(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開口部には、前記光透過性の覆い部材に代えて不透明の蓋部材が取り付けられ、前記脱臭ユニットとは異なる脱臭剤が取り付け可能な構成であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の冷蔵庫。
前記脱臭ユニットは、前記触媒を保持する基板と、前記基板に配置されて前記触媒の領域に対して前記可視光を照射する前記発光手段を有し、前記庫内の冷気は、前記脱臭ユニットの前記基板を通過することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の冷蔵庫。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係わる冷蔵庫1の全体を示す斜視図である。
【0011】
図1に示す冷蔵庫1は、本体2を有している。この本体2の最上部の位置には、両開き式の左右の観音扉(回転扉)3,4で開閉される冷蔵室5を設けられている。これらの観音扉3,4は、それぞれ本体2の回転軸3A,4Aを中心にして開閉可能に取り付けられている。
【0012】
図1に示す冷蔵室5の下側には、引出し式扉7aで開閉される野菜室7が設けられている。この野菜室7の下側には、製氷室8と上部冷凍室9が横方向に並んで設けられている。製氷室8は引出し式扉8aで開閉され、上部冷凍室9は引出し式扉9aで開閉される。
【0013】
図1に示す本体2の最下部であって、これらの製氷室8と上部冷凍室9の下側には、主冷凍室10が設けられている。主冷凍室10は引出し式扉10aで開閉される。観音扉3,4の下部には、それぞれ指を掛けるための凹状の取っ手3b,4bが扉内部に設けられている。引出し式扉7a、8a、9a、10aの上部には、それぞれ指を掛けるための凹状の取っ手7b、8b、9b、10bが設けられている。
【0014】
図2は、冷蔵庫1の背面部11側に配置されている冷蔵室5側の冷気の風路(ダクト)12と、取り付け構造部20を示している。
図3は、冷蔵室5側の冷気の風路12と、取り付け構造部20を、本体2の冷蔵室5の庫内21側から見た斜視図である。
【0015】
図2に示すように、取り付け構造部20が、冷蔵庫1の背面部11における冷蔵室5側の冷気の風路12内に、配置されている。冷蔵室5側の冷気の風路12は、冷蔵室5の背面部11に設けられている冷気を通して脱臭等を行うためのダクトであり、冷蔵室5内の冷気を野菜室7側に導くようになっている。この取り付け構造部20の構造例は、後で説明するが、取り付け構造部20は、可視光により励起する光触媒(触媒)と発光手段とを有する脱臭ユニット30を着脱可能に保持している。この脱臭ユニット30は、通常の活性炭入りの脱臭剤と比べると、異なる構造を有し、サイズも異なる。
【0016】
図2と
図3に示すように、冷蔵室5側の冷気の風路12には、冷蔵室5内に収容されている食品等の臭気成分や菌を含んだ冷気が通過するが、脱臭ユニット30はこの冷気の臭気成分や菌を脱臭する。
【0017】
図3に示すように、本体2の冷蔵室5を形成している背面部11には、長方形状の開口部13が形成されている。冷蔵室5側の風路12側と冷蔵室5の庫内21側とを連絡している。
【0018】
図3に示すように、取り付け構造部20は、可視光により励起して脱臭を行うための脱臭ユニット30と、反射部32を、それぞれ着脱可能に保持している。反射部32は、冷蔵室5側の風路12おいて、開口部13に対応して、この開口部13の背後に着脱可能に保持されている。反射部32は、後で説明する脱臭ユニット30の発光手段を覆わない位置に配置されており、脱臭ユニット30における可視光の反射光を庫内21に照射する機能を有する。脱臭ユニット30は、冷蔵室5側の風路12において、反射部32の下部位置に、着脱可能に固定されている。取り付け構造部20のさらに詳しい構造は、後で説明する。
【0019】
図4と
図5では、冷蔵庫1の庫内21側ではなく、冷蔵庫1の背面部11側を示している。
図4では、脱臭ユニット30が取り付け構造部20により、着脱可能に取り付けられている状態を示している。しかし、
図5では、通常の脱臭剤70が、脱臭ユニット30に代えて、取り付け構造部20に取り付けられている状態を示している。
【0020】
図4と
図5に示すように、冷気の風路12は、風路形成板14A、14B、14C、14Dと、背面部11の枠部分11Aにより形成されている。風路形成板14Aは、Z方向(上下方向)に沿って形成され、風路形成板14Bは、X方向(左右方向)に沿って形成されている。風路形成板14A,14Bは、それぞれ冷気を通すための複数個の孔部14Eを有している。風路形成板14C,14Dは、風路形成板14Aと取り付け構造部20との間で、X方向に沿って間隔をおいて形成されている。背面部11の枠部分11Aは、風路形成板14Aと間隔をおいて平行に形成されている。
【0021】
図4と
図6に示すように、脱臭ユニット30は、プラスチック製の筐体33と、この筐体33内に収容されている直方体形状の光触媒(触媒)34と、1つ以上の発光手段36を有している。この筐体33は、例えば直方体形状を有しており、冷気が通過可能な基板33M,33Nを有している。
【0022】
この基板33M、33Nの間の空間には、光触媒34が配置されている。基板33M,33Nは、上面部33Dと、底面部33Cと、側面部33F,33Gを有する。上面部33Dは、可視光を通す光透過性を有する面である。しかし、底面部33Cと2つの側面部33F,33Gは、可視光を通さない不透明な面である。これにより、発光手段36を有する脱臭ユニット30の光Lは散乱光であり、この光Lは光触媒34を通過して光触媒34を励起して、この上面部33Dを通って反射部32側に導くことができるようになっている。
【0023】
図4と
図6に示すように、基板33Mは、冷気Wを光触媒34に通すために、開口部分35を有する。同様にして、基板33Nは、冷気Wを光触媒34に通すために、開口部分35を有する。基板33M、33Nの底面部33Cは光を通さない不透明部分であるが、上面部33Dは、発光手段36が発生する光を通すことができる光透過性を有する材料、例えば透明なプラスチックにより形成されている。
【0024】
図4と
図6に示すように、少なくとも1つの発光手段36は、例えば基板33Mに配置されている。この発光手段36は、光を放射させて光触媒34の全体に拡散して照射できるようになっている。発光手段36は、図示しないが制御回路基板に対して電気的に接続されている。
【0025】
この発光手段36としては、例えば青色の可視光を発生する発光ダイオード(LED)を採用できる。光触媒34は、この発光手段36が発生する光Lのエネルギーにより励起されて光触媒活性を持たせることで、発生するOHラジカルの強い酸化反応と溶菌作用により、光触媒36を通過する冷気Wを脱臭して、除菌を行うようになっている。
【0026】
図4に示す反射部32は、例えばアルミニウムの蒸着板等のような可視光を反射できる反射板である。
図3に示すように、光触媒36を通る光Lは、光透過性を有する上面部33Dを透過して、反射部32により90度方向を変えて反射される。そして、反射部32により反射された光Lは、開口部13にある光透過性の覆い部材60(後で説明する)を透過して、冷蔵室5の庫内21側に導かれるようになっている。
【0027】
これにより、反射部32により反射された光Lは、冷蔵室5の庫内21内を照明することができる。しかも、冷蔵庫1の使用者が、庫内21内を見た時に、反射された光Lを見ることにより、冷蔵室5内の冷気Wが脱臭ユニット30の光触媒36により脱臭と除菌処理が施されていることを、視覚により確認できるメリットがある。発光手段を有する脱臭ユニットの光が、冷蔵庫の使用者には直接的には見えないようにして、触媒がこの発光手段の光により透けて見えてしまうのを防ぎ、視認性を向上することができる。
【0028】
次に、
図4と
図5を参照して、脱臭ユニット30と反射部32を、冷気の風路12内に取り付けるための取り付け構造部20について、説明する。
【0029】
図4と
図5に示す取り付け構造部20は、脱臭ユニット30と反射部32を、それぞれ着脱可能に取り付けるように構成されている。取り付け構造部20は、脱臭ユニット30の取り付け位置の上に反射部32を取り付ける。この反射部32は、開口部13に対応する位置に取り付けられている。
【0030】
図4と
図5に示すように、取り付け構造部20は、冷蔵庫1の背面部11側の冷気の風路12内に設けられている。この取り付け構造部20は、第1取り付け部41と、第2取付け部42を有している。第1取付け部41は、開口部13に対応して設けられており、第2取付け部42は、第1取付け部41の下部において第1取付け部41から離して設けられている。第1取り付け部41と第2取付け部42は、背面部11において共にY方向(図面手前方向)に突き出すように形成されている。このY方向と、X方向と、Z方向は互いに直交している。
【0031】
まず、
図4と
図5に示す第1取付け部41の構造例を説明する。
【0032】
第1取付け部41は、傾斜して形成されている部材であり、風路形成板14Cの付近に形成されており、左右の側面部44,45と、傾斜部46を有している。
図4に示すように、傾斜部46は、Z方向(上下方向)に対して、任意の角度θ、例えば45度傾斜して形成されている。この傾斜部46の内面側には、反射部32が挿入されることで、反射部32は例えば45度の角度で着脱可能に装着されている。
【0033】
図4と
図5に示すように、左右の側面部44,45の下端部分44M、45Mと、傾斜部46の下端部分46Mは、
図4に示す脱臭ユニット30の上端部30Tを着脱可能に保持するための保持部50を構成している。すなわち、左右位置の下端部分44M、45Mと、上部位置の下端部分46Mは、
図4に示す脱臭ユニット30の上端部30Tをはめ込んで保持するようになっている。
【0034】
次に、
図4と
図5に示す第2取付け部42の構造例を説明する。
【0035】
図4と
図5に示すように、第2取付け部42は、第1支持部材42Aと、第2支持部材42Bと、第2支持部材42Cを有している。第1支持部材42Aと、第2支持部材42Bと、第2支持部材42Cは、いずれも片持ち型の支持部材であり、先端部には引っ掛けて落ちないようするための爪部が形成されている。
【0036】
図4に示すように、第1支持部材42Aと第2支持部材42Bと第2支持部材42Cは、冷蔵室5の背面部11からY方向(図面手前方向)に平行に突出して形成されている。第1支持部材42Aと第2支持部材42Bは、
図4に示す脱臭ユニット30の下端部30Hを、Z1方向(上方向)にそって、左右位置の下端部分44M、45Mと、上部位置の下端部分46Mに向けて、弾発的に押し付けるようにして保持できるようになっている。
【0037】
これにより、
図4に示すように、脱臭ユニット30は、左右位置の下端部分44M、45Mと上部位置の下端部分46Mと、第1支持部材42Aと第2支持部材42Bの間で、弾発的に押し付けるようにして着脱可能に保持できる。脱臭ユニット30を取り付けたり取り外す場合には、第1支持部材42Aと第2支持部材42Bをやや弾性変形させて曲げることで、脱臭ユニット30を簡単に取り付けたり取り外すことができ、脱臭ユニット30は外れない。
【0038】
ところで、
図5に示すように、第1取付け部41の下部には、別の取付け部分47を位置させることができる。この取付け部分47は、
図4では図示されていない。この取り付け部分47は、左右位置の下端部分44M、45Mと、上部位置の下端部分46Mの下部に位置させることができる。この取り付け部分47は、後で説明するように、開口部13を覆うための不透明の蓋部材80(
図10を参照)に形成されている。
【0039】
図5に示すように、取り付け部分47は、第3支持部材42Cの上部位置に、間隔をおいて対向して配置されている。取り付け部分47と第3支持部材42Cは、
図5に示す脱臭剤70の上端部71と下端部72をそれぞれ着脱可能に保持するために設けられている。第3支持部材42Cは、脱臭剤70の下端部72をZ1方向(上方向)に取り付け部分47に向けて弾発的に押し付けるようにして保持するようになっている。
【0040】
脱臭剤70を取り付けたり取り外す場合には、第3支持部材42Cを弾性変形して曲げることで、脱臭剤70の着脱を簡単に行うことができる。この脱臭剤70の構造は、脱臭ユニット30の構造とは異なる別の直方体形状の部材であり、冷気Wを通すことで脱臭することができるように活性炭を有している。
【0041】
図4示すように、この脱臭剤70のX方向の厚みは、脱臭ユニット30のX方向の厚みに比べると小さいが、脱臭剤70のZ方向の長さは、脱臭ユニット30のZ方向の長さに比べると長い。
【0043】
図6は、
図5に示す冷蔵室5側の冷気の風路12と、取り付け構造部20と、取り付け構造部20を含む部品の一例を示している。
図7は、
図6における取り付け構造部20と取り付け構造部20のA−A線における断面図である。
図8は、開口部13に装着される光透過性の覆い部材60を示す斜視図である。
図6に例示するように、冷気風路12と取り付け構造部20は、他の部分100とともに一部材として構成することができる。
【0044】
図7に示すように、反射部32は、第1取付け部41の傾斜部46の内面側に、着脱可能に装着されている。左右位置の下端部分44M、45Mと上部位置の下端部分46Mは、
図4に示す脱臭ユニット30の上端部30T を保持し、第2取付け部42の第1支持部材42Aと第2支持部材42Bは、脱臭ユニット30の下端部30Hを保持している。
【0045】
図8に示す光透過性の覆い部材60は、ほぼ長方形の板部材であり、光Lを通すことができる。この光透過性の覆い部材60は、上端部の爪部61と、下端部の爪部62を有している。
図7に示すように、光透過性の覆い部材60の爪部61を背面部11の挿入穴部63にはめ込んで、光透過性の覆い部材60の爪部62を背面部11の突起部64に掛けることにより、覆い部材60は、着脱可能に取り付けられて開口部13を覆うことができる。
図6では、脱臭ユニット30が冷気の風路12に装着されている状態を示している。
【0046】
図7に示すように、反射部32を矢印LK方向から見た反射部32の長さSZ1は、脱臭ユニット30を矢印LK方向(前方方向)から見た脱臭ユニット30の長さSZ2に比べて大きく設定されている。これにより、限られた空間であっても、反射部32の反射面積を大きく取れるので、庫内に照射することができる脱臭ユニットにおける可視光の反射光の光量をより多く確保できる。
【0047】
これに対して、
図9は、
図5に示す冷蔵室5側の冷気の風路12と、脱臭剤70と、取り付け構造部20を含む部品の一例を示している。
図10は、
図9における脱臭剤70と取り付け構造部20のB−B線における断面図である。
図11は、開口部13に装着される不透明の蓋部材80を示す斜視図である。
図9では、脱臭剤70が冷気の風路12に装着されている状態を示している。
【0048】
図11に示す不透明の蓋部材80は、ほぼ長方形の板部材であり、光を通さないプラスチックで作られている。この蓋部材80は、上端部の爪部81と、下端部の爪部82と、そしてすでに
図4に示す別の取付け部分47を有している。
図10に示すように、爪部81を背面部11の挿入穴部63にはめ込んで、爪部82を背面部11の突起部64に掛けることにより、覆い部材60は、開口部13を覆うことができ、開口部13では光を通さないプラスチックにより作られている。しかも、
図10に示すように蓋部材80が開口部13を覆った状態では、取付け部分47は、下端部分44M、45Mと下端部分46Mの下部であって、背面部11寄りの位置に突出している。
【0049】
これにより、取り付け部分47と第3支持部材42Cは、冷蔵庫1の仕様に応じて、
図7に示す脱臭ユニット30を取り付けるのではなく、脱臭剤70の上端部71と下端部72をそれぞれ着脱可能に保持できるようになっている。
【0050】
次に、上述した構造を有する冷蔵庫1における製造時の組立作業例を説明する。
【0051】
図3と
図7に示すように、冷蔵庫1を組み立てる現場では、反射部32は、第1取付け部41の傾斜部46の内面側に、着脱可能に装着される。第1取付け部41の左右位置の下端部分44M、45Mと下端部分46Mは、
図4に示す脱臭ユニット30の上端部30Tを保持し、第2取付け部42の第1支持部材42Aと第2支持部材42Bは、脱臭ユニット30の下端部30Hを保持している。この場合には、第1支持部材42Aと第2支持部材42Bを下方に弾発的に押し下げることで、脱臭ユニット30を下端部分44M、45Mと下端部分46Mと第1支持部材42Aと第2支持部材42Bの間に挟んで簡単に保持することができる。光透過性の覆い部材60は、開口部13を覆っている。
図4の発光手段30は、光を発生する。
【0052】
図4に示すように、冷気Wは、冷気風路12の風路形成板14Aの孔部14Eを通って、風路形成板14C、14Dの間を通り、脱臭ユニット30の光触媒36を通過した後に、下がって風路形成板14Bの穴部14Eを通過して野菜室に進む。このように、冷気Wが脱臭ユニット30の光触媒34を通過すると、光触媒34は、この発光手段36が発生する光のエネルギーにより励起されて光触媒活性を持たせることにより、発生するOHラジカルの強い酸化反応と溶菌作用により、光触媒36を通過する冷気Wを脱臭して、除菌を行う。
【0053】
図3に示すように、脱臭ユニット30からの光Lは、反射部32により反射され、開口部13の光透過性の蓋部材60を通じて庫内21側に届く。これにより、反射部32により反射された光Lは、冷蔵庫1の庫内21内を照明することができる。しかも、冷蔵庫1の使用者が、庫内21内を見た時に、反射されて届く光Lを見ることにより、冷蔵室5内の冷気Wが脱臭ユニット30の光触媒36により脱臭と除菌処理が施されていることを、視覚により確認でき、視認性を向上することができる。また、発光手段を有する脱臭ユニット30の光が、冷蔵庫の使用者には直接的には見えないようにして、触媒がこの発光手段の光により透けて見えてしまうのを防げる。
【0054】
なお、使用済みの脱臭ユニット30を新しい脱臭ユニット30に交換する際には、
図4に示す第2取付け部42の第1支持部材42Aと第2支持部材42Bを少し押し下げることにより、脱臭ユニット30の下端部30Hは第1支持部材42Aと第2支持部材42Bから外すことができる。これにより、使用済みの脱臭ユニット30は、簡単に取り除くことができる。そして、新しい脱臭ユニット30は、第1支持部材42Aと第2支持部材42Bを少し押し下げることで、左右位置の下端部分44M、45Mと下端部分46Mと第1支持部材42Aと第2支持部材42Bの間に入れて、第1支持部材42Aと第2支持部材42Bの弾発力により固定することができる。
【0055】
次に、冷蔵庫1を組み立てる現場において、冷蔵庫1の仕様の違いに応じて、
図4に示す脱臭ユニット30を取り付けるのに代えて、別の脱臭剤70を取り付ける必要がある場合について説明する。
【0056】
図9に示すように脱臭剤70を取り付ける場合には、
図10に示すように、開口部13は、別の不透明の蓋部材80を取り付けることで開口部13を塞ぐ。この不透明の蓋部材80が開口部13を閉じることにより、
図10に示すように、不透明の蓋部材80の取り付け部分47は、第3支持部材42Cの上部位置に、間隔をおいて対向して配置される。
【0057】
この取り付け部分47と第3支持部材42Cは、
図4に示す脱臭剤70の上端部71と下端部721をそれぞれ着脱可能に保持する。この際には、第3支持部材42Cは、脱臭剤70をZ1方向(上方向)に取り付け部分47に向けて弾発的に押し付けるようにして保持する。
【0058】
これにより、脱臭剤70を取り付けたり取り外す場合には、第3支持部材42Cを弾発的に曲げることで、脱臭剤70を簡単に着脱することができる。この脱臭剤70の構造は、脱臭ユニット30の構造とは異なる別の部材であるが活性炭を有しており、励起用の発光手段は備えておらず、冷気Wを通すことで脱臭する。
【0059】
ところで、
図10に示すように、不透明の蓋部材80が開口部13を閉じる使用の場合には、
図7のように脱臭ユニット30を取り付けるのではなく、
図10に示すように脱臭剤70を取り付けなければならない。もし、脱臭ユニット30を取り付けようとした場合には、
図10に示す不透明の蓋部材80の取り付け部分47が、脱臭ユニット30に突き当たることから、脱臭ユニット30を誤って取り付けられないようになっている。このため、不透明の蓋部材80が装着された場合には、脱臭ユニット30を取り付けることは不可能である。このように、不透明の蓋部材80の取り付け部分47の存在により、脱臭剤70を取り付けるべきなのに、脱臭ユニット30を取り付けてしまう誤装着を確実に防止することができる。
【0060】
以上説明したように、冷蔵庫1の組立作業では、第1取付け部41と第2取付け部42の第1支持部材42Aと第2支持部材42Bは、
図7に示すように、脱臭ユニット30を着脱可能に取り付けることができる。あるいは、冷蔵庫1の仕様が異なる場合には、
図10に示すように、取り付け部分47と第2取付け部42の第3支持部材42Cは、脱臭剤70を着脱可能に取り付けることができる。
【0061】
本発明の実施形態の冷蔵庫では、冷蔵庫本体の冷蔵室側風路内に、発光手段と、発光手段からの可視光により励起する触媒とを有する脱臭ユニットが配置されている冷蔵庫であって、発光手段を覆わない位置に配置されて、脱臭ユニットにおける可視光の反射光を庫内に照射する反射部を備える。これにより、反射部は、脱臭ユニットにおける可視光の反射光を庫内に照射するので、発光手段を有する脱臭ユニットの光が、冷蔵庫の使用者には直接的には見えないようにして、触媒がこの発光手段の光により透けて見えてしまうのを防ぎ、視認性を向上することができる。
【0062】
反射部は、脱臭ユニットに対して斜めに配置されている。これにより、反射部の反射面積を大きく取れるので、庫内に照射することができる脱臭ユニットにおける可視光の反射光の光陵をより多くい確保できる。
【0063】
反射部を前方から見た長さは、脱臭ユニットの前方から見た長さに比べて大きい。これにより、限られた空間であっても、反射部の反射面積を大きく取れるので、庫内に照射することができる脱臭ユニットにおける可視光の反射光の光量をより多く確保できる。
【0064】
冷蔵室側風路は、脱臭ユニットからの光を庫内に照射するための開口部を有し、脱臭ユニットは冷蔵室側風路に取り付けられており、開口部には光透過性の覆い部材が取り付けられる。これにより、発光手段を有する脱臭ユニットの光の視認性を損なうことなく、光透過性の覆い部材が開口部を塞ぐことができ、光透過性の覆い部材の開口部に対する取り付け安定性を確保できる。
【0065】
開口部には、光透過性の覆い部材に代えて不透明の蓋部材が取り付けられ、脱臭ユニットとは異なる脱臭剤が取り付け可能な構成である。これにより、脱臭ユニットとは異なる脱臭剤を取り付ける際には、発光手段を有する脱臭ユニットの光を開口部から通す必要がないので、不透明の蓋部材を開口部に対して取り付ければ、脱臭ユニットとは異なる脱臭剤を取り付けることができる。このため、冷蔵庫における脱臭ユニットと、脱臭ユニットとは異なる脱臭剤との使い分けが可能になる。
【0066】
脱臭剤は、不透明の蓋部材を用いて冷蔵室側風路に対して取り付けられる。これにより、冷蔵庫の組立作業者は、製造現場において、不透明の蓋部材を用いれば、必ず脱臭剤を取り付けることができるので、製造現場では、脱臭ユニットとは異なる脱臭剤を取り付けなければならないのに、脱臭ユニットを取り付けてしまう誤使用を防止できる。
【0067】
不透明の蓋部材の構造は、脱臭ユニットが取り付け不可な構成である。これにより、不透明の蓋部材を用いるだけで、脱臭ユニットは取り付けることができず、必ず脱臭ユニットとは異なる脱臭剤を取り付けることになるので、製造現場では、脱臭ユニットとは異なる脱臭剤を取り付けなければならないのに、脱臭ユニットを取り付けてしまう誤使用を防止できる。
【0068】
不透明の蓋部材は、脱臭剤の上端部を取り付けるための取り付け部分を有している。これにより、不透明の蓋部材を用いるだけで、取付け部分は、脱臭剤の上端部を確実に取り付けることができる。
【0069】
脱臭ユニットの下端部を支持するための第1支持部材と、脱臭剤の下端部を支持するための第2支持部材と、を有する。これにより、第1支持部材は、脱臭ユニットの下端部と支持し、第2支持部材は、脱臭剤の下端部を支持するようにして、大きさの異なる脱臭ユニットと脱臭剤とを別部材でそれぞれ支持することができる。
【0070】
不透明の蓋部材の取り付け部分は、脱臭ユニットを取り付けるのを阻止する位置に突出して設けられている。これにより、不透明の蓋部材の取り付け部分は、脱臭ユニットを誤って取り付けてしまうことを防止できる。
【0071】
脱臭ユニットは、触媒を保持する基板と、基板に配置されて触媒の領域に対して可視光を照射する発光手段を有し、庫内の冷気は、脱臭ユニットの基板を通過する構造を有する。これにより、発光手段の可視光により励起された触媒が、基板を通過する冷気を脱臭することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な態様で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0073】
本発明の各実施形態は、任意に組み合わせて用いることができる。また、
図1に示す冷蔵庫1の構造は、一例であり、任意の構造を採用することができる。