(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この傘ホルダーを鞄に掛けてベルトで傘を保持すると、鞄が手等に吊り下げられた状態で傘が垂直方向を向くため、傘の先端(傘の柄と反対側の端部)が、地面や床に接触しやすく、破損するおそれがあった。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、鞄に掛けられ傘を保持した状態において、保持された傘の先端が地面等に接触しにくい鞄取付式傘ホルダーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる鞄取付式傘ホルダーは、鞄の持ち手に掛けることができる取付部と、前記取付部が鞄の持ち手に掛けられた状態で、該取付部に吊り下げられる
本体部であって、着脱可能な一対の面ファスナの一方を有する本体部と、前記本体部に、少なくとも二つの姿勢で選択的に配置可能
で且つ閉じた傘を保持可能な保持部であって、
前記一対の面ファスナの他方を有する保持部と、を備え、前記本体部は、前記取付部が掛けられた状態での鞄の持ち手の中央を通り且つ鞄の持ち手の基部を結ぶ仮想線に直交する基準線によって区画される第一領域及び第二領域を有し、前記少なくとも二つの姿勢のうち第一の姿勢は、傘の柄が前記基準線に対して前記第一領域側に位置すると共に、傘の先端が前記基準線に対して前記第二領域側に位置するように傘を前記基準線に対して傾斜した状態で保持する姿勢であり、前記少なくとも二つの姿勢のうち第二の姿勢は、傘の柄が前記基準線に対して前記第二領域側に位置すると共に、傘の先端が前記基準線に対して前記第一領域側に位置するように傘を前記基準線に対して傾斜した状態で保持する姿勢であ
り、前記一対の面ファスナの着脱により、前記保持部を前記本体部に前記少なくとも二つの姿勢で選択的に配置できる、ことを特徴とする。
【0007】
上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、保持部が第一、及び第二の姿勢で傘を保持できるため、鞄の持ち手の基準線に対して傾斜した姿勢で傘が鞄に対して保持され、これにより、傘の先端が地面等に接触しにくくなる。しかも、上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、鞄を右手と左手とで持ち替えたとしても、保持部の姿勢を第一の姿勢と第二の姿勢との間で切り替えることで、傘の柄の位置を、鞄を持つ人の前方側又は後方側のうち好みの位置に変化させることができる。
また、上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、面ファスナの着脱により、保持部の姿勢を容易に変更することができる。
【0010】
前記鞄取付式傘ホルダーでは、前記保持部は、前記本体部の表面に沿って回動可能に該本体部に対して取り付けられていてもよい。
【0011】
上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、保持部が本体部の表面に沿って回動可能に取り付けられているため、傘を保持した状態の保持部の落下を防ぎつつ、回動によって保持部の姿勢を変更できる。さらに、保持部が本体部に対して取り付けられていることで、保持部の紛失を防ぐこともできる。
【0012】
前記鞄取付式傘ホルダーでは、前記取付部は、前記本体部から延び、且つ、互いの先端側の部位同士が取り外し可能に係合する第一取付部材及び第二取付部材を有し、前記第一取付部材及び第二取付部材の少なくとも一方の少なくとも一部は、柔軟性を有し、前記第一取付部材及び第二取付部材は、互いに係合する部位の係合位置、又は、互いに係合する部位の係合面積を変えることで、前記第一取付部材の基端から前記第二取付部材の基端までの長さを変更できてもよい。
【0013】
上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、取付部の長さ(即ち、第一取付部材の基端から第二取付部材の基端までの長さ)を、鞄の持ち手の幅に合わせて変更できるため、本体部の鞄の持ち手に対する位置を変えることなく、様々な幅の持ち手に取付部を掛けることができる。
【0014】
本発明にかかる鞄取付式傘ホルダーは、鞄の持ち手に掛けることができる取付部と、前記取付部が鞄の持ち手に掛けられた状態で、該取付部に吊り下げられる本体部であって、所定の方向に延びる第一本体部
、所定の方向に延び且つ前記第一本体部を含む平面に沿って回動できるようにその一端が該第一本体部の一端に取り付けられた第二本体部
、前記第一本体部から前記第二本体部に向かって延びる第三本体部
、及び前記第二本体部から前記第一本体部に向かって延びる第四本体
部を有
する本体部と、前記本体部に、少なくとも二つの姿勢で選択的に配置可能な保持部であって、閉じた傘を保持可能な保持部と、を備え、前記本体部は、前記取付部が掛けられた状態での鞄の持ち手の中央を通り且つ鞄の持ち手の基部を結ぶ仮想線に直交する基準線によって区画される第一領域及び第二領域を有し、前記少なくとも二つの姿勢のうち第一の姿勢は、傘の柄が前記基準線に対して前記第一領域側に位置すると共に、傘の先端が前記基準線に対して前記第二領域側に位置するように傘を前記基準線に対して傾斜した状態で保持する姿勢であり、前記少なくとも二つの姿勢のうち第二の姿勢は、傘の柄が前記基準線に対して前記第二領域側に位置すると共に、傘の先端が前記基準線に対して前記第一領域側に位置するように傘を前記基準線に対して傾斜した状態で保持する姿勢であり、前記取付部は、前記本体部から延び、且つ、互いの先端側の部位同士が取り外し可能に係合する第一取付部材及び第二取付部材を有し、前記第一取付部材は、前記第一本体部の他端から延び、前記第二取付部材は、前記第二本体部の他端から延び、
前記第一取付部材及び第二取付部材の少なくとも一方の少なくとも一部は、柔軟性を有し、前記第一取付部材及び第二取付部材は、互いに係合する部位の係合位置、又は、互いに係合する部位の係合面積を変えることで、前記第一取付部材の基端から前記第二取付部材の基端までの長さを変更でき、前記第三本体部の先端側の部位と前記第四本体部の先端側の部位とは、互いに係合可能であり、前記第三本体部及び第四本体部において、互いに係合する部位の係合位置、又は、互いに係合する部位の係合面積を変えることで、前記第一本体部の他端と前記第二本体部の他端との間の距離を変更でき
る、ことを特徴とする。
【0015】
上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、保持部が第一、及び第二の姿勢で傘を保持できるため、鞄の持ち手の基準線に対して傾斜した姿勢で傘が鞄に対して保持され、これにより、傘の先端が地面等に接触しにくくなる。しかも、上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、鞄を右手と左手とで持ち替えたとしても、保持部の姿勢を第一の姿勢と第二の姿勢との間で切り替えることで、傘の柄の位置を、鞄を持つ人の前方側又は後方側のうち好みの位置に変化させることができる。
また、上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、様々な長さに変更可能な取付部に合わせて、第一本体部の他端と第二本体部の他端との距離(取付部の両端の距離)を変更した状態で固定できる。そのため、この距離を変更した状態で固定できない構成と比べて、取付部を安定的に鞄の持ち手に固定することができ、これにより、鞄取付式傘ホルダーを安定的に鞄に取り付けることができる。
【0016】
上記構成の鞄取付式傘ホルダーでは、さらに、互いに係合した状態の前記第三本体部及び第四本体部が内側を挿通するように、前記保持部とともに前記第三本体部及び第四本体部を囲む囲繞部材を備える。
【0017】
上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、保持部及び囲繞部材が、互いに係合した状態の第三本体部及び第四本体部を囲んでいるため、この第三本体部及び第四本体部に沿って保持部を移動させやすい。これにより、保持部の姿勢を変更するために、保持部の本体部における表面に沿った回動が容易になる。
【0018】
本発明にかかる鞄取付式傘ホルダーは、鞄の持ち手に掛けることができる取付部と、前記取付部が鞄の持ち手に掛けられた状態で、該取付部に吊り下げられる本体部であって、帯状の第一本体部材及び第二本体部材を有
する本体部と、前記本体部に、少なくとも二つの姿勢で選択的に配置可能な保持部であって、閉じた傘を保持可能な保持部と、を備え、前記本体部は、前記取付部が掛けられた状態での鞄の持ち手の中央を通り且つ鞄の持ち手の基部を結ぶ仮想線に直交する基準線によって区画される第一領域及び第二領域を有し、前記少なくとも二つの姿勢のうち第一の姿勢は、傘の柄が前記基準線に対して前記第一領域側に位置すると共に、傘の先端が前記基準線に対して前記第二領域側に位置するように傘を前記基準線に対して傾斜した状態で保持する姿勢であり、前記少なくとも二つの姿勢のうち第二の姿勢は、傘の柄が前記基準線に対して前記第二領域側に位置すると共に、傘の先端が前記基準線に対して前記第一領域側に位置するように傘を前記基準線に対して傾斜した状態で保持する姿勢であり、前記第二本体部材は、前記第一本体部材を含む平面に沿って回動可能に該第一本体部材に取り付けられ、
前記取付部は、前記本体部から延び、且つ、互いの先端側の部位同士が取り外し可能に係合する第一取付部材及び第二取付部材を有し、前記第一取付部材は、前記第一本体部材から延び、前記第二取付部材は、前記第二本体部材から延び、
前記第一取付部材及び第二取付部材の少なくとも一方の少なくとも一部は、柔軟性を有し、前記第一取付部材及び第二取付部材は、互いに係合する部位の係合位置、又は、互いに係合する部位の係合面積を変えることで、前記第一取付部材の基端から前記第二取付部材の基端までの長さを変更でき、前記第一本体部材及び第二本体部材は、回動によって重ね合わせ可能であ
る、ことを特徴とする。
【0019】
上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、保持部が第一、及び第二の姿勢で傘を保持できるため、鞄の持ち手の基準線に対して傾斜した姿勢で傘が鞄に対して保持され、これにより、傘の先端が地面等に接触しにくくなる。しかも、上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、鞄を右手と左手とで持ち替えたとしても、保持部の姿勢を第一の姿勢と第二の姿勢との間で切り替えることで、傘の柄の位置を、鞄を持つ人の前方側又は後方側のうち好みの位置に変化させることができる。
また、上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、第一本体部材に対して、第二本体部材を回動させて重ね合わせる(即ち、本体部を折り畳む)ことで本体部を小さくできるため、持ち運び等がしやすくなる。
【0020】
上記構成の鞄取付式傘ホルダーでは、さらに、前記第一取付部材、前記第二取付部材、前記第一本体部材、前記第二本体部材、及び前記保持部は、長尺状であり、前記第二本体部材の一端は、前記第一本体部材の一端に回動可能に取り付けられ、前記第一取付部材は、前記第一本体部材の他端から延び、前記第二取付部材は、前記第二本体部材の他端から延び、前記第一取付部材、前記第二取付部材、及び前記保持部は、重ね合わされた状態の前記第一本体部材及び第二本体部材に対して重ね合わせ可能であってもよい。
【0021】
上記構成の鞄取付式傘ホルダーによれば、重ね合わされた状態の第一、第二本体部材に対して、第一、第二取付部材及び保持部をさらに重ね合わせる(即ち、本体部、取付部、及び保持部を折り畳む)ことができ、本体部、取付部、及び保持部が長尺状であるため、折り畳んだ際の幅(本体部等の長尺方向と直交する方向の幅)を狭くできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の鞄取付式傘ホルダーによれば、鞄に掛けられ傘を保持した状態において、保持された傘の先端が地面等に接触しにくくなる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る鞄取付式傘ホルダーについて、図面を参照して説明する。この傘ホルダーは、例えば、手提げ鞄の持ち手に取り付けられる鞄取付式傘ホルダーである。
【0025】
鞄取付式傘ホルダーは、
図1−
図4に示すように、鞄の持ち手に掛けることができる取付部10と、取付部10が鞄の持ち手に掛けられた状態(
図6及び
図7参照)で、取付部10に吊り下げられる本体部20と、本体部20に、少なくとも二つの姿勢で選択的に配置可能な保持部30であって、閉じた傘を保持可能な保持部30と、を備える。本実施形態の保持部30は、本体部20に二つの姿勢で選択的に配置可能である。
【0026】
本体部20は、複数の本体部材を有する。本実施形態の本体部20は、二つの本体部材を有する。また、本実施形態の二つの本体部材は、それぞれ、帯状である。本実施形態では、二つの本体部材として、それぞれ、長尺の板状の第一本体部材21及び第二本体部材22が用いられている。また、第二本体部材22は、第一本体部材21を含む平面に沿って回動可能に取り付けられる。さらに、第一、第二本体部材21,22は、回動により重ね合わせ可能である。このように、第二本体部材22を第一本体部材21に対して回動させることで、第一本体部材21と第二本体部材22とのなす角度を変更可能である。
【0027】
具体的には、第一、第二本体部材21,22は、それぞれ、保持部30が配置される長尺状の基部21a,22aと、保持部30を基部21a,22aに対して取り外し可能に取り付ける係止部21b,22bとを有する。本実施形態では、係止部21b,22bとして面ファスナが用いられている。
【0028】
基部21a,22aは、長尺の板状である。本実施形態の基部21a,22aは、プラスチック板である。基部21a,22aの長尺方向における長さ、基部21a,22aの幅(長尺方向に直交する方向における幅)、及び、基部21a,22aの厚みは、それぞれ等しい。基部22aは、基部21aを含む平面に沿って回動可能に基部21aに取り付けられている。具体的には、基部22aの一端22c(取付部10から遠い端部)は、基部21aの一端21c(取付部10から遠い端部)に回動可能に取り付けられ、基部21a,22aは、回動によって重ね合わせ可能である。例えば、基部22aの一端22cは、基部21aの一端21cに重ね合わされた状態で、ビス23により回動可能に取り付けられ、基部21a,22aは、回動によって重ね合わせ可能である。
【0029】
係止部21b,22bは、長尺形状である。また、係止部21b,22bは、それぞれ、その長尺方向を基部21a,22aの長尺方向と合わせた状態で、基部21a,22aにおける取付部10から近い側の端部21d,22dに固定されている。
【0030】
取付部10は、本体部20から延び、複数の取付部材を有する。本実施形態の本体部20は、二つの取付部材を有する。本実施形態では、二つの取付部材として、
図2に示すように、第一取付部材11と第二取付部材12とが用いられている。本実施形態の第一、第二取付部材11,12は、それぞれ、第一、第二本体部材21,22から延びる。また、第一、第二取付部材11,12は、長尺状である。さらに、第一、第二取付部材11,12は、互いの先端側の部位同士が取り外し可能に係合し、第一、第二取付部材11,12の少なくとも一方における少なくとも一部は柔軟性を有する。第一、第二取付部材11,12は、互いに係合する部位の係合位置、又は、互いに係合する部位の係合面積を変えることで、第一取付部材11の基端11aから第二取付部材12の基端12aまでの長さ、即ち、取付部10の長さ10L(
図1における第一、第二取付部11,12の延びる方向に沿った取付部10全体の長さ)を変更できる。
【0031】
具体的には、第一、第二取付部材11,12は、それぞれ、第一、第二本体部材21,22側から延びる長尺状の基部13,14と、基部13,14における先端側の部位にそれぞれ固定されると共に、基部13,14同士を取り外し可能に取り付ける係止部15,16と、基部13,14と第一、第二本体部材21,22の基部21a,22aを接続する接続部17,18とを有する。本実施形態では、第一取付部材11の係止部15は、一対の面ファスナの一方を用いると共に、第二取付部材12の係止部16としてこの面ファスナの他方を用いる。
【0032】
基部13,14は、長尺状のプラスチック板である。基部13,14の長尺方向における長さ、基部13,14の幅(長尺方向に直交する方向における幅)、及び、基部13,14の厚みは、それぞれ等しい。
【0033】
係止部15,16は、例えば、接着剤により基部13,14に固定されている。基部13,14における先端側の部位同士は、係止部15,16により取り外し可能に係合する。また、基部13,14の長尺方向を一致させると共に、基部14の先端側に基部13の先端側を重ね合わせた状態で、係止部15,16同士を係合させる。このとき、係止部15,16を基部13,14の長尺方向に重ね合わせる領域の面積を変えることで、係止部15,16の係合する部位の係合面積を変えることができる。該係合面積を変えることで、取付部10の長さ10Lを鞄の持ち手の幅に合わせて変更できる。そのため、本体部20の鞄の持ち手に対する位置を変えることなく、様々な幅の持ち手に取付部10を掛けることができる。
【0034】
本実施形態の接続部17,18は、柔軟性を有する部材である。柔軟性を有する部材の材料として、例えば、ナイロン生地が挙げられる。接続部17,18は、柔軟性を有するため、折り曲げ可能である。
【0035】
保持部30は、本体部20の表面に沿って回動可能に、本体部20に対して取り付けられている。保持部30は、上述のように、本体部20に対して二つの異なる姿勢で配置可能であり、閉じた傘を保持できる。また、保持部30は、長尺状の部材である。
【0036】
具体的には、本実施形態の保持部30は、長尺状の基部31と、基部31における本体部20に対向する面と反対側の面(以下、「基部31の表面」と言う)に固定されると共に、閉じた傘を保持可能な収納部33,34,35と、基部31における本体部20に対向する面(以下、「基部31の裏面」と言う)に固定されると共に、収納部33,34,35を本体部20に取り付ける係止部32とを有する。収納部33,34,35は、傘を周方向に囲むことで保持できる。この収納部33,34,35は、筒部33と、筒部33にそれぞれ固定されると共に、筒部33の径を絞ることが可能な絞り部34,35とを有する。本実施形態では、係止部32として、第一、第二本体部材11,12の係止部21b,22bと係止可能な面ファスナを用いる。また、絞り部34,35としても、面ファスナを用いる。
【0037】
基部31は、長尺状のプラスチック板である。基部31の長尺方向における長さ、基部31の幅(長尺方向に直交する方向における幅)、及び、基部31の厚みは、基部21a,22aの長さ、幅、及び、厚みとそれぞれ等しい。このように、基部31の材料は、第一、第二本体部材21,22の基部21a,22aと同一の材料であり、第一、第二本体部材21,22の基部31の各寸法は、基部21a,22aと等しく、基部31と第一、第二本体部材21,22の基部21a,22aとは同一の部材である。
【0038】
本実施形態では、基部31の一端31a(取付部10から遠い側の端部)が、第一、第二本体部材21,22の一端21c,22c(取付部10から遠い側の端部)に重ね合わされた状態で、ビス23により回動可能に取り付けられている。これにより、保持部30は、本体部20の表面に沿って回動可能となっている。
【0039】
係止部32は、基部31の裏面の少なくとも一部に固定されている。本実施形態では、係止部32は長尺状である。また、係止部32は、その長尺方向を基部31の長尺方向と合わせた状態で、基部31の裏面における取付部10から近い側の端部に、例えば、接着剤により固定されている。また、係止部32は、保持部30を第一本体部材21に重ね合わせた状態で、係止部21bと係合可能となるように、各係合面が対向して配置されている。係止部32と係止部21bとの係合面についても同様である。係止部32が、第一本体部材21の係止部21b又は第二本体部材22の係止部22bに選択的に着脱することにより、保持部30の姿勢が本体部20に対して二つの姿勢(第一の姿勢及び第二の姿勢)の間で切り替えられる。
【0040】
係止部21b,22bの幅(係止部21b,22bの長尺方向と直交する方向の幅)及び係止部32の幅(係止部32の長尺方向と直交する方向の幅)は、基部21a,22b、31の幅と略等しい。そのため、係止部21b,22bと係止部32とを係合させた際に、基部21a,22b、31を幅方向の略全体を覆うように係合部位が存在し、これにより、この係合は外れにくい。
【0041】
また、係止部32の長尺方向の長さは、第一、第二本体部材21,22の係止部21b,22bの長尺方向の長さよりも短い。そのため、係止部21b,22b、32の重ね合わせ部分における長尺方向の長さがある程度短くなる。これにより、係止部32の係止部21b,22bからの取り外しが容易である。
【0042】
筒部33は、閉じた傘が挿通される部材であり、本実施形態の筒部33の材料は、合成樹脂、例えば、ポリ塩化ビニルからなるシートである。筒部33の径は、取付部10に近いほど大きく、取付部10に遠いほど小さくなっている、即ち、筒部33は、閉じた傘の径に見合った形状となっている。筒部33は、これを構成するシートの厚みがある程度薄いため、柔軟性を有する。これにより、筒部33への傘の挿通が容易である。なお、筒部33は、接着剤により基部31の表面に固定されている。また、筒部33の中心線方向の両端部のそれぞれには、筒部33の端縁から筒部33の中心線方向の中央部に向かって延びるスリットが形成されている。
【0043】
絞り部34,35は、筒部33の径を絞ることで、筒部33に閉じた傘を収納した状態で、傘を筒部33に固定する部材である。本実施形態では、絞り部34,35は、それぞれ、長尺状であり、筒部33の中心線方向の両端部に固定されている。具体的には、絞り部34,35は、それぞれ、筒部33の中心線方向の両端部に巻きつけられた状態で、接着剤により固定されている。
【0044】
本実施形態の絞り部34,35は、それぞれ、一対の面ファスナ34a,34b、35a,35bを有する。具体的には、筒部33に固定された状態における絞り部34,35の周方向の両端に、面ファスナ34a,34b、35a,35bが配置されている。また、絞り部34の面ファスナ34a,34bは互いに係合可能となるように、各係合面が対向して配置され、絞り部35の面ファスナ35a,35bも互いに係合可能となるように、各係合面が対向して配置されている。
【0045】
絞り部34,35の係合面積の大きさを調整することで、絞り部34,35の内周の長さを変更できる。具体的には、絞り部34,35の係合面積を大きくする程、絞り部34,35の内周の長さが小さくなる。そのため、筒部33に傘を挿通した状態で、傘の外周の長さに合わせた係合面積で、絞り部34を係合すると共に、絞り部35を係合することで、様々な大きさの傘を筒部33に対して安定的に固定することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、上述のように、絞り部34,35が筒部33の中心線方向の両端部に固定されているため、筒部33の中心線方向の両端の径を絞ることができる。このように、傘がその両端において筒部33に固定されるため、傘を筒部33に対してさらに安定的に固定することができる。
【0047】
さらに、筒部33の中心線方向の両端部には、前記スリットが形成されているため、絞り部34,35により筒部33の中心線方向の両端部を絞る際に、筒部33を構成するシートが折り畳まれやすい。そのため、絞り部34,35により、筒部33の中心線方向の両端部の径を容易に絞ることができる。
【0048】
図5に示すように、保持部30、第一取付部材11、及び第二取付部材12は、重ね合わされた状態の第一本体部材21、第二本体部材22に重ね合わせ可能である。さらに、取付部10の接続部17,18を折り曲げることで、第一、第二取付部材11,12を、重ね合わされた状態の第一、第二本体部材21,22及び保持部30に重ね合わせ可能である。
【0049】
上述のように、本実施形態では、係止部32が、基部31の裏面における取付部10から近い側の端部に固定されると共に、係止部21b,22bが、基部21a,22aにおける取付部10から近い側の端部に固定される。そのため、保持部30の取付部10から近い側の端部が、第一、第二本体部材21,22の取付部10から近い側の端部に着脱可能である。また、保持部30の取付部10から遠い側の端部は、第一、第二本体部材21,22の取付部10から遠い側の端部に取り付けられている。このように、保持部30は、取付部10から近い側の端部、及び、遠い側の端部の両方で本体部20に取り付けられているため、保持部30を第一、第二本体部材21,22の一方に配置した状態で傘を保持させても、傘の重みにより本体部20から外れにくく、さらに安定的に傘を保持できる。
【0050】
上述のように、保持部30は、本体部20に、少なくとも二つの姿勢で選択的に配置可能であり、本実施形態では、二つの姿勢で選択的に配置可能である。以下、この姿勢について、
図6、
図7を用いて説明する。
【0051】
本体部20は、取付部10が持ち手81に掛けられた状態において、鞄80の持ち手81の中央を通り且つ鞄80の基部を結ぶ仮想線に直交する基準線81αによって区画される第一領域及び第二領域を有する。本実施形態の本体部20では、第一本体部材21が第一領域に相当すると共に、第二本体部材22が第二領域に相当する。
【0052】
第一の姿勢は、
図6に示すように、傘90の柄90aが基準線81αに対して第一本体部材21側(第一領域側)に位置すると共に、傘90の先端90bが基準線81αに対して第二本体部材22側(第二領域側)に位置するように、傘90を基準線81αに対して傾斜した状態で保持する保持部30の姿勢である。第一の姿勢では、傘90の柄90aは、左手で鞄80を持つ人の後方側に位置する。
【0053】
第二の姿勢は、
図7に示すように、傘90の柄90aが基準線81αに対して第二本体部材22側(第二領域側)に位置すると共に、傘90の先端90bが基準線81αに対して第一本体部材21側(第一領域側)に位置するように、傘90を基準線81αに対して傾斜した状態で保持する保持部30の姿勢である。第二の姿勢では、傘90の柄90aは、左手で鞄80を持つ人の前方側に位置する。
【0054】
なお、ここでいう傘90の先端90bとは、傘90における柄90aと反対側の端部を言う。
【0055】
本実施形態に係る鞄取付式傘ホルダー1は、以上の通りである。続いて、上記構成の傘ホルダー1の作用及び効果について説明する。
【0056】
鞄取付式傘ホルダー1によれば、保持部30が第一、第二の姿勢で傘90を保持できるため、鞄80の持ち手81の基準線81αに対して傾斜した姿勢で傘90が鞄80に対して保持される。これにより、傘90の先端90bが地面等に接触しにくくなる。しかも、鞄取付式傘ホルダー1によれば、鞄80を右手と左手とで持ち替えたとしても、保持部30の姿勢を第一、第二の姿勢との間で切り替えることで、傘90の柄90aの位置を、鞄80を持つ人の前方側又は後方側のうち好みの位置に変化させることができる。
【0057】
鞄取付式傘ホルダー1によれば、本体部20が係止部21b,22bを有し、保持部30が係止部32を有すると共に、係止部21b,22bと係止部32との着脱が容易である。そのため、この係止部21b,22bと係止部32との着脱により、保持部30の姿勢を容易に変更することができる。
【0058】
鞄取付式傘ホルダー1によれば、保持部30が本体部20の表面に沿って回動可能に取り付けられている。このため、傘90を保持した状態の保持部30の落下を防ぎつつ、回動によって保持部30の姿勢を変更できる。さらに、保持部30が本体部20に対して取り付けられていることで、保持部30の紛失を防ぐこともできる。
【0059】
鞄取付式傘ホルダー1によれば、取付部10の長さ10L(即ち、第一取付部材11の基端11aから第二取付部材12の基端12aまでの長さ)を、鞄80の持ち手81の幅に合わせて変更できる。このため、本体部20の鞄80の持ち手81に対する位置を変えることなく、様々な幅の持ち手81に取付部10を掛けることができる。
【0060】
鞄取付式傘ホルダー1によれば、第一本体部材21に対して、第二本体部材22を回動させて重ね合わせる(即ち、本体部20を折り畳む)ことで、本体部20を小さくできる。このため、鞄取付式傘ホルダー1の持ち運び等がしやすくなる。
【0061】
鞄取付式傘ホルダー1は、重ね合わされた状態の第一、第二本体部材21,22に対して、第一、第二取付部材11,12及び保持部30をさらに重ね合わせる(即ち、取付部10、本体部20、及び保持部30を折り畳む)ことができる。取付部10、本体部20、及び保持部30が長尺状であるため、折り畳んだ際の幅(本体部20等の長尺方向と直交する方向(
図3における水平方向)の幅)を狭くできる。
【0062】
鞄取付式傘ホルダー1では、基部21aの一端21c(取付部10から遠い側の端部)、基部22aの一端22c(取付部10から遠い側の端部)、及び、基部31の一端31a(取付部10から遠い側の端部)が接続されると共に、保持部30の端部(取付部10から遠い側の端部)を回動中心として回動可能に取り付けられている。このように、鞄取付式傘ホルダー1では、保持部30の回動中心が高い位置に存在するため、保持部30の姿勢を容易に変更することができる。
【0063】
なお、本発明にかかる鞄取付式傘ホルダーは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0064】
上記実施形態では、本体部20の第一、第二本体部材21,22は、それぞれ板状であったが、帯状であればよい。例えば、第一、第二本体部材は、それぞれ、布製の袋と、袋の内側に設けられた針金のような芯材とを有してもよい。この場合、第一、第二本体部材は剛性を有するため、傘を保持部に差し込んだ状態であっても、本体部の形状が保たれる。また、第一、第二本体部材の軽量化を図ることができる。
【0065】
上記実施形態では、傘90を第一、第二の姿勢という二種類の姿勢で選択的に保持したが、三以上の複数の姿勢で選択的に保持してもよい。
【0066】
例えば、
図8に示すように、本体部120は、所定の方向に延びる第一本体部121と、所定の方向に延びる第二本体部122と、第一本体部121から第二本体部122に向かって延びる第三本体部123と、第二本体部122から第一本体部121に向かって延びる第四本体部124とを有する。本実施形態では、第一本体部121、第二本体部122、第三本体部123、及び、第四本体部124はそれぞれ帯状である。また、本実施形態の第一本体部121及び第二本体部122は、それぞれ、長尺状の基部121a,122aを有している。
【0067】
本実施形態では、第三本体部123の一端123cは、第一本体部121の他端121dに取り付けられ、第四本体部124の一端124cは、第二本体部122の他端122dに取り付けられている。なお、第三本体部123及び第四本体部124は、それぞれ、第一本体部121の他端121dよりも中央側、第二本体部122の他端122dよりも中央側に取り付けられていてもよい。
【0068】
また、本実施形態では、第一本体部121及び第三本体部123が個別に形成されると共に、第二本体部122及び第四本体部124が個別に形成されているが、これらのうち少なくとも一方が一体的に形成されていてもよい。
【0069】
第一取付部材11は、第一本体部121の他端121dから延びる。同様に、第二取付部材12は、第二本体部122の他端122dから延びる。
【0070】
第二本体部122が第一本体部121を含む平面に沿って回動できるように、第二本体部122の一端122cは、第一本体部121の一端121cに取り付けられている。第二本体部122が第一本体部121に対して回動することで、第一本体部121と第二本体部122とのなす角度が変化する。
【0071】
本実施形態の第三本体部123及び第四本体部124は、それぞれ、基部123a,124aと、係止部123b,124bとを有する。係止部123b,124bにより、保持部30が基部123a,124aに対して取り外し可能に取り付けられる。これにより、保持部30を本体部120に取り付ける姿勢を変更することができる。本実施形態の係止部123b,124bは、例えば、面ファスナである。
【0072】
また、本実施形態では、第三本体部123の先端側の部位123dと第四本体部124の先端側の部位124dとは、互いに係合可能である。本実施形態の第三本体部123は、第四本体部124に重ね合わせた状態で取り付け可能であり、第三本体部123の基部123aにおける第四本体部124と対向する面には、係止部124bと係合可能な係止部(図示なし)が設けられている。具体的には、第三本体部123の基部123aにおける裏面(
図8における紙面に対して反対側の面)全体に、面ファスナからなる係止部(図示なし)が設けられている。
【0073】
本実施形態では、第三本体部123に保持部30を取り付けるための係止部123bが、第三本体部123と第四本体部124とを互いに係合させる係止部を兼ねている。そのため、このような係止部が個別に形成される場合と比べて、部品点数が少なくなり、傘取付式ホルダー101の組み立てコストが抑えられる。
【0074】
本実施形態では、第三本体部123及び第四本体部124におけるこの長尺方向と交差する方向の長さは、第一本体部121及び第二本体部122におけるこの長尺方向と交差する方向の長さよりも長い。また、係止部123b,124bは、第三本体部123の基部123a及び第四本体部124の基部124aの略全体を覆うように広く形成されている。そのため、保持部30を第三本体部123及び第四本体部124に対して安定的に取り付けることができる。
【0075】
本実施形態では、第三本体部123及び第四本体部124において、互いに係合する部位123d,124dの係合位置、又は、互いに係合する部位123d,124dの係合面積を変えることができる。これにより、第一本体部121の他端121dと第二本体部122の他端122dとの間の距離(取付部10の両端の距離)を変更した状態で固定できる。即ち、様々な長さに変更可能な取付部10に合わせて、第一本体部121の他端121dと第二本体部122の他端122dとの距離を変更した状態で固定できる。そのため、この距離を変更した状態で固定できない構成と比べて、取付部10を安定的に鞄80の持ち手81に固定することができ、これにより、鞄取付式傘ホルダー101を安定的に鞄80に取り付けることができる。
【0076】
なお、係止部121b,122bをホック、ボタン、マグネット等とし、係止部121bと係合可能な係止部も同様にすることで、第一、第二本体部121,122における互いに係合する部位の係合位置を変化させて、本体部120の長さを変更してもよい。
【0077】
また、第三本体部123に保持部を取り付けるための係止部と、第三本体部123及び第四本体部124を互いに係合する係止部とが個別に形成されてもよい。この場合、例えば、一方の係止部を面ファスナとし、他方の係止部をボタンとすることが可能であるため、傘取付式ホルダーの設計の自由度が高くなる。
【0078】
例えば、係止部121b,122bは、一体であってもよい。
図9に示すように、係止部222bにおける基準線81αで分けられた一方(第一本体部材21から基準線81αまで基準線81αと直交する方向に延びる部分)と、係止部222bにおける基準線81αで分けられた他方(第二本体部材22から基準線81αまで基準線81αと直交する方向に延びる部分)とが一体であってもよい。係止部222bは、例えば、面ファスナである。また、
図10に示すように、本体部320は、板状の本体部材321と、本体部材321全面を被覆する係止部320aとを有してもよい。本体部材321は、例えば、角丸四角形状のプラスチック板である。係止部320aは、例えば、面ファスナである。
【0079】
このような鞄取付式傘ホルダー101、201、301であれば、保持部30を、三以上の複数の姿勢で選択的に保持することができ、これにより、傘90の姿勢を細かく変化させることができる。例えば、
図8、
図9では、ビス23を回動中心として、保持部30を回動させて任意の位置(基準線81αに対して任意の角度)で本体部120,220と係合できる。このように傘90の姿勢を細かく変化させることにより、傘90の柄90aの位置を、鞄80を持つ人の好みの位置に合わせることができる。
【0080】
また、
図8に示すように、囲繞部材125は、互いに係合した状態の第三本体部123及び第四本体部124が内側を挿通するように、保持部30とともに第三本体部123及び第四本体部124を囲んでいる。囲繞部材125は、例えば、帯状であり柔軟性を有する。本実施形態の囲繞部材125は、環状である。具体的には、囲繞部材125の一部は、保持部30の収納部33の内側に位置し、囲繞部材125の残部は、基部31に設けられた二つの貫通孔(符号なし)を通って、第三本体部123及び第四本体部124の裏側(
図8における紙面の反対側)に位置している。
【0081】
一方、保持部30は、第一本体部121を含む平面に沿って、ビス23を回動中心にして回動可能である。この保持部30が回動したときの囲繞部材125の軌跡に合わせて、係合した状態の第三本体部123及び第四本体部124の形状を変化することができるよう、第三本体部123は第一本体部121に対して回動可能に取り付けられると共に、第四本体部124は第二本体部122に対して回動可能に取り付けられている。具体的には、第三本体部123及び第一本体部121、第四本体部124及び第二本体部122は、それぞれビス126a,126bにより、第一本体部121を含む平面に沿って回動可能に取り付けられている。
【0082】
本実施形態の囲繞部材125における保持部30の基部31に沿った方向の長さは、第三本体部123及び第四本体部124におけるこの長尺方向と交差する方向の長さよりも長い。これにより、係合した状態の第三本体部123及び第四本体部124の形状を
図8における上に凸の形状や下に凸の形状としても、囲繞部材125及び保持部30の移動が第三本体部123及び第四本体部124により遮られることを防止できる。
【0083】
上記構成の鞄取付式傘ホルダー101によれば、保持部30及び囲繞部材125が、互いに係合した状態の第三本体部123及び第四本体部124を囲んでいるため、第三本体部123及び第四本体部124に沿って保持部30を移動させやすい。これにより、保持部30の姿勢を変更するために、保持部30を本体部120の表面に沿った回動が容易になる。しかも、保持部30が傘の重みにより本体部120の表面から外側に倒れようとしても、囲繞部材125が保持部30を支えるため、保持部30が本体部120の表面から外側に倒れる(本体部120の表面から浮き上がる)ことを防止できる。
【0084】
なお、本体部20が、第一本体部121から保持部30の外側(本体部120と反対側)を通って第二本体部122まで延びる支持部材を有してもよい。この場合であっても、保持部30が傘の重みにより本体部20の表面から外側に倒れようとしても、支持部材が保持部30を支えるため、保持部30が本体部20の表面から外側に倒れる(本体部20の表面から浮き上がる)ことを防止できる。支持部材は、例えば、柔軟性を有する帯状の部材である。上記実施形態では、支持部材は、第一本体部121の他端121d(取付部10に近い側の端部)から、第二本体部122の他端122d(取付部10に近い側の端部)まで延びることが好ましい。
【0085】
上記実施形態では、保持部30が第一、第二本体部材21,22にビス23により取り付けられていたため、保持部30が第一、第二本体部材21,22から取り外し不可であったが、例えば、
図10に示すように、保持部30が本体部320から取り外し可能であってもよい。この場合、保持部30を本体部320から取り外せるため、保持部30を取り外して洗浄することができ、保持部30を清潔に保つことができる。
【0086】
上記実施形態では、第一、第二取付部材11,12が、それぞれ、第一、第二本体部材21,22から延びていたが、第一、第二取付部材11,12の両方が、本体部における一箇所から延びていてもよい。例えば、
図11に示すように、第一、第二取付部材11,12の両方が、本体部420における一箇所から延びていてもよい。この場合であっても、取付部10の長さを、鞄80の持ち手81の幅に合わせて変更できる。このため、本体部420の鞄80の持ち手81に対する位置を変えることなく、様々な幅の持ち手81に取付部10を掛けることができる。
【0087】
上記実施形態では、本体部20は、二つの本体部材として第一、第二本体部材21,22を有していたが、三つ以上、又は、一つの本体部材を有してもよい。例えば、鞄取付式傘ホルダー401では、本体部420が、一つの本体部材に相当する三角環状の本体部材421と、面ファスナ(符号なし)とを有する。本体部420が一つの本体部材421を有していれば、本体部を構成する部材の数が少なくなるため、本体部420の組み立てコストを抑えることができる。
【0088】
さらに、上記実施形態では、保持部30が、本体部20における取付部10から遠い側の端部に対して、回動可能に取り付けられていたが、保持部30が、本体部420における取付部10から近い側の端部に対して、回動可能に取り付けられていてもよい。
【0089】
例えば、鞄取付式傘ホルダー401では、第一、第二取付部材11,12の基端側の端部(符号なし)、本体部420における取付部10から近い側の端部、及び保持部30における取付部10から近い側の端部が接続されている。具体的には、保持部30における取付部10から近い側の端部は、第一、第二取付部材11,12の基端側の端部及び本体部材421における取付部10から近い側の端部に対して、重ね合わされた状態で、ビス23により回動可能に取り付けられている。なお、保持部は、本体部における端部以外の部分、例えば、本体部における中央部分に対して、回動可能に取り付けられていてもよい。
【0090】
このような場合であっても、保持部30が第一、第二の姿勢で傘90を保持できるため、鞄80の持ち手81の基準線81αに対して傾斜した姿勢で傘90が鞄80に対して保持される。これにより、傘90の先端90bが地面等に接触しにくくなる。しかも、鞄80を右手と左手とで持ち替えたとしても、保持部30の姿勢を第一、第二の姿勢の間で切り替えることで、傘90の柄90aの位置を、鞄80を持つ人の前方側又は後方側のうち好みの位置に変化させることができる。
【0091】
また、保持部30が、本体部420における取付部から近い側の端部に対して、保持部30における取付部10から近い側の端部を回動中心として回動可能に取り付けられている場合、傘90の先端90bと回動中心との距離が大きいため、持ち手の基準線に対して同じ角度で傘を傾斜させても、傘90の先端90bを高い位置で保持することができる。従って、本体部における取付部から近い側の端部に回動可能に取り付けられている場合、傘90の先端90bが地面等に接触しにくくなる。
【0092】
上記実施形態では、保持部30が配置される基部21a,22aは、プラスチック板のような所定の剛性を有する部材であったが、柔軟性を有する部材であってもよい。柔軟性を有する部材の材料は、限定されないが、例えば、ナイロン生地が挙げられる。第一、第二本体部材21,22が柔軟性を有する場合、本体部をさらに容易に折り畳むことができる。
【0093】
上記実施形態では、保持部30を本体部20に取り外し可能に取り付ける係止部として、面ファスナを用いたが、ホック、ボタン、マグネット等を用いてもよい。
【0094】
上記実施形態では、第一、第二取付部材11,12が同一の部材であったが、異なる部材であってもよい。例えば、第一、第二取付部材の一方が面ファスナのみで構成され、他方が面ファスナの固定されたプラスチック板で構成されてもよい。この構成では、第一、第二取付部材の両方が、それぞれ、プラスチック板、面ファスナ、及びナイロン生地を有する場合よりも、部品点数が減るため軽量化を図ることができると共に、第一、第二取付部材の一方がプラスチック板を有しているため、取付部の強度をある程度確保することができる。
【0095】
上記実施形態では、取付部10の長さが調節可能であったが、これに限らず、取付部10の長さが固定であってもよい。
【0096】
上記実施形態では、取付部10における第一、第二取付部材11,12を係合する係止部として、面ファスナを用いたが、ホック、ボタン、マグネット等を用いてもよい。第一、第二取付部11,12自体が、それぞれ、面ファスナであってもよい。
【0097】
また、第一、第二取付部材11,12をこの長尺方向にスライドさせることで、取付部の長さが調節可能であってもよい。この場合、第一、第二取付部材11,12は、例えば、ラチェット機構等により、取付部の長さが任意の長さとなる箇所で留められてもよい。
【0098】
さらに、取付部10全体を、布、樹脂製の紐、金属製の鎖等で構成してもよい。このような取付部であっても、取付部の長さを鞄の持ち手の幅に合わせて変更できるため、本体部の鞄の持ち手に対する位置を変えることなく、様々な幅の持ち手に取付部を掛けることができる。
【0099】
なお、取付部全体を、布、樹脂製の紐で構成した場合、取付部全体が柔軟性を有する。このように全体が柔軟性を有する取付部は、変形しやすいため、鞄の持ち手に取り付けやすい。
【0100】
上記実施形態の保持部30では、面ファスナを有する絞り部34,35の係合面積の大きさを調整したが、面ファスナの代わりに、ホック、ボタン、マグネット等を絞り部に用いて、絞り部の一端と他端との係合部位の係合位置を異ならせてもよい。
【0101】
また、絞り部として、弾性材料で構成されると共に、中心軸方向の一端から他端まで延びるスリットが設けられた筒部を用いてもよい。これらの構成であっても、絞り部や筒部の内周の長さを変更できるため、様々な大きさの傘を保持部に固定することができる。
【0102】
上記実施形態では、保持部30の中心軸方向の両端に絞り部34,35を固定したが、保持部30における他の位置に絞り部を固定してもよい。なお、絞り部の数は、一つであってもよいし、複数であってもよい。例えば、保持部に一つの絞り部を固定する場合、保持部における中心軸方向の中央付近で、絞り部を固定することが好ましい。これにより、傘を保持部に安定的に固定することができる。
【0103】
なお、保持部30として、弾性材料で構成されると共に、中心軸方向の一端から他端まで延びるスリットが設けられた筒部を用いてもよい。この保持部に傘を差し込んでも、保持部に傘が保持できる。
【0104】
上記実施形態の筒部33の材料は、例えば、ポリ塩化ビニルからなるシートであったが、筒部の一部及び全体の材料が、伸縮性を有するシートであってもよい。具体的には、シートは、伸縮性を有する繊維からなってもよい。このような筒部は、絞り部を有していなくてもよい。この場合であっても、傘の太さに合わせて筒部の径の大きさを変化できるため、筒部に傘が保持できる。
【0105】
上記実施形態では、取付部10の接続部17,18を折り曲げることで、第一、第二取付部材11、12を、重ね合わされた状態の第一、第二本体部材21,22及び保持部30に重ね合わせ可能であったが、さらに、折り曲げた接続部と第一、第二本体部材とが着脱可能となるように、例えば、一対の面ファスナの一方を接続部に設けると共に、一対の面ファスナの他方を第一、第二本体部材に設けてもよい。この構成であれば、重ね合わせた状態で取付部と本体部とを固定可能であるため、折り畳んだ状態の鞄取付式傘ホルダーを持ち運びやすい。
【0106】
上記実施形態では、鞄取付式傘ホルダー1の取付け対象となる鞄80は手提げ鞄であったが、これに限らず、肩掛け鞄、スーツケース等の他の鞄であってもよい。このような鞄取付式傘ホルダー1によれば、例えば、肩掛け鞄のように持ち手の幅が広くても、持ち手の基準線に対して傾斜した姿勢で、傘を保持することができる。
【解決手段】傘ホルダー1は、取付部10と、本体部20と、保持部30とを備える。本体部20は、取付部10が掛けられた状態での持ち手81の基準線81αによって区画される第一、第二領域21,22を有する。第一の姿勢は、傘90の柄90aが基準線81αに対して第一領域21側に位置すると共に、傘90の先端90bが基準線81αに対して第二領域22側に位置するように傘90を基準線81αに対して傾斜した状態で保持する姿勢である。第二の姿勢は、傘90の柄90aが基準線81αに対して第二領域22側に位置すると共に、傘90の先端90bが基準線81αに対して第一領域21側に位置するように傘90を基準線81αに対して傾斜した状態で保持する姿勢である。