特許第6170397号(P6170397)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6170397
(24)【登録日】2017年7月7日
(45)【発行日】2017年7月26日
(54)【発明の名称】フォーマーポンプ
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20170713BHJP
   B65D 47/34 20060101ALI20170713BHJP
   F04B 19/06 20060101ALI20170713BHJP
   F04B 9/14 20060101ALI20170713BHJP
【FI】
   B65D83/00 K
   B65D47/34 110
   F04B19/06
   F04B9/14 B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-205801(P2013-205801)
(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公開番号】特開2015-67351(P2015-67351A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100113169
【弁理士】
【氏名又は名称】今岡 憲
(72)【発明者】
【氏名】古原 裕嗣
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 剛
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−202122(JP,A)
【文献】 実開昭63−074482(JP,U)
【文献】 特開平06−100062(JP,A)
【文献】 実開平01−122851(JP,U)
【文献】 特開2012−246053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D83/00
B65D83/08−83/76
B65D47/34
F04B 9/14
F04B19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体(100)の口頸部(101)外周に嵌合させる装着キャップ(A)に上端部を固定して容器体(100)内に垂下するとともに、大径の空気用シリンダ(10)及び小径の液用シリンダ(11)を上下に同心円状に連設してなるシリンダ部材(B)と、
液用シリンダ(11)内を摺動する液用ピストン(E1)を、ステム(E2)外周下部より突設するとともに、空気用シリンダ(10)内を摺動する空気用ピストン(E3)をステム(E2)外周上部に連携させ、ステム(E2)内と連通する吐出口(54)を備えた吐出ヘッド(E4)をステム(E2)上端に嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材(E)とを備え、
作動部材(E)の上下動により液用シリンダ(11)内の液と空気用シリンダ(10)内の空気をステム(E2)内で合流させて起泡部材(E6)を介して起泡させ、吐出口(54)より吐出する如く構成し
かつ容器体(100)内の充填液上方に存在する空気を液用シリンダ(11)内に導入する空気導入路(p1)を設けたフォーマーポンプであって、
前記シリンダ部材(B)の下端部にパイプ(D)を接続するためのジョイント(C)に嵌着させており、
このジョイント(C)に前記空気導入路(p1)が形成されており、
前記ジョイント(C)は、シリンダ部材(B)下端とパイプ(D)上端との間に介在させるフランジ(20)と、フランジ(20)より立設してシリンダ部材(B)下端部内に嵌着させる上部筒部(21)と、フランジ(20)より垂設してパイプ(D)の上端部に嵌着させる下部筒部(22)とを備えている
ことを特徴とするフォーマーポンプ。
【請求項2】
前記空気導入路(p1)として、フランジ(20)と前記シリンダ部材Bの下端部である嵌合筒(13)との間、及び上部筒部(21)外面と嵌合筒(13)内面との間にわたって、凹凸形成手段で画成された貫通路を設けた請求項に記載のフォーマーポンプ。
【請求項3】
前記パイプ(D)の嵌着部分上方の下部筒部(22)の上端部に、空気導入路(p1)としての透孔(25)を設けた請求項に記載のフォーマーポンプ。
【請求項4】
容器体(100)内と連通する空気導入路(p1)の開口部分を包含して、液用シリンダ(11)の外周上部を囲繞する有底の隔壁筒(24)を、ジョイント(C)より突設した請求項1から請求項3のいずれかに記載のフォーマーポンプ。
【請求項5】
空気用シリンダ(10)の底部に環状の隆起部(15)を形成し、隔壁筒(24)の上端部を隆起部(15)下方の空間内に位置させた請求項に記載のフォーマーポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフォーマーポンプに関し、詳しくは、ボリュームのある泡の吐出が可能なフォーマーポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
フォーマーポンプとして、大径の空気用シリンダと小径の液用シリンダを上下に同心円状に連設したシリンダ部材と、液用シリンダ内を摺動する液用ピストンをステム外周下部より突設するとともに、空気用シリンダ内を摺動する空気用ピストンをステム外周上部に連携させ、ステム上端に吐出ヘッドを嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材とを備え、作動部材の上下動により液用シリンダ内の液と空気用シリンダ内の空気を合流させて起泡部材を介して起泡させ、吐出ヘッドの吐出口より吐出する如く構成したものが知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
この種のフォーマーポンプにより吐出される泡はボリュームのあるものが望まれるが、ボリュームのある泡の形成、吐出を行なうためには、例えば、液に対する空気の混合量を増加することで達成できると思われるが、そのために空気用シリンダの容量を大きくすると、製品外径が大きくなって外観を損ねる虞があり、また、持ち難くなって取り扱いが不自由となる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−202122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、空気用シリンダの容量を変えることなく、従って製品の外観を損ねる虞がなく、また、持ち難くなる等の取り扱いの不便さを生じることなく、しかもボリュームのある泡の形成、吐出が可能なホォーマーポンプを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、容器体100の口頸部101外周に嵌合させる装着キャップAに上端部を固定して容器体100内に垂下するとともに、大径の空気用シリンダ10及び小径の液用シリンダ11を上下に同心円状に連設してなるシリンダ部材Bと、
液用シリンダ11内を摺動する液用ピストンE1を、ステムE2外周下部より突設するとともに、空気用シリンダ10内を摺動する空気用ピストンE3をステムE2外周上部に連携させ、ステムE2内と連通する吐出口54を備えた吐出ヘッドE4をステムE2上端に嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材Eとを備え、
作動部材Eの上下動により液用シリンダ11内の液と空気用シリンダ10内の空気をステムE2内で合流させて起泡部材E6を介して起泡させ、吐出口54より吐出する如く構成し
かつ容器体100内の充填液上方に存在する空気を液用シリンダ11内に導入する空気導入路p1を設けたフォーマーポンプであって、
前記シリンダ部材Bの下端部にパイプDを接続するためのジョイントCに嵌着させており、
このジョイントCに前記空気導入路p1が形成されており、
前記ジョイントCは、シリンダ部材B下端とパイプD上端との間に介在させるフランジ20と、フランジ20より立設してシリンダ部材B下端部内に嵌着させる上部筒部21と、フランジ20より垂設してパイプDの上端部に嵌着させる下部筒部22とを備えている
【0008】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、上記第1の手段に於いて、前記空気導入路p1として、フランジ20と前記シリンダ部材Bの下端部である嵌合筒13との間、及び上部筒部21外面と嵌合筒13内面との間にわたって、凹凸形成手段で画成された貫通路を設けた。
【0009】
の手段として、以下の通り構成した。即ち、上記第の手段に於いて、前記パイプDの嵌着部分上方の下部筒部22の上端部に、空気導入路p1としての透孔25を設けた。
【0010】
の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第の手段乃至第の手段のいずれかの手段に於いて、容器体100内と連通する空気導入路p1の開口部分を包含して、液用シリンダ11の外周上部を囲繞する有底の隔壁筒24を、ジョイントCより突設した。
【0011】
の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第の手段に於いて、空気用シリンダ10の底部に環状の隆起部15を形成し、隔壁筒24の上端部を隆起部15下方の空間内に位置させた。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、容器体100内の充填液上方に存在する空気を液用シリンダ11内に導入する空気導入路p1を設けたので、空気用シリンダの容量を変えることなく、従って製品の外観を損ねる虞がなく、また、持ち難くなる等の取り扱いの不便さを生じることなく、しかもボリュームのある泡の形成、吐出が可能である。
【0013】
空気導入路p1を、シリンダ部材Bの下端部に嵌着した、パイプDを接続するためのジョイントCに形成した場合には、従来品に対してジョイントCを追加するという簡単な構成の変化で上記特徴を発揮することができる。
【0014】
ジョイントCは、シリンダ部材B下端とパイプD上端との間に介在させるフランジ20と、フランジ20より立設してシリンダ部材B下端部内に嵌着させる上部筒部21と、フランジ20より垂設してパイプDの上端部に嵌着させる下部筒部22とを備え、空気導入路p1として、フランジ20と前記シリンダ部材Bの下端部である嵌合筒13との間、及び上部筒部21外面と嵌合筒13内面との間にわたって、凹凸形成手段で画成された貫通路を設けた場合には、上記特徴に加え、ジョイントの構造が簡単で、その組み付け操作も容易である。
【0015】
ジョイントCは、シリンダ部材B下端とパイプD上端との間に介在させるフランジ20と、フランジ20より立設してシリンダ部材B下端部に嵌着させる上部筒部21と、フランジ20より垂設してパイプDの上端部に嵌着させる下部筒部22とを備え、パイプDの嵌着部分上方の下部筒部22の上端部に、空気導入路p1としての透孔25を設けた場合は、同様に、上記特徴に加え、ジョイントの構造が簡単で、その組み付け操作も容易である。
【0016】
容器体100内と連通する空気導入路p1の開口部分を包含して、液用シリンダ11の外周上部を囲繞する有底の隔壁筒24を、ジョイントCより突設した場合には、容器体100内の充填液の量を極力多くして使用することができる特徴がある。
【0017】
空気用シリンダ10の底部に環状の隆起部15を形成し、隔壁筒24の上端部を隆起部15下方の空間内に位置させた場合には、容器体100内の充填液の量を更に多くして使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】フォーマーポンプの縦断面図である。(第1実施例)
図2】ジョイント部分の要部拡大縦断面図である。(第1実施例)
図3図2のX−X線に沿う横断面図である。(第1実施例)
図4】フォーマーポンプの縦断面図である。(第2実施例)
図5】ジョイント部分の要部拡大縦断面図である。(第2実施例)
図6】フォーマーポンプの縦断面図である。(第3実施例)
図7】ジョイント部分の要部拡大縦断面図である。(第3実施例)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1及び図3は本発明のフォーマーポンプの第1実施例を示す。フォーマーポンプ1は、装着キャップAと、シリンダ部材Bと、ジョイントCと、パイプDと、作動部材Eと、ポペット弁体Fと、オーバーキャップGとを備えている。
【0021】
装着キャップAは、フォーマーポンプ1を容器体100に固定するためのもので、容器体100の口頸部101外周に嵌合させる周壁5の中間部に段差を介し、上端縁よりフランジ状の頂壁6を延設し、頂壁6中央部にガイド筒7を垂設している。
【0022】
シリンダ部材Bは、上端部を装着キャップA裏面外周部に装着固定させた大径の空気用シリンダ10の下部に、小径の液用シリンダ11を同心円状に延設している。空気用シリンダ10上部には外気を導入するための横孔17を穿設している。液用シリンダ11は、空気用シリンダ10の底壁部内周縁に周壁部の上端縁を連結して下方へ垂設し、周壁部の下端縁より中央を開口したテーパ状の底壁部16を延設し、底壁部16の上面を吸込み弁用の弁座12として構成している。また、底壁部16の中央開口縁よりパイプ連結用の嵌合筒13を一体に垂設し、嵌合筒13に嵌着したジョイントCを介して吸上げ用のパイプDの上端を嵌着し、その下端を容器体100内下端部に垂下させている。更に、液用シリンダ11内面の底壁部外縁部から周壁部下端部に至る部分に、周方向複数の係止リブ14を突設している。各係止リブ14の上下中間部には上向き段部を設けている。
【0023】
本発明では容器体100内の充填液上方に存在する空気を液用シリンダ11内に導入する空気導入路p1を設けており、第1実施例では、この空気導入路p1を、シリンダ部材Bの下端部に嵌着した、パイプDを接続するためのジョイントCに形成している。
【0024】
第1実施例に於いてジョイントCは、図2に示す如く、シリンダ部材B下端とパイプD上端との間に介在させるフランジ20と、フランジ20より立設してシリンダ部材B下端部内に嵌着させる上部筒部21と、フランジ20より垂設してパイプDの上端部に嵌着させる下部筒部22とを備えている。また、空気導入路p1として、フランジ20上面から上部筒部21外面にわたって凹設した凹溝23を設けている。詳述すれば、シリンダ部材B下端部の嵌合筒13内に上部筒部21を、パイプDの外周上端部に下部筒部22を嵌着し、嵌合筒13下端面と、パイプDの上端面との間にフランジ20を介在させている。尚、この場合の空気導入路p1として、ジョイントCと嵌合筒13との間に容器体100内から液用シリンダ11内に連通する隙間を形成すれば良く、換言すれば、上部筒部21外面と嵌合筒13内面との間、及びフランジ20上面と嵌合筒13下面との間に隙間を形成すれば良い。従って、本例の如く、上部筒部21外面とフランジ20上面にわたって凹溝23を形成する場合に限らず、上部筒部21及びフランジ20上面に周方向間隔を於いてリブを突設しても良く、或いは嵌合筒13内面及び下面に周方向間隔をあけて、凹溝或いはリブを形成しても良く、フランジ20と嵌合筒13との間、及び上部筒部21外面と嵌合筒13内面との間にわたって、凹溝やリブの凹凸形成手段で画成された貫通路を設ければ良い。
【0025】
凹溝23は図3に示す如く、周方向等間隔に三箇所設けているが、その数はこれに限られるものではないが、液流路の断面積と、空気導入路p1の断面積との比を考慮して、適宜選択すると良い。因みに、第1実施例のシリンダ部材Bを使用した場合、液流路の断面積と空気導入路p1の断面積(この場合は各凹溝23の断面積の総和)との比は、70:1乃至160:1程度が良好な泡の形成に好ましい。
【0026】
作動部材Eは、シリンダ部材Bに対して上方付勢状態で上下動可能に組み付けしたもので、液用ピストンE1と、ステムE2と、空気用ピストンE3と、吐出ヘッドE4と、装着筒部材E5と、起泡部材E6とを備えている。
【0027】
液用ピストンE1は、ステムE2内下部に嵌着した嵌合筒部30の下端外周より外方へ上下スカート状の摺動部31を突設し、摺動部31を液用シリンダ11内周に液密摺動可能に嵌合させている。また、嵌合筒部30の上端部はステムE2内の上下方向中間部に於いて突条形態の逆止弁用の弁座32を形成している。そして、液用ピストンE1の嵌合筒部30下面と係止リブ14の上向き段部との間にコイルスプリングsを介在させて作動部材Eを常時上方へ付勢させている。
【0028】
ステムE2は、上下端を開口した筒状をなし、液用シリンダ11に摺動する液用ピストンE1を下部外周に突設するとともに、空気用シリンダ10内を摺動する空気用ピストンE3を外周上部に連携させて、液用シリンダ11内及び空気用シリンダ10内を上下動可能に装着されている。ステムE2内上部には吐出弁35を設けている。吐出弁35の下面から逆止弁用の弁座32の直上までの間に周方向複数の縦突条36を突設している。更に、外面上下方向中間部にはフランジ状に突設した空気吐出弁用の弁座37を突設しており、その上方の筒壁外周には周方向複数の縦突条38を突設している。
【0029】
空気用ピストンE3は、内周縁の筒状弁部45をステムE2外周に小幅の上下動が可能に嵌合させ、筒状弁部45外周より延設した階段状の隔壁46を介して、空気用シリンダ10内周に液密摺動可能に嵌合した上下スカート状の摺動部47延設している。筒状弁部45はステムE2外周の縦突条38外面に上下動可能に嵌合させている。また、空気用シリンダ10の階段状の隔壁46には外気を導入するための外気導入弁48を設けている。外気導入弁48は、下降した作動部材Eが上昇する際に空気用シリンダ10内が負圧となることで開弁し、外気を導入する。
【0030】
また、後述する如く、ステムE2の外周上端部には、内周下端部に環状凹部55を凹設した吐出ヘッドE4の縦筒50を嵌合しており、筒状弁部45はその環状凹部55内周面に摺動可能に嵌合させている。また、筒状弁部45は環状凹部55の頂面と、空気吐出弁用の弁座37との間を上下動可能に装着しており、筒状弁部45の下端部と空気吐出弁用の弁座37との間で空気吐出弁49を構成している。そして、ステムE2と筒状弁部45との間に、空気吐出弁49から環状凹部55内に連通し、空気用シリンダ10内からステムE2内へ連通する空気通路p2を構成する通気路を備えている。この空気吐出弁49は、図1に示す作動部材Eが最上方へ押し上げられている場合には閉塞しており、作動部材Eを押し下げた際には開弁し、更に押し下げ状態から上方付勢力により上昇する際には閉塞する如く構成している。
【0031】
吐出ヘッドE4はステムE2の外周上端部に内周下端部を嵌合させた縦筒50を頂板51裏面より垂設し、頂板51の周縁部から外周壁52を垂設し、外周壁52の下端部をガイド筒7内に垂下している。また、縦筒50の上端に基端を開口して、外周壁52を貫通して前方へ突設したノズル53を延設し、その先端に吐出口54を開口している。更に、縦筒50の下端部内面には上記した環状凹部55を凹設しており、環状凹部55直上の縦筒50内面には、下端を環状凹部55の上端に開口し、上端をステムE2直上に開口した縦凹溝56を縦設している。そして、この縦凹溝56内、環状凹部55内、ステムE2と筒状弁部45との間とで、空気用シリンダ10内からステムE2内に連通する空気通路p2を構成している。
【0032】
装着筒部材E5は、内部に起泡部材E6を嵌合して、吐出ヘッドE4の縦筒50内に嵌着しており。空気用シリンダ10からの空気通路p2と吐出弁35からの液流路が合流する気液混合室Rを画成する。図示例では、上部が大径で下部が小径の装着筒部65を備え、その大径部分を縦筒50内周に嵌着し、小径部分をステムE2の内周上端部に嵌着している。また、小径部分下端より延設したフランジ状の底板下面より垂下筒68を垂設している。更に、装着筒部65の外周下部には隙間用リブ69を周方向複数突設しており、隙間用リブ69を対応するステムE2の上面及び内面に当接して、ステムE2との間に、ステムE2上方の縦筒50内面に開口した空気通路p2からステムE2内の液流路に連通する通気路を設けて装着している。そして、空気通路p2と連通し、液流路と連通する気液混合室Rをフランジ状の底板67と吐出弁35との間に画成している。
【0033】
起泡部材E6は、メッシュを張設した筒体71を一対用意して、メッシュ70が上端及び下端になる如く装着筒部材E5の装着筒部65内に嵌着している。尚、図示例では筒体を一対設けているが、メッシュを張設した筒体を一つ嵌着することも、三個以上嵌着することも可能であり、適宜選択することが可能である。
【0034】
ポペット弁体Fは、下端部外面に、それぞれ液用シリンダ11の係止リブ14間に位置させる、周方向複数の係止突部80を突設しており、液用シリンダ11内からステムE2内下部に至る長さを有しており、吸込み弁用の弁座12と下面が当接する位置から、各係止突部80がコイルスプリングs下面に当接する位置までの上下動が可能に装着している。各係止突部80上方は、下部を大径部に上部を小径部に形成しており、小径部の上端にはテーパ筒状に拡開する逆止弁体81を形成し、この逆止弁体81と逆止弁用の弁座32とで逆止弁82を形成している。また、ポペット弁体Fの下端部と吸込み弁用の弁座12とで吸込み弁83を構成している。
【0035】
オーバーキャップGは、装着キャップAの周壁5外周に下端部を着脱可能に嵌合させた周壁の上端より頂壁を延設した下端開口の有頂筒状をなし、吐出ヘッドE4を被覆して装着している。
【0036】
上記フォーマーポンプ1は、図1の状態からオーバーキャップGを外して吐出ヘッドE4を押し下げると、空気用ピストンE3がステムE2に対して相対的に上昇して空気吐出弁49が開き、下降する空気用ピストンE3により空気用シリンダ10内の空気が加圧されて空気通路p2を介して気液混合室R内に導入される。一方、ステムE2が下降してポペット弁体Fを吸込み弁用の弁座12に当接させるまで下降させるとともに、ポペット弁体Fが嵌合筒部30に対して相対的に上昇して逆止弁82が開き、液用シリンダ11内の加圧液を吐出弁35を介して気液混合室Rに導入させ、ここで気液を混合する。気液混合室Rで混合された気液は起泡部材E6を通過して発泡し、吐出ヘッドE4のノズル53の吐出口54から外部へ吐出される。
【0037】
吐出ヘッドE4の押圧を解除すると、コイルスプリングsの付勢力により作動部材Eが上昇し、その際空気用ピストンE3がステムE2に対して相対的に下降して空気吐出弁49が閉じ、空気用シリンダ10内の負圧化によって外気導入弁48が開いて外気が空気用シリンダ10内に導入される。一方、ステムE2の上昇によりポペット弁体Fは、逆止弁体81と各縦突条36との摩擦力で上昇し、吸込み弁83が開いて負圧化した液用シリンダ11内に容器体100内の液が導入され、同時に空気導入路p1を介して空気が液用シリンダ11内に導入され、その際吐出弁35は閉じる。従って、液用シリンダ11内に導入された液には空気が混在している。ポペット弁体Fはその係止突部80がコイルスプリングsの下面に当接するまで上昇するが、その後はステムE2に対して、逆止弁体81が逆止弁用の弁座32に当接するまで、相対的に下降する。尚、空気導入路p1を介して液用シリンダ11内に導入される、容器体100内の充填液上方に存在する空気は、作動部材Eを押し下げることで、空気用ピストンE3の摺動部47で閉塞されていた横孔17が開放された際に、吐出ヘッドE4と装着キャップAのガイド筒7との間から横17を介して容器体100内に導入される。
【0038】
図4及び図5は第2実施例を示し、第1実施例に於いて、ジョイントCの形態が相違する例を示す。本例ではジョイントCが、図5の拡大図で示す如く、隔壁筒24を備えている。この隔壁筒24は、容器体100内と連通する空気導入路p1の開口部分を包含して、液用シリンダ11の外周を囲繞する有底筒状をなしており、従って、容器体100内の充填液をより多く収容することができる構成となっている。具体的には、第1実施例のフランジ20を液用シリンダ11の外周位置より外方位置まで延設したフランジ20と共用の底壁24aを備え、底壁24aの周縁部より周壁24bを起立した隔壁筒24を一体に延設している。
【0039】
尚、第2実施例では、空気用シリンダ10の底部に環状の隆起部15を形成し、隔壁筒24の上端部を隆起部15下方の空間内に位置させている。このことで、容器体100内への液の充填量をより効率良く多くすることが可能である。尚、この隔壁筒24の構成は、後述する第3実施例の場合にも適用することが可能である。その他の構成、及び作用は第1実施例と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
【0040】
図6及び図7は第3実施例を示し、第1実施例に於いて、ジョイントCの形態が相違する例を示す。本例に於けるジョイントCは、図7に示す如く、基本的には第1実施例と同様に、シリンダ部材B下端とパイプD上端との間に介在させるフランジ20と、フランジ20より立設してシリンダ部材B下端部内に嵌着させる上部筒部21と、フランジ20より垂設してパイプDの上端部に嵌着させる下部筒部22とを備えている。そして、空気導入路p1として、パイプDの嵌着部分上方の下部筒部22の上端部に、透孔25を設けている。
【0041】
透孔25は周方向等間隔に三箇所設けているが、その数はこれに限られるものではない。この場合も第1実施例と同様に、液流路(パイプD)の断面積と、空気導入路p1の断面積との比を考慮して、適宜選択すると良い。この場合も、液流路の断面積と空気導入路p1の断面積(透孔25の断面積の総和)との比は、70:1乃至160:1程度が良好な泡の形成に好ましい。その他の構成、及び作用は第1実施例と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
【符号の説明】
【0042】
1:フォーマーポンプ
A:装着キャップ
5…周壁、6…頂壁、7…ガイド筒
B:シリンダ部材
10…空気用シリンダ、11…液用シリンダ、12…吸込み弁用の弁座、
13…嵌合筒、14…係止リブ、15…隆起部、16…底壁部、17…横孔
C:ジョイント
20…フランジ、21…上部筒部、22…下部筒部、23…凹溝、
24…隔壁筒、24a…底壁、24b…周壁、25…透孔
D:パイプ
E:作動部材
E1:液用ピストン
30…嵌合筒部、31…摺動部、32…逆止弁用の弁座
E2:ステム
35……吐出弁、36…縦突条、37…空気吐出弁用の弁座、38…縦突条、
E3:空気用ピストン
45…筒状弁部、46…階段状の隔壁、47…摺動部、48…外気導入弁、
49…空気吐出弁
E4:吐出ヘッド
50…縦筒、51…頂板、52…外周壁、53…ノズル、54…吐出口、
55…環状凹部、56…縦凹溝
E5:装着筒部材
65…装着筒部、68…垂下筒、69…隙間用リブ
E6:起泡部材
70…メッシュ、71…筒体
F:ポペット弁体
80…係止突部、81…逆止弁体、82…逆止弁、83…吸込み弁
G:オーバーキャップ
s:コイルスプリング
p1:空気導入路
p2:空気通路
R:気液混合室
100:容器体
101…口頸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7