特許第6002500号(P6002500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水化学工業株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6002500-接続構造体の製造方法 図000004
  • 特許6002500-接続構造体の製造方法 図000005
  • 特許6002500-接続構造体の製造方法 図000006
  • 特許6002500-接続構造体の製造方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6002500
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年10月5日
(54)【発明の名称】接続構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20160923BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20160923BHJP
【FI】
   H01L21/60 311S
   H01R43/00 Z
   H01R43/00 H
【請求項の数】9
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2012-173067(P2012-173067)
(22)【出願日】2012年8月3日
(65)【公開番号】特開2013-55331(P2013-55331A)
(43)【公開日】2013年3月21日
【審査請求日】2015年4月3日
(31)【優先権主張番号】特願2011-171759(P2011-171759)
(32)【優先日】2011年8月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石澤 英亮
【審査官】 井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−054833(JP,A)
【文献】 特開2005−086040(JP,A)
【文献】 特開2007−005688(JP,A)
【文献】 特開2010−027847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01R 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と、該第1の電極上を覆っておりかつ該第1の電極が部分的に露出するように複数の開口を有する絶縁膜とを表面に有する第1の接続対象部材を用いて、かつ硬化性成分と導電性粒子とを含む異方性導電材料を用いて、前記第1の接続対象部材の表面上に、前記第1の電極及び前記絶縁膜を覆うように、前記異方性導電材料により異方性導電材料層を積層する工程と、
前記異方性導電材料層の前記第1の接続対象部材側とは反対の表面上に、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材を、前記第1の電極と前記第2の電極とを対向させて積層する工程と、
前記異方性導電材料層を硬化させて硬化物層を形成し、該硬化物層により前記第1,第2の接続対象部材を電気的に接続する工程とを備え、
前記異方性導電材料として、60〜150℃での最低溶融粘度が1000Pa・s以上、10000Pa・s以下である異方性導電材料を用いる、接続構造体の製造方法。
【請求項2】
前記第1の電極のアスペクト比が10以上である、請求項1に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項3】
前記第1の電極が、長さ方向と幅方向とを有し、
前記絶縁膜が、前記第1の電極の長さ方向に距離を隔てて配置された前記開口を2個以上有するか、又は前記絶縁膜が、前記第1の電極の幅方向に距離を隔てて配置された前記開口を2個以上有する、請求項1又は2に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項4】
前記第1の電極上の前記絶縁膜の複数の前記開口の合計の開口面積が、前記第1の電極の上面積の3/10以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項5】
前記第1の電極上の前記絶縁膜の複数の前記開口の1個当たりの開口径の平均値が、前記導電性粒子の平均粒子径の1.5倍以上、15倍以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項6】
前記第1,第2の接続対象部材の内の少なくとも一方が半導体チップであり、
第1の電極の上面積が500μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項7】
前記絶縁膜の厚みが50nm以上、2μm以下ある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項8】
前記異方性導電材料として、ペースト状の異方性導電ペーストを用いる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【請求項9】
前記異方性導電材料として、光の照射及び加熱により硬化可能なペースト状の異方性導電ペーストを用いて、
前記異方性導電材料層を硬化させる際に、前記異方性導電材料層に光を照射して硬化を進行させてBステージ化された異方性導電材料層を形成した後、該Bステージ化された異方性導電材料層を加熱して本硬化させて前記硬化物層を形成する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の導電性粒子を含む異方性導電材料を用いて、例えば、フレキシブルプリント基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板及び半導体チップなどの様々な接続対象部材の電極間を電気的に接続する接続構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂中に複数の導電性粒子が分散されている。
【0003】
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用されている。
【0004】
上記接続構造体の製造方法の一例として、下記の特許文献1には、第一の回路基板の主面上に第一の回路電極及び上記第一の絶縁膜が隣接して形成された第一の回路部材と、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極及び第二の絶縁膜が隣接して形成された第二の回路部材と、上記第一の回路部材の主面と上記第二の回路部材の主面との間に設けられ、上記第一及び第二の回路部材同士を接続する回路接続部材とを備える接続構造体の製造方法が開示されている。上記第一及び第二の回路部材の少なくとも一方において、上記絶縁膜の少なくとも一部は、上記回路基板の主面を基準として上記回路電極より厚く形成されている。特許文献1に記載の接続構造体の製造方法では、上記第一の回路基板の主面と上記第二の回路基板の主面との間にフィルム状回路接続材料を配置して、上記第一及び第二の回路部材を介して上記回路接続材料を加熱及び加圧して硬化処理することにより、上記第一の回路部材と上記第二の回路部材とを接続し、上記第一の回路電極と上記第二の回路電極とを上記導電粒子を介して電気的に接続させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2005/002002A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のような従来の接続構造体の製造方法では、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を精度よく配置できないことがある。例えば、電極上で、導電性粒子が部分的に多く配置されかつ導電性粒子が部分的に少なく配置され、導電性粒子が偏在することがある。
【0007】
また、例えば、第一の回路部材上に導電性粒子を含む回路部材を配置した後に、該回路部材を介して上記第一の回路部材と上記第二の回路部材とを圧着した時に、回路部材に含まれている導電性粒子が、電極上を移動して意図しない領域まで流動することがある。例えば、電極の側方の領域、すなわち電極が無い領域に、多くの導電性粒子が流動することがある。このため、上下の電極間に配置される導電性粒子の総数が少なくなることがある。また、意図しない領域まで導電性粒子が流動することを考慮して、より多くの導電性粒子を含む異方性導電材料を用いなければならないこともある。導電性粒子の使用量が多くなると、接続構造体の製造コストが高くなる。さらに、意図しない領域まで導電性粒子が濡れ拡がった結果、得られる接続構造体において汚染が生じていることがある。
【0008】
本発明の目的は、電極間に導電性粒子を精度よく配置でき、電極間の導通信頼性を高めることができる接続構造体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の広い局面によれば、第1の電極と、該第1の電極上を覆っておりかつ該第1の電極が部分的に露出するように複数の開口を有する絶縁膜とを表面に有する第1の接続対象部材を用いて、かつ硬化性成分と導電性粒子とを含む異方性導電材料を用いて、上記第1の接続対象部材の表面上に、上記第1の電極及び上記絶縁膜を覆うように、上記異方性導電材料により異方性導電材料層を積層する工程と、上記異方性導電材料層の上記第1の接続対象部材側とは反対の表面上に、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材を、上記第1の電極と上記第2の電極とを対向させて積層する工程と、上記異方性導電材料層を硬化させて硬化物層を形成し、該硬化物層により上記第1,第2の接続対象部材を電気的に接続する工程とを備え、上記異方性導電材料として、60〜150℃での最低溶融粘度が1000Pa・s以上、10000Pa・s以下である異方性導電材料を用いる、接続構造体の製造方法が提供される。
【0010】
本発明に係る接続構造体の製造方法のある特定の局面では、上記第1の電極のアスペクト比が10以上である。
【0011】
本発明に係る接続構造体の製造方法の他の特定の局面では、上記第1の電極が、長さ方向と幅方向とを有し、上記絶縁膜が、上記第1の電極の長さ方向に距離を隔てて配置された上記開口を2個以上有するか、又は上記絶縁膜が、上記第1の電極の幅方向に距離を隔てて配置された上記開口を2個以上有する。
【0012】
本発明に係る接続構造体の製造方法のさらに他の特定の局面では、上記第1の電極上の上記絶縁膜の複数の上記開口の合計の開口面積が、上記第1の電極の上面積の3/10以上である。
【0013】
本発明に係る接続構造体の製造方法の別の特定の局面では、上記第1の電極上の上記絶縁膜の複数の上記開口の1個当たりの開口径の平均値が、上記導電性粒子の平均粒子径の1.5倍以上、15倍以下である。
【0014】
本発明に係る接続構造体の製造方法のさらに別の特定の局面では、上記第1,第2の接続対象部材の内の少なくとも一方が半導体チップであり、上記第1の電極の上面積が500μm以下である。
【0015】
本発明に係る接続構造体の製造方法の他の特定の局面では、上記絶縁膜の厚みが50nm以上、2μm以下ある。
【0016】
本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記異方性導電材料として、ペースト状の異方性導電ペーストを用いることが好ましい。
【0017】
本発明に係る接続構造体の製造方法の他の特定の局面では、上記異方性導電材料として、光の照射及び加熱により硬化可能なペースト状の異方性導電ペーストを用いて、上記異方性導電材料層を硬化させる際に、上記異方性導電材料層に光を照射して硬化を進行させてBステージ化された異方性導電材料層を形成した後、該Bステージ化された異方性導電材料層を加熱して本硬化させて上記硬化物層を形成する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る接続構造体の製造方法は、第1の電極と、該第1の電極上を覆っておりかつ該第1の電極が部分的に露出するように複数の開口を有する絶縁膜とを表面に有する第1の接続対象部材を用いて、かつ硬化性成分と導電性粒子とを含む異方性導電材料を用いて、上記第1の接続対象部材の表面上に、上記第1の電極及び上記絶縁膜を覆うように、上記異方性導電材料により異方性導電材料層を積層する工程と、上記異方性導電材料層の上記第1の接続対象部材側とは反対の表面上に、複数の第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材を、複数の上記第1の電極と複数の上記第2の電極とを対向させて積層する工程と、上記異方性導電材料層を硬化させて硬化物層を形成し、該硬化物層により上記第1,第2の接続対象部材を電気的に接続する工程とを備えており、更に上記異方性導電材料として、60〜150℃での最低溶融粘度が1000Pa・s以上、10000Pa・s以下である異方性導電材料を用いるので、電極間に導電性粒子を精度よく配置でき、電極間の導通信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法により得られる接続構造体を模式的に示す断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法に用いられる第1の接続対象部材における第1の電極及び絶縁膜を拡大して模式的に示す平面図である。
図3図3(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法の各工程を説明するための断面図である。
図4図4は、絶縁膜の開口の内周面と絶縁膜の下面とのなす角度を説明するための模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0021】
本発明に係る接続構造体の製造方法は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材とを電気的に接続する接続構造体の製造方法である。上記第1の電極と上記第2の電極とを導電性粒子により電気的に接続する。
【0022】
本発明に係る接続構造体の製造方法は、第1の電極と、該第1の電極上を覆っておりかつ該第1の電極が部分的に露出するように複数の開口を有する絶縁膜とを表面に有する第1の接続対象部材を用いる。さらに、硬化性成分と導電性粒子とを含む異方性導電材料を用いる。また、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材を用いる。
【0023】
本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記第1の接続対象部材の表面上に、上記第1の電極及び上記絶縁膜を覆うように、上記異方性導電材料により異方性導電材料層を積層する工程と、上記異方性導電材料層の上記第1の接続対象部材側とは反対の表面上に、上記第2の接続対象部材を、上記第1の電極と上記第2の電極とを対向させて積層する工程と、上記異方性導電材料層を硬化させて硬化物層を形成し、該硬化物層により上記第1,第2の接続対象部材を電気的に接続する工程とを備える。硬化物層中に含まれている導電性粒子により、第1,第2の電極間を電気的に接続する。
【0024】
本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記異方性導電材料として、測定温度範囲60〜150℃での最低溶融粘度η2が1000Pa・s以上、10000Pa・s以下である異方性導電材料を用いる。
【0025】
本発明に係る接続構造体の製造方法は、上記構成を備えているので、電極間に導電性粒子を精度よく配置することができ、電極間の導通信頼性を高めることができる。特に、上記絶縁膜が開口を有するので、開口部分に導電性粒子を精度よく配置できる。さらに、上記異方性導電材料の上記最低溶融粘度が上記下限以上及び上記上限以下であることも、上記絶縁膜の開口部分に導電性粒子を精度よく配置することに大きく寄与する結果、電極間の導通信頼性が効果的に高くなる。
【0026】
上記異方性導電材料の60〜150℃での最低溶融粘度η2は、1000Pa・s以上、10000Pa・s以下、より好ましくは7000Pa・s以下、更に好ましくは4500Pa・s以下である。異方性導電材料が異方性導電ペーストであり、Bステージ化する場合は、Bステージ化後の最低溶融粘度が、上記範囲内であることが好ましい。上記異方性導電材料の最低溶融温度が上記下限以上及び上記上限以下であれば、ボイドの排出性及び導電性粒子の捕捉率がよくなる。
【0027】
上記異方性導電材料の上記最低溶融粘度η2は、レオメーターを用いて、最低複素粘度η*を測定することにより求められる。測定条件は、歪制御1rad、周波数1Hz、昇温速度20℃/分、測定温度範囲60〜150℃とする。なお、硬化性を有する異方性導電材料の粘度の最低値を示す温度は、一般的に60〜150℃の範囲内にある。また、上記異方性導電材料は、60〜150℃で粘度の最低値を示すことが好ましい。上記最低溶融粘度η2の測定温度範囲は、より好ましくは60〜120℃であり、更に好ましくは70〜100℃であり、これらの温度範囲に粘度の最低値を示す温度が存在することが好ましい。
【0028】
上記レオメーターとしては、STRESSTECH(EOLOGICA社製)等が挙げられる。上記異方性導電材料の最低溶融温度は、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下である。
【0029】
上記異方性導電材料の上記最低溶融粘度を示す温度での1Hzにおける粘度η2(Pa・s)の最低溶融粘度を示す温度での10Hzにおける粘度η3(Pa・s)に対する粘度比(η2/η3)は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上である。上記粘度比(η2/η3)が上記下限以上であると、硬化物層により一層ボイドが生じ難くなる。上記粘度比(η2/η3)が3以上であると、硬化物層にボイドがかなり生じ難くなる。
【0030】
さらに、上記粘度比(η2/η3)が上記下限以上であると、硬化前又は硬化時に上記異方性導電材料が意図せずに濡れ拡がるのを抑制でき、接続構造体における汚染を生じ難くすることができる。従って、上記粘度比(η2/η3)が上記下限以上であると、硬化物層におけるボイドの抑制と上記異方性導電材料層又は上記Bステージ化された異方性導電材料層の流動による汚染の抑制との双方の効果を得ることができる。上記粘度比(η2/η3)の上限は特に限定されないが、上記粘度比(η2/η3)は、8以下であることが好ましい。
【0031】
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0032】
図1に、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法により得られる接続構造体を模式的に断面図で示す。図2に、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法に用いられる第1の接続対象部材における第1の電極及び絶縁膜を拡大して平面図で示す。図2では、絶縁膜側から見た図が示されている。なお、図1では、図2に示す第1の電極における幅方向における断面図が示されている。
【0033】
図1に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材4と、硬化物層3とを備える。硬化物層3は、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材4とを電気的に接続しており、接続部である。硬化物層3は、硬化性成分と複数の導電性粒子5とを含む異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。接続構造体1では、第1の接続対象部材2としてガラス基板が用いられており、第2の接続対象部材4としてフレキシブルプリント基板が用いられている。
【0034】
上記第1,第2の接続対象部材は、特に限定されない。上記第1,第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラス基板及びガラスエポキシ基板等の回路基板である電子部品等が挙げられる。上記第1,第2の接続対象部材の内の少なくとも一方が半導体チップであることが好ましい。
【0035】
第1の接続対象部材2は表面(上面)2aに、複数の第1の電極2bを有する。第1の電極2bは表面2aから突出している。第2の接続対象部材4は表面4aに、複数の第2の電極4bを有する。複数の第2の電極4bは表面4aから突出している。第1の電極2bと第2の電極4bとが、複数の導電性粒子5により電気的に接続されている。
【0036】
上記第1の電極は、矩形であることが好ましく、長さ方向と幅方向とを有することが好ましい。上記第1の電極のアスペクト比は、好ましくは2以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上である。上記第1の電極のアスペクト比の上限は特に限定されない。上記第1の電極のアスペクト比は、例えば100であってもよい。上記第1の電極のアスペクト比が上記下限以上(特に10以上)である場合、上記第1の電極上に上記導電性粒子を精度よく配置することは一般に困難であるが、本発明に係る接続構造体の製造方法によって、上記第1の電極のアスペクト比が上記下限以上であっても、上記第1の電極上に導電性粒子を精度よく配置できる。
【0037】
上記第2の電極は、矩形であることが好ましく、長さ方向と幅方向とを有することが好ましい。上記第2の電極のアスペクト比は特に限定されない。上記第2の電極のアスペクト比は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2以上である。上記第2の電極のアスペクト比の上限は特に限定されない。上記第2の電極のアスペクト比は、例えば100であってもよく、上記第2の電極のアスペクト比は100以下であってもよい。上記第2の電極のアスペクト比が上記下限以上(特に2以上)である場合、上記第1,第2の電極間に上記導電性粒子を精度よく配置することは一般に困難であるが、本発明に係る接続構造体の製造方法によって、上記第2の電極のアスペクト比が上記下限以上であっても、上記第1,第2の電極間に上記導電性粒子を精度よく配置できる。
【0038】
上記アスペクト比は、長さ方向寸法の幅方向寸法に対する比(長さ方向寸法/幅方向寸法)を示す。
【0039】
また、第1の接続対象部材2は、第1の電極2b上を覆っており、かつ第1の電極2bが部分的に露出するように複数の開口Xを有する絶縁膜2cを表面2aに有する。絶縁膜2cは、第1の電極2b上の一部の領域を覆っている。第1の電極2bに導電性粒子5が接触している部分において、複数の第1の電極2b上は絶縁膜2cにより覆われていない。第1の電極2bと導電性粒子5との間には、絶縁膜2cは配置されていない。開口X部分において、第1の電極2bが露出している。絶縁膜2cは、複数の開口Xを有する。開口Xは、絶縁膜2cの上面と下面とを貫通している。第1の電極2bと導電性粒子5との間には、絶縁膜2c及び硬化物層3中の導電性粒子5を除く成分は配置されていない。第2の電極4bと導電性粒子5との間には、硬化物層3中の導電性粒子5を除く成分は配置されていない。
【0040】
第1の電極2bは、長さ方向と幅方向とを有する。1つの第1の電極2b上で、絶縁膜2cは、開口Xを48個有する。1つの上記第1の電極上で、上記絶縁膜は、開口を2個以上有し、4個以上有することが好ましく、10個以上有することが好ましく、20個以上有することがより好ましい。
【0041】
1つの第1の電極2b上で、絶縁膜2cは、第1の電極2bの長さ方向に距離を隔てて配置された開口Xを16個有する。上記第1の電極が長さ方向と幅方向とを有し、上記絶縁膜が、上記第1の電極の長さ方向に距離を隔てて配置された開口を2個以上有することが好ましく、5個以上有することがより好ましく、10個以上有することが更に好ましい。この場合には、長さ方向に配置された多くの開口部分に上記導電性粒子が分散して配置されやすいので、導通信頼性がより一層高くなる。
【0042】
1つの第1の電極2b上で、絶縁膜2cは、第1の電極2bの幅方向に距離を隔てて配置された開口Xを3個有する。上記第1の電極が長さ方向と幅方向とを有し、上記絶縁膜が、上記第1の電極の幅方向に距離を隔てて配置された開口を2個以上有することが好ましく、3個以上有することがより好ましく、5個以上有することが更に好ましい。この場合には、幅方向に配置された多くの開口部分に上記導電性粒子が分散して配置されやすいので、導通信頼性がより一層高くなる。
【0043】
上記第1の電極の長さ方向において、開口は直線状に配置されていてもよく、ジグザグ状に配置されていてもよく、ランダムに配置されていてもよい。上記第1の電極の幅方向において、開口は直線状に配置されていてもよく、ジグザグ状に配置されていてもよく、ランダムに配置されていてもよい。
【0044】
特に、上記第1の電極が、上記第1の電極の長さ方向に距離を隔てて配置された開口を2個以上有し、かつ上記第1の電極の幅方向に距離を隔てて配置された開口を2個以上有することが好ましい。この場合には、上記第1の電極上に上記導電性粒子を効果的に分散配置できるので、導通信頼性がより一層高くなる。
【0045】
1つの上記第1の電極上の上記絶縁膜の複数の開口の合計の開口面積が、上記第1の電極の上面積の1/10以上であることが好ましく、3/10以上であることがより好ましい。このように、上記開口面積が上記上面積の上記下限以上であると、上記開口に上記導電性粒子が入り込みやすくなり、上記第1の電極と上記導電性粒子とを効率的に接触させることができる。1つの上記第1の電極上の上記絶縁膜の複数の開口の合計の開口面積が、上記第1の電極の上面積の9/10以下であることが好ましく、7/10以下であることがより好ましい。このように、上記開口面積が上記上面積の上記上限以下であると、上記絶縁膜上に上記導電性粒子が配置され難く、上記開口に上記導電性粒子が配置されやすくなり、上記第1の電極と上記導電性粒子とを効率的に接触させることができる。
【0046】
1つの上記第1の電極上の上記絶縁膜の複数の開口の合計の開口面積が、上記第1の電極の上記絶縁膜により覆われている部分の上面積の1/10以上であることが好ましく、3/10以上であることがより好ましい。このように、上記開口面積が覆われた上記上面積の上記下限以上であると、上記開口に上記導電性粒子が入り込みやすくなり、上記第1の電極と上記導電性粒子とを効率的に接触させることができる。1つの上記第1の電極上の上記絶縁膜の複数の開口の合計の開口面積が、上記第1の電極の上記絶縁膜により覆われている部分の上面積の9/10以下であることが好ましく、7/10以下であることがより好ましい。このように、上記開口面積が覆われた上記上面積の上記上限以下であると、上記絶縁膜上に上記導電性粒子が配置され難く、上記開口に上記導電性粒子が配置されやすくなり、上記第1の電極と上記導電性粒子とを効率的に接触させることができる。
【0047】
上記第1の電極上の上記絶縁膜の複数の開口の1個当たりの開口径の平均値は、上記導電性粒子の平均粒子径の好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上、好ましくは15倍以下、より好ましくは8倍以下である。上記開口径は、1つの開口における最大径を示す。なお、1つの開口において配置される上記導電性粒子は、1個であってもよく、複数であってもよい。
【0048】
上記導電性粒子の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。導電性粒子の平均粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
【0049】
上記第1の電極の上面積は、好ましくは22000μm以下、より好ましくは20000μm以下、更に好ましくは1000μm以下、特に好ましくは500μm以下である。上記第1の電極の上面積が上記上限以下であると、上記第1の電極上に複数の上記導電性粒子が配置されやすくなる。上記第1の電極の上記絶縁膜により覆われている部分の上面積は、好ましくは20000μm以下、より好ましくは1000μm以下、更に好ましくは500μm以下、特に好ましくは450μm以下である。上記第1の電極の覆われた上面積が上記上限以下であると、上記第1の電極上に複数の上記導電性粒子が配置されやすくなる。
【0050】
上記絶縁膜は、開口部分を除いて、上記第1の電極上全体を覆っていてもよく、上記第1の電極上の一部を覆っていてもよい。上記第1の電極上の絶縁膜は、透明電極(ITO、IZO等)により被覆されていてもよい。また上記第1の電極の開口部は、透明電極(ITO、IZO等)により被覆されていてもよい。
【0051】
また、上記絶縁膜は、電極以外の全体又は一部を覆っていてもよい。これにより、配線の腐食を防止することができる。
【0052】
上記絶縁膜の厚みは、好ましくは10nm以上、より好ましくは50nm以上、好ましくは10μm以下、より好ましくは2μm以下ある。上記絶縁膜の厚みは、上記導電性粒子の平均粒子径の好ましくは1/20以上、より好ましくは1/10以上、好ましくは9/10以下、より好ましくは1/2以下である。上記絶縁膜の厚みが上記下限以上であると、上記導電性粒子が開口部分により一層配置されやすくなり、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。上記絶縁膜の厚みが上記上限以下であると、上記導電性粒子と第1,第2の電極とがより一層接触しやすくなり、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。なお、上記絶縁膜の厚みは、開口部分を除く上記絶縁膜の厚みである。
【0053】
図4に示すように、絶縁膜2cの開口Xの内周面と絶縁膜2cの下面とのなす角度αは、好ましくは30°以上、より好ましくは40°以上、好ましくは75°以下、より好ましく60°以下である。上記角度が下限以上であると、導電性粒子の捕捉率がより一層高くなる。上記角度が上記上限以下であると、導電性粒子が分散配置されやすくなり、例えば導電性粒子が電極全面に分布しやすくなる。
【0054】
上記導電性粒子として、表面に突起を有する導電性粒子を用いてもよい。上記導電性粒子が表面に突起を有する場合に、上記絶縁膜の厚みは、上記導電性粒子の表面の突起の高さよりも大きいことが好ましい。上記絶縁膜の厚みは、上記導電性粒子の表面の突起の高さの1.1倍以上であることがより好ましい。この場合には、開口内に一旦配置された上記導電性粒子の流動がより一層生じ難くなる。このため、導通信頼性がより一層高くなる。導電性粒子の突起の大きさは、電極表面の粗さRaの20倍以下であることが好ましい。
【0055】
また、上記第1の電極は銅電極であることが好ましい。銅電極の使用により、接続抵抗が低くなる。一方で、銅電極は酸化しやすいという問題がある。これに対して、銅電極上を覆うように上記絶縁膜を配置することによって、銅電極の酸化を抑制できる。また、上記絶縁膜により覆われている銅電極の上面積が大きいほど、銅電極の酸化を効果的に抑制できる。また、銅電極以外の、アルミニウム、銅合金又はアルミニウム合金であっても、上記第1の電極上を覆うように上記絶縁膜を配置することにより、上記第1の電極が大気中の腐食性ガスなどに接触して劣化するのを抑制できる。
【0056】
図1に示す接続構造体1は、例えば、以下のようにして得ることができる。ここでは、上記異方性導電材料として、光の照射により硬化可能な光硬化性成分と加熱により硬化可能な熱硬化性成分と導電性粒子5とを含む異方性導電材料を用いた場合の接続構造体1の製造方法を具体的に説明する。すなわち、光の照射及び加熱により硬化可能な異方性導電ペーストを用いた場合の接続構造体1の製造方法を説明する。上記光硬化性成分と上記熱硬化性成分とにかえて、光の照射により硬化可能な光硬化性成分のみを用いてもよく、加熱により硬化可能な熱硬化性成分のみを用いてもよく、光の照射と加熱との双方により硬化可能な光及び熱硬化性成分を用いてもよい。
【0057】
先ず、第1の電極2bと、第1の電極2b上を覆っておりかつ該第1の電極2bが部分的に露出するように複数の開口Xを有する絶縁膜2cとを表面2a(第1の主面)に有する第1の接続対象部材2を用意する。
【0058】
なお、第1の電極2bを有し、かつ絶縁膜2cが形成される前の接続対象部材を用いて、該接続対象部材における第1の電極2b上に、第1の電極2bを覆うようにかつ第1の電極2bが部分的に露出するように複数の開口Xを有する絶縁膜2cを形成し、第1の接続対象部材2を得る工程が備えられてもよい。
【0059】
次に、図3(a)に示すように、第1の接続対象部材2の表面2aに、上記異方性導電材料を配置(塗布)し、異方性導電材料層3Aを積層する。このとき、第1の電極2b上の絶縁膜2cにおける開口X内に1つ又は複数の導電性粒子5が配置されていることが好ましい。なお、仮に開口X内ではなく、絶縁膜2c上に導電性粒子5が配置されたとしても、異方性導電材料層3A又はBステージ化された異方性導電材料層3Bの溶融時に、導電性粒子5が流動することにより、凹部である開口X内に導電性粒子5が移動しやすい。特に、異方性導電ペーストを用いた場合には、開口X内に導電性粒子5が移動しやすい。一方で、凹部である開口X内に配置された導電性粒子5は開口X外に移動しにくい。
【0060】
異方性導電材料層3Aの厚みは、導電性粒子5の平均粒子径の1.2倍以上であることが好ましく、2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることが更に好ましく、20倍以下であることが好ましく、10倍以下であることがより好ましい。
【0061】
次に、異方性導電材料層3Aに光を照射することにより、異方性導電材料層3Aの硬化を進行させる。図3(a)〜(c)では、異方性導電材料層3Aに光を照射して、異方性導電材料層3Aの硬化を進行させて、異方性導電材料層3AをBステージ化している(Bステージ化工程)。すなわち、図3(b)に示すように、第1の接続対象部材2の表面2a上に、Bステージ化された異方性導電材料層3Bを形成する。Bステージ化により、第1の接続対象部材2とBステージ化された異方性導電材料層3Bとが仮接着される。Bステージ化された異方性導電材料層3Bは、半硬化状態にある半硬化物である。Bステージ化された異方性導電材料層3Bは、完全に硬化しておらず、熱硬化がさらに進行され得る。光の照射にかえて加熱により、異方性導電材料層3Aの硬化を進行させてもよい。異方性導電材料層3Aが溶剤を含む場合に、異方性導電材料層3Aの溶剤を除去して、Bステージ化された異方性導電材料層3Bを形成してもよい。また、例えば、異方性導電材料層3AをBステージ化せずに、異方性導電材料層3Aを加熱等して、異方性導電材料層3Aを一度に硬化させてもよい。
【0062】
異方性導電材料層3Aの硬化を効果的に進行させるための光照射強度は、例えば、0.1〜6000mW/cmであることが好ましく、100〜4000mW/cmであることがより好ましく、1000〜3000mW/cmであることが更に好ましい。積算光量は、0.1〜10J/cmであることが好ましい。光を照射する際に用いる光源は特に限定されない。該光源としては、例えば、波長420nm以下に充分な発光分布を有する光源等が挙げられる。また、光源の具体例としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ及びLEDランプ等が挙げられる。
【0063】
次に、図3(c)に示すように、Bステージ化された異方性導電材料層3Bの第1の接続対象部材2側とは反対の表面3a上に、第2の接続対象部材4を積層する。第1の接続対象部材2の表面2aの第1の電極2bと、第2の接続対象部材4の表面4aの第2の電極4bとが対向するように、第2の接続対象部材4を積層する。さらに、第2の接続対象部材4の積層の際に、Bステージ化された異方性導電材料層3Bを加熱することにより、Bステージ化された異方性導電材料層3Bを本硬化させ、硬化物層3を形成する(本硬化工程)。ただし、第2の接続対象部材4の積層の前に、Bステージ化された異方性導電材料層3Bを加熱してもよい。さらに、第2の接続対象部材4の積層の後に、Bステージ化された異方性導電材料層3Bを加熱してもよい。加熱にかえて光の照射により、Bステージ化された異方性導電材料層3Bを本硬化させてもよい。
【0064】
加熱によりBステージ化された異方性導電材料層3Bを硬化させる際の加熱温度は、好ましくは140℃以上、より好ましくは160℃以上、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。
【0065】
Bステージ化された異方性導電材料層3Bを本硬化させる際に、加圧することが好ましい。加圧によって第1の電極2bと第2の電極4bとで導電性粒子5を圧縮することにより、第1,第2の電極2b,4bと導電性粒子5との接触面積を大きくすることができる。
【0066】
このようにして、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材4とが、硬化物層3を介して接続される。また、第1の電極2bと第2の電極4bとが、導電性粒子5を介して電気的に接続される。この結果、図1に示す接続構造体1を得ることができる。本実施形態では、光硬化と熱硬化とが併用されているため、上記異方性導電材料を短時間で硬化させることができる。
【0067】
接続構造体の作製時に、上記異方性導電材料により形成された異方性導電材料層を熱の付与又は光の照射によりBステージ化した後に、加熱して本硬化させることで、異方性導電材料層又はBステージ化された異方性導電材料層に含まれている導電性粒子が、硬化段階で過度に流動し難くなる。従って、導電性粒子が所定の領域に配置されやすくなる。具体的には、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を配置でき、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続されるのをより一層抑制できる。このため、接続構造体における電極間の絶縁信頼性及び導通信頼性をより一層高めることができる。
【0068】
本発明に係る接続構造体の製造方法では、光の照射及び加熱により硬化可能なペースト状の異方性導電材料を用いて、上記異方性導電材料層を硬化させる際に、異方性導電材料層に光を照射して硬化を進行させてBステージ化された異方性導電材料層を形成した後、該Bステージ化された異方性導電材料層を加熱して本硬化させて硬化物層を形成することが好ましい。
【0069】
また、接続構造体の作製時に、上記異方性導電材料層により形成された上記異方性導電材料層を光の照射によりBステージ化した後に、加熱して本硬化させることで、Bステージ化された異方性導電材料層における硬化状態を容易にかつ精度よく制御できる。このため、Bステージ化された異方性導電材料層に含まれている導電性粒子が、本硬化段階で過度に流動するのをより一層抑制できる。従って、導電性粒子が所定の領域に配置されやすくなる。このため、接続構造体における電極間の絶縁信頼性及び導通信頼性を、更に一層高めることができる。
【0070】
本発明に係る接続構造体の製造方法は、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、又はフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用できる。
【0071】
本発明に係る接続構造体の製造方法は、FOG用途又はCOG用途に好適である。本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材として、フレキシブルプリント基板とガラス基板とを用いるか、又は半導体チップとガラス基板とを用いることが好ましい。
【0072】
COG用途では、特に、半導体チップとガラス基板との電極間を、異方性導電材料に含まれている導電性粒子により確実に接続することが困難なことが多い。例えば、COG用途の場合には、半導体チップの隣り合う電極間、及びガラス基板の隣り合う電極間の間隔が10〜20μm程度であることがあり、微細な配線が形成されていることが多い。微細な配線が形成されていても、本発明に係る接続構造体の製造方法により、導電性粒子を電極間に精度よく配置することができることから、半導体チップとガラス基板との電極間を高精度に接続することができ、導通信頼性を高めることができる。
【0073】
また、COG用途では、特に、半導体チップとガラス基板との双方が硬い。このため、接続構造体における絶縁信頼性及び導通信頼性が低くなりやすい。これに対して、本発明では、硬い半導体チップとガラス基板とを接続した場合であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性を十分に高めることができる。
【0074】
COG用途では、L/Sが比較的狭ピッチなことから、異方導電性材料を加熱したときの流動性が不足すると、電極ライン間に異方導電性材料が十分に充填されないため、電極間の導通信頼性、及び硬化物層におけるボイドの発生が問題となることが多い。これに対して、本発明に係る接続構造体の製造方法では、COG用途において、電極間の導通信頼性を効果的に高めることができ、硬化物層におけるボイドの発生を効果的に抑制できる。
【0075】
FOG用途では、L/Sが比較的広いため、導電性粒子の粒径も大きく濃度も低いので、接続時の圧力が低く、充分な圧痕や樹脂充填性が得られず、電極間の導通信頼性、及び硬化物層における空隙(ボイド)の発生が問題となることが多い。これに対して、本発明に係る接続構造体の製造方法では、FOG用途において、電極間の導通信頼性を効果的に高めることができ、硬化物層における空隙(ボイド)の発生を効果的に抑制できる。
【0076】
上記絶縁膜を形成するための材料としては、無機成分及び有機成分等が挙げられる。無機成分としては、珪素原子を含む無機化合物が挙げられる。該珪素原子を含む無機化合物としては、酸化珪素、窒化珪素及び二酸化珪素等が挙げられる。上記絶縁膜は、珪素を含む化合物により形成されていることが好ましく、窒化珪素又は二酸化珪素により形成されていることが好ましい。上記有機成分としては、炭窒化珪素、ベンゾシクロブテン、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリエポキシ樹脂等が好ましい。
【0077】
上記異方性導電材料が硬化した硬化物層の弾性率は、25℃で好ましくは100MPa以上、好ましくは4GPa以下であり、更に85℃で、好ましくは10MPa以上、好ましくは3GPa以下である。上記弾性率が上記下限以上及び上記上限以下であると、熱履歴を受けた場合の接続信頼性が高くなる。
【0078】
上記異方性導電材料が硬化した硬化物層のガラス転移温度Tgは、好ましくは60℃以上、好ましくは180℃以下である。上記ガラス転移温度が上記下限以上及び上記上限以下であることにより、熱履歴を受けた場合の接続構造体の接続信頼性が高くなる。
【0079】
上記異方性導電材料が硬化した硬化物層の−30℃〜85℃の平均熱膨張係数は、好ましくは110ppm/℃以下、より好ましくは70ppm/℃以下である。上記平均熱膨張係数が上記下限以上及び上記上限以下であると、熱履歴を受けた場合の接続構造体の接続信頼性が高くなる。
【0080】
上記弾性率及び上記Tgは、粘弾性測定機DVA−200(アイティー計測制御社製)を用い、昇温速度5℃/分、変形率0.1%及び10Hzの条件で測定される。tanδのピーク時の温度をTg(ガラス転移点)とする。
【0081】
上記異方性導電材料は、ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料であり、ペースト状の異方性導電材料であることが好ましい。ペースト状の異方性導電材料は、異方性導電ペーストである。フィルム状の異方性導電材料は、異方性導電フィルムである。異方性導電材料が異方性導電フィルムである場合、該導電性粒子を含む異方性導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されてもよい。
【0082】
上記異方性導電材料を硬化させる方法としては、異方性導電材料に光を照射してBステージ化した後、更に光を照射して本硬化させる方法、異方性導電材料を加熱してBステージ化した後、更に加熱して本硬化させる方法、異方性導電材料に光を照射してBステージ化した後、更に加熱して本硬化させる方法、並びに異方性導電材料を加熱してBステージ化した後、更に光を照射して本硬化させる方法等が挙げられる。また、光硬化の速度及び熱硬化の速度が異なる場合などには、光の照射と加熱とを同時に行ってもよい。上記Bステージ化工程において、光の照射により、上記異方性導電材料の硬化を進行させて、Bステージ化された異方性導電材料層を形成し、上記本硬化工程において、加熱により、上記Bステージ化された異方性導電材料層を本硬化させることが好ましい。光硬化と熱硬化との併用により、異方性導電材料を短時間で効率的に硬化させることができる。
【0083】
さらに、異方性導電ペーストを用いる場合に、上記異方性導電ペーストを硬化させる方法としては、異方性導電ペーストの溶剤を除去してBステージ化した後、更に光を照射して本硬化させる方法、並びに異方性導電ペーストの溶剤を除去してBステージ化した後、更に加熱して本硬化させる方法も挙げられる。
【0084】
上記異方性導電材料は、加熱により硬化可能な異方性導電材料であり、上記硬化性化合物として、加熱により硬化可能な硬化性化合物(熱硬化性化合物、又は光及び熱硬化性化合物)を含んでいてもよい。該加熱により硬化可能な硬化性化合物は、光の照射により硬化しない硬化性化合物(熱硬化性化合物)であってもよく、光の照射と加熱との双方により硬化可能な硬化性化合物(光及び熱硬化性化合物)であってもよい。
【0085】
上記異方性導電材料は、光の照射により硬化可能な異方性導電材料であり、上記硬化性化合物として、光の照射により硬化可能な硬化性化合物(光硬化性化合物、又は光及び熱硬化性化合物)を含んでいてもよい。該光の照射により硬化可能な硬化性化合物は、加熱により硬化しない硬化性化合物(光硬化性化合物)であってもよく、光の照射と加熱との双方により硬化可能な硬化性化合物(光及び熱硬化性化合物)であってもよい。
【0086】
また、上記異方性導電材料は、光の照射と加熱との双方により硬化可能な異方性導電材料であることが好ましい。上記硬化性化合物として、光の照射により硬化可能な硬化性化合物と、加熱により硬化可能な硬化性化合物とを含むことが好ましい。この場合には、光の照射により異方性導電材料を半硬化(Bステージ化)させ、異方性導電材料の流動性を低下させた後、加熱により異方性導電材料を容易に本硬化させることができる。上記異方性導電材料に含まれる上記硬化性成分は、光の照射により可能な光硬化性成分と加熱により硬化可能な熱硬化性成分とを含むことが好ましい。また、上記異方性導電材料に含まれる上記硬化性成分は、光の照射と加熱との双方により硬化可能な光及び熱硬化性成分を含むことが好ましい。
【0087】
以下、上記異方性導電材料に含まれる各成分、及び含まれることが好ましい各成分の詳細を説明する。
【0088】
(硬化性化合物)
上記異方性導電材料に含まれている硬化性化合物は特に限定されない。該硬化性化合物として、従来公知の硬化性化合物が使用可能である。上記硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0089】
上記硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。上記硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0090】
上記硬化性化合物は、エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物を含有することが好ましい。エポキシ基を有する硬化性化合物は、エポキシ化合物である。チイラン基を有する硬化性化合物は、エピスルフィド化合物である。上記エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0091】
上記硬化性化合物は、チイラン基を有する硬化性化合物を含有することがより好ましい。上記エピスルフィド化合物は、エポキシ基ではなくチイラン基を有するので、低温で速やかに硬化させることができる。すなわち、チイラン基を有するエピスルフィド化合物は、エポキシ基を有するエポキシ化合物と比較して、チイラン基に由来してより一層低い温度で硬化可能である。
【0092】
上記エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物は、芳香族環を有することが好ましい。上記芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、テトラセン環、クリセン環、トリフェニレン環、テトラフェン環、ピレン環、ペンタセン環、ピセン環及びペリレン環等が挙げられる。なかでも、上記芳香族環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環であることが好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましい。また、ナフタレン環は、平面構造を有するためにより一層速やかに硬化させることができるので好ましい。
【0093】
上記異方性導電材料の硬化性を高める観点からは、上記硬化性化合物の全体100重量%中、上記エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、100重量%以下である。上記硬化性化合物の全量が上記エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物であってもよい。上記エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物と該エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物とは異なる他の硬化性化合物とを併用する場合には、上記硬化性化合物の全体100重量%中、上記エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物の含有量は、好ましくは99重量%以下、より好ましくは95重量%以下、更に好ましくは90重量%以下、特に好ましくは80重量%以下である。
【0094】
上記硬化性化合物は、エポキシ基又はチイラン基を有する硬化性化合物とは異なる他の硬化性化合物をさらに含有していてもよい。該他の硬化性化合物としては、不飽和二重結合を有する硬化性化合物、フェノール硬化性化合物、アミノ硬化性化合物、不飽和ポリエステル硬化性化合物、ポリウレタン硬化性化合物、シリコーン硬化性化合物及びポリイミド硬化性化合物等が挙げられる。上記他の硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0095】
上記異方性導電材料の硬化を容易に制御したり、接続構造体における導通信頼性をより一層高めたりする観点からは、上記硬化性化合物は、不飽和二重結合を有する硬化性化合物を含有することが好ましい。上記異方性導電材料の硬化を容易に制御したり、接続構造体における導通信頼性をさらに一層高めたりする観点からは、上記不飽和二重結合を有する硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物であることが好ましい。上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物の使用により、Bステージ化された異方性導電材料全体(光が直接照射された部分と光が直接照射されなかった部分とを含む)で硬化率を好適な範囲に制御することが容易になり、得られる接続構造体における導通信頼性がより一層高くなる。
【0096】
Bステージ化された異方性導電材料層の硬化率を容易に制御し、更に得られる接続構造体の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有することが好ましい。
【0097】
Bステージ化された異方性導電材料層の硬化率を容易に制御し、更に得られる接続構造体の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有することが好ましい。
【0098】
上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物としては、エポキシ基及びチイラン基を有さず、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物、及びエポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物が挙げられる。
【0099】
上記(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物として、(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
【0100】
上記(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物は特に限定されない。該エステル化合物として、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物のいずれも使用可能である。
【0101】
上記エポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を、(メタ)アクリロイル基に変換することにより得られる硬化性化合物であることが好ましい。この硬化性化合物は、部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物又は部分(メタ)アクリレート化エピスルフィド化合物である。
【0102】
上記硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物を含有することが好ましい。この反応物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。エポキシ基又はチイラン基の20%以上が(メタ)アクリロイル基に変換(転化率)されていることが好ましい。該転化率は、より好ましくは30%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。エポキシ基又はチイラン基の40%以上、60%以下が(メタ)アクリロイル基に変換されていることが最も好ましい。
【0103】
上記部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0104】
上記硬化性化合物として、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有するフェノキシ樹脂の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を(メタ)アクリロイル基に変換した変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。すなわち、エポキシ基又はチイラン基と(メタ)アクリロイル基とを有する変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。
【0105】
また、上記硬化性化合物は、架橋性化合物であってもよく、非架橋性化合物であってもよい。
【0106】
上記架橋性化合物の具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0107】
上記非架橋性化合物の具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0108】
熱硬化性化合物と光硬化性化合物とを併用する場合には、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との配合比は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との種類に応じて適宜調整される。上記異方性導電材料は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜90:10で含むことが好ましく、5:95〜60:40で含むことがより好ましく、10:90〜40:60で含むことが更に好ましい。
【0109】
(熱硬化剤)
上記異方性導電材料は、上記熱硬化成分として熱硬化剤を含むことが好ましい。該熱硬化剤は特に限定されない。上記熱硬化剤として、従来公知の熱硬化剤を用いることができる。上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤、酸無水物、熱カチオン硬化剤及び熱ラジカル発生剤等が挙げられる。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0110】
異方性導電材料を低温でより一層速やかに硬化させる観点からは、上記異方性導電材料は、イミダゾール硬化剤、ポリチオール硬化剤、アミン硬化剤又は熱カチオン硬化剤を含むことが好ましい。
【0111】
また、異方性導電材料の保存安定性を高めることができるので、潜在性の硬化剤が好ましい。該潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性ポリチオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
【0112】
上記イミダゾール硬化剤としては、特に限定されず、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
【0113】
上記ポリチオール硬化剤としては、特に限定されず、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
【0114】
上記アミン硬化剤としては、特に限定されず、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
【0115】
上記熱カチオン硬化剤として、ヨードニウム塩やスルフォニウム塩が好適に用いられる。例えば、上記熱カチオン硬化剤の市販品としては、三新化学社製のサンエイドSI−45L、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L、SI−150Lや、ADEKA社製のアデカオプトマーSP−150、SP−170等が挙げられる。
【0116】
好ましい熱カチオン硬化剤のアニオン部分としては、SbF、PF、BF、及びB(Cが挙げられる。
【0117】
電極間の導通信頼性及び接続構造体の高温高湿下での接続信頼性をより一層高める観点からは、上記異方性導電材料は、熱ラジカル発生剤を含むことが好ましい。上記熱ラジカル発生剤は特に限定されない。上記熱ラジカル発生剤として、従来公知の熱ラジカル発生剤を用いることができる。上記熱ラジカル発生剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。ここで、「熱ラジカル発生剤」とは、加熱によってラジカル種を生成する化合物を意味する。
【0118】
上記熱ラジカル発生剤としては、特に限定されず、アゾ化合物及び過酸化物等が挙げられる。上記過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド化合物、パーオキシエステル化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、パーオキシジカーボネート化合物、パーオキシケタール化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、及びケトンパーオキサイド化合物等が挙げられる。
【0119】
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2−tert−ブチルアゾ−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二水和物、及び2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
【0120】
上記ジアシルパーオキサイド化合物としては、過酸化ベンゾイル、ジイソブチリルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、及びDisuccinic acid peroxide等が挙げられる。上記パーオキシエステル化合物としては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5―ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシオクトエート及びtert−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。上記ハイドロパーオキサイド化合物としては、キュメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。上記パーオキシジカーボネート化合物としては、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、及びジ(2−エチルヘキシル)パーオキシカーボネート等が挙げられる。また、上記過酸化物の他の例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、カリウムパーサルフェイト、及び1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
【0121】
上記熱ラジカル発生剤の10時間半減期を得るための分解温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下である。上記熱ラジカル発生剤の10時間半減期を得るための分解温度が、30℃未満であると、異方性導電材料の貯蔵安定性が低下する傾向があり、80℃を超えると、異方性導電材料を充分に熱硬化させることが困難になる傾向がある。
【0122】
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記加熱により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、更に好ましくは5重量部以上、特に好ましくは10重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料が充分に熱硬化する。
【0123】
上記熱硬化剤が熱ラジカル発生剤を含む場合に、上記加熱により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記熱ラジカル発生剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。上記熱ラジカル発生剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料が充分に熱硬化する。
【0124】
(光硬化開始剤)
上記異方性導電材料は、上記光硬化成分として光硬化開始剤を含むことが好ましい。該光硬化開始剤は特に限定されない。上記光硬化開始剤として、従来公知の光硬化開始剤を用いることができる。電極間の導通信頼性及び接続構造体の接続信頼性をより一層高める観点からは、上記異方性導電材料は、光ラジカル発生剤を含むことが好ましい。上記光硬化開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0125】
上記光硬化開始剤としては、特に限定されず、アセトフェノン光硬化開始剤(アセトフェノン光ラジカル発生剤)、ベンゾフェノン光硬化開始剤(ベンゾフェノン光ラジカル発生剤)、チオキサントン、ケタール光硬化開始剤(ケタール光ラジカル発生剤)、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド及びアシルホスフォナート等が挙げられる。上記光硬化開始剤として、光カチオン開始剤も挙げられる。
【0126】
上記アセトフェノン光硬化開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。上記ケタール光硬化開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
【0127】
上記異方性導電材料は、光カチオン開始剤を含むことが好ましい。光カチオン開始剤の使用により、光照射後の異方性導電材料の硬化を速やかに進行させることができる。さらに、導電性粒子により光が遮られて光が直接照射されなかった異方性導電材料層部分も、光カチオン開始剤の作用によるカチオン反応によって、硬化を充分に進行させることができる。
【0128】
上記光カチオン硬化剤としては、ヨードニウム系光カチオン硬化剤、オキソニウム系光カチオン硬化剤及びスルホニウム系光カチオン硬化剤等が挙げられる。上記ヨードニウム系光カチオン硬化剤としては、例えば、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。上記オキソニウム系光カチオン硬化剤としては、例えば、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート等が挙げられる。上記スルホニウム系光カチオン硬化剤としては、例えば、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート及びトリフェニルスルホニウムブロミド等が挙げられる。なかでも、異方性導電材料の硬化性をより一層良好にし、電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、スルホニウム系光カチオン硬化剤が好ましい。
【0129】
上記光硬化開始剤の含有量は特に限定されない。上記光の照射により硬化可能な硬化性化合物100重量部に対して、上記光硬化開始剤の含有量(光硬化開始剤が光カチオン開始剤である場合には光カチオン開始剤の含有量)は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記光硬化開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、異方性導電材料を適度に光硬化させることができる。異方性導電材料に光を照射し、Bステージ化することにより、異方性導電材料の流動を抑制できる。
【0130】
(導電性粒子)
上記異方性導電材料に含まれている導電性粒子は、第1,第2の接続対象部材の電極間を電気的に接続する。上記導電性粒子は、導電性を有する粒子であれば特に限定されない。上記導電性粒子は、導電部を導電性の表面に有していればよい。導電性粒子の導電部の表面が絶縁性材料により被覆されていてもよい。この場合には、接続対象部材の接続時に、導電部と電極との間の絶縁性材料が排除される。上記導電性粒子としては、例えば、有機粒子、金属を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子もしくは金属粒子等の表面を導電層(金属層)で被覆した導電性粒子、又は実質的に金属のみで構成される金属粒子等が挙げられる。上記導電部は特に限定されない。上記導電部を構成する金属としては、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム及び錫等が挙げられる。上記導電層としては、金層、銀層、銅層、ニッケル層、パラジウム層又は錫を含有する導電層等が挙げられる。
【0131】
電極と導電性粒子との接触面積を大きくし、電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に配置された導電層(第1の導電層)とを有することが好ましい。電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、少なくとも導電性の外側の表面が低融点金属層である導電性粒子であることが好ましい。上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の少なくとも外側の表面が、低融点金属層であることがより好ましい。
【0132】
上記低融点金属層は、低融点金属を含む層である。該低融点金属とは、融点が450℃以下の金属を示す。低融点金属の融点は好ましくは300℃以下、より好ましくは160℃以下である。また、上記低融点金属層は錫を含むことが好ましい。低融点金属層に含まれる金属100重量%中、錫の含有量は好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。上
記低融点金属層の含有量が上記下限以上であると、低融点金属層と電極との接続信頼性がより一層高くなる。なお、上記錫の含有量は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(堀場製作所社製「ICP−AES」)、又は蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)等を用いて測定可能である。
【0133】
導電部の外側の表面が低融点金属層である場合には、低融点金属層が溶融して電極に接合し、低融点金属層が電極間を導通させる。例えば、低融点金属層と電極とが点接触ではなく面接触しやすいため、接続抵抗が低くなる。また、少なくとも導電性の外側の表面が低融点金属層である導電性粒子の使用により、低融点金属層と電極との接合強度が高くなる結果、低融点金属層と電極との剥離がより一層生じ難くなり、導通信頼性が効果的に高くなる。
【0134】
上記低融点金属層を構成する低融点金属は特に限定されない。該低融点金属は、錫、又は錫を含む合金であることが好ましい。該合金は、錫−銀合金、錫−銅合金、錫−銀−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−亜鉛合金、錫−インジウム合金等が挙げられる。なかでも、電極に対する濡れ性に優れることから、上記低融点金属は、錫、錫−銀合金、錫−銀−銅合金、錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金であることが好ましい。錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金であることがより好ましい。
【0135】
また、上記低融点金属層は、はんだ層であることが好ましい。上記はんだ層を構成する材料は特に限定されないが、JIS Z3001:溶接用語に基づき、液相線が450℃以下である溶加材であることが好ましい。上記はんだの組成としては、例えば亜鉛、金、鉛、銅、錫、ビスマス、インジウムなどを含む金属組成が挙げられる。なかでも低融点で鉛フリーである錫−インジウム系(117℃共晶)、又は錫−ビスマス系(139℃共晶)が好ましい。すなわち、はんだ層は、鉛を含まないことが好ましく、錫とインジウムとを含むはんだ層、又は錫とビスマスとを含むはんだ層であることが好ましい。
【0136】
上記低融点金属層と電極との接合強度をより一層高めるために、上記低融点金属層は、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム、亜鉛、鉄、金、チタン、リン、ゲルマニウム、テルル、コバルト、ビスマス、マンガン、クロム、モリブデン、パラジウム等の金属を含んでいてもよい。低融点金属と電極との接合強度をさらに一層高める観点からは、上記低融点金属は、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム又は亜鉛を含むことが好ましい。低融点金属層と電極との接合強度をより一層高める観点からは、接合強度を高めるためのこれらの金属の含有量は、低融点金属層100重量%中、好ましくは0.0001重量%以上、好ましくは1重量%以下である。
【0137】
上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有し、該導電層の外側の表面が低融点金属層であり、上記樹脂粒子と上記低融点金属層(はんだ層など)との間に、上記低融点金属層とは別に第2の導電層を有することが好ましい。この場合に、上記低融点金属層は上記導電層全体の一部であり、上記第2の導電層は上記導電層全体の一部である。
【0138】
上記低融点金属層とは別の上記第2の導電層は、金属を含むことが好ましい。該第2の導電層を構成する金属は、特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、亜鉛、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム、並びにこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属として、錫ドープ酸化インジウム(ITO)を用いてもよい。上記金属は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0139】
上記第2の導電層は、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は金層であることが好ましく、ニッケル層又は金層であることがより好ましく、銅層であることが更に好ましい。導電性粒子は、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は金層を有することが好ましく、ニッケル層又は金層を有することがより好ましく、銅層を有することが更に好ましい。これらの好ましい導電層を有する導電性粒子を電極間の接続に用いることにより、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、これらの好ましい導電層の表面には、低融点金属層をより一層容易に形成できる。なお、上記第2の導電層は、はんだ層などの低融点金属層であってもよい。導電性粒子は、複数層の低融点金属層を有していてもよい。
【0140】
上記低融点金属層の厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下である。上記低融点金属層の厚みが上記下限以上であると、導電性が十分に高くなる。上記低融点金属層の厚みが上記上限以下であると、樹脂粒子と低融点金属層との熱膨張率の差が小さくなり、低融点金属層の剥離が生じ難くなる。
【0141】
導電層が低融点金属層以外の導電層である場合、又は導電層が多層構造を有する場合には、導電層の全体厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下である。
【0142】
導電性粒子の粒子径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm以下、より一層好ましくは20μm未満、更に好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下である。導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上である。熱履歴を受けた場合の接続構造体の接続信頼性をより一層高める観点からは、導電性粒子の平均粒子径は、1μm以上、10μm以下であることが特に好ましく、1μm以上、4μm以下であることが最も好ましい。
【0143】
異方性導電材料における導電性粒子に適した大きさであり、かつ電極間の間隔をより一層小さくすることができるので、導電性粒子の平均粒子径は、1μm〜100μmの範囲内であることが特に好ましい。
【0144】
上記樹脂粒子は、実装する基板の電極サイズ又はランド径によって使い分けることができる。
【0145】
上下の電極間をより一層確実に接続し、かつ横方向に隣接する電極間の短絡をより一層抑制する観点からは、導電性粒子の平均粒子径Cの樹脂粒子の平均粒子径Aに対する比(C/A)は、1.0を超え、好ましくは3.0以下である。また、上記樹脂粒子と上記はんだ層との間に上記第1の導電層がある場合に、はんだ層を除く導電性粒子部分の平均粒子径Bに対する樹脂粒子の平均粒子径Aに対する比(B/A)は、1.0を超え、好ましくは2.0以下である。さらに、上記樹脂粒子と上記はんだ層との間に上記第1の導電層がある場合に、はんだ層を含む導電性粒子の平均粒子径Cのはんだ層を除く導電性粒子部分の平均粒子径Bに対する比(C/B)は、1.0を超え、好ましくは2.0以下である。上記比(B/A)が上記範囲内であったり、上記比(C/B)が上記範囲内であったりすると、上下の電極間をより一層確実に接続し、かつ横方向に隣接する電極間の短絡をより一層抑制できる。
【0146】
FOB及びFOF用途向け異方性導電材料:
上記異方性導電材料は、フレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))との接続、又はフレキシブルプリント基板とフレキシブルプリント基板との接続(FOF(Film on Film))に好適に用いられる。
【0147】
FOB及びFOF用途では、電極がある部分(ライン)と電極がない部分(スペース)との寸法であるL&Sは、一般に100〜500μmである。FOB及びFOF用途で用いる樹脂粒子の平均粒子径は10〜100μmであることが好ましい。樹脂粒子の平均粒子径が10μm以上であると、電極間に配置される異方性導電材料及び接続部の厚みが十分に厚くなり、接着力がより一層高くなる。樹脂粒子の平均粒子径が100μm以下であると、隣接する電極間で短絡がより一層生じ難くなる。
【0148】
フリップチップ用途向け異方性導電材料:
上記異方性導電材料は、フリップチップ用途に好適に用いられる。
【0149】
フリップチップ用途では、一般にランド径が15〜80μmである。フリップチップ用途で用いる樹脂粒子の平均粒子径は1〜15μmであることが好ましい。樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上であると、該樹脂粒子の表面上に配置されるはんだ層の厚みを十分に厚くすることができ、電極間をより一層確実に電気的に接続することができる。樹脂粒子の平均粒子径が10μm以下であると、隣接する電極間で短絡がより一層生じ難くなる。
【0150】
COF向け異方性導電材料:
上記異方性導電材料は、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))に好適に用いられる。
【0151】
COF用途では、電極がある部分(ライン)と電極がない部分(スペース)との寸法であるL&Sは、一般に10〜50μmである。COF用途で用いる樹脂粒子の平均粒子径は1〜10μmであることが好ましい。樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上であると、該樹脂粒子の表面上に配置されるはんだ層の厚みを十分に厚くすることができ、電極間をより一層確実に電気的に接続することができる。樹脂粒子の平均粒子径が10μm以下であると、隣接する電極間で短絡がより一層生じ難くなる。
【0152】
上記導電性粒子の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。導電性粒子の平均粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
【0153】
導電性粒子の表面は、絶縁性材料、絶縁性粒子、フラックス等により絶縁処理されていてもよい。絶縁性粒子などの絶縁性材料、フラックス等は、接続時の熱により軟化、流動することで接続部から排除されることが好ましい。これにより、電極間での短絡を抑制することができる。
【0154】
異方性導電材料がペースト状である場合、異方性導電材料の粘度(25℃)は、20000〜300000mPa・sの範囲内であることが好ましい。上記粘度が低すぎると、導電性粒子が沈降することがある。上記粘度が高すぎると、導電性粒子が充分に分散しないことがある。なお、ペースト状には液状も含まれる。
【0155】
導電層に低融点金属層を用い、低融点金属層が導電粒子の最表面にくる場合、最表面に形成されている酸化膜の厚みは10nm以下であることが好ましい。10nm以下であれば、接続構造体の接続時にかかる圧力で酸化膜が破壊され、良好な接続が可能となる。酸化膜の厚みは、TEMにより測定することができる。
【0156】
上記導電性粒子の圧縮弾性率は、好ましくは1GPa以上、より好ましくは2GPa以上、好ましくは7GPa以下、より好ましくは5GPa以下である。
【0157】
上記導電性粒子の圧縮回復率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。
【0158】
上記導電性粒子の23℃での圧縮弾性率(10%K値)は、以下のようにして測定される。
【0159】
微小圧縮試験機を用いて、直径50μmのダイアモンド製円柱の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、及び最大試験荷重10gfの条件下で導電性粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
【0160】
10%K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:導電性粒子が10%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:導電性粒子が10%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:導電性粒子の半径(mm)
【0161】
上記圧縮弾性率は、導電性粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記圧縮弾性率の使用により、導電性粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。
【0162】
上記圧縮回復率は、以下のようにして測定できる。
【0163】
試料台上に導電性粒子を散布する。散布された導電性粒子1個について、微小圧縮試験機を用いて、導電性粒子の中心方向に、反転荷重値(5.00mN)まで負荷を与える。その後、原点用荷重値(0.40mN)まで除荷を行う。この間の荷重−圧縮変位を測定し、下記式から圧縮回復率を求めることができる。なお、負荷速度は0.33mN/秒とする。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
【0164】
圧縮回復率(%)=[(L1−L2)/L1]×100
L1:負荷を与えるときの原点用荷重値から反転荷重値に至るまでのまでの圧縮変位
L2:負荷を解放するときの反転荷重値から原点用荷重値に至るまでの圧縮変位
【0165】
上記導電性粒子の含有量は特に限定されない。異方性導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、より一層好ましくは20重量%以下、更に好ましくは19重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を容易に配置できる。さらに、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続され難くなる。すなわち、隣り合う電極間の短絡をより一層防止できる。
【0166】
(他の成分)
上記異方性導電材料は、フィラーを含むことが好ましい。フィラーの使用により、異方性導電材料の硬化物の熱線膨張率を抑制できる。上記フィラーの具体例としては、シリカ、窒化アルミニウム、アルミナ、ガラス、窒化ボロン、窒化ケイ素、シリコーン、カーボン、グラファイト、グラフェン及びタルク等が挙げられる。フィラーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。熱伝導率が高いフィラーを用いると、本硬化時間が短くなる。
【0167】
上記異方性導電材料は、硬化促進剤をさらに含むことが好ましい。硬化促進剤の使用により、硬化速度をより一層速くすることができる。硬化促進剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0168】
上記硬化促進剤の具体例としては、イミダゾール硬化促進剤及びアミン硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、イミダゾール硬化促進剤が好ましい。なお、イミダゾール硬化促進剤又はアミン硬化促進剤は、イミダゾール硬化剤又はアミン硬化剤としても用いることができる。
【0169】
上記異方性導電材料は、溶剤を含んでいてもよい。該溶剤の使用により、異方性導電材料の粘度を容易に調整できる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、メチルセロソルブ、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等が挙げられる。
【0170】
熱履歴を受けた場合の接続構造体の接続信頼性をさらに一層高める観点からは、上記異方性導電材料は、チクソ付与剤を含むことが好ましい。該チクソ付与剤としては、エラストマー粒子及びシリカ等が挙げられる。該エラストマー粒子としては、ゴム粒子が挙げられる。該ゴム粒子としては、天然ゴム粒子、イソプレンゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、スチレンブタジエンゴム粒子、クロロプレンゴム粒子及びアクリロニトリルブタジエンゴム粒子等が挙げられる。上記シリカは、ナノシリカであることが好ましい。上記ナノシリカの平均粒子径は1000nm未満である。
【0171】
上記異方性導電材料100重量%中、上記チクソ付与剤の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは15重量%以下である。上記チクソ付与剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、熱履歴を受けた場合の接続構造体の接続信頼性がより一層高くなる。
【0172】
第1,第2の接続構造体の接続信頼性をより一層高める観点からは、上記絶縁膜及び上記異方性導電材料はそれぞれ、接着付与剤を含むことが好ましい。該接着付与剤としては、カップリング剤及び可撓性材料等が挙げられる。
【0173】
上記異方性導電材料100重量%中、上記接着付与剤の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、好ましくは50重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。上記接着付与剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、第1,第2の接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
【0174】
上記異方性導電材料は、不純物イオンを低減する目的で、イオントラッパー等を含有してもよい。第1の接続対象部材の突出した電極がCuである場合、硬化後の絶縁膜及び上記異方導電材料における抽出イオン不純物量は好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下である。抽出イオン不純物量を測定する際には、D試験管(18×180m/m)内に異方性導電材料約1g精秤し、精製水10mlをホールピペットで注入後、アンプルを密封する。100℃20時間で振とうしながらイオンを抽出する。その後、IONEX DX−320J、DIONEX ICS−1000を用いて、抽出イオン不純物を測定する。
【0175】
上記異方性導電材料は、溶剤を含んでいてもよい。該溶剤の使用により、異方性導電材料の粘度を容易に調整できる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、メチルセロソルブ、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等が挙げられる。
【0176】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0177】
実施例及び比較例では、第1,第2の接続対象部材を接続する硬化物層を形成するために以下の成分を用いた。
【0178】
[熱硬化性化合物]
下記式(1B)で表される構造を有するエピスルフィド化合物1B
【0179】
【化1】
【0180】
EP−3300P(ADEKA社製、可撓性エポキシ樹脂)
【0181】
[光硬化性化合物]
EBECRYL3702(ダイセル・サイテック社製、脂肪酸変性エポキシアクリレート)
4HBAGE(日本化成社製、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル)
【0182】
[熱硬化剤]
TEP−2E4MZ(日本曹達社製、包摂イミダゾール)
【0183】
[光硬化開始剤]
イルガキュア819(BASF社製)
【0184】
[接着付与剤]
KBE−402(信越化学工業社製、シランカップリング剤)
【0185】
[フィラー]
表面メチル処理シリカ(平均粒径0.7mm、トクヤマ社製)
【0186】
[チクソ付与剤]
ナノシリカPM20L(トクヤマ社製)
【0187】
[柔軟性粒子]
KW−8800(三菱レイヨン社製、コアシェル粒子)
【0188】
[導電性粒子]
導電性粒子A〜Eはいずれも、ジビニルベンゼン樹脂粒子の表面にニッケルめっき層が形成されており、かつ該ニッケルめっき層の表面に金めっき層が形成されている金属層を有する導電性粒子である。また、導電性粒子A〜Eの比重及び平均粒子径は以下の通りである。
【0189】
導電性粒子A(平均粒子径3μm、10%K値:4.5N/mm
導電性粒子B(平均粒子径3μm、10%K値:5.2N/mm
導電性粒子C(平均粒子径5μm、10%K値:3.2N/mm
導電性粒子D(平均粒子径7μm、10%K値:2.8N/mm
導電性粒子E(導電性の表面に高さ100nmの突起を有する導電性粒子、平均粒子径3μm、10%K値:4.5N/mm
【0190】
(実施例1)
(1)異方性導電ペーストの調製
下記の表1に示す成分を下記の表1に示す配合量で配合して、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、配合物を得た。得られた配合物を、ナイロン製ろ紙(孔径10μm)を用いてろ過することにより、導電性粒子の含有量が8重量%である異方性導電ペーストを得た。
【0191】
(2)接続構造体の作製
厚み0.7mmのガラス基板上に、長さ1000μm、幅40μm、ピッチ80μmである電極を形成した。電極は、ガラス側からTi/Al/Ti=15/180/50nmの厚みとなるように形成した。
【0192】
電極形成後、全面をSiNで被覆して、厚み900nmの絶縁膜を形成した。電極上面の絶縁膜を、縦14μm、横14μmの大きさにて、電極幅方向に2列、長さ方向に32列にて、フォトマスクを用いドライエッチングにより開口した。このようにして、開口の大きさが縦14μm、横14μmの正方形であり、1つの電極上で、長さ方向に32個及び幅方向に2個それぞれ直線状に並べられた合計64個の開口(合計の開口面積12544μm)を有する絶縁膜を形成した。開口部周辺部での絶縁膜の断面観察の結果、絶縁膜の開口の内周面と絶縁膜の下面とのなす角度αは40°であった。
【0193】
さらに、厚み55nmのITO膜を形成し、電極上面の開口部(絶縁膜の開口)及び電極上面のSiN部分のみで残るように、他の部分のITO膜をエッチングにより除去した。こうして第1の接続対象部材を得た。ITO膜の表面の粗さRaは、20nmであった。
【0194】
厚み25μmのポリイミドフィルム上に、ポリイミド側からCu/Ni/Au=18μm/5μm/50nmとなるように、L/S=40/40μmにて電極を形成した。こうして第2の接続対象部材を得た。
【0195】
上記第1の接続対象部材の電極及び絶縁膜が配置された表面上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ20μmとなるように塗工し、異方性導電材料層を形成した。
【0196】
次に、紫外線照射ランプを用いて、照射エネルギーが500mJ/cmとなるように、異方性導電材料層に上方から紫外線を3秒間照射し、光重合によって異方性導電材料層の硬化を進行させ、Bステージ化(半硬化)してBステージ化された異方性導電材料層を形成した。
【0197】
次に、Bステージ化された異方性導電材料層の第1の接続対象部材側とは反対の表面上に、上記第2の接続対象部材を電極同士が対向するように積層した。その後、Bステージ化された異方性導電材料層の温度が190℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、第2の接続対象部材の電極が配置された側とは反対の表面上に加圧加熱ヘッドを載せ、3MPaの圧力をかけてBステージ化された異方性導電材料層を190℃で20秒硬化させ、接続構造体を得た。
【0198】
(実施例2)
異方性導電ペーストの調製の際に、導電性粒子Aを導電性粒子Bに変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0199】
(実施例3)
異方性導電ペーストの調製の際に、導電性粒子Aを導電性粒子Cに変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0200】
(実施例4)
異方性導電ペーストの調製の際に、導電性粒子Aを導電性粒子Dに変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0201】
(実施例5)
異方性導電ペーストの調製の際に、導電性粒子Aを導電性粒子Eに変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を得た。
【0202】
(実施例6)
第1の接続対象部材の絶縁膜の開口の大きさが縦10μm、横10μmの正方形であり、1つの電極上で、長さ方向に40個及び幅方向に3個それぞれ直線状に並べられた合計120個の開口(合計の開口面積12000μm)を有する絶縁膜を形成したこと以外は実施例4と同様にして、接続構造体を作製した。
【0203】
(実施例7)
第1の接続対象部材の絶縁膜の開口の大きさが縦30μm、横30μmの正方形であり、1つの電極上で、長さ方向に20個及び幅方向に1個それぞれ直線状に並べられた合計20個の開口(合計の開口面積18000μm)を有する絶縁膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
【0204】
(実施例8)
第1の接続対象部材の絶縁膜の厚みを450nmに変更し、絶縁膜の開口の内周面と絶縁膜の下面とのなす角度を65°に変更した以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
【0205】
(実施例9)
(1)異方性導電ペーストの調製
異方性導電ペーストの組成を下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。
【0206】
(2)接続構造体の作製
チップサイズが15.1mm×1.6mm、厚み300μmであって、長さ100μm、幅20μm、ピッチ30μmの突起電極がチップ周辺部に726個形成された半導体チップ(第2の接続対象部材)を用意した。
【0207】
上記半導体チップの電極パターンと同パターンになるように、厚み0.7mmのガラス基板上に、長さ120μm、幅20μm、ピッチ30μmである電極を形成した。電極は、ガラス側からTi/Al/Ti=15/180/50nmの厚みとなるように形成した。
【0208】
電極形成後、全面をSiNで被覆して、900nmの厚みの絶縁膜を形成した。
【0209】
電極上面の絶縁膜を、縦10μm、横10μmの大きさにて、電極幅方向に1列、長さ方向に5列にて、フォトマスクを用いドライエッチングにより開口した。このようにして、開口の大きさが縦10μm、横10μmの正方形であり、1つの電極上で、長さ方向に5個及び幅方向に1個それぞれ直線状に並べられた合計5個の開口(合計の開口面積500μm)を有する絶縁膜を形成した。開口部周辺部での絶縁膜の断面観察の結果、絶縁膜の開口の内周面と絶縁膜の下面とのなす角度αは40°であった。
【0210】
さらに、厚み55nmのITO膜を形成し、電極上面の開口部(絶縁膜の開口)及び電極上面のSiN部分のみが残るように、他の部分のITO膜をエッチングにより除去した。こうして第1の接続対象部材を得た。ITO膜の表面の粗さRaは、20nmであった。
【0211】
得られた第1の接続対象部材上に、得られた異方性導電ペーストを塗布したこと、並びに用意した上記第2の接続対象部材を用いたこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
【0212】
(実施例10)
半導体チップに形成する絶縁膜の厚みを450nmに変更したこと、絶縁膜の開口の内周面と絶縁膜の下面とのなす角度αを60°に変更した以外は、実施例9と同様にして接続構造体を作製した。
【0213】
(実施例11)
異方性導電ペーストの組成を下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして接続構造体を作製した。
【0214】
(実施例12)
異方性導電ペーストの組成を下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペーストを得た。得られた異方性導電ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして接続構造体を作製した。
【0215】
(比較例1)
複数の電極上に絶縁膜を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、接続構造体を作製した。
【0216】
(評価)
(1)異方性導電ペースト(異方性導電材料)の室温での粘度
E型粘度測定装置(TOKI SANGYO CO.LTD社製、商品名:VISCOMETER TV−22、使用ローター:φ15mm、温度:25℃)を用いて、10rpm及び25℃での異方性導電ペーストの粘度η1(10rpm)を測定した。また、同様に1rpm条件下での粘度η1(1rpm)を測定し、粘度比(η1(1rpm)/η1(10rpm))を求めた。
【0217】
(2)Bステージ化された異方性導電材料の最低溶融粘度η2及び上記粘度比(η2/η3)
レオメーター(EOLOGICA社製「STRESSTECH」)を用いて、測定条件:歪制御1rad、周波数1Hz、昇温速度20℃/分、測定温度範囲60〜150℃にて、接続構造体の作製時のBステージ化された異方性導電材料層の最低溶融粘度η2及び最低溶融粘度を示す温度を測定した。また、周波数を10Hzにしたこと以外は上記と同様に粘度測定を行い、上記最低溶融粘度を示す温度での最低溶融粘度η3を測定し、上記粘度比(η2/η3)を求めた。
【0218】
(3)異方性導電ペースト(異方性導電材料)が硬化した硬化物層の25℃での弾性率及びガラス転移温度Tg
接続構造体における異方性導電材料層が硬化した硬化物層の25℃での弾性率及びガラス転移温度Tgは、幅3mm×長さ15mm×厚み0.1mmのサンプルを作成し、粘弾性測定機DVA−200(アイティー計測制御社製)を用い、昇温速度5℃/分、変形率0.1%及び10Hzの条件で測定した。tanδのピーク時の温度をTg(ガラス転移温度)とした。
【0219】
(4)接続構造体の硬化物層におけるボイドの有無
得られた接続構造体において、異方性導電材料層が硬化した硬化物層にボイドが生じているか否かを、光学顕微鏡により観察した。ボイドの有無を下記の基準で判定した。ボイドが無いと接続信頼性が高くなり、ボイドが少ないほど接続信頼性が高くなる。
【0220】
[ボイドの有無の判定基準]
○:ボイド無し
△:僅かにボイドがあるが、電極のL/S、ピッチ以上のボイドはなし
×:隣接する電極間以上のサイズのボイドあり
【0221】
(5)電極間における導電性粒子の捕捉率(導電性粒子の配置精度)
得られた接続構造体における対向する上下の電極間に存在する導電性粒子の数を光学顕微鏡にてカウントした。導電性粒子の捕捉率を下記の基準で判定した。
【0222】
[導電性粒子の捕捉率の判定基準]
○:各電極間に存在する粒子が10個以上
×:各電極間に存在する粒子が9個以下
【0223】
(6)導通性
得られた接続構造体の20箇所の抵抗値を4端子法にて評価した。導通性(導通信頼性)を下記の基準で判定した。
【0224】
[導通性の判定基準]
○:全ての箇所で抵抗値が3Ω以下である
△:抵抗値が3Ω以上の箇所が1箇所以上ある
×:全く導通していない箇所が1箇所以上ある
【0225】
(7)絶縁性
得られた接続構造体の隣り合う電極20個においてリークが生じているか否かを、テスターで測定した。絶縁性を下記の基準で判定した。
【0226】
[絶縁性の判定基準]
○:リーク箇所が全くない
×:リーク箇所がある
【0227】
(8)熱履歴を受けた場合の接続信頼性
得られた接続構造体100個を、−30℃で5分間保持し、次に120℃まで25分で昇温し、120℃で5分間保持した後、−30℃まで25分で降温する過程を1サイクルとする冷熱サイクル試験を実施した。1000サイクル後に、接続構造体を取り出した。
【0228】
冷熱サイクル試験後の100個の接続構造体について、上下の電極間の導通不良が生じているか否かを評価した。100個の接続構造体のうち、導通不良が生じている個数が1個以下である場合を「○」、2個以上、3個以下である場合を「△」、4個を超える場合を「×」と判定した。
【0229】
(9)耐湿熱試験
得られた接続構造体15個において、85℃及び85%RHの条件で1000時間放置した後、同様に導通性を評価した。上記(6)の導通性の判定基準における結果が「○」である場合を「○」、導通性の判定基準における結果が「×」になる場合を「×」と判定した。
【0230】
結果を下記の表1に示す。
【0231】
【表1】
【符号の説明】
【0232】
1…接続構造体
2…第1の接続対象部材
2a…表面
2b…第1の電極
2c…絶縁膜
3…硬化物層
3a…表面
3A…異方性導電材料層
3B…Bステージ化された異方性導電材料層
4…第2の接続対象部材
4a…表面
4b…第2の電極
5…導電性粒子
X…開口
図1
図2
図3
図4