特許第6008074号(P6008074)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6008074
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/34 20060101AFI20161006BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20161006BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20161006BHJP
【FI】
   F21V21/34 500
   F21V23/00 160
   F21Y115:10
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-174627(P2011-174627)
(22)【出願日】2011年8月10日
(65)【公開番号】特開2013-37973(P2013-37973A)
(43)【公開日】2013年2月21日
【審査請求日】2014年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112210
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 公史
【審査官】 丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−200023(JP,A)
【文献】 実開平01−083289(JP,U)
【文献】 特開2007−035607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/34
F21V 23/00
H01R 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が設けられ、内側に導電部を有する配線ダクトに取り付けられる照明器具において、
直方体形状の器具本体と、
前記器具本体の前記開口と対向する面に回転動作可能に取り付けられ、前記開口より前記配線ダクトの内側に挿入された状態で、前記開口と対向する面に対して平行方向へ回転動作することにより前記開口の両側に設けられた外郭係合部と係合する樹脂製の突出片と、
前記突出片が前記外郭係合部と係合した状態において、前記開口の両側に亘り配置されるように前記突出片の内部に収納される金属製の金属プレート、
を有することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記突出片に取り付けられ、前記突出片を回転動作させるレバー部と、
このレバー部に収納されるとともに、前記金属プレートと一体に形成される金属製の操作用金属プレートと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記突出片に取り付けられ、前記突出片を回転動作させるレバー部と、
このレバー部に収納されるとともに、前記金属プレートと前記突出片の回転動作の軸と
なる回転軸部を介して接続する金属製の操作用金属プレートと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記突出片は、前記開口と対向する面の略中央または前記開口と対向する面の略中央から前記照明器具の重心寄りに配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記器具本体の長手方向の一端側かつ前記突出片が取り付けられる前記開口と対向する面に対向する面に取り付けられる灯具を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記器具本体の長手方向の一端側かつ前記突出片が取り付けられる前記開口と対向する面と同じ面に取り付けられ、前記配線ダクトに係止するとともに、前記配線ダクトから給電されるプラグを有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線ダクトに取り付けられる照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
配線ダクト取付用照明器具は、一般的に電気的、機械的接続をするプラグ部分と、金属製の機械的接続をする接続部を有している。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4066618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、機械的接続をする接続部が金属製の場合、配線ダクトに取り付けられたとき、配線ダクト内の導電部(通電部)と接続部との絶縁距離を考慮する必要があり、接続部の設計が難しくなっていた。
【0005】
また、配線ダクト内の導電部(通電部)と接続部との絶縁距離を考慮して、接続部を樹脂製とした場合、クレージング等による樹脂の劣化や、過剰な負荷による破損が考えられ、最悪の場合、器具が落下することが考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における配線ダクトに取り付けられる照明器具は、直方体形状の器具本体と、板状に形成され、この板状の平面が前記器具本体の底面と平行になるように、かつ、回転動作可能に取り付けられる樹脂製の突出片と、この突出片の内部に収納される金属製の金属プレートと、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配線ダクト内の導電部と接続部との絶縁距離を保つことができるとともに、接続部の樹脂部分が破損しても、照明器具が配線ダクトから外れるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1の照明器具を示す斜視図である。
図2図1の照明器具の使用状態を示す斜視図である。
図3図1の照明器具を分解した状態を示す分解斜視図である。
図4図3の照明器具の底板を示す斜視図である。
図5図3の照明器具の灯体を分解した状態を示す分解斜視図である。
図6図3の照明器具の接続部を分解した状態を示す分解斜視図である。
図7図3の照明器具の接続部を6方向から見たときの正面図、側面図、上面図ならびに下面図である。
図8図1の照明器具を配線ダクトに取り付ける工程を示す斜視図である。
図9図8の照明器具及び配線ダクトの部分断面を示す部分断面図である。
図10図7の接続具にクレージングが発生した状態を示す側面図である。
図11】実施の形態1の他の照明器具を示す斜視図である。
図12】実施の形態2の照明器具の接続部を示す斜視図である。
図13図12の接続具にクレージングが発生した状態を示す側面図である。
図14】実施の形態3の照明器具の接続部を示す分解斜視図である。
図15図14の接続部を分解した状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の照明器具を示す斜視図であり、図2は、図1の照明器具の使用状態を示す斜視図である。
【0010】
照明器具1000は、本体100と、この本体100の下面に取り付けられる灯体200と、を備える。
この照明器具1000は、天井などに設置されている配線ダクト300に着脱可能に取り付けられる。
【0011】
図3は、図1の照明器具を分解した状態を示す分解斜視図である。
本体100は、外郭ケース110と、この外郭ケース110に取り付けられる絶縁材120と、この絶縁材120の上に取り付けられ、外郭ケース110に収納される点灯装置130と、この点灯装置130をカバーし、外郭ケース110に取り付けられる長方形状の底板140と、この底板140のほぼ中央に回転可能に取り付けられる接続部150と、外郭ケース110に取り付けられるプラグユニット160を備える。
【0012】
外郭ケース110は、一面が開口する箱形状をなし、点灯装置130を収納する直方体形状の点灯装置収納部111と、この点灯装置収納部111の長手方向の一端から突出し、プラグユニット160が取り付けられる断面形状がU字状のプラグユニット収納部112とを有する。
外郭ケース110は、アルミダイカスト製の熱伝導率の高い材料等で形成されている。
【0013】
図4は、図3の照明器具の底板を示す斜視図である。
底板140は、長方形状をなす4隅に設けられるネジ穴141と、ほぼ中央に設けられる回転軸穴142と、この回転軸穴142を中心に、0度、30度、60度、90度の角度で設けられる4つの位置決め穴143が形成される。この底板140は、点灯装置収納部111の開口部分に取り付けられ、ネジ穴141に挿入されるネジによって、点灯装置収納部111に固定される。
回転軸穴142は、タップなどによりねじ切り加工されている。
【0014】
プラグユニット160は、プラグ取付ケース161と、このプラグ取付ケース161に取り付けられるプラグ取付板162と、プラグ163と、このプラグ163をプラグ取付板162に回転可能に取り付けるプラグ留め具164、円形留め具165、ネジ166からなる。
【0015】
プラグ取付ケース161は、一面が開口する箱型形状をなしている。
【0016】
プラグ取付板162は、プラグ163が取り付けられるプラグ取付穴162aが形成される。このプラグ取付板162が、プラグ取付ケース161の開口部分を塞ぐように、図示していないネジなどによって、プラグ取付ケース161に取り付けられる。
【0017】
プラグ163は、プラグ取付穴162aに一部が嵌まり込み、中心部が中空状の回転軸163aと、この回転軸163aの曲面から2方面に突出する機械的接触片163bと、回転軸163aに設けられる操作部163cと、電気的接触片(図示していない。)を有する。
【0018】
機械的接触片163bは、本体100(照明器具1000)を配線ダクト300に着脱可能に固定する機能を有している。この機械的接触片163bは、操作部163cが操作され、回転軸163aが回転すると、ダクトレール300に機械的に接触する。
【0019】
電気的接触片は、配線ダクト300の導電部に物理的、電気的に接触して、本体100の内部配線を介して、点灯装置130に給電する機能を有する。この電気的接触片は、操作部163cが操作され、回転軸163aが回転すると、ダクトレール300に機械的、電気的に接触する。
【0020】
プラグ留め具164は、回転軸163aの中心部に挿入される挿入軸部164aと、この挿入軸部164aの一端側に設けられ、円錐形状の係止部164bとからなる。この係止部164bの円錐形状の底面の外周は、挿入軸部164aの軸周りの外形形状よりも大きくなっている。
【0021】
円形留め具165は、円形形状をなしている。この円形留め具165は、プラグ留め具164の挿入軸部164aの先端(係止部164bが設けられる挿入軸部164aの一端とは逆側の他端)に当接し、ネジ166によって、挿入軸部164aの先端に固定される。この円形留め具165が挿入軸部164aに固定されることによって、プラグ留め具164の係止部164bと円形留め具165がプラグ取付板162を挟み込み、プラグ163を回転可能にプラグ取付板162に取り付けることができる。
【0022】
灯体200は、本体100に取り付けられる「コ」の字状のアーム部210と、アーム部210の回動範囲を決定する回動規制部220と、アーム部210を回動可能に、回動規制部220とアーム部210をともに本体100(外郭ケース110)に固定する軸ネジ部230と、灯具本体240と、この灯具本体240を回動可能にアーム部210に固定する2本のネジ250と、軸ネジ部230にネジ止めされるナット260を有する。
【0023】
図5は、図3の照明器具の灯具本体を分解した状態を示す分解斜視図である。
灯具本体240は、円筒部241と、この円筒部241から複数のフィンが形成される放熱部242と、発光ダイオード243(以下、LED243という。)が実装されるLED基板244と、このLED基板244を円筒部241に固定するLED基板固定具245と、このLED基板固定具245に取り付けられるレンズ部246と、このレンズ部246を円筒部241に固定するレンズ固定具247と、このレンズ固定具247およびLED基板固定具245をともに円筒部241に固定する3つのネジ248と、LED基板244と円筒部241との間に介在し、LED基板244の熱を効率よく円筒部241に伝熱する放熱シート249からなる。
【0024】
円筒部241は、LED基板244が取り付けられる円形状の円形取付部241aと、この円形取付部241aから立設する中空円筒形状の内枠部241bと、この内枠部241bから放射状に突出する複数の連結部241cと、この連結部241cに取り付けられ、内枠部241bの外周を覆う外枠部241dからなる。
【0025】
内枠部241bと連結部241cと外枠部241dによって囲まれる空間部分は、LED243が発する熱(円筒部241に伝熱した熱)を放熱する機能を有している。
【0026】
図6は、図3の照明器具の接続部の分解した状態を示す分解斜視図であり、図7は、図3の照明器具の接続部の6面を示す6面図であり、図7(a)は、接続部の正面図、図7(b)、図7(c)は、接続部の側面図、図7(d)は、接続部の背面図、図7(e)、図7(f)は、接続部の側面図である。
【0027】
接続部150は、操作レバー部151と、この操作レバー部151に収納される金属プレート152と、この金属プレート152をカバーする金属プレートカバー153と、円柱状かつ中空状の回転軸部154(以下、スペーサ154、カラー154という場合がある。)と、この回転軸部154に挿入されるネジ155と、ワッシャー156と、を有する。
【0028】
操作レバー部151は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリカーボネート等の樹脂材で形成されている。
操作レバー部151は、突出片151aと、この突出片151aから延出されるレバー部151bと、このレバー部151bに設けられる凸状のツマミ部151cと、位置決め穴143に対応する半球状の凸部151dを有する。
【0029】
突出片151aの外形には、対向する2つの長辺aと、この長辺aの両端部同士をそれぞれ繋ぐ複合辺bが形成される。複合辺bは、長辺aに対してほぼ直角の短辺b1と、この短辺b1に対して鈍角に形成されるテーパー辺b2からなっている。したがって、突出片151aの外形形状は、6角形状をなしている。また、突出片151aは、金属プレート152を収納する凹部151aaを有している。
【0030】
金属プレート152は、平板状、長方形状の金属板であり、中央部に丸穴152aが形成される。
【0031】
金属プレートカバー153は、平板状、長方形状の押さえカバー153aと、この押さえカバー153aの中央付近から立設するリング状のネジ隠しカバー部153bと、を有する。
【0032】
押さえカバー153aは、ネジ隠しカバー部153bのほぼ中央に回転軸部154が挿入される丸穴153cが形成される。
【0033】
ネジ隠しカバー部153bは、ネジ155のネジ頭の周囲を囲って、照明器具1000の外観形状をよくするためのものである。
【0034】
回転軸部154は、ネジ155を底面140の回転軸穴142に締めこむときの締め込み量を回転軸部154の長さ分までに規制して、接続部150が回動し易くするためのものである。
【0035】
ワッシャー156は、ネジ155を底面140の回転軸穴142に締めこんだとき、ネジ155が緩み難くするとともに、接続部150の摺動性をよくするためのものである。
【0036】
次に、照明器具1000が取り付けられる配線ダクト300の構造(一例)を説明した後、この配線ダクト300に照明器具1000を取り付ける工程について説明する。
【0037】
図8は、天井などに取り付けられる配線ダクトに照明器具を取り付ける工程を示す図であり、図8(a)は、配線ダクトに照明器具を取り付ける前の操作レバー部の位置を示す斜視図であり、図8(b)は、配線ダクトに照明器具を取り付けた状態の操作レバー部の位置を示す斜視図である。
【0038】
図9は、図8の照明器具の一部と配線ダクトの断面を示す部分断面図であり、図9(a)は、図8(a)における配線ダクトのA−A断面図であり、図9(b)は、図9(a)の配線ダクトのB−B断面図であり、図9(c)は、図8(b)における配線ダクトのA−A断面図であり、図9(d)は、図9(c)の配線ダクトのB−B断面図である。
【0039】
配線ダクト300は、例えば、断面形状が「コ」の字状をなすベース本体部310と、このベース本体部310の両側の内側方向にそれぞれ2つの凸片が突出して断面形状が「F」の字状をなす2つの外郭係合部320及び2つの電気係合部330と、この電気係合部330の内側(外郭係合部320とは反対側の面)に設けられる導電部340(以下、導電板340ともいう。)と、を備える。
【0040】
この2つの外郭係合部320は、それぞれ互いに所定の空間を経てベース本体部310の側面の内側に設けられている。この外郭係合部320は、取り付けられる照明器具1000の底板140に接触するとともに、突出片151aと機械的接触片163bが係合する。
【0041】
また、2つの電気係合部330は、外郭係合部320と同様に、それぞれ互いに所定の空間を経てベース本体部310の側面の内側に設けられている。この電気係合部330は、電気的接触片が接触する。
【0042】
この配線ダクト300に、照明器具1000の底板140の接続部150、プラグ163を2つの外郭係合部320及び2つの電気係合部330の間に挿入し、底板140を2つの外郭係合部320に接触させる。
【0043】
次に、接続部150のレバー部151bを操作して、突出片151aを回転させると、突出片151aが2つの外郭係合部320に接触して嵌合する。
【0044】
接続部150は、底板140のほぼ中央部に取り付けられているため、灯具200の加重が本体100の一端側にかかっても、接続部150を支点にして、本体100(底板140)の他端側が配線ダクトに押し当てられて接触するので、配線ダクト300(外郭係合部320)に底板140が接触した状態を維持することができる。
【0045】
最後に、プラグ163の操作部163cを操作して、機械的接触片163bを回転させると、機械的突出片163bが2つの外郭係合部320に接触して嵌合するとともに、電気的接触片が電気係合部330の導電部340に接触して導通する。
このように、照明器具1000を配線ダクト300に取り付ける。
【0046】
したがって、金属プレート152は、樹脂材の金属プレートカバー153で覆われているので、照明器具1000を配線ダクト300に取り付け、突出片151aが外郭係合部320に係合しているときも、配線ダクト300の導電板340との絶縁(空間)距離を保つことができる。
【0047】
次に、クレージング現象(以下、クレージング割れともいう。)について説明し、その後、配線ダクト300に取り付けた照明器具1000(接続部150)に油脂や溶剤が付着して、接続部150にクレージング現象が発生した場合について説明する。
【0048】
図10は、図7(b)の接続部にクレージング現象が発生した状態を示す側面図である。この図10は、クレージング現象が起きて、接続部150の樹脂材に割れが生じている状態(図中のα部)を表している。
【0049】
照明器具1000は、油脂や溶剤が多い工場や店舗などの使用環境下に設置された場合、気化した油脂や溶剤が照明器具1000に付着することがある。
【0050】
樹脂材を成形する際に応力がかかって残留応力がある部分(或いは照明器具1000を設置しているときに過剰な応力がかかっている部分)に油脂や溶剤が付着すると、その部分(油脂や溶剤が付着した残留応力のかかっている部分あるいは過剰な応力がかかっている部分)から亀裂が入る。この亀裂は、徐々に深くなっていくクレージング現象を起こし、樹脂材が割れてしまう恐れがある。
【0051】
プラグ163及び接続部150が樹脂材のみで形成されている場合に、このクレージング現象がプラグ163、接続部150の樹脂材で起こると、プラグ163、接続部150の樹脂材が割れて、最悪の場合、照明器具1000が配線ダクト300から外れる(落下する)恐れがある。
【0052】
しかしながら、この接続部150は、突出片151aと金属プレートカバー153に挟まれた金属プレート152を内部に有している。
そのため、接続部150の樹脂材(例えば、突出片151a、金属プレートカバー153)にクレージング現象が発生(図10のα部)し、樹脂材が割れたとしても、金属プレート152が配線ダクト300(外郭係合部320)に引っかかる。
【0053】
この金属プレート152の丸穴152aには、回転軸部154とネジ155が挿入されており、さらにネジ155は、底面140にネジ止めされている。
【0054】
したがって、金属プレート152が外郭係合部320に引っかかることによって、ネジ155を介して底板140を外郭係合部320に接触させた状態を維持させることができ、照明器具1000が配線ダクト300から外れて、落下するのを防止することができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、回転軸穴142がねじ切り加工されている場合について説明したが、ねじ切り加工せずに貫通させて回転軸穴142aを形成し、この回転軸穴142aにネジ155を挿入して、このネジ155をナットなどで固定するようにしてもよい。
【0056】
また、本実施の形態では、金属プレート152を突出片151aの凹部151aaに挿入して、押さえカバー153aで押さえる場合について説明したが、金属プレート152は、突出片151aまたは金属プレートカバー153の樹脂材で覆うように一体的に成形(いわゆるインサート成形)されたものであっても構わない。
【0057】
また、本実施の形態では、底板140のほぼ中央に接続部150を設ける場合について説明したが、接続部150は、照明器具1000の重心寄りの位置となるように設けるとよりよい。
【0058】
具体的には、例えば、図11に示す照明器具1000aのように、底面140aのほぼ中央(図11の点A)から灯体200(アーム部210)が設けられる端部側に設けるようにする。
【0059】
照明器具1000aを配線ダクト300に取り付けると、接続部150(金属プレート152)が支点となって、灯体200が取り付けられる一方側とは逆側の底面140が外郭係合部320に押し当てられるように接触する。
【0060】
この状態のとき、接続部150を照明器具1000aの重心近くに配置されていると、テコの原理により、底面140が外郭係合部320に押し当てられる接触力を小さくすることができる。
【0061】
つまり、灯具200の重量により、接続部150を支点として灯具200が取り付けられる側の底面140と外郭係合部310との隙間が大きくなろうとするが、照明器具1000aの重心近くに接続部150を配置することによって、底面140が外郭係合部320に押し当てられる接触力が小さくても、灯具200が取り付けられる側の底面140と外郭係合部310との隙間を小さくすることができ、照明器具1000aを配線ダクト300により安定した状態で取り付けることができる。
【0062】
したがって、接続部150にクレージング現象が発生して樹脂材が割れた場合であっても、金属プレート152が支点となって、照明器具1000aを配線ダクト300に取り付けられた状態に維持することができる。
【0063】
実施の形態2.
本実施の形態は、実施の形態1の接続部の変形例である。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については同符号を付し説明を省略する。また、本実施の形態における照明器具の外観形状は、実施の形態1の照明器具と同様のため図示を省略し、実施の形態1と異なる接続部について詳細に説明する。
【0064】
照明器具1000bは、本体100aと、この本体100aの下面に取り付けられる灯体200と、を備える。
【0065】
本体100aは、外郭ケース110と、この外郭ケース110に取り付けられる絶縁材120と、この絶縁材120の上に取り付けられ、外郭ケース110に収納される点灯装置130と、この点灯装置130をカバーし、外郭ケース110に取り付けられる長方形状の底板140と、この底板140のほぼ中央に回転可能に取り付けられる接続部150aと、外郭ケース110に取り付けられるプラグユニット160を備える。
【0066】
図12は、実施の形態2の照明器具の接続部を示す斜視図であり、図12(a)は、接続部の斜視図、図12(b)は、図12(a)の接続部にインサート成形される金属プレートを示す斜視図、図12(c)は、図12(a)の接続部のC−C断面を示す断面斜視図である。
【0067】
接続部150aは、操作レバー部157と、この操作レバー部157にインサート成形される金属レバー170と、円柱状かつ中空の回転軸部154(図示省略)と、この回転軸部154に挿入されるネジ155(図示省略)と、ワッシャー156(図示省略)と、を有する。
【0068】
金属レバー170は、金属プレート171と、この金属プレート171からほぼ直角に折り曲げられて形成される連結用金属プレート172と、この連結用金属プレート172からほぼ直角に折り曲げられて形成される操作用金属プレート173からなる。
【0069】
この金属レバー170は、操作レバー部157の樹脂材で覆われるように成形(インサート成形)され、金属プレート171と連結用金属プレート172が突出片151aで覆われ、操作用金属プレート173がレバー部151bで覆われる。
【0070】
金属プレート171は、実施の形態1の金属プレート152に相当し、同様の機能を有する。
連結用金属プレート172は、金属プレート171と操作用金属プレート173とを物理的に連結する機能を有する。
操作用金属プレート173は、「く」の字形状に形成され、一端側が連結用金属プレート172に接続されている。
【0071】
本実施の形態では、照明器具1000bを配線ダクト300に取り付ける工程は、実施の形態1と同様のため説明を省略する。
また、接続部150aの突出片151aにクレージング現象が発生した場合についても、実施の形態1と同様のため説明を省略する。
【0072】
次に、配線ダクト300に取り付けた照明器具1000b(接続部150a)に油脂や溶剤が付着して、クレージング現象が、突出片151aとレバー部151bとの接合部分に発生した場合について説明する。
【0073】
図13は、図12(a)の接続部の操作レバー部にクレージング現象が発生した場合を示す側面図である。この図13は、クレージング現象が起きて、突出片151aとレバー部151bとの樹脂材に割れが生じている状態(図中のβ部)を表している。
【0074】
クレージング現象が、突出片151aとレバー部151bとの接合部分(β部)に亀裂(割れ)が発生しても、突出片151aが配線ダクト300(外郭係合部310)に係合している状態のため照明器具1000bが配線ダクト300に取り付けられた状態が維持される。
【0075】
しかしながら、クレージング現象が突出片151aとレバー部151bとの接合部分に亀裂が発生し、この亀裂が生じているときにレバー部151b操作すると、樹脂材の部分のみでは亀裂をさらに深くしてしまう場合がある。
【0076】
そのため、接続部150が樹脂材のみで形成されている場合、レバー部151bを操作することによって亀裂が深くなって、突出片151aを回転させることができなかったり、最悪の場合、レバー部151bが折れてしまったりすることがある。
【0077】
しかしながら、この実施の形態の操作部150aは、金属レバー170がインサート成形されているので、操作レバー部157の樹脂材がクレージング現象によって割れても、金属レバー170はクレージング現象によって割れる恐れがない。この金属レバー170は、金属プレート171、連結用金属プレート172及び操作用金属プレート173が一体的に形成されているので、突出片151aを回転操作させることができる。
【0078】
このように、接続部150aが、金属レバー170(金属プレート171、連結用金属プレート172、操作用金属プレート173)を有するので、接続部150aの樹脂材がクレージング現象によって割れてしまっても、照明器具1000bを配線ダクト300から容易に取り外すことができる。
【0079】
このように、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができるとともに、クレージング現象などによって、突出片151aとレバー部151bとの接合部分などの樹脂材が割れてしまった場合であっても、操作用金属プレート173を操作することができ、連結用金属プレート172を介して、金属プレート171を回転させることができる。
【0080】
なお、本実施の形態では、接続部150bをインサート成形により、回転軸部151、突出片151a、レバー部151b、ツマミ部151c、金属プレート171、連結用金属プレート172及び操作用金属プレート173を一体成形する場合について説明したが、それぞれ別々の部品で構成してもよいし、部分的に一体成形しても構わない。
【0081】
実施の形態3.
本実施の形態は、実施の形態1及び実施の形態2の接続部の変形例である。
本実施の形態において、実施の形態1及び実施の形態2と同様の構成について、同符号を付し説明を省略する。また、本実施の形態における照明器具の外観形状は、実施の形態1の照明器具と同様のため図示を省略し、実施の形態1及び実施の形態2と異なる接続部について詳細に説明する。
【0082】
照明器具1000cは、本体100bと、この本体100bの下面に取り付けられる灯体200と、を備える。
【0083】
本体100bは、外郭ケース110と、この外郭ケース110に取り付けられる絶縁材120と、この絶縁材120の上に取り付けられ、外郭ケース110に収納される点灯装置130と、この点灯装置130をカバーし、外郭ケース110に取り付けられる長方形状の底板140と、この底板140のほぼ中央に回転可能に取り付けられる接続部150bと、外郭ケース110に取り付けられるプラグユニット160を備える。
【0084】
図14は、本実施の形態の照明器具の接続部を示す斜視図であり、図14(a)は、接続部の斜視図であり、図14(b)は、図14(a)の接続部にインサート成形される操作用金属プレートを示す斜視図であり、図14(c)は、図14(a)の接続部のD−D断面を示す断面斜視図であり、図15は、図14(a)の接続部の分解した状態を示す分解斜視図である。
【0085】
接続部150bは、操作レバー部158と、この操作レバー部158に収納される金属プレート152bと、この金属プレート152bをカバーする金属プレートカバー159と、六角柱状かつ中空状の回転軸部154a(以下、スペーサ154a、カラー154aという場合がある。)と、この回転軸部154aに挿入されるネジ155と、ワッシャー156と、操作レバー部151にインサート成形される操作用金属プレート174と、を有する。
【0086】
操作レバー部151は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリカーボネート等の樹脂で形成されている。
【0087】
操作レバー部158は、突出片151eと、この突出片151eから延出されるレバー部151bと、このレバー部151bに設けられる凸状のツマミ部151cと、位置決め穴143に対応する半球状の凸部151d(図示しない)と、レバー部151bに覆われるようにインサート成形される操作用金属プレート174を有する。
【0088】
金属プレート152bは、平板状、長方形状の金属板であり、中央部に六角穴152cが形成される。
【0089】
操作用金属プレート174は、「く」の字形状をなし、一端側に六角穴174aが形成される。
【0090】
金属プレートカバー159は、平板状、長方形状の押さえカバー153dと、この押さえカバー153dの中央付近から立設するリング状のネジ隠しカバー部153bと、を有する。
【0091】
押さえカバー153dは、ネジ隠しカバー部153bのほぼ中央に回転軸部154aが挿入される六角穴153eが形成される。
【0092】
回転軸部154aは、ネジ155を底面140の回転軸穴142に締めこむとき、回転軸部154aの長さ分までの締め込み量に規制し、接続部150が回動し易くするためのものである。
【0093】
また、この回転軸部154aは、金属プレート152bの六角穴152cと、操作用金属プレート174の六角穴174aに挿入される。そのため、操作用金属プレート174が可動すると、回転軸部154aを介して金属プレート152bを可動させることができる。
【0094】
照明器具1000cを配線ダクト300に取り付ける工程は、実施の形態1の照明器具1000を配線ダクト300に取り付ける工程と同様のため、説明を省略する。
【0095】
また、配線ダクト300に取り付けた照明器具1000c(接続部150b)に油脂や溶剤が付着して、接続部150bにクレージング割れが発生した場合についても、実施の形態1及び実施の形態2と同様のため説明を省略する。
【0096】
この実施の形態では、接続部150bが突出片151e、レバー部151b、金属プレート152b、回転軸部154a及び操作用金属プレート174を有するので、実施の形態1または実施の形態2と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0097】
1000、1000a、1000b、1000c 照明器具、100、100a、100b 本体、110 外郭ケース、111 点灯装置収納部、112 プラグユニット収納部、120 絶縁材、130 点灯装置、140、140a 底板、141 ネジ穴、142、142a 回転軸穴、143 位置決め穴、150、150a、150b 接続部、151 操作レバー部、151a、151e 突出片、151aa 凹部、151b レバー部、151c ツマミ部、151d 凸部、152、152b 金属プレート、152a 丸穴、152c 六角穴、153、159 金属プレートカバー、153a、153d 押さえカバー、153b ネジ隠しカバー部、153c ネジ穴、153e 六角穴、154、154a 回転軸部、155 ネジ、156 ワッシャー、157 操作レバー部、160 プラグユニット、161 プラグ取付ケース、162 プラグ取付板、162a プラグ取付穴、163 プラグ、163a 回転軸、163b 機械的接触片、163c 操作部、164 プラグ留め具、164a 挿入軸部、164b 係止部、165 円形留め具、166 ネジ、170 金属レバー、171 金属プレート、172 連結用金属プレート、173、174 操作用金属プレート、174a 六角穴、200 灯体、210 アーム部、220 回動規制部、230 軸ネジ部、240 灯具本体、241 円筒部、241a 円形取付部、241b 内枠部、241c 連結部、241d 外枠部、242 放熱部、243 発光ダイオード(LED)、244 LED基板、245 LED基板固定具、246 レンズ部、247 レンズ固定具、248 ネジ、249 放熱シート、250 ネジ、260 ナット、300 配線ダクト、310 ベース本体部、320 外郭係合部、330 電気係合部、340 導電部(導電板)。
図1
図2
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