(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スレーブ受電装置は第1スレーブ受電装置であり、前記スレーブケーブルは第1スレーブケーブルであり、前記スレーブコネクタロック線は第1スレーブコネクタロック線であり、
前記受電システムは、第2スレーブケーブルを介して前記第1スレーブ受電装置と接続された場合に前記第1スレーブ受電装置から前記放電電力を受電するものであって、前記変換部を有する第2スレーブ受電装置を備え、
前記第2スレーブケーブルは、
前記第1スレーブ受電装置に取り付け可能な第3スレーブコネクタと、
前記第2スレーブ受電装置に取り付け可能な第4スレーブコネクタと、
前記動作電力が伝送される第2スレーブコネクタロック線と、
を備え、
前記第3スレーブコネクタは、前記第2スレーブコネクタロック線から前記動作電力が供給された場合に前記第3スレーブコネクタをロックする第3スレーブロック回路を備え、
前記第4スレーブコネクタは、前記第2スレーブコネクタロック線から前記動作電力が供給された場合に前記第4スレーブコネクタをロックする第4スレーブロック回路を備え、
前記第1スレーブ受電装置は、前記第1スレーブコネクタロック線と前記第2スレーブコネクタロック線とを接続するスレーブロック分配ラインを備えている請求項1に記載の受電システム。
前記マスタ受電装置は、前記マスタケーブルを介して前記車両と接続されている状況において外部電力を受電した場合には、当該外部電力を用いて前記蓄電装置を充電するものである請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の受電システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、受電システム及びマスタ受電装置の一実施形態について説明する。
図1及び
図2に示すように、受電システム10は、蓄電装置(メイン蓄電装置)としてのメインバッテリB1及びサブ蓄電装置としてのサブバッテリB2を有する車両Cから当該メインバッテリB1の直流電力(放電電力)を受電可能なマスタ受電装置11と、マスタ受電装置11から直流電力を受電可能な複数のスレーブ受電装置12とを備えている。受電システム10は、車両Cとマスタ受電装置11とを接続するマスタケーブル13と、マスタ受電装置11とスレーブ受電装置12又はスレーブ受電装置12同士を接続するスレーブケーブル14,15とを備えている。
【0020】
メインバッテリB1は、例えばニッケル水素電池やリチウムイオン二次電池で構成されている。サブバッテリB2は例えば鉛蓄電池で構成されている、サブバッテリB2は、メインバッテリB1の容量と比較して小さい容量のものであり、サブバッテリB2のバッテリ電圧は、メインバッテリB1のバッテリ電圧よりも低い。
【0021】
マスタ受電装置11は移動可能な可搬型であり、メインバッテリB1から放電された直流電力を交流電力に変換する変換部としてのDC/AC変換器21と、DC/AC変換器21を制御するものであって車両Cに搭載された車両制御部(ECU)C1と通信可能なマスタ受電制御部22とを備えている。マスタ受電装置11は負荷Xに接続可能に構成されており、マスタ受電装置11と負荷Xとが接続された場合には、DC/AC変換器21から出力された交流電力が負荷Xに供給される。
【0022】
複数のスレーブ受電装置12はそれぞれ同一の構成である。各スレーブ受電装置12はそれぞれ、移動可能な可搬型であり、DC/AC変換器21と、DC/AC変換器21を制御するスレーブ受電制御部23とを備えている。各スレーブ受電装置12は負荷Xに接続可能に構成されており、各スレーブ受電装置12と負荷Xとが接続されている場合には、DC/AC変換器21から出力された交流電力が負荷Xに供給される。
【0023】
なお、本実施形態では、スレーブ受電装置12の数は2つとする。説明の便宜上、以降の説明においては、複数のスレーブ受電装置12のうちマスタ受電装置11に接続されるものを第1スレーブ受電装置12aとし、第1スレーブ受電装置12aに接続されるものを第2スレーブ受電装置12bとする。また、DC/AC変換器21は、例えば非絶縁型のものが考えられるが、これに限られず、絶縁型のものであってもよい。
【0024】
図1に示すように、受電システム10は、車両Cとマスタ受電装置11とを接続するマスタケーブル13を備えている。マスタケーブル13は、車両Cに設けられた車両インレットに取り付け可能な車両側マスタコネクタMC1と、マスタ受電装置11、詳細にはマスタ受電装置11に設けられた入力インレットに取り付け可能な受電側マスタコネクタMC2とを備えている。車両側マスタコネクタMC1が車両Cに取り付けられ、且つ、受電側マスタコネクタMC2がマスタ受電装置11に取り付けられることにより、マスタケーブル13を介して、車両Cとマスタ受電装置11とが接続される。
【0025】
マスタ受電装置11と第1スレーブ受電装置12aとを接続する第1スレーブケーブル14は、マスタ受電装置11、詳細にはマスタ受電装置11に設けられた出力インレットに取り付け可能な第1スレーブコネクタSC1を備えている。また、第1スレーブケーブル14は、第1スレーブ受電装置12a、詳細には第1スレーブ受電装置12aに設けられた入力インレットに取り付け可能な第2スレーブコネクタSC2を備えている。
【0026】
図2に示すように、第1スレーブ受電装置12aと第2スレーブ受電装置12bとを接続する第2スレーブケーブル15は、第1スレーブ受電装置12a、詳細には第1スレーブ受電装置12aに設けられた出力インレットに取り付け可能な第3スレーブコネクタSC3を備えている。また、第2スレーブケーブル15は、第2スレーブ受電装置12b、詳細には第2スレーブ受電装置12bに設けられた入力インレットに取り付け可能な第4スレーブコネクタSC4を備えている。
【0027】
かかる構成によれば、各スレーブコネクタSC1〜SC4が対応するインレットに取り付けられることにより、マスタ受電装置11及び各スレーブ受電装置12a,12bは、各スレーブケーブル14,15を介してディジーチェーン接続される。
【0028】
次に、車両C、マスタ受電装置11及び各スレーブ受電装置12a,12bの接続態様について、各ケーブル13〜15の詳細な構成と合わせて説明する。
まず、車両Cとマスタ受電装置11との接続態様について説明すると、
図1に示すように、車両側マスタコネクタMC1は、CHAdeMO規格に準じた複数(詳細には10個)の端子Tm1〜Tm10を備えている。車両側マスタコネクタMC1が車両インレットに取り付けられた場合に、各端子Tm1〜Tm10は、メインバッテリB1、サブバッテリB2又は車両制御部C1のいずれかに接続される。
【0029】
詳細には、第5端子Tm5は、メインバッテリB1の+端子に接続され、第6端子Tm6は、メインバッテリB1の−端子及びグランドに接続される。第5端子Tm5及び第6端子Tm6には、メインバッテリB1の直流電力が供給される。
【0030】
第3端子Tm3はサブバッテリB2の+端子に接続され、第1端子Tm1はサブバッテリB2の−端子及びグランドに接続される。第3端子Tm3及び第1端子Tm1には、サブバッテリB2の直流電力が供給される。
【0031】
その他の端子、すなわち第2端子Tm2、第4端子Tm4、第7端子Tm7、第8端子Tm8、第9端子Tm9及び第10端子Tm10は、車両制御部C1に接続される。
ちなみに、サブバッテリB2の直流電力(バッテリ電圧)は、マスタ受電制御部22が動作可能な直流電力(電圧)と同一に設定されている。この点に着目すれば、第3端子Tm3及び第1端子Tm1は、マスタ受電制御部22の動作電力が供給される動作電力端子であるとも言える。
【0032】
車両側マスタコネクタMC1には、車両Cの車両インレットに係合する係合爪(ラッチ)が設けられており、係合爪が係合することにより、車両側マスタコネクタMC1と車両インレットとが機械的に固定される。
【0033】
さらに、車両側マスタコネクタMC1は、動作電力(サブバッテリB2の直流電力)が供給された場合に車両側マスタコネクタMC1をロックする車両側マスタロック回路31を備えている。車両側マスタロック回路31は、ソレノイド31a、発光ダイオード31b及び抵抗31cを備えている。発光ダイオード31bと抵抗31cとは直列に接続されており、ソレノイド31aは、発光ダイオード31bと抵抗31cとの直列接続体に対して並列に接続されている。ソレノイド31aは、動作電力が供給された場合には、係合爪による機械的な固定状態を電気的にロックする一方、動作電力が供給されていない場合には、上記固定状態のロックを解除する。換言すれば、車両側マスタロック回路31は、車両インレットからの車両側マスタコネクタMC1の取り外しを規制するものであると言える。
【0034】
同様に、受電側マスタコネクタMC2は各端子Tm1〜Tm10を備えている。そして、マスタケーブル13は、車両側マスタコネクタMC1の端子Tm1〜Tm10と受電側マスタコネクタMC2の端子Tm1〜Tm10とを接続する配線Wm1〜Wm10を有している。さらに、マスタ受電装置11は、受電側マスタコネクタMC2の端子Tm1〜Tm4,Tm7〜Tm10とマスタ受電制御部22とを接続する接続ラインLm1〜Lm4,Lm7〜Lm10と、受電側マスタコネクタMC2の端子Tm5,Tm6とDC/AC変換器21とを接続する接続ラインLm5,Lm6とを備えている。
【0035】
かかる構成によれば、マスタケーブル13を介して、車両Cとマスタ受電装置11とが接続された場合、メインバッテリB1とDC/AC変換器21とが接続される。そして、車両制御部C1とマスタ受電制御部22とが接続され、サブバッテリB2の直流電力であるマスタ受電制御部22の動作電力がマスタ受電制御部22に供給される。また、車両制御部C1とマスタ受電制御部22とは通信可能となる。
【0036】
ちなみに、
図1に示すように、車両Cは、メインバッテリB1の放電経路上、詳細にはメインバッテリB1と車両インレットとを接続するライン上に設けられたコンタクタ(開閉器)C2を備えている。コンタクタC2がON状態となることにより、メインバッテリB1から直流電力が放電され、その放電された直流電力は、DC/AC変換器21に供給される。
【0037】
なお、車両インレットの具体的な構成、各端子Tm1〜Tm10の配置構造を含む車両側マスタコネクタMC1の具体的な形状、及び、係合爪等の車両側マスタコネクタMC1を機械的に固定するための具体的な構成については、CHAdeMO規格と同一であるため、説明を省略する。また、説明の便宜上、以降の説明において、メインバッテリB1から放電される直流電力を単に放電電力ともいい、サブバッテリB2から放電される直流電力を単に動作電力ともいう。
【0038】
図1に示すように、受電側マスタコネクタMC2は、動作電力が供給された場合に受電側マスタコネクタMC2をロックする受電側マスタロック回路32を備えている。受電側マスタロック回路32の詳細な構成は、車両側マスタロック回路31と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0039】
マスタケーブル13は、車両側マスタロック回路31と受電側マスタロック回路32とを接続するマスタコネクタロック線Wm11,Wm12を備えている。車両側マスタロック回路31と受電側マスタロック回路32とは、マスタコネクタロック線Wm11,Wm12を介して並列に接続されている。
【0040】
受電側マスタコネクタMC2は、第1マスタコネクタロック線Wm11に接続された第1コネクタロック端子Tm11と、第2マスタコネクタロック線Wm12に接続された第2コネクタロック端子Tm12を有している。マスタ受電装置11は、コネクタロック端子Tm11,Tm12に接続されたコネクタロックラインLm11,Lm12を備えている。コネクタロックラインLm11,Lm12はそれぞれ分岐点P1,P2にて2つに分岐しており、一方は動作電力線としての第3配線Wm3及び第1配線Wm1に接続され、他方はマスタ放電電力線としての第5配線Wm5及び第6配線Wm6に接続されている。詳細には、第1コネクタロックラインLm11の第1分岐ラインLm11aは第3配線Wm3(詳細には第3接続ラインLm3)に接続され、第2コネクタロックラインLm12の第1分岐ラインLm12aは第1配線Wm1(詳細には第1接続ラインLm1)に接続されている。そして、第1コネクタロックラインLm11の第2分岐ラインLm11bは第5配線Wm5(詳細には第5接続ラインLm5)に接続され、第2コネクタロックラインLm12の第2分岐ラインLm12bは第6配線Wm6(詳細には第6接続ラインLm6)に接続されている。なお、第1分岐ラインLm11a,Lm12aが特定ラインに対応する。
【0041】
第1コネクタロックラインLm11の第1分岐ラインLm11a上には、スイッチング素子としてのリレー41が設けられている。リレー41は、通常時(初期状態)にはOFF状態であり、切替信号が入力される(所定の電圧が印加される)ことによりOFF状態からON状態に切り替わるa接点である。すなわち、「通常時」とは、所定の電圧が印加されていない状態である。また、マスタ受電制御部22は、リレー41に対して切替信号を出力可能に構成されている。
【0042】
また、第2分岐ラインLm11b,Lm12b上には、放電電力を用いてマスタ受電制御部22の動作電力を生成する生成回路としての降圧回路42が設けられている。
かかる構成によれば、マスタケーブル13を介して車両Cとマスタ受電装置11とが接続された状況においてコンタクタC2がOFF状態であってリレー41がOFF状態である場合、マスタ受電制御部22には動作電力が供給される一方、各マスタロック回路31,32には動作電力は供給されない。これに対して、リレー41がON状態である場合には、各マスタロック回路31,32に対して動作電力が供給される。この場合、各マスタロック回路31,32は並列に接続されているため、両者に対して同時に動作電力が供給される。また、コンタクタC2がON状態である場合には、リレー41のON/OFFに関わらず、降圧回路42にて生成された動作電力が各マスタロック回路31,32に対して供給される。
【0043】
次に、マスタ受電装置11と第1スレーブ受電装置12aとの接続態様について説明する。
図1に示すように、第1スレーブケーブル14は、マスタ受電制御部22の動作電力が伝送されるスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2と、放電電力が伝送されるスレーブ放電電力線Ws3,Ws4と、を備えている。
【0044】
第1スレーブケーブル14の両端に設けられた各スレーブコネクタSC1,SC2はそれぞれ、第1スレーブコネクタロック線Ws1に接続された第1スレーブ端子Ts1と、第2スレーブコネクタロック線Ws2に接続された第2スレーブ端子Ts2とを備えている。各スレーブコネクタSC1,SC2はそれぞれ、第1スレーブ放電電力線Ws3に接続された第3スレーブ端子Ts3と、第2スレーブ放電電力線Ws4に接続された第4スレーブ端子Ts4とを備えている。
【0045】
そして、マスタ受電装置11は、マスタコネクタロック線Wm11,Wm12と第1スレーブケーブル14のスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2とを接続するマスタロック分配ラインLm21,Lm22を備えている。第1マスタロック分配ラインLm21は、第1コネクタロックラインLm11における分岐点P1よりも第1コネクタロック端子Tm11側の部分と第1スレーブ端子Ts1とを接続している。第2マスタロック分配ラインLm22は、第2コネクタロックラインLm12における分岐点P2よりも第2コネクタロック端子Tm12側の部分と第2スレーブ端子Ts2とを接続している。
【0046】
また、マスタ受電装置11は、配線Wm5,Wm6とスレーブ放電電力線Ws3,Ws4とを接続するマスタ放電分配ラインLm23,Lm24を備えている。第1マスタ放電分配ラインLm23は、第5配線Wm5(詳細には第5接続ラインLm5)と第1スレーブ放電電力線Ws3(詳細には第3スレーブ端子Ts3)とを接続している。第2マスタ放電分配ラインLm24は、第6配線Wm6(詳細には第6接続ラインLm6)と第2スレーブ放電電力線Ws4(詳細には第4スレーブ端子Ts4)とを接続している。
【0047】
なお、マスタ放電分配ラインLm23,Lm24と第2分岐ラインLm11b,Lm12bとは一部が共通化されているが、これに限られず、それぞれ個別に設けられていてもよい。
【0048】
また、第1スレーブコネクタSC1は、動作電力が供給された場合に第1スレーブコネクタSC1をロックする第1スレーブロック回路51を備えている。同様に、第2スレーブコネクタSC2は、動作電力が供給された場合に第2スレーブコネクタSC2をロックする第2スレーブロック回路52を備えている。各スレーブロック回路51,52はそれぞれ、スレーブコネクタロック線Ws1,Ws2に接続されている。つまり、各スレーブロック回路51,52は、スレーブコネクタロック線Ws1,Ws2を介して並列に接続されている。
【0049】
かかる構成によれば、第1スレーブケーブル14を介してマスタ受電装置11と第1スレーブ受電装置12aとが接続された場合には、マスタ受電装置11から第1スレーブ受電装置12aに向けて動作電力と放電電力とが伝送される。また、第1スレーブケーブル14のスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2にて動作電力が伝送される場合、当該スレーブコネクタロック線Ws1,Ws2から各スレーブロック回路51,52に動作電力が供給される。なお、各スレーブロック回路51,52及び後述する各スレーブロック回路53,54の詳細な構成については、車両側マスタロック回路31と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0050】
次に、第1スレーブ受電装置12aと第2スレーブ受電装置12bとの接続態様について、各スレーブ受電装置12a,12bの詳細な構成等とともに説明する。
図2に示すように、第1スレーブ受電装置12aと第2スレーブ受電装置12bとを接続する第2スレーブケーブル15は、第1スレーブケーブル14と同一構成である。詳細には、第2スレーブケーブル15は、スレーブコネクタロック線Ws1,Ws2と、スレーブ放電電力線Ws3,Ws4と、を備えている。また、第2スレーブケーブル15の両端に設けられたスレーブコネクタSC3,SC4はそれぞれ、各スレーブ端子Ts1〜Ts4を備えている。
【0051】
第3スレーブコネクタSC3は、第2スレーブケーブル15のスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2に接続されるものであって当該スレーブコネクタロック線Ws1,Ws2を伝送する動作電力が供給される第3スレーブロック回路53を備えている。同様に、第4スレーブコネクタSC4は、第2スレーブケーブル15のスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2に接続されるものであって当該スレーブコネクタロック線Ws1,Ws2を伝送する動作電力が供給される第4スレーブロック回路54を備えている。第3スレーブロック回路53と第4スレーブロック回路54とは、第2スレーブケーブル15のスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2を介して並列に接続されている。
【0052】
図2に示すように、第1スレーブ受電装置12aは、第1スレーブケーブル14及び第2スレーブケーブル15が接続されている場合に、各スレーブケーブル14,15の第1スレーブコネクタロック線Ws1同士を接続する第1スレーブロック分配ラインLs1を備えている。第1スレーブロック分配ラインLs1は、第2スレーブコネクタSC2及び第3スレーブコネクタSC3の第1スレーブ端子Ts1同士を接続している。また、第1スレーブ受電装置12aは、各スレーブケーブル14,15の第2スレーブコネクタロック線Ws2同士を接続する第2スレーブロック分配ラインLs2を備えている。第2スレーブロック分配ラインLs2は、第2スレーブコネクタSC2及び第3スレーブコネクタSC3の第2スレーブ端子Ts2同士を接続している。第1スレーブ受電装置12aにて受電された動作電力は、第2スレーブ受電装置12bに向けて伝送される。
【0053】
第1スレーブ受電装置12aは、第2スレーブコネクタSC2の第3スレーブ端子Ts3と、第1スレーブ受電装置12aのDC/AC変換器21及び第3スレーブコネクタSC3の第3スレーブ端子Ts3とを接続する第1スレーブ放電分配ラインLs3を備えている。第1スレーブ受電装置12aは、第2スレーブコネクタSC2の第4スレーブ端子Ts4と、第1スレーブ受電装置12aのDC/AC変換器21及び第3スレーブコネクタSC3の第4スレーブ端子Ts4とを接続する第2スレーブ放電分配ラインLs4を備えている。マスタ受電装置11から供給された放電電力は、第1スレーブ受電装置12aのDC/AC変換器21と第2スレーブ受電装置12bとに分配される。
【0054】
また、第1スレーブ受電装置12aは、各スレーブ放電分配ラインLs3,Ls4を介して伝送される放電電力を動作電力に変換(降圧)して、スレーブ受電制御部23に供給する降圧回路42を備えている。スレーブ受電制御部23は、降圧回路42から動作電力が供給されたことに基づいて、DC/AC変換器21を制御する。
【0055】
ちなみに、スレーブロック分配ラインLs1,Ls2は、各スレーブケーブル14,15のスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2同士を接続するものと言える。また、スレーブ放電分配ラインLs3,Ls4は、第1スレーブケーブル14のスレーブ放電電力線Ws3,Ws4とDC/AC変換器21とを接続し、且つ、各スレーブケーブル14,15のスレーブ放電電力線Ws3,Ws4同士を接続するものであると言える。なお、第2スレーブ受電装置12bの具体的な構成は、第1スレーブ受電装置12aと同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0056】
次に、本実施形態の作用と合わせて、本受電システム10の受電シーケンス(放電シーケンス)について
図3を用いて説明する。
図3は、車両CのメインバッテリB1から放電される放電電力の受電シーケンスを説明するためのタイミングチャートである。なお、
図3(a)の第3端子Tm3の電圧態様は、第1端子Tm1の電位(グランド)を基準として示し、
図3(e)の第5端子Tm5の電圧態様は、第6端子Tm6の電位(グランド)を基準として示す。
【0057】
図3に示すt0のタイミングで、車両C、マスタ受電装置11及び各スレーブ受電装置12a,12bの接続が行われたとする。詳細には、マスタケーブル13を介して車両Cとマスタ受電装置11とが接続され、第1スレーブケーブル14を介してマスタ受電装置11と第1スレーブ受電装置12aとが接続され、第2スレーブケーブル15を介して第1スレーブ受電装置12aと第2スレーブ受電装置12bとが接続される。この場合、マスタ受電装置11及び各スレーブ受電装置12a,12bの各DC/AC変換器21が並列に接続され、各ロック回路31,32,51〜54が全て並列に接続される。
【0058】
また、
図3(a)に示すように、車両Cとマスタ受電装置11とが接続されることにより、動作電力がマスタ受電制御部22に供給される。ここで、
図3(b)に示すように、リレー41は、t0のタイミングにてOFF状態であるため、動作電力は、各ロック回路31,32,51〜54には供給されないようになっている。このため、
図3(c)及び
図3(d)に示すように、各ロック回路31,32,51〜54は、各コネクタMC1,MC2,SC1〜SC4をロックしていない解除状態(非ロック状態)となっている。
【0059】
その後、マスタ受電制御部22は、車両Cから動作電力が供給されたことに基づいて、各配線Wm2,Wm4,Wm8,Wm9を介して車両制御部C1と情報のやり取りを行うことにより、放電を行ってもよいか否か(メインバッテリB1の直流電力を受電可能か否か)を判定する。
【0060】
マスタ受電制御部22は、車両Cからマスタ受電装置11に対して放電を行ってもよいと判定した場合には、
図3(b)に示すようにt1のタイミングで、リレー41に対して切替信号を出力し、リレー41をOFF状態からON状態に切り替える。これにより、各ロック回路31,32,51〜54に対して同時に動作電力が供給される。よって、
図3(c)及び
図3(d)に示すように、各ロック回路31,32,51〜54が同時にロック状態となり、各コネクタMC1,MC2,SC1〜SC4が同時にロックされる。
【0061】
その後、t2のタイミングにて、マスタ受電制御部22は、第10配線Wm10を介して車両制御部C1に対して放電要求を行い、車両制御部C1は、その放電要求に応じてコンタクタC2をON状態とする。これにより、メインバッテリB1の放電が開始される。当該放電電力は、マスタ受電装置11及び各スレーブ受電装置12a,12bに分配される。分配された放電電力は、マスタ受電装置11及びスレーブ受電装置12a,12bの各DC/AC変換器21によって交流電力に変換されて、各負荷Xに供給される。
【0062】
図3(b)に示すように、t3のタイミングでは、マスタ受電制御部22は、リレー41をON状態からOFF状態に切り替える。この場合、各ロック回路31,32,51〜54には、降圧回路42から動作電力が供給されている。このため、
図3(c)及び
図3(d)に示すように、各ロック回路31,32,51〜54はロック状態を維持する。
【0063】
図3(e)に示すように、t4のタイミングにて、メインバッテリB1の放電が終了する。すると、各ロック回路31,32,51〜54に対する動作電力の供給が停止する。これにより、
図3(c)及び
図3(d)に示すように、各マスタロック回路31,32と各スレーブロック回路51〜54とが同時に解除状態となる。これにより、各コネクタMC1,MC2,SC1〜SC4の取り外しが可能となる。
【0064】
以上説明した通り、マスタケーブル13を介して車両Cとマスタ受電装置11とが接続され、各スレーブケーブル14,15を介してマスタ受電装置11と各スレーブ受電装置12a,12bとがディジーチェーン接続されている場合、各ロック回路31,32,51〜54が並列に接続される。このため、各コネクタMC1,MC2,SC1〜SC4のロックタイミング(各ロック回路31,32,51〜54への動作電力の供給タイミング)は同期する。
【0065】
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)車両Cに搭載されたメインバッテリB1の放電電力を受電する受電システム10は、DC/AC変換器21及びマスタ受電制御部22を有するマスタ受電装置11と、車両Cとマスタ受電装置11とを接続するマスタケーブル13とを備えている。受電システム10は、マスタ受電装置11から放電電力を受電可能であって、DC/AC変換器21を有する第1スレーブ受電装置12aと、マスタ受電装置11と第1スレーブ受電装置12aとを接続する第1スレーブケーブル14とを備えている。そして、受電システム10は、マスタケーブル13を介して車両Cとマスタ受電装置11とが接続され、且つ、第1スレーブケーブル14を介してマスタ受電装置11と第1スレーブ受電装置12aとが接続された場合に、メインバッテリB1の放電電力がマスタ受電装置11及び第1スレーブ受電装置12aに分配されるように構成されている。詳細には、第1スレーブケーブル14は、スレーブ放電電力線Ws3,Ws4を備え、マスタ受電装置11は、マスタケーブル13の各配線Wm1〜Wm12のうち放電電力が伝送される配線Wm5,Wm6とスレーブ放電電力線Ws3,Ws4とを接続するマスタ放電分配ラインLm23,Lm24を備えている。そして、第1スレーブ受電装置12aは、スレーブ放電電力線Ws3,Ws4とDC/AC変換器21とを接続するスレーブ放電分配ラインLs3,Ls4を備えている。これにより、メインバッテリB1からの放電電力は、マスタ受電装置11のDC/AC変換器21及び第1スレーブ受電装置12aのDC/AC変換器21に分配される。よって、1つあたりのDC/AC変換器21に供給される直流電力が小さくなる。したがって、DC/AC変換器21として小電力に対応したものを採用しつつ、大容量のメインバッテリB1の放電が可能となる。
【0066】
詳述すると、メインバッテリB1の容量は、車両Cの種類によって変動し得る。例えばバスなどの大型車に搭載されるメインバッテリB1の容量は、普通車に搭載されるメインバッテリB1の容量よりも大きくなり易い。このため、例えば普通車に搭載されるメインバッテリB1の容量に対応したDC/AC変換器21に、大型車に搭載されているメインバッテリB1を接続した場合、メインバッテリB1を十分に放電させることができない。かといって、DC/AC変換器21として、大型車に搭載されているメインバッテリB1の容量に対応したものを採用すると、DC/AC変換器21の大型化及び重量化が懸念される。すると、マスタ受電装置11が大型になったり、重くなったりして、利便性が低下する。
【0067】
これに対して、本実施形態では、小容量のメインバッテリB1の放電に対しては、マスタ受電装置11のみで対応する一方、大容量のメインバッテリB1の放電に対しては、マスタ受電装置11と第1スレーブ受電装置12aとで対応することができる。これにより、利便性の低下を抑制しつつ、小容量のメインバッテリB1の放電と大容量のメインバッテリB1の放電との双方に対応できる。
【0068】
また、上記構成によれば、同一のマスタ受電装置11及び第1スレーブ受電装置12aで、大容量のメインバッテリB1の放電と、小容量のメインバッテリB1の放電との双方に対応できる。これにより、メインバッテリB1の容量が異なることに対応させて専用の受電装置を設ける構成と比較して、汎用性の向上を図ることができる。
【0069】
(2)マスタケーブル13は、車両Cに取り付け可能な車両側マスタコネクタMC1と、マスタ受電装置11に取り付け可能な受電側マスタコネクタMC2と、マスタ受電制御部22の動作電力が伝送される動作電力線としての第3配線Wm3及び第1配線Wm1と、マスタコネクタロック線Wm11,Wm12とを備えている。また、マスタコネクタMC1,MC2は、動作電力が供給された場合にマスタコネクタMC1,MC2をロックするマスタロック回路31,32を備えている。
【0070】
また、第1スレーブケーブル14は、マスタ受電装置11に取り付け可能な第1スレーブコネクタSC1と、第1スレーブ受電装置12aに取り付け可能な第2スレーブコネクタSC2と、動作電力が伝送されるスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2とを備えている。スレーブコネクタSC1,SC2は、動作電力が供給された場合にスレーブコネクタSC1,SC2をロックするスレーブロック回路51,52を備えている。
【0071】
かかる構成において、受電システム10は、マスタケーブル13を介して車両Cとマスタ受電装置11とが接続され、且つ、第1スレーブケーブル14を介してマスタ受電装置11と第1スレーブ受電装置12aとが接続された場合、各スレーブロック回路51,52及び各マスタロック回路31,32が並列に接続されるように構成されている。詳細には、各マスタロック回路31,32は、マスタコネクタロック線Wm11,Wm12を介して並列に接続されており、各スレーブロック回路51,52は、スレーブコネクタロック線Ws1,Ws2を介して並列に接続されている。そして、マスタ受電装置11は、マスタコネクタロック線Wm11,Wm12とスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2とを接続するマスタロック分配ラインLm21,Lm22を備えている。これにより、各ロック回路31,32,51,52に動作電力が供給されるタイミングが同期する。よって、各コネクタMC1,MC2,SC1,SC2を同時にロックできるとともに、各コネクタMC1,MC2,SC1,SC2のロックを同時に解除できる。したがって、受電シーケンスを円滑に行うことができる。
【0072】
(3)特に、マスタ受電装置11は、マスタコネクタロック線Wm11,Wm12と、マスタケーブル13において動作電力が伝送される配線Wm3,Wm1とを接続する第1分岐ラインLm11a,Lm12a(特定ライン)を備えており、第1分岐ラインLm11a上にはリレー41が設けられている。かかる構成によれば、リレー41がOFF状態である場合、第3配線Wm3及び第1配線Wm1を介して動作電力がマスタ受電制御部22に供給されている場合であっても、各ロック回路31,32,51,52には動作電力は供給されない。一方、リレー41がON状態となることにより、第3配線Wm3及び第1配線Wm1からの動作電力が、マスタコネクタロック線Wm11,Wm12及びスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2に供給され、各ロック回路31,32,51,52に動作電力が同時に供給される。これにより、マスタ受電制御部22が直接動作電力を供給することなく、各コネクタMC1,MC2,SC1,SC2を所望のタイミングでロックさせることができる。
【0073】
(4)受電システム10は、第2スレーブケーブル15を介して第1スレーブ受電装置12aと接続された場合に第1スレーブ受電装置12aから放電電力を受電するものであって、DC/AC変換器21を有する第2スレーブ受電装置12bを備えている。詳細には、第2スレーブケーブル15を介して第1スレーブ受電装置12aと第2スレーブ受電装置12bとが接続された場合、第1スレーブ受電装置12aのDC/AC変換器21と第2スレーブ受電装置12bのDC/AC変換器21とが並列に接続される。換言すれば、マスタ受電装置11及び各スレーブ受電装置12a,12bは、放電電力が分配されるようにディジーチェーン接続されている。これにより、放電電力の更なる分散化を図ることができる。
【0074】
かかる構成において、第2スレーブケーブル15は、第1スレーブ受電装置12aに取り付け可能な第3スレーブコネクタSC3と、第2スレーブ受電装置12bに取り付け可能な第4スレーブコネクタSC4と、動作電力が伝送されるスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2とを備えている。スレーブコネクタSC3,SC4は、スレーブコネクタロック線Ws1,Ws2に接続されたスレーブロック回路53,54を備えている。そして、第1スレーブ受電装置12aは、各スレーブケーブル14,15のスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2同士を接続するスレーブロック分配ラインLs1,Ls2を備えている。これにより、車両C、マスタ受電装置11及び各スレーブ受電装置12a,12bが接続されることにより、各ロック回路31,32,51〜54が並列に接続される。よって、各コネクタMC1,MC2,SC1〜SC4をロックするタイミングを同期させることができる。
【0075】
(5)マスタ受電制御部22の動作電力はサブバッテリB2から供給される構成において、マスタ受電装置11は、メインバッテリB1からの放電電力を用いて動作電力を生成する降圧回路42を備えている。そして、受電システム10(マスタ受電装置11)は、当該降圧回路42からの動作電力が、リレー41のON/OFFに関わらず、各ロック回路31,32,51〜54に供給されるように構成されている。詳細には、マスタ受電装置11は、マスタコネクタロック線Wm11,Wm12に接続されたコネクタロックラインLm11,Lm12を備えている。コネクタロックラインLm11,Lm12は途中で2つに分岐しており、第1分岐ラインLm11a,Lm12aは、配線Wm3,Wm1(接続ラインLm3,Lm1)に接続されている一方、第2分岐ラインLm11b,Lm12bは、配線Wm5,Wm6(接続ラインLm5,Lm6)に接続されている。そして、第2分岐ラインLm11b,Lm12b上に降圧回路42が設けられている。これにより、メインバッテリB1の放電電力を用いて各ロック回路31,32,51〜54に電力供給を行うことができるため、サブバッテリB2の使用を抑制できる。よって、サブバッテリB2の劣化を抑制できる。
【0076】
詳述すると、各ロック回路31,32,51〜54に電力供給を行うためにサブバッテリB2を長時間使用すると、サブバッテリB2が劣化し易くなる。特にサブバッテリB2が鉛蓄電池の場合にはサブバッテリB2が劣化し易い。これに対して、本実施形態では、メインバッテリB1の放電が行われた場合にはサブバッテリB2ではなくメインバッテリB1の放電電力を用いて各ロック回路31,32,51〜54への電力供給が行われるため、サブバッテリB2の使用(使用容量)を抑制できる。よってサブバッテリB2の劣化を抑制できる。
【0077】
(6)マスタコネクタロック線Wm11,Wm12とスレーブコネクタロック線Ws1,Ws2とを接続するマスタロック分配ラインLm21,Lm22は、コネクタロックラインLm11,Lm12の分岐点P1,P2よりもコネクタロック端子Tm11,Tm12側の部分に接続されている。これにより、第3配線Wm3及び第1配線Wm1からの動作電力と、降圧回路42からの動作電力との双方が、各スレーブロック回路51〜54に供給される。よって、各ロック回路31,32,51〜54の同期を好適に行うことができる。
【0078】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ リレー41は第1分岐ラインLm11a上に設けられていたが、これに代えて又は加えて、第1分岐ラインLm12a上に設けられていてもよい。つまり、「特定ライン上」とは、当該特定ラインとしての2つの第1分岐ラインLm11a,Lm12a上の少なくとも一方を意味する。
【0079】
○ スレーブ受電装置12の数は3つ以上であってもよい。この場合、スレーブケーブルを用いて各スレーブ受電装置をディジーチェーン接続するとよい。
○ 受電側マスタコネクタMC2は、各端子Tm1〜Tm12を有する1のコネクタであったが、これに限られず、CHAdeMO規格に対応した第1のコネクタと、コネクタロック端子Tm11,Tm12を有する第2のコネクタとから構成されていてもよい。この場合、マスタ受電装置11には、第1のコネクタが取り付けられる第1のインレットと、第2のコネクタが取り付けられる第2のインレットとが設けられているとよい。かかる構成においては、第1のコネクタ及び第2のコネクタの双方にロック回路を設け、当該2つのロック回路は、マスタケーブル13とマスタ受電装置11とが接続された場合に、並列に接続されるように構成されているとよい。
【0080】
○ マスタケーブル13の受電側マスタコネクタMC2を省略して、マスタ受電装置11とマスタケーブル13とをユニット化してもよい。
○ リレー41及び第1分岐ラインLm11a,Lm12aを省略してもよい。この場合、マスタ受電制御部22とコネクタロックラインLm11,Lm12とを接続し、マスタ受電制御部22が動作電力を供給する構成であってもよい。
【0081】
○ 実施形態では、スイッチング素子としてリレー41を採用したが、これに限られず、ノーマリーオフのスイッチング素子であれば任意である。
○ 降圧回路42は、各ロック回路31,32,51〜54の駆動電力として、動作電力よりも電圧が高い電力を生成してもよい。つまり、降圧回路42にて生成される駆動電力と、第3端子Tm3及び第1端子Tm1から供給される動作電力とは、必ずしも一致していなくてもよい。
【0082】
○ 降圧回路42を省略してもよい。この場合、メインバッテリB1の放電が終了するまで、リレー41をON状態に維持するとよい。
○ サブバッテリB2を省略してもよい。この場合、車両Cに、メインバッテリB1の直流電力を用いて動作電力を生成する降圧回路42を設け、当該降圧回路42からの動作電力が第3端子Tm3及び第1端子Tm1に供給される構成であってもよい。
【0083】
○ 車両Cは、蓄電装置を有するものであれば任意であり、例えばEV,FCV等であってもよい。また、車両Cに搭載される蓄電装置は、充放電が可能なものであれば、リチウムイオン二次電池等の二次電池に限られず任意であり、例えば電気二重層キャパシタ等であってもよい。
【0084】
○ スレーブコネクタSC1〜SC4は、車両側マスタコネクタMC1又は受電側マスタコネクタMC2と同一構成であってもよい。
○ マスタ受電装置11とスレーブ受電装置12との間、又はスレーブ受電装置12同士で情報のやり取りを行ってもよい。例えば、スレーブ受電制御部23は受電中定期的に異常が発生しているか否かを判定し、異常が発生した場合には、異常発生信号を上流側の受電装置に送信する。異常発生信号を受信した受電装置は、さらに上流側の装置にその通知を伝送する。これにより、マスタ受電装置11が異常発生信号を受信することとなる。マスタ受電装置11は、異常発生信号を受信した場合、例えば放電を中止させるといった異常対応処理を実行するとよい。なお、この場合、スレーブケーブルは、異常発生信号等の制御信号を伝送する信号線を備えているとよい。
【0085】
○ 受電システム10(マスタ受電装置11)は、系統電力等の外部電力を受電するものであってもよい。この場合、マスタ受電装置11は、マスタケーブル13を介して車両Cと接続されている状況において外部電力を受電した場合には、受電された外部電力を用いて車両CのメインバッテリB1を充電するとよい。詳細には、マスタ受電装置11は、DC/AC変換器21に代えて、直流電力と交流電力との双方向の変換が可能な双方向変換器を備えているとよい。かかる構成によれば、マスタケーブル13を用いて車両Cとマスタ受電装置11とが接続され、系統電源とマスタ受電装置11とが接続されると、双方向変換器にて系統電源から供給される系統電力が直流電力に変換され、当該直流電力がメインバッテリB1に供給される。これにより、メインバッテリB1の充放電が可能となるため、利便性の向上を図ることができる。
【0086】
なお、スレーブ受電装置12は、直流電力から交流電力への一方向のみの変換が可能に構成されていてもよいし、上記のように双方向の変換が可能に構成され、メインバッテリB1の充電を補助するものとして用いられてもよい。
【0087】
また、マスタ受電装置11は、双方向変換器に代えて、DC/AC変換器21と、交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換器とを別々に備えている構成であってもよい。この場合、マスタ受電装置11は、外部電力がAC/DC変換器に供給され、AC/DC変換器から出力される直流電力が配線Wm5,Wm6を介してメインバッテリB1に供給されるように構成されているとよい。
【0088】
さらに、受電システム10(マスタ受電装置11)が受電する外部電力は、系統電力等の交流電力に限られず、直流電力であってもよい。この場合、マスタ受電装置11は、受電された直流電力がDC/AC変換器21を介することなくメインバッテリB1に供給されるようにバイパスラインを備えているとよい。