特許第6034304号(P6034304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6034304暗化した導体トレースを備えるパターン付き基材
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034304
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】暗化した導体トレースを備えるパターン付き基材
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/04 20060101AFI20161121BHJP
   B32B 7/02 20060101ALI20161121BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20161121BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20161121BHJP
   B82Y 20/00 20110101ALI20161121BHJP
   B82Y 30/00 20110101ALI20161121BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20161121BHJP
【FI】
   B32B15/04 Z
   B32B7/02 103
   B32B7/02 104
   H05K9/00 V
   G09F9/00 313
   G09F9/00 366A
   B82Y20/00
   B82Y30/00
   B82Y40/00
【請求項の数】4
【全頁数】96
(21)【出願番号】特願2013-552593(P2013-552593)
(86)(22)【出願日】2012年2月1日
(65)【公表番号】特表2014-512980(P2014-512980A)
(43)【公表日】2014年5月29日
(86)【国際出願番号】US2012023466
(87)【国際公開番号】WO2012106417
(87)【国際公開日】20120809
【審査請求日】2015年1月8日
(31)【優先権主張番号】61/438,800
(32)【優先日】2011年2月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100111903
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 友康
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100160543
【弁理士】
【氏名又は名称】河野上 正晴
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エイチ.フレイ
(72)【発明者】
【氏名】タ−ファ ユー
(72)【発明者】
【氏名】カリ エー.マクギー
(72)【発明者】
【氏名】ルオ フイ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ブレイク コルブ
(72)【発明者】
【氏名】ブラント ユー.コルブ
(72)【発明者】
【氏名】モーゼス エム.デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ツー リチュン
【審査官】 岸 進
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−302998(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/154812(WO,A1)
【文献】 特開2006−344163(JP,A)
【文献】 特開2001−035261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
G06F 3/03− 3/047
G09F 9/00
H05K 9/00
B82Y 5/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)空気に暴露されたときに反射防止性である第1のナノ構造化表面及び反対側の第2の表面を有する基材と、(b)前記基材の前記第1の表面上に配置され、複数の開口セルを画定する複数のトレースにより形成される、金属導体と、を含む物品であって、各セルは80%超の開口率有し、前記導体の前記トレースは、前記基材の前記第1の表面に垂直な方向において、かつ該第1の表面に向かって50%未満の正反射率を有し、前記トレースのそれぞれは、0.5〜10マイクロメートルの幅を有し、前記第1のナノ構造化表面は、116〜750ナノメートルの高さを有するナノ構造体を含む、物品。
【請求項2】
第1のナノ構造化表面と、前記第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体とを有する透明基材を含む物品であって、前記第1のナノ構造化表面は、116〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、前記導体は、50ナノメートル超の平均厚さを有する、物品。
【請求項3】
マイクロパターンを作製する方法であって、
第1の表面及び反対側の第2の表面を有する基材を提供する工程と、
116〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体と、50ナノメートル超の平均厚さを有する導体とを含むように、前記基材の前記第1の表面を改質する工程と、
前記ナノ構造体を含む前記第1の表面上に金属導体を堆積させる工程と、
エラストマースタンプを使用して、前記導体上に自己組織化単分子膜マイクロパターンを印刷する工程と、
前記自己組織化単分子膜マイクロパターンによって被覆されていない前記導体をエッチングして、前記自己組織化単分子膜マイクロパターンによる導体マイクロパターンを得る工程と、を含む、方法。
【請求項4】
第1のナノ構造化表面と、前記第1のナノ構造化表面上に配置されるマイクロパターンの形態の導体とを有する透明基材を含む物品であって、
前記第1のナノ構造化表面が、75〜250ナノメートルの高さ、15〜150ナノメートルの幅、及び10〜150ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、
前記金属導体が、50ナノメートル超の平均厚さを有し、
前記マイクロパターンが、複数の開口セルを画定する複数のトレースによって形成され、
前記マイクロパターンが、80%超の開口率を有し、
前記トレースのそれぞれが、0.5〜3マイクロメートルの幅を有し、
前記ナノ構造化表面が、マトリックス及びナノスケールの分散相を含み、
前記ナノスケールの分散相が、10〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含み、
前記ナノ粒子が、10〜75体積%で前記マトリックス中に存在する、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示内容の全体を本明細書に援用する米国特許仮出願第61/438,800号(2011年2月2日出願)の利益を主張するものである。本出願は、本出願と同日付けで出願され、その全体を本明細書に援用する、代理人整理番号68286US002号を有する、譲受人の特許出願に関する。
【背景技術】
【0002】
光透過及び電気伝導が必要とされる用途に、金属系メッシュの導体を使用することは当該技術分野において既知である。かかる用途の例には、ディスプレイの電磁干渉用シールドが挙げられる。産業界では、メッシュは典型的に、セルを形成するために開口によって分離されている、接続トレースを有するパターン形状を意味すると理解される。
【0003】
一部のメッシュのデザインは、ディスプレイに組み込まれ、反射されたコリメート光(例えば直射日光)の下で観察されたときに、望ましくない視覚効果を生じさせる場合があるということが認められている。実例的な望ましくない視覚効果には、例えば反射光の星形パターン、及び光干渉によって生じた、色の付いた反射光のバンド(虹と類似)が挙げられ、それぞれ、線状トレース及び繰り返しセル形状を含むメッシュが、プラスチックフィルム又はガラスなど修正されていない基材に配置されたときに観察され得る。線状トレースを有するメッシュの代表的な例には、六角形及び正方形のセルを有するものが挙げられる。光沢(反射光の点の望ましくない外観)はまた、線状のトレース系の導体に関して現れる場合がある。
【0004】
一部の当業者は、タッチスクリーンディスプレイなど、ディスプレイの製造において波状のトレースを使用することによって、重ねられたメッシュのマイクロパターンの出現を低減しようと試みてきた。光透過性基板及び2つの導体メッシュ(それぞれが線状トレースを有する)アンテナ、電磁干渉シールド、及びタッチスクリーンセンサなどの物品を説明しているPCT国際公開WO 2010/099132(A2)号を参照のこと。ここでは、トレースの視認性を最小限にするように、第1のメッシュが第2のメッシュに特定の構成で重なっている。
【0005】
光学干渉部材など、周辺光を低減する部材を使用しようと試みた者もいる。入射する周辺光の一部を反射するための半吸収部材層と、周辺光の他の部分を移相するための、実質的に透明な層と、光のこの2つの反射された部分が、位相外れになることよって破壊的に干渉するように、位相周辺光を反射するための反射層とを含む、光学干渉部材を開示しているPCT国際公開WO 2003/105248号を参照のこと。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
金属系導体のメッシュの外見を、このメッシュがディスプレイに組み込まれたときに、かつ反射されたコリメート光の下で(例えば直射日光)見られるときに、このメッシュの可視性が悪くなることに関して、改善したいという要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、導体マイクロパターンの設計と組み合わせた、ナノ構造化表面を有する基材を使用する物品を提供する。ディスプレイ又は装置に一体化された場合に、ディスプレイ又は装置が光(コリメート光、又はほぼコリメート光、例えば太陽光を含むがこれらに限定されない)の下で観察されたときに、この組み合わせは、スターバースト(starburst)、スパークル(sparkle)、ハロー(halo)及びレインボー(rainbow)などの望ましくない視覚効果を低減する。
【0008】
有用な基材は、本明細書に記載のいくつかの方法によって形成されるナノ構造化表面を有する。これらの方法は、基材の第1の主表面を反応性イオンエッチングすること、又は基材の主表面上に構造化粒子コーティングを形成することを含む。有用な導体マイクロパターンの設計には、線状トレース及び非線状トレースを有するもの、又は非繰り返しセルを有するもの、又はマイクロパターンがアレイ上にないもの、トレースの方向の均一な分布を有するものが挙げられ、これらは本明細書に説明されている。
【0009】
一態様において、本開示は、(a)空気に暴露されたときに反射防止性である第1のナノ構造化表面及び反対側の第2の表面を有する基材と、(b)基材の第1の表面上に配置され、複数の開口セルを画定する複数のトレースにより形成される、金属導体と、を含む物品であって、各セルは80%超の開口率及びトレースの向きの均一な分布を有し、導体のトレースは、基材の第1の表面に垂直な方向において、かつ該表面に向かって50%未満の正反射率を有し、トレースのそれぞれは、0.5〜10マイクロメートルの幅を有する、物品を提供する。
【0010】
他の態様では、本開示は、第1のナノ構造化表面及び第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体を有する透明基材を含む物品であって、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は、50ナノメートル超の平均厚さを有する、物品を提供する。
【0011】
更に他の態様では、本開示は、(a)第1の表面及び反対側の第2の表面を有する基材を提供する工程と、(b)50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体と、50ナノメートル超の平均厚さを有する導体とを含むように基材の第1の表面を改質する工程と、(c)ナノ構造体を含む第1の表面上に金属導体を堆積させる工程と、(d)エラストマースタンプを使用して、導体上に自己組織化単分子膜マイクロパターンを印刷する工程と、(e)自己組織化単分子膜マイクロパターンによって被覆されていない導体をエッチングして、自己組織化単分子膜マイクロパターンによる導体マイクロパターンを得る工程と、を含む、マイクロパターンを作製する方法を提供する。
【0012】
更に他の態様では、本発明は、第1のナノ構造化表面及び第1のナノ構造化表面上に配置されるマイクロパターンの形態の導体を有する透明基材を含む物品であって、第1のナノ構造化表面が、75〜250ナノメートルの高さ、15〜150ナノメートルの幅、及び10〜150ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、金属導体が、50ナノメートル超の平均厚さを有し、マイクロパターンが、複数の開口セルを画定する複数のトレースによって形成され、マイクロパターンが、80%超の開口率を有し、トレースのそれぞれが、0.5〜3マイクロメートルの幅を有し、ナノ構造化表面が、マトリックス及びナノスケールの分散相を含み、ナノスケールの分散相が、10〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含み、ナノ粒子が、10〜75体積%でマトリックス中に存在する物品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は以下の図面を参照して更にされ得る。
図1】規則的な六角形のマイクロパターンの概略平面図。
図2】擬似ランダム六角形マイクロパターンとして本明細書で呼ばれている多角形マイクロパターンの部分の概略平面図。
図3】規則的な六角形に基づき、明細書では部分的に湾曲した六角形マイクロパターンと呼ばれる、第1の例示の非線状マイクロパターンの設計の概略平面図。
図3a図3のマイクロパターンのいくつかのセルの分解図。
図4】規則的な六角形に基づき、明細書では完全に湾曲した六角形マイクロパターンと呼ばれる、第2の例示の非線状マイクロパターンの設計の概略平面図。
図4a図4のマイクロパターンのいくつかのセルの分解図。
図5】第3の例示の非線状マイクロパターン、擬似ランダムの湾曲した設計の平面図。
図6】トレースの向きを決定する測定方法を例示しながら、マイクロパターン内のセル。
図7図1のマイクロパターンのトレース区分に垂直な向きのヒストグラム。
図8図2に例示されている擬似ランダム六角形マイクロパターンのトレース区分に垂直な向きのヒストグラムを示し、その一部分は図2に例示されている。
図9】部分的に湾曲した六角形マイクロパターンのトレース区分に垂直な向きのヒストグラムを示し、その一部分は図3に示されている。
図10】完全に湾曲した六角形マイクロパターンのトレースの向きの角度分布のヒストグラムを示し、その一部分は図4に示されている。
図11】ディスプレイなどのデバイスに一体化させるのに有用な、第1のマイクロパターン化された基材の様々な部分。
図11a】ディスプレイなどのデバイスに一体化させるのに有用な、第1のマイクロパターン化された基材の様々な部分。
図11b】ディスプレイなどのデバイスに一体化させるのに有用な、第1のマイクロパターン化された基材の様々な部分。
図12】ディスプレイなどのデバイスに一体化させるのに有用な、第2のマイクロパターン化された基材の様々な部分。
図12a】ディスプレイなどのデバイスに一体化させるのに有用な、第2のマイクロパターン化された基材の様々な部分。
図12b】ディスプレイなどのデバイスに一体化させるのに有用な、第2のマイクロパターン化された基材の様々な部分。
図13】装置に一体化することができる第1及び第2のマイクロパターン化された基材の重ね合わせ。
図14】本明細書では、完全に湾曲した正方形のマイクロパターンと呼ばれる、第3の例示の非線状マイクロパターンの平面図。
図15】反応性イオンエッチングを介して作製された、金属被覆ナノ構造化基材の表面の概略断面図。
図16】本明細書に記載のように、構造化粒子コーティングを含む、例示のナノ構造化基材を作製する例示のプロセスの概略図。
図17A】本明細書に記載の例示のナノ構造化材料を作製する例示のプロセスの概略図。
図17B図17Aの重合区域の概略図。
図17C図17Aの2つの非結合重合区域の直列の概略図。
図18】実施例15の基材のナノ構造化表面の、反応性イオンエッチングによって調製された平面(金属被覆前)の走査電子顕微鏡写真。
図19】実施例15の基材の金属被覆ナノ構造化表面(金属被覆後)の断面の透過電子顕微鏡写真。
図20】実施例15の基材の金属被覆ナノ構造化表面(金属被覆後)の断面の走査電子顕微鏡写真。
図21】実施例112の基材のナノ構造化表面(金属被覆前)の平面の走査電子顕微鏡写真。
図22】実施例112の基材のナノ構造化表面(金属被覆後)の平面の走査電子顕微鏡写真。
図23】実施例112の基材の金属被覆ナノ構造化表面(金属被覆後)の断面図の走査電子顕微鏡写真。
図24】実施例112の基材のナノ構造化表面(金属被覆後)の断面図の透過電子顕微鏡写真であり、銀で金属被覆された被覆層の厚さ及び浸透の測定値を含む。
図25】実施例126のメッシュから選択されたトレースの透過光顕微鏡写真。
【0014】
これらの図は一定の縮尺ではなく、説明目的を意図したもの。
【発明を実施するための形態】
【0015】
別途記載がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴の大きさ、量、物理特性を表わす数字は全て、どの場合においても用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて、目標対象とする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。
【0016】
端点による数値範囲の列挙には、その範囲内の全ての数(例えば1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が含まれる)、及びその範囲内の任意の範囲が含まれる。
【0017】
本明細書で使用されるとき、用語「マイクロパターン」とは、それぞれが1mm以下の寸法(例えばトレース幅)を有する点、トレース、塗り潰し図形、又はこれらの組み合わせの配置を指す。好ましい実施形態では、マイクロパターンは、複数のセルを画定する複数のトレースによって形成されるメッシュであり、各トレースは、少なくとも0.5マイクロメートル、典型的には20マイクロメートル以下の幅を有する。このマイクロパターン特徴の寸法は、マイクロパターンの選択によって変わり得る。いくつかの好ましい実施形態において、マイクロパターン特徴の寸法(例えば線幅)は10、9、8、7、6、又は5マイクロメートル未満(例えば1〜3マイクロメートル)である。線状及び非線状トレースは本開示において有用である。
【0018】
本明細書で使用されるとき、用語「可視光線透過性」とは、非パターン化基材、又は少なくとも1つの偏光状態の可視光線に対して少なくとも60%の透過率のマイクロパターン化基材を含む物品の透過レベルを指し、透過率%は、入射光(所望により偏光)の強度に対して正規化される。入射光の少なくとも60%を透過する物品が、局所的に光を60透過率%未満(例えば、0%)に遮蔽する微細構造体(例えば、最小寸法、例えば0.5〜10マイクロメートル、0.5〜5マイクロメートル、又は1〜5マイクロメートルの幅の点、正方形、又はトレース)を含むのは、可視光線透過性の意味の範囲内であるが、このような場合、微細構造体を含み、微細構造の最小寸法の1000倍の幅である、およそ等軸の面積に関して、平均透過率は60%を超える。「可視光線透過性」に関連する用語「可視」は、用語「光」を修飾するものであり、基材又はマイクロパターン物品が透明である光の波長範囲を特定するためのものである。
【0019】
本明細書で使用されるとき、導体マイクロパターン、又は導体マイクロパターンの領域の「開口率」(すなわち開口面積若しくは開口面積の比率)は、導体によって遮蔽されないマイクロパターンの面積、又は領域の面積の割合である。開口面積は、1から、導体マイクロパターンによって遮蔽される面積率を引いたものに相当し、少数又は百分率として、便宜上及び互換的に表現することができる。導体マイクロパターンによって遮蔽される面積率は、導体マイクロパターンの密度(例えばメッシュを画定するトレースの密度)と同じ意味で用いられる。本開示に有用な例示の開口率の値は、50%超、75%超、80%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、99%超、99.25〜99.75%、99.8%、99.85%、99.9%、及び更に99.95%である。一部の実施形態では、導体マイクロパターンの領域の開口面積(例えば、可視光線透過性導電性領域)は、80%〜99.5%であり、他の実施形態では90%〜99.5%であり、他の実施形態では、95%〜99%であり、他の実施形態では、96%〜99.5%であり、他の実施形態では、97%〜98%であり、他の実施形態では、最大99.95%である。
【0020】
本明細書で使用するとき、「トレース」は、2つの面によって、すなわち平面と非平面の交点によって与えられる幾何学的要素を指す。2つの面の交点によって与えられる幾何学的要素は本明細書では、線状として(又は線状トレースとして)説明されている。平面又は非平坦な表面の交点によって与えられる幾何学的要素は、本明細書では非線状として(又は非線状トレースとして)説明される。線状トレースはゼロ曲率、すなわち別の言い方をすると、それは無限の曲率半径を有する。非線状トレースは非ゼロ曲率を有し、すなわち別の言い方をすると、それは無限の曲率半径を有する。曲率又は曲率半径は、解析幾何学で既知のように、トレースに沿った任意の点に関して測定され得る。また、垂線もまた、解析幾何学で既知のように、線状又は非線状トレース上に位置するある点において構築され得る。
【0021】
本明細書で使用するとき、「反射防止性」は、材料と、材料が暴露される包囲媒体との間の境界面におけるフレネルの光反射を低減し、かつこの境界面を通じて光透過を向上させる表面若しくはコーティングの挙動を指す。材料を包囲する媒体が空気であり、並びに、材料が空気と作る境界面における反射を、表面又はコーティングが低減する場合、かかる表面は本明細書では、空気に暴露されたときに反射防止性であると説明される。反射防止性表面又はコーティングがないときは、フレネル反射は、当該技術分野において既知のとおり、材料の屈折率と、包囲媒体の屈折率との差によって制御される。
【0022】
本明細書で使用するとき、「ナノ構造化」は、ナノ構造体の形態のトポグラフィを含み、ナノ構造体は、表面を画定する材料を含み、ナノ構造体の高さ又はナノ構造体の幅の少なくとも1つは、約1マイクロン(すなわち、1マイクロメートル、すなわち1000ナノメートル)未満である。
【0023】
マイクロパターンの設計
多くの様々な形状又は設計が、本開示に有用な導体マイクロパターンに使用することができる。メッシュマイクロパターンの設計の種類には、(A)繰り返しセルの形状を備えるもの、(B)非繰り返しセルの形状を備えるもの、(C)重心が繰り返しアレイ上にないセルを備えるもの、(D)トレースが、トレースの向きの均一な分布を有するセルを有するものが挙げられる。これらの種類は相互排他的ではない。これらの種類のそれぞれの中で、トレースは線状であってもよく、又は非線状であってもよい(すなわち、ある有限な曲率半径を有する)。以下に記載されているメッシュマイクロパターンは、トレースの幅又はセルの寸法に対して限定されない。一部の実施形態では、トレースは、0.1〜20マイクロメートルの範囲の、一部の実施形態では、0.5〜10マイクロメートルの範囲の、一部の実施形態では、0.5〜5マイクロメートルの範囲の、一部の実施形態では、0.5〜4マイクロメートルの範囲の、一部の実施形態では、0.5〜3マイクロメートルの範囲の、一部の実施形態では、0.5〜2マイクロメートルの範囲の、一部の実施形態では、1〜3マイクロメートルの、一部の実施形態では、0.1〜0.5マイクロメートルの範囲の幅を有する。一部の実施形態では、メッシュ導体マイクロパターンの領域の開口面積(例えば、可視光透明導電性領域)は、80%〜99.5%であり、他の実施形態では90%〜99.5%であり、他の実施形態では、95%〜99%であり、他の実施形態では、96%〜99.5%であり、他の実施形態では、97%〜98%であり、他の実施形態では、最大で99.95%である。
【0024】
(A)繰り返しセルを備えるマイクロパターン
繰り返しセルの形状の特徴は、セルが繰り返しアレイ上にあるということである。セルが繰り返しアレイ上にあるということは、セルの重心が、アレイを画定する位置から離れた短距離以内にあるということを意味する(1つのセルに付き1つのアレイのみがあるという制限下において)。セルの位置関係のこの説明は、メッシュセルの開口面積(すなわち開口部)に重点をおき、トレース上、すなわちメッシュのトレースの接合部(頂点)には重点をおいていない。セルが繰り返しアレイ上にある例においては、セルの重心は正確に、点のアレイ(すなわち位置)上にある。アレイによって、位置(positions)を含む単位セルに関して、別個の並進対称によって特徴付けられる二次元における(すなわちマイクロパターンの平面における)位置の配置を意味する。アレイの並進対称は、その上でアレイが不変であるマイクロパターンの平面内の最小並進運動を画定する、1つ以上の基底ベクトルに関して画定される。これに関して、アレイは例えば正方形のアレイ(すなわち正方形の格子)、矩形のアレイ(すなわち矩形の格子)、又は三角形のアレイ(すなわち三角形の格子)を含み得る。短距離によって意味するものは、この用語が、繰り返しセル上にあると本明細書に記載されているセルを含む重心の、アレイの正確な位置から移動される許容量に関しているため、意味することは、移動の向きに構築され得る、最短のアレイの基底ベクトルの長さをとることによって、並びにその長さを、基底ベクトルに関連する単位セルにおけるアレイの位置の数によって、除することによって与えられる値の50%未満の距離である。セルが繰り返しアレイ上にある一部の実施形態では、重心がアレイの位置から移動される距離は、移動の向きにおいて構築され得る最短のアレイの基底ベクトルの長さをとることによって、並びにその長さを、基底ベクトルと関連する単位セルにおけるアレイ位置の数によって除することによって得られる値の25%未満の距離である。マイクロパターンのこれらのタイプの代表的な実施例は、図1、3、4及び14に示されている。
【0025】
ここで図1に戻ると、図1は、複数の線状トレース12によって形成されている規則的な六角形導体マイクロパターン10の例示的形状の平面図を示す。6つのトレース、12a〜12fは開口面積を有するセル14を形成する。示されているように、各トレースは、実質的に同等の長さであり、6つの内角のそれぞれは実質的に120度である。メッシュセルの重心は三角形の格子(すなわちアレイ)上に位置する。六角形セルの1つの縁部を画定するトレースの中心線から、六角形セルの対向する縁部を画定する(平行な)トレースの中心線までの距離は、例えば200マイクロメートルである。
【0026】
図3は、非線状の設計の、すなわち、複数の開口セル34を画定する、複数の湾曲したトレース32によって形成される、部分的に湾曲した六角形導体マイクロパターン30の例示の形状の平面図を示す。1つの方法において、このマイクロパターンの設計は、図1に示されている規則的な六角形のマイクロパターンから開始して、所定の距離、例えば10マイクロメートルだけ各トレースの中間点を移動させ、かつトレースを半円形にさせることによって生じさせることができる。図3aは、6つのトレース(示されている32a〜32f)を備える、拡大されたセル34’を示す。マイクロパターン30の1つの特徴は、トレース32a及び32cそれぞれの接線36a及び36cは、互いに全体的に平行ではないということである。図1のメッシュマイクロパターンと同様に、図3のメッシュセルの重心は、点の三角形の格子(すなわち、点のアレイ)上にある。
【0027】
図4は、例示されている別の非線状設計の、複数のセル44を画定する、複数の湾曲したトレース42によって形成される、十分に湾曲した六角形導体マイクロパターン40の平面図を示す。1つの方法において、このマイクロパターンの設計は、図3に示されているトレースの曲率半径を減少させることによって、例えば、各トレースの中間点を更に移動させることによって生じさせることができる。図4aは、6つのトレース(42a〜42f)を備える、拡大されたセル44’を示す。マイクロパターン40の1つの特徴は、トレース42a及び42cのそれぞれの接線46a及び46cは、互いに全体的に平行であるということである。図1のメッシュマイクロパターンと同様に、図4のメッシュセルの重心は、点の三角形の格子(すなわち、点のアレイ)上にある。
【0028】
図14は、を正方形から開始して、この正方形の各面の中間点を所定の距離だけ移動させ、トレースを半円形にさせることによって生じさせることができる、別の例示の非線状マイクロパターン設計240を示す。4つのトレース(242a〜242d)は、開口セル244を画定しているのが示されている。図14のメッシュセルの重心は、正方形の格子(すなわち点のアレイ)上にある。
【0029】
(B)非繰り返しセルを備えるマイクロパターン
非繰り返しセル形状を有するメッシュマイクロパターンは、繰り返しアレイ(例えば矩形アレイ、正方形アレイ、又三角形アレイ)上にあってもよく、あるいはセルは繰り返しアレイ上になくてもよい。このセル形状において、セルは同じ寸法及び同じ形状ではない。この種のセル形状の例示の実施例は、図2に示されている。
【0030】
図2は、複数のセル24を画定する、複数の線状トレース22によって形成される擬似ランダムな六角形導体マイクロパターン20の例示的な形状の平面図を示す。1つの方法では、このマイクロパターン設計は、図1に示されている規則的な六角形パターンから開始して、その重心を、ランダム化された方向に、最初の六角形セルの縁部長さ未満の、ランダム化された距離だけ移動させ、かつ線状トレースを維持することによって生じさせることができる。マイクロパターン20の1つの特性は、最初の六角形セルの縁部長さ未満の距離だけ(すなわち、縁部長さの半分未満だけ)重心を移動させることによって生じさせるとき、図1のメッシュのセルの最初の重心位置によって画定されるアレイの点から短距離内に、セルの重心があるということである。より具体的に、図2のメッシュのセルの重心は、図1の最初のメッシュの重心によって画定されるアレイ位置間の最小分離の50%に等しい距離内にある(すなわち、六角形メッシュセルの重心によって画定される三角形の格子に関しては、移動の方向において、基底ベクトルの長さの50%)。この結果は、図1の最初のメッシュセル開口部それぞれの重心が、頂点をわずかに移動させる手順によって、実質的に移動されていないという事実によるものである。この場合、セルは本明細書では、アレイ上にあると言われる。本明細書で後で開示される一部の実施形態では、重心の位置(頂点の位置ではなく)はまた、ランダム化されるように指定される。
【0031】
(C)アレイ上にないセルを備えるマイクロパターン
上記で定義されたように、アレイを画定する位置からの短距離以下でセルの重心があるような方法で、メッシュマイクロパターンのセルが二次元に配置される場合、メッシュセルは、本明細書では繰り返しアレイ上(又はアレイ上)にあると見なされる。セルが繰り返しアレイ上にある例においては、セルの重心は正確に、点のアレイ上にある。繰り返しアレイ上にセルを有さない(すなわち繰り返しアレイ上にない)マイクロパターンの特徴は、本明細書でその用語が使用されているように、メッシュセルの重心(すなわちセル開口部の重心)は、4以下の位置を含む単位セルを使用してアレイを作製することができないような方式で配置され、これによってメッシュの重心の全ては、移動の向きに構築され得る、最短のアレイの基底ベクトルの長さをとることによって、並びに、基底ベクトルに関連する単位セルにおけるアレイの位置の数によって、除することによって与えられる値の50%未満の距離内にメッシュの重心の全てがあるということである。このメッシュマイクロパターンに関して、セルは一般的に同じ寸法及び形状ではない。説明されている3つのマイクロパターンの中で(A、B及びC)、Cタイプのマイクロパターンは、より高度な不規則性を有する。この種のセル形状の例示の実施例は、図5に示されている。
【0032】
図5は、別の非線状の設計の一部分、すなわち複数の開口セル54を画定する、複数のトレース52によって形成される擬似ランダムの湾曲導体マイクロパターン50の平面図を示す。この形状は、湾曲導体トレースによって画定される、それぞれが2マイクロメートルの例示の幅を有するセルを含む。擬似ランダムの湾曲した設計を備える導体マイクロパターンのセルは、セルを画定する様々な数の縁部又はトレース(例えば4〜8の縁部)を有し得る。セルの寸法は、10,000平方マイクロメートルの面積から70,000平方マイクロメートルの面積まで様々である。参照として、図1の規則的な六角形のマイクロパターンの面積は、35,000平方メートルである。セルの位置は、例えば各セルの重心によって画定されるように、規則的に離間したアレイ上にない。
【0033】
D.トレースの向きの均一な分布を備えるマイクロパターン
マイクロパターンのこのタイプの特徴は、セル形状に関して、又はセルの重心の位置に関して限定されないということである。このタイプのマイクロパターンの形状をより良く説明するために、トレースの向きの角度分布の概念が使用される。
【0034】
トレースの向きの角度の分布
各トレースの設計は、本明細書において更に説明されるように、トレースの向きの角度分布によって特徴付けることができる。本明細書の擬似ランダムの湾曲した線状に関するトレースの向きの角度分布は、本明細書に記載の手順に従って測定可能であり、1センチメートル×1センチメートルの面積にわたって実質的に均一である。例えば、一部の実施形態では、分布の均一性に関して、基準方向は、基準方向の+10度又は−10度内に存在するマイクロパターンにおけるトレース区分の垂線が存在しないマイクロパターンの平面内には確立することができない。いくつかの場合では、基準方向は、基準方向の+5度又は−5度内に存在するマイクロパターンにおけるトレース区分の垂線が存在しないマイクロパターンの平面内には確立することができない。いくつかの場合では、基準方向は、基準方向の+2度又は−2度内に存在するマイクロパターンにおけるトレース区分の垂線が存在しないマイクロパターンの平面内には確立することができない。更に、分布の均一性に関して、例えば1センチメートル×1センチメートルの面積にわたって、トレース区分に垂直な積分密度は、2つの積分密度の値の小さい方の50%超異なる、マイクロパターンの面における2つの20度の範囲の向きは存在しない。場合によっては、例えば1センチメートル×1センチメートルの面積にわたって、2つの範囲のトレース区分に対して垂線の総合的な密度は、2つの総合的な密度の小さい方の25%超異なる、マイクロパターンの平面において、2つの20度の範囲は存在しない。場合によっては、例えば1センチメートル×1センチメートルの面積にわたって、2つの範囲のトレース区分に対して垂線の総合的な密度は、2つの総合的な密度の小さい方の10%超異なる、マイクロパターンの平面において、2つの20度の範囲は存在しない。場合によっては、例えば1センチメートル×1センチメートルの面積にわたって、2つの範囲のトレース区分に対して垂線の総合的な密度は、2つの総合的な密度の小さい方の10%超異なる、マイクロパターンの平面において、2つの10度の範囲は存在しない。場合によっては、例えば1センチメートル×1センチメートルの面積にわたって、2つの範囲のトレース区分に対して垂線の総合的な密度は、2つの総合的な密度の小さい方の10%超異なる、マイクロパターンの平面において、2つの5度の範囲は存在しない。
【0035】
本開示のマイクロパターンは、他のマイクロパターンに関して、特に情報ディスプレイ(例えば携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノート型コンピューター、デスクトップコンピュータのモニター、読み取り装置、車両ディスプレイ、又は小売ディスプレイ)と組み合わされたときに観察される、多数の潜在的に望ましくない視覚的特徴を同時に最小化する。これらの潜在的に望ましくない視覚的特徴には、既に説明されているように、スターバースト、レインボー、及びスパークルが挙げられる。マイクロパターン設計により軽減される、潜在的に望ましくない特徴には、ディスプレイのピクセルパターンと干渉するモアレも挙げられる。マイクロパターン設計によって軽減される、潜在的に望ましくない特徴はディスプレイの個々のピクセルの視認性(情報を遮るが、必ずしもモアレパターンにはならない)の実質的な遮断(例えば25%、50%、又は更には75%)が挙げられる。1つ以上の、潜在的に望ましくない視覚的特徴の軽減を最適化するために、マイクロパターンをディスプレイに対して傾斜させることは(例えば、回転させる、又は付勢する)、本開示の範囲内である。マイクロパターンの傾斜はまた、画素化されたディスプレイと干渉するモアレを最小限にするのに特に有用であり得る。場合によっては、4面のセル形状は、位置の正方形のアレイ上に分布されており(例えば十分に湾曲した正方形のセル形状)、傾斜によってモアレ干渉を最小限にするのに便利である。
【0036】
本開示に有用なトレースの密度の向きは、マイクロパターン内の異なる向きのトレース区分の相対密度、存在、又は存在量を説明する分布として定量化することができる。この分布は、線状トレース又は非線状トレースを含むマイクロパターンにおけるトレースの密度の向きを説明するのに使用することができる。また、この分布は、繰り返し形状(正方形又は六角形マイクロパターンの場合のように)を含むマイクロパターンにおいて、又は非繰り返し形状を含むマイクロパターン(線状(図2のように)トレース又は非線状トレース(図5のように)を含む擬似ランダムマイクロパターン設計の場合のように)におけるトレースの密度の向きを説明するのに使用することができる。記述子は、トレースに垂直な向きの関数とする、マイクロパターンの単位面積当たりの積分されたマイクロパターンのトレースの長さである。言い換えると、記述子は、導体マイクロパターンを形成するトレース区分の向きの頻度分布として(すなわち、トレース区分に垂直な向きの分布として)表示され得る。「積分された」によって意味するものは、指定された向きを有する画定面積内のトレースに関して、合計トレース幅の総和である。
【0037】
非線状トレースを有する導体マイクロパターン内の向きに関して、上記の周波数特性をまとめるために、以下の手順を使用することができる。この手順は、例えば11インチ×17インチ(27.9cm×43.2cm)の紙上に、一連の手動による描画工程及びマイクロパターンの設計の拡大印刷に関する測定工程を含む。特徴化の手順は、(a)マイクロパターンの拡大されたレンダリングを紙上に印刷する工程と、(b)パス長とほぼ等しい少なくとも200の区域にマイクロパターンのトレースを分割する工程と、(c)各区域の垂線を手動で描画する工程と、(d)0度の方向を確立することによって基準方向のフレームを確立する工程と、次いで(e)0度の方向に対する全てに垂直な向きを(例えば分度器を使用して)測定する工程と、を含む。トレース、そして、トレースの垂線は、以下の理由により180度の角度範囲を使用して特定することができる。直線で上下に走るトレースは、上下に方向付けられていると、適宜記載され得る。トレース、又は上向きに方向付けられているその垂線は、トレース又は下向きに方向付けられている垂線とは、何ら変わらない。したがって、下向きに方向付けられているトレースと異なるいずれかの方法で、上向きに方向付けられているトレースを生じさせることはできない(すなわち、上向きのトレースは下向きのトレースと異なるという提案は意味をなさない)。したがって、可能なトレース区分の向きの全範囲は、180度の角度範囲のみを必要とする。
【0038】
図6は、図4の実施形態の1つの全体的なセルの図であり、ここではトレースの向きに垂直な角度は、トレース区分Pにおいて測定される。単純化を目的として、200セグメントのうちの1つのみが示されている。トレース区分Pの垂線Nは、図に示すように描かれる。接線Tは、トレース区分Pと垂線Nの両方を交差して描かれる。基準ゼロ度の線は、点線の矢印によって示すように描かれる。角度シータ(θ)は次いで、基準線と垂線との間の角度を決定するために測定され得る。この測定は次いで6つのトレースのそれぞれに沿ってPと同様のセグメントに関して複数回繰り返される。任意ではあるが、十分に大きな数のセグメント(この場合では、統計的に有意な測定に関して200セグメント)が、セルに関して描かれてもよい。ほぼ等しい数のセグメントが、6つのトレースのそれぞれに関して描かれる。
【0039】
トレース区分に垂直な向きの、そのように測定された分布は、向きの測定値のヒストグラムをプロットすることによってレンダリングすることができる。トレース区分に垂直な向きの分布は、トレース区分自体の向きの分布に直接相関しているということに留意すべきである。本明細書に記載のマイクロパターンに関して、この手順は、マイクロパターンの少なくとも1つの完全なセルを構成するトレースのために実行された。二次元のマイクロパターンを生じさせるために、2つの方向において、複製された、単一のセル形状及び寸法を有するマイクロパターンに関して、単一のセルを構成するトレースの特徴は、より大きな領域にわたって(例えば10、100、又は更には1000セルにわたって)2次元のマイクロパターンのトレースの向きの分布を決定するのに適切である。例えば、直径200マイクロメートルの単一の規則的な六角形セルを構成するトレースの特徴は、1ミリメートル×1ミリメートル、1センチメートル×1センチメートル、又は更には1メートル×1メートルのセルなど、規則的な六角形のマイクロパターンのトレースの向きの分布を決定するのに適切である。複数のセル形状又は寸法を有するマイクロパターンに関して、十分な数のセルが、有用な精度で全体のマイクロパターンに関するトレースの向きの分布を決定するために特徴付けられる必要がある(例えばそのように測定された、トレースの向きの分布は、1ミリメートル×1ミリメートル、1センチメートル×1センチメートル、又は更には1メートル×1メートルの実際の導体マイクロパターンの面積にわたって、トレースの向きの実際の分布と比較したときに、少なくとも0.8、少なくとも0.9、少なくとも0.95、又は更には少なくとも0.99のR相関係数を呈する)。
【0040】
いったんトレース区分に垂直な向き(角度θによって表される)が測定されると、それらは0〜180度まで、90のビン(bin)を生じさせることによって2つのマイクロメートルのビンに区切られ得る。各ビンは、ビンの2つの度の角度範囲内に向きを生じさせる測定値の数を示す整数を含む。このビニング手順は、向きの別個の分布を生じさせる。最終的に、周波数の値の標準偏差(2度のビン当たりの測定周波数の標準偏差)が計算され得る。トレース区分に垂直ないくつかの分布に関して、このように、均一であると見られる、本明細書に記載のトレースの向きの分布に関して、そのように計算された標準偏差は4未満である。均一であると本明細書に記載されているトレースの向きの一部の分布に関して、そのように計算された標準偏差は3未満である。均一であると本明細書に記載されているトレースの向きの一部の分布に関して、そのように計算された標準偏差は2未満である。内部で均一なトレースの向きの一部の分布に関して、そのように計算された標準偏差は1未満である。
【0041】
図7は、図1のマイクロパターン(規則的な六角形)の複数のトレース区分に関する角度θのヒストグラムを示す。3つの別個のピークは3つの角度となり、各角度は他方の頂点から約60度離れている。ヒストグラムのx軸上に示される角度の絶対値は、3つの頂点が、それらが約60度離れている限り、例えば40度、100度及び160度など、他の角度で生じ得るという点で任意であることに留意する必要がある。図1を参照して、垂線の角度が12dとしてトレース12a、12eとして12b、並びに12fとして12cで同じであるため、この3つの頂点が生じる。このマイクロパターンに関して、2度のビン当たりの測定周波数の標準偏差は、11.6と測定され、高度に非均一であることを直接示している。
【0042】
図8、9及び10は、図2の擬似ランダムの六角形マイクロパターンの角度θのヒストグラム、図3の部分的に湾曲したマイクロパターン、及び図4の全体的に湾曲したマイクロパターンをそれぞれ示す。これらのヒストグラムのそれぞれは、図1のマイクロパターンのヒストグラムと比較して、4つのマイクロパターンの最も均一な分布を有する図10のヒストグラムと比較して、角度θのより広い分布を有する。更に、これらのヒストグラムの標準偏差は、1.6(図8)、2.6(図9)、及び1.0(図10)である。
【0043】
非線状トレースを有する導体マイクロパターン内のトレース区分の向きの分布を更に説明すると、均一な分布を有するが、分布に示されていないいくつかの向き、又は小さな範囲の向きを有することは、本明細書に記載のマイクロパターンの範囲内である。すなわち、マイクロパターンの所与の領域内の可能な向きの全180度にわたる、トレース又はトレース区分の向きの完全に均一な分布を有するマイクロパターンは、本明細書に記載のマイクロパターンの範囲からは除外されず、単一のトレース(又はトレース区分)を取り除くことによって、又は狭い範囲の角度(例えば5度の範囲にわたって、又は2度範囲にわたって)内で全てのトレースを取り除くことによって「均一な分布」を有する。
【0044】
分割トレース区分の向きの周波数の測定(約200の測定)及びビンの区切り(2度のビン)に関して上記の手順を基準として、擬似ランダムの湾曲したマイクロパターン(図5)は、5未満、3未満、2未満、1、又は更に1未満の2度のビン当たりに測定された周波数の標準偏差を有し得る。
【0045】
トレース区分の向きの分布の均一性に加えて、本開示の導体マイクロパターンの形状は、トレースの曲率半径に関して説明され得る。場合によっては、マイクロパターンを含むトレースの曲率半径は1センチメートル未満である。場合によっては、メッシュパターンを含むトレースの実質的に全ての曲率半径は1センチメートル未満である。場合によっては、マイクロパターンを含むトレースの曲率半径は1ミリメートル未満である。場合によっては、マイクロパターンを含むトレースの実質的に全ての曲率半径は1ミリメートル未満である。場合によっては、メッシュパターンを含むトレースの曲率半径は50マイクロメートル〜1ミリメートルである。場合によっては、マイクロパターンを含むトレースの実質的に全ての曲率半径は50マイクロメートル〜1ミリメートルである。場合によっては、マイクロパターンを含むトレースの曲率半径は75マイクロメートル〜750マイクロメートルである。場合によっては、マイクロパターンを含むトレースの実質的に全ての曲率半径は75マイクロメートル〜750マイクロメートルである。場合によっては、メッシュパターンを含むトレースの曲率半径は100マイクロメートル〜500マイクロメートルである。場合によっては、マイクロパターンを含むトレースの実質的に全ての曲率半径は100マイクロメートル〜500マイクロメートルである。場合によっては、マイクロパターンを含むトレースの曲率半径は150マイクロメートル〜400マイクロメートルである。場合によっては、マイクロパターンを含むトレースの実質的に全ての曲率半径は150マイクロメートル〜400マイクロメートルである。
【0046】
導体の種類
ここで、本開示に有用な導体の種類について求める。導電性マイクロパターンの形成に有用な金属の例としては、金、銀、パラジウム、プラチナ、アルミニウム、銅、モリブデン、ニッケル、スズ、タングステン、合金、及びこれらの組み合わせが挙げられる。所望により、導体は複合材料(例えば金属充填ポリマー)でも可能である。
【0047】
導電性マイクロパターンは、定義された正反射率(例えばマイクロパターンに垂直な角度で測定される)を有する点、トレース、充填された形状、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。導体マイクロパターンが、ナノ構造化され、反射防止性の(並びに、好ましくは非常に低いヘイズ、例えば4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、又は更には0.5%未満)基材の表面上に配置されるとき、マイクロパターンからの、特定の潜在的に望ましくない視覚的特徴の発生は、実質的に減少させることができる。この減少は特に、基材のナノ構造化表面を向く方向からのマイクロパターン観察、画像化、又はこの測定で特に明白であり得る。導体マイクロパターンの反射率はまた、平坦な反射性基材表面(典型的にPETフィルムの表面)上で同じように作製されたマイクロパターンの反射率と比較したとき、ナノ構造化され、反射防止性の(並びに、好ましくは上記のように非常に低いヘイズ)基材表面上に配置することによって減少させることができる。更に、導体は、ナノ構造化され、かつ反射防止性(かつ好ましくは、上記のとおり非常に低いヘイズ)である基材表面上への配置の後に、マイクロコンタクトの印刷を使用することによって(例えば、エラストマースタンプを使用して自己組織化単分子膜パターンの印刷、後に湿潤化学エッチングが続く)パターン化することができ、これはこのようなプロセスには平滑な基材表面が重要であると提案する文献報告書と対照的である。銀又はアルミニウムなど、平滑な薄膜金属の正反射率は、可視スペクトルで90%を越える場合がある。一部の実施形態では、複数のセルを画定する(例えばマイクロパターンを画定するために)複数のトレースにより形成されるマイクロパターンのトレースの反射率は、垂直入射において、かつトレースが配置されている基材の表面に向けられている方向における測定では、90%未満である。一部の実施形態では、複数のセルを画定する(例えばメッシュを画定するために)複数のトレースにより形成されるマイクロパターンのトレースの反射率は、垂直入射において、かつトレースが配置されている基材の表面から外側に向けられている方向における測定では、90%未満である。一部の実施形態では、複数のセルを画定する(例えばメッシュを画定するために)複数のトレースにより形成されるマイクロパターンのトレースの反射率は、垂直入射において、かつトレースが配置されている基材の表面の方へ向けられている方向における測定では、50%未満である。一部の実施形態では、複数のセルを画定する(例えばメッシュを画定するために)複数のトレースにより形成されるマイクロパターンのトレースの反射率は、垂直入射において、かつトレースが配置されている基材の表面から外側に向けられている方向における測定では、50%未満である。一部の実施形態では、複数のセルを画定する(例えばメッシュを画定するために)複数のトレースにより形成されるマイクロパターンのトレースの反射率は、垂直入射において、かつトレースが配置されている基材の表面の方へ向けられている方向における測定では、20%未満である。一部の実施形態では、複数のセルを画定する(例えばメッシュを画定するために)複数のトレースにより形成されるマイクロパターンのトレースの反射率は、垂直入射において、かつトレースが配置されている基材の表面の方へ向けられている方向における測定では、10%未満である。非透明金属導体パターンの反射率を低減する具体的な方法(すなわち暗化、すなわち暗色化)は、本開示の主題である。この手段は、金属堆積物が比較的高い光学密度(すなわち、例えば5%未満の可視光、又は更には1%未満の可視光を透過する、透明でない金属堆積物)である場合に、基材上の金属堆積物の高反射率の問題を解決し、したがって、さもなければそれらの基材の境界面にある、反射性、非透明な金属コーティング、堆積物、又はマイクロパターンを暗化、黒化、又は暗色化させる。暗化の程度は、本明細書では、非透明な金属から測定された反射率によって、特に、支持基材(例えば、ナノ構造化された基材)とのその干渉によって示されており、非透明金属からの、より低い反射率は、より濃い暗化、及び更なる暗色化で示されている。これらの具体的な手段は、マイクロパターンの設計パラメータ(0.5〜10マイクロメートル、0.5〜5マイクロメートル、0.75〜4マイクロメートル、又は1〜3マイクロメートルのトレース幅)と、導体の厚さ(例えば0.05〜2マイクロメートル超、0.05〜1マイクロメートル超、0.075〜0.5マイクロメートル、又は0.1〜0.25マイクロメートル)と、特定のマイクロパターン製造方法と最適に組み合わせられるということが見出されている。本明細書に開示の新しい手段は、これらの設計を有する金属マイクロパターンの反射を低減させる課題を解決する。本開示の設計及び方法は、金属堆積物の反射を低減させるための、他の既知の、例えば金属表面を部分的に反応させてそれを化学的に光吸収化合物に変換する方法とは異なる。後者の既知の方法の一例は、銀のマイクロパターン表面を、硫化水素ガス又は硫化カリ(イオウの凝結)溶液に暴露することにより、硫化銀に部分的に変換することである。同様な手順は、銅表面を黒色の硫化物反応生成物に変換するのに実施され得る。光を吸収する反応生成物への、金属導体堆積物(例えば、金属導体マイクロパターン)の部分的な化学変換は、2マイクロメートル超、又は更には5マイクロメートル超の厚さを有する金属導体コーティング又はパターンの最も好適な一般的な方法であるが、より薄い金属堆積物の実質的な暗化に関して試された時に課題をもたらす。本明細書に記載のナノ構造化基材の設計は、上記の導体メッシュマイクロパターン(0.5〜10マイクロメートル、0.5〜5マイクロメートル、0.5〜4マイクロメートル、0.5〜3マイクロメートル、又は1〜3マイクロメートルのトレース幅、0.05超〜2マイクロメートルの、0.05超〜1マイクロメートルの、0.075〜0.5マイクロメートルの、又は0.1〜0.25マイクロメートルの導体厚さ)の反射率を低減するのに特に良好に適しているということが分かっているが、それらはまた、メッシュが約2〜約30マイクロメートル、又は約3〜約10マイクロメートルの導体厚さを備えるトレースを含む金属導体のメッシュマイクロパターンにも好適である。また、それらは、80%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、99%超、99.25〜99.75%、99.8%、99.85%、99.9%、及び更には99.95の開口率と組み合わせて、メッシュが10マイクロメートル超の、例えば10〜20マイクロメートルの幅を有するトレースを含む金属導体のメッシュマイクロパターンに好適である。
【0048】
一部の実施形態では、金属導体(例えば金属導体マイクロパターン)は50ナノメートル超の、一部の実施形態では、55ナノメートル超の、一部の実施形態では、60ナノメートル超の、一部の実施形態では、75ナノメートル超の、並びに、一部の実施形態では100ナノメートル超の厚さを有する。一部の実施形態では、厚さは55ナノメートル〜20マイクロメートルの範囲であり、一部の実施形態では、60ナノメートル〜15マイクロメートルの範囲であり、一部の実施形態では、75ナノメートル〜10マイクロメートルの範囲であり、一部の実施形態では、100ナノメートル〜1マイクロメートルの範囲であり、一部の実施形態では、125ナノメートル〜500ナノメートルの範囲であり、一部の実施形態では150ナノメートル〜250ナノメートルの範囲である。
【0049】
基材
本開示で使用できる有用な基材には、ガラス及び高分子材料が挙げられる。有用な高分子材料には高分子フィルムが挙げられる。ポリマー「フィルム」基材は、ロールツーロール(roll-to-roll)様式で加工するのに十分な可撓性及び強度を有する、平坦なシート状のポリマー材料である。本明細書に記載の物品で基材として使用される高分子フィルムは、ベースフィルムと呼ばれることがある。ロールツーロールとは、材料が支持体上に巻き取られるか、又は支持体から巻き出され、並びに何らかの方法で更に加工されるプロセスを意味する。更なるプロセスの例としては、コーティング、スリット加工、打ち抜き加工、及び放射線への暴露などが挙げられる。高分子フィルムは、一般に約5μm〜1000μmの範囲の種々の厚さで製造され得る。多くの実施形態において、高分子フィルムの厚さは、約25μm〜約500μm、又は約50μm〜約250μm、又は約75μm〜約200μmの範囲である。ロールツーロール高分子フィルムは、少なくとも12インチ(30.5cm)、24インチ(61.0cm)、36インチ(91.4cm)又は48インチ(122cm)の幅を有し得る。有用な高分子フィルム基材には、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリカーボネート、又はセルローストリアセテートが挙げられる。
【0050】
基材表面は、ナノ構造化であるように、かつ、任意の好適な手段によって空気に暴露されたときに、反射防止性であるように改質することがきる。反射防止性であるナノ構造化表面は、当該技術分野において既知のエンボス加工、成形、又は干渉リソグラフィなど多くの方法を使用して形成され得る。表面がナノ構造化され、かつ、任意の好適な手段によって空気に暴露されたときに、反射防止性となるように改質するために、特に効果的な方法は、以下に記載されており、反応性イオンエッチングプロセスを使用する。
【0051】
反応性イオンエッチングを施した基材
ランダムな異方性ナノ構造化表面を作るために、第1の方法、すなわち反応性イオンエッチングプロセスを使用して有用なナノ構造化表面が調製される。ナノ構造化表面は全て反射防止性とは限らない。並びに、全てのナノ構造化表面が低ヘイズを有するとは限らない。一部のナノ構造化表面は、強力に光を散乱し、ヘイズとなる(例えば5%超の拡散透過光率)。
【0052】
図15は、反応性イオンエッチングを介して作製された金属被覆されたナノ構造化基材250の概略断面図であり、Sは、反応性イオンエッチングプロセスによって画定された2つのナノ構造体間の間隔、及びその両方が基材256の表面上に配置されている、マトリックス254中のナノ粒子(分散相)252の位置を示す。ナノ構造体の幅は、Wとして特定され、ナノ構造体の高さはHとして特定される。図15は、ナノ構造化基材表面上に配置された(及びナノ構造化表面の開口した、凹の空間に浸透している)金属導体257を含む。
【0053】
空気に暴露されたときの反射防止性のナノ構造化表面の一実施形態では、ナノ構造化物品(例えば基材)は、ナノ構造化、かつ空気に暴露されたときに反射防止性である複合体表面を含み、これはマトリックス相及び分散相で形成され得る。材料又は物品が複合体表面を含むということは、表面を画定する材料の一部(したがって、表面内部の有限の体積若しくは材料を含む)は複合材料(すなわち多相、例えばマトリックス相及び分散相を含む材料)であるということである。物品が複合体表面を含むことに関して、物品は、複合材料から全体的に構成されてもよく、例えば、物品は複合体ではない1つの材料(例えば高分子系フィルム)を、その上に配置された複合コーティングと共に含んでもよい。マトリックス、すなわち、連続相は、高分子材料、無機材料、又は合金、あるいは固溶体(混和性ポリマーを含む)を含むことができる。材料の反応性イオンエッチング、又はマトリックス及び分散したナノ粒子相を含むコーティングは、異方性の(突出構造体の高さは突出構造体の横方向の寸法よりも大きい)、かつランダムな(突出構造体の位置は、(例えば周期的に)画定されない)ナノ構造化表面を生じさせることができる(yields can yield)。
【0054】
有用な高分子材料には、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0055】
好適な熱可塑性樹脂には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、セルロースアセテート、熱可塑性ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリエチレンナフタレート、スチレンアクリロニトリル、シリコーンポリオキサミドポリマー、フルオロポリマー、環状オレフィンコポリマー、熱可塑性エラストマー等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
好適な熱硬化性樹脂には、アリル樹脂((メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、及びポリエーテルアクリレートが挙げられる)、エポキシ、熱硬化性ポリウレタン、シリコーン、又はポリシロキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。これらの樹脂は、対応するモノマー及び/又はオリゴマーを含む、重合性組成物の反応生成物から形成され得る。この文書で使用されるとき、用語、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
【0057】
一実施形態では、重合性組成物は少なくとも1つのモノマー又はオリゴマーの(メタ)アクリレート、好ましくはウレタン(メタ)アクリレートを含む。典型的には、モノマー又はオリゴマーの(メタ)アクリレートはマルチ(メタ)アクリレートである。用語「(メタ)アクリレート」は、アクリル及びメタクリル酸のエステルを指すために使用され、「マルチ(メタ)アクリレート」は、一般に、(メタ)アクリレートポリマーと呼ばれる、「ポリ(メタ)アクリレート」と反対に、1つ以上の(メタ)アクリレート基を含有する分子を指す。最も多く、マルチ(メタ)アクリレートは、ジ(メタ)アクリレートであるが、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート等を採用することも意図されている。
【0058】
好適なモノマー又はオリゴマーの(メタ)アクリレートは、アルキル(メタ)アクリレート、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、1−プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、及びt−ブチルアクリレートが挙げられる。アクリレートは、(メタ)アクリル酸の(フルオロ)アルキルエステルモノマー、部分的及び/又は全体にフッ素化されているモノマー、例えばトリフルオロエチル(メタ)アクリレートを含んでもよい。
【0059】
市販されているマルチ(メタ)アクリレート樹脂の例には、Mitsubishi Rayon Co.,LTDからのDIABEAMシリーズ、Nagase & Company,Ltd.からのDINACOLシリーズ、Shin−Nakamura Chemical Co.,Ltd.からのNK ESTERシリーズ、Dainippon Ink & Chemicals,Inc.からのUNIDICシリーズ、Toagosei Co.,LTD.からのARONIXシリーズ、NOF Corp.製のBLENMERシリーズ、Nippon Kayaku Co.,Ltd.からのKAYARADシリーズ、Kyoeisha Chemical Co.,Ltd.からのLIGHT ESTERシリーズ及びLIGHT ACYLATEシリーズが挙げられる。
【0060】
オリゴマーのウレタンマルチ(メタ)アクリレートは、例えば、商品名「Photomer 6000シリーズ」、例えば「Photomer 6010」及び「Photomer 6020」など、及び商品名「CN 900 Series」、例えば「CN966B85」、「CN964」及び「CN972」でSartomerから市販されている。オリゴマーのウレタン(メタ)アクリレートはまた、商品名「Ebecryl 8402」、「Ebecryl 8807」及び「Ebecryl 4827」でSurface Specialitiesから入手可能である。オリゴマーのウレタン(メタ)アクリレートはまた、化学式OCN−R3−NCOの、ポリオールとのアルキレン又は芳香族ジイソシアネートの初期反応によって調製されてもよい。最も多く、ポリオールは、化学式HO−R4−OHのジオールであり、式中、R3は、C2−100アルキレン又はアルキレン基であり、R4はC2−100アルキレン基である。この中間生成物は、次いで、ウレタンジオールジイソシアネートであり、これは続いて、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応し得る。好適なジイソシアネートには、2,2,4−トリメチルヘキシレンジイソシアネート及びトルエンジイソシアネートが挙げられる。アルキレンジイソシアネートが一般的に好ましい。このタイプの特定の好ましい化合物は、2,2,4−トリメチルヘキシレンジイソシアネート、ポリ(カプロラクタム)ジオール、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートから調製することができる。少なくともいくつかの場合では、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい脂肪族である。
【0061】
重合性組成物は、同じ又は異なる反応性官能基を有する、様々なモノマー及び/又はオリゴマーの混合物であってもよい。(メタ)アクリレート、エポキシ、及びウレタンを含みながら、2つ以上の異なる官能基を含む重合性組成物が使用されてもよい。異なる機能性が、異なるモノマー部分及び/又はオリゴマー部分に、又は同じモノマー部分及び/又はオリゴマー部分に含まれてもよい。例えば、樹脂組成物は、エポキシ基及び/又はヒドロキシ基を側鎖に有する、アクリル又はウレタン樹脂、アミノ基を有する組成物、分子内にエポキシ基又はアミノ基を有するシラン化合物を含んでもよい。
【0062】
熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化、光硬化(化学線による硬化)及び電子ビーム硬化などの従来の方法を使用する重合性である。一実施形態では、樹脂は、それを紫外線(UV)及び/又は可視光に暴露されることによって光重合する。従来の硬化剤及び/又は触媒が、重合性組成物内で使用されてもよく、かつ組成物内の官能基に基づいて選択される。複数の硬化機能性が使用される場合は、複数の硬化剤又は触媒が必要となる場合がある。熱硬化、光硬化、電子ビーム硬化など、1つ又は2つ以上硬化技法を組み合わせることは、本開示の範囲内である。
【0063】
更に、重合性樹脂は、少なくとも1つの他のモノマー及び/又はオリゴマー(すなわち、上記のもの以外、すなわちモノマー又はオリゴマーの(メタ)アクリレート及びオリゴマーのウレタン(メタ)アクリレート)を含む組成物であってもよい。この、他のモノマーは、粘度を低減させ、及び/又はサーモメカニカル特性を向上させ、及び/又は屈折率を増加させる。これらの特性を有するモノマーには、アクリルモノマー(すなわち、アクリレート及びメタクリレートエステル、アクリルアミド、及びメタクリルアミド)、スチレンモノマー、並びにエチレン性不飽和窒素複素環が挙げられる。
【0064】
また、他の機能性を有する(メタ)アクリレートエステルも挙げられる。このタイプの化合物は、2−(N−ブチルカルバミル)エチル(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェノキシルエチル(tribromophenoxylethyl)アクリレート、t−ブチルフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、フェニルチオアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、アルコキシル化フェニルアクリレート、イソボルニルアクリレート及びフェノキシエチルアクリレートによって例示される。テトラブロモビスフェノールAジエポキシド及び(メタ)アクリル酸の反応生成物もまた好適である。
【0065】
他のモノマーもまた、モノマーのN置換又はN,N−二置換(メタ)アクリルアミド、特にアクリルアミドであってもよい。これらとしては、N−アルキルアクリルアミド及びN,N−ジアルキルアクリルアミド、特にC1〜4アルキル基を含有するものが挙げられる。例には、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドがある。用語「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及びメタクリルアミドを意味する。
【0066】
他のモノマーは更に、ポリオールマルチ(メタ)アクリレートであってもよい。そのような化合物は典型的に、2〜10の炭素原子を含有する、脂肪族ジオール、トリオール、及び/又はテトラオールから調製される。好適なポリ(メタ)アクリレートの例は、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクレート、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールトリアクリレート(トリメチロールプロパントリアクリレート)、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、相当するメタクリレート、及び前述のポリオールのアルコキシル化(通常はエトキシル化)誘導体の(メタ)アクリレートである。2つ以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーは架橋剤としての働きをすることができる。
【0067】
他のモノマーとして使用に適したスチレン化合物には、スチレン、ジクロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン、4−メチルスチレン及び4−フェノキシスチレンが挙げられる。エチレン性不飽和窒素複素環には、N−ビニルピロリドン及びビニルピリジンが挙げられる。
【0068】
放射線硬化性材料中の構成成分の比率は様々であってもよい。一般に、有機成分は、任意の残部である他のモノマー及び/又はオリゴマーを備えて、約30〜100%モノマー及び/若しくはオリゴマー(メタ)アクリレート、又はオリゴマーウレタンマルチ(メタ)アクリレートを含むことができる。
【0069】
市販されている液体−樹脂系材料(典型的に「ハードコート」と呼ばれる)は、マトリックスとして、又はマトリックスの構成要素として使用され得る。そのような材料には、California Hardcoating Co.(San Diego,CA)からのPERMANEWシリーズ及びMomentive Performance Materials(Albany,NY)からのUVHCシリーズが挙げられる。更に、市販されているナノ粒子充填マトリックス、例えば、Nanoresins AG(Geesthacht Germany)からのNANOCRYL及びNANOPOXなどが使用されてもよい。
【0070】
更に、ナノ微粒子含有ハードコートフィルム、例えば、東レフィルム加工株式会社(東京、日本)からのTHSシリーズ、リンテック株式会社(東京、日本)からのFPD用Opteria Hardcoated Films、Sony Chemical&Device Corp.(東京、日本)からのSony Optical Film、SKC Haas(Seoul,Korea)からのHardcoated Film、及びTekra Corp.(Milwaukee,Wi)からのTerrappin Gが本開示において使用されてもよい。
【0071】
表面平滑剤がマトリックスに添加されてもよい。平滑剤は、マトリックス樹脂の平滑化に使用されるのが好ましい。例には、シリコーン系平滑剤、アクリル系平滑剤、及びフッ素含有平滑剤が挙げられる。一実施形態では、シリコーン平滑剤は、ポリオキシアルキレン基が添加されるポリジメチルシロキサンを含む。
【0072】
マトリックスに有用な無機材料には、ガラス、金属酸化物、及びセラミックスが挙げられる。
【0073】
分散相(例えばナノ粒子分散相)は、マトリックス内に分散した(例えばランダムに)非連続相である。ナノスケールの分散相は、ナノ粒子(例えば、ナノ球体)、ナノチューブ、ナノ繊維、かご状分子、超分岐分子、ミセル、逆ミセル等を含んでもよい。好ましくは、分散相は、ナノ粒子又はかご状分子を含み、より好ましくは、分散相はナノ粒子を含む。分散相がマトリックス内で、ある程度の規則性、すなわちマトリックス内の組織化(例えば、基材のベースフィルムに向かって、又は基材のベースフィルムから外側に向かって、(例えばコーティングにおいて)少なくとも分離すること)を呈することは本開示の範囲内である。
【0074】
反応性イオンエッチングに好適な複合材料での分散相としてのナノ粒子は、約1nm〜約200nmの範囲、一部の実施形態では、約10nm〜200nmの範囲の平均径を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子は約20〜100nmの範囲の平均径を有する。一部の実施形態では、ナノ粒子は、5nm、20nm、又は75nmの平均径を有する。分散相のナノ粒子は、金属酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、ハロゲン化物、フルオロカーボン固形分等、又はこれらの混合物を含んでいることが好ましい。好ましい材料には、SiO、ZrO、TiO、ZnO、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、炭素、ポリ(テトラフルオロエチレン)等が挙げられる。好ましくは、ナノ粒子はSiOを含む。
【0075】
ナノ粒子は、約1体積%〜約75体積%、又は約5体積%〜約20体積%の量で、マトリックス中に存在してもよい。マトリックス相及び分散相の相対含有率は、当該技術分野において既知のように、体積%又は重量%で表すことができる。重量パーセントの組成物の記載を体積パーセントの組成物の記載に変換することは、当業者にとって容易に実施されているように、各相の密度に関する計算を必要とする。複合材料の組成物は、本明細書において、固体材料相の相対含有率に関してのみ記載されており、可能性のある孔(開孔又は閉孔)に関しては計算されていないということに留意する必要がある。そこに、孔もまた存在しているということは、本明細書に記載の複合体の組成物の範囲内である。本明細書の複合材料の組成物の表示は、複合材料に含まれる固体相の記述のみに限定されるが、それはらもまた孔が存在し得る。本開示の材料に用いるシリカは、Nalco Chemical Co.(Naperville,IL)から、商標名「Nalco Collodial Silicas」で、例えば製品1040、1042、1050、1060、2327、及び2329で市販されている。好適なヒュームドシリカには、商品名「AerosilシリーズOX−50」、並びに商品番号−130、−150、及び−200で、Evonikから市販されている製品が挙げられる。他のコロイドシリカは、表記「IPA−ST」、「IPA−ST−L」及び「IPA−ST−ML」でNissan Chemicalsから入手することもできる。ヒュームドシリカはまた、表記「CAB−O−SPERSE 2095」、「CAB−O−SPERSE A105」、及び「CAB−O−SIL M5」でCabot Corp.(Tuscola,IL.)から市販されている。本発明の組成物及び物品中で使用するジルコニアは、Nalco Chemical Co.より商標名「Nalco OOSSOO8」で入手可能である。
【0076】
ナノサイズの粒子を表面処理することで、ポリマー樹脂中での安定した分散をもたらことができる。好ましくは、表面処理は、粒子が重合性樹脂中に良好に分散されて、実質的に均質な組成物を生じるように、ナノ粒子を安定させる。更に、安定した粒子が硬化中に、重合性樹脂と共重合又は反応できるように、ナノ粒子は、その表面の少なくとも一部分を表面処理剤で改質されてもよい。
【0077】
ナノ粒子は、好ましくは表面処理剤で処理される。一般に、表面処理剤には、粒子表面に結合(共有結合、イオン結合、又は、強力な物理吸着による結合)することになる第1の末端部と、粒子に樹脂との相溶性をもたらすか、及び/又は、硬化中に樹脂と反応する、第2の末端部が備わっている。表面処理剤の例としては、アルコール、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、シラン、及びチタネートが挙げられる。好ましいタイプの処理剤は、金属酸化物表面の化学的性質によりある程度は決定される。シリカに対してはシランが好ましく、ケイ酸質充填剤に対しては他のものが好ましい。ジルコニアのような金属オキシドに対しては、シラン及びカルボン酸が好ましい。表面改質は、モノマーとの混合に続いて又は混合後のいずれかで行うことができる。シランの場合、樹脂へ組み込む前にシランを粒子又はナノ粒子の表面と反応させるのが好ましい。表面改質剤の必要量は、粒子サイズ、粒子タイプ、改質剤の分子量、及び改質剤のタイプのようないくつかの要素に依存する。
【0078】
表面処理剤の代表的な実施形態としては、化合物、例えば、イソオクチルトリ−メトキシ−シラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシ−エトキシエトキシエチルカルバメート(PEG3TES)、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG2TES)、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)酢酸(MEEAA)、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸、及びこれらの混合物が挙げられる。更に、商品名「Silquest A1230」でOSI Specialties(Crompton South Charleston,WV)から市販されている独自開発のシラン表面改質剤が適している。
【0079】
コロイド状分散中の粒子の表面改質は、種々の方法で実現できる。そのプロセスは、無機分散液と表面改質剤との混合物を伴う。任意選択的に、例えば、1−メトキシ−2−プロパノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、N,N−ジメチルアセトアミド、及び1−メチル−2−ピロリジノンのような共溶媒をこの時点で添加できる。共溶媒は、表面改質剤並びに表面改質された粒子の溶解度を向上できる。無機ゾル及び表面改質剤を含む混合物は、その後、室温又は高温で、混合ありか、又はなしで反応される。一方法では、混合物は約85℃で、約24時間反応されてもよく、表面改質されたゾルとなる。別の方法では、金属酸化物が表面改質されているところでは、金属酸化物の表面処理は、好ましくは、粒子表面への酸性分子の吸収を伴う場合がある。重金属酸化物の表面改質は、室温で実施するのが好ましい。
【0080】
シランでのZrOの表面改質は、酸性条件下又は塩基性条件下にて達成することができる。ある場合では、シランは、酸性条件下にて適した時間、加熱される。そのとき、分散物は、アンモニア水(又は他の塩基)と組み合わせられる。この方法は、ZrO表面からの酸対イオンの除去、及びシランとの反応を可能にする。他の方法では、粒子は、分散体から析出され、液相から分離される。
【0081】
表面改質剤の混合物が有用である可能性があり、その場合、表面改質剤の少なくとも1つには、硬化性樹脂と共重合可能な官能基が含まれている。例えば、重合化基は、エチレン性不飽和であるか、又は開環重合を起こす環式官能基であることができる。エチレン性不飽和重合化基は、例えば、アクリレート基又はメタクリレート基、若しくは又はビニル基であることができる。開環重合を起こす環式官能基には一般的に、酸素、イオウ、又は、窒素のようなヘテロ原子が含まれており、好ましくは、エポキシドのように酸素を含有する3員環である。
【0082】
ナノ分散相のための有用なかご状分子には、オリゴマー多面型シルセスキオキサン分子が挙げられ、これは、シリコーン及び酸素のかご様ハイブリッド分子である。オリゴマー多面型シルセスキオキサン(POSS)分子は、組成物及び命名法の共有システムの両方を介して、シリコーンに密接に関連する、連続して発展しているクラス由来である。POSS分子は2つの固有の特徴、(1)化学組成物は、シリカ(SiO)とシリコーン(RSiO)との間の、ハイブリッドで中間体(RSiO1.5)であり、(2)分子はポリマー径に対して物理的に大きく、大部分のポリマーセグメント及びコイルに対して、サイズはほぼ等しい、を有する。その結果、POSS分子は、シリカの、可能な最小粒子(約1〜1.5nm)として考えることができる。しかしながら、シリカ又は改質された粘度と異なり、それぞれのPOSS分子は、POSSモノマーをポリマー鎖に重合する又はグラフトするために好適な、共有結合した反応性官能基を含有する。更に、POSSアクリレート及びメタクリレートモノマーは、紫外線(UV)硬化に好適である。高機能性POSSアクリレート及びメタクリレート樹脂(例えば、MA0735及びMA0736)は、UV−硬化性アクリル及びアクリルウレタンモノマー又はオリゴマーの大部分と混和性であって、POSS分子が、有機コーティングマトリックス中に均一に分散したナノ相を形成する、機械的に耐久性のあるハードコートを形成する。
【0083】
炭素はまた、ナノ分散相中で、グラファイト、カーボンナノチューブ、バルキーボール(bulky ball)、又はカーボンブラックの形態で、例えば米国特許第7,368,161号(McGurranら)に記載のように使用され得る。
【0084】
ナノ分散相に使用することができる、更なる材料には、Irgastat(商標)P18(Tarrytown,NYのCiba Corporationから入手可能)及びAmpacet LR−92967(Tarrytown,NYのAmpacet Corporationから入手可能)が挙げられる。
【0085】
分散相は典型的に、約1体積%〜約75体積%、好ましくは約5体積%〜約20体積%の濃度で、マトリックス中に存在する。
【0086】
本発明のナノ構造化物品は、異方性のナノ構造を有することができる。ナノ構造化異方性表面は、典型的に、約2:1以上、好ましくは約5:1以上の、高さ対幅の比を有するナノ機構を含む。一部の実施形態では、高さと幅の比は、更には50:1以上、又は100:1以上、又は200:1以上である。ナノ構造化異方性表面は、例えば、ナノピラー若しくはナノコラム、又はナノピラー若しくはナノコラムを含む連続的なナノ壁を含むことができる。好ましくは、ナノ機構は、基材とほぼ垂直である、急勾配の側壁を有する。一部の実施形態では、ナノ機構の大部分は、分散相材料で末端保護されている。(マトリックスの内部に対して)表面の分散相の濃度は、約1体積%〜約75体積%、好ましくは約5体積%〜約20体積%であってもよい。一部の実施形態では、分散相の濃度は、マトリックス内よりも、マトリックスの表面の方が高い。ナノ構造化表面は典型的に、50〜750ナノメートルの、場合によっては75〜300ナノメートルの、及び場合によっては100〜200ナノメートルの高さを有するナノ構造体を含む。いったん金属被覆されると(例えばスパッタリングによって)、ナノ構造化表面は、ナノ構造体の高さとほぼ等しい範囲によって、金属で浸透され得る。ナノ構造化表面は典型的に、幅(それらの高さの約半分、15〜200ナノメートル、場合によっては50〜125ナノメートルにおいて)を有するナノ構造体を含む。ナノ構造体の表面は典型的に、5〜500ナノメートルの、場合によっては15〜100ナノメートルの横方向の間隔(すなわち、ナノ構造化主表面の平面において、ナノ構造体の高さの約半分の間隔)を含む。ナノ構造化主表面の平面おいて、ナノ構造体の高さの約半分の横方向の間隔は、主表面に垂直なナノ構造化表面を切断し、その距離を測定することによって(例えば透過電子顕微鏡によって)極めて詳細に測定することができる。ナノ構造化表面は典型的に、2:1の、場合によっては100:1の、又はこれより大きい高さ:幅の比を有するナノ構造体を含む。ナノ構造体の表面は典型的に0.05〜1の、場合によっては0.05〜0.35の反射率を呈する。ナノ構造体の表面は典型的に、(BYK−Gardner(Columbia,MD)のHaze−Gard Plusを使用して測定されたときに)0.1〜1の、場合によっては0.1〜0.4の拡散透過光率を呈する。
【0087】
一部の実施形態では、マトリックスは、汚れ及び粒子を引き付けるのを最小限に抑えて、したがって、表面の質を維持するための静電気分散のための材料を含んでもよい。静電気分散に好適な材料には、例えば、Stat−Rite(商標)ポリマー、例えばX−5091、M−809、S−5530、S−400、S−403、及びS−680(Lubrizol(Wickliffe,OH)から入手可能);3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)(H.C.Starck(Cincinnati,OH)から入手可能);ポリアニリン:ポリチオフェン:並びにPelestat(商標)NC6321及びNC7530帯電防止添加剤(Tomen America(New York,NY)より入手可能)が挙げられる。
【0088】
ナノ構造化表面は、マトリックスを異方的にエッチングすることによって形成される。マトリックスは、ナノスケールの分散相を含むマトリックスは、例えば、基材上のコーティングとして提供されてもよい。基材は、例えば、高分子基材、ガラス基材若しくは窓、又は有機発光ダイオード(OLED)、ディスプレイ、太陽光デバイス等などの機能デバイスであってもよい。分散相を含むマトリックスは、当該技術分野において既知の方法、例えばキャストドラムによるキャスティング硬化、ダイコーティング、フローコーティング、ディップコーティングなどを使用して、基材上にコーティングされ、硬化され得る。コーティングは、約1マイクロメートル超の又は好ましくは約4マイクロメートル超の任意の望ましい厚さで調製することができる。更に、コーティングは紫外線、電子ビーム、又は熱によって硬化されてもよい。あるいは、分散相を含むマトリックスは、物品それ自体であってもよい。
【0089】
一部の実施形態では、ナノスケールの分散相を含むマトリックスの表面は、マイクロ構造化されてもよい。例えば、V型の溝のマイクロ構造化表面を備える基材は、ナノ分散相を含む重合性マトリックス材料でコーティングされ、プラズマエッチングによって処理されて、V型の溝のマイクロ構造化表面上にナノ構造体を形成してもよい。あるいは、フレネルレンズ、又はナノ分散相を含むマイクロ複製の支柱若しくはコラムを含むマイクロ構造化物品などのマイクロ構造化物品はまた、プラズマエッチングによって処理されて、ナノ構造体をマイクロ構造体上に形成してもよい。
【0090】
化学反応性プラズマを使用して、マトリックスは異方的にエッチングされる。RIEプロセスは、例えば、電磁場によって真空条件下でプラズマを生成することを伴う。プラズマからの高エネルギーイオンが、マトリックス材料に衝突する、すなわちエッチングする。
【0091】
典型的なRIEシステムは、2つの平行な電極「通電電極」(又は「サンプルキャリア電極」)、及びイオンを向けて加速する電場を作製する対電極を備える真空チャンバからなる。通電電極は、チャンバの底部分にあり、チャンバの残りから電気的に単離されている。ナノ構造化される予定の物品又はサンプルは、通電電極上に配置されている。反応ガス種は、例えば、チャンバの頂部における小さな入口を介してチャンバに添加されてもよく、チャンバの底部の真空ポンプシステムに出ることができる。プラズマは、RF電磁場を通電電極に印加することによりシステム内に形成される。電磁場は典型的に、13.56MHz発振器を使用して作られるが、他のRF源及び周波数範囲が使用されてもよい。ガス分子は、破壊されて、プラズマ中にイオン化され、通電電極の方に加速し、サンプルをエッチングすることができる。大きな電圧差は、イオンを通電電極の方に向け、ここではイオンはエッチングされる予定のサンプルと衝突する。大半が、イオンの垂直の送達により、サンプルのエッチングのプロファイルは実質的に異方性である。通電電極は、通電電極に隣接するイオンシースにわたって、大きな電位差を作る対電極よりも小さいことが好ましい。好ましくは、エッチングは、約50ナノメートル超の、より好ましくは約75ナノメートル超の、更に好ましくは約100ナノメートル超の深さまでである。
【0092】
プロセス圧力は、典型的に約20ミリトール(2.67Pa)(好ましくは、約10ミリトール(1.33Pa)以下)に、しかし約1ミリトール(0.13Pa)超に維持される。この圧力範囲は、費用効率のよい方法で異方性ナノ構造体の生成に非常に貢献する。圧力が約20ミリトール(2.67Pa)より高いとき、イオンエネルギーの衝突消失効果により、エッチングプロセスはより異方性となる。同様に、圧力が約1ミリトール(0.13Pa)以下であるとき、反応種の数密度における減少のために、エッチング速度は非常に遅くなる。また、ガス真空条件が非常に高くなる。
【0093】
エッチングプロセスのRF電力の電力密度は、好ましくは約0.1〜約1.0ワット/cm(好ましくは、約0.2〜約0.3ワット/cm)の範囲である。
【0094】
使用されるガスの種類及び量は、エッチングされるマトリックス材料によって決まる。反応性ガス種は、分散相よりはむしろ、マトリックス材料を選択的にエッチングする必要がある。炭化水素のエッチング速度を向上させるために、又は非炭化水素材料エッチングのために、追加のガスが使用されてもよい。SiO、炭化タングステン、窒化ケイ素、アモルファスシリコン等をエッチングするために、例えば、フッ素含有ガス、例えば、パーフルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオロプロパン、六フッ化硫黄、三フッ化窒素等は、酸素に添加されるか、あるいはそれらによって導入されてもよい。例えばアルミニウム、イオウ、炭化ホウ素等の材料をエッチングするために、塩素含有ガスが同様に添加されてもよい。炭化水素ガス、例えばメタンが、ガリウムヒ素、ガリウム、インジウム等の材料をエッチングするために使用されてもよい。不活性ガス、特に、アルゴンなどの重ガスが添加されて、異方性エッチングプロセスを促進してもよい。
【0095】
有利なことに、本発明の方法は連続のロールツーロールプロセスを使用して実施することもできる。例えば、本発明の方法は「円筒型」のRIEを使用して実施することができる。円筒型RIEは、回転している円筒型電極を利用して、本発明の物品の表面上に異方性にエッチングされたナノ構造体を提供する。
【0096】
一般的に、本発明のナノ構造化物品を作製するための円筒型RIEは以下の通り記載され得る。回転可能な円筒型電極(「ドラム電極」)は、高周波(RF)によって通電され、接地した対電極は減圧容器の内部に提供される。対電極は減圧容器それ自体を構成してもよい。エッチャントを含むガスは、減圧容器内に供給され、プラズマが着火され、ドラム電極と接地した対電極との間に維持された。この条件は、十分なイオン衝突がドラムの周囲に垂直に向けられるように、選択される。ナノ分散相を含有するマトリックスを含む連続性物品は、ドラムの周囲において巻き付けられ、マトリックスは、物品の面に垂直な方向でエッチングされ得る。マトリックスは、例えばフィルム若しくはウェブ上などの物品上のコーティングの形態であってもよく、又はマトリックスは物品それ自体であってもよい。物品の暴露時間は、得られるナノ構造体の所定のエッチング深さが得られるように制御され得る。プロセスは、約10ミリトール(1.33Pa)の動作圧力で実施されてもよい。
【0097】
ナノ構造化され、マトリックス相及び分散相で形成されている複合体表面を含む一部の例示の実施形態では、マトリックスの反応性イオンエッチングを通じて暴露される分散体の部分、かつ、エッチングマスクとしてその挙動を通じてナノ構造化表面の形成となる部分が取り除かれ得る。すなわち、図15のナノ構造体の上方の範囲に終端する分散相の部分は、マトリックス材料を異方性形状に除去する、前述の反応性イオンエッチング工程の後に、例えば別個のエッチング工程において取り除かれてもよい(例えば、マトリックスをエッチングするのに選択されたものとは異なるガス組成物を用いたドライプラズマエッチング又はウェットエッチング)。
【0098】
これまで開示されている、改質基材は、内部に分散相を有するマトリックスを含む複合材料を反応性イオンエッチングすることによって形成されたナノ構造化及び反射防止性表面を含むが、かかる複合材料を有さないが、例えば単一相材料の非連続的な表面堆積によって部分的にマスクされている基材を反応性イオンエッチングすることによって画定される、ナノ構造化表面を有する基材を使用することは本発明の範囲内である。かかる基材はPlasma Processes and Polymers,Vol.6,Issue Supplement 1,pp.S716−S−721(2009)及びSurface and Coatings Technology,Vol.205,Issue Supplement 2,pp.S495〜497(2011)などの出版物に開示されている。
【0099】
一部の代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、この第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有する。
【0100】
いくつかの代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、この第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0101】
いくつかの代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、この第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0102】
一部の代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、この第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有する。
【0103】
いくつかの代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、この第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0104】
いくつかの代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、この第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0105】
一部の代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、この第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有する。
【0106】
いくつかの代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、この第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0107】
いくつかの代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、この第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0108】
一部の代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、10〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は1体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0109】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、10〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、1体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0110】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、10〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、1体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0111】
一部の代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、10〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、1体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0112】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、10〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、1体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0113】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、10〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、1体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0114】
一部の代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、10〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、1体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0115】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、10〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、1体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0116】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、10〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、1体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0117】
一部の代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、20〜100ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、5体積%〜20体積%でマトリックス中に存在する。
【0118】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、20〜100ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、5体積%〜20体積%でマトリックス中に存在する。
【0119】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、20〜100ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、5体積%〜20体積%でマトリックス中に存在する。
【0120】
一部の代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、20〜100ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、5体積%〜20体積%でマトリックス中に存在する。
【0121】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、20〜100ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、5体積%〜20体積%でマトリックス中に存在する。
【0122】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、20〜100ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、5体積%〜20体積%でマトリックス中に存在する。
【0123】
一部の代表的な実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートルの平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、20〜100ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、5体積%〜20体積%でマトリックス中に存在する。
【0124】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、20〜100ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、5体積%〜20体積%でマトリックス中に存在する。
【0125】
一部の実施形態では、物品は、反応性イオンエッチングによって調製された第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、この第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、20〜100ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、5体積%〜20体積%でマトリックス中に存在する。
【0126】
直前に述べた例示の実施形態に関して、金属導体は、0.1〜20マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.5〜10マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.5〜5マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.5〜4マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.5〜3マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.5〜2マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、1〜3マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.1〜0.5マイクロメートルの幅を有するトレースを含むメッシュマイクロパターンの形態で存在していてもよい。一部の実施形態では、メッシュ導体マイクロパターンの領域の開口面積(例えば、可視光透明導電性領域)は、80%〜99.5%であり、他の実施形態では90%〜99.5%であり、他の実施形態では、95%〜99%であり、他の実施形態では、96%〜99.5%であり、他の実施形態では、97%〜98%であり、他の実施形態では、最大で99.95%である。
【0127】
1つの代表的な実施形態では、物品は、第1のナノ構造化表面と、この第1のナノ構造化表面上に配置されたマイクロパターンの形態の導体とを有する透明基材を含み、第1のナノ構造化表面が、75〜250ナノメートルの高さ、15〜150ナノメートルの幅、及び10〜150ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、金属導体が50ナノメートル超の平均厚さを有し、マイクロパターンが、複数の開口セルを画定する複数のトレースによって形成され、マイクロパターンが、80%超の開口率を有し、トレースのそれぞれが、0.5〜3マイクロメートルの幅を有し、ナノ構造化表面が、マトリックス及びナノスケールの分散相を含み、ナノスケールの分散相が、10〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含み、ナノ粒子が、20〜75%の体積%でマトリックス中に存在する。
【0128】
直前に述べた例示の実施形態のいずれかに関して、金属導体は、後述のようにタッチセンサ駆動装置に更に接続され得る。
【0129】
構造化粒子コーティングを有する基材
上記のように、反応性イオンエッチングは、ナノ構造化表面を有する基材を作製する1つの方法である。第2の方法は、本開示で有用な、第2のタイプのナノ構造化基材、すなわち、構造化粒子コーティングを有する基材を作製するために記載されている。このタイプの基材を作製する、かかる方法及び装置は、本出願と同日出願の、代理人整理番号68268US002を有する「Nanostructured Materials and Methods of Making the Same」と題された譲受人の同時継続出願に十分に記載されている。
【0130】
第2のプロセスは、制御された阻害剤の気体環境における、硬化性樹脂とサブマイクロメートルの粒子の混合物の重合を対象とする。サブマイクロメートル(submicrometer)、サブマイクロメートル(sub micrometer)、及びサブミクロンは本明細書では同じ意味で用いられる。物質は化学線を用いて重合され得る。放射線硬化性プレポリマー、サブマイクロメートル粒子、及び溶媒(任意)を含む溶液は、表面構造化物品の製造に特に適している場合がある。溶媒は複数の溶媒の混合物であり得る。重合時(第1の硬化)に、表面層は、阻害剤の気体(例えば酸素及び空気)の存在により阻害され、その一方で、コーティングのバルクは硬化される。突出したサブマイクロメートルの粒子(すなわちナノ構造体)を含む表面構造体が生じる。表面領域は実質的に重合され(第2の硬化)、硬化した構造化コーティングを生じさせる。表面層のその後の重合は、同じ硬化チャンバ内で、又は少なくとも1つの追加の硬化チャンバ内で生じ得る。第1の硬化と後に続く硬化との間は、例えば60秒未満(すなわち、更には45秒未満、30秒未満、25秒未満、20秒未満、15秒未満、10秒未満、又は更には5秒未満)であってもよく、一部の実施形態ではほとんど瞬間的であってもよい。
【0131】
図16は、本開示の一態様によるナノ構造化物品180及び190を形成する例示のプロセス100の概略である。第1の溶液110は、任意の溶媒120内で重合性材料130及びサブマイクロメートル粒子140を含む。本明細書で使用するとき、用語、溶液は、内部で懸濁している粒子を含む液体に適用されることがあり、したがって懸濁液、すなわち分散液として説明され得る。溶媒120の主要部分は、第1の溶液110から取り除かれ、実質的に重合性材料130及びサブマイクロメートル粒子140を含む第2の溶液150を形成する。溶液150は、阻害剤の気体の存在下で化学線硬化により重合され、ナノ構造化材料180を形成する。ナノ構造化材料180は、第1及び第2の一体領域を含む。第2の領域175は、実質的に重合化マトリックス材料170及びサブマイクロメートル粒子140を含む。第1のナノ構造化領域178は、重合性材料135及びサブマイクロメートル粒子140を含む。第1の領域178は外側主表面137を有し、ここでは少なくとも最外のサブマイクロメートル粒子が重合性材料135によって部分的にコンフォーマルコーティングされる。「部分的にコンフォーマルコーティングされる」によって、例えば図16から、重合性材料135が、一部のサブマイクロメートル粒子の外側表面の一部分をコンフォーマルコーティングする一方で、これらのサブマイクロメートル粒子の一部は、それらの外側表面をコンフォーマルコーティングする量を越える量の重合性材料135を有するということが理解され、明らかである。材料180は、化学線によって更に重合され、ナノ構造化材料190を形成する。ナノ構造化材料190は、第1及び第2の一体領域を含む。第2の領域195は、重合化マトリックス材料160及びサブマイクロメートル粒子140を含む。第1のナノ構造化領域198は、重合した材料165及びサブマイクロメートル粒子140を含む。第1の領域198は、外側主表面167を有し、少なくとも最外のサブマイクロメートル粒子は高分子材料165によって部分的にコンフォーマルコーティングされ、かつ任意に、高分子材料165に共有結合される。領域198のサブマイクロメートル粒子140の少なくとも一部分は、粒子の突出部の形態をとった(すなわち突出した粒子)ナノ構造体を形成する。粒子の配置によって、粒子突出部の高さ(すなわち突出する粒子の最外範囲から、その隣接する凹部までの垂直距離)は、粒子の半径とほぼ同じであってもよく、粒子の全直径とほぼ同じであってもよく、又は粒子の全直径よりも大きくてもよい。いったん金属被覆されると(例えばスパッタリングによって)、ナノ構造化領域の表面(すなわちナノ構造化表面)、ナノ構造体の高さとほぼ等しい範囲が金属によって浸透され得る。第1及び第2の領域198及び195はそれぞれ、第1及び第2の平均密度を有し、第1の平均密度は第2の平均密度よりも小さい。図16には示されていないが、第1の溶液110を基材(図示せず)の上にコーティングして、基材上にナノ構造化コーティングを形成することができることを理解されたい。
【0132】
一部の実施形態では、コーティングは、突出しているサブマイクロメートル粒子の最大で10%までの(一部の実施形態では、最大で20%まで、30%まで、40%まで、50%まで、60%まで、70%まで、80%まで、又は更には少なくとも90%の)密接に詰まった、部分的に、コンフォーマルコーティングされたサブマイクロメートル粒子のアレイを形成することができる。
【0133】
一部の実施形態では、平均的なサブマイクロメートル粒子の中心から中心までの間隔は1.1(一部の実施形態では、少なくとも1:2、1.3、1:5、又は更には少なくとも2)の直径で離れている。
【0134】
一部の実施形態では、本明細書に記載の物品(例えば、望ましい反射防止特性を有する一部の実施形態)は、50nm〜200nmの範囲の(一部の実施形態では、75nm〜150nm)表面勾配密度の厚さを有する。ポリマーマトリックスに硬化される、突出したサブマイクロメートル粒子の実質的に最密(高度に充填された)アレイは、耐久性のある勾配屈折率面層となり、反射防止性となる。本明細書に記載の重合性材料(例えば図16の130)(すなわち連続相に含まれる)は、フリーラジカル硬化性プレポリマーを含む。例示のフリーラジカル硬化性プレポリマーには、ラジカル重合によって重合する(硬化する)モノマー、オリゴマー、ポリマー、及び樹脂が挙げられる。好適なフリーラジカル硬化性プレポリマーには、(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、及びポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、及びフッ素化メタアクリレートが挙げられる。例示のラジカル硬化性基としては、(メタ)アクリレート基、オレフィン性炭素−炭素二重結合、アリルオキシ基、α−メチルスチレン基、スチレン基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、ビニル基、アリル基、及びこれらの組み合わせが挙げられる。典型的に、重合性材料は、フリーラジカル重合性基を含む。一部の実施形態では、重合性材料(例えば図16の130)は、アクリレート及びメタクリレートモノマーを、特に多官能性(メタ)アクリレート、二官能性(メタ)アクリレート、1官能性(メタ)アクリレート、及びこれらの組み合わせを含む。
【0135】
本明細書で使用するとき、用語「モノマー」は、1つ以上のラジカル重合性基を有する比較的低分子量の材料(すなわち、約500g/モル未満の分子量を有する)を意味する。「オリゴマー」とは、約500g/モルから約10,000g/モルの範囲の分子量を有する比較的中分子量の物質を意味する。「ポリマー」とは、少なくとも約10,000g/モル(一部の実施形態では10,000g/モル〜100,000g/モルの範囲)分子量を有する比較的高分子量の物質を意味する。用語「分子量」とは、本明細書全体を通して用いられるとき、明示的に別段の定めをした場合を除いて数平均分子量を意味する。
【0136】
一部の例示の実施形態では、重合性組成物は、少なくとも1つのモノマー又はオリゴマーの多官能性(メタ)アクリレートを含む。典型的には、多官能性(メタ)アクリレートは、トリ(メタ)アクリレート及び/又はテトラ(メタ)アクリレートである。一部の実施形態では、より高い官能性モノマー及び/又はオリゴマーの(メタ)アクリレートが使用されてもよい。多官能性(メタ)アクリレートの混合物もまた使用されてもよい。
【0137】
代表的な多官能性(メタ)アクリレートモノマーにはポリオールマルチ(メタ)アクリレートが挙げられる。そのような化合物は典型的に、3〜10の炭素原子を含有する、脂肪族トリオール、及び/又はテトラオールから調製される。好適な多官能性(メタ)アクリレートの例は、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、相当するメタクリレート、及び前述のポリオールのアルコキシル化(通常はエトキシル化)誘導体の(メタ)アクリレートである。多官能性モノマーの例には、Sartomer Co.(Exton,PA)から商品名「SR−295」、「SR−444」、「SR−399」、「SR−355」、「SR494」及び「SR−368」、「SR−351」、「SR492」、「SR350」、「SR415」、「SR454」、「SR499、501」、「SR502」、「SR9020」、並びにSurface Specialties(Smyrna,GA)からの「PETA−K」、「PETIA」、及び「TMPTA−N」が挙げられる。多官能性(メタ)アクリレートモノマーは、構造化表面に耐久性及び硬度を付与することができる。一部の例示の実施形態では、重合性組成物は少なくとも1つのモノマー又はオリゴマーの二官能性(メタ)アクリレートを含む。代表的な二官能性(メタ)アクリレートモノマーにはジオール二官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。そのような化合物は典型的に、2〜10の炭素原子を含有する、脂肪族ジオールから調製される。好適な二官能性(メタ)アクリレートは、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,12−ドデカンジオールジメタクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、1,4ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、及びジプロピレングリコールジアクリレートである。二官能性ポリエーテルからの二官能性(メタ)アクリレートもまた有用である。例には、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0138】
一部の例示の実施形態では、重合性組成物は少なくとも1つのモノマー又はオリゴマーの1官能性(メタ)アクリレートを含む。例示の1官能性(メタ)アクリレート及び他のフリーラジカル硬化性モノマーには、スチレン、α−メチルスチレン、置換スチレン、ビニルエステル、ビニルエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリレート、イソ−オクチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエトキシレート(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、無水マレイン酸、イタコン酸、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N−ビニルカプロラクタム、ステアリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ官能カプロラクトンエステル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、これらの組み合わせが挙げられる。1官能性(メタ)アクリレートは、例えばプレポリマー組成物の粘度及び官能性を調節するのに好適である。
【0139】
オリゴマー材料はまた、本明細書に記載のサブマイクロメートル粒子を含む材料を作製するのに有用である。オリゴマー材料は、光学及び耐久のバルク特性を硬化組成物に寄与する。代表的な二官能性オリゴマーには、エトキシル化(30)ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジメタクリレート、エトキシル化(2)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシル化(6)ビスフェノールAジメタクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレートが挙げられる。一般的な有用な二官能性オリゴマー及びオリゴマー配合物には、Sartomer Co.から入手可能な商品名「CN−120」、「CN−104」、「CN−116」、「CN−117」、及びCytec Surface Specialties(Smyrna,GA)からの「EBECRYL 1608」、「EBECRYL 3201」、「EBECRYL 3700」、「EBECRYL 3701」、「EBECRYL 608」が挙げられる。他の有用なオリゴマー及びオリゴマー配合物には、Sartomer Co.から入手可能な商品名「CN−2304」、「CN−115」、「CN−118」、「CN−119」、「CN−970A60」、「CN−972」、「CN−973A80」及び「CN−975」並びにCytec Surface Specialtiesからの「EBECRYL 3200」、「EBECRYL 3701」、「EBECRYL 3302」、「EBECRYL 3605」、「EBECRYL 608」が挙げられる。
【0140】
高分子マトリックスは、官能性高分子材料、例えば耐候性高分子材料、疎水性の高分子材料、親水性高分子材料、帯電防止高分子材料、耐染色性高分子材料、電磁遮蔽用導電高分子材料、抗菌性高分子材料、又は耐摩耗性高分子材料から作製され得る。官能性親水性又は帯電防止高分子マトリックスは、親水性アクリレート、例えばヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、異なるポリエチレングリコール(PEG)分子量を備えるポリ(エチレングリコール)アクリレート、及び他の親水性アクリレート(例えば3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルアクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシプロピルアクリレート)を含む。
【0141】
一部の実施形態では、溶媒(例えば図16の120を参照)は、例えば放射線硬化性プレポリマー(例えば図16の130を参照)又は基材(含まれる場合)のいずれかの分解温度を越えない温度における乾燥によって、溶液110から取り除くことができる。例示の一実施形態では、乾燥中の温度は、基材が変形しやすい温度(例えば、基材の反り温度又はガラス転移温度)より低く維持される。例示的な溶媒としては、線状、分枝状、及び環状炭化水素、アルコール、ケトン、及びプロピレングリコールメチルエーテル(例えば1−メトキシ−2−プロパノール)などの及びエーテル、イソプロピルアルコール、エタノール、トルエン、酢酸エチル、2−ブタノン、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、芳香族炭化水素、イソホロン、ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、エステル(例えば、ラクテート、アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMアセテート)、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート(DEアセテート)、エチレングリコールブチルエーテルアセテート(EBアセテート)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(DPMアセテート)、イソ−アルキルエステル、イソヘキシルアセテート、イソヘプチルアセテート、イソオクチルアセテート、イソノニルアセテート、イソデシルアセテート、イソドデシルアセテート、イソトリデシルアセテート、及びその他のイソ−アルキルエステル)、水、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0142】
第1の溶液(例えば図16の110を参照)はまた連鎖移動剤を含んでもよい。連鎖移動剤は、重合前のモノマー混合物に可溶性であるのが好ましい。好適な連鎖移動剤の例としては、トリエチルシラン及びメルカプタンが挙げられる。
【0143】
反応開始剤、例えば光開始剤は、第2の溶液に存在するプレポリマーの重合を促進するのに効果的な量で使用することができる(例えば図16の150を参照)。光開始剤の量は、例えば開始剤のタイプ、開始剤の分子量、得られるナノ構造化材料(例えば図1の180及び190を参照)の対象用途、並びに、プロセスの温度及び使用される化学線の波長を含む重合性プロセスによって変化し得る。有用な光開始剤としては、例えば、Ciba Specialty Chemicalsから「IRGACUR 184」及び「IRGACUR 819」など商品名「IRGACURE」及び「DAROCURE」で入手可能なものが挙げられる。
【0144】
サブマイクロメートル粒子は、ナノ粒子を(例えばナノ球体及びナノチューブ)を含む。サブマイクロメートル粒子は、会合若しくは非会合、又は両方であってもよい。サブマイクロメートル粒子は球状、又は様々な他の形状を有してもよい。例えば、サブマイクロメートル粒子は、細長くてもよく、様々なアスペクト比を有してもよい。一部の実施形態では、サブマイクロメートル粒子は、無機サブマイクロメートル粒子、有機(例えば高分子)サブマイクロメートル粒子、又は有機及び無機サブマイクロメートル粒子の組み合わせであってもよい。1つの代表的な実施形態では、サブマイクロメートル粒子は、多孔質粒子、中空粒子、中実粒子、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0145】
一部の実施形態では、サブマイクロメートル粒子は、5nm〜1000nm(一部の実施形態では、20nm〜750nm、50nm〜500nm、75nm〜300nm、又は更には100nm〜200nm)の範囲である。サブマイクロメートル粒子は約10nm〜約1000nmの範囲の平均径を有する。用語「サブマイクロメートル粒子」は、約1000nm未満の直径を有するコロイド(一次粒子又は会合粒子)を意味することが本明細書において更に定義され得る。本明細書で使用するとき、用語「会合粒子」は、凝集及び/又は粒塊される2つ又はそれ以上の一次粒子の群を指す。本明細書において使用するとき、用語「凝集した」は、互いに化学的に結合し得る一次粒子間の強い会合を表す。凝集体のより小さい粒子への分解は、達成が困難である。用語「凝集した」とは、本明細書において使用するとき、電荷又は極性によって互いに保持され得、より小さい要素へと分解し得る、一次粒子の弱い会合を表す。用語「一次粒径」は、本明細書において、会合していない粒子単独の大きさとして定義される。サブマイクロメートルの分散相の寸法(dimension)すなわち寸法(size)は、電子顕微鏡(例えば、透過電子顕微鏡(TEM))によって決定され得る。
【0146】
サブマイクロメートル(ナノメートル寸法を含む)の粒子は、例えば、炭素、金属、金属酸化物(例えばSiO、ZrO、TiO、ZnO、ケイ酸マグネシウム、酸化インジウムスズ、及び酸化アンチモンスズ)、炭化物(例えば、SiC及びWC)、窒化物、ホウ化物、ハロゲン化物、フッ化炭素固体(例えば、ポリ(テトラフルオロエチレン))、カーボネート(例えば、炭酸カルシウム)、及びこれらの混合物を含み得る。一部の実施形態では、サブマイクロメートル粒子は、SiO粒子、ZrO粒子、TiO粒子、ZnO粒子、Al粒子、炭酸カルシウム粒子、ケイ酸マグネシウム粒子、酸化インジウムスズ粒子、酸化アンチモンスズ粒子、ポリ(テトラフルオロエチレン)粒子、又は炭素粒子を含む。金属酸化物粒子は、完全に凝結し得る。金属酸化物粒子は結晶質であり得る。
【0147】
サブマイクロメートル粒子又は改質サブマイクロメートル粒子(分散相)の、ラジカル硬化性プレポリマー(マトリックス)に対する重量比は、粒子配合の1つの目安である。一部の実施形態では、粒子はマトリックス内に約10:90〜80:20(一部の実施形態では、例えば20:80〜70:30)の範囲の量で存在する。体積パーセントを単位として、一部の実施形態では、サブマイクロメートル粒子は、約40体積%〜85体積%(すなわち粒子:マトリックスに関して、体積で40:60〜85:15)の範囲の量でマトリックス中に存在する。より好ましくは、粒子は、45体積%〜75体積%の範囲の、更により好ましくは50体積%〜70体積%の範囲の量でマトリックス中に存在する。ナノ構造化表面は典型的に、50〜750ナノメートルの、場合によっては75〜300ナノメートルの、及び場合によっては100〜200ナノメートルの高さを有するナノ構造体を含む。いったん金属被覆されると(例えばスパッタリングによって)、ナノ構造化表面は、ナノ構造体の高さとほぼ等しい範囲によって、金属で浸透され得る。ナノ構造化表面は典型的に、幅(それらの高さの約半分、15〜200ナノメートル、場合によっては50〜125ナノメートルにおいて)を有するナノ構造体を含む。ナノ構造体の表面は典型的に、5〜500ナノメートルの、場合によっては15〜100ナノメートルの横方向の間隔(すなわち、ナノ構造化主表面の平面において、ナノ構造体の高さの約半分の間隔)を含む。
【0148】
サブマイクロメートル粒子は、上記の反応性イオンエッチング(RIE)プロセスに説明されているのと同じプロセス及び表面処理剤を使用して表面処理されてもよい。RIEプロセスに開示されている表面平滑化剤はまた、構造化粒子コーティングを有する基材を作製する、この第2のプロセスに使用されてもよい。
【0149】
ナノ構造化コーティングの作製プロセスは一般的に、(1)表面改質サブマイクロメートル粒子、ラジカル硬化性プレポリマー及び溶媒(任意)を含むコーティング溶液を提供すること、(2)この溶液をコーティング装置に供給すること、(3)このコーティング溶液を、多くのコーティング技法のうちの1つによって基材に適用すること、(4)コーティングから溶媒を実質的に取り除くこと(任意)、(5)制御された量の阻害剤ガス(例えば酸素)の存在において、この材料を重合し、構造化表面をもたらすこと、並びに(6)乾燥させた重合コーティングを、例えば追加の熱、可視の、紫外線(UV)、又は電子ビーム硬化によって任意に後処理することを含む。既に上記のとおり、これらの工程の生成物は、複合体コーティング材料を生じさせ、少なくとも最外のサブマイクロメートルの粒子は重合性材料によって部分的にコンフォーマルコーティングされる。最外のサブマイクロメートル粒子を少なくとも部分的にコンフォーマルコーティングする重合材料が、例えばスパッタリングによる金属被覆前に、実質的に取り除かれるのは本開示の範囲内である。少なくとも部分的に最外のサブマイクロメートル粒子をコンフォーマルコーティングする重合性材料の除去は、本明細書に記載のように、反応性イオンエッチングを含んでもよい。
【0150】
図17Aは、基材302上のナノ構造化コーティング366及び376を作製するための、例示のプロセス300の概略図を示す。図17Aに示されるプロセス300は、連続プロセスであるが、プロセスは代わりに、段階的な方式で(すなわち、コーティングする工程、溶媒を除去する工程(任意)、及び以下の重合工程は、ナノ構造化コーティング(材料)を形成するために、別個の操作において個々の基材片上に実施されてもよいということが理解される。
【0151】
図17Aに示すプロセス300は、基材302を、コーテング区分310に通過させる。プロセス300は、任意の第1の溶媒除去区域320及び任意の第2の溶媒除去区域350を有して、基材302上にコーティング356を形成する。基材302上のコーティング356は次いで、重合区域360を通過して、基材302上にナノ構造化コーティング366を形成し、並びに、任意の第2の重合区域370を通過して、基材302上にナノ構造化コーティング376を形成し、これは次いで、出力ロール380として巻き上げられる。任意の重合区域370は、温度制御されたバックアップロール372が設けられてもよい。一部の実施形態では、プロセス300は、ウェブ系材料の製造にとって一般的な、追加的処理装置(アイドラーロール、引張りローラー、操縦機構、表面処理装置(例えば、コロナ又は火炎処理装置)、及び積層ロールが挙げられる)を含む。一部の実施形態では、プロセス300は、異なるウェブ経路、コーティング技術、重合装置、重合装置の配置、及び乾燥オーブンを利用し、この記載された区域のいくつかは任意であってよい。
【0152】
基材302は、入力ロール301から巻き戻され、アイドラーロール303を通過し、コーティング区域310でコーティングロール304に接触する。第1の溶液305はコーティングダイ307を通過して、基材302上に第1の溶液305の第1のコーティング306を形成する。第1の溶液305は、溶剤、重合性材料、サブマイクロメートル粒子、光開始剤、及び本明細書で記載されている他の第1の溶液成分を含むことができる。コーティング区域310におけるコーティングダイ307と、第1の溶媒除去区域320との間に配置されたシュラウド308は、室内の周辺条件からコーティング306を保護し、いずれかの望ましくないコーティングに対する影響を低減する。シュラウド308は、第1のコーティング306に近接して配置され、コーティングダイ307及びコーティングロール304の周囲に密閉部をもたらす、例えば成形アルミニウムシートであってもよい。一部の実施形態では、シュラウド308は任意であってもよい。
【0153】
第1の任意の溶媒除去区域は、例えば米国特許第5,694,701号(Huelsmanら)及び同第7,032,324号(Kolbら)に記載されている、間隙乾燥機であってもよい。間隙乾燥機は、乾燥環境をより良好に制御することができ、このことは、使用目的によっては望ましい場合もある。溶媒の主要部分(すなわち90重量%超(一部の実施形態では、80重量%超、70重量%超、60重量%超、更には50重量%超)を確実に除去するために、任意の第2の溶媒除去区域350が更に使用されてもよい。溶媒は、例えば空気浮上/空気対流を含むことができる熱オーブンの中で乾燥することによって、真空乾燥、間隙乾燥、又は乾燥技術の組み合わせによって除去することができる。乾燥技術の選択は、例えば、所望の処理速度、溶媒除去の程度、及び予期されるコーティング形態によって決定され得る。
【0154】
図17Bは、図17Aに示されるプロセス300の重合区域360(及び370)の概略図である。図17Bは、基材302の縁部に沿って見られるように重合区域360(及び370)の断面図を示す。重合区域360は、放射線源325と硬化チャンバ環境327との間の境界を提供するハウジング321と水晶板322とを備えている。硬化チャンバ環境327は、基材302上の第1コーティング356と(少なくとも部分的に)重合したコーティング366を部分的に包囲する。少なくとも部分的に重合化したコーティング366は、本明細書に記載のナノ構造体を含む。
【0155】
制御された硬化チャンバ環境327についてここで説明する。ハウジング321は、入口開口部328と出口開口部329とを含み、これらは、基材302と、基材302上のコーティング356と、それぞれの開口部との間に任意の所望の間隙を提供するように調整することができる。制御された硬化チャンバ環境327、並びに第1及び第2のコーティング356及び366の温度は、圧盤326の温度(又は硬化チャンバ370の温度制御されたロール)によって制御することができ(これは、生じた熱を取り除くことによって温度を制御するために、例えば空気又は水のいずれかによって冷却される金属から製造することができる)、並びに、第1の入力ガス331、第2の入力ガス333、第1の出力ガス335、及び第2の出力ガス334の温度、組成物、圧力、及び流速の適切な制御によって制御され得る。入口開口部328及び出口開口部329それぞれの寸法の適切な調整は、第1の出力ガス335及び第2の出力ガス334のそれぞれの圧力及び流速の制御を支援することができる。阻害剤ガス内容物は、チャンバハウジング321におけるポート323を通じてモニタリングされる。
【0156】
第1の入力ガスマニホールド330は、ハウジング321内で、入口開口部328に近接して配置されて、第1の入力ガス331を、均一性を有して第1のコーティング356の幅全体に分配する。第2の入力ガスマニホールド332は、ハウジング321内で、出口開口部329に近接して配置されて、第2の入力ガス333を、均一性を有して第12コーティング366の幅全体に分配する。第1及び第2の入力ガス331、333はそれぞれ同じであってもよく、又はそれらは異なっていてもよく、阻害剤ガス344及び345(例えば酸素及び空気)と組み合わされた不活性ガス341及び342(例えば、窒素及び二酸化炭素)を含んでもよく、この阻害剤ガス344及び345は入力ガス331及び333内の阻害剤ガスの濃度を制御するために組み合わされてもよい。相対的構成、流量、流速、コーティングの流動衝突、及び各第1及び第2の入力ガス331、333の温度はそれぞれ、独立して制御することができ、放射線硬化チャンバ内に望ましい環境を得るために調節することができる。一部の実施形態では、第1及び第2の入力ガス331、333それぞれのうちの1つのみが流れていてもよい。入力ガスマニホールドの他の構成もまた可能である。
【0157】
基材302上のナノ構造化コーティング366は、重合区域360を出て、次いで任意の第2の重合区域370を通過して、基材302上に任意で、第2のナノ構造化コーティング376を形成する。任意の第2の重合区域は、ナノ構造化コーティング366の硬化の範囲を増加させることができる。一部の実施形態では、硬化の範囲を増加させることは、残りの重合性材料(すなわち残りの重合性材料(例えば図16の135を参照))を重合することを含み得る。基材302上のナノ構造化コーティング376は、任意の第2の重合区域370を出て、次いで出力ロール380として巻き取られる。一部の実施形態では、出力ロール380は、ナノ構造化コーティングに積層される別の所望のフィルム(図示せず)を有し、同時に出力ロール380に巻かれてもよい。他の実施形態では、追加層(図示せず)を、ナノ構造化コーティング366及び376、又は基材302のいずれかの上においてコーティング、硬化、及び乾燥することができる。
【0158】
放射線源325は、様々な化学線源(例えばUV LED、可視LED、レーザ、電子線、水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、タングステンフィラメントランプ、閃光ランプ、太陽光、及び低強度の紫外線(ブラックライト))のいずれかであってもよい。一部の実施形態では、放射線源325は、UV放射線を生成することができる。異なる波長で放射する放射線源の組み合わせを使用して、重合反応の速度及び程度を制御することができる。放射線源は動作中に熱を生成することができ、熱抽出機326は、生成された熱を取り去ることによって温度を制御するために、空気又は水のいずれかによって冷却されるアルミニウムで製作することができる。
【0159】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有し、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有する。
【0160】
一部の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有し、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0161】
一部の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有し、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0162】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有し、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有する。
【0163】
一部の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有し、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0164】
一部の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有し、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0165】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有し、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有する。
【0166】
一部の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有し、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0167】
一部の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有し、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有する。
【0168】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、50〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、40体積%〜85体積%でマトリックス中に存在する。
【0169】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、50〜250ナノメートルの粒径を有するナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、40体積%〜85体積%でマトリックス中に存在する。
【0170】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、50〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、40体積%〜85体積%でマトリックス中に存在する。
【0171】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、50〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、40体積%〜85体積%でマトリックス中に存在する。
【0172】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、50〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、40体積%〜85体積%でマトリックス中に存在する。
【0173】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、50〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、40体積%〜85体積%でマトリックス中に存在する。
【0174】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、50〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、40体積%〜85体積%でマトリックス中に存在する。
【0175】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、50〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、40体積%〜85体積%でマトリックス中に存在する。
【0176】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、50〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、40体積%〜85体積%でマトリックス中に存在する。
【0177】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、100〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含む、ナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、45体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0178】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、100〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相を含み、ナノ粒子は、45体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0179】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、100〜200ナノメートルの粒径を含むナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、45体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0180】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、100〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、45体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0181】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、100〜200ナノメートルの粒径を有するナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、45体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0182】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、75〜300ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、100〜200ナノメートルの粒径を有するナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、45体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0183】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は50ナノメートル超の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、100〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、45体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0184】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.075〜0.5マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、100〜200ナノメートルの粒径を有するナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、45体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0185】
一部の例示の実施形態では、物品は、構造化粒子コーティングの形態の第1のナノ構造化表面を有する透明基材と、第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体と、を含み、第1のナノ構造化表面は、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、導体は0.1〜0.25マイクロメートルの範囲の平均厚さを有し、ナノ構造化表面は、マトリックスと、100〜200ナノメートルの粒径を有するナノスケールの分散相と、を含み、ナノ粒子は、45体積%〜75体積%でマトリックス中に存在する。
【0186】
直前に述べた例示の実施形態に関して、金属導体は、0.1〜20マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.5〜10マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.5〜5マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.5〜4マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.5〜3マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.5〜2マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、1〜3マイクロメートルの範囲の幅を有し、一部の実施形態では、0.1〜0.5マイクロメートルの幅を有するトレースを含むメッシュマイクロパターンの形態で存在していてもよい。一部の実施形態では、メッシュ導体マイクロパターンの領域の開口面積(例えば、可視光透明導電性領域)は、80%〜99.5%であり、他の実施形態では90%〜99.5%であり、他の実施形態では、95%〜99%であり、他の実施形態では、96%〜99.5%であり、他の実施形態では、97%〜98%であり、他の実施形態では、最大で99.95%である。
【0187】
直前に述べた例示の実施形態のいずれかに関して、金属導体は、後述のようにタッチセンサ駆動装置に更に接続され得る。
【0188】
導体マイクロパターンの作製方法
本開示の設計を有する導体マイクロパターンは、任意の好適な方法を使用して調製することができる。導体マイクロパターンを調製する方法の例には、減法又は加法が挙げられる。例示の減法は、基材(例えば可視光線透過性基材)上に配置された金属コーティング上にパターン化されたマスクを配置し、続いて、選択的エッチングを含む(マスクによって被覆されていない金属コーティングの領域から金属が除去され、マスクによって被覆されている金属コーティング領域では金属は残る)。好適なマスクには、フォトレジスト(当該技術分野において既知であるように、フォトリソグラフィーによってパターン化されている)、印刷されたポリマー(例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、若しくはインクジェット印刷によってパターン化されている)、又は印刷された自己組織化単分子膜(例えばエラストマーのレリーフスタンプを用いるマイクロコンタクト印刷を使用して印刷される)が挙げられる。他の事例の減法には、基材(例えば、可視光線透過性基材)上のパターン化されたリフトオフマスクの初期配置、金属導体(例えば薄膜金属)で遮蔽されている領域及び遮蔽されていない領域のブランケットコーティング、並びにリフトオフマスク及びその上に配置された任意の金属の洗浄を含む。代表的な加法プロセスは、基材(例えば可視光線透過性基材)上に、所望のマイクロパターン形状の形態で無電解の堆積触媒を印刷し、続いてパターン化した無電解金属の堆積(例えば銅又はニッケル)を含む。
【0189】
導体マイクロパターンの生成の好ましい方法は、マイクロコンタクトの印刷を含む。導体パターンの反射率を減少させる他の方法と比較したとき(カーボンブラックが充填された材料によるコーティング、又は部分的に金属を反応させて、硫化物などの吸収反応生成物を形成すること)、本明細書に記載の手法は、マイクロコンタクト印刷及びエッチングに基づいたパターン化手法との組み合わせに特に適しており、したがって、特定のマイクロパターンの設計パラメータ(例えば、0.5〜10マイクロメートル、0.5〜5マイクロメートル、0.5〜4マイクロメートル、0.5〜3マイクロメートル、又は1〜3マイクロメートルのトレース幅)及び導体厚さ(例えば、0.025〜2マイクロメートル、0.05〜2マイクロメートル超、0.05〜1マイクロメートル超、0.075〜0.5マイクロメートル、0.1〜0.25マイクロメートル)を製造することができるということが判明した。カーボンブラックが充填された材料をミクロンスケールの形状上に配置することは実用的ではない。サブマイクロメートルの厚さの金属(例えば、0.075〜0.5マイクロメートル、又は0.1〜0.25マイクロメートル)の吸収性反応生成物への部分的な化学変換は、層の電気伝導度をも実質的に減少させずに、反射率を実質的に減少させるのには効果的ではない。
【0190】
空気に暴露されたときに反射防止性であるナノ構造化表面を含む基材(例えば可視光を透過)の場合では、基材には、ナノ構造化され、反射防止性である表面が設けられ、金属導体が表面上に堆積され(例えばスパッタリングによって、又は蒸着によって)、自己組織化単分子膜(SAM)は、エラストマースタンプを使用してパターンに印刷され、最後に、金属は、SAMを有さない堆積金属領域からエッチングされ、SAMを含む堆積金属領域からはエッチングされない。
【0191】
マイクロパターン導体を使用する、物品の作製方法
基材の表面上に配置された導体マイクロパターンは、多くの異なる物品を作製するのに有用である。透明な導体パターンを含む構成要素には、タッチディスプレイのためのタッチセンサが挙げられる。タッチディスプレイ用の好適な一部のタッチセンサパネル、例えば相互容量モード検出を使用し、かつマルチタッチ解像能を含み得る電子機器との組み合わせに好適な一部のタッチセンサパネルは、重ね合わされている2つ以上の導体パターンを含む。重ね合わされている2つ以上の導体パターンは、透明接着剤を用いて2つの基材を積層することによって生じさせることができ、各基材は、その主表面上に、本開示による導体マイクロパーンが配置されている。かかる積層物品は、基材が透明なとき、及び導体パターンが高い開口比率を有するときに、可視光で透明であり得る。積層された構造体を形成するのに好適な例には、上に列挙した高分子フィルム基材が挙げられる。
【0192】
積層された構造体を形成するのに好適な接着材料の例は、少なくとも約90%、又は更に高い光透過、及び約5%又は更に低いヘイズを呈する光学的に透明な接着剤である。光透過及びヘイズは、それを25マイクロメートルのMelinex(登録商標)ポリエステルフィルム454(DuPont Company(Wilmington,DE)より)と75×50ミリメートルの平坦なマイクロスライド(Dow Corning(Midland,MI)からのガラススライド)の間に、Model 9970 BYK Gardner TCS Plus光分析装置(BYK Gardner(Columbia,MD)から)を使用して配置することによって測定することができる。好適な、光学的に透明な接着剤は、帯電防止特性を有してもよく、金属系導体と適合性を有し、以下に記載されるものを含む、例示の光学的接着剤で説明されている接着剤を延伸することによって、ガラス基材から剥離することができる:帯電防止の光学的感圧接着剤に関するPCT国際公開WO 2008/128073号、延伸剥離型の光学的に透明な感圧接着剤に関する米国特許出願公開第2009−030084(A1)号、光透過性接着剤を有する、帯電防止の光学的構造体に関する米国特許出願公開第2010−0028564(A1)号、光学的に透明な延伸剥離型の接着剤テープに関するPCT国際公開WO 2009/114683号、腐食感受性層と適合性のある接着剤に関するWO 2010/019528号、及びWO 2010/078346号の延伸剥離型接着剤テープ。一実施形態では、光学的に透明な接着剤は、約5μm以下の厚さを有する。
【0193】
その上に導体マイクロパターンが配置された導体を有する基材、又は別の方法として、その上に配置された導体マイクロパターンを有する2つ以上の基材を含む積層体は、ディスプレイ(例えば液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電気泳動方式ディスプレイ(EP)、又は電気湿潤方式ディスプレイ)に更に積層されてもよい。かかる基材又は積層体は、参照した接着材料を使用してディスプレイに積層することができる。その上に配置される導体マイクロパターンを有する基材、又は別の方法としては、その上に配置された導体マイクロパターンを有する、2つ以上の基材を含む積層体は、他の材料、例えば厚い(例えば1ミリメートル)のポリマーシート又はガラスシートなどの剛性支持体に更に積層されてもよい。剛性支持体の例には、可動性携帯デバイス、例えば携帯電話又はスマートフォンのレンズが挙げられる。
【0194】
一部の実施形態では、本明細書に記載の導体マイクロパターンは、基材の2つ以上の面上、例えば、既に説明のとおり可撓性若しくは剛性であってもよい平坦の基材の各種表面上に配置される。向きにおいて名目上平行であり、マイクロパターンに垂直な方向において離間されている2つの導体マイクロパターンを必要とする用途に関しては、2つのマイクロパターンが同一の平坦な基材の各面上で、例えばポリマーフィルムの各面上に配置されるのは有利であり得る。
【0195】
応用例
一部の実施形態では、本明細書に記載の物品は、可視光線透過性基材上に、又はこの基材内に配置されたセルの形状の開口マイクロパターンを画定する非線状トレースを含む、導体マイクロパターンを含む。一部のかかる実施形態では、導電マイクロパターンはEMI遮蔽部の少なくとも一部を形成する。一部のかかる実施形態では、導電マイクロパターンはアンテナの少なくとも一部を形成する。一部のかかる実施形態では、導体マイクロパターンは、タッチセンサ(例えばタッチスクリーンセンサ)の少なくとも一部を形成する。一部の実施形態では、導体マイクロパターンは、突出した静電容量式タッチスクリーンセンサの少なくとも一部を形成する。例えば、2つの重なり合うマイクロパターン(例えば同じ基材の対向する面上に、又は別個の基材の対向する面上に配置され、共に積層されている)は、対応するマイクロパターンにおいて列とカラムのバーの形状において、近接したメッシュ要素の形態で、センサ要素の透明なマトリックスを形成することができ、これは電子機器(例えばタッチセンサ駆動装置)によって駆動することができ、当該技術分野において既知であるように(並びに、後述の実施例に詳述されるように)、要素の自己容量又は相互容量の測定を介して、センサに対する接触イベントの検出を可能にする。タッチセンサ装置の例は、米国特許出願公開第2010/073323号、PCT特許公報WO2011/069114号、及び米国特許第7,288,946号に示されている。一部のかかる実施形態では、導体マイクロパターンは、ディスプレイの電極の少なくとも一部、例えば対電極、例えば電気泳動方式ディスプレイにおける対電極を形成する。
【0196】
一部の実施形態において、本明細書に記載の物品は、可視光線透過性基材の上又はこの基材中に配置されたセル形状の第1のオープンマイクロパターンを画定する非線状トレースを含む、第1の導体マイクロパターンと、その第1の導電性マイクロパターンから電気的に絶縁された繰り返しセル形状の第2のオープンマイクロパターンを画定する非線状トレースを含む、第2の導電性マイクロパターンとを含む。第2の導体マイクロパターンは、第1の導体マイクロパターンと同じ基材上に配置されてもよく、又はそれは別の基材上に配置されてもよい。第2の導体マイクロパターンは、第1の導体マイクロパターンに重なり合う。
【0197】
一部の実施形態において、両方の導体マイクロが、タッチセンサ(例えばタッチスクリーンセンサ)の少なくとも一部を形成する。
【0198】
一部の実施形態では、両方の導体マイクロパターンは、電気泳動方式ディスプレイの少なくとも一部を形成する。
【0199】
あるいは、他の実施形態では、導体マイクロパターンの一方がタッチセンサ(例えばタッチスクリーンセンサ)の少なくとも一部を形成し、もう一方の導体マイクロパターンが無線通信のアンテナとして機能してもよい。
【0200】
更に別の実施形態では、導体マイクロパターンの一方がタッチセンサ(例えばタッチスクリーンセンサ)の少なくとも一部を形成し、もう一方の導体マイクロパターンが電磁干渉(EMI)シールドとして機能してもよい。
【0201】
更に別の実施形態では、導体マイクロパターンの一方が無線通信のアンテナの少なくとも一部を形成し、もう一方の導電性マイクロパターンが電磁干渉(EMI)シールドとして機能してもよい。
【実施例】
【0202】
基材
2つの異なる基材が本実施例のセクションで使用された。
【0203】
第1の基材は、E.I.du Pont de Nemours(Wilmington,DE)からの製品番号ST504として市販されている、約125マイクロメートルの厚さを有する、ポリエチレンテレフタレート(「PET−3」)の可視光線透過性基材が使用された。
【0204】
第2の基材は、WO 2010/07871(A1)号の開示に従って調製された構造化トリアセテートフィルム(「構造化TAC」)であった。開始基材は、75マイクロメートルの厚さを有するセルローストリアセテートフィルム(Island Pyrochemical Industries Corp.(New York,NY)から市販されている)であった。このTACフィルムは、したがって基材の第1表面上のナノ構造体を含むように改質された。ナノ構造化表面は0.1〜0.2%の反射率を呈した。ナノ構造化表面は、0.2〜0.4%の拡散透過光率を示した。ナノ構造化表面は、100〜250ナノメートルの高さのナノ構造体を含んだ。ナノ構造体の高さと幅の割合(異方性)は、1超だった。
【0205】
導体
PET基材又は構造化TAC基材上に、以下の導電性コーティングが堆積された。
【0206】
(1)「スパッタリングされた銀」フィルムは、基材上に直接配置された、厚さ5オングストロームの多層構造体であり、その後に100ナノメートルの厚さの銀が続き、両方は、既知の真空スパッタリング法を使用して堆積され、又は
(2)「蒸着された銀」フィルムは、基材上に直接配置される、厚さ5オングストロームの多層構造体であり、その後に100ナノメートルの厚さの銀が続き、両方は、既知の電子ビーム蒸着法を使用して堆積される。
【0207】
導電性コーティングの堆積の後、基材は導電性コーティングを含むコーティング面、及び対向する面(すなわち導電性コーティングを有さない面)を有する。
【0208】
例えば本明細書の実施例の各形状に使用される導電性コーティングは、オクタデシルチオールの自己組織化単分子膜マスクをその表面上に印刷することによって、続いて米国特許出願公開第2009/0218310号に記載されるように、湿潤化学エッチングによってパターン化される。
【0209】
基材の特性評価
平均反射%(%R)は、BYK Gardnerの色ガイド球を使用して、基材(PET又は構造化TAC)の主表面(コーティング面及びベア面)の両方を測定するのに使用された。
【0210】
各フィルムの1つのサンプルは、Yamato Black Vinyl Tape #200−38(Yamato International Corporation(Woodhaven,MI)から市販されている)を、空気泡の捕捉を最小限にするためにローラーを使用しながら、測定表面の裏側に適用することによって調製された。表面の合計%反射(反射及び拡散)を測定するために、サンプルのテープの、貼られていない面が、BYK Gardinerの色ガイド球の開口部に対して配置された。反射%は、400〜700nmの波長範囲に関して10度の入射角において測定された。反射率は、ベア面から測定されるとき(すなわち導体がコーティングされている面と反対側)、測定された反射率は、基材フィルムと空気との境界からの反射を含むということに留意する。導体を備える基材の%Rは、以下の表1に示されている。
【0211】
【表1】
【0212】
比較例C1
この実施例は、PET基材と、規則的な六角形の導電性マイクロパターンを使用する、スパッタリングされたAg導体によって作製された。トレース幅は約2マイクロメートルだった。六角形セルの直径(面から平行面まで)は、約200マイクロメートルだった。開口率は約98%だった。
【0213】
比較例C2
この実施例は、PET基材と、規則的な六角形の導電性マイクロパターンを使用する、スパッタリングされたAg導体によって作製された。トレース幅は約2マイクロメートルだった。開口率は約98%だった。
【0214】
(実施例3〜6)
これらの実施例は、構造化TAC基材と、規則的な六角形のマイクロパターン(実施例3)、擬似ランダム六角形マイクロパターン(実施例4)、部分的に湾曲した六角形マイクロパターン(実施例5)、及び十分に湾曲した六角形のマイクロパターン(実施例6)を備える、スパッタリングされた銀導体とを使用することによって作製された。全ての場合において、トレース幅は、約2マイクロメートルであり、開口率は約98%であった。
【0215】
(実施例7)
この実施例は、構造化TAC基材と、擬似ランダムの湾曲したマイクロパターンを備える、スパッタリングされた銀導体と、を使用して作製することができる。
【0216】
この実施例のセクションでは実施例8、9又は10は存在しない。
【0217】
【表2】
【0218】
物品の特性評価
1つ以上の導体マイクロパターンを有する積層物品は、太陽光の照射下におけるそれらのマイクロパターンの被視認性に関して評価された。評価は拡大をしない(裸眼における)外観検査を含んだ。サンプルはデジタルカメラ(Apple Computer Corp(Cupertino,CA)のiPhone 3GS)を使用して更に撮影された。目又はカメラに到達する光の強度を、観察若しくは記録に、より適したレベルに低減するために、それぞれのサンプルへの太陽光の照射はまず、半反射性エネルギー制御フィルムが貼付けられている、典型的な市販の構造上、二重窓の絶縁ガラスユニットウィンドウを通じた経路によって減衰された。様々なマイクロパターンの被視認性に対して、多くの視覚的効果が寄与した。かかる視覚的効果のカテゴリの第1は、「スターバースト」として本明細書で説明されており、これは明るい(非拡散の)太陽光に照射されたときに、多点の星の形状の明るい反射パターンの形態を取る。規則的な六角形のメッシュは6点のスターバーストを生じさせ得る。規則的な矩形のメッシュは4点のスターバーストを生じさせ得る。第2の視覚的効果のカテゴリは、「レインボー」として本明細書で説明されており、これは明るい(非拡散の)太陽光に照射されたときに、バンドに沿って色のスペクトルを呈する反射のバンドの形態を取る。第3の視覚的効果のカテゴリは、「着色されたハロー」として本明細書で説明されており、これは明るい(非拡散の)太陽光に照射されたときに、直接の鏡面反射の点を包囲する、拡散したピンク及び緑色のハローの形態を取る。第4の視覚的効果のカテゴリは、「スパークル」として本明細書で説明されており、これは明るい(非拡散の)太陽光に照射されたときに、マイクロパターンにわって光の明るい点の形態を取る。
【0219】
【表3】
【0220】
スターバースト、レインボー、スパークル及び着色されたハローのスコアに関する表3のデータは、許容可能な外観のスコアに関しては、
【0221】
【数1】
【0222】
によって報告され、許容不可能な外観のスコアに関しては
【0223】
【数2】
【0224】
によって報告される。スコアを決定する際に、許容可能なスコアは外観のアーチファクトの総合的な欠如は示唆しないが(それはスターバースト、レインボー、ハロー、又はスパークルであるかどうか)、存在する場合は、アーチファクトのレベルは、ユーザーにとって許容可能であり得るレベルである(例えば
【0225】
【数3】
【0226】
を備える実施例のスコアよりは、少なくとも許容可能である)。実施例3〜6に関しては、C1及びC2と比較したとき、外観における改善(より被視認性の低い形状のマイクロパターン)は、マイクロパターンに対するいずれか(すなわち基材フィルム(ナノ構造化表面)からの、又は基材フィルムの反対の面からの)の方向に関して評価が得られた。改善(低減された被視認性)は、基材フィルム面からの評価(観察)に関して、より大きい。
【0227】
積層された導体のマイクロパターンの実施例の電気及び透過された光学測定の結果は表4に報告されている。TAC及びPETに割り当てられた事項は、それぞれの基材の種類に関してされた測定から得られ、上記(基本データ)のとおりガラスに積層された。光透過性(%T)、透明度(%C)、及び拡散透過光率(%H)はHaze−Gard Plus(BYK−Gardner(Columbia,MD))を使用して測定された。
【0228】
【表4】
【0229】
積層された導体マイクロパターンの実施例に関する反射測定の結果は表5に報告されている。TAC及びPETに割り当てられた事項は、それぞれの基材の種類に関してされた測定から得られ、上記(基本データ)のとおりガラスに積層された。表5に示されているように、標準的な基材フィルム(PET)上に配置された同一のマイクロパターンと比較して、このマイクロパターンが、マイクロパターンの基材面から観察され、測定されたときに、マイクロパターンは、ナノ構造化基材(これは空気に暴露されたとき反射防止性である)の表面上に配置されたときに、より反射率が小さい。
【0230】
【表5】
【0231】
試験方法
反射率試験方法1
(透明フィルムの前側表面の反射率の測定)
フィルムの平均合計(拡散及び反射)光反射率(%R)は、Spectro−Guide Sphere w/Gloss機器(BYK−Gardner USA(Columbia,Maryland)からモデル番号CD−6834として入手可能)を使用して測定された。反射率試験方法1は、裏側表面フィルムからの、測定された反射率への寄与(すなわち裏側表面が空気とともに作る境界面)を除去する手順を含み、これによってフィルムの前側表面(対象の表面)と空気との境界面に関連する測定結果を生じさせる。フィルムの裏側表面の反射率は、ブラックビニルテープ(「ブラックテープ、Yamato International Corporation(Woodhaven,Michigan)から市販されているYamato Black Vinyl Tape #200−38)をフィルムの裏面に貼付けることによって測定から除去した。このブラックテープは、ブラックテープとサンプルとの間に、確実に気泡が捕捉されないようにするためにローラーを用いてフィルムの裏側へ積層された。フィルムサンプルの前側表面の%Rは、まず、フィルムの前側表面をSpectro−Guideの開口部に対して配置し、ブラックテープは裏側に貼り付けた状態で、合計反射読み取り値(400nm〜700nmの波長の平均%R)を取ることによって決定された。次に、この測定の結果は、フィルムの裏側の、ブラックテープとの境界面の、別途測定された既知の合計反射率を引くことによって修正された。この測定の結果は、ブラックテープの境界面の、後に続く減算と共に、本明細書では、反射率試験方法1によって「%R基材前側表面」として報告される。
【0232】
反射率試験方法2
(透明フィルムの前側表面の反射率の測定)
反射率はHunterLab Ultrascan PRO(Hunter Associates Laboratory Inc.(Reston,VA))を使用して測定された。サンプルフィルムは、機器の開口部上に直接配置され、D65光源条件下でd/8度形状を使用して照射された。サンプルは、開口部に対してベースフィルムの前側(ナノ構造化されている)表面と共に配置された。ライトトラップはサンプルに対して、機器の開口部と位置合わせして配置された。ナノ構造化基材の前側表面からの反射を隔絶するために、基材の裏側表面からの反射率が減算された。ベースフィルムの反射率(追加のコーティング又はナノ構造がない)の半分に等しい反射率値は、ナノ構造化基材の裏側の反射率としてとられた。結果は350〜1050nmの間で5nmのインターバルで記録された。合計反射率(%R)は400〜700nmの反射率値の平均として記録される。この測定の結果は、本明細書では、反射率試験方法2によって「%R基材前側表面」として報告される。
【0233】
反射率試験方法3
(金属被覆部と基材との間の境界面の反射率の測定)
この試験方法は、金属被覆部が低い又は高い光学密度(すなわち0〜80%の光透過)を有する金属被覆基材に好適である。フィルムの平均合計(拡散及び反射)光反射率は、Spectro−Guide Sphere w/Gloss機器(BYK−Gardner USA(Columbia,Maryland)からモデル番号CD−6834として入手可能)を使用して測定された。機器は、金属被覆部の反対側から金属被覆透明基材(例えばポリマーフィルム基材)の測定をするために使用された。このため、測定方法は、金属被覆部と基材(すなわち基材に面する方向において、金属被覆部からの反射率)の境界面の反射率を測定するのに使用された。反射率試験方法3は、金属被覆部が半透明(すなわち暴露された薄膜金属マスクが空気と作る境界面から)であるとき、暴露された金属表面からの測定された反射率への寄与を最小限にするための手順を含んだ。反射率試験方法3は、暴露された金属表面へのブラックビニルテープの貼付けを含んだ(「ブラックテープ」はYamato International Corporation(Woodhaven,Michigan)から市販されているYamato Black Vinyl Tape #200−38)。このブラックテープは、ブラックテープとサンプルとの間に、確実に気泡が捕捉されないようにするためにローラーを用いて金属被覆部の暴露された表面に積層された。金属被覆フィルムサンプルの前側表面の%Rは、まず、基材(金属被覆部と反対面)をSpectro−Guideの開口部に対して配置し、合計反射読み取り値(400nm〜700nmの波長の平均%R)を取ることによって決定された。次に、(説明したばかりの)この測定の結果は、暴露された基材の、空気との境界面(表面)の、既知のおおよその合計反射率を減算することによって修正され、これは機器と、基材と一体の金属被覆境界面との間の光学経路内に存在した。この測定の結果は、基材表面の反射率の後に続く減算と共に、本明細書では、反射率試験方法3によって「基材との金属境界の%R」として報告される。
【0234】
反射率試験方法4
(金属被覆部と基材との間の境界面の反射率の測定)
この試験方法は、金属被覆部が高い光学密度(すなわち、例えば5%未満、2%未満、又は1%未満の低光透過)を有する金属被覆基材に好適である。フィルムの平均合計(拡散及び反射)光反射率(%R)は、Spectro−Guide Sphereを、Gloss機器(BYK−Gardner USA(Columbia,Maryland)からモデル番号CD−6834として入手可能)を使用して測定された。機器は、金属被覆部の反対側から金属被覆透明基材(例えばポリマーフィルム基材)の測定をするために使用された。このため、測定方法は、金属被覆部と基材(すなわち基材に面する方向において、金属被覆部からの反射率)の境界面の反射率を測定するのに使用された。金属被覆フィルムサンプルの前側表面の%Rは、まず、基材(金属被覆部と反対面)をSpectro−Guideの開口部に対して配置し、合計反射読み取り値(400nm〜700nmの波長の平均%R)を取ることによって決定された。次に、(説明したばかりの)この測定の結果は、暴露された基材の、空気との境界面(表面)の、既知のおおよその合計反射率によって修正され、これは機器と、基材との金属被覆境界面との光学経路にある。この測定の結果は、基材表面の反射率の後に続く減算と共に、本明細書では、反射率試験方法4によって「基材との金属境界の%R」として報告される。
【0235】
反射率試験方法5
(基材上の金属被覆部の暴露表面の反射率の測定)
この試験方法は、金属被覆部が高い又は低い光学密度(すなわち0〜80%の光透過)を有する金属被覆基材に好適である。フィルムの平均合計(拡散及び反射)光反射率(%R)は、Spectro−Guide Sphere w/Gloss機器(BYK−Gardner USA(Columbia,Maryland)からモデル番号CD−6834として入手可能)を使用して測定された。機器は、金属被覆部の面から金属被覆透明基材(例えばポリマーフィルム基材)の測定をするために使用された。このため、測定方法は、金属被覆部の暴露された表面の反射率を測定するのに使用された。反射率試験方法5は、金属被覆部が半透明(すなわち暴露されたフィルムが空気と作る境界面から)であるとき、ブラックフィルム境界面からの、測定された反射率へ寄与を最小限にするための手順を含んだ。反射率試験方法5は、暴露された金属表面へのブラックビニルテープの貼付けを含んだ(「ブラックテープ」はYamato International Corporation(Woodhaven,Michigan)から市販されているYamato Black Vinyl Tape #200−38)。このブラックテープは、ブラックテープとサンプルとの間に、確実に気泡が捕捉されないようにするためにローラーを用いて金属被覆部と反対側の高分子フィルムの表面に積層された。金属被覆フィルムサンプルの前側表面の%Rは、まず、基材(金属被覆部を含む面)をSpectro−Guideの開口部に対して配置し、合計反射読み取り値(400nm〜700nmの波長の平均%R)を取ることによって決定された。この測定の結果は、本明細書では、反射率試験方法5によって「%R金属の暴露された表面」として報告される。
【0236】
反射率試験方法6
(基材上の金属被覆部の暴露表面の反射率の測定)
この試験方法は、金属被覆部が高い光学密度(すなわち、例えば5%未満、2%未満、又は1%未満の低光透過)を有する金属被覆基材に好適である。フィルムの平均合計(拡散及び反射)光反射率(%R)は、Spectro−Guide Sphere w/Gloss機器(BYK−Gardner USA(Columbia,Maryland)からモデル番号CD−6834として入手可能)を使用して測定された。機器は、金属被覆部の面から金属被覆透明基材(例えばポリマーフィルム基材)の測定をするために使用された。このため、測定方法は、金属被覆部の暴露された表面の反射率を測定するのに使用された。金属被覆フィルムサンプルの前側表面の%Rは、まず、基材(金属被覆部を含む面)をSpectro−Guideの開口部に対して配置し、合計反射読み取り値(400nm〜700nmの波長の平均%R)を取ることによって決定された。この測定の結果は、本明細書では、反射率試験方法6によって「%R金属の暴露された表面」として報告される。
【0237】
電導度試験方法
電気電導度(ジーメンス(電気)(S)又はMhosで表される;シート抵抗の逆数)を測定するために、面積において少なくとも5cm×5cmを測定する、金属被覆基材のサンプルは、非接触電導度メーター(Delcom Instruments(Prescott,Wisconsin)からモデル717として市販されている)の測定領域に配置された。電導度は、本明細書では、小さなギリシャ文字シグマ、σによって記号で表される。サンプルは、標準的なインデックスカードを含むことによって、測定領域において、機器のベースから上方に離間されている。この試験方法は、全体的に金属被覆部(すなわちパターン化されていない)基材のため、及び導体のマイクロパターンがその上に存在している基材のための両方に使用された。金属被覆ナノ構造化基材の電導度が以下に報告されている一部の実施例では、電導度はまた、非ナノ構造化されている(「平坦な」)基材(PET−2又は−6)に適用された、同じ金属被覆に関して測定された。平坦な基材上の同じ金属被覆に関する電導度値は、そのような場合に関しては以下に報告されている(「σ PET」)。更に、「σに含まれる分数」として以下に表示されている値が計算された。電導度に含まれる分数は、ナノ構造化の基材表面に適用された金属被覆に関して測定された電導度を、平坦な基材に適用された同じ金属被覆に関して測定された電導度によって除することによって与えられる。
【0238】
透過光の光学特性試験方法
サンプルの可視光透過性(%T)、ヘイズ(%H)、透明度(%C)を決定するために、それは、透過性、ヘイズ、及び透明度の機器(BYK−Gardner USA(Columbia,Maryland)から市販されているHaze−Gard Plus(光源C)の測定領域に配置された。機器は、基材、その上に導体マイクロパターンを備える基材、又は基材を含む積層構造体(その上に導体マイクロパターンを有する、又はこれを有さない)の特徴化のために使用された。
【0239】
TEMによるナノ構造体の深さ測定
表面のナノ構造体及びその上に配置された金属被覆物を有する、選択された基材は、透過電子顕微鏡(TEM)によって断面が検査された。サンプルは、90nmの厚さで、標準的な室温のウルトラミクロトーム法によって調製された。サンプルは切断され、次いで、酸化銀の成長を避けるためにヘリウムで乾燥された。切断されたサンプルは、300kVでHitachi H−9000 TEMを使用して検査された。測定は較正された明視野画像で行われた。基材の表面への浸透の範囲は、基材のナノ構造体の深さであるととられた。この手順からの結果は、金属被覆の前に基材の断面に関してTEM又は走査電子顕微鏡(SEM)によるナノ構造体の深さの測定と一致しているということが判明した。
【0240】
AFMによるナノ構造体の深さ測定
表面のナノ構造体を有する、選択された基材は、原子間力顕微鏡(AFM)によって検査された。この分析に使用される機器は、Digital Instuments(Bruker)の、Nanoscope Vコントローラー備えるDigital Instruments(Bruker)DimensionIcon Systemだった。使用したプローブはOTESPA又はScanAsyst Airだった。データはNanoscope Analysiを使用して分析された。画像は、平面に装着され、zオフセット及び傾斜を取り除いた。ピーク力タッピングモードは、詳細の画像、及びナノ構造体のトポグラフィの、より正確なマッピングを得るために使用された。隆起の統計的な分布は、2マイクロメートル×2マイクロメートルを測定するサンプルの領域にわたって測定された。サンプリングされた面積の約99%に関連する(すなわち、突出高さ及びナノ構造体の深さの異常極限値を取り除いた)隆起範囲が、ナノ構造化の深さとしてとられた。
【0241】
電子顕微鏡による体積%及び重量%の概算
シリカ粒子の配合は、供給メーカーから受理した時には提供されていなかったため、実施例11〜27に関しては、マトリックス中のシリカ粒子の体積%及び重量%は、電子顕微鏡の分析によって予測された。
【0242】
基材の材料
以下の実施例は様々な材料及び化学薬品を含む。基材に関して、ポリ(エチレンテレフタレート)(「PET」)及びセルローストリアセテート(「TAC」)のベースフィルムが使用された。以下の表に従って様々なPET基材が使用された。以下の説明に従って、各実施例に使用された具体的なベースフィルム基材を特定するために略語が使用された。
【0243】
PET−1:ハードコーティングされた、厚さ125マイクロメートルのPET、製品名Toray Tuftop THSとして、Toray Plastics(America),Inc.(North Kingstown,Rhode Island)から市販されている。
【0244】
PET−2:厚さ50マイクロメートルのベアPET、従来の押出成形加工方法によって社内で調製された。
【0245】
PET−3:接着促進コーティングを1つの面(ナノ粒子で充填された材料でコーティングされた時に以下の実施例でコーティングされる面)に有する、厚さ125マイクロメートルの熱安定性PET、製品名「ST504」としてDupont Teijin Films(Chester,Virginia)から市販されている。
【0246】
PET−4:接着促進コーティングを1つの面(ナノ粒子で充填された材料でコーティングされた時に以下の実施例でコーティングされる面)に有する、厚さ50マイクロメートルのPET、製品名「618」としてDupont Teijin Films(Chester,Virginia)から市販されている。
【0247】
PET−5:接着促進コーティングを両面に有する、厚さ50マイクロメートルのPET、製品名「617」としてDupont Teijin Films(Chester,Virginia)から市販されている。
【0248】
PET−6:接着促進コーティングを1つの面(ナノ粒子で充填された材料でコーティングされた時に以下の実施例でコーティングされる面)に有する、厚さ75マイクロメートルの熱安定性PET、製品名「ST580」としてDupont Teijin Films(Chester,Virginia)から市販されている。
【0249】
PET−7:プライマーが塗布された厚さ50マイクロメートルのPET(更なる詳細が得られる)。
【0250】
PET−8:厚さ50マイクロメートルのPET(更なる詳細が得られる)。
【0251】
TAC:厚さ75マイクロメートルのTAC、Island Pyrochemical Industries Corp.(New York,New York)から市販されている。
【0252】
PC:厚さ125マイクロメートルのポリカーボネート(更なる詳細が得られる)。
【0253】
後に続く実施例は3つのタイプを含む:
1.金属導体コーティングがその上に配置されているナノ構造化基材、タイプ2及び3の更なる物品の調製に有用である;
2.金属導体マイクロパターンがその上に配置されているナノ構造化基材、タイプ3の更なる物品の調製に有用である。
【0254】
3.金属導体マイクロパターンがその上に配置されているナノ構造化基材を含む透明なタッチセンサ構成要素。
【0255】
【表6】
【0256】
実施例C3、11〜68
実施例11〜68は、その上に金属導体のコーティングを有するナノ構造化基材を含む。比較実施例C3は、市販のポリ(エチレンテレフタレート)フィルムである。表7は、実施例C3、11〜68を説明するパラメータを要約する。実施例11〜68は、ナノ構造化主表面を有する基材を含む。ナノ構造化主表面は、以下に記載のようにポリマーベースフィルム上のコーティング堆積物を反応性イオンエッチングすることによって作られる。コーティングの堆積物は、以下に記載のようにマトリックス及びナノスケールの分散相を含む複合組成物を含んだ。実施例11〜68の金属被覆ナノ構造化基材は、自己組織化単分子膜マスクをマイクロパターンの形態に印刷することによって(例えばアルキルチオールなど自己組織化単分子膜形成分子(例えば1−オクタデシルチオール)で印刷されているエラストマーのレリーフスタンプを用いてスタンピングすることによって)、続いて単分子膜によって保護されていない領域を、ナノ構造化表面から、金属コーティングを選択的にエッチングすることによって更に処理されてもよいことを留意すること。印刷及びエッチング工程は、ナノ構造化表面上に配置された、自己組織化単分子膜のマイクロパターンによる金属導体マイクロパターンを生じさせる。このマイクロパターンは、本発明の適用にわたって説明されているような形状又は特性を有してもよい。
【0257】
実施例11〜27に関して、可視光の透明なナノ粒子のハードコートフィルムが使用された(Toray Plastics(America),Inc.(North Kingstown,Rhode Island)からToray THSとして市販のToray THS)。ハードコートフィルムは、ポリ(エチレンテレフタレート)のベース基材、並びにポリマーマトリックス、及び内部に分散されたナノ粒子充填剤を含んだハードコートのコーティングを含んだ。様々なナノ構造体の深さ(すなわち様々な高さの突出部)のナノ構造化表面を生じさせるために、ハードコートコーティングは、様々な回数にわたって化学反応性Oプラズマ(WO2011139593(A1)号で既に記載されている「反応性イオンエッチング」工程)で異方性エッチングされた。Toray THSフィルムは、複合材料の厚さ3マイクロメートルの形態で、一方の表面上にハードコートコーティングを含む。ハードコートコーティングは、有機高分子マトリックス及び粒子状のシリカの分散相を含み、粒径は約15〜18nm、約6体積%の配合で存在する(透過電子顕微鏡によって測定したとき)。様々なナノ構造体の深さを有する、エッチングされたナノ構造化コーティングは、銀の薄膜コーティングともに堆積された(「金属被覆」工程;接着促進材料として約5オングストロームのチタン、その後に銀が続き、両方とも従来のスパッタリング方法によって堆積される)。銀の平均厚さは表8に示されている。選択されたサンプルに関して、選択された条件下における反応性イオンエッチングによる突出した形状の高さは、透過電子顕微鏡の従来の方法によって測定され、表8に示されている。実施例20〜27に関して、暴露したシリカのナノ粒子は、反応性イオンエッチング工程と金属被覆工程との間で除去される。表7で分かるように、一部の場合ではシリカの除去は反応性イオンエッチングを施した表面を、フッ化水素酸(TFTとしてTransene Company,Inc,(Danvers,Massachusetts)から市販の10:1のエッチャントの希釈)を有する溶液に暴露する(1分)ことにより達成した。また表7で分かるように、一部の場合ではシリカの除去は、反応性イオンエッチングを施した表面をNFプラズマに暴露すること(30秒)により達成した。最後に、シリカの除去は、反応性イオンエッチングを施した表面を90〜100℃の5重量%のNaOH溶液に暴露する(5分間)ことにより達成した。
【0258】
実施例C3、及び28〜36に関して、厚さ約75マイクロメートルを有する、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)の可視光線透過性基材が使用された(製品番号ST580としてDuPont Teijin Films(Chester,VA)として市販されている)。異なる複合体コーティングは、従来の溶媒コーティング方法によってPET基材の片上に堆積された。コーティングは、3つのモノマー、Sartomer(Exton,PA)の40% Sartomer 295(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)、40% Sartomer 238(1,6ヘキサンジオールジアクリレート)、及び20% Sartomer 506(アクリル酸イソボルニル)を含むプレポリマー配合物を含んだ。複合体コーティングは、約20nmの寸法(直径)を有するシリカナノ粒子を更に含んだ。複合体コーティングの鋳造のための溶液は、このモノマー配合物を、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(MPS)で表面を官能化させた、20nmシリカ粒子(40重量%)(Nalco 2327、Nalco Chemical Company(Naperville,Illinois))の1−メトキシ−2−プロパノール溶液に溶解させることによって調製された。コーティングは、樹脂対粒子の異なる重量分画比98:2、96:4、94:6、92:8、90:10、85:15、80:20、50:50、20:80を得られるように配合された。Irgacure(登録商標)184(Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,NY))は、最終的な固体構成要素(粒子及びモノマー)の重量の0.5重量%のレベルで配合物の全てに含まれる。溶液の全ては、1−メトキシ−2−プロパノールで、最終的に40%の%固体まで希釈された。各コーティングに関して、溶液は、コーティングダイを通じてPETフィルム上にシリンジポンプ注入され、65℃で乾燥され、Hバルブを備えるUV処理装置を使用して10fpm(0.0508m/s)で窒素雰囲気下で硬化させた。コーティングされた物品を、ロールツーロールのOプラズマエッチングに90秒間、更に施した。ナノ構造化コーティングは、銀の薄膜コーティングともに堆積された(「金属被覆」工程;接着促進材料として約5オングストロームのチタン、その後に銀が続き、両方とも従来のスパッタリング方法によって堆積される)。
【0259】
例えば実施例37〜68に関して、厚さ約75マイクロメートルを有する、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)の可視光線透過性基材が使用された(製品番号ST580としてDuPont Teijin Films(Chester,VA)として市販されている)。異なる複合体コーティングは、手動で広げるコーティングによってPET基材の片の上に堆積された。コーティングは、モノマー配合物:75/25 SR351/SR238(Sartomer(Exton,PA))を含んだ。複合体コーティングは、約75nmの寸法(直径)を備えるシリカナノ粒子を更に含んだ。実施例37〜58に関して、複合体コーティングの鋳造のための溶液は、このモノマー配合物を、MPSで表面を官能化された、75nmシリカ粒子(40重量%)(Nalco 2327、Nalco Chemical Company,(Naperville,Illinois))のIPA溶液に溶解させることによって調製された。コーティングは、樹脂対粒子の異なる重量分画比86:14、82:18、78:22、74:26、70:30、65:35を得られる様に配合された。Irgacure(登録商標)184(Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,NY))は、最終的な固体構成要素(粒子及びモノマー)の重量の3.0重量%のレベルで配合物の全てに含まれる。実施例59〜68に関して、複合体コーティングの鋳造のための溶液は、このモノマー配合物を、MPSで表面官能化された、190nmシリカ粒子(40重量%)(Nissan MP2040(Nissan Chemical Industries Ltd.,Tokyo,Japan))のIPA溶液に溶解させることによって調製された。コーティングは、樹脂対粒子の2つの重量分画比75:25及び65:35を得られる様に配合された。Irgacure(登録商標)184(Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,NY))は、最終的な固体構成要素(粒子及びモノマー)の重量の1.0重量%のレベルで配合物の全てに含まれる。溶液の全ては、IPAで最終的に40%の%固体まで希釈され、次いで#4 Myer Rodを用いて手動広げるコーティングによりコーティングされた。コーティングされた物品は、酸素の不足した条件下で、50sccm(0.0025sccm/cm)の流量で、様々な時間で、ロールツーロールOプラズマエッチングが施された。堆積時の圧力は4mTorr(0.53Pa)に平衡した。ナノ構造体コーティングは、銀の薄膜コーティングともに堆積された(「金属被覆」工程;接着促進材料として約5オングストロームのチタン、その後に銀が続き、両方とも従来のスパッタリング方法によって堆積される)。
【0260】
様々なナノ構造化コーティングのデータは、表7及び8に列挙され、金属被覆部と基材との間の境界面の反射率を含む。PET上に堆積した銀の反射率と比較したとき、ナノ構造化基材は、特に透明基材を通じて(すなわち銀の堆積物と反対側の基材の面から)測定されたとき、その上に堆積した銀コーティングに、減少した反射率(すなわち暗化)を部分的に付与する。
【0261】
表7では、ベースフィルムの前側表面の、又は上部にナノ構造化表面が形成されているもの反射率は、様々な方法によって測定された。実施例C3、11〜27及び37〜68に関して、この反射率は反射率試験方法1によって測定された。実施例28〜36に関してこの反射率は反射率試験方法2によって測定された。C3(非金属被覆、表7及び9)の反射率は、プライマーコーティングされていない面上で反射率試験方法1によって測定され、この面は金属被覆されており、表8及び11に示される特性を生じさせた。
【0262】
表8では、金属被覆部と基材との境界面の反射率を測定する様々な方法が適用された。更に、基材上の金属被覆部の暴露表面の反射率を測定する様々な方法が適用された。実施例11〜19では、反射率試験方法3及び5が使用された。残りの実施例に関しては、反射率試験方法4及び6が使用された。C3(金属被覆、表8及び11)に関する反射率の値は、反射率試験方法4及び6によって測定された。銀の厚さ及びナノ構造体の深さはTEM解析によって測定された。
【0263】
【表7-1】
【0264】
【表7-2】
【0265】
【表8-1】
【0266】
【表8-2】
【0267】
(実施例69〜124)
実施例69〜124は、その上に金属導体のコーティングを有するナノ構造化基材を含む。ナノ構造化基材は、粒子が充填された複合体コーティング(すなわち分散相及びマトリックス相)を高分子フィルムの主表面上に堆積することによって調製された。粒子が充填された複合体コーティングがコーティング溶液によりコーティングされた。コーティングは乾燥され、硬化されてナノ構造化が暴露した表面を生じさせた。更に、各ナノ構造化基材は、その暴露したナノ構造化表面(金属被覆工程)上に銀のコーティングにより堆積された。金属被覆工程は、平均厚さ約5オングストロームのチタンの接着促進層のスパッタリングによる堆積と、その後に、以下に特定されるような厚さでの銀スパッタリングによる堆積を含んだ。各例は、コーティング溶液に含まれる粒子、すなわち、得られる複合体コーティングに含まれる粒子関して、粒子組成物、粒径、粒子配合(重量%、体積%)、及び粒子の表面処理組成物によって定義される。各実施例は、更に、複合体コーティングの一部を形成するマトリックスポリマーに関して更に定義される。マトリックスポリマーの化学組成は、各実施例に関して以下に特定される。コーティング溶液もまた、光開始剤、ラジカル阻害剤、及び1つ以上の溶媒を含んだ。一部の実施例ではコーティング溶液はまた、以下に特定されるように、1つ以上の他の添加剤を含んだ。
【0268】
実施例69〜124に続く詳細な説明は、2つのセクションに分けられている。第1のセクションは、物品の調製を説明する。第2のセクションは、物品の特性評価の結果を報告する。第1のセクションは、物品を作製するために適用された一般的な工程の説明により開始され、後に各実施例を固有なものにする具体的な詳細の列挙が続く。実施例69〜124の金属被覆ナノ構造化基材は、自己組織化単分子膜マスクをマイクロパターンの形態に印刷することによって(例えばアルキルチオールなど自己組織化単分子膜形成分子(例えば1−オクタデシルチオール)で印刷されているエラストマーのレリーフスタンプを用いてスタンピングすることによって)、続いて単分子膜によって保護されていない領域におけるナノ構造化表面から、金属コーティングを選択的にエッチングすることによって更に処理されてもよい。印刷及びエッチング工程は、ナノ構造化表面上に配置された、自己組織化単分子膜のマイクロパターンによる金属導体マイクロパターンを生じさせる。このマイクロパターンは、本発明の適用にわたって説明されているような形状又は特性を有してもよい。
【0269】
物品の調製
表面改質シリカサブマイクロメートル粒子分散液の一般的な調製
サブマイクロメートルのシリカ粒子(例えば、ナノ粒子)は、異なる比率の2つのシラン結合剤「MPS」及び「A1230」を用いて改質された。4つの異なる表面改質剤の比率が使用された。MPS:A1230の分子モル比は以下のとおりであった。100:0、75:25、50:50及び25:75。粒子は、液体媒質中に懸濁しながら、改質され、シラン改質粒子分散液を生じさせた。シラン改質分散液は、まず水溶性コロイダルシリカ分散液を、1−メトキシ−2−プロパノール及びシラン結合剤の溶液と混合することによって調製された。得られた混合物は次いで、シランとシリカ粒子との反応を促進するために加熱された。これは10〜21重量%の範囲で制御された固体、約65:35〜57:43の範囲で制御された1−メトキシ−2−プロパノール:水の重量比の範囲で制御された固体含有量を備える、表面改質ナノ粒子分散液となった。分散液は、2つの方法のうちの1つで更に処理され、固体含有量を増加させ、かつ1−メトキシ−2−プロパノール:水の比率を増加させる。
【0270】
固体含有量と1−メトキシ−2−プロパノール:水の比率を増加させる1つの手順において、溶媒交換プロセスがまず使用され、ここでは表面改質ナノ粒子分散液は、蒸溜を介して濃縮され、続いて、更に1−メトキシ−2−プロパノールが追加添加され、次いで蒸溜を介して再度濃縮させた。第2の(代替)の手順において、水及び1−メトキシ−2−プロパノールを蒸発させて、乾燥した表面改質粒子粉末を供給した。乾燥粉末は次いで、1−メトキシ−2−プロパノール:水(88:12重量比)の混合物内に分散させて、コーティング配合物に使用した。いずれかの手順において、完成した分散液の固体含有量は、いくぶん可変であることが分かった。溶媒交換手順の場合では、可変性は、1−メトキシ−2−プロパノールの量、及び最終の蒸溜工程で除去される水の量に依存すると考えられる。乾燥した粉末手順の場合では、可変性は、バッチからバッチへと、粉末の残りの溶媒含有量における可変によるものであると考えられる。この可変性を説明するために、及び以下の例示のコーティング分散液内の正確な粒子配合を推量するために、粒子固体含有量は、上記の手順のいずれかによる表面改質ナノ粒子に関して、コーティング配合物の調製前に重量測定的に測定される。既知の分散液の量(1〜4グラム「湿潤重量」)には、小さなガラス皿(既知の重量の「風袋重量」)も入れた。この皿を、強制空気オーブン内(120℃)に45分間定置した。皿は再度測量された(サブマイクロメートル粒子の「乾燥重量」+皿の風袋重量)。
【0271】
%固体=乾燥重量/湿潤重量
放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製:
改質粒子分散液(上記)、プレポリマー配合物、溶媒(1−メトキシ−2−プロパノール、別途指定されない限り)、及びIR 184(光開始剤)の1%又は3%が全て一緒に混合され、コーティング溶液を形成された(約40重量%総固形分;すなわち合計重量によって除される表面改質粒子、プレポリマー、及び光開始剤の重量であって40%に等しい)。プレポリマー配合物は、i)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、及びアクリル酸イソボルニル(それぞれ「SR295」、「SR238」、「SR506」)が40:40:20の重量比、又はii)プロポキシル化トリメチルプロパントリアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、及びイソオクチルアクリレート(それぞれ「SR492」、「SR238」、「SR440」)が40:40:20重量比のいずれかを含む。コーティング溶液では、表面改質シリカ粒子(5、20、75、100、115、190又は440nm)の合計プレポリマーに対する重量比(粒子:プレポリマー重量比)は、57.5:42.5〜80:20の範囲である。場合によっては、低表面エネルギー添加剤が、0.005〜0.1重量%のレベルで、同様に含まれた(Tegorad 2250、Tegorad 2300、又はHFPO)。
【0272】
一般的なコーティングプロセス:
実施例69〜77、79、81〜88、89〜111、116〜120、及び122〜124は以下のコーティングプロセスを含んだ。溶液のコーティング及び処理の一般的な手順は図17Aの概略図に従った。コーティング溶液は、4又は8インチ(10.2又は20.3cm)幅のスロットタイプのコーティングダイに搬送され、移動している0.002、0.003、0.004、又は0.005インチ(50、75、100、又は125μm)厚さのポリ(エチレンテレフタレート)(「PET」)又はポリカーボネート(「PC」)ベースフィルム(ウェブ)上にコーティングされた。各実施例に関して、ダイの幅及び特定のベースフィルムは表9に示されている。目標の湿潤コーティングの厚さを達成するために、ウェブ速度は、溶液送達速度と組み合わせて設定された。各実施例に関して、ウェブ速度及びコーティング溶液送達速度もまた、表9に示されている。溶液がウェブ上にコーティングされた後、コーティングされたウェブは室内環境で10フィート(3m)の距離を進み、次いで、プレート温度が制御された5フィート(1.5m)長の小さな間隙乾燥ゾーンを2か所通過した。PETベースフィルムに関して、プレート温度は170度F(77度C)だった。PCベースフィルムに関して、プレート温度は145度F(63度C)だった。最終的に、乾燥したコーティングは、Hバルブが使用されていたUV光源(Fusion System(Gaithersburg MD)からのModel I300P)が備えられているUVチャンバに入った。UVチャンバは、窒素と空気の混合物を含むガス流によってパージされた。ガス流の組成物は、窒素及び空気の混合された制御流(速度)によって、UV硬化チャンバへの単一のガス送達ラインへと固定された。窒素の流速は、314L/分(11scfm)で固定され、空気の流速は、表10に指定しているように、UV硬化チャンバの酸素レベルを制御するように調節された。
【0273】
実施例78、80、112〜115、及び121は以下のプロセスを含んだ。コーティング溶液は、4又は8インチ(10.1又は20.3cm)幅のスロットタイプのコーティングダイに搬送され、移動している0.002、0.003インチ(50、75μm)厚さのポリ(エチレンテレフタレート)、ポリカーボネート又はセルローストリアセテートベースフィルム(ウェブ)上にコーティングされた。溶液がベースフィルムにコーティングされた後、コーティングされたウェブは次いで、約3フィート(0.9m)移動してから、3つのゾーン全てを華氏120度(摂氏66度)に設定した30フィート(9.1m)の従来式のエアフローテーション乾燥機に進入した。目標の湿潤コーティングの厚さを達成するために、ウェブ速度は、溶液送達速度と組み合わせて設定された。各実施例に関して、ウェブ速度及びコーティング溶液送達速度は、表9に示されている。乾燥機の後に、コーティングは、Hバルブが使用されていたUV光源(Fusion SystemからのModel I300P)が備えられている、2つのUVチャンバに入った。各UVシステムは、様々な電力出力供給部が備えられていた。第1のUVチャンバは、窒素と空気の混合物を含むガス流によってパージされた。ガス流の組成物は、窒素及び空気の混合された制御流(速度)によって、UV硬化チャンバへの単一のガス送達へと固定された。窒素の流速は、456L/分(16scfm)で固定され、空気の流速は、表10に指定しているように、UV硬化チャンバの酸素レベルを制御するように調節された。第2のUVチャンバは同様に、酸素レベルを制御するためにパージされた。実施例78及び80に関して、第1のチャンバのみがUV電力レベル100%で使用された。実施例112〜115及び121に関して、第1のチャンバのUV電力レベルは25%であり、一方、第2のチャンバのUVレベルは75%だった。
【0274】
(実施例69〜70)
表面改質された20nmのシリカ粒子の典型的な調製
20nmのシリカは、以下のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。1−メトキシ−2−プロパノール(450.12グラム)、MPS(25.27グラム)、及びラジカル阻害剤溶液(脱イオン水における5%溶液を0.2グラム)は、攪拌しながら、球状のシリカのサブマイクロメートル粒子の分散液と共に混合された(41.05%のシリカ含有量を備える400グラム;NALCO 2327)。溶液は密閉され、80℃まで加熱され、1リットルのガラス瓶内で16時間その温度で維持された。表面改質コロイド状分散液は、更に処理されて水を取り除き、シリカの濃度を増加させた。500mLのRBフラスコは、表面改質された分散液(450グラム)及び1−メトキシ−2−プロパノール(50グラム)で充填された。水及び1−メトキシ−2−プロパノールを、回転蒸発を介して重量206グラムを得た。1−メトキシ−2−プロパノール(250グラム)はフラスコに充填され、水及び1−メトキシ−2−プロパノールは、回転蒸発を介して除去され、最終重量176グラムを得た。溶液は1マイクロメートルフィルタで濾過された。得られた固体の含有量は50.99重量%だった。
【0275】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例69〜70に関して、1:1の1−メトキシ−2−プロパノール及びイソプロピルアルコールの混合物は、コーティング溶液において希釈溶媒として使用された。
【0276】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものは表9に列挙されている。
【0277】
(実施例71〜77)
表面改質された75nmのシリカ粒子の典型的な調製
75nmのシリカは、以下のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。1−メトキシ−2−プロパノール(450グラム)、MPS(6.04グラム)、及びラジカル阻害剤溶液(脱イオン水における5%溶液を0.2グラム)は、攪拌しながら、球状のシリカのサブマイクロメートル粒子の分散液と共に混合された(40.52%のシリカ含有量を備える400グラム;NALCO 2329)。溶液は密閉され、80℃まで加熱され、1リットルのガラス瓶内で16時間その温度で維持された。表面改質コロイド状分散液は、更に処理されて水を取り除き、シリカの濃度を増加させた。500mLのRBフラスコは、表面改質された分散液(450グラム)で充填された。水及び1−メトキシ−2−プロパノールを、回転蒸発を介して重量202.85グラムを得た。1−メトキシ−2−プロパノール(183グラム)はフラスコに充填され、水及び1−メトキシ−2−プロパノールは、回転蒸発を介して除去され、最終重量188.6グラムを得た。溶液は1マイクロメートルフィルタで濾過された。得られた固体の含有量は46.42重量%だった。
【0278】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例71〜77に関して、0.006重量%のHFPOが表面添加剤として追加された。
【0279】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0280】
(実施例78)
表面改質された75nmのシリカ粒子の調製:
75nmのシリカは、75:25(MPS:A1230)のモル比が使用されていることを除き、実施例71〜77に関して説明したように、表面改質されている。得られた固体の含有量は44.64重量%だった。
【0281】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例78に関して、0.1重量%のTegorad 2300が表面添加剤として添加された。1:1の1−メトキシ−2−プロパノール及びイソプロピルアルコールの混合物は、コーティング溶液において希釈溶媒として使用された。
【0282】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0283】
(実施例79)
表面改質された75nmのシリカ粒子の調製:
75nmのシリカは、実施例71〜77で記載されたように表面改質された。得られた固体の含有量は40〜50重量%だった。
【0284】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例79に関して、0.034重量%のTegorad 2300が表面添加剤として添加された。
【0285】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0286】
(実施例80)
表面改質された75nmのシリカ粒子の調製:
75nmのシリカは、75:25(MPS:A1230)のモル比が使用されていることを除き、実施例71〜77に関して説明したように、表面改質されている。得られた固体の含有量は44.64重量%だった。
【0287】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例80に関して、0.1重量%のTegorad 2300が表面添加剤として添加された。1:1の1−メトキシ−2−プロパノール及びイソプロピルアルコールの混合物は、コーティング溶液において希釈溶媒として使用された。
【0288】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0289】
(実施例81)
表面改質された75nmのシリカ粒子の調製:
75nmのシリカは、以下のように表面改質された(75:25 MPS:A1230モル比)。1−メトキシ−2−プロパノール(450グラム)、MPS(4.53グラム)、A1230(3.03グラム)及びラジカル阻害剤溶液(脱イオン水における5%溶液を0.2グラム)は、攪拌しながら、球状のシリカのサブマイクロメートル粒子の分散液と共に混合された(40.52%のシリカ含有量を備える400.03グラム;NALCO 2329)。溶液は密閉され、80℃まで加熱され、1リットルのガラス瓶内で16時間その温度で維持された。水及び1−メトキシ−2−プロパノールを、回転蒸発を介して混合物から除去して、粉末を得た。粉末の一部(48.01グラム)は1−メトキシ−2−プロパノール(51.61グラム)及び脱イオン水(7.04グラム)中に分散された。混合物は118.3mL(4oz.)のガラス瓶に充填され、超音波プロセッサ(Sonic and Materials Inc.(Newtown,CT)から入手、商品名「SM 07 92」のプローブが備えられていた)を使用して43分間(レベル90、50%出力)処理された。溶液は1マイクロメートルフィルタで濾過された。得られた固体の含有量は42.37重量%だった。
【0290】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0291】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0292】
(実施例82〜83)
表面改質された75nmのシリカ粒子の調製:
実施例81と同じ粒子溶液を使用した。得られた固体の含有量は42.37重量%だった。
【0293】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例82及び83に関して、0.094重量%のHFPOが表面添加剤として追加された。
【0294】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0295】
(実施例84)
表面改質された75nmのシリカ粒子の調製:
実施例81と同じ粒子溶液を使用した。得られた固体の含有量は42.37重量%だった。
【0296】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0297】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0298】
(実施例85〜86)
表面改質された100nmのシリカ粒子の典型的な調製:
100nmのシリカは、以下のように表面改質された(75:25 MPS:A1230モル比)。1−メトキシ−2−プロパノール(452グラム)、MPS(4.78グラム)、A1230(3.21グラム)及びラジカル阻害剤溶液(脱イオン水における5%溶液を0.06グラム)は、攪拌しながら、球状のシリカのサブマイクロメートル粒子の分散液と共に混合された(42.9のシリカ含有量を備える399.9グラム;MP1040)。溶液は密閉され、80℃まで加熱され、1リットルのガラス瓶内で16時間その温度で維持された。水及び1−メトキシ−2−プロパノールを、回転蒸発を介して混合物から除去して、粉末を得た。粉末の一部(169.33グラム)は1−メトキシ−2−プロパノール(185.10グラム)及び脱イオン水(21.95グラム)中に分散された。この混合物は473mL(16oz.)のガラス瓶に充填され、超音波プロセッサを使用して、63分間(レベル90、50%出力)処理された。溶液は1マイクロメートルのフィルタで濾過された。得られた固体の含有量は41.69重量%だった。
【0299】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0300】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0301】
(実施例87〜88)
表面改質100nmのシリカ粒子の調製:実施例85〜86における同じ粒子溶液が使用された。得られた固体の含有量は41.69重量%だった。
【0302】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0303】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0304】
(実施例89〜90)
表面改質された100nmシリカ粒子の調製:100nmシリカは、実施例85〜86で記載のように表面改質された。得られた固体の含有量は42.08重量%だった。
【0305】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例89〜90に関して、0.057重量%のHFPOが表面添加剤として追加された。
【0306】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0307】
(実施例91〜92)
表面改質された115nmのシリカ粒子の調製:
115nmのシリカは、以下のように表面改質された(50:50 MPS:A1230モル比)。1−メトキシ−2−プロパノール(450グラム)、MPS(3.51グラム)、A1230(7.23グラム)及びラジカル阻害剤溶液(脱イオン水における5%溶液の0.12グラム)は、攪拌しながら、球状のシリカのサブマイクロメートル粒子の分散液と共に混合された(47.47%のシリカ含有量を備える400.03グラム;NALCO 2329Plus)。溶液は密閉され、80℃まで加熱され、1リットルのガラス瓶内で16時間その温度で維持された。水及び1−メトキシ−2−プロパノールを、回転蒸発を介して混合物から除去して、粉末を得た。粉末の一部(100.06グラム)は1−メトキシ−2−プロパノール(110.98グラム)及び脱イオン水(11.59グラム)中に分散された。この混合物は473.2mL(16oz.)のガラス瓶に充填され、超音波プロセッサを使用して、63分間(レベル90、50%出力)処理された。得られた固体の含有量は43.14重量%だった。
【0308】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0309】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0310】
(実施例93〜94)
表面改質された115nmのシリカ粒子の典型的な調製
実施例91〜92と同じ粒子溶液を使用した。得られた固体の含有量は43.14重量%だった。
【0311】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0312】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0313】
(実施例95)
表面改質された115nmのシリカ粒子の調製:
115nmのシリカは、以下のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。1−メトキシ−2−プロパノール(676.17グラム)、MPS(10.59グラム)、及びラジカル阻害剤溶液(脱イオン水における5%溶液の0.32グラム)は、攪拌しながら、球状のシリカのサブマイクロメートル粒子の分散液と共に混合された(47.47%のシリカ含有量を備える600.34グラム「Nalco 2329Plus」)。溶液は密閉され、94℃まで加熱され、還流凝縮器及び機械的攪拌器が備え付けられている2000mLのRBフラスコ内で16時間その温度で維持された。水及び1−メトキシ−2−プロパノールを、回転蒸発を介して混合物から除去して、粉末を得た。粉末(99.75グラム)は1−メトキシ−2−プロパノール(89.22グラム)及び脱イオン水(12.01グラム)中に分散された。この混合物は1リットルのガラス瓶に充填され、超音波プロセッサを使用して、43分間(レベル90、50%出力)処理された。溶液は1マイクロメートルフィルタで濾過された。得られた固体の含有量は39.95重量%だった。
【0314】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0315】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0316】
(実施例96〜97)
表面改質された190nmのシリカ粒子の典型的な調製
190nmのシリカは、以下のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。1−メトキシ−2−プロパノール(451.56グラム)、MPS(8.72グラム)、及びラジカル阻害剤溶液(脱イオン水における5%溶液の0.22グラム)は、攪拌しながら、球状のシリカのサブマイクロメートル粒子の分散液と共に混合された(44.15%のシリカ含有量を備える400.01グラム;MP2040」)。溶液は密閉され、93℃まで加熱され、還流凝縮器及び機械的攪拌器が備え付けられている1000mLのRBフラスコ内で16時間その温度で維持された。水及び1−メトキシ−2−プロパノールを、回転蒸発を介して混合物から除去して、粉末を得た。粉末(187.21グラム)は1−メトキシ−2−プロパノール(201.34グラム)及び脱イオン水(27.44グラム)中に分散された。この混合物は1リットルのガラス瓶に充填され、超音波プロセッサを使用して、43分間(レベル90、50%出力)処理された。溶液は1マイクロメートルフィルタで濾過された。得られた固体の含有量は41.99重量%だった。
【0317】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例96〜97に関して、0.04重量%のTegorad 2250が表面添加剤として添加された。
【0318】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0319】
(実施例98)
表面改質された190nmのシリカ粒子の調製:
190nmシリカは、実施例96〜97に記載のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。得られた固体の含有量は41.47重量%だった。
【0320】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0321】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0322】
(実施例99)
表面改質された190nmのシリカ粒子の調製:
190nmシリカの2つのバッチを使用して、実施例96〜97に記載のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。得られた固体の含有量は41.02〜41.86重量%だった。
【0323】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0324】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0325】
(実施例100〜107)
表面改質された190nmシリカ粒子の調製:190nmシリカは、実施例96〜97で記載のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。得られた固体の含有量は44.45重量%だった。
【0326】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例100〜107に関して、0.025重量%のHFPOが表面添加剤として追加された。
【0327】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0328】
(実施例108〜111)
表面改質された190nmのシリカ粒子の調製:
190nmシリカは、実施例96〜97に記載のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。得られた固体の含有量は40.92重量%だった。
【0329】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例108〜111に関して、0.025重量%のHFPOが表面添加剤として追加された。
【0330】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0331】
(実施例112〜115)
表面改質された190nmのシリカ粒子の調製:
190nmシリカは、実施例96〜97に記載のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。得られた固体の含有量は44.18重量%だった。
【0332】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例112〜115に関して、0.025重量%のHFPOが表面添加剤として追加された。
【0333】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0334】
(実施例116〜118)
表面改質された190nmのシリカ粒子の調製:
190nmシリカは、実施例96〜97に記載のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。得られた固体の含有量は44.45重量%だった。
【0335】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0336】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0337】
(実施例119)
表面改質された190nmのシリカ粒子の調製:
190nmシリカは、実施例96〜97に記載のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。得られた固体の含有量は44.27重量%だった。
【0338】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0339】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0340】
(実施例120)
表面改質された190nmのシリカ粒子の調製:
190nmシリカは、実施例96〜97に記載のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。得られた固体の含有量は44.27重量%だった。
【0341】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例120に関して、0.034重量%のHFPOが表面添加剤として添加された。
【0342】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0343】
(実施例121)
表面改質された190nmのシリカ粒子の調製:
190nmシリカは、実施例96〜97に記載のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。得られた固体の含有量は45.49重量%だった。
【0344】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。実施例121に関して、0.093重量%のHFPOが表面添加剤として添加された。1:1の1−メトキシ−2−プロパノール及びメチルエチルケトンの混合物は、コーティング溶液において希釈溶媒として使用された。
【0345】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0346】
(実施例122〜124)
表面改質された440nmのシリカ粒子の典型的な調製:
440nmのシリカは、以下のように表面改質された(100:0 MPS:A1230モル比)。1−メトキシ−2−プロパノール(450グラム)、MPS(3.82グラム)、及びラジカル阻害剤溶液(脱イオン水における5%溶液の0.36グラム)は、攪拌しながら、球状のシリカのサブマイクロメートル粒子の分散液と共に混合された(45.7重量%のシリカ含有量を備える401グラム;MP4540)。溶液は密閉され、98℃まで加熱され、還流凝縮器及び機械的攪拌器が備え付けられている1000mLのRBフラスコ内で16時間その温度で維持された。水及び1−メトキシ−2−プロパノールを、回転蒸発を介して混合物から除去して、乾燥粉末を得た。粉末の一部(192.17グラム)は1−メトキシ−2−プロパノール(206.73グラム)及び脱イオン水(28.19グラム)中に分散された。この混合物は1リットルのガラス瓶に充填され、超音波プロセッサを使用して、63分間(レベル90、50%出力)処理された。溶液は5マイクロメートルフィルタで濾過された。得られた固体の含有量は43.84重量%だった。
【0347】
放射線硬化性コーティング溶液の調製:
コーティング溶液は、上記の「放射線硬化性コーティング溶液の一般的な調製」のように、及び表9及び10の詳述に従って調製され、シリカ粒子、シリカ粒子の表面改質、プレポリマーブレンド組成物、シリカ粒子のプレポリマーブレンドに対する重量比、光開始剤の重量%、最終コーティング溶液の%固体、及び表面添加剤重量%(適用可能な場合)を含む。
【0348】
溶液のコーティング:
溶液は上記の「一般的なコーティングプロセス」に記載のとおりコーティングされた。コーティング幅、ウェブ速度、コーティング溶液流量、及び硬化プロセス中に存在する酸素濃度など、コーティング固有のものが表9及び10に列挙されている。
【0349】
物品の特性評価
表10及び11は、ナノ構造化表面を有する基材の、金属被覆前後の測定された特性を報告する。表10では、基材の前側(ナノ構造化)表面の反射率は、反射率試験方法1によって測定された。表11では、金属被覆と、基材のナノ構造化方面との間の境界面の反射率を測定するのに使用される方法は、反射率試験方法4であった。基材上の金属被覆の暴露された表面の反射率を測定するのに使用された方法は、反射率試験方法6であった。実施例98〜103、110、及び111に関して、ナノ構造体の深さはAFMによって測定された。ナノ構造体の深さを測定するためのAFM方法では、5マイクロメートル×5マイクロメートルの平坦化された面積にわたる高さデータが分析された。ナノ構造体の深さを説明するのに単一の図を生成するために、サンプリングされた面積の約99%に関連する隆起範囲(すなわち突出高さ及びナノ構造体の深さ)が異常極限値としてとられた。実施例90、113〜115に関して、ナノ構造化表面へのAg浸透について、ナノ構造体の深さがTEMによって測定される深さであるようにとられた。実施例90、113〜115の銀の厚さは、TEMによって測定された。残りの実施例の銀の厚さは、ナノ構造化表面の金属被覆中に存在した試験用スライドガラス上に堆積した金属上で、標準的なプロフィロメトリー技法によって測定された。表12は、実施例113〜115に関して、金属被覆層の厚さ、及び断面の透過電子顕微鏡による浸透の測定の結果を報告する。金属被覆層の厚さは、ナノ構造化表面の表面凹凸(例えば突出している粒子)を被覆する金属の厚さである。金属の浸透は、表面凹凸(例えば突出している粒子)から凹凸に隣接して配置されている、最も深い金属範囲までの距離(ナノ構造化された基材の主表面に本質的に垂直に測定され、すなわち本質的に垂直距離)である。
【0350】
【表9-1】
【0351】
【表9-2】
【0352】
【表10-1】
【0353】
【表10-2】
【0354】
【表11-1】
【0355】
【表11-2】
【0356】
【表12】
【0357】
(実施例125)
銀がコーティングされたナノ構造化基材は、測定された電導度が1.68Mhosであったことを除き、実施例112に従って調製された。スパッタリングされた銀の平均厚さは、約140nmの電導度に基づいて推量された。銀コーティングは、米国特許出願公開第20090218310号(12/393,201)に説明されているように、オクタデシルチオールの自己組織化単分子膜マスクをその表面に印刷し、その後、湿潤化学エッチングによってパターン化された。ナノ構造化基材上の導体の得られるパターンは、約2マイクロメートルの幅を測定し、約98.5〜99.0%の開口率を備えるメッシュセルの擬似ランダムな配置を形成する、湾曲したトレースを含んだ。連続的なメッシュは、111Ω/□のシート抵抗を有するように測定された。
【0358】
(実施例126)
銀がコーティングされたナノ構造化基材は、測定された電導度が3.89Mhosであったことを除き、実施例112に従って調製された。スパッタリングされた銀の平均厚さは、約205nmの電導度に基づいて推量された。銀コーティングは、米国特許出願公開第20090218310号(12/393,201)に説明されているように、オクタデシルチオールの自己組織化単分子膜マスクをその表面に印刷し、その後、湿潤化学エッチングによってパターン化される。ナノ構造化基材上の導体の得られるパターンは、約2マイクロメートルの幅を測定し、約98.5〜99.0%の開口率を備えるメッシュセルの擬似ランダムな配置を形成する、湾曲したトレースを含んだ。連続的なメッシュは、56Ω/□のシート抵抗を有するように測定された。図25は、メッシュから選択されたトレースを例示する、透過光顕微鏡写真である。
【0359】
(実施例127)
銀がコーティングされたナノ構造化基材は、測定された電導度が4.78Mhosであったことを除き、実施例112に従って調製された。スパッタリングされた銀の平均厚さは、約230nmの電導度に基づいて推量された。銀コーティングは、米国特許出願公開第20090218310号(12/393,201)に説明されているように、オクタデシルチオールの自己組織化単分子膜マスクをその表面に印刷し、その後、湿潤化学エッチングによってパターン化される。ナノ構造化基材上の導体の得られるパターンは、約2マイクロメートルの幅を測定し、約98.5〜99.0%の開口率を備えるメッシュセルの擬似ランダムな配置を形成する、湾曲したトレースを含んだ。連続的なメッシュは、38Ω/□のシート抵抗を有するように測定された。その上に配置された導体マイクロパターンを有する、ナノ構造化基材は、89.5%の可視光透過性、1.58%の拡散透過光率、及び99.6%の透過光の透明度を有するように測定された。
【0360】
(実施例128)
マイクロコンタクト印刷及びエッチングを使用して、透明センサ要素を製作しタッチセンサ駆動デバイスと組み合わせた。装置は、ディスプレイと接続されたコンピューター処理ユニットと一体化されて、装置を試験した。得られるシステムは、単数若しくは複数の指接触の位置(例えば複数の同時の接触)を検出することができ、これは、ディスプレイに図形的に示された。
【0361】
透明なセンサ要素の第1のパターン化された基材の形成
上記の実施例121による第1の可視光の基材は、スパッターのコーターを使用して銀の205ナノメートルでコーティングされ、第1の銀の金属被覆フィルムを生成した。銀は、基材のナノ構造化表面上に堆積された。銀が基材の上に堆積される前に、約10オングストローム未満の平均厚さのチタン接着促進堆積物がスパッタリングで堆積された。PDMSと称され、2.5mmの厚さを有する、製品番号Sylgard 184(Dow Chemical Co.(Midland,MI))として市販されている、第1ポリ(ジメチルシロキサン)スタンプが、標準的なフォトリソグラフィー技術を使用して、フォトレジストで予めパターン化されたガラスプレート(場合によって、当該産業分野では「マスター」と称される)に対して成形された。PDMSは、ガラスプレート上で硬化された。その後、PDMSがプレートから剥離されて、第1のスタンプを生じた。スタンプのレリーフパターンは、フォトレジストのレリーフのパターンの補体であった。スタンプは2つの異なるタイプの、隆起した形状のパターンを備える低密度領域を有した:第1の連続メッシュパターン領域のタイプ及び第1の非連続的なメッシュパターン領域のタイプ(すなわち断絶部を備えるメッシュ)。すなわち、隆起した構造は、縁部を共有するメッシュの縁部を画定する。更に明確にするために、メッシュを構成するセルの縁部は、第1のスタンプの表面から外に突出しているPDMSの縁部によって画定される。セルは、全体的に約300マイクロメートルの平均寸法を有し、形状及び寸法において擬似ランダムであった。更に、隣接する個々のセルは、位置の繰り返しアレイ上になかった。セルの縁部は、スタンプの隆起した形状の形態であり、スタンプの全体的な表面の平面に湾曲を呈した。異なるセルの縁部の曲率半径は、約50マイクロメートル〜約400マイクロメートルの範囲であった。非連続領域のスタンプの隆起した形状は、各隆起したセル縁部に沿って約5マイクロメートルの間隙を、セルの縁部の各端部において頂点間のほぼ中間に含んだ。隆起した形状に沿った間隙によって意味するものは、存在しない隆起した形状の一部があるということである。各隆起したセル縁部(すなわちPDMSの隆起部)は約2.5マイクロメートルの高さを有した。第1の連続メッシュパターン領域及び第1の非連続的メッシュパターン領域の両方における隆起したセル縁部(隆起部)の密度(面積分数)は両方とも約1.33パーセントであり、98.67%の開口面積に対応し、セル縁部を画定する隆起部は、幅において約2マイクロメートルであった。第1のスタンプはまた、複数の40マイクロメートル幅のトレースを画定する隆起した形状を含み、それぞれは、第1の連続的なメッシュパターン領域に接続される(このスタンプから得られるパターン化した基材に関して以下に更に明確化されている)。第1スタンプは、擬似ランダムメッシュパターン領域及び40マイクロメートル幅のトレースを有する第1の構造面と、反対側の第2の実質的に平坦な面を有した。スタンプの構造化面は、エタノール中の1−オクタデカンチオール(TCI America(Portland OR)から市販されている、製品番号C18H3CS、97%)の10ミリモルのインク溶液に30分間接触させられ、その後、少なくとも1日乾燥させた。印刷に関して、第1銀金属被覆フィルムが、ローラーを使用して、銀フィルムが構造表面と直接接触するようにして、インクを付したばかりのスタンプの構造表面へと適用された。金属被覆フィルムは、10秒間インク付きスタンプ上に保持した。次に第1の金属被覆フィルムは、インクを付したスタンプから取り除かれた。取り除かれたフィルムは、泡攪拌しながら約1分間、銀のエッチング溶液の上に浮かせた(銀の金属面を下に)。エッチング溶液は、脱イオン水中の、(i)0.030モルのチオ尿素(製品番号T8656、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO))及び(ii)0.020モルの硝酸第ニ鉄(製品番号216828、Sigma−Aldrich)を含んだ。エッチング工程の後、生じた第1基材が脱イオン水ですすがれ、圧縮された窒素ガスで乾燥されて、第1のパターン化された表面が生じた。インク付きスタンプが第1の金属被覆基材の銀と接触したところでは、エッチング後も銀が残留した。したがって、インクを付したスタンプと金属被覆フィルムの銀の表面との間で接触がなかった場所から、銀が取り除かれた。
【0362】
図11は、基材の第1面(これはエッチングされパターン化された銀の金属被覆フィルムを含む面である)上で、複数の第1の非連続的な領域704の間に交互に並ぶ複数の第1の連続的な領域702を有する、第1のパターン化基材700(原寸に比例せず)を概略的に示す。第1のパターン化基材は実際に、11の第1の連続領域702を有した。第1の連続領域702は、約2.2ミリメートルの幅、約4.95ミリメートルのピッチ、及び約95ミリメートルの長さを有した。基材は、実質的に裸のPETフィルムであった、反対側の第2面を有した。第1の領域702のそれぞれには、一方の端部に、各第1の連続領域702に電気的に接触するために、対応する40マイクロメートル幅の導電トレース706が配置されている。第1のパターン化基材のメッシュの設計は、形状及び寸法において擬似ランダムであり、上記のとおり(図11a及び11bに示される六角形のメッシュの設計とは対称的に)、メッシュを構成する導電トレースのための湾曲を含む。
【0363】
透明なセンサ要素の第2のパターン化された基材の形成
第2の銀金属被覆フィルムを生成するために、第2の可視光線基材を使用して、第1のパターン化基材として第2のパターン化基材を作製した。第2の非連続的なメッシュパターン領域の間に置かれた、第2の連続的なメッシュパターン領域を有する第2スタンプが製造された。
【0364】
図12は、第2の基材の第1面(これはエッチングされパターン化されたばかりの銀の金属被覆を含む面である)上で、複数の第2の非連続的な領域724の間に交互に並ぶ複数の第2の連続的な領域722を有する、第2のパターン化基材720(原寸に比例せず)を概略的に示す。第2のパターン化された基材は実際に、19の第1の連続領域722を有した。第2の連続領域722は、約4.48ミリメートルの幅、約4.93ミリメートルのピッチ、及び約55ミリメートルの長さを有した。第2の連続的領域722のそれぞれには、一方の端部に、各第2の連続的領域722に電気的に接触するために、対応する40マイクロメートル幅の第2の導電トレース726が配置されている。第1のパターン化基材のメッシュの設計は、形状及び寸法において擬似ランダムであり、上記のとおり(図12a及び12bに示される六角形のメッシュの設計とは対称的に)、メッシュを構成する導電トレースのための湾曲を含む。
【0365】
投影型静電容量タッチスクリーンセンサ要素の形成
2層投影型静電容量タッチスクリーン透明センサ要素を製造するために、上記で作製された第1及び第2のパターン化された基材が、以下のように使用された。3M Company(St.Paul、MN)製Optically Clear Laminating Adhesive 8271を使用して、第1及び第2のパターン化基材を互いに接触させ、多層構造を得た。手持ち式ローラーを使用して、接着剤を含まない第1及び第2の導電性トレース領域706及び726の領域を有する2つのパターン化基材をラミネートした。多層構成体は、第1基材の第1面が、フロートガラスに隣接するように、Optically Clear Laminating Adhesive 8146−3を使用して、厚さ0.7mmのフロートガラスに積層された。接着剤を含まない第1及び第2の導電性トレース領域706及び726により、第1及び第2のパターン化基材700及び720への電気的接続をなすことができた。
【0366】
図13は、多層タッチスクリーンセンサ要素740の平面図を概略的に示し(正確な縮尺ではない)、第1パターン基材及び第2パターン基材が積層されている。領域730は、第1及び第2の連続領域の重複を示した。領域732は、第1の連続領域及び第2の不連続領域の重複を示した。領域734は、第2の連続領域及び第1の不連続領域の重複を示した。また、領域736は、第1及び第2の不連続領域間の重複を示した。これらの重複領域が複数存在したが、例証を容易とするために、それぞれ1つの領域のみが図に示されている。
【0367】
接触検知システムの追加構成要素
透明なセンサ要素の相互容量を測定するのに使用される集積回路は、改訂参照Rev Dを有するCY3290−TMA300 TrueTouch(商標)Dev Kitであり、USB変換機ブリッジへのI2C及びマイクロコントローラーTMA350(Cypress Semiconductor(San Jose,California)から市販されている)を含む。TMA350は、当該技術分野において既知であるように、透明なセンサ要素に関して構成された。構成は、設計に依存して、タッチスクリーンによって異なる場合がある。この場合では、システムは、19の異なるバーを駆動することができ、かつ11の異なるバーを測定することができた。TMA350の設定は、変換するチャネルの数、どれだけ正確又は迅速に測定を行うか、ノイズ及び接触の閾値、適用される任意のデジタルフィルタリング、及び特にCY3290−TMA300に対する様々な他の設定の選択を含んだ。上記からの測定が行われている間、マイクロコントローラーはまた、TrueTouch(商標)Bridgeを通じて、モニターを備えるコンピューターにデータを送っており、これはコンピューターのインターフェースに関してTMA350からUSBにI2Cを変換する。このUSBのインターフェースは、Cypress TrueTouch(商標)ソフトウェアが、データをTMA350から提出するのを可能にし、並びに接触と非接触との間で、値がどのように変わっているかを見れるようにする。
【0368】
タッチ検出システムの試験結果
透明センサ要素をタッチセンサ駆動デバイスに接続した。ガラス表面に指接触がなされた際、コンピューターモニターは、接触感知領域内で生じている接触の位置を、モニターの対応する位置における色の変化(黒から緑色)の形態でレンダリングし、隣接するディスプレイに位置を表示して、タッチスクリーンシステムの結果をシミュレーションした。ガラス表面に2、3、及び4つの指接触が同時になされた際、コンピューターモニターは、接触検出領域内で生じていた接触の位置を、モニターの対応する位置における色の変化(黒から緑色)の形態でレンダリングし、タッチスクリーンシミュレーションディスプレイにその位置を表示した。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[15]に記載する。
[1]
(a)空気に暴露されたときに反射防止性である第1のナノ構造化表面及び反対側の第2の表面を有する基材と、(b)前記基材の前記第1の表面上に配置され、複数の開口セルを画定する複数のトレースにより形成される、金属導体と、を含む物品であって、各セルは80%超の開口率及び前記トレースの向きの均一な分布を有し、前記導体の前記トレースは、前記基材の前記第1の表面に垂直な方向において、かつ該表面に向かって50%未満の正反射率を有し、前記トレースのそれぞれは、0.5〜10マイクロメートルの幅を有する、物品。
[2]
第1のナノ構造化表面と、前記第1のナノ構造化表面上に配置される金属導体とを有する透明基材を含む物品であって、前記第1のナノ構造化表面は、50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、前記導体は、50ナノメートル超の平均厚さを有する、物品。
[3]
マイクロパターンを作製する方法であって、
第1の表面及び反対側の第2の表面を有する基材を提供する工程と、
50〜750ナノメートルの高さ、15〜200ナノメートルの幅、及び5〜500ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体と、50ナノメートル超の平均厚さを有する導体とを含むように、前記基材の前記第1の表面を改質する工程と、
前記ナノ構造体を含む前記第1の表面上に金属導体を堆積させる工程と、
エラストマースタンプを使用して、前記導体上に自己組織化単分子膜マイクロパターンを印刷する工程と、
前記自己組織化単分子膜マイクロパターンによって被覆されていない前記導体をエッチングして、前記自己組織化単分子膜マイクロパターンによる導体マイクロパターンを得る工程と、を含む、方法。
[4]
前記導体が、連続的なメッシュのセルを画定する複数のトレースによって形成されるマイクロパターンであり、前記連続的なメッシュは次の特徴:(a)各トレースが1センチメートル未満の曲率半径を有する、(b)前記メッシュのトレースが、前記トレースの向きの均一な分布を有する、(c)前記セルが非繰り返しセル形状を有する、及び(d)隣接するセルが、位置の繰り返しアレイ上に位置しない複数の頂点を有する、のうちの少なくとも1つを有する、項目1又は2に記載の物品、あるいは項目3に記載の方法。
[5]
前記導体が、金、銀、パラジウム、プラチナ、アルミニウム、モリブデン、ニッケル、スズ、タングステン、合金、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、項目1又は2に記載の物品、あるいは項目3に記載の方法。
[6]
前記導体がタッチセンサのデバイスドライブに接続される、項目1又は2に記載の物品。
[7]
前記ナノ構造化表面が、マトリックス及びナノスケールの分散相を含み、
前記マトリックスが、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ナイロン、シロキサン、フルオロポリマー、ウレタン、エポキシ、環状オレフィンコポリマー、セルローストリアセテート、セルロースジアクリレート、これらのブレンド及びこれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含み、
前記ナノスケールの分散相が、SiO、ZrO、TiO、ZnO、Al、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、ポリ(テトラフルオロエチレン)、炭素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ナノ粒子を含む、項目1又は2に記載の物品。
[8]
前記ナノ構造体が、100〜200ナノメートルの高さ、50〜125ナノメートルの幅、及び15〜100ナノメートルの横方向の間隔を有する、項目2に記載の物品又は項目3に記載の方法。
[9]
前記導体が、複数の開口セルを画定する複数のトレースによって形成される、マイクロパターンの形態で存在し、前記マイクロパターンが80%超の開口率を有し、前記トレースのそれぞれは、0.5〜10マイクロメートルの幅を有する、項目2に記載の物品又は項目3に記載の方法。
[10]
前記ナノ構造化表面が、マトリックスと、50〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、前記ナノ粒子が、40体積%〜85体積%で前記マトリックス中に存在する、項目2に記載の物品又は項目3に記載の方法。
[11]
前記ナノ構造化表面が、マトリックスと、100〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、前記ナノ粒子が、45体積%〜75体積%で前記マトリックス中に存在する、項目2に記載の物品又は項目3に記載の方法。
[12]
前記ナノ構造化表面が、マトリックスと、10〜200ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含むナノスケールの分散相と、を含み、前記ナノ粒子が、1体積%〜75体積%で前記マトリックス中に存在する、項目2に記載の物品又は項目3に記載の方法。
[13]
前記ナノ構造化表面が、マトリックス及びナノスケールの分散相を含み、
前記ナノスケールの分散相が、SiOナノ粒子、ZrOナノ粒子、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記マトリックスが、マルチ(メタ)アクリレート、ポリエステル、エポキシ、フルオロポリマー、ウレタン、シロキサン、又はこれらのブレンド若しくはこれらのコポリマーからなる群から選択される、架橋可能なポリマーを含む、項目2に記載の物品又は項目3に記載の方法。
[14]
第1のナノ構造化表面と、前記第1のナノ構造化表面上に配置されるマイクロパターンの形態の導体とを有する透明基材を含む物品であって、
前記第1のナノ構造化表面が、75〜250ナノメートルの高さ、15〜150ナノメートルの幅、及び10〜150ナノメートルの横方向の間隔を有するナノ構造体を含み、
前記金属導体が、50ナノメートル超の平均厚さを有し、
前記マイクロパターンが、複数の開口セルを画定する複数のトレースによって形成され、
前記マイクロパターンが、80%超の開口率を有し、
前記トレースのそれぞれが、0.5〜3マイクロメートルの幅を有し、
前記ナノ構造化表面が、マトリックス及びナノスケールの分散相を含み、
前記ナノスケールの分散相が、10〜250ナノメートルの粒径を有するナノ粒子を含み、
前記ナノ粒子が、10〜75体積%で前記マトリックス中に存在する、物品。
[15]
前記ナノ構造化表面が、高分子マトリックス中に分散されるサブマイクロメートル粒子を含む材料を含み、前記材料が所定の厚さを有し、該厚さにわたって少なくとも第1及び第2の一体領域を有し、前記第1の領域が外側主表面を有し、少なくとも最外のサブマイクロメートル粒子が、前記高分子マトリックスよって部分的にコンフォーマルコーティングされ、かつ前記高分子マトリックスに共有結合され、前記第1の領域及び前記第2の領域が、第1の平均密度及び第2の平均密度をそれぞれ有し、前記第1の平均密度が、前記第2の平均密度未満である、項目10又は11に記載の物品。
図1
図2
図3
図3a
図4
図4a
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図11a
図11b
図12
図12a
図12b
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25