理デバイスに物理的にアドレスするためにデータ・パケット/メッセージをリフォーマットし、各物理デバイスの物理アドレスを、各論理デバイスにアドレスされたパケットのペイロード内に配置する。
【0040】
図1内で通信チャネル108は、本例の目的のために、各々が論理デバイス_1 112に物理的にアドレスされたいくつかのデータ・パケットを含むように図示されている。図を見てわかるように、通信チャネル108は、物理デバイス_1 116の物理アドレス(PD_1)をカプセル化したデータ・パケット128、物理デバイス_2 118の物理アドレス(PD_2)をカプセル化したデータ・パケット130から、物理デバイス_N 120の物理アドレス(PD_N)をカプセル化したデータ・パケット132までを含む。各データ・パケットは論理デバイス_1 112の論理デバイス・アドレスに物理的にアドレスされていることは理解されよう。
【0041】
同様に、通信チャネル110は、各々が論理デバイス_X 114に物理的にアドレスされたいくつかのデータ・パケットを含むように図示されている。図を見てわかるように、通信チャネル110は、物理デバイス_1 122の物理アドレス(PD_1)をカプセル化したデータ・パケット134、物理デバイス_2 124の物理アドレス(PD_2)をカプセル化したデータ・パケット136から、物理デバイス_M 126の物理アドレス(PD_M)をカプセル化したデータ・パケット138までを含む。各データ・パケットは論理デバイス_X 114の論理デバイス・アドレスに物理的にアドレスされていることは理解されよう。
【0042】
ホーム・ロケーション・レジスタ(HLR)140は、システム100内で登録および他の動作を行う。以下で更に詳細に説明するが、HLR140は、論理デバイス_1 112から論理デバイス_X 114のいずれかの内部にあるデバイスによって用いられて、各論理デバイス内の物理デバイス間で登録アクティビティおよびセッション情報(例えばセッション・キー)の共有を行うことができる。例えば、共有アイデンティティSIMを用いてHLR140への登録を試みる第1の物理デバイスに、登録を付与し、セッション情報を提供することができる。次いでこの最初の登録デバイスは、チャネル共有ゲートウェイ104と通信を行い、セッション情報をチャネル共有ゲートウェイ104に提供することができる。これ以降に共有アイデンティティSIMを用いてHLR140への登録を試みる物理デバイスに対しては、登録を拒否することができる。そのデバイスは次いで、個別アイデンティティSIMを用いてHLR140に登録してチャネル共有ゲートウェイ104との通信を可能とし、チャネル共有ゲートウェイ104から共有アイデンティティSIMと共に用いるためのセッション情報を取得することができる。次いでデバイスは、取得したセッション情報を用いて共有アイデンティティSIMを構成し、各論理デバイス・グループの一部として本明細書で説明するような通信を行うために共有アイデンティティSIMに切り換えることができる。
【0043】
図2から
図8に関連付けて以下で更に詳しく説明するように、チャネル共有ゲートウェイ104は、インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御を提供する。インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御は、アプリケーション・サーバ102と物理デバイスとの間のデータ・パケット/メッセージの双方向傍受および双方向アドレス変換に基づいている。これによって多数のデバイスは、1つの通信チャネルを用い、トラフィックおよび帯域幅の消費を減らすことができる。インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御は、無線ネットワーク・インフラストラクチャを変更することなく実施可能であり、無線ネットワーキング・ドメイン内で展開される無線物理デバイスの数が増えた場合の設備コスト(up-fit costs)を削減することができる。
【0044】
チャネル共有ゲートウェイ104は、所与の実施に合わせて適宜、携帯型コンピューティング・デバイスまたはデスクトップ型もしくはラック・マウント型のコンピューティング・デバイスであり得ることに留意すべきである。携帯型コンピューティング・デバイスの場合、チャネル共有ゲートウェイ104は、ユーザがチャネル共有ゲートウェイ104を異なる位置に移動させることが可能であることによって、またはチャネル共有ゲートウェイ104が飛行機、電車、自動車、もしくは他の移動手段等の携帯型プラットフォームに関連付けられることによって、携帯可能とすることができる。また、チャネル共有ゲートウェイ104は、上述し更に以下でも詳述するような情報を処理することができるいずれかのコンピューティング・デバイスであり得ることに留意すべきである。例えばチャネル共有ゲートウェイ104は、サーバ、パーソナル・コンピュータ(例えばデスクトップ、ラップトップ等)、または以下で詳述するような情報を処理することができる他のいずれかのデバイス等のデバイスを含むことができる。
【0045】
図2は、インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御を実行することができるコア処理モジュール200の実施例のブロック図である。コア処理モジュール200は、所与の実施に合わせて適宜、チャネル共有ゲートウェイ104および物理デバイス116から126のいずれにも関連付けることができる。更に、コア処理モジュール200は、上述し更に以下でも詳述するように、各実施に関連して、論理アドレス・マッピングならびにメッセージング変換および処理の異なる処理および補足的な処理を提供することができる。例えば、チャネル共有ゲートウェイ104がアドレス変換を実行することができ、物理デバイス_1 116から物理デバイス_M 126等の物理デバイスが、変換されたアドレスを用いてメッセージを処理し、チャネル共有ゲートウェイ104により逆変換可能なフォーマットでアドレスされたメッセージを用いて応答することができる。
【0046】
以下の例のいずれの場合であっても、ある1つのデバイスに関して記載された機能性の態様について(例えば送信する/送信している等)、そのデバイスが他のデバイスと組み合わせて記載されていれば、この他のデバイスの機能性(例えば受信する/受信している等)を同時に記載するものとして理解されることは理解されよう。
【0047】
中央処理装置(CPU)202は、コンピュータ命令の実行、演算、およびコア処理モジュール200内の他の性能(capability)を提供する。ディスプレイ204はコア処理モジュール200のユーザに視覚情報を提供し、入力デバイス206はユーザに入力性能を提供する。
【0048】
ディスプレイ204は、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、電子インク・ディスプレイ、投影、タッチスクリーン、または他のディスプレイ要素もしくはパネル等、いずれかのディスプレイ・デバイスを含むことができる。入力デバイス206は、コンピュータ・キーボード、キーパッド、マウス、ペン、ジョイスティック、またはユーザがディスプレイ204と相互作用してディスプレイ204上の情報に応答することを可能とする他のいずれかのタイプの入力デバイスを含むことができる。
【0049】
図2内でディスプレイ204および入力デバイス206を点線表示で図示することで、いくつかの実施ではこれらがコア処理モジュール200の任意選択の構成要素であり得ることを示すことに留意すべきである。従ってコア処理モジュール200は、直接的なユーザ構成機能(configurability)もフィードバックも与えない完全自動化埋め込みデバイスとして動作する場合がある。しかしながら、コア処理モジュール200は、ディスプレイ204および入力デバイス206を介してユーザ・フィードバックおよび構成機能をそれぞれ提供することも可能である。
【0050】
通信モジュール208は、コア処理モジュール200がシステム100内の他のモジュールと通信することを可能とする相互接続性能を提供する。通信モジュール208は、相互接続性能を提供するために使用可能ないずれかの電気的性能、プロトコル性能、およびプロトコル変換性能を含むことができる。図示および記載を容易にする目的のために通信モジュール208を構成要素レベルのモジュールとして示すが、通信モジュール208は、上述し更に以下でも詳述するような通信モジュール208の機能を実行するために用いられるいずれかのハードウェア、プログラムされたプロセッサ(複数のプロセッサ)、およびメモリを含むことも可能である。例えば通信モジュール208は、通信モジュール208に関連した通信および電気的制御アクティビティを実行するための特定用途向け集積回路(ASIC)、プロセッサ、アンテナ、またはディスクリート集積回路および構成要素あるいはそれら全ての形態で、追加のコントローラ回路を含むことができる。更に通信モジュール208は適宜、割込みレベル、スタック・レベル、およびアプリケーション・レベルのモジュールを含むこともある。更に通信モジュール208は、通信モジュール208に関連した処理アクティビティを実行するための記憶、実行、およびデータ処理に用いられるいずれかのメモリ構成要素を含むことができる。また通信モジュール208は、本主題の範囲から逸脱することなく、記載する他の回路の一部を形成する場合もある。
【0051】
メモリ210は、論理アドレス管理記憶エリア212を含む。チャネル共有ゲートウェイ104内で論理アドレス管理記憶エリア212を実施する場合、論理アドレス管理記憶エリア212は、物理デバイスおよび物理デバイスと論理デバイスとの関連付け(例えば論理デバイス・プール/グループ)のレジスタを記憶することができる。物理デバイスおよび物理デバイスと論理デバイスとの関連付けのレジスタは、所与の実施に適したいずれかのフォーマットで組織化することができる。物理デバイスおよび物理デバイスと論理デバイスとの関連付けのレジスタは、物理デバイスの物理アドレスおよび、物理デバイス・アドレスと各物理デバイスが関連付けられた論理デバイスの各論理デバイス・アドレスとの間のマッピングを記憶する。また、論理アドレス管理記憶エリア212は、各論理デバイス・プール内の物理デバイスからの通信を行うためのトークン・パターン、シーケンス決定、および処理情報を記憶することができる。インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御に関連した情報をチャネル共有ゲートウェイで記憶するためには他にも多くの可能性が存在し、それらは全て本主題の範囲内であると考えられる。
【0052】
物理デバイス116から126内で論理アドレス管理記憶エリア212を実施する場合、論理アドレス管理記憶エリア212は、各物理アドレスの物理アドレス情報および各物理デバイスが位置する論理デバイス(例えばグループ/プール)の論理アドレス情報を記憶することができる。また、論理アドレス管理記憶エリア212は、チャネル共有ゲートウェイ104によっていつ通信が要求されたかを判定するためのトークン・パターンおよび処理情報も記憶することができる。インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御に関連した情報を無線物理デバイスで記憶するためには他にも多くの可能性が存在し、それらは全て本主題の範囲内であると考えられる。
【0053】
メモリ210は、意図する目的に適した揮発性および不揮発性メモリのいずれかの組み合わせを、分散型でまたは局在型で適宜含むことができ、例示を容易にする目的のために本例に示していない他のメモリ・セグメントを含む場合もあることは理解されよう。例えばメモリ210は、本主題の範囲から逸脱することなく、コード記憶エリア、オペレーティング・システム記憶エリア、コード実行エリア、およびデータ・エリアを含むことができる。
【0054】
アドレス変換処理モジュール214も図示されている。チャネル共有ゲートウェイ104内でアドレス変換処理モジュール214を実施する場合、アドレス変換処理モジュール214は、論理アドレス管理記憶エリア212にアドレス変換構成を提供する。また、アドレス変換処理モジュール214は、アプリケーション・サーバ102と物理デバイスが論理的にグループ化/プール化されている論理デバイスとの間のメッセージ/パケットおよびアドレスの多重化/多重分離を傍受する。アドレス変換処理モジュール214は、コア処理モジュール200のインテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御を実施する。
【0055】
物理デバイス116から126内でアドレス変換処理モジュール214を実施する場合、アドレス変換処理モジュール214は、受信メッセージを傍受して、アドレス変換処理モジュール214が実施されている各物理デバイスにメッセージが宛てられているか否かを判定する。メッセージが各物理デバイスに宛てられているという判定に応じて、アドレス変換処理モジュール214は、メッセージが構成メッセージであるか、または各物理モジュールがデータ送信を開始予定であることを示すトークンであるかを判定する。また、アドレス変換処理性能に関連して、アドレス変換処理モジュール214は、各物理デバイスのためにデータ(例えば測定値、読み取り値等)を収集するように動作することができ、あるいは所与の実施に合わせて適宜、各データ収集処理を実行するようにCPU202を実施可能であることは理解されよう。更に、かかる実施のために、データ収集のためのメモリをメモリ210によって割り当て可能であることは理解されよう。
【0056】
図示および記載を容易にする目的のため、アドレス変換処理モジュール214を構成要素レベルのモジュールとして示すが、アドレス変換処理モジュール214は、上述し更に以下でも詳述するようなこのモジュールの機能を実行するために用いられるいずれかのハードウェア、プログラムされたプロセッサ(複数のプロセッサ)、およびメモリを含み得ることに留意すべきである。例えばアドレス変換処理モジュール214は、各デバイスに関連した通信および電気的制御アクティビティを実行するための特定用途向け集積回路(ASIC)、プロセッサ、またはディスクリート集積回路および構成要素あるいはそれら全ての形態で、追加のコントローラ回路を含むことができる。更にアドレス変換処理モジュール214は適宜、割込みレベル、スタック・レベル、およびアプリケーション・レベルのモジュールを含むこともある。更にアドレス変換処理モジュール214は、モジュールに関連した処理アクティビティを実行するための記憶、実行、およびデータ処理に用いられるいずれかのメモリ構成要素を含むことができる。
【0057】
アドレス変換処理モジュール214は、本主題の範囲から逸脱することなく、記載する他の回路の一部を形成する場合もあることに留意すべきである。あるいは、アドレス変換処理モジュール214をメモリ210内に記憶されたアプリケーションとして実施することも可能である。かかる実施において、アドレス変換処理モジュール214は、本明細書に記載する機能性を実行するためにCPU202が実行する命令を含むことができる。CPU202はこれらの命令を実行して、上述し更に以下でも詳述する処理性能をコア処理モジュール200に提供することができる。アドレス変換処理モジュール214は、本主題の範囲から逸脱することなく、割込みサービス・ルーチン(ISR)の一部、オペレーティング・システムの一部、ブラウザ・アプリケーションの一部、または別個のアプリケーションの一部を形成することができる。
【0058】
上述のように、物理デバイスには2枚の加入者識別モジュール(SIM)・カードが備えられ、多数の物理デバイスはSIMカードの1枚を用いて論理プール/グループとして構成される。論理グループ内の各物理デバイスにおける第1の「共有アイデンティティ」SIM216は、無線ネットワーク上で共有通信を行うように構成される。アプリケーション・サーバ102等のアプリケーション・レベルのデバイスと論理グループ内の物理デバイスとの間の多数の無線通信セッションは、チャネル共有ゲートウェイ104によって単一の無線チャネル上で多重化される。各物理デバイスにおける第2の「個別アイデンティティ」SIM218は、別個の無線チャネルを介して無線ネットワークに対する個別アクセスを提供し、無線物理デバイスによって用いられてチャネル共有ゲートウェイ104から共有無線チャネル・アクセス情報(例えばセッション・キー等)を取得し、これは共有アイデンティティSIM216を用いた多重化通信の間に用いられる。また、上述し更に以下でも詳述するように、チャネル共有ゲートウェイ104は、個々の無線物理デバイスの構成および更新のために各物理デバイスの第2の個別アイデンティティSIM218を介した通信を用いる。
図2において、共有アイデンティティSIM216および個別アイデンティティSIM218を点線表示で図示することで、これらがチャネル共有ゲートウェイ104でなく物理デバイスのためのコア処理モジュール200の実施に関連付けられていることを示すことに留意すべきである。しかしながら、所与の実施に合わせて適宜、チャネル共有ゲートウェイ104がメッセージ傍受を実行せずに直接アドレスされる場合があることに留意すべきである。このため、本主題の範囲から逸脱することなく、チャネル共有ゲートウェイ104もSIMモジュールを有することができる。
【0059】
タイマ/クロック・モジュール220が図示されており、これはタイミングおよび日付情報を決定するために用いられる。この情報は、例えば上述し更に以下でも詳述するように、トークンを無線デバイスに送信してデータ(例えば読み取り値)の報告を実行させる/トリガすることに関連付けて用いられる。このため、アドレス変換処理モジュール214は、本明細書に記載するインテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御等の情報処理アクティビティのために、タイマ/クロック・モジュール220から得た情報を利用することができる。
【0060】
CPU202、ディスプレイ204、入力デバイス206、通信モジュール208、メモリ210、アドレス変換処理モジュール214、共有アイデンティティSIM216、個別アイデンティティSIM218、およびタイマ/クロック・モジュール220は、相互接続222を介して相互接続されている。相互接続222は、システム・バス、ネットワーク、または各目的のために適切な相互接続を各構成要素に提供することができる他のいずれかの相互接続を含むことができる。
【0061】
コア処理モジュール200は記載した特定の構成要素によって例示され、それらを有するが、本主題の範囲から逸脱することなく他のモジュールおよび構成要素をコア処理モジュール200に関連付けることができる。更に、例示を容易にするためにコア処理モジュール200を単一のデバイスとして記載するが、本主題の範囲から逸脱することなく、コア処理モジュール200内の構成要素を同一の場所に設置するか、または分散させてネットワークを介して相互接続する場合もあることに留意すべきである。分散型の配置では、ディスプレイ204および入力デバイス206をキオスクまたは他の位置に設置し、CPU202およびメモリ210をローカルまたはリモートのサーバに設置することができる。コア処理モジュール200の構成要素について他の多くの配置も可能であり、全ては本主題の範囲内であると考えられる。従って、コア処理モジュール200は多くの形態を取ることができ、多くのプラットフォームに関連付けることができる。
【0062】
以下に説明する
図3から
図7が表す一例としてのプロセスは、コア処理モジュール200等のデバイスによって実行されて、本主題に関連したインテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御を実行することができる。この一例のプロセスには他の多くの変形が可能であり、それらは全て本主題の範囲内であると考えられる。一例のプロセスは、かかるデバイスに関連付けて、アドレス変換処理モジュール214等のモジュールによって実行するか、またはCPU202によって実行するか、あるいはその両方とすることができる。例示を容易にする目的のため、以下で記載する一例のプロセス内にタイムアウト手順および他のエラー制御手順は示さないことに留意すべきである。しかしながら、全てのそのような手順が本主題の範囲内であると考えられることは理解されよう。更に、記載するプロセスを組み合わせること、記載する処理シーケンスを変更すること、および更に処理を追加することを、本主題の範囲から逸脱することなく実行可能である。
【0063】
図3は、共有アイデンティティ加入者識別モジュール(SIM)を共有してセル方式ネットワーク内でインテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御を実施する際のデバイス相互作用のためのメッセージング300の実施の一例のメッセージ・フロー図である。
図3内の図のスペースが限られているので、本例の目的のために2つのみのデバイスすなわち
図1の論理デバイス_1 112の物理デバイス_1 116および物理デバイス_2 118を図示する。物理グループ内の全てのデバイスが、電源投入され、作動および共有アイデンティティSIM216を用いたHLR140への登録を試みることができる。しかしながら、以下で詳述するように、共有アイデンティティSIM216を用いたHLR140への登録が成功するのは第1のデバイスのみである。チャネル共有ゲートウェイ104は、論理デバイス_1 112内の他の物理デバイスによる共有アイデンティティSIM216の使用を容易にする。これについては以下で詳述する。
【0064】
例示の目的のため、最初に物理デバイス_1 116がシステム100内で作動およびHLR140への登録を試み、2番目に物理デバイス_2 118が作動およびHLR140への登録を試みると想定する。論理デバイス・グループ内のどのデバイスも最初に作動および登録を試みることができること、および、物理デバイス_2 118(例えば例示の目的のために作動および登録を試みる第2のデバイス)に関連付けて説明する処理は、1つのデバイスが共有アイデンティティSIM216を用いて登録を成功させた後に作動およびHLR140への登録を試みる論理デバイス_1 112に関連付けられたいずれかの以降の物理デバイスによって実行可能であることは理解されよう。
【0065】
図3の例において、物理デバイス_1 116は電源投入され、または他の方法で、作動および物理デバイス_1 116の共有アイデンティティSIM216を用いたHLR140への登録を試みる(ライン1)。HLR140は、共有アイデンティティSIM216がシステム100内で登録されていないと判定し、システム100内で物理デバイス_1 116を登録する。HLR140は、応答して登録が成功したことを示し、所与の実施に合わせて適宜、1つ以上のセッション暗号キーを送信する。これが物理デバイス_1 116によって受信される(ライン2)。物理デバイス_1 116は、受信したセッション暗号キー(複数のキー)をチャネル共有ゲートウェイ104に送信する(ライン3)。チャネル共有ゲートウェイ104は、チャネル共有ゲートウェイ104の論理アドレス管理記憶エリア212内に、論理デバイス_1 112および物理デバイス_1 116に関連付けてセッション暗号キー(複数のキー)を記憶する。チャネル共有ゲートウェイ104は、共有アイデンティティSIM216を用いて物理デバイス_1 116との通信を開始し、物理デバイス_1 116にデータ・パケット(例えば読み取り値、測定値、ステータス等)を送信させるための1つ以上のトークンを物理デバイス_1 116に渡し、物理デバイス_1 116は、物理デバイス_1 116のいずれかの適切な構成を含む共有アイデンティティSIM216を介したメッセージング処理を開始する(ライン4)。
【0066】
図面内のスペースの制約のため、
図3ではアプリケーション・サーバ102を省略している。しかしながら、チャネル共有ゲートウェイ104は更に物理デバイス_1 116とアプリケーション・サーバ102との間でメッセージを伝達可能であることは理解されよう。これについては上述しており、以下で更に詳述する。
【0067】
物理デバイス_2 118は、電源投入され、または他の方法で、作動および物理デバイス_2 118の共有アイデンティティSIM216を用いたHLR140への登録を試みる(ライン5)。HLR140は、共有アイデンティティSIM216がシステム100内ですでに登録されていることを認識し、登録失敗(ライン6)で示すように物理デバイス_2 118の登録を拒否する。次いで物理デバイス_2 118は、個別アイデンティティSIM218の使用に切り換え、作動および物理デバイス_2 118の個別アイデンティティSIM218を用いたHLR140への登録を試みる(ライン7)。HLR140は、個別アイデンティティSIM218がシステム100内で登録されていないと判定し、システム100内で物理デバイス_2 118を登録する。HLR140は、応答して登録が成功したことを示し、所与の実施に合わせて適宜、1つ以上のセッション暗号キーを送信する。これが物理デバイス_2 118によって受信される(ライン8)。
【0068】
次いで登録された物理デバイス_2 118は、チャネル共有ゲートウェイ104と通信を行い、チャネル共有ゲートウェイ104から共有アイデンティティSIM216を用いるためのセッション・キー(複数のキー)を要求する(ライン9)。チャネル共有ゲートウェイ104は、物理デバイス_2 118が論理デバイス_1 112に関連付けられており、論理デバイス1 112が表す論理デバイス・プールの一部を形成することを確認する。チャネル共有ゲートウェイ104は、共有アイデンティティSIM216のための記憶されているセッション暗号キー(複数のキー)を物理デバイス_2 118に送信する(ライン10)。物理デバイス_2 118は受信したセッション暗号キー(複数のキー)を適用して、すでに物理デバイス_1 116が登録されているシステム100内で用いるために共有アイデンティティSIM216を作動させる(ブロック302)。物理デバイス_2 118はチャネル共有ゲートウェイ104からのメッセージの処理を開始する。
【0069】
チャネル共有ゲートウェイ104は、共有アイデンティティSIM216を用いて、
図1の通信チャネル108等の単一の共有通信チャネルを介して、物理デバイス_2 118のいずれかの適切な構成を含む物理デバイス_1 116および物理デバイス_2 118との通信を継続し(ライン4および11)、物理デバイス_1 116および物理デバイス_2 118にデータ・パケット(例えば読み取り値、測定値、ステータス等)を送信させるための1つ以上のトークンを各デバイスに渡す。
【0070】
上述のように、図面内のスペースの制約のため、
図3ではアプリケーション・サーバ102を省略している。しかしながら、チャネル共有ゲートウェイ104は更に各物理デバイスとアプリケーション・サーバ102との間でメッセージを伝達可能であることは理解されよう。これについては上述しており、以下で更に詳述する。
【0071】
また、チャネル共有ゲートウェイ104は、各物理デバイスに対する更新(例えばファームウェアのダウンロード等)の目的のために、各個別アイデンティティSIM218を介した登録の実行または登録の維持を物理デバイスに命令することも可能であることに留意すべきである。このため、チャネル共有ゲートウェイ104は論理デバイス・プール/グループ内の各物理デバイスのプロビジョニングを制御することができる。
【0072】
図4は、インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御のためのプロセス400の実施の一例のフローチャートである。ブロック402において、プロセス400は、複数の無線物理デバイスの各々に共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスを割り当てる。複数の無線物理デバイスは、無線ネットワーク内で共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスを介して単一の無線通信チャネル上でアドレス可能な論理デバイス・グループを形成する。ブロック404において、プロセス400は、アプリケーション・サーバから複数の無線物理デバイスの1つの物理ネットワーク・アドレスにアドレスされた第1のデータ・パケットを受信したことに応じて、この物理ネットワーク・アドレスを、複数の物理デバイスの1つが論理的にグループ化されている共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスに変換する。ブロック406において、プロセス400は、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスにアドレスされた第1のデータ・パケット内に、複数の無線物理デバイスの1つの物理ネットワーク・アドレスを埋め込む。ブロック408において、プロセス400は第1のデータ・パケットを共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスに送信する。
【0073】
図5は、インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた多数デバイスの監視および制御のための、チャネル共有ゲートウェイ104等のチャネル共有ゲートウェイにおけるアドレス変換およびメッセージング相互作用のプロセス500の実施の一例のフローチャートである。無線物理デバイスが共有アイデンティティ論理デバイスとしてチャネル共有ゲートウェイ104に登録するための登録プロセスの詳細については後で
図8に関連付けて説明し、この高レベルのメッセージング例の説明の方を優先している。決定点502において、プロセス500はメッセージが受信されたか否かについて判定を行う。メッセージが受信されたか否かについての判定は、例えばアプリケーション・サーバ102等のアプリケーション・サーバからの、または論理デバイス_1 112等の論理デバイス・グループ/プールに関連付けた物理デバイスからのメッセージまたはデータ・パケットの傍受に応じて行うことができる。メッセージの受信が検出されていないという判定に応じて、プロセス500は決定点504において、論理デバイス・グループ/プールに関連付けたいずれかの物理デバイスのための同報通信メッセージが同報通信の待ち状態であるか否かについて判定を行う。同報通信メッセージは、同報通信の待ち状態である場合があり、これは例えば、1つ以上の論理デバイス・グループ/プールに関連付けた多数の物理デバイスに通知を与えるために使用可能である。同報通信メッセージは、所与の実施に合わせて適宜、チャネル共有ゲートウェイ104からまたは他の場所から発信することができる。論理デバイス・グループ/プールに関連付けたいずれかの物理デバイスについて同報通信メッセージが待ち状態でないという判定に応じて、プロセス500は決定点502に戻り、上述のように反復する。
【0074】
決定点504の説明に戻ると、同報通信メッセージが論理デバイス・グループ/プール内の多数の物理デバイスに対する同報通信の待ち状態であるという判定に応じて、プロセス500はブロック506において同報通信メッセージ(例えばデータ・パケット)を形成する。ブロック508において、プロセス500は同報通信メッセージをアドレスする物理デバイスを決定する。ブロック510において、プロセス500は各無線物理デバイスの物理ネットワーク・アドレスを、データ・パケットのペイロード内等、形成したデータ・パケット内に埋め込む。ブロック512において、プロセス500は同報通信メッセージを共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレス(すなわち共通論理デバイス・アイデンティティ)に送信する。次いでプロセス500は決定点502に戻り、上述のように反復する。
【0075】
上述し更に以下でも詳述するように、論理デバイス・グループに関連付けられた各物理デバイスは各メッセージを受信し処理して、各デバイスの個々の物理デバイス・ネットワーク・アドレスがデータ・パケット内に埋め込まれているか否かを判定する。これは、このデータ・パケットが各デバイスにアドレスされていることを示すものである。次いでデバイスは、データ・パケットまたはペイロードを処理のために各デバイス内の高レベルの機能性に渡すことができる。このように、単一のデータ・パケット内に多数のデバイスの物理ネットワーク・アドレスを埋め込み、このデータ・パケットを単一のチャネル上で共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスに送信することによって、同報通信メッセージングは単一の無線通信チャネルを用いて多数のデバイスに分配することができる。次いで、プロセス500は決定点502に戻り、上述のように反復する。
【0076】
決定点502の説明に戻ると、メッセージの受信が検出されたという判定に応じて、プロセス500は決定点514において、アプリケーション・サーバから無線物理デバイスまたは無線物理デバイスからアプリケーション・サーバへのルートのどちらでメッセージが傍受されたについてかの判定を行う。アプリケーション・サーバ102等の1つ以上のアプリケーション・サーバに関連したメッセージングを、単一のチャネル共有ゲートウェイによって処理可能であることに留意すべきである。
【0077】
検出されたメッセージがアプリケーション・サーバから無線物理デバイスへのルートで傍受されたという判定に応じて、ブロック516においてプロセス500は、メッセージがアドレスされている無線物理デバイスの物理ネットワーク・アドレスを、無線物理デバイスが論理的にグループ化されている共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスに変換する。ブロック518においてプロセス500は、複数の無線物理デバイスの1つの物理ネットワーク・アドレスを、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスにアドレスされたデータ・パケット内に埋め込む。決定点520においてプロセス500は、要求が各アプリケーション・サーバからのデータ報告要求であるか否かの判定を行う。要求が各アプリケーション・サーバからのデータ報告要求であるという判定に応じて、プロセス500はブロック522において、各無線物理デバイスにアドレスされたトークンをデータ・パケットに挿入する。上述し更に以下でも詳述するように、データ・パケット内にトークンを挿入することで、複数の無線物理デバイスの1つが、各無線物理デバイスによって発生したデータの送信を開始する。
【0078】
報告要求は、アプリケーション・サーバ102から同報通信し、アプリケーション・サーバ102から多数の無線チャネルを介してチャネル共有ゲートウェイ104によって傍受可能であることに留意すべきである。かかる状況において、プロセス500を変更して報告動作を認識し、順繰りに(round-robin)トークン配信を実行することで、単一の共有通信チャネルを介して各無線物理デバイスに順番に報告を行わせることができる。しかしながらアプリケーション・サーバ102は、所与の実施に合わせて適宜、各個別アイデンティティSIMを用いて別個のチャネル上での単一のデバイスからの報告を要求することも可能である。
【0079】
所与の実施に合わせて適宜、トークンはいずれかのデータ識別子とすれば良いことに留意すべきである。更に、上述のように、無線物理デバイスの物理ネットワーク・アドレスをトークンとして使用可能である。かかる実施においては、決定点520およびブロック522に関連して説明した処理を省略することができる。ブロック518において、すでに「トークン」(例えば無線物理デバイスの物理ネットワーク・アドレス)がデータ・パケット内に埋め込まれているからである。
【0080】
ブロック522におけるデータ・パケット内へのトークンの挿入に応じて、または決定点520におけるメッセージがデータ報告要求でないという判定に応じて、プロセス500はブロック524においてデータ・パケットを共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスに送信する。プロセス500は決定点502に戻り、上述のように反復する。
【0081】
決定点514の説明に戻ると、無線物理デバイスの1つ以上によるデータ報告を行わせるデータ・パケット内へのトークン(例えば識別子またはアドレス自体)の挿入に応じて、プロセス500は更に、無線物理デバイスの1つ以上によって発生したデータを受信可能であることに留意すべきである。データはデータ・パケット内で受信することができ、このデータ・パケットでは、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスがデータ・パケットのソース・アドレスとして含まれ、複数の無線物理デバイスの1つの物理ネットワーク・アドレスがペイロードに埋め込まれている。このため、決定点514における、無線物理デバイスからアプリケーション・サーバへのルートでメッセージを傍受したという判定に応じて、プロセス500はブロック526において、データ・パケットのメッセージ・ペイロードから、メッセージを送信した無線物理デバイスの物理ネットワーク・アドレスを抽出する。ブロック528においてプロセス500は、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスからのデータ・パケットのソース・アドレスを、無線物理デバイスの物理ネットワーク・アドレスに変換する。この処理によって、ネットワーク内でデータ・パケットを、変換なしで無線物理デバイスから発信したように見せることができる。ブロック530においてプロセス500は、データ・パケットをアプリケーション・サーバ102に送信する。プロセス500は決定点502に戻り、上述のように反復する。
【0082】
このように、プロセス500は、1つ以上のアプリケーション・サーバと論理的にグループ化/プール化された多数の無線物理デバイスとの間のメッセージを傍受する。プロセス500とアプリケーション・サーバ(複数のサーバ)との間のメッセージングは多数の通信チャネル上で発生し、無線物理デバイスとプロセス500との間のメッセージングは論理グループごとに単一の通信チャネル上で発生する。プロセス500は無線物理デバイスに対する同報通信メッセージングを実行する。また、プロセス500は、各論理デバイス・グループ/プールの共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスと各メッセージング・インタフェースの個々の無線デバイス物理ネットワーク・アドレスとの間でアドレス変換を実行する。
【0083】
図6から
図7は、インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた多数デバイスの監視および制御のための、物理デバイス_1 116から物理デバイス_M 126等の無線物理デバイスに関連付けられたプロセス600の実施の一例のフローチャートを示す。
図6はプロセス600内の初期処理を示す。決定点602において、プロセス600はデバイス作動シーケンスが進行中であるか否かの判定を行う。デバイス作動シーケンスは、所与の実施に合わせて適宜、物理デバイスの電力サイクルもしくはリブートによって起こるか、または他の処理によって行われる場合がある。決定点602において判定がノーである場合の処理については以下で詳述する。決定点602におけるデバイス作動シーケンスが進行中であるという判定に応じて、プロセス600は、所与の実施に合わせて適宜、共有アイデンティティSIM216を介してホーム・ロケーション・レジスタ(HLR)140に登録要求を送信する。この共有アイデンティティSIM216を介したHLR140への登録の最初の試みは、これが各論理デバイス・グループ間の物理デバイスからの第1の登録の試みである場合に成功であり得る。他の場合は登録の試みは失敗する場合があり、これによって、論理グループ内の少なくとも1つの他の物理デバイスが共有アイデンティティSIM216を用いるためにすでに登録しているという情報が提供される。
【0084】
決定点606において、プロセス600は、共有アイデンティティSIM216と共に用いるためのセッション情報(例えば暗号キー(複数のキー)等)が受信されたか否かの判定を行う。本例の目的のため、この処理の反復は登録を試みた第1の物理デバイスによって実行されると想定する。共有アイデンティティSIM216と共に用いるためのセッション情報が受信されていないという判定に応じて、プロセス600は決定点608において、登録がHLR140によって拒絶されたか否かの判定を行う。この反復は登録の第1の試みに関連した処理を記述するので、登録は拒絶されなかったと想定する。登録が拒絶されなかったという判定に応じて、プロセス600は決定606に戻って上述のように反復する。
【0085】
決定点606における、登録が成功したことおよびセッション情報がHLR140から受信されたことの判定に応じて、プロセス600はブロック610においてセッション情報を記憶する。ブロック612においてプロセス600は、セッション情報を含むメッセージをチャネル共有ゲートウェイ104に送信する。この時、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスをソース・アドレスとして用い、各物理デバイスの1つの物理ネットワーク・アドレスをメッセージに埋め込む。また、埋め込み物理ネットワーク・アドレスを有するセッション情報のチャネル共有ゲートウェイ104へのこの送信は、メッセージを送信する物理デバイスを、各論理デバイス・グループ/プール内で第1のアクティブ・デバイスとして登録するように動作する。このため、第1の物理デバイスは構成が行われたと考えられ、共有アイデンティティSIM216を介してチャネル共有ゲートウェイ104からメッセージングを受信する準備を整えることができる。これについては以下で更に述べる。プロセス600は決定点602に戻り、上述のように反復し、以下で詳述するようにメッセージの聴取を開始することができる。
【0086】
ここで、登録の拒絶に応じて実行される処理について説明する。この処理は、共有アイデンティティSIM216を用いた登録を試みる第2またはそれ以降の物理デバイスであるいずれかのデバイスによって実行することができる。
【0087】
決定点608の説明に戻ると、登録がHLR140により拒絶されたという判定に応じて、プロセス600はブロック614において通信のために個別アイデンティティSIM218の構成を行う。ブロック616において、プロセス600は個別アイデンティティSIM218を介してHLR140に登録要求を送信する。プロセス600は決定点618において、セッション情報が受信されたか否かの判定を行う。本例の目的のため、この登録の試みは拒絶されないと想定する。このため、セッション情報が受信されたという判定に応じて、プロセス600はブロック620において、共有アイデンティティSIM216を用いるためのセッション情報の要求をチャネル共有ゲートウェイ104に送信する。この処理によって、デバイス・グループ内の第2またはそれ以降の物理デバイスは、無線ネットワークの共有通信チャネルを用いるためのセッション情報を取得することができる。
【0088】
決定点622においてプロセス600は、セッション情報がチャネル共有ゲートウェイ104から受信されたか否かの判定を行う。本例の目的のため、特定の共有アイデンティティSIM216に関連付けられた論理デバイス・グループの一部として要求側デバイスがチャネル共有ゲートウェイ104に登録されること、およびチャネル共有ゲートウェイ104が共有アイデンティティSIM216を用いるためのセッション情報を戻すことが想定される。
【0089】
このため、共有アイデンティティSIM216を用いるためのセッション情報の受信に応じて、プロセス600はブロック624において、チャネル共有ゲートウェイ104から受信したセッション情報を用いて通信のために共有アイデンティティSIM216を構成する。ブロック626においてプロセス600は、作動確認メッセージをチャネル共有ゲートウェイ104に送信する。この時、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスをソース・アドレスとして用い、各物理デバイスの物理ネットワーク・アドレスをメッセージ内に埋め込む。チャネル共有ゲートウェイ104は、作動確認を処理し、共有アイデンティティSIM216を介した単一無線通信チャネル上でのアプリケーション・サーバ102と各物理デバイスとの間のメッセージ変換の処理内に、この第2およびそれ以降のデバイスを含ませることができる。プロセス600は決定点602に戻り、上述のように反復する。
【0090】
決定点602の説明に戻ると、デバイス作動シーケンスが進行中でないこと(すなわちデバイスがすでに作動されて共有アイデンティティSIM216を用いるように構成されていること)の判定に応じて、プロセス600は決定点628において、チャネル共有ゲートウェイ104から共有アイデンティティSIM216を介して単一無線通信チャネル上でメッセージが受信されたか否かの判定を行う。チャネル共有ゲートウェイ104から共有アイデンティティSIM216を介して単一無線通信チャネル上でメッセージが受信されたという判定に応じて、プロセス600は
図7に関連して図示し記載する処理に移行する。
【0091】
図7は、インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた多数デバイスの監視および制御のための、物理デバイス_1 116から物理デバイス_M 126等の無線物理デバイスに関連したプロセス600に関連する追加の処理を示す。ブロック630において、プロセス600はメッセージから1つ以上の埋め込みアドレスを抽出する。ブロック632において、プロセス600は抽出した埋め込みアドレス(複数のアドレス)を、個別アイデンティティSIM等のローカル物理アドレスと比較する。決定点634においてプロセス600は、ローカル物理アドレスと抽出した埋め込みアドレスのいずれかとの間にアドレス一致があるか否かの判定を行う。ローカル物理アドレスと抽出した埋め込みアドレスのいずれかとの間にアドレス一致がないことの判定に応じて、プロセス600は
図6に関連した処理の決定点602に戻り、上述のように反復する。
【0092】
決定点634における、ローカル物理アドレスと抽出した埋め込みアドレスの1つとの間にアドレス一致があるという判定に応じて、プロセス600は決定点636において、チャネル共有ゲートウェイ104から受信したメッセージにトークンが含まれているか否かの判定を行う。上述のように、トークンをメッセージ内に含ませることで、メッセージのペイロード内にアドレスされた各物理デバイスは、各物理デバイスによって収集したデータを送信することができる。データ収集処理については簡略化のため本明細書では説明しない。しかしながら、所与の実施に合わせて適宜、プロセス600内にいかなるデータ収集動作も含ませることが可能であることは理解されよう。
【0093】
メッセージ内にトークンが含まれているという判定に応じて、プロセス600はブロック638において、各トークンを介して要求された収集データを含むデータ収集メッセージをチャネル共有ゲートウェイ104に送信する。この時、共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスをソース・アドレスとして用い、各物理デバイスの物理ネットワーク・アドレスをメッセージに埋め込む。メッセージ内にトークンが含まれていないという判定に応じて、プロセス600はブロック640においてメッセージを処理する。メッセージの処理は、構成のオプション、データもしくは情報の記憶の指示、または所与の実施に合わせて適宜の他のいずれかの処理を含むことができる。また、メッセージは、かかる目的のために多数のデバイスによって処理される同報通信メッセージである場合もある。ブロック638におけるデータ収集メッセージの送信またはブロック640におけるメッセージの処理に応じて、プロセス600は
図6に関連した処理の決定点602に戻り、上述のように反復する。
【0094】
このように、プロセス600は、共有アイデンティティSIM216を介してHLR140への登録が可能であるか否かを判定する。共有アイデンティティSIM216を介して登録が成功すると、プロセス600はセッション情報を受信し、セッション情報をチャネル共有ゲートウェイ104に送信し、これが同一の論理グループ内の他の物理デバイスに分配される。第2およびそれ以降のデバイスは各個別アイデンティティSIM218を用いてHLR140に登録し、チャネル共有ゲートウェイ104と通信を行ってセッション情報を取得し、共有アイデンティティSIM216を構成して、チャネル共有ゲートウェイ104から受信したセッション情報を用いて単一の無線通信チャネル上での通信を行う。いったん共有アイデンティティSIM216を介して登録され作動されると、デバイスは、単一の共有無線チャネルを介して各物理デバイスに利用可能な送信ウィンドウを識別するトークンを介して、チャネル共有ゲートウェイ104によって指示されたとおりにメッセージを処理する。
【0095】
図8は、インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御のための、チャネル共有ゲートウェイ104等のチャネル共有ゲートウェイにおける物理デバイス登録のためのプロセス700の実施の一例のフローチャートである。決定点702においてプロセス700は、論理デバイス・グループ/プールのための共有アイデンティティSIM216等の共有アイデンティティSIMのセッション情報が受信されたか否かの判定を行う。プロセス700は、共有アイデンティティSIM216を介して認証された物理デバイスからセッション情報を受信する。このようにプロセス700は、上述のように、論理デバイス・グループ内の無線物理デバイスの1つから、論理デバイス・グループとセル方式通信を行うための無線セッション情報を受信することができる。
【0096】
論理デバイス・グループ/プールのための共有アイデンティティSIMのセッション情報が受信されたという判定に応じて、プロセス700はブロック704において、セッション情報が関連付けられている論理デバイス・グループを判定する。この判定は、パケット・ヘッダのソース・アドレス・エリアから共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスを抽出することを含むことができる。
【0097】
決定点706においてプロセス700は、論理デバイス・グループ内のいずれかのデバイスが現在アクティブ・デバイスとして登録されているか否かの判定を行う。論理デバイス・グループに関連付けられたデバイスからセッション情報が受信され、論理デバイス・グループ内で別のデバイスがアクティブ・デバイスとしてすでに登録されている場合、これをエラー状況と見なすことができる。論理デバイス・グループ内で現在どのデバイスもアクティブ・デバイスとして登録されていないという判定に応じて、プロセス700はブロック708において、セッション情報を送信した物理デバイスを判定する。この判定は、セッション情報が受信されたデータ・パケットのペイロードから物理ネットワーク・アドレスを抽出することを含むことができる。
【0098】
決定点710においてプロセス700は、識別した物理デバイスが論理デバイス・グループ内で認証されたデバイスとして論理デバイス・グループに登録されているか否かの判定を行う。識別した物理デバイスがグループ内で認証されたデバイスとして論理デバイス・グループに登録されているという判定に応答して、プロセス700はブロック712において物理デバイスの作動済みステータスを設定する。ブロック714においてプロセス700は、論理デバイス・グループのためのセッション情報(例えば無線セッション情報)を記憶する。
【0099】
決定点706における、少なくとも1つのデバイスが論理デバイス・グループ内で現在アクティブ・デバイスとして登録されているという判定に応じて、または決定点710における、識別した物理デバイスが論理デバイス・グループ内で認証されたデバイスとして論理デバイス・グループに登録されていないという判定に応じて、プロセス700はブロック716においてエラーを発生する。これは、エラーのログを取ること、またはエラーを管理者に通知するメッセージ(例えば電子メール、テキスト、または他のもの)を発生することを含み得る。プロセス700は決定点702に戻り、上述のように反復する。
【0100】
決定点702の説明に戻ると、セッション情報が受信されていないという判定に応じて、プロセス700は決定点718において、個別アイデンティティSIM218を用いて複数の無線物理デバイスの第2またはそれ以降のものによって開始された通信によって、論理デバイス・グループ内の第2のデバイスからセッション情報の要求が受信されたか否かの判定を行う。論理デバイス・グループ内の第2またはそれ以降のデバイスからセッション情報の要求が受信されたという判定に応じて、プロセス700はブロック720において、セッション情報の要求が関連付けられた論理デバイス・グループを判定する。この判定は、パケット・ヘッダのソース・アドレス・エリアから共有論理デバイス物理ネットワーク・アドレスを抽出することを含むことができる。
【0101】
決定点722においてプロセス700は、論理デバイス・グループについてセッション情報が記憶されているか否かの判定を行う。記憶されているセッション情報が存在しないことはエラー状況と見なすことができる。論理デバイス・グループについてセッション情報が記憶されているという判定に応じて、プロセス700はブロック724において、セッション情報を送信した物理デバイスを判定する。この判定は、セッション情報が受信されたデータ・パケットのペイロードから物理ネットワーク・アドレスを抽出することを含むことができる。上述のように、この処理分岐において、物理ネットワーク・アドレスは各物理デバイスの個別アイデンティティSIM218であり得る。
【0102】
決定点726においてプロセス700は、識別した物理デバイスが、論理デバイス・グループ内で認証されたデバイスとして論理デバイス・グループ(の一部として)に登録されているか否かの判定を行う。識別した物理デバイスがグループ内で認証されたデバイスとして論理デバイス・グループに登録されているという判定に応じて、プロセス700はブロック728において、記憶されているセッション情報を検索し、個別アイデンティティSIM218に関連した物理ネットワーク・アドレスを用いてセッション情報を要求側の物理デバイスに送信する。ブロック730においてプロセス700は物理デバイスの作動済みステータスを設定し、これによって第2またはそれ以降の物理デバイスは、論理デバイス・グループ/プールの他のアクティブな無線物理デバイスと循環させるトークン内にアクティブ・デバイスとして追加される。
【0103】
決定点722における、論理デバイス・グループについてセッション情報が記憶されていないという判定に応じて、または決定点726における、識別した物理デバイスが論理デバイス・グループ内で認証されたデバイスとして論理デバイス・グループに登録されていないという判定に応じて、プロセス700はブロック732においてエラーを発生する。これは、エラーのログを取ること、またはエラーを管理者に通知するメッセージ(例えば電子メール、テキスト、または他のもの)を発生することを含み得る。ブロック732におけるエラーの発生に応じて、またはブロック730における物理デバイスに対する作動済みステータスの設定に応じて、プロセス700は決定点702に戻り、上述のように反復する。
【0104】
このようにプロセス700は、論理デバイス・グループのための無線セッション情報を受信し記憶するように動作し、無線セッション情報を送信したデバイスの信頼性を検証するための確認を実行する。プロセス700は、共有アイデンティティSIM216を介して認証された物理デバイスからセッション情報を受信する。また、プロセス700は、論理デバイス・グループ内の第2およびそれ以降の物理デバイスからの無線セッション情報に対する要求を処理し、無線セッション情報の要求を送信したデバイスの信頼性を検証するための確認を実行する。プロセス700は、個別アイデンティティSIM218を介して認証された物理デバイスにセッション情報を送信し、認証された以降の物理デバイスをアクティブ・デバイスとして追加する。
【0105】
図1から
図8に関連付けて上述したように、例示のシステムおよびプロセスは、インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御を提供する。インテリジェントなデバイス・チャネル共有を用いた自動化多数デバイス監視および制御に関連した他の多くの変形および追加のアクティビティが可能であり、それらは全て本主題の範囲内にあると考えられる。
【0106】
当業者には認められるであろうが、上述の教示を考慮すると、上述の例のいくつかはCPU202等のプログラムされたプロセッサの使用に基づいている。しかしながら、本発明はそのような例示の実施形態に限定されない。特殊目的ハードウェアまたは専用プロセッサ等のハードウェア構成要素の均等物を用いて他の実施形態を実施可能であるからである。同様に、汎用コンピュータ、マイクロプロセッサ・ベースのコンピュータ、マイクロコントローラ、光コンピュータ、アナログ・コンピュータ、専用プロセッサ、特定用途向け回路、または専用ハードワイヤード論理あるいはそれら全てを、代替的で均等な実施形態を構築するために用いることができる。
【0107】
当業者には認められるであろうが、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータ・プログラムとして具現化することができる。従って本発明の態様は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、または、ソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態という形態を取ることができ、それらは全て本明細書において、「回路」、「モジュール」、または「システム」と一般的に称することができる。更に、本発明は、具現化されたコンピュータ読み取り可能プログラム・コードを有する1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体(複数の媒体)において具現化されたコンピュータ・プログラムの形態を取ることも可能である。
【0108】
1つ以上のコンピュータ読み取り可能媒体のあらゆる組み合わせを利用することができる。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ読み取り可能信号媒体またはコンピュータ読み取り可能記憶媒体とすることができる。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は例えば、限定ではないが、電子、磁気、光、電磁、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイス、または前述のもののいずれかの適切な組み合わせとすることができる。コンピュータ読み取り可能記憶媒体の更に具体的な例(非網羅的な列挙)は、以下を含む。すなわち、1本以上のワイヤを含む電気的接続、携帯型コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、携帯型コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述のもののいずれかの適切な組み合わせである。この文書の文脈において、コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによってまたはそれと接続して用いるためにプログラムを含有または記憶することが可能ないずれかの有形の(tangible)媒体とすることができる。
【0109】
コンピュータ読み取り可能信号媒体は、例えばベースバンドにおいてまたは搬送波の一部として、具現化されたコンピュータ読み取り可能プログラム・コードを有する伝播データ信号を含むことができる。かかる伝播信号は様々な形態のいずれかを取ることができ、それらは限定ではないが、電磁、光、またはそれらのいずれかの適切な組み合わせを含む。コンピュータ読み取り可能信号媒体は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体でないが、命令実行システム、装置、またはデバイスによってまたはそれと接続して用いるためにプログラムを伝達、伝播、または転送することが可能ないずれかのコンピュータ読み取り可能媒体とすることができる。
【0110】
コンピュータ読み取り可能媒体上で具現化されるプログラム・コードは、限定ではないが、無線、有線、光ファイバ・ケーブル、RF等、または前述のもののいずれかの適切な組み合わせを含むいずれかの適切な媒体を用いて伝送することができる。
【0111】
本発明の態様の動作を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードは、Java(TM)、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語等の従来の手順プログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語のいずれかの組み合わせにおいて記述することができる。プログラム・コードは、全体的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェア・パッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上でおよび部分的にリモート・コンピュータ上で、または全体的にリモート・コンピュータもしくはサーバ上で、実行することができる。後者の場合、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含むいずれかのタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または、接続は、(例えばインターネット・サービス・プロバイダを用いてインターネットを介して)外部コンピュータに対して行うことができる。
【0112】
本発明の実施形態に従った方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラムのフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して、本発明の態様について記載した。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、およびフローチャート図またはブロック図あるいはその両方におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ・プログラム命令によって実施可能であることは理解されよう。これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されて機械を生成することができ、これによって、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックまたは複数のブロックに規定された機能/行為を実施するための手段を生成するようになっている。
【0113】
また、これらのコンピュータ・プログラム命令はコンピュータ読み取り可能媒体に記憶することができ、これによって、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置に特定の方法で機能するように指示することができ、これにより、コンピュータ読み取り可能媒体に記憶された命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックまたは複数のブロックに規定された機能/行為を実施する命令を含む製造品を生成するようになっている。
【0114】
また、コンピュータ・プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラマブル・データ処理装置、または他のデバイスにロードして、そのコンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させてコンピュータ実施プロセスを生成することができ、これによって、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックまたは複数のブロックに規定された機能/行為を実施するためのプロセスを提供するようになっている。
【0115】
図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態に従ったシステム、方法、およびコンピュータ・プログラムの可能な実施のアーキテクチャ、機能性、および動作を例示する。この点で、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、規定された論理機能(複数の機能)を実施するための1つ以上の実行可能命令を含むコードのモジュール、セグメント、または一部を表すことができる。また、いくつかの代替的な実施において、ブロックに明記した機能は、図面に明記した順序どおりでなく発生する場合があることに留意すべきである。例えば、関与する機能性に応じて、連続して示した2つのブロックは実際には実質的に同時に実行されることがあり、またはブロックは時に逆の順序で実行される場合がある。また、ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方におけるブロックの組み合わせは、規定された機能もしくは行為を実行する特殊目的ハードウェア・ベースのシステム、または特殊目的ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって実施可能であることに留意すべきである。
【0116】
プログラム・コードの記憶または実行あるいはその両方を行うのに適したデータ処理システムは、システム・バスを介してメモリ要素に直接または間接に結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。メモリ要素は、プログラム・コードの実際の実行中に用いるローカル・メモリと、バルク記憶装置と、実行中にバルク記憶装置からコードを検索しなければならない回数を減らすために少なくとも何らかのプログラム・コードの一時的な記憶を提供するキャッシュ・メモリと、を含むことができる。
【0117】
入出力またはI/Oデバイス(限定ではないが、キーボード、ディスプレイ、ポインティング・デバイス等を含む)を、直接またはI/Oコントローラを介在させてのいずれかでシステムに結合することができる。
【0118】
また、システムにネットワーク・アダプタを結合することで、データ処理システムを、私的ネットワークまたは公的ネットワークを介在させて他のデータ処理システムまたはリモート・プリンタもしくは記憶デバイスに結合することができる。ネットワーク・アダプタの現在利用可能なタイプのいくつかの例として、モデム、ケーブル・モデム、およびイーサネット・カードがある。
【0119】
本明細書において用いた用語は、特定の実施形態を記載する目的のためだけのものであり、本発明を限定することは意図していない。本明細書において用いたように、単数形「1つの(a)、(an)、(the)」は、文脈によって明らかに他の場合が示されない限り、複数形を含むことが意図されている。また、「含む」または「含んでいる」という言葉あるいはその両方は、本明細書において用いられた場合、述べた特性、整数、ステップ、動作、要素、または構成要素あるいはそれら全ての存在を規定するが、1つ以上の他の特性、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、またはそれらのグループあるいはそれら全ての存在または追加を除外するものではないことは、理解されよう。
【0120】
以下の特許請求の範囲における全てのミーンズまたはステップ・プラス・ファンクション要素の対応する構造、材料、行為、および均等物は、具体的に特許請求したような他の特許請求した要素と組み合わせて機能を実行するためのいずれかの構造、材料、または行為を含むことが意図されている。本発明の記載は、例示および記述の目的のために提示したが、網羅的であることや、開示した形態に本発明を限定することは、意図していない。本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には多くの変更および変形が明らかであろう。実施形態は、本開示の原理および実際的な用途を最良に説明するため、更に、想定される特定の用途に適した様々な変更と共に様々な実施形態に関して当業者が本発明を理解することを可能とするために、選択し記載したものである。