(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1接続部材の少なくとも一部を覆うように前記操作板および前記枠体の少なくとも一方上に設けられた第2接続部材をさらに備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の振動装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る振動装置、および電子機器は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
【0012】
図1〜
図4に示すように、本実施形態に係る振動装置X1は、液晶パネル2、タッチパネル3、保護部材4、振動体5、基体6、枠体7、支持部材8、および第1接続部材9を備えている。ここで、
図1では、図示の簡略化のために、保護部材4を省略している。なお、後に参照する
図12、
図14、
図18においてもこれと同様である。
【0013】
液晶パネル2は、一方基板と、一方基板に対向して配置される他方基板と、一方基板と他方基板との間に介在した液晶層と、一方基板と他方基板との間に介在しかつ表示に寄与する表示部材層と、一方基板および他方基板に対して光を照射するバックライトと、を備えている。ここで、説明の便宜上、一方基板、他方基板、液晶層、表示部材層、およびバックライトのそれぞれの図示は省略している。なお、表示部材層としては、例えば、画素電極、配向膜、カラーフィルタ等が挙げられる。液晶パネル2の駆動方式としては、単純マトリクス駆動方式であってもよいし、アクティブマトリクス駆動方式であってもよい。
【0014】
なお、液晶パネル2の代わりに、プラズマパネル、有機ELパネル、電子ペーパ等の表示パネルを用いてもよい。液晶パネル2の代わりに有機ELパネルを用いた場合には、バックライトは不要となる。
【0015】
タッチパネル(操作板)3は、使用者が指あるいはペン等で操作した箇所を入力位置として検出する入力デバイスである。タッチパネル3は、上面3a、上面3aの反対側に位置する下面3b、および、上面3aと下面3bとに隣接する4つの端面3cを有している。ここで、タッチパネル3の上面3aが、保護部材4を介して使用者により指あるいはペン等で操作される面となる。また、
図2〜
図4に示すように、タッチパネル3は、液晶パネル2と第1空間S1を介して対向して配置されている。ここで、第1空間S1は、タッチパネル3、基体6、枠体7、および第1接続部材9によって形成される空間である。なお、
図1に示すように、タッチパネル3は、平面視して矩形状をなしているが、これに限らず、その形状については任意である。
【0016】
本実施形態では、タッチパネル3は、検出感度向上の観点から、静電容量方式のタッチパネルである。また、静電容量方式のタッチパネルの中でも、薄型化の観点から、カバーガラス一体型であることが好ましい。なお、タッチパネル3として、静電容量方式のタッチパネルの代わりに、例えば、抵抗膜方式のタッチパネル、表面弾性波方式のタッチパネル、赤外線方式のタッチパネル、あるいは電磁誘導方式のタッチパネルを用いてもよい。
【0017】
また、本実施形態では、液晶パネル2とタッチパネル3とは別体であるが、これに限らない。液晶パネル2とタッチパネル3とは、互いに接着されていてもよい。また、入力機能を有した表示パネルをタッチパネル3として採用してもよい。入力機能を有した表示パネルとしては、例えば、イン・セル方式のタッチパネル、あるいは、オン・セル方式のタッチパネルが挙げられる。 保護部材4は、使用者の指の接触によってタッチパネル3の上面3aを傷付けないように保護する役割を有する。このため、保護部材4は、図示しない接着手段を介して、タッチパネル3の上面3aに設けられている。具体的には、保護部材4は、タッチパネル3の上面3aのうち第1接続部材9が設けられた領域以外の領域に設けられている。保護部材4の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチックが挙げられる。
【0018】
保護部材4は、飛散防止機能を有していることが好ましい。保護部材4が飛散防止機能を有していると、例えば、振動装置X1が落下した場合であっても、タッチパネル3が破損する可能性を低減することができる。また、仮に、タッチパネル3が破損しても、ガラスが周囲に飛散する可能性を低減することができる。保護部材4が飛散防止機能を有している場合、保護部材4は、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムに、高硬度ハードコート層と粘着層とを設けることによって構成される。
【0019】
なお、使用者の指の接触によってタッチパネル3の上面3aを傷付けないように保護する必要がなければ、タッチパネル3の上面3aには、保護部材4を設けなくともよい。
【0020】
振動体5は、使用者による所定の入力操作を検知した場合に、タッチパネル3を湾曲振動させる役割を有する。具体的には、振動体5は、タッチパネル3の短辺方向に伸縮運動を繰り返すことにより、タッチパネル3の厚み方向(以下、当該方向を「上下方向」と称する)に、タッチパネル3を湾曲振動させる。なお、詳細は後述するが、振動体5は、タッチパネル3への押圧荷重を検出する役割も有している。
【0021】
振動体5は、タッチパネル3の下面3bに設けられている。本実施形態では、
図1に示すように、振動体5は、タッチパネル3の両方の短辺の近傍に、それぞれの短辺に沿って2つ設けられている。なお、振動体5の配置位置、個数等については、特に限定されない。振動体5は、例えば、タッチパネル3の両方の長辺の近傍に、それぞれの長辺に沿って2つ設けられていてもよい。また、振動体5は、例えば、タッチパネル3の両方の長辺および短辺の近傍に、それぞれの長辺および短辺に沿って4つ設けられていてもよい。
【0022】
なお、本実施形態では、振動体5は、印加される電圧に基づいて伸縮運動を行う圧電素子であるが、これに限らない。振動体5として、圧電素子の代わりに、電磁式振動体、モータ等を用いてもよい。また、圧電素子としては、モノモルフ、ユニモルフ、バイモルフのいずれであってもよい。
【0023】
また、振動体5は、タッチパネル3の下面3b上に直接設けられていなくともよい。すなわち、振動体5は、例えば、金属筺体に収容されており、当該金属筺体を介してタッチパネル3の下面3b上に設けられていてもよい。
【0024】
基体6および枠体7は、液晶パネル2を収容する役割を有する。基体6は、主面6aを有している。基体6の主面6a上には、液晶パネル2が設けられている。枠体7は、液晶パネル2およびタッチパネル3を取り囲むように基体6の主面6a上に設けられている。枠体7は、タッチパネル3の全ての端面3cと離間している。枠体7は、上面7aおよび側面7bを有している。ここで、本明細書では、第1空間S1のうち、タッチパネル3の端面3cと枠体7との間の空間を第2空間S2と称する。基体6および枠体7の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム合金等の金属が挙げられる。ここで、基体6と枠体7とは、一体的に形成されていてもよいし、別個独立に形成されていてもよい。
【0025】
なお、上記では、枠体7は、タッチパネル3の全ての端面3cと離間している例について説明したが、これに限らない。枠体7は、タッチパネル3の少なくとも一部と離間していればよい。すなわち、枠体7は、タッチパネル3の端面3cと接している部分を有していてもよい。
【0026】
支持部材8は、タッチパネル3を振動可能に支持する役割を有する。本実施形態では、支持部材8は、タッチパネル3の下面3bを支持している。支持部材8は、タッチパネル3の下面3bと基体6の主面6aとの間に位置している。具体的には、支持部材8は、図示しない接着手段を介して、タッチパネル3の下面3bおよび基体6の主面6aに接続されている。また、本実施形態では、支持部材8は、平面視して互いに離間するように複数設けられている。具体的には、支持部材8は、タッチパネル3の4つの角部に位置している。支持部材8の形状は、例えば、円柱状であるが、角柱状等であってもよい。支持部材8は、タッチパネル3の振動を抑制しないように、弾性を有している。このため、支持部材8の構成材料としては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、発泡ウレタン、その他のゴム類が挙げられる。
【0027】
なお、上記では、支持部材8は、タッチパネル3の4つの角部に位置している例について説明したが、これに限らない。支持部材8は、タッチパネル3の4つの角部に加えて、タッチパネル3の長辺における角部間にも位置していてもよい。
【0028】
また、上記では、支持部材8は、基体6の主面6a上に設けられている例について説明したが、これに限らない。支持部材8は、例えば、液晶パネル2上に設けられており、液晶パネル2上に設けられた支持部材8が、タッチパネル3を支持していてもよい。また、支持部材8は、例えば、基体6または枠体7と一体に形成されていてもよい。
【0029】
第1接続部材9は、タッチパネル3と枠体7とを接続する役割を有する。第1接続部材9は、平面視して、第2空間S2に重なるように、タッチパネル3の上面3a上および枠体7の上面7a上に設けられている。本実施形態では、第1接続部材9は、第2空間S2を覆うように設けられている。第1接続部材9が第2空間S2を覆うように設けられているので、第1空間S1に埃あるいは水が浸入する可能性を低減することができる。このため、振動装置X1では、ある程度の防塵性および防水性を有している。
【0030】
ここで、「ある程度の防塵性および防水性を有している」とは、完全に防塵性および防水性を有している必要はなく、第1空間S1に埃あるいは水が浸入することを一時的にでも達成することができれば、本明細書に言う「ある程度の防塵性および防水性を有している」ことを意味する。
【0031】
図5は、
図2中に示したA1の部分を拡大した図である。
図5に示すように、第1接続部材9は、第1基部(基部)91、中間基材92、第1接着材93、および第2接着材94を有している。第1接続部材9は、保護部材4の端面4aと離間して配置されている。
【0032】
第1基部91は、中間基材92、第1接着材93、および第2接着材94を支持する役割を有する。本実施形態では、第1基部91は、弾性を有する。このため、第1基部91は、例えば、ゴム系または発泡樹脂系の弾性材料から構成される。ゴム系の弾性材料としては、例えば、ポリブタジエン系、ニトリル系、クロロプレン系、cis-ポリイソプレンが挙げられる。発砲樹脂系の弾性材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリプロピレンが挙げられる。また、本実施形態では、第1基部91は、その厚みが0.03〜0.1mmに設定されている。
【0033】
中間基材92は、第1接着材93、および第2接着材94を支持する役割を有する。中間基材92の構成材料としては、第1基部91と同様のものが挙げられる。
【0034】
第1接着材93は、第1基部91と中間基材92とを接続させる役割を有する。第2接着材94は、中間基材92とタッチパネル3の上面3aとを接続させる役割を有するとともに、中間基材92と枠体7の上面7aとを接続させる役割を有する。すなわち、中間基材92は、一方の面が第1接着材93を介して第1基部91に接続されており、他方の面が第2接着材94を介してタッチパネル3の上面3aおよび枠体7の上面7aに接続されている。
【0035】
第1接着材93および第2接着材94の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。
【0036】
第1接続部材9に中間基材92が含まれているので、タッチパネル3の上面3aおよび枠体7の上面7aに対する第1接続部材9の貼り付けが容易となる。すなわち、振動装置X1を製造する際の作業性が向上する。なお、第1接続部材9に中間基材92が含まれていなくともよい。この場合、第1接着材93および第2接着材94は、1つの接着材として機能する。
【0037】
接続部材9は、第1部位9a、第2部位9b、および第3部位9cを有する。第1部位9aは、タッチパネル3上に位置する部位である。
図5に示すように、本実施形態では、第1部位9aは、タッチパネル3の上面3a上の1点鎖線で囲んだ領域に位置する接続部材9を指す。また、第2部位9bは、枠体7上に位置する部位である。
図5に示すように、本実施形態では、第2部位9bは、枠体7の上面7a上の1点鎖線で囲んだ領域に位置する接続部材9を指す。また、第3部位9cは、平面視して第2空間S2に重なる部位である。
図5に示すように、本実施形態では、第3部位9cは、空間S1上の1点鎖線で囲んだ領域に位置する接続部材9を指す。
【0038】
ここで、第3部位9cの厚みは、第1部位9aおよび第2部位9bの厚みよりも小さい。このため、第1部位9aが第3部位9cに強く拘束されてしまう可能性を低減することができる。そのため、例えば、タッチパネル3が上下方向に湾曲振動を繰り返す場合に、第1部位9aがタッチパネル3の振動に追従し易くなる。このように、振動装置X1では、タッチパネル3の振動が阻害される可能性を低減することができる。
【0039】
なお、本明細書において、第3部位9cの厚みとは、第3部位9cの最小厚みを指す。すなわち、第3部位9cの一部の厚みが第1部位9aおよび第2部位9cの厚みよりも大きい場合であっても、第3部位9cの残部の厚みが第1部位9aおよび第2部位9bの厚みよりも小さければ、本発明の効果を奏する。
【0040】
また、本実施形態のように、第3部位9cの第1基部91上には、中間基材92、第1接着材93、および第2接着材94が配置されていない不存在領域N1を含んでいることが好ましい。具体的には、不存在領域N1は、第3部位9cの第1基部91上において、中間基材92、第1接着材93、および第2接着材94が切り欠かれている領域である。振動装置X1では、不存在領域N1に第1接着材93および第2接着材94が存在しないため、当該第2接着材94によってタッチパネル3が枠体7に強く拘束されてしまう可能性を低減することができる。また、不存在領域N1に第1基部91が存在しないため、当該第1基部91を介してタッチパネル3の振動が枠体7へと伝達されてしまう可能性を低減することができる。このため、タッチパネル3の振動が阻害される可能性をより低減することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、第3部位9cの第1基部91上には、中間基材92、第1接着材93、および第2接着材94の全てが存在していないが、これに限らず、中間基材92、第1接着材93、または第2接着材94の一部が存在しない構成であってもよい。
【0042】
また、本実施形態のように、不存在領域N1は、第1部位9aの一部、第3部位9c、第2部位9bの一部にかけて位置していることが好ましい。具体的には、第3部位9cの基部91上に含まれる不存在領域N1は、第1部位9aの基部91上、および、第2部位9bの基部91上に延在していることが好ましい。このような構成によれば、タッチパネル3の振動が阻害される可能性をより低減することができる。
【0043】
また、本実施形態のように、第3部位9cは、平面視してタッチパネル3を取り囲んで位置することが好ましい。具体的には、第3部位9cは、平面視してタッチパネル3を全周囲に亘って取り囲む第2領域S2と重なっている。このため、第2領域S2を介して振動装置X1の内部に塵あるいは埃等が侵入する可能性をより低減することができる。さらに、本実施形態のように、複数の支持部材8は、平面視して互いに離間していることが好ましい。このような構成によれば、タッチパネル3の下面3bを複数の支持点で支持することができる。このため、第3部位9cが平面視してタッチパネル3を取り囲んで位置することでタッチパネル3が枠体7に強く拘束されてしまう場合であっても、複数の支持点を起点としてタッチパネル3が湾曲振動しやすくなる。
【0044】
また、本実施形態のように、第1基部91は、弾性を有していることが好ましい。第1基部91が弾性を有していると、タッチパネル3の振動に、第1基部91がより追従し易くなる。また、これと同様の理由より、中間基材92も弾性を有していることが好ましい。
【0045】
また、本実施形態のように、第1基部91は、厚みが0.03〜0.1mmに設定されていることが好ましい。第1基部91の厚みが0.03〜0.1mmに設定されていると、タッチパネル3の振動に、第1基部91がより追従し易くなる。
【0046】
また、第1接続部材9は、第1基部91、中間基材92、第1接着材93、および第2接着材94が積層されていなくともよく、例えば、一体の樹脂材料から形成されていてもよい。このような場合、第3部位9cの少なくとも一部が上下方向に凹んでいれば、当該第3部位9cの厚みは第1部位9aの厚みおよび第2部位9bの厚みよりも小さくなる。
【0047】
ここで、第1部位9aの厚みL1は、保護部材4の厚みL2と略同じか、あるいは小さくなるように構成されていることが好ましい。本実施形態では、第1部位9aの厚みL1は、保護部材4の厚みL2よりも小さくなるように構成されている。このように構成すると、タッチパネル3を操作するために保護部材4に触れている使用者が、第1部位9aに触れてしまう可能性を低減することができる。使用者が第1部位9aに触れてしまう可能性を低減することができるので、第1接続部材9が、タッチパネル3の上面3aおよび枠体7の上面7aから剥がれてしまう可能性を低減することができる。また、第1部位9aの厚みL1が、保護部材4の厚みL2と略同じか、あるいは小さくなるように構成されていると、第1接続部材9が使用者に目立たなくなり、振動装置X1のデザイン性が向上する。
【0048】
また、
図5に示すように、第1部位9aが、保護部材4の端面4aと離間して配置されていると、第1部位9と保護部材4の端面4aとの間に存在する隙間から、バックライトからの光が漏れてしまう可能性があった。当該隙間から光が漏れてしまうと、使用者に当該光が視認されてしまい、振動装置X1の視認性が低下する可能性があった。そこで、
図6に示すように、第1部位9aは、保護部材4の端面4aに接していることが好ましい。第1部位9aが保護部材4の端面4aに接していると、第1部位9aと保護部材4の端面4aとの間に隙間が存在する可能性を低減することができる。このため、
図6に示す構成では、
図5に示す構成と比べて、振動装置X1の視認性を向上することができる。
【0049】
また、
図7に示すように、振動装置X1は、第1接続部材9の一部を覆うようにタッチパネル3の上面3a上に設けられた第2接続部材10をさらに備えていることが好ましい。
図7に示す例では、第2接続部材10は、第1部位9aの第1基部91上から保護部材4の上面4bにかけて設けられている。ここで、第2接続部材10は、第2基部101、および接着材102を有している。第2基部101は、接着材102を支持する役割を有する。第2基部101の構成材料は、第1基部91と同様のものが挙げられる。接着材102は、第2基部101と第1基部91とを接続させる役割を有するとともに、第2基部101と保護部材4の上面4bとを接続させる役割を有する。接着材102の構成材料は、第1接着材93および第2接着材94と同様のものが挙げられる。第1接続部材9の一部を覆うようにタッチパネル3の上面3a上に第2接続部材10が設けられているので、第1接続部材9が、タッチパネル3の上面3aから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0050】
なお、上記では、第1接続部材9の一部を覆うようにタッチパネル3の上面3a上に第2接続部材10が設けられている例について説明したが、これに限らない。第1接続部材9の一部を覆うように枠体7の上面7a上に第2接続部材10が設けられていてもよい。また、第1接続部材9の全部を覆うようにタッチパネル3の上面3a上および枠体7の上面7a上に第2接続部材10が設けられていてもよい。
【0051】
また、上記では、第2接続部材10は、第2基部101、および接着材102を有している例について説明したが、これに限らない。例えば、第2接続部材10そのものが樹脂材料から構成されていてもよい。
【0052】
また、
図8に示すように、第1接続部材9は、着色層95を有することが好ましい。具体的には、着色層95は、第1基部91上に設けられている。このような構成によれば、振動装置X1のデザイン性を向上することができる。また、第1基部91上に着色層95が設けられているので、第2空間S2を介して振動装置X1の内部が使用者に視認されてしまう可能性を低減することができる。なお、着色層95は、第1基部91と一体であってもよい。具体的には、第1基部91に色味が付与されることによって、着色層を形成してもよい。
【0053】
また、
図9に示すように、第3部位9cは、撓み部9c1を有することが好ましい。具体的には、第3部位9cの第1基部91は、基体6側にたわむ撓み部9c1を有している。すなわち、撓み部9c1は、いわゆる遊びとして機能する。第3部位9cに撓み部9c1を有しているので、タッチパネル3の振動が第1基部91によって阻害される可能性を低減することができる。なお、第3部位9cの第1基部91における表面の平面度(JIS B 0621)が、第1部位9aおよび第2部位9bの第1基部91における表面の平面度に比して大きい場合、第3部位9cは撓み部9c1を有しているとすることができる。
【0054】
次に、振動装置X1の動作例について、
図10を参照しながら説明する。
【0055】
なお、以下では、触覚伝達のうち使用者に対して押圧感を伝達する場合の振動装置X1の動作例について説明するが、振動装置X1は、押圧感以外の、例えば、なぞり感、肌触り感等の様々な触感を伝達する場合にも適用できることは勿論である。
【0056】
図10に示すように、使用者が、保護部材4を介してタッチパネル3の上面3aを押圧した場合に、振動体5は、タッチパネル3への押圧荷重を検出する(Op1)。ここで、振動体5の荷重検出機能について説明する。すなわち、使用者が、保護部材4を介してタッチパネル3の上面3aを押圧すると、タッチパネル3が下方向に湾曲する。タッチパネル3が下方向に湾曲すると、振動体5も下方向に湾曲する。つまり、タッチパネル3への押圧荷重に応じて、振動体5の湾曲量が変移する。この結果、振動体5によりタッチパネル3への押圧荷重を検出することができる。
【0057】
そして、図示しない触覚伝達ドライバは、使用者による入力操作が、表示画面に表示された入力オブジェクトに対する押圧操作である場合に、Op1にて検出された押圧荷重が閾値以上であるか否かを判定する(Op2)。
【0058】
そして、触覚伝達ドライバは、Op1にて検出された押圧荷重が閾値以上であると判定すれば(Op2にてYES)、振動体5をタッチパネル3の短辺方向に伸縮運動させる(Op3)。そして、Op3にて伸縮運動された振動体5によりタッチパネル3が上下方向に湾曲振動する(Op4)。このとき、第1接続部材9は、タッチパネル3の湾曲振動に追従する。これにより、保護部材4を介してタッチパネル3の上面3aを押圧した使用者に対して押圧感が伝達される。一方、触覚伝達ドライバは、Op1にて検出された押圧荷重が閾値未満であると判定すれば(Op2にてNO)、
図10の処理を終了する。
【0059】
以上のように、振動装置X1は、ある程度の防塵性および防水性を確保しつつ、タッチパネル3の振動が阻害される可能性を低減することができる。 次に、上記の振動装置X1を備えた携帯端末P1について、
図11を参照しながら説明する。
【0060】
図11は、本実施形態に係る携帯端末P1の概略構成を示す斜視図である。
図11に示すように、携帯端末P1は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器であって、上記の振動装置X1と、音声入力部201と、音声出力部202と、キー入力部203と、筐体204とを備えている。
【0061】
音声入力部201は、例えば、マイク等により構成されており、使用者の音声等が入力される。音声出力部202は、スピーカ等により構成されており、相手方からの音声等が出力される。キー入力部203は、例えば、機械的なキーにより構成される。なお、キー入力部203は、表示画面に表示された操作キーであってもよい。筐体204は、振動装置X1、音声入力部201、音声出力部202、およびキー入力部203を収容する役割を有する。
【0062】
他にも、携帯端末P1は、必要な機能に応じて、デジタルカメラ機能部、ワンセグ放送用チューナ、赤外線通信機能部等の近距離無線通信部、および各種インタフェース等を備える場合もあるが、これらの詳細についての図示および説明は省略する。
【0063】
携帯端末P1は、振動装置X1を備えているので、ある程度の防塵性および防水性を確保しつつ、タッチパネル3の振動が阻害される可能性を低減することができる。
【0064】
なお、上記では、携帯端末P1に音声入力部201を備えている例について説明したが、これに限らない。すなわち、携帯端末P1には音声入力部201は備えられていなくともよい。
【0065】
また、振動装置X1は、上記の携帯端末P1の代わりに、産業用途で使用されるプログラマブル表示器、車載用途で使用される表示器、電子手帳、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム用の端末装置、テレビ、デジタルカメラ等の様々な電子機器に備えられていてもよい。
【0066】
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の一具体例を示すものであり、種々の変形が可能である。以下、いくつかの主な変形例を示す。
【0067】
[変形例1]
図12は、変形例1に係る振動装置X2の概略構成を示す平面図である。
図12において、
図1と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0068】
図12に示すように、振動装置X2は、振動装置X1と同様、タッチパネル3を備えている。タッチパネル3は、入力領域E1および外側領域E2を有している。入力領域E1は、使用者が入力操作をすることができる領域である。外側領域E2は、入力領域E1の外側に位置する領域であって、使用者が入力操作をすることができない領域である。変形例1に係る外側領域E2は、入力領域E1を取り囲むように位置している。
【0069】
タッチパネル3は、基体31、検出電極32、および検出用配線33を有している。ここで、上述の実施形態にて説明したタッチパネル3の上面3aは、変形例1では、基体31の上面3aを意味する。なお、タッチパネル3の下面3bおよび端面3cについても、変形例1では、基体31の下面3bおよび端面3cを意味する。
【0070】
基体31は、検出電極32、および検出用配線33を支持する役割を有する。基体31は、絶縁性を有するとともに、基体31の上面3aおよび下面3bに対して交差する方向に入射する光に対して透光性を有する構成とされている。このため、基体31の構成材料としては、例えば、ガラスあるいはプラスチックが挙げられる。
【0071】
検出電極32は、入力領域E1に対応する基体31の上面3aに接近した使用者の指との間において静電容量を発生し、X方向およびY方向における入力位置を検出する役割を有する。検出電極32は、入力領域E1に対応する基体31の下面3b上に、X方向およびY方向に並んで複数設けられている。変形例1に係る検出電極32は、検出感度を向上する観点から、平面視形状が略ひし形とされているが、これに限らない。
【0072】
検出電極32の構成材料としては、透光性を有する導電性部材が挙げられる。透光性を有する導電性部材としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ATO(Al-Doped Zinc Oxide)、酸化錫、酸化亜鉛、あるいは導電性高分子が挙げられる。
【0073】
検出用配線33は、検出電極32と使用者の指との間において発生した静電容量の変化を検出する役割を有する。検出用配線33は、外側領域E2に対応する基体31の下面3b上に、複数設けられている。また、検出用配線33は、その一端部が検出電極32と電気的に接続され、その他端部が外部導通領域G1に位置している。ここで、外部導通領域G1には、図示しないフレキシブル基板が接続される。検出用配線33は、このフレキシブル基板を介して、図示しないタッチパネルドライバと電気的に接続される。
【0074】
検出用配線33は、例えば、硬質で高い形状安定性を得るべく、金属薄膜で構成されている。金属薄膜としては、例えば、アルミニウム膜、アルミニウム合金膜、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜、クロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜、銀膜、銀合金膜、あるいは金合金膜が挙げられる。
【0075】
なお、実際には、タッチパネル3には、外側領域E2を加飾する遮光層、検出電極32および検出用配線33を保護する保護層等が設けられているが、これらの詳細についての図示および説明は省略する。
【0076】
振動装置X2は、上述の実施形態にて説明した第1接続部材9の代わりに、第1接続部材12を備えている。第1接続部材12は、基体31の上面3aと枠体7の上面7aとを接続する役割を有する。
【0077】
図13は、
図12中に示した切断線IV−IVに沿って切断した断面図である。
図12および
図13に示すように、第1接続部材12は、平面視して、第2空間S2に重なるように、基体31の上面3a上および枠体7の上面7a上に設けられている。第1接続部材12のうち、基体31の上面3a上に位置する部位は、第1部位12aである。また、枠体7の上面7a上に位置する部位は、第2部位12bである。また、平面視して第2空間S2と重なる部位は、第3部位12cである。
【0078】
変形例1では、第1接続部材12の第3部位12cは、第2空間S2を覆うように設けられている。第3部位12cが第2空間S2を覆うように設けられているので、第1空間S1に埃あるいは水が浸入する可能性を低減することができる。このため、振動装置X2では、ある程度の防塵性および防水性を有している。
【0079】
第1接続部材12は、第1基部121、中間基材122、第1接着材123、および第2接着材124を有している。
【0080】
第1基部121は、中間基材122、第1接着材123、および第2接着材124を支持する役割を有する。変形例1では、第1基部121は、弾性を有するとともに、遮光性を有する。なお、本明細書において「遮光性」とは、反射あるいは吸収によって可視光の一部または全部を遮蔽する性質を有していることを意味する。第1基部121は、例えば、ゴム系または発泡樹脂系の弾性材料に、遮光層を設けた構成とされている。ここで、遮光層の構成材料としては、例えば、カーボン、チタン、あるいはクロムが挙げられる。なお、遮光層は、黒色に限らず、黒色以外の色から構成されていてもよい。
【0081】
中間基材122、第1接着材123、および第2接着材124は、上述の実施形態にて説明した中間基材92、第1接着材93、および第2接着材94と同様の機能を有しているため、その詳細な説明は省略する。なお、中間基材122も遮光性を有していてもよい。
【0082】
第1接続部材12は、第1接続部材9と同様、第1基部121上に不存在領域N1が含まれているので、タッチパネル3の振動が阻害される可能性を低減することができる。
【0083】
ここで、第1接続部材12の第1部位12aは、平面視して検出用配線33の少なくとも一部と重なるように設けられている。このため、第1部位12aによって検出用配線33の少なくとも一部が視認されてしまう可能性を低減することができる。
【0084】
以上のように、振動装置X2は、振動装置X1と同様の効果を奏することに加えて、次の効果も奏する。すなわち、振動装置X2は、第1接続部材12によって検出用配線33の少なくとも一部が視認されてしまう可能性を低減することができる。
【0085】
[変形例2]
図14は、変形例2に係る振動装置X3の概略構成を示す平面図である。
図15は、
図14中に示した切断線V−Vに沿って切断した断面図である。
図16は、
図14中に示した切断線VI−VIに沿って切断した断面図である。
図14〜
図16において、
図1〜
図3と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0086】
図14〜
図16に示すように、振動装置X3は、上述の実施形態にて説明した枠体7および第1接続部材9の代わりに、枠体13および第1接続部材14を備えている。
【0087】
枠体13は、タッチパネル3の端面3cと離間しており、液晶パネル2およびタッチパネル3を取り囲むように基体6の主面6a上に設けられている。枠体13は、枠体7とは異なり、タッチパネル3の端面3c側に突出する突出部131を有している。枠体13は、上面13a、下面13b、および側面13cを有している。ここで、下面13bは、突出部131の下面を意味する。
【0088】
第1接続部材14は、タッチパネル3の下面3bと枠体13の下面13bとを接続する役割を有する。第1接続部材14は、平面視して、第2空間S2に重なるように、タッチパネル3の下面3b上および枠体13の下面13b上に設けられている。第1接続部材14のうち、タッチパネル3の下面3b上に位置する部位は、第1部位14aである。また、枠体13の下面13b上に位置する部位は、第2部位14bである。また、平面視して第2空間S2と重なる部位は、第3部位14cである。
【0089】
変形例2では、第1接続部材14は、第1空間S1のうち第2空間S2以外の空間を覆うように設けられている。第1接続部材14が第1空間S1のうち第2空間S2以外の空間を覆うように設けられているので、第1空間S1のうち第2空間S2以外の空間に埃あるいは水が浸入する可能性を低減することができる。このため、振動装置X3では、ある程度の防塵性および防水性を有している。
【0090】
図17は、
図15中に示したB1の部分を拡大した図である。
図17に示すように、第1接続部材14は、第1基部141、中間基材142、第1接着材143、および第2接着材144を有している。
【0091】
第1基部141、中間基材142、第1接着材143、および第2接着材144は、第1基部91、中間基材92、第1接着材93、および第2接着材94と同様の機能を有している。すなわち、第1接着材143は、第1基部141と中間基材142とを接続させる役割を有する。第2接着材144は、中間基材142とタッチパネル3の下面3bとを接続させる役割を有するとともに、中間基材142と枠体13の下面13aとを接続させる役割を有する。
【0092】
第1接続部材14は、第1接続部材9と同様、第1基部141上に不存在領域N1が含まれているので、タッチパネル3の振動が阻害される可能性を低減することができる。
【0093】
また、第1接続部材14は、タッチパネル3の下面3bおよび枠体13の下面13bに設けられている。このため、第1接続部材14が、タッチパネル3の上面3aおよび枠体13の上面13aに設けられている場合と比べて、使用者が、第1接続部材14に触れてしまう可能性を低減することができる。そのため、振動装置X3では、第1接続部材14が、タッチパネル3の下面3bおよび枠体13の下面13bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0094】
以上のように、振動装置X3は、振動装置X1と同様の効果を奏することに加えて、次の効果も奏する。すなわち、振動装置X3は、第1接続部材14が、タッチパネル3の下面3bおよび枠体13の下面13bから剥がれてしまう可能性を低減することができる。
【0095】
なお、変形例2では、支持部材8は、平面視して第1部位14aと重なっていない。具体的には、支持部材8は、タッチパネル3の下面3bのうち第1部位14aが設けられていない領域に設けられている。すなわち、変形例2では、支持部材8は、第1部位14aを介することなく、タッチパネル3の下面3bを直接支持している。このため、タッチパネル3の下面3bを支持部材8によって確実に支持することができる。そのため、振動装置X3では、タッチパネル3を上下方向に十分に湾曲振動させることが可能となる。
【0096】
ここで、仮に、支持部材8を設けようとする部位に、第1接続部材14が存在してしまう場合、第1接続部材14の一部に切欠部を設けることにより、切欠部によって露出したタッチパネル3の下面3bに支持部材8を設けるようにしてもよい。
【0097】
また、変形例2では、第1接続部材14は、タッチパネル3の下面3bと枠体13の下面13bとを接続する例について説明したが、これに限らない。例えば、第1接続部材14は、タッチパネル3の下面3bと枠体13の側面13cとを接続してもよい。この場合、第1接続部材14は、タッチパネル3の下面3bおよび枠体13の側面13cに設けられることになる。
【0098】
[変形例3]
上記では、振動装置X1を備えた携帯端末P1の例について説明したが、振動装置X1に代えて、振動装置X2またはX3のいずれかを採用してもよい。また、上述した実施形態の各種の構成については互いに組み合わせて構成することができるし、上述した実施形態および上述した変形例も互いに組み合わせて構成することができる。
【0099】
[変形例4]
上記では、振動装置X1〜X3を触覚伝達技術に適用した例について説明したが、これに限らない。本発明は、触覚伝達技術以外に、例えば、操作板を振動させて音を出力するスピーカ技術、あるいは、操作板を振動させて音を聴くことができる骨伝導技術にも適用することが可能である。骨伝導技術のうち、軟骨伝導技術にも適用することができることは勿論である。ここで、軟骨伝導とは、音声信号を振動に変えて、外耳の軟骨に伝え、その奥の骨を経由して内耳を刺激し、聴神経に伝達させることをいう。