特許第6102761号(P6102761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6102761
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】充電装置および充電方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20170316BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   H02J7/02 B
   H01M10/44 Q
   H01M10/44 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-7482(P2014-7482)
(22)【出願日】2014年1月20日
(65)【公開番号】特開2015-136271(P2015-136271A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2016年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】岡本 昌直
【審査官】 坂本 聡生
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−247101(JP,A)
【文献】 特開平10−164829(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/149530(WO,A1)
【文献】 特開2001−320882(JP,A)
【文献】 特開2008−263683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/00− 1/10
H01M10/42−10/48
H02H 3/08− 3/253
9/00− 9/08
H02J 1/00− 1/16
7/00− 7/12
7/34− 7/36
H02M 7/00− 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力源から入力される交流電力を直流電力に変換してバッテリに充電する充電装置であって、
スイッチ素子がブリッジ接続された整流回路と、
電圧計測部により計測される前記交流電力源から入力される電圧の周期の算出と、前記スイッチ素子を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記周期に対して決められる第1の期間ごとに、電流計測部により計測される前記交流電力源から入力される電流の電流実効値を算出し、前記電流実効値が予め決められた判定値を超えていた場合、前記判定値を超えていた第1の期間に対応づけられている第2の期間の電流実効値を下げる制御をする、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充電装置であって、
前記第1の期間は、前記周期の半周期あるいは1周期であることを特徴とする充電装置。
【請求項3】
請求項1に記載の充電装置であって、
前記第1の期間の電流実効値が前記判定値を超えていた場合、前記第2の期間において前記交流電力源から入力される電流を0アンペアにする、ことを特徴とする充電装置。
【請求項4】
交流電力源から入力される電圧の周期の算出と、整流回路にブリッジ接続されたスイッチ素子を制御する制御部を備え、前記交流電力源から入力される交流電力を直流電力に変換してバッテリに充電する充電装置の充電方法であって、
前記制御部が、前記周期に対して決められる第1の期間ごとに、電流計測部により計測される前記交流電力源から入力される電流の電流実効値を算出し、前記電流実効値が予め決められた判定値を超えていた場合、前記判定値を超えていた第1の期間に対応づけられている第2の期間の電流実効値を下げる制御をさせる、処理を実行することを特徴とする充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリを充電する充電装置および充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電力源から入力される交流電力を直流電力に変換してバッテリに充電する充電装置は、例えば、交流電力源から入力される電圧を計測し、計測した電圧のピーク値と周期を算出し、ピーク値と周期と入力電流指令値とを用いて、ブリッジ接続されたスイッチ素子を制御する回路を備えている。このような回路において力率改善は、交流電力源から入力される電圧が正弦波または正弦波に近い波形である場合に、その電圧のピーク値と周期に、入力電流指令値により決まる交流電力源から入力される電流のピーク値と周期を一致させる制御をすることで実現している。
【0003】
しかしながら、交流電力源から入力される電圧が異常である場合、適切な制御ができなくなるため、交流電力源から入力される電流が、充電装置、充電装置に接続される周辺機器、充電装置と周辺機器とを接続する配線などの定格を超えて流れることがある(過大電流)。例えば、車両に搭載された充電装置とそれに接続される充電スタンド(周辺機器)とが充電ケーブル(配線)で接続されている場合に、過大電流が充電ケーブルに流れると、充電ケーブルが発熱することなどが考えられる。
【0004】
そこで、異常な電圧波形が入力された場合に、交流電力源から入力される電流が過大電流にならないように抑制する方法の開発が期待されている。
関連する技術として、交流電力源から入力される電圧を計測し、計測した結果に基づいて電圧のピーク値と周期を算出して交流電力系統を判定し(例えば、AC100V系かAC200Vを判定し)、予めメモリに設定された交流電力系統ごとの制御パラメータを選択し、選択された制御パラメータを用いてスイッチ素子の制御をする充電回路が開示されている。例えば、特許文献1を参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−263683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、交流電力源から異常な電圧が入力された場合に、交流電力源から入力される電流を抑制する充電装置および充電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施の態様のひとつである交流電力源から入力される交流電力を直流電力に変換してバッテリに充電する充電装置は、整流回路、制御部を有する。
整流回路はスイッチ素子をブリッジ接続している。
【0008】
制御部は、電圧計測部により計測される交流電力源から入力される電圧の周期の算出と、スイッチ素子を制御する。
また、制御部は、周期に対して決められる第1の期間ごとに、電流計測部により計測される交流電力源から入力される電流の電流実効値を算出し、電流実効値が予め決められた判定値を超えていた場合、判定値を超えていた第1の期間に対応づけられている第2の期間の電流実効値を下げる制御をする。
【発明の効果】
【0009】
実施の態様によれば、交流電力源から異常な電圧が入力された場合に、交流電力源から入力される電流を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、充電装置の一実施例を示す図である。
図2図2は、第1の期間の電流実効値に基づいて、交流電力源から入力される電流を下げる制御を説明するための図である。
図3図3は、制御部の構成を説明するための図で、制御部の一実施例を示す図である。
図4図4は、充電装置の動作の一実施例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面に基づいて、実施形態について詳細に説明する。
図1は、充電装置の一実施例を示す図である。充電装置1は、バッテリ2、交流電力/直流電力変換回路(平滑回路3、整流回路4)、電圧計測部5、電流計測部6、制御部7、ドライブ回路8、ECU(Electronic Control Unit)9、コンデンサC2、フィルタ(コンデンサC3、コイルL2、L3)を有している。充電装置1は、交流電力源10から入力される交流電力を直流電力に変換してバッテリ2に充電する回路である。なお、充電装置1の回路は図1に示す回路に限定されるものではなく、スイッチ素子を用いて力率改善を行う回路であればよい。
【0012】
平滑回路3は、コイルL1とコンデンサC1から構成され、整流回路4の出力電圧を平滑にする回路である。
整流回路4は、4個のダイオードD1〜D4を有するブリッジ回路である。ダイオードD2にはスイッチ素子Q1が並列に接続されている。スイッチ素子Q1はそのコレクタ端子がダイオードD2のカソードに接続され、エミッタ端子がダイオードD2のアノードに接続されている。また、ダイオードD4には、スイッチ素子Q2が並列に接続されている。スイッチ素子Q2はそのコレクタ端子がダイオードD4のカソードに接続され、エミッタ端子がダイオードD4のアノードに接続されている。なお、本例では2つのスイッチ素子Q1、Q2を用いているが、ダイオードD1〜D4すべてに対してスイッチ素子を並列に接続して使用してもよい。
【0013】
電圧計測部5は、交流電力源10から入力される電圧を計測し、計測した結果を制御部7に出力する。電流計測部6は、交流電力源10から入力される電流を計測し、計測した結果を制御部7に出力する。なお、電流計測部6の位置はコイルL2の後段(コイルL2と整流回路4の間)であってもよい。
【0014】
制御部7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、プログラマブルなデバイス(FPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)など)を用いた回路が考えられ、制御部7が有する記憶部に記憶されているプログラムを、CPU、マルチコアCPUまたはプログラマブルなデバイスが読み出して実行する。また、記憶部は制御部7と別に設けてもよい。
【0015】
制御部7はスイッチ素子Q1、Q2をオン/オフ制御する。コイルL2、L3とコンデンサC3から構成されるフィルタに入力される交流電力が正側のとき、スイッチ素子Q1をオンしスイッチ素子Q2をオフにすると、コイルL2にエネルギーが蓄積する。次に、スイッチ素子Q1をオフしスイッチ素子Q2をオンにすると、コイルL2に蓄積されていたエネルギーがダイオードD1を介してコンデンサC2に蓄積される。また、フィルタに入力される交流電力が負側のとき、スイッチ素子Q1をオフにし、スイッチ素子Q2をオンにすると、コイルL3にエネルギーが蓄積する。次に、スイッチ素子Q1をオンにし、スイッチ素子Q2をオフにすると、コイルL3に蓄積されていたエネルギーがダイオードD3を介してコンデンサC2に蓄積される。従って、スイッチ素子Q1、Q2の各デューティを大きくすると、コンデンサC2の両端の電圧値が高くなる。また、スイッチ素子Q1、Q2の各デューティを小さくすると、コンデンサC2の両端の電圧値が低くなる。
【0016】
また、バッテリ2の充電時、スイッチ素子Q1、Q2を同時にオン、オフさせてもよい。例えば、コイルL2、L3とコンデンサC3から構成されるフィルタに入力される交流電力が正側のとき、スイッチ素子Q1、Q2が同時にオンすると、ブリッジ回路は短絡状態となり、コイルL2、L3にエネルギーが蓄積される。その状態で、スイッチ素子Q1をオフさせると、コイルL2、L3に蓄積されたエネルギーがダイオードD1を介してコンデンサC2に蓄積される。
【0017】
また、制御部7は、電圧計測部5の計測した電圧を用いて交流電力源から入力される電圧の周期を算出する。周期は、例えば、交流電力源から入力される電圧のゼロクロスを検出して求めることが考えられる。
【0018】
また、制御部7は、周期に対して決められる第1の期間ごとに、交流電力源から入力される電流の電流実効値を算出し、電流実効値が予め決められた判定値を超えていた場合、判定値を超えていた第1の期間に対応付けられている第2の期間の電流実効値を下げる制御をする。
【0019】
電流実効値は、例えば、所定のサンプリング周波数で取得される瞬時値を2乗し、第1の期間においてその瞬時値を2乗した値の積算値を求め、求めた積算値を第1の期間で除算し、除算した値の平方根を電流実効値とする。なお、電流実効値は、算出した周期ごとに、交流電力源から入力される電流のピーク値を算出し、算出したピーク値と周期を用いて求めてもよい。
【0020】
算出した周期の決められた第1の期間は、例えば、交流電力源から入力される電圧の半周期または1周期などが考えられる。
半周期を第1の期間とした場合について図2を用いて説明する。第1の期間を正側の半周期とした場合には第2の期間は負側の半周期とし、第1の期間を負側の半周期とした場合には第2の期間は正側の半周期とする。図2は、第1の期間の電流実効値に基づいて、交流電力源から入力される電流を下げる制御を説明するための図である。図2の縦軸は入力される電流を示し、横軸は時間を示している。図2の電流波形201は交流電力源から正常に電圧が入力された場合の電流波形を示している。図2の電流波形202は交流電力源から異常な電圧が入力された場合の電流波形を示している。本例では、ゼロクロス検出により算出された周期Tの正側の半周期(第1の期間)において異常な電圧波形が入力された場合に、正側の半周期の電流実効値(斜線部分)が、判定値を超えていたため、第1の期間に対応付けられている周期Tの負側の半周期(第2の期間)の電流波形を図2に示すような電流波形203(波線部分)にし、負側の半周期の電流実効値を下げている。
【0021】
例えば、正常な電圧が入力された場合の正側の半周期の電流実効値が10[A]で、判定値が13[A]である場合に、異常な電圧が入力され正側の半周期の電流実効値が14[A]となった場合には、その正側の半周期に対応付けられている負側の半周期の電流実効値が6A(=|−10[A]|−(14[A]−10[A]))になるように、入力電流指令値に制限を加えることが考えられる。入力電流指令値は、例えば、車両に搭載された充電装置が周辺機器(例えば、充電スタンド)に要求する入力電流を示す値である。本例では、入力電流指令値は車両に搭載されているECU9から出力されるものとする。ただし、制御部7へ入力電流指令値を出力するのは車両に搭載されているECU9に限定されるものではなく、充電スタンドなどの周辺機器から出力してもよい。
【0022】
なお、異常な電圧波形には、矩形波、三角波、瞬断時の波形などが考えられる。
上記のように交流電力源から異常な電圧が入力された場合に、第1の期間に対応付けられている第2の期間で入力電流指令値に制限を加えることで、1周期における電流実効値を下げて、交流電力源から入力される電流を抑制することができるという効果を奏する。
【0023】
なお、判定値は、充電装置の回路により決まる値で、実験やシミュレーションにより決める。例えば、交流電力源から正常に電圧が入力された場合の半周期において算出される電流実効値以上で、1周期において算出される電流実効値以下の値とすることが考えられる。また、周辺機器(例えば、充電スタンド)、配線(例えば、充電ケーブル)などの影響も加味して実験やシミュレーションにより決めてもよい。
【0024】
さらに変形例として、(1)第1の期間を正側の半周期とし、第2の期間を次の正側の半周期として、第1の期間の電流実効値が、判定値を超えている場合には、第2の期間の電流実効値を下げてもよい。
(2)第1の期間を負側の半周期とし、第2の期間を次の負側の半周期として、第1の期間の電流実効値が、判定値を超えている場合には、第2の期間の電流実効値を下げてもよい。
(3)周期ごとに第1の期間を正側と負側で交互に変更して、判定値を超えているかを判定し、第1の期間が正側の半周期である場合には、次の正側の半周期を第2の期間として電流実効値を下げ、第2の期間が負側の半周期である場合には、次の負側の半周期を第2の期間として電流実効値を下げてもよい。
(4)第1の期間を1周期とし、次の1周期を第2の期間としてもよい。
【0025】
変形例(1)〜(4)においても、交流電力源から異常な電圧が入力された場合に、第2の期間において入力電流指令値に制限を加えることで、電流実効値を下げて、過大電流が流れ難くすることができるという効果を奏する。
【0026】
さらに変形例(5)として、第1の期間の電流実効値が判定値を超えていた場合、第2の期間において交流電力源から入力される電流を0アンペアに制御をしてもよい。変形例(5)によれば、交流電力源から異常な電圧が入力された場合に、入力電流指令値に交流電力源から入力される電流を0アンペアにする制限を加えることで、過大電流を流れ難くすることができるという効果を奏する。
【0027】
制御部の構成について説明をする。
図3は、制御部の構成を説明するための図で、制御部の一実施例が示されている図である。制御部7は、ゼロクロス検出部301、電圧実効値算出部302、電流実効値算出部303、目標電流制限判定部304、デューティ算出部305などを有している。また、制御部7は入力電流指令部306から入力電流指令値を取得する。
【0028】
ゼロクロス検出部301は、交流電力源から入力される電圧を用いてゼロクロスを検出し、周期を算出して、電圧実効値算出部302および電流実効値算出部303に出力する。
【0029】
電圧実効値算出部302は、電圧計測部5により計測される交流電力源から入力される電圧を用いて、電圧実効値を算出する。
電流実効値算出部303は、ゼロクロス検出部301で算出した周期に対して決められる第1の期間ごとに、電流計測部6により計測される交流電力源10から入力される電流を用いて電流実効値を算出する。
【0030】
電流実効値は、例えば、所定のサンプリング周波数で取得される瞬時値を2乗し、第1の期間においてその瞬時値を2乗した値の積算値を求め、求めた積算値を第1の期間で除算し、除算した値の平方根を電流実効値とする。なお、電流実効値は、算出した周期ごとに、交流電力源から入力される電流のピーク値を算出し、算出したピーク値と周期を用いて求めてもよい。
【0031】
目標電流制限判定部304は、電流実効値算出部303で算出した電流実効値が予め決められた判定値を超えていた場合、判定値を超えていた第1の期間に対応づけられている第2の期間の電流実効値を下げるために、入力電流指令値に制限を加える処理をして、制限を加えた入力電流指令値を後述するデューティ算出部305に出力する。
【0032】
デューティ算出部305は、電圧の周期、目標電流制限判定部304から出力された入力電流指令値などに基づいてデューティを算出し、算出したデューティに基づいて駆動信号を生成し、スイッチ素子Q1、Q2を駆動するドライブ回路8に駆動信号を出力する。
【0033】
入力電流指令部306はECU9に設けられ、充電装置1が要求する入力電流に対応する入力電流指令値を目標電流制限判定部304に出力する。
上記したゼロクロス検出部301、電圧実効値算出部302、電流実効値算出部303、目標電流制限判定部304、デューティ算出部305、入力電流指令部306それぞれを用いてスイッチ素子Q1、Q2を制御することで、交流電力源から異常な電圧が入力された場合に、交流電力源から入力される電流を抑制することができるという効果を奏する。
【0034】
なお、上記図1図3を用いて説明した交流電力源から入力される電流を抑制する制御(周期に対して決められる第1の期間ごとに、交流電力源から入力される電流の電流実効値を算出し、電流実効値が判定値を超えていた場合、判定値を超えていた第1の期間に対応づけられている第2の期間の電流実効値を下げる制御)は、図1図3に示した回路だけに適用されるものではなく、スイッチ素子を用いて力率改善を行う回路に対して適用することも可能である。
【0035】
制御部の動作について説明をする。
図4は、充電装置の動作の一実施例を示すフロー図である。
ステップS1では制御部7が交流電力源から入力される電圧を用いてゼロクロスを検出し、ステップS2では検出したゼロクロスを用いて、制御部7が周期を算出する。なお、制御部7が交流電力源から入力される電圧を用いて電圧実効値を算出してもよい。
【0036】
ステップS3では、算出した周期に対して決められる第1の期間ごとに、交流電力源から入力される電流を用いて、制御部7が電流実効値を算出する。
電流実効値は、例えば、所定のサンプリング周波数で取得される瞬時値を2乗し、第1の期間においてその瞬時値を2乗した値の積算値を求め、求めた積算値を第1の期間で除算し、除算した値の平方根を電流実効値とする。なお、電流実効値は、算出した周期ごとに、交流電力源から入力される電流のピーク値を算出し、算出したピーク値と周期を用いて求めてもよい。
【0037】
ステップS4では、制御部7がステップS3で算出した電流実効値が予め決められた判定値を超えているか否かを判定し、超えている場合(Yes)にはステップS5に移行し、超えていない場合(No)には次の処理に移行する。
【0038】
ステップS5(電流制限処理)では、制御部7が判定値を超えていた第1の期間に対応付けられている第2の期間の電流実効値を下げるために、入力電流指令部306から出力された入力電流指令値に制限を加える処理をして、制限を加えた入力電流指令値に基づいてデューティを算出し、算出したデューティに基づいて駆動信号を生成し、スイッチ素子Q1、Q2を駆動するドライブ回路8に出力して次の処理に移行する。次の処理は、ステップS1に移行する処理などが考えられる。
【0039】
上記に示した制御により、交流電力源から異常な電圧が入力された場合に、交流電力源から入力される電流を抑制することができるという効果を奏する。
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 充電装置、
2 バッテリ、
3 平滑回路、
4 整流回路、
5 電圧計測部、
6 電流計測部、
7 制御部、
8 ドライブ回路、
9 ECU、
10 交流電力源、
C1、C2、C3 コンデンサ、
D1、D2、D3、D4 ダイオード、
L1、L2、L3 コイル、
Q1、Q2 スイッチ素子、
301 ゼロクロス検出部、
302 電圧実効値算出部、
303 電流実効値算出部、
304 目標電流制限判定部、
305 デューティ算出部、
306 入力電流指令部、
図1
図3
図4
図2