特許第6169899号(P6169899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6169899
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】凹凸補正用化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20170713BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20170713BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20170713BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20170713BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20170713BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   A61K8/73
   A61K8/37
   A61K8/81
   A61K8/25
   A61K8/87
   A61Q1/02
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-125545(P2013-125545)
(22)【出願日】2013年6月14日
(65)【公開番号】特開2015-854(P2015-854A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2016年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】大澤 友
(72)【発明者】
【氏名】太丸 卓
(72)【発明者】
【氏名】五味 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】秦 英夫
【審査官】 石川 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−030971(JP,A)
【文献】 特開2005−213145(JP,A)
【文献】 特開2011−213678(JP,A)
【文献】 特開2010−143830(JP,A)
【文献】 特開平2−121907(JP,A)
【文献】 特開2007−277176(JP,A)
【文献】 特開2003−113024(JP,A)
【文献】 特開2006−008582(JP,A)
【文献】 特開2001−131024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/73
A61K 8/25
A61K 8/37
A61K 8/81
A61K 8/87
A61Q 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌に先に適用される第1剤と、第1剤の後で肌に適用される第2剤とからなり、前記第1剤が(A)〜(C)を含み、前記第2剤が(D)〜(F)を含むことを特徴とする凹凸補正用化粧料。
第1剤:
(A)デキストリン脂肪酸エステル 第1剤全量中8〜15質量%
(B)リンゴ酸ジイソステアリル又はポリイソブテン 第1剤全量中10〜40質量%
(C)シリカ粉末、ポリウレタン粉末及びポリメチルメタクリレート粉末から選ばれる一種又は二種以上の粉末 第1剤全量中30〜54質量%
第2剤:
(D)粘着性樹脂 第2剤全量中5〜10質量%
(E)ウレタンポリマー 第2剤全量中1〜3質量%
(F)ポリビニルアルコール 第2剤全量中1〜3質量%
【請求項2】
前記(D)粘着性樹脂が、アクリル酸ブチル、ジメチルアクリルアミド、アクリル酸ポリオキシエチレングリコール、アクリル酸ポリオキシプロピレングリコール及びジアクリル酸ポリオキシエチレングリコールからなるモノマー組成の重合体であることを特徴とする請求項1に記載の凹凸補正用化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は凹凸補正皮膚外用剤に関し、さらに詳しくは、本発明は皮膚上の様々な原因により形成された凹凸等を覆って平滑化し、視覚的に、あたかもその凹凸等が存在しないように補正し得る凹凸補正皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
メーキャップ化粧料の役割として最も大きな役割の一つに、外観を美しく見せる「美的役割」がある。具体的に、この「美的役割」は、例えば皮膚の小さな毛穴による凹凸を平滑化したり、皮膚の色を補正したりすることにより果たされることが通常である。
【0003】
しかしながら、既存のメーキャップ化粧料を用いても補正することが困難な皮膚上の凹凸等が少なからず存在することも事実である。例えば、(1)ニキビ等により「クレーター状」ともいえる程皮膚上の凹凸が顕著になった場合、(2)熱傷によるケロイド痕や植皮痕、(3)手術痕、(4)深い傷痕等は、既存のメーキャップ化粧料で補正することは困難である。
【0004】
すなわちメーキャップ化粧料のうち、粉末成分,油分及びロウを含有する油性固形化粧料や、粉末成分,油分,ロウ,水及び保湿剤を含有する乳化固形化粧料は、これらの中に含有されている粉末やロウ類によって、皮膚の小さな毛穴による凹凸等の微小な凹凸を埋めるものであるが、深い凹凸の場合には脱落してしまい、とても上記(1)〜(4)のような皮膚上の深い凹凸を補正し得るものではない。
【0005】
そこで、上記のような従来のメーキャップ化粧料では補正が困難な、皮膚上の深い、あるいは大きな凹凸等を平滑化し、これらの凹凸等を視覚的にも目立たなくし得る凹凸補正用化粧料を提供することが所望されている。
【0006】
この提供されるべき凹凸補正用化粧料は、上記(1)〜(4)のような皮膚上の大きな凹凸を補正する場合には、皮膚上に厚く塗布しても脱落等せずに皮膚に密着し、剥がれにくいという性質が求められる。また柔らかく、サラっとして皮膚の動きに追従する被膜を形成する必要もある。さらには、透明性が高く、視覚的に皮膚上の凹部分と凸部分とがあたかも存在しないように補正し得ることが好ましい。
【0007】
かかる凹凸補正用の化粧料として、シリコーン化プルランと、エラストマー粉末とから構成される凹凸補正用組成物(特許文献1)や、特定の揮発性油分と、ワックスと、シリコーン系被膜剤を含む凹凸補正用組成物(特許文献2)等が知られている。
しかし、これらのいずれの凹凸補正用組成物においても、上記したような深い凹凸をカバーし補正するには不十分であった。
【0008】
一方、後述する本願発明の第1剤に関連する組成物としては、デキストリン脂肪酸エステルと、揮発性油分と、特定の屈折率を有する油分および球状粉末を含む透明固形組成物が知られている(特許文献3)。しかしこの組成物は、厚く塗布するとボロボロとくずれてしまい、厚く塗布することは困難である。
また屈折率の近い特定の油分と粉末との組み合わせに係る発色組成物も知られている(特許文献4)。しかしこの組成物も厚く塗布することができず、また粉末の配合量が少ないので、マットで自然な仕上がりにはできない。
【0009】
さらに従来知られている厚塗り用の化粧料として、「眉つぶし」という舞台用の化粧品がある。この眉つぶしは、眉毛をカバーできるほど厚く塗布することができるが、カバー力が非常に高く、透明ではない。そのため、舞台メークとしては使用可能であるが、通常のメークを施している肌と組み合わせると不自然な仕上がりとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−16919号公報
【特許文献2】特開2010−229094号公報
【特許文献3】特許第4442751号公報
【特許文献4】特開2002−363535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本発明者は、通常のメーキャップ化粧料では補正が困難な肌上の深い凹凸を平滑化し、自然な仕上がりで視覚的にも目立たなくし得る凹凸補正用化粧料を提供することを目的として鋭意研究した結果、以下に述べるような2剤構成の化粧料が、火傷痕や手術痕等のきわめて深い肌の凹凸を補正することができ、しかも皮膚追従性にも優れるものであることを見出し、本発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち本発明は、肌に先に適用される第1剤と、第1剤の後で肌に適用される第2剤とからなり、前記第1剤が(A)〜(C)を含み、前記第2剤が(D)〜(F)を含むことを特徴とする凹凸補正用化粧料である。
第1剤:
(A)デキストリン脂肪酸エステル 第1剤全量中8〜15質量%
(B)リンゴ酸ジイソステアリル又はポリイソブテン 第1剤全量中10〜40質量%
(C)シリカ粉末、ポリウレタン粉末及びポリメチルメタクリレート粉末から選ばれる一種又は二種以上の粉末 第1剤全量中30〜54質量%
第2剤:
(D)粘着性樹脂 第2剤全量中5〜10質量%
(E)ウレタンポリマー 第2剤全量中1〜3質量%
(F)ポリビニルアルコール 第2剤全量中1〜3質量%
【発明の効果】
【0013】
本発明の凹凸補正用化粧料は、火傷痕や手術痕等のきわめて深い肌の凹凸を平滑化し、自然な仕上がりで視覚的にも目立たなくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について詳述する。
本発明の凹凸補正用化粧料は、肌に先に適用される第1剤と、第1剤の後で肌に適用される第2剤とからなるものである。補正しようとする肌の凹凸部分が周囲の肌の色と異なる場合はまず通常のファンデーションを適用し、しかる後に本発明の凹凸補正用化粧料を適用する。また、補正しようとする肌の凹凸部分が周囲の肌の色と大きく異ならない場合は、素肌に直接本発明の凹凸補正用化粧料を適用してもよい。
【0015】
本発明の第1剤は、半透明な外観で、厚く塗布することが可能で、密着力のある非水系の製剤である。構成は、高粘度油分である(B)成分と、この高粘度油分を透明から半透明に固化できるゲル化剤である(A)成分と、(C)粉末を含むものである。(C)粉末は、高粘度油分と屈折率が近く、透明性を著しく損なわないものが好ましい。この第1剤は全体として半透明で、垂れ落ちがなく、大きく凹んだ皮膚の損傷部分を埋め、表面を平滑にすることができる。
【0016】
((A)デキストリン脂肪酸エステル)
本発明で用いられる(A)デキストリン脂肪酸エステルは高粘度油分を透明から半透明に固化できるゲル化剤である。
このデキストリン脂肪酸エステルは、デキストリンと直鎖又は分岐のアルキル基(好ましくは炭素数3〜30)を有する脂肪酸とのエステルであり、デキストリンにピリジンを塩基性触媒に用いて加熱下に脂肪酸クロライドを反応させることにより得られる。
デキストリンに、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、および、分岐や水酸基やフェニル基等の置換基を有したこれら脂肪酸を結合したものが挙げられる。
特に好ましくは、パルミチン酸デキストリンである。パルミチン酸デキストリンとしては、市販品としてレオパールKL(千葉製粉株式会社製)を用いることができる。
【0017】
デキストリン脂肪酸エステルの配合量は第1剤全量に対して、8〜15質量%であり、好ましくは9〜12質量%である。デキストリン脂肪酸エステルの配合量が少なすぎるとべたつき、たれ落ちを生じ、多すぎると密着感が低下する。
【0018】
((B)リンゴ酸ジイソステアリル又はポリイソブテン)
本発明で用いられる(B)成分はリンゴ酸ジイソステアリル又はポリイソブテンであり、これらのいずれであっても良く、両方を用いても良い。これらの高粘度油分を用いることにより透明性を著しく損なうことなく、厚い塗布膜を形成することができる。リンゴ酸ジイソステアリルとしては、市販品としてコスモール222(日清オイリオグループ社製)を用いることができる。
【0019】
(B)成分の配合量は第1剤全量に対して、10〜40質量%であり、好ましくは10〜20質量%である。(B)成分の配合量が少なすぎると密着感に欠け、多すぎるとベタつき、テカりが生じる。
【0020】
((C)粉末)
本発明で用いられる粉末成分は、シリカ粉末、ポリウレタン粉末及びポリメチルメタクリレート粉末から選ばれる一種又は二種以上である。これらの粉末の屈折率は上記高粘度油分の屈折率に近いので、上記高粘度油分に混合しても透明性を損なわない。そのため、製剤の外観が半透明になるので好適である。
ここでシリカ粉末としては、球状シリカP−1500(触媒化成工業社製)、サンスフェアL−51S(AGCエスアイテック社製)、DFシリカマイクロビーズFB−10D(電気化学工業社製)が挙げられる。ポリウレタン粉末としては、プラスティックパウダーD−400(東色ピグメント社製)が挙げられる。ポリメチルメタクリレート粉末としては、マイクロスフェアーM−330(松本油脂製薬社製)が挙げられる。
【0021】
(C)粉末の配合量は第1剤全量に対して、30〜54質量%であり、好ましくは40〜45質量%である。(C)成分の配合量が少なすぎると塗布後にマットな仕上がりにならず、多すぎると肌への密着力が低下する。
【0022】
本発明の第2剤は、上記第1剤の上に塗布するものである。第1剤のみではべたつきがあり、化粧持ちが劣る。そこで第1剤の上に第2剤を塗布する。第2剤はサラっとした使用感を有し、化粧持ちを向上させ、また皮膚追従性に優れた柔らかい被膜を形成することが可能な水系の製剤である。構成は、粘着性があり、柔らかい被膜を形成する(D)粘着性樹脂と、被膜剤としての(E)ウレタンポリマーおよび(F)ポリビニルアルコールを含むものである。
【0023】
((D)粘着性樹脂)
本発明で用いられる(D)粘着性樹脂は、アクリル酸ブチル、ジメチルアクリルアミド(d1)、アクリル酸ポリオキシエチレングリコール(d2)、アクリル酸ポリオキシプロピレングリコール(d3)及びジアクリル酸ポリオキシエチレングリコール(d4)からなるモノマー組成の重合体が好ましい。ここで、各モノマーの好ましい組成は、質量比で、7.5<d1<62.5、20≦d2<45、7.5<d3<60、1<d4<5である。この粘着性樹脂は柔らかい被膜を形成する。
粘着性樹脂としては、市販品としてプラスサイズL−64S(50%エタノール溶液)(互応化学工業社製)を用いることができる。
【0024】
(D)粘着性樹脂の配合量は第2剤全量に対して、5〜10質量%であり、好ましくは6〜9質量%である。(D)成分の配合量が少なすぎると被膜の剥がれを生じ、多すぎるとベタつきを生じる。
【0025】
本発明の第2剤には、上記(D)粘着性樹脂の他に、(E)ウレタンポリマー 1〜3質量%および(F)ポリビニルアルコール 1〜3質量%を含む。これらの成分をそれぞれ適量含むことにより、サラッとして、かつ皮膚追従性に優れる被膜を形成することができる。
ここでウレタンポリマーとしてはヨドゾールPUD(日本エヌエスシー社製、20%水溶液)が挙げられ、ポリビニルアルコールとしてはゴーセノールEG40(日本合成化学工業社製)が挙げられ、シリカ粉末としては、サンスフェアーL−51S(AGCエスアイテック社製)が挙げられる。
【0026】
その他の配合可能成分としては、例えば、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン、トラネキサム酸、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、L−アスコルビン酸グルコシド、4−メトキシサリチル酸カリウム等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤等が挙げられる。
【0027】
紫外線吸収剤としては下記化合物が挙げられる。
(1)安息香酸系紫外線吸収剤
例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステルなど。
(2)アントラニル酸系紫外線吸収剤
例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレートなど。
(3)サリチル酸系紫外線吸収剤
例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレートなど。
(4)ケイ皮酸系紫外線吸収剤
例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメートなど。
(5)トリアジン系紫外線吸収剤
例えば、ビスレゾルシニルトリアジン。
さらに具体的には、ビス{〔4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス{4−(2−エチルヘキシロキシカルボニル)アニリノ}1,3,5−トリアジンなど。
(6)その他の紫外線吸収剤
例えば、3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン。ジモルホリノピリダジノンなどのピリダジン誘導体。
【0028】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0029】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0030】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【実施例】
【0031】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
実施例に先立ち、実施例で用いた試験方法の詳細について説明する。
【0032】
(第1剤の試験方法)
第1剤については、透明感(塗布後、肌っぽいか)、経時でのテカリ(初めはマットで素肌っぽいが、経時でテカる)および密着感(厚く塗れるか)を次の基準で評価した。
【0033】
(1)透明感
顔に深い凹凸のある女性パネラー20名について、洗顔後の顔面部に被験試料を手で塗布し、凹凸部の透明感についてアンケートを行い、以下の基準で評価した。
◎:凹凸部が肌っぽく透明感があると答えたパネラーが12名以上。
○:凹凸部が肌っぽく透明感があると答えたパネラーが8〜11名。
△:凹凸部が肌っぽく透明感があると答えたパネラーが4〜7名。
×:凹凸部が肌っぽく透明感があると答えたパネラーが3名以下。
【0034】
(2)経時でのテカリ
顔に深い凹凸のある女性パネラー20名について、洗顔後の顔面部に被験試料を手で塗布し、経時でのテカリについてアンケートを行い、以下の基準で評価した。
◎:凹凸部が初めマットで素肌っぽく、経時でテカらないと答えたパネラーが12名以上。
○:凹凸部が初めマットで素肌っぽく、経時でテカらないと答えたパネラーが8〜11名。
△:凹凸部が初めマットで素肌っぽく、経時でテカらないと答えたパネラーが4〜7名。
×:凹凸部が初めマットで素肌っぽく、経時でテカらないと答えたパネラーが3名以下。
【0035】
(3)密着感
顔に深い凹凸のある女性パネラー20名について、洗顔後の顔面部に被験試料を手で塗布し、密着感についてアンケートを行い、以下の基準で評価した。
◎:凹凸部は密着感があり厚く塗れると答えたパネラーが12名以上。
○:凹凸部は密着感があり厚く塗れると答えたパネラーが8〜11名。
△:凹凸部は密着感があり厚く塗れると答えたパネラーが4〜7名。
×:凹凸部は密着感があり厚く塗れると答えたパネラーが3名以下。
【0036】
(4)総合評価
上記の透明感(塗布後、肌っぽいか)、経時でのテカリ(初めはマットで素肌っぽいが、経時でテカる)および密着感(厚く塗れるか)を総合してアンケートを行い、以下の基準で評価した。
◎:よいと答えたパネラーが15名以上。
○:よいと答えたパネラーが12〜14名。
△:よいと答えたパネラーが6〜11名。
×:よいと答えたパネラーが5名以下。
【0037】
(第2剤の試験方法)
第2剤については、剥がれにくさ(経時で剥がれることがないか)およびベタつきの無さを次の基準で評価した。
【0038】
(1)剥がれにくさ
顔に深い凹凸のある女性パネラー20名について、洗顔後の顔面部に第1剤(試験例25)を手で塗布後、試験試料(第2剤)を指で塗布し、凹凸部の膜の剥がれにくさについてアンケートを行い、以下の基準で評価した。
○:凹凸部は経時で剥がれにくいと答えたパネラーが12名以上。
△:凹凸部は経時で剥がれにくいと答えたパネラーが6〜11名。
×:凹凸部は経時で剥がれにくいと答えたパネラーが5名以下。
【0039】
(2)ベタつきの無さ
顔に深い凹凸のある女性パネラー20名について、洗顔後の顔面部に第1剤(試験例25)を手で塗布後、試験試料(第2剤)を指で塗布し、凹凸部のベタつきの無さについてアンケートを行い、以下の基準で評価した。
○:凹凸部は経時でベタつかないと答えたパネラーが12名以上。
△:凹凸部は経時でベタつかないと答えたパネラーが6〜11名。
×:凹凸部は経時でベタつかないと答えたパネラーが5名以下。
【0040】
次に、本実施例で用いた(D)粘着性樹脂の調製方法について説明する。
(D)粘着性樹脂の調製方法
下記表1に示したモノマー組成(d1)〜(d4)で重合を行い、本発明で使用する粘着性樹脂を調製した。
具体的には、モノマー類100部を混合した混合物をあらかじめ用意し、この混合物の入った滴下漏斗、還流冷却気、温度計、窒素置換用管および、撹拌機が取り付けられた容量1Lの五つ口フラスコに、エタノール100部を仕込み、窒素気流下、昇温し、還流状態(約80℃)になったところで、このエタノール中に重合開始剤(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)1部を添加し、上記混合物を2時間連続して滴下する。その後、還流状態にて、8時間放置し重合反応を進行させた。次に五つ口フラスコ中の溶液から溶媒を留去および、エタノールを加えることでこの溶液の溶媒含有量を調整し、固形分濃度50%の化粧料基剤の溶液を得た。
これを粘着性樹脂(50%エタノール溶液)として用いた。
【0041】
【表1】
【0042】
試験例1〜10(第1剤の粉末の検討)
次の表2の処方で第1剤を調製し、透明感、経時でのテカリ、密着感について、上記の方法で評価した。その結果を、総合評価と共に表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
※1:シリコーンKF56(信越化学工業社製)
※2:球状シリカP−1500(触媒化成工業社製)
※3:KSP−100(信越化学工業社製)
※4:トレフィルE−506W(東レ・ダウコーニング社製)
※5:サンスフェアL−51S(AGCエスアイテック社製)
※6:DFシリカマイクロビーズFB−10D(電気化学工業社製)
【0045】
表2の結果から、粉末としては、シリカ粉末、ポリウレタン粉末及びポリメチルメタクリレート粉末が好ましいことが分かる。
【0046】
試験例11〜25(第1剤の高粘度油分の検討)
次の表3の処方で第1剤を調製し、透明感、経時でのテカリ、密着感について、上記の方法で評価した。その結果を、総合評価と共に表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
※7:シリコーンKF−54HV(信越化学工業社製)
【0049】
表3の結果から、高粘度油分としては、リンゴ酸ジイソステアリル及びポリイソブテンが好ましいことが分かる。なお、試験例13,16〜19はパルミチン酸デキストリンが溶けないものであった。
【0050】
試験例26〜28(第2剤)
次の表4の処方で第2剤を調製し、膜の硬さ(塗布後、適度な硬さがあるか)および剥がれにくさ(経時で剥がれることがないか)について、上記の方法で評価した。その結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】
表4から分かるように、本発明の第2剤は、適度な膜の硬さがあり、剥がれにくいものであった。
【0053】
実施例1(第1剤と第2剤を用いた評価)
手術痕で深い凹凸のある肌に、まず通常のファンデーションを塗布する。次いで、試験例25の化粧料を第1剤として塗布し、次いで試験例28の化粧料を第2剤として塗布した。塗布時の皮膚追従性はいずれも良好であった。
第1剤および第2剤の塗布の結果、凹凸は平滑化され、透明感のある自然な仕上がりの塗布膜を形成することができた。また表面に第2剤が塗布されているため、べたつきがなく、化粧持ちも良好であった。