特許第6006782号(P6006782)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特許6006782-多孔質材料及びハニカム構造体 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6006782
(24)【登録日】2016年9月16日
(45)【発行日】2016年10月12日
(54)【発明の名称】多孔質材料及びハニカム構造体
(51)【国際特許分類】
   C04B 38/06 20060101AFI20160929BHJP
   C04B 35/626 20060101ALI20160929BHJP
   C04B 35/565 20060101ALI20160929BHJP
   B01J 32/00 20060101ALI20160929BHJP
   B01J 27/224 20060101ALI20160929BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20160929BHJP
【FI】
   C04B38/06 EZAB
   C04B35/56 101P
   C04B35/56 101C
   B01J32/00
   B01J27/224 A
   B01D39/20 D
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-507990(P2014-507990)
(86)(22)【出願日】2013年3月27日
(86)【国際出願番号】JP2013059144
(87)【国際公開番号】WO2013146954
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2015年11月18日
(31)【優先権主張番号】特願2012-73708(P2012-73708)
(32)【優先日】2012年3月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】泉 有仁枝
(72)【発明者】
【氏名】小林 義政
【審査官】 小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4227347(JP,B2)
【文献】 特開2003−176185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B38/00−38/10
B01D39/20
B01D46/00
B01D53/86
B01J27/224
B01J32/00
B01J35/04
B01J35/10
C04B35/565
C04B35/622
C04B35/626
F01N 3/021
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主骨材と副骨材とを骨材として含有し、
前記主骨材が炭化珪素粒子であり、前記副骨材がムライト粒子及びアルミナ粒子の少なくとも一方であり、
前記骨材同士が、結合相を介して、細孔を形成するように結合されており、
前記結合相が非晶質相及びコージェライト相の少なくとも一方を含有し、
気孔率が40〜90%である多孔質材料。
【請求項2】
前記主骨材、前記副骨材及び前記結合相の合計質量に対して、前記副骨材を8.0〜35.0質量%含有する請求項1に記載の多孔質材料。
【請求項3】
前記主骨材、前記副骨材及び前記結合相の合計質量に対して、前記結合相を、2.0〜15.0質量%含有する請求項1又は2に記載の多孔質材料。
【請求項4】
前記非晶質相が、マグネシウム、アルミニウム、珪素及び酸素を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質材料。
【請求項5】
平均細孔径が10〜40μmである請求項1〜4のいずれかに記載の多孔質材料。
【請求項6】
細孔径10μm未満の細孔が細孔全体の20%以下であり、細孔径40μmを超える細孔が細孔全体の10%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の多孔質材料。
【請求項7】
前記主骨材である炭化珪素粒子の平均粒子径が5〜100μmであり、前記副骨材の平均粒子径が5〜100μmである請求項1〜6のいずれかに記載の多孔質材料。
【請求項8】
曲げ強度が6.5MPa以上であり、曲げ強度/ヤング率比が1.4×10−3以上である請求項1〜7のいずれかに記載の多孔質材料。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の多孔質材料により構成され、一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを、区画形成する隔壁を備えたハニカム構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質材料及びハニカム構造体に関する。更に詳しくは、耐熱衝撃性が高い多孔質材料及びハニカム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化珪素粒子を酸化物相、ガラス相等で結合した多孔質材料は、耐熱衝撃性に優れるため、触媒担体用材料、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)用材料等として利用されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。また、耐火物として、炭化珪素粒子を酸化物相で結合したものが用いられている(例えば、特許文献4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−502546号公報
【特許文献2】特許第4111439号公報
【特許文献3】特許第4227347号公報
【特許文献4】特開平7−315933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、触媒担体やDPFは、サイズが大型化し、更にセル構造が複雑化してきている。また、触媒担体やDPFの使用環境が過酷になってきている。そのため、これらの用途に用いられる多孔質材料は、さらなる耐熱衝撃性の向上が求められている。尚、特許文献4に記載の耐火物は、気孔率が低いためDPF等には用いられていないと考えられる。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、耐熱衝撃性が高い多孔質材料及びハニカム構造体を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明は、以下の多孔質材料及びハニカム構造体を提供する。
【0007】
[1] 主骨材と副骨材とを骨材として含有し、前記主骨材が炭化珪素粒子であり、前記副骨材がムライト粒子及びアルミナ粒子の少なくとも一方であり、前記骨材同士が、結合相を介して、細孔を形成するように結合されており、前記結合相が非晶質相及びコージェライト相の少なくとも一方を含有し、気孔率が40〜90%である多孔質材料。
【0008】
[2] 前記主骨材、前記副骨材及び前記結合相の合計質量に対して、前記副骨材を8.0〜35.0質量%含有する前記[1]に記載の多孔質材料。
【0009】
[3] 前記主骨材、前記副骨材及び前記結合相の合計質量に対して、前記結合相を、2.0〜15.0質量%含有する前記[1]又は[2]に記載の多孔質材料。
【0010】
[4] 前記非晶質相が、マグネシウム、アルミニウム、珪素及び酸素を含有するものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の多孔質材料。
【0011】
[5] 平均細孔径が10〜40μmである前記[1]〜[4]のいずれかに記載の多孔質材料。
【0012】
[6] 細孔径10μm未満の細孔が細孔全体の20%以下であり、細孔径40μmを超える細孔が細孔全体の10%以下である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の多孔質材料。
【0013】
[7] 前記主骨材である炭化珪素粒子の平均粒子径が5〜100μmであり、前記副骨材の平均粒子径が5〜100μmである前記[1]〜[6]のいずれかに記載の多孔質材料。
【0014】
[8] 曲げ強度が6.5MPa以上であり、曲げ強度/ヤング率比が1.4×10−3以上である前記[1]〜[7]のいずれかに記載の多孔質材料。
【0015】
[9] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載の多孔質材料により構成され、一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを、区画形成する隔壁を備えたハニカム構造体。
【発明の効果】
【0016】
本発明の多孔質材料は、従来の多孔質材料に比べて、耐熱衝撃性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の多孔質材料の一の実施形態の断面を拡大して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、具体的に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0019】
(1)多孔質材料:
本発明の多孔質材料は、主骨材と副骨材とを骨材として含有し、骨材同士が、結合相を介して、細孔を形成するように結合されているものである。そして、主骨材は炭化珪素粒子であり、副骨材はムライト粒子及びアルミナ粒子の少なくとも一方である。そして、結合相が、非晶質相及びコージェライト相の少なくとも一方を含有するものである。更に、本発明の多孔質材料は、気孔率が40〜90%である。図1は、本発明の多孔質材料の一の実施形態の断面を拡大して示す模式図である。図1に示される本実施形態の多孔質材料1は、骨材2同士が、結合相5を介して、細孔6を形成するように結合され、ムライト粒子4及びアルミナ粒子3が副骨材として含有されている例である。
【0020】
ここで、非晶質相のみが骨材同士を結合させている場合には、当該非晶質相が「結合相」である。また、コージェライト相のみが骨材同士を結合させている場合には、当該コージェライト相が「結合相」である。また、「非晶質相とコージェライト相の両方」が骨材同士を結合させている場合には、当該「非晶質相とコージェライト相の両方」が「結合相」である。また、結合相は、「非晶質相及びコージェライト相」以外の、他の相を含有してもよい。また、「結合相」は、骨材間を完全に埋める(隙間なく埋める)状態ではなく、骨材間に隙間(細孔)が形成されるようにして、骨材同士を結合している。また、主骨材とは、骨材全体に対して、50質量%を超える比率で含有されている骨材である。副骨材とは、骨材全体から主骨材を除いた残りの骨材である。なお、結合材中に、イットリウム(Y)、ランタン(La)等に代表される希土類元素を含有してもよい。
【0021】
本発明の多孔質材料は、上記のような構成であるため、曲げ強度が高く、「曲げ強度/ヤング率比」の値が高いものである。そのため、本発明の多孔質材料は、耐熱衝撃性に優れたものである。
【0022】
本発明の多孔質材料は、上記のように、炭化珪素粒子を含有し、更に、ムライト粒子及びアルミナ粒子の少なくとも一方を含有する。そして、多孔質材料に含有される炭化珪素粒子を主骨材と称し、多孔質材料に含有される「ムライト粒子、アルミナ粒子、又は、ムライト粒子とアルミナ粒子の両方」を副骨材と称する。
【0023】
本発明の多孔質材料は、気孔率が40〜90%であり、50〜70%であることが好ましい。気孔率が40%未満であると、圧力損失が大きくなるため好ましくない。特に、気孔率が50%以上であると、DPF等に使用するのに好ましい、低い圧力損失となる。また、気孔率が90%を超えると、機械的強度が低くなるため好ましくない。特に、気孔率が70%以下であると、DPF等に使用するのに好ましい、高い機械的強度となる。本明細書で、気孔率は、水銀圧入法(JIS R 1655準拠)による全細孔容積(単位:cm/g)と水中アルキメデス法による見掛け密度(単位:g/cm)から、算出した値である。気孔率を算出する際には、「気孔率[%]=全細孔容積/{(1/見掛け密度)+全細孔容積}×100」という式を用いる。なお、気孔率は、例えば、多孔質材料を製造する際に用いる造孔材の量や、焼結助剤量、焼成雰囲気などにより調整することができる。また、気孔率は、骨材と、結合相との比率によっても調整することができる。
【0024】
本発明の多孔質材料は、かさ密度が、0.25〜2.3g/cmであることが好ましく、0.8〜2.0g/cmであることが更に好ましい。かさ密度が0.25g/cmより小さいと機械的強度が低くなるため好ましくない。また、かさ密度が2.3g/cmを超えると質量が大きくなり車両に搭載するDPF等に使用するのに好ましくない。特に、かさ密度が0.8〜2.0g/cmであると、DPF等に使用するのに好ましい「高い機械的強度と軽量化」を、両立することができる。本明細書において、かさ密度は、水中アルキメデス法により測定した値である。
【0025】
本発明の多孔質材料は、平均細孔径が10〜40μmであることが好ましく、15〜30μmであることが更に好ましい。平均細孔径が10μm未満であると、圧力損失が大きくなるため好ましくない。平均細孔径が40μmを超えると、本発明の多孔質材料をDPF等として用いたときに、排ガス中の粒子状物質の一部が捕集されずにDPF等を透過するため好ましくない。本明細書で、平均細孔径は、水銀圧入法(JIS R 1655準拠)で測定した値である。
【0026】
本発明の多孔質材料は、細孔径10μm未満の細孔が細孔全体の20%以下であり、細孔径40μmを超える細孔が細孔全体の10%以下であることが好ましい。細孔径10μm未満の細孔が細孔全体の20%を超えると、細孔径10μm未満の細孔は触媒を担持する際に詰まり易いため、圧力損失が増大し易くなることがある。細孔径40μm未満の細孔が細孔全体の10%を超えると、細孔径40μm未満の細孔は粒子状物質が通過し易いため、DPF等のフィルター機能を十分に発揮し難くなることがある。
【0027】
本発明の多孔質材料は、骨材同士が、結合相(非晶質相及びコージェライト相の少なくとも一方を含有する相)を介して、細孔を形成するように結合されている。結合相は、非晶質相及びコージェライト相の少なくとも一方であることが好ましい。非晶質相は、マグネシウム、アルミニウム、珪素及び酸素を含有するものであることが好ましい。更に具体的には、マグネシウム、アルミニウム及び珪素を含む酸化物であることが好ましい。また、上述したように、結合相は、「非晶質相及びコージェライト相」以外の、他の相を含有してもよい。他の相としては、スピネル、ムライト、サフィリン、クォーツ、クリストバライト等を挙げることができる。
【0028】
本発明の多孔質材料は、主骨材、副骨材及び結合相の合計質量に対して、副骨材を8.0〜35質量%含有することが好ましい。本発明の多孔質材料は、主骨材、副骨材及び結合相の合計質量に対して、副骨材を8.0〜20.0質量%含有することが更に好ましく、副骨材を8.0〜12質量%含有することが特に好ましい。副骨材の含有量(含有率)が8.0質量%未満であると、曲げ強度が低くなり、更に「強度/ヤング率比」が低くなり、耐熱衝撃性が低下することがある。副骨材の含有量が35質量%を超えると、「強度/ヤング率比」が低くなり、耐熱衝撃性が低下することがある。
【0029】
副骨材の含有率は、X線回折分析によって得られた値に基づき求めた値である。具体的には、「RIR(Reference Intensity Ratio)法を用いて、X線回折データを解析して各成分を定量する」、簡易定量分析により算出する。X線回折データの解析は、例えば、MDI社製の「X線データ解析ソフトJADE7」を用いて行うことが好ましい。X線回折分析に用いるX線回折装置としては、回転対陰極型X線回折装置(理学電機社製、RINT)を挙げることができる。
【0030】
本発明の多孔質材料は、主骨材である炭化珪素粒子の平均粒子径が5〜100μmであることが好ましく、10〜40μmであることが更に好ましい。5μmより小さいと、焼成により多孔質材料を作製する際に、焼成収縮量が大きくなり、多孔質材料の気孔率が40%未満となることがある。100μmより大きいと、多孔質材料中の40μmを超える細孔が細孔全体の10%以上となることがある。
【0031】
本発明の多孔質材料は、副骨材であるアルミナの平均粒子径が1〜100μmであることが好ましく、5〜20μmであることが更に好ましい。1μmより小さいと、アルミナ粒子が結合材中に取り込まれ、結合材中に分散した形態となるため、結合材のヤング率が高くなる。そのため、多孔質材料のヤング率が高くなり、曲げ強度/ヤング率比が低下し耐熱衝撃性が劣ることがある。100μmより大きいと、多孔質材料中の40μmを超える細孔が細孔全体の10%以上となることがある。
【0032】
本発明の多孔質材料は、副骨材であるムライトの平均粒子径が1〜100μmであることが好ましく、5〜40μmであることが更に好ましい。1μmより小さいと、ムライト粒子が結合材中に取り込まれ、結合材中にムライト粒子が分散した形態となるため、結合材のヤング率が高くなる。そのため、多孔質材料のヤング率が高くなり、曲げ強度/ヤング率比が低下し耐熱衝撃性が劣ることがある。100μmより大きいと、多孔質材料中の40μmを超える細孔が細孔全体の10%以上となることがある。
【0033】
炭化珪素粒子、アルミナ及びムライトの平均粒子径は、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて測定した値である。具体的には樹脂にて包含した多孔質材料をダイヤモンドスラリーにて鏡面研磨したものを観察試料とし、この断面研磨面を1500倍の倍率でSEMにて観察して微構造写真を得る。そして、微構造写真中の全ての炭化珪素粒子、アルミナ及びムライト粒子の粒子径を測定し、微構造写真中の各粒子の個数で平均した値を各粒子の平均粒子径とする。
【0034】
本発明の多孔質材料は、結合相が、主骨材、副骨材及び結合相の合計質量に対して、2.0〜15.0質量%含有されていることが好ましい。そして、2.0〜13.0質量%含有されていることが更に好ましく、5.0〜12.0質量%含有されていることが特に好ましい。結合相の含有量が2.0質量%より少ないと、耐熱衝撃性が低下することがある。結合相の含有量が15.0質量%より多い場合も、耐熱衝撃性が低下することがある。
【0035】
本発明の多孔質材料は、曲げ強度が6.5MPa以上であり、「曲げ強度(Pa)/ヤング率(Pa)比」が1.4×10−3以上であることが好ましい。なお、曲げ強度は高いほどよいが、本発明の構成上、50MPa程度が上限となる。そして、曲げ強度が6.5〜20MPaであり、「曲げ強度(Pa)/ヤング率(Pa)比」が1.4×10−3〜5.0×10−3であることが更に好ましい。曲げ強度、ヤング率及び「曲げ強度(Pa)/ヤング率(Pa)比」を上記範囲とすることにより、多孔質材料の耐熱衝撃性を向上させることができる。曲げ強度が6.5MPaより小さいと、耐熱衝撃性が低下することがある。本明細書において、曲げ強度は、JIS R1601に準拠した曲げ試験により測定した値である。また、本明細書において、ヤング率は、上述の「JIS R1601に準拠した曲げ試験」で得られる応力−歪み曲線より算出した値である。
【0036】
本発明の多孔質材料は、40〜800℃の線熱膨張係数が2.0×10−6K以上6.0×10−6K以下であることが好ましく、3.5×10−6K以上5.2×10−6/K以下であることが更に好ましい。線熱膨張係数は小さいに越したことはないが、本発明の構成上、2.0×10−6/Kが下限となる。また6.0×10−6/Kより大きいと、耐熱衝撃性が低下することがある。本明細書において、熱膨張係数は、JIS R1618に準拠する方法で測定した値である。具体的には、ハニカム構造体から縦3セル×横3セル×長さ20mmの試験片を切り出し、40〜800℃のA軸方向(ハニカム構造体の流路に対して平行方向)の熱膨張係数を測定した値である。
【0037】
(2)ハニカム構造体:
本発明のハニカム構造体は、上述した本発明の多孔質材料により構成され、「一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセル」を区画形成する隔壁、を備えたものである。上記セルは、流体の流路となるものである。また、ハニカム構造体は、最外周に位置する外周壁を有する構造であることが好ましい。隔壁の厚さは、30〜1000μmが好ましく、50〜500μmが更に好ましく、50〜200μmが特に好ましい。セル密度は、10〜200セル/cmが好ましく、20〜200セル/cmが更に好ましく、50〜150セル/cmが特に好ましい。
【0038】
ハニカム構造体の形状としては、特に限定されず、円筒状、底面が多角形(三角形、四角形、五角形、六角形等)の筒状等を挙げることができる。
【0039】
ハニカム構造体のセルの形状は、特に限定されない。例えば、セルの延びる方向に直交する断面におけるセル形状としては、多角形(三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)、円形、またはこれ等の組み合わせ等を挙げることができる。
【0040】
ハニカム構造体の大きさは、用途に合わせて適宜決定することができる。
【0041】
本発明のハニカム構造体は、DPFや触媒担体として用いることができる。また、DPFに触媒を担持することも好ましい態様である。
【0042】
(3)多孔質材料(ハニカム構造体)の製造方法:
本発明の多孔質材料の製造方法について、以下に説明する。以下に説明する多孔質材料の製造方法は、多孔質材料によって構成されるハニカム構造体を、製造する方法でもある。
【0043】
まず、主骨材となる炭化珪素粉末と、副骨材となる粉末と、結合相となる粉末(結合材粉末)とを混合し、必要に応じて、バインダ、界面活性剤、造孔材、水等を添加して、成形原料を作製する。副骨材としてムライトを用いる場合には、ムライト粉末を混合するか、ムライト化原料を混合する。ここでムライト化原料とは焼成によりムライト結晶が生成する原料を意味する。また、副骨材としてアルミナを用いる場合には、アルミナ粉末を混合する。また、結合相となる粉末(結合材粉末)としては、コージェライト化原料を挙げることができる。ここで、コージェライト化原料とは、焼成によりコージェライト結晶(コージェライト相)が生成する原料を意味する。結合相がコージェライト相である場合、結合材粉末がコージェライト化原料であることが好ましい。また、結合相が非晶質相である場合、結合材粉末がシリカリッチな配合組成であることが好ましい。ここで、「結合材粉末がシリカリッチな配合組成である」とは、結合材粉末中のシリカの含有量が、51.4質量%以上であることを意味する。
【0044】
炭化珪素粉末、副骨材となる粉末及び結合材粉末の合計質量に対して、副骨材となる粉末が8.0〜35質量%であることが好ましい。炭化珪素粉末の平均粒子径は、5〜100μmが好ましく、10〜40μmが更に好ましい。副骨材となる粉末としてアルミナ粉末を用いる場合には、アルミナ粉末の平均粒子径は、1〜100μmが好ましく、5〜20μmが更に好ましい。副骨材となる粉末としてムライト粉末を用いる場合には、ムライト粉末の平均粒子径は、1〜100μmが好ましく、5〜40μmが更に好ましい。平均粒子径はレーザー回折法で測定した値である。副骨材となる粉末として、アルミナ粉末及びムライト粉末を両方用いる場合、副骨材となる粉末全体に対するアルミナ粉末の質量比率は、25〜90質量%が好ましい。
【0045】
炭化珪素粉末、副骨材となる粉末及び結合材粉末の合計質量に対して、結合材粉末が5.0〜15.0質量%であることが好ましい。
【0046】
バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の有機バインダを挙げることができる。これらの中でも、メチルセルロースとヒドロキシプロポキシルセルロースとを併用することが好ましい。バインダの含有量は、成形原料全体に対して2〜10質量%であることが好ましい。
【0047】
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の含有量は、成形原料全体に対して2質量%以下であることが好ましい。
【0048】
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、グラファイト、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、シリカゲル等を挙げることができる。造孔材の含有量は、成形原料全体に対して10質量%以下であることが好ましい。造孔材の平均粒子径は、10〜30μmであることが好ましい。10μmより小さいと、気孔を十分形成できないことがある。30μmより大きいと、成形時に口金に詰まることがある。造孔材の平均粒子径はレーザー回折方法で測定した値である。尚、造孔材が吸水性樹脂の場合、平均粒子径は、吸水後の値である。
【0049】
水の含有量は、成形しやすい坏土硬度となるように適宜調整されるが、成形原料全体に対して20〜60質量%であることが好ましい。
【0050】
次に、成形原料を混練して坏土を形成する。成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
【0051】
次に、坏土を押出成形してハニカム成形体を形成する。押出成形には、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚さ、セル密度等を有する口金を用いることが好ましい。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。ハニカム成形体は、流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と最外周に位置する外周壁とを有する構造である。ハニカム成形体の隔壁厚さ、セル密度、外周壁の厚さ等は、乾燥、焼成における収縮を考慮し、作製しようとするハニカム構造体の構造に合わせて適宜決定することができる。
【0052】
こうして得られたハニカム成形体について、焼成前に乾燥を行うことが好ましい。乾燥の方法は特に限定されず、例えば、マイクロ波加熱乾燥、高周波誘電加熱乾燥等の電磁波加熱方式と、熱風乾燥、過熱水蒸気乾燥等の外部加熱方式とを挙げることができる。これらの中でも、成形体全体を迅速かつ均一に、クラックが生じないように乾燥することができる点で、電磁波加熱方式で一定量の水分を乾燥させた後、残りの水分を外部加熱方式により乾燥させることが好ましい。乾燥の条件として、電磁波加熱方式にて、乾燥前の水分量に対して、30〜99質量%の水分を除いた後、外部加熱方式にて、3質量%以下の水分にすることが好ましい。電磁波加熱方式としては、誘電加熱乾燥が好ましく、外部加熱方式としては、熱風乾燥が好ましい。
【0053】
次に、ハニカム成形体の中心軸方向長さが、所望の長さではない場合は、両端面(両端部)を切断して所望の長さとすることが好ましい。切断方法は特に限定されないが、丸鋸切断機等を用いる方法を挙げることができる。
【0054】
次に、ハニカム成形体を焼成して、ハニカム構造体を作製する。焼成の前に、バインダ等を除去するため、仮焼を行うことが好ましい。仮焼は、大気雰囲気において、200〜600℃で、0.5〜20時間行うことが好ましい。焼成は、窒素、アルゴン等の非酸化雰囲気下(酸素分圧は10−4気圧以下)、1300〜1600℃、常圧で1〜20時間加熱することが好ましい。また、焼成後、耐久性向上のために、大気中(水蒸気を含んでいてもよい)、1100〜1400℃、1〜20時間の条件で、酸化処理を行っても良い。なお、仮焼及び焼成は、例えば、電気炉、ガス炉等を用いて行うことができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0056】
(実施例1)
炭化珪素(SiC)粉末、アルミナ粉末及び結合材粉末を、100:17:19(質量比)の比率で混合した。得られた混合物に、バインダ及び造孔材を添加すると共に、水を添加して成形原料とした。バインダとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いた。造孔材としては、デンプン、吸水性樹脂を用いた。結合材粉末としては、タルク粉末、水酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末の混合物を用いた。結合材粉末は、結合相となる粉末である。尚、焼成により、アルミナ粉末と結合材粉末中のシリカ成分が反応して、副骨材であるムライトが生成される。
【0057】
バインダの含有量は炭化珪素粉末、アルミナ粉末の合計を100質量部としたときに、7質量部であった。造孔材の含有量は炭化珪素粉末、アルミナ粉末及び「結合材粉末中のムライトになる成分(シリカ)」の合計を100質量部としたときに、12質量部であった。水の含有量は炭化珪素粉末、アルミナ粉末及び「結合材粉末中のムライトになる成分(シリカ)」の合計を100質量部としたときに、60質量部であった。炭化珪素粉末の平均粒子径は25μmであった。アルミナ粉末の平均粒子径は12μmであった。また、造孔材の平均粒子径は、25μmであった。なお、炭化珪素粉末、アルミナ粉末及び造孔材の平均粒子径は、レーザー回折法で測定した値である。
【0058】
次に、成形原料を混練し、土練して円柱状の坏土を作製した。そして、得られた円柱状の坏土を押出成形機を用いてハニカム形状に成形し、ハニカム成形体を得た。得られたハニカム成形体を誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、ハニカム乾燥体を得た。
【0059】
得られたハニカム乾燥体を、大気雰囲気にて550℃で3時間かけて脱脂し、その後、Ar不活性雰囲気にて約1450℃で2時間焼成しハニカム構造の多孔質材料(ハニカム構造体)を得た。
【0060】
このときのハニカム構造体の、隔壁の厚さは300μmであり、セル密度は46.5(セル/cm)であった。また、ハニカム構造体の形状は、底面の一辺が35mmの四角柱形であり、ハニカム構造体のセルの延びる方向における長さは40mmであった。また、結合相は、非晶質相であった。
【0061】
炭化珪素、アルミナ、ムライト、コーディエライト相及び非晶質相の同定は、粉末XRDによる構成相(構成成分)の同定・定量分析とともに、EPMA(電子線マイクロアナライザ)による定性分析及び元素マッピングの結果に基づいて行った。これにより、実施例1のハニカム構造体は、炭化珪素粒子、アルミナ、ムライト及び非晶質相を含むことが確認された。全体に対する結合相の含有率は8.0質量%であった。非晶質相の構成元素は、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、珪素(Si)、鉄(Fe)、及び酸素(O)であった。非晶質相の構成元素は、以下の方法で同定した。
【0062】
得られたハニカム構造の多孔質材料(ハニカム構造体)の気孔率は64.8%であり、かさ(嵩)密度は、1.13g/cmであり、平均細孔径は14.0μmであった。また、ハニカム構造の多孔質材料(ハニカム構造体)の全細孔容積は、0.567cm/gであった。また、ハニカム構造の多孔質材料(ハニカム構造体)の「10μm以下の細孔容積率」は、17.5%であり、「40μm以上の細孔容積率」は、4.3%であった。また、ハニカム構造体の曲げ強度は7.0MPaであり、ヤング率は2.8GPaであり、「強度/ヤング率比」は、2.5×10−3であった。尚、「強度/ヤング率比」の「強度」は、「曲げ強度」である。また、ハニカム構造体の熱膨張係数(40−800℃)は5.1×10−6−1であった。得られた結果を表1に示す。なお、各測定値は、以下に示す方法によって求めた値である。
【0063】
表1において、「SiC」、「アルミナ」、「ムライト」及び「結合相」の欄は、炭化珪素粒子、アルミナ粒子、ムライト粒子及び結合相の合計質量に対する、炭化珪素粒子、アルミナ粒子、ムライト粒子及び結合相のそれぞれの質量比率を示す。また、「気孔率」、「かさ密度」及び「平均細孔径」の欄は、多孔質材料の気孔率、かさ密度及び平均細孔径を示す。また、「曲げ強度」、「ヤング率」及び「熱膨張係数」の欄は、多孔質材料の曲げ強度、ヤング率及び熱膨張係数を示す。また、「強度/ヤング率比」の欄は、曲げ強度(Pa)をヤング率(Pa)で除した値を示す。
【0064】
また、表1において、「総合評価」の欄は、A〜Cが合格、Dが不合格であることを示す。また、A〜Cの中では、「A」が最も耐熱衝撃性に優れていることを示す。また、「B」が「A」の次に耐熱衝撃性に優れていることを示し、「C」が「B」の次に耐熱衝撃性に優れていることを示す。尚、「D」は、耐熱衝撃性に劣ることを示す。
【0065】
総合評価Aの条件は、曲げ強度6.5以上、及び「強度/ヤング率比」1.9以上の全ての条件を満たしていることである。また、総合評価Bの条件は、曲げ強度6.5以上、及び「強度/ヤング率比」1.5超、1.9未満の全ての条件を満たしていることである。また、総合評価Cの条件は、曲げ強度6.5以上、及び「強度/ヤング率比」1.4〜1.5の全ての条件を満たしていることである。また、総合評価Dの条件は、曲げ強度6.5未満、及び「強度/ヤング率比」1.4未満の中の、いずれか一つの要件を満たしていることである。
【0066】
(炭化珪素粒子の質量比率)
炭化珪素粒子の質量比率は、X線回折分析により行った。具体的には、X線回折装置を用いて多孔質材料のX線回折パターンを得る。X線回折装置としては、回転対陰極型X線回折装置(理学電機社製、RINT)を用いる。X線回折測定の条件は、CuKα線源、50kV、300mA、2θ=10〜60°とする。また、得られたX線回折データの解析方法としては、「RIR(Reference Intensity Ratio)法を用いて、X線回折データを解析して各成分を定量する」簡易定量分析を用いる。また、X線回折データの解析は、MDI社製「X線データ解析ソフトJADE7」を用いて行う。
【0067】
(ムライト粒子の質量比率)
ムライト粒子の質量比率は、上記「炭化珪素粒子の質量比率」と同様の方法で求める。
【0068】
(アルミナ粒子の質量比率)
アルミナ粒子の質量比率は、上記「炭化珪素粒子の質量比率」と同様の方法で求める。
【0069】
(結合相の質量比率)
結合相が、コージェライト相である場合、結合相の質量比率は、上記「炭化珪素粒子の質量比率」と同様の方法で求める。結合相が、非晶質相の場合、非晶質の量が既知であるサンプルと、当該サンプルの2θ=25°付近のX線回折強度の比率から、結合相の質量比率を求める。
【0070】
(非晶質相の構成元素)
非晶質相の構成元素の同定は、粉末XRD(X線回折)による構成相(構成成分)の同定・定量分析とともに、EPMA(電子線マイクロアナライザ)による定性分析及び元素マッピングの結果に基づいて行う。粉末XRDとしては、理学電機社製、商品名:RINTを使用した。X線回折測定の条件は、CuKα線源、50kV、300mA、2θ=10〜60°とした。EPMAとしては、日本電子社製、商品名:JXA8800を使用した。EPMAの条件は、加速電圧15kV、ビーム径50nm、照射電流100nAとし、3000倍の倍率で観察した視野を分析した。
【0071】
(気孔率)
気孔率は、水銀圧入法(JIS R 1655準拠)による全細孔容積[cm/g]とアルキメデス法による見掛密度[g/cm]から算出する。気孔率の算出に際しては、「開気孔率(%)=100×全細孔容積/{(1/見掛密度)+全細孔容積}」の式を用いる。
【0072】
(かさ密度)
水中アルキメデス法(JIS R 1626準拠)により測定する。
【0073】
(平均細孔径)
水銀圧入法(JIS R 1655準拠)により測定する。
【0074】
(細孔容積、細孔容積率)
水銀圧入法(JIS R 1655準拠)により測定する。
【0075】
(曲げ強度(強度))
ハニカム構造体をセルが貫通する方向を長手方向とした試験片(縦5セル×横10セル×長さ40mm)に加工し、JIS R1601に準拠した曲げ試験によりハニカム構造体の曲げ強度を算出する。
【0076】
(ヤング率)
上記「曲げ強度」の測定方法により「応力−歪曲線」を作成し、当該「応力−歪曲線」の傾きを算出する。得られた「応力−歪曲線の傾き」をヤング率とする。
【0077】
(熱膨張係数)
JIS R1618に準拠して、測定する。具体的には、ハニカム構造体から縦3セル×横3セル×長さ20mmの試験片を切り出し、40〜800℃のA軸方向(ハニカム構造体の流路に対して平行方向)の平均線熱膨張係数(熱膨張係数)を測定する。
【0078】
【表1】
【0079】
(実施例3〜9)
各条件を表1に示す条件とした以外は実施例1と同様にして多孔質材料(ハニカム構造体)を作製した。実施例1の場合と同様にして、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0080】
(実施例2)
焼成条件を以下のようにし、その他の条件を表1に示す条件とした以外は、実施例1と同様にして多孔質材料(ハニカム構造体)を作製した。実施例1の場合と同様にして、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0081】
(焼成)
得られたハニカム乾燥体を、大気雰囲気にて550℃で3時間かけて脱脂し、その後、Ar不活性雰囲気にて、約1480℃で2時間焼成し、ハニカム構造の多孔質材料(ハニカム構造体)を得た。
【0082】
(比較例1)
成形原料を以下のようにして作製し、焼成条件を以下のようにし、その他の条件を表1に示す条件とした以外は、実施例1と同様にして多孔質材料(ハニカム構造体)を作製した。実施例1の場合と同様にして、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0083】
(成形原料の作製)
炭化珪素(SiC)粉末、及び結合材粉末を、100:20(質量比)の比率で混合した。得られた混合物に、バインダ及び造孔材を添加すると共に、水を添加して成形原料とした。バインダとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いた。造孔材としては、デンプン、吸水性樹脂を用いた。結合材粉末としては、タルク粉末、水酸化アルミニウム粉末及びシリカ粉末の混合物を用いた。結合材粉末は、結合相となる粉末である。
【0084】
(焼成)
得られたハニカム乾燥体を、大気雰囲気にて550℃で3時間かけて脱脂し、その後、Ar不活性雰囲気にて、約1450℃で2時間焼成し、ハニカム構造の多孔質材料(ハニカム構造体)を得た。
【0085】
表1より、実施例1〜9の多孔質材料は、耐熱衝撃性に優れていることが分かる。また、比較例1の多孔質材料は、耐熱衝撃性に劣ることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の多孔質材料は、触媒担体用材料、DPF用材料等として利用することができる。そして、本発明のハニカム構造体は、触媒担体、DPF等として利用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1:多孔質材料、2:炭化珪素(SiC)粒子、3:アルミナ粒子、4:ムライト粒子、5:結合相、6:気孔(細孔)。
図1