特許第6122787号(P6122787)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6122787エレベーターの広域災害復旧支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122787
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】エレベーターの広域災害復旧支援システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/02 20060101AFI20170417BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20170417BHJP
   G08B 31/00 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   B66B5/02 Q
   G08B25/04 B
   G08B31/00 B
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-5404(P2014-5404)
(22)【出願日】2014年1月15日
(65)【公開番号】特開2015-131728(P2015-131728A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高尾 俊志
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 洋一
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−025063(JP,A)
【文献】 特開2008−201575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/02
G08B 25/04
G08B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震の震度が測定される複数の観測地の位置情報及び震度情報を配信する地震震度情報配信サービスに接続され、この地震震度情報配信サービスから取得した前記位置情報及び前記震度情報に基づいて、地震により停止したエレベーターの復旧を支援するエレベーターの広域災害復旧支援システムにおいて、
復旧を支援する対象となるエレベーターの設置場所の情報が記録されたエレベーター設置情報記録部と、
前記地震震度情報配信サービスから取得した前記位置情報と前記エレベーター設置情報記録部に記録された前記エレベーターの設置場所とを比較し、前記複数の観測地の中から前記エレベーターの最寄りの観測地を特定する観測地特定部と、
この観測地特定部によって特定された前記エレベーターの最寄りの前記観測地の震度を、前記震度情報を参照して前記エレベーターの震度として特定する震度特定部と、
過去の地震による前記エレベーターの震度に対して前記エレベーターの停止の有無を示す停止情報が記録された記録部と、
この記録部によって記録された前記停止情報及び前記震度特定部によって特定された前記エレベーターの震度に基づいて、当該エレベーターが地震により停止するかどうかを特定する停止エレベーター特定部とを備え
前記観測地特定部は、前記エレベーター設置情報記録部に記録された前記エレベーターの設置場所のうち、新契約された前記エレベーターについて、前記複数の観測地の中から前記最寄りの観測地を特定し、前記停止エレベーター特定部は、前記新契約された前記エレベーターについて、地震により停止していると判定することを特徴とするエレベーターの広域災害復旧支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震発生時のエレベーターの復旧を支援するエレベーターの広域災害復旧支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地震によってエレベーターのかご内に乗客が閉じ込められるのを防止したり、エレベーターの機器が損傷するのを防止するために、エレベーターには地震感知器が据え付けられ、この地震感知器が作動した際に、エレベーターのかごを最寄階へ昇降させてエレベーターを停止させる制御方法が組み込まれている。そして、エレベーターが地震により停止した場合には、エレベーターの保守管理を行う保守員が現地へ巡回し、停止したエレベーターの動作を確認することにより、エレベーターの復旧作業が進められる。
【0003】
このような地震発生時のエレベーターの保守管理では、地震により停止したエレベーターを把握するために遠隔監視システムが適用されている。この種の遠隔監視システムは、例えばエレベーターの動作を検出する監視装置と、この監視装置と公衆回線網を通じて接続され、エレベーターを遠隔的に監視する監視センターとを備えており、地震感知器が作動してエレベーターが停止したことを監視装置が監視センターへ通報したり、あるいは監視センターがエレベーターの運転状態を読み出すことが行われている。
【0004】
しかし、地震の被災地域は広範囲に渡るので、全体のエレベーターの停止台数を把握するためには時間を要する。また、監視装置と監視センターとを接続する公衆回線網の輻輳により、遠隔での監視センター側からの現地確認を行うことができない場合等においては、保守員は被災地域内のエレベーター全てに対して巡回を行う必要があるが、地震が発生しても停止せずに正常に運転しているエレベーターに対しては、無駄な巡回となることが問題になっていた。特に、エレベーターの設置場所が同一の被災地域内であっても、地盤や建物の特性等の違いによりエレベーターが停止しているかどうかの実情はエレベーター毎に異なっており、例えば震度3程度の地震により停止するエレベーターがあるが、この規模の地震で停止するエレベーターの台数は限られているので、エレベーターの保守管理において保守員の無駄な巡回が多くなることが問題になっていた。
【0005】
そこで、事前に起こった地震による地震データ、エレベーターの被害データ、及びエレベーター構造のデータを収集し、これらのデータから地震発生時にエレベーターに起こる被害の発生率等を計算して地震によるエレベーターの被害を予測することにより、迅速な復旧活動を行うことができる地震被害推定システムが従来技術の1つとして提案されている(例えば、特許文献1参照)。従って、地震発生時に保守員がエレベーターの保守管理を行う際に、従来技術の地震被害推定システムを用いて地震によるエレベーターの停止を予測することにより、エレベーターの保守管理における保守員の無駄な巡回を回避することができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−049448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、特許文献1に開示された従来技術の地震被害推定システムでは、地震によるエレベーターの停止の予測を行うために、地震データとしての過去の震源位置・マグニチュード等の情報に関連付けられた被害データとしてのエレベーターの停止記録が少なくとも必要とされている。そのため、仮に過去の地震の規模と同程度の地震が発生しても、その地震の震源位置が収集された過去の地震データの事例と同じ震源位置でなければ、地震によるエレベーターの停止を正確に予測することができず、地震発生時のエレベーターの保守管理を効率良く行うことができないことが問題になっている。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情からなされたもので、その目的は、地震によるエレベーターの停止を正確に予測することができるエレベーターの広域災害復旧支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明のエレベーターの広域災害復旧支援システムは、地震の震度が測定される複数の観測地の位置情報及び震度情報を配信する地震震度情報配信サービスに接続され、この地震震度情報配信サービスから取得した前記位置情報及び前記震度情報に基づいて、地震により停止したエレベーターの復旧を支援するエレベーターの広域災害復旧支援システムにおいて、復旧を支援する対象となるエレベーターの設置場所の情報が記録されたエレベーター設置情報記録部と、前記地震震度情報配信サービスから取得した前記位置情報と前記エレベーター設置情報記録部に記録された前記エレベーターの設置場所とを比較し、前記複数の観測地の中から前記エレベーターの最寄りの観測地を特定する観測地特定部と、この観測地特定部によって特定された前記エレベーターの最寄りの前記観測地の震度を、前記震度情報を参照して前記エレベーターの震度として特定する震度特定部と、過去の地震による前記エレベーターの震度に対して前記エレベーターの停止の有無を示す停止情報が記録された記録部と、この記録部によって記録された前記停止情報及び前記震度特定部によって特定された前記エレベーターの震度に基づいて、当該エレベーターが地震により停止するかどうかを特定する停止エレベーター特定部とを備え、前記観測地特定部は、前記エレベーター設置情報記録部に記録された前記エレベーターの設置場所のうち、新契約された前記エレベーターについて、前記複数の観測地の中から前記最寄りの観測地を特定し、前記停止エレベーター特定部は、前記新契約された前記エレベーターについて、地震により停止していると判定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のエレベーターの広域災害復旧支援システムによれば、地震によるエレベーターの停止を正確に予測することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るエレベーターの広域災害復旧支援システムの一実施形態の構成を示す図である。
図2】本実施形態に係る地震震度情報配信サービスから配信される観測地情報の構成を示す図である。
図3】本実施形態に係る地震震度情報配信サービスから配信される震度情報の構成を示す図である。
図4】本実施形態に係るエレベーター設置情報記録部の更新前のエレベーター設置情報の構成を示す図である。
図5】本実施形態に係るエレベーター設置情報記録部の更新後のエレベーター設置情報の構成を示す図である。
図6】本実施形態に係る震度特定部によって作成されたエレベーター震度情報の構成を示す図である。
図7】本実施形態に係るエレベーター地震停止情報記録部の更新前のエレベーター地震停止情報の構成を示す図である。
図8】本実施形態に係る停止エレベーター特定部によって作成されたエレベーター地震停止予測情報の構成を示す図である。
図9】本実施形態に係るエレベーター地震停止情報記録部の更新後のエレベーター地震停止情報の構成を示す図である。
図10】本実施形態に係る地震震度情報配信サービス及び広域災害復旧支援システムの地震震度情報受信部、観測地特定部、震度特定部、停止エレベーター特定部、及び停止エレベーター情報出力部の動作を説明するフローチャートである。
図11】本実施形態に係る広域災害復旧支援システムの監視情報通信部の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るエレベーターの広域災害復旧支援システムを実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るエレベーターの広域災害復旧支援システム10は、各地域に地震計を設置して地震の震度が測定される複数の観測地の位置情報及び震度情報を配信する地震震度情報配信サービス1に通信網2を介して接続されており、この地震震度情報配信サービス1は、例えば地震に関する情報を配信する気象庁等の公的機関から成っている。
【0014】
地震震度情報配信サービス1から配信される各観測地の位置情報は、例えば図2に示すように観測地の名称が記入された観測地の欄、及び観測地の緯度/経度が記入された緯度/経度の欄から構成される観測地情報であり、この観測地情報は、地震の発生に拘わらず、定期的に配信される。さらに、地震震度情報配信サービス1から配信される各観測地の震度情報は、例えば図3に示すように観測地の名称が記入された観測地の欄、及び観測地の地震計により測定された震度が記入された震度の欄から構成される情報であり、この震度情報は、地震が発生したときに直ちに配信される。
【0015】
そして、本実施形態に係る広域災害復旧支援システム10は、地震震度情報配信サービス1から取得した観測地情報及び震度情報に基づいて、地震により停止したエレベーター(図示せず)の復旧を支援するものである。以下、本実施形態に係る広域災害復旧支援システム10の構成について、図1図9を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
広域災害復旧支援システム10は、地震震度情報配信サービス1から配信された観測地情報及び震度情報を受信する地震震度情報受信部11と、復旧を支援する対象となるエレベーターの設置場所の情報が予め記録されたエレベーター設置情報記録部16と、地震震度情報受信部11から取得した観測地情報とエレベーターの設置場所とを比較し、複数の観測地の中からエレベーターの最寄りの観測地を特定する観測地特定部12と、地震震度情報受信部11から取得した震度情報を参照し、観測地特定部12によって特定されたエレベーターの最寄りの観測地の震度をエレベーターの震度として特定する震度特定部13とを含んでいる。
【0017】
エレベーター設置情報記録部16に記録されたエレベーターの設置場所の情報は、例えば図4に示すようにエレベーターの保守会社が管理契約しているエレベーターの管理番号が記入された管理番号の欄、エレベーターの設置場所の緯度/経度が記入された緯度/経度の欄、エレベーターの設置場所から最も近接した観測地の名称が記入された最寄り観測地の欄から構成されるエレベーター設置情報である。なお、図4に示すエレベーター設置情報では、新契約されたエレベーター(例えば、管理番号111111)の最寄り観測地の欄は空白になっている。
【0018】
観測地特定部12は、エレベーター設置情報記録部16に記録されたエレベーター設置情報のエレベーターの緯度/経度のうち新契約されたエレベーター(管理番号111111)の緯度/経度に最も近接した観測地の緯度/経度を観測地情報の緯度/経度から特定する。そして、観測地特定部12は、エレベーター設置情報において空白となった最寄り観測地の欄に、特定した緯度/経度(例えば、eee,eee)を有する観測地(AAA)を設定して図5に示すように記入し、全ての観測地の記入が完了したエレベーター設置情報をエレベーター設置情報記録部16に記録するようにしている。これにより、エレベーター設置情報記録部16のエレベーター設置情報が最新のものに更新されるようになっている。
【0019】
震度特定部13は、エレベーター設置情報記録部16に記録された最新のエレベーター設置情報のエレベーターの最寄り観測地の震度を震度情報の観測地の震度から特定し、特定した震度をエレベーターの震度として設定することにより、図6に示すようにエレベーターの管理番号が記入された管理番号の欄、エレベーターの設置場所から最も近接した観測地の名称が記入された最寄り観測地の欄、及びエレベーターの震度が記入された震度の欄から構成されるエレベーター震度情報を作成するようにしている。
【0020】
さらに、広域災害復旧支援システム10は、過去の地震によるエレベーターの震度に対してエレベーターの停止の有無を示す停止情報が記録された記録部としてのエレベーター地震停止情報記録部17と、このエレベーター地震停止情報記録部17によって記録された停止情報及び震度特定部13によって特定されたエレベーターの震度に基づいて、当該エレベーターが地震により停止するかどうかを特定する停止エレベーター特定部14と、この停止エレベーター特定部14によって特定されたエレベーターに関する情報を外部へ出力する停止エレベーター情報出力部15と、後述の監視情報を外部から受信してエレベーター地震停止情報記録部17と通信する監視情報通信部18とを含んでいる。
【0021】
エレベーター地震停止情報記録部17に記録された停止情報は、例えば図7に示すようにエレベーターの管理番号が記入された管理番号の欄、エレベーターの震度が記入された震度の欄、エレベーターが地震により停止したかどうかが記入された停止有無の欄、及びエレベーターが地震により停止したときのエレベーターの最低震度が記入された最低停止震度の欄から構成されるエレベーター地震停止情報である。なお、図7に示すエレベーター地震停止情報では、新契約されたエレベーター(管理番号111111)の停止有無の欄及び最低停止震度の欄については空白になっている。
【0022】
停止エレベーター特定部14は、エレベーター地震停止情報記録部17に記録されたエレベーター地震停止情報の震度の欄に、エレベーター震度情報のエレベーターの震度を管理番号で対応させて記入するようにしている。また、停止エレベーター特定部14は、エレベーター地震停止情報のエレベーターの震度と最低停止震度とを比較し、エレベーターの震度が最低停止震度以上である場合に、エレベーターが停止していると判定し、エレベーターの震度が最低停止震度未満である場合に、エレベーターが停止していないと判定する。なお、図7に示すエレベーター地震停止情報において停止有無の欄及び最低停止震度の欄が空白となったエレベーター(管理番号111111)については、エレベーターが停止していると判定される。
【0023】
そして、停止エレベーター特定部14は、図8に示すように地震によるエレベーターの停止の判定結果からエレベーター地震停止情報のうち停止していると判定されたエレベーターの管理番号の欄、震度の欄、及び停止有無の欄だけで構成されるエレベーター地震停止予測情報を作成し、このエレベーター地震停止予測情報を停止エレベーター情報出力部15へ送信するようにしている。停止エレベーター情報出力部15は、停止エレベーター特定部14から受信したエレベーター地震停止予測情報を、エレベーターの保守管理を行う保守員が携帯する携帯端末(図示せず)へ送信するようにしている。
【0024】
ここで、保守員は、携帯端末で受信したエレベーター地震停止予測情報に示される管理番号のエレベーターが設置されている現場へ出動し、エレベーターが地震により停止しているかどうかを点検する。そして、保守員は、エレベーターの管理番号が記入された管理番号の欄、及びエレベーターが地震により停止したかどうかが記入された停止有無の欄から構成される前述の監視情報を作成し、携帯端末を操作して監視情報を監視情報通信部18へ送信する。
【0025】
なお、停止エレベーター情報出力部15から保守員へのエレベーター地震停止予測情報に示される管理番号のエレベーターについての連絡は、例えばエレベーターの保守管理の業務を管轄している営業所の端末にエレベーター地震停止予測情報を出力したり、あるいはエレベーター地震停止予測情報を印刷出力することにより、営業所から行っても良い。また、保守員から監視情報通信部18への監視情報の伝達は、例えば電話による口頭連絡で行っても良い。この場合には、電話による口頭連絡を受けた営業所の操作員が監視情報通信部18の操作卓(図示せず)を操作して監視情報通信部18に監視情報を入力する。
【0026】
監視情報通信部18は、保守員の携帯端末から受信した監視情報を参照することにより、図9に示すようにエレベーター地震停止情報記録部17に記録されたエレベーター地震停止情報の停止有無の欄のうち、停止していたエレベーターの停止有無の欄に対しては「停止」と上書きすると共に、最低停止震度の欄にそのエレベーターの震度を上書きするようにしている。一方、監視情報通信部18は、エレベーター地震停止情報の停止有無の欄のうち、停止していなかったエレベーターの停止有無の欄に対しては「不停止」と上書きすると共に、最低停止震度の欄に、そのエレベーターの震度に1を加算した値を上書きするようにしている。
【0027】
次に、地震震度情報配信サービス1、広域災害復旧支援システム10の地震震度情報受信部11、観測地特定部12、震度特定部13、停止エレベーター特定部14、及び停止エレベーター情報出力部15の動作を図10のフローチャートに基づいて詳細に説明する。なお、図10では、地震震度情報配信サービス1の動作の処理手順を手順番号にSを付加して記載し、広域災害復旧支援システム10の地震震度情報受信部11、観測地特定部12、震度特定部13、停止エレベーター特定部14、及び停止エレベーター情報出力部15の動作の処理手順を手順番号にTを付加して記載している。
【0028】
まず、地震震度情報配信サービス1は、観測地情報の公開時期であるかどうかを確認する(S1)。このとき、地震震度情報配信サービス1が観測地情報の公開時期でないことを確認すると(S1/NO)、後述のS3の処理手順が行われる。一方、S1の処理手順において、地震震度情報配信サービス1が観測地情報の公開時期であることを確認すると(S1/YES)、地震震度情報配信サービス1は、観測地情報を広域災害復旧支援システム10へ送信し(S2)、地震が発生したかどうかを確認する(S3)。
【0029】
このとき、地震情報配信サービス1は、地震が発生していないことを確認すると(S3/NO)、上述したS1からの処理手順が繰り返される。一方、S3の処理手順において、地震震度情報配信サービス1は、地震が発生したことを確認すると(S3/YES)、その地震の震度情報を広域災害復旧支援システム10へ送信し(S4)、S1からの処理手順が繰り返される。
【0030】
他方、広域災害復旧支援システム10の地震震度情報受信部11は、地震震度情報配信サービス1から受信した情報が震度情報であるかどうかを確認する(T1)。このとき、地震震度情報受信部11は、地震震度情報配信サービス1から受信した情報が震度情報でないことを確認すると(T1/NO)、T1の処理手順が繰り返される。一方、T1の処理手順において、地震震度情報受信部11は、地震震度情報配信サービス1から受信した情報が震度情報であることを確認すると(T1/YES)、地震震度情報配信サービス1から受信した情報に観測地情報が含まれているかどうかを確認する(T2)。
【0031】
このとき、地震震度情報受信部11は、地震震度情報配信サービス1から受信した情報に観測地情報が含まれていないことを確認すると(T2/NO)、後述のT6の処理手順が行われる。一方、T2の処理手順において、地震震度情報受信部11は、地震震度情報配信サービス1から受信した情報に観測地情報が含まれていることを確認すると(T2/YES)、広域災害復旧支援システム10の観測地特定部12がエレベーター設置情報記録部16のエレベーター設置情報を読み出す(T3)。そして、観測地特定部12は、読み出したエレベーター設置情報の中に新契約されたエレベーターがあるかどうかを確認する(T4)。
【0032】
このとき、観測地特定部12は、新契約されたエレベーターがないことを確認すると(T4/NO)、T1からの処理手順が繰り返される。一方、T4の処理手順において、観測地特定部12は、新契約されたエレベーターがあることを確認すると(T4/YES)、T3の処理手順において読み出したエレベーター設置情報のエレベーターの緯度/経度のうち新契約されたエレベーターの緯度/経度に最も近接した観測地の緯度/経度を観測地情報の観測地の緯度/経度から特定する。そして、観測地特定部12は、エレベーター設置情報において空白となった最寄り観測地の欄に、特定した緯度/経度を有する観測地を設定して記入することにより、エレベーター設置情報記録部16のエレベーター設置情報を更新し(T5)、T1からの処理手順が繰り返される。
【0033】
次に、T6の処理手順において、広域災害復旧支援システム10の震度特定部13は、エレベーター設置情報記録部16のエレベーター設置情報を読み出す(T6)。そして、震度特定部13は、読み出したエレベーター設置情報のエレベーターの最寄り観測地の震度を震度情報の観測地の震度から特定し、特定した震度をエレベーターの震度として設定することにより、エレベーター震度情報を作成する(T7)。
【0034】
次に、広域災害復旧支援システム10の停止エレベーター特定部14は、エレベーター地震停止情報記録部17のエレベーター地震停止情報を読み出す(T8)。その後、停止エレベーター特定部14は、読み出したエレベーター地震停止情報の震度の欄に、エレベーター震度情報のエレベーターの震度を管理番号に対応させて記入する。
【0035】
次に、停止エレベーター特定部14は、記入したエレベーターの震度とエレベーター地震停止情報の最低停止震度とを比較し、地震によるエレベーターの停止の判定を行い、その判定結果からエレベーター地震停止予測情報を作成する(T9)。その後、停止エレベーター特定部14は、作成したエレベーター地震停止予測情報を停止エレベーター情報出力部15へ送信する。そして、広域災害復旧支援システム10の停止エレベーター情報出力部15は、停止エレベーター特定部14から受信したエレベーター地震停止予測情報を保守員の携帯端末へ送信し(T10)、T1からの処理手順が繰り返される。
【0036】
次に、広域災害復旧支援システム10の監視情報通信部18の動作を図11のフローチャートに基づいて詳細に説明する。なお、図11では、監視情報通信部18の動作の処理手順を手順番号にUを付加して記載している。
【0037】
まず、監視情報通信部18は、保守員の携帯端末から監視情報を受信したかどうかを確認する(U1)。このとき、監視情報通信部18は、保守員の携帯端末から監視情報を受信していないことを確認すると(U1/NO)、U1の処理手順が繰り返される。U1の処理手順において、監視情報通信部18は、保守員の携帯端末から監視情報を受信したことを確認すると(U1/YES)、エレベーター地震停止情報記録部17のエレベーター地震停止情報を読み出す(U2)。そして、監視情報通信部18は、監視情報のエレベーターの停止有無を参照することにより、監視情報に示される管理番号のエレベーターが地震により停止したかどうかを確認する(U3)。
【0038】
このとき、監視情報通信部18は、エレベーターが地震により停止したことを確認すると(U3/YES)、U2の処理手順において読み出したエレベーター地震停止情報の停止有無の欄のうち、停止していたエレベーターの停止有無の欄に「停止」を記入して上書きすると共に、最低停止震度の欄にそのエレベーターの震度を記入して上書きする(U4)。一方、U3の処理手順において、監視情報通信部18は、エレベーターが地震により停止していなかったことを確認すると(U3/NO)、U2の処理手順において読み出したエレベーター地震停止情報の停止有無の欄のうち、停止していなかったエレベーターの停止有無の欄に「不停止」を記入して上書きすると共に、最低停止震度の欄に、そのエレベーターの震度に1を加算した値を記入して上書きする(U5)。
【0039】
そして、監視情報通信部18は、U1において受信した監視情報に示される全ての管理番号のエレベーターに対してエレベーター地震停止情報の上書きが完了したかどうかを確認する(U6)。このとき、監視情報通信部18は、エレベーター地震停止情報の上書きが完了していないことを確認すると(U6/NO)、監視情報に示されるエレベーターのうち、エレベーター地震停止情報の上書きがまだ行われていないエレベーターに対して、U3からの処理手順が行われる。
【0040】
一方、U6の処理手順において、監視情報通信部18は、エレベーター地震停止情報の上書きが完了したことを確認すると(U6/YES)、上書きしたエレベーター地震停止情報をエレベーター地震停止情報記録部17に記録することにより、エレベーター地震停止情報記録部17のエレベーター地震停止情報を更新し、U1からの処理手順が繰り返される。
【0041】
このように構成した本実施形態によれば、広域災害復旧支援システム10は、地震震度情報配信サービス1から配信される観測地情報及び震度情報を観測地特定部12と震度特定部13によって有効に活用することにより、地震の規模や震源位置の情報を用いなくても、地震により停止するエレベーターが特定されたエレベーター地震停止予測情報を停止エレベーター特定部14によって作成できるので、このエレベーター地震停止予測情報から地震によるエレベーターの停止を正確に予測することができる。これにより、地震発生時にエレベーターの保守管理を行う保守員は、エレベーター地震停止予測情報を携帯端末から取得し、エレベーター地震停止予測情報に示される管理番号のエレベーターから優先的に巡回することにより、エレベーターの保守管理を効率良く行うことができる。
【0042】
特に、地震発生時のエレベーターの保守管理において、地震により停止したエレベーターを把握するために遠隔監視システムが適用されている場合には、仮に大規模な地震による公衆回線網の輻輳等が生じて遠隔監視システムにおけるエレベーター側からの停止通報が遮断されても、停止エレベーター特定部14は、過去の地震によるエレベーターの震度に対する停止実績が示されたエレベーター地震停止情報記録部17のエレベーター地震停止情報を参照することができる。従って、停止エレベーター特定部14は、地震による公衆回線網の輻輳等に拘わらず、エレベーター地震停止情報からエレベーター地震停止予測情報を迅速に作成できるので、地震発生時のエレベーターの保守管理に対して優れた信頼性を得ることができる。
【0043】
なお、上述した本実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 地震震度情報配信サービス
2 通信網
10 広域災害復旧支援システム
11 地震震度情報受信部
12 観測地特定部
13 震度特定部
14 停止エレベーター特定部
15 停止エレベーター情報出力部
16 エレベーター設置情報記録部
17 エレベーター地震停止情報記録部(記録部)
18 監視情報通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11