特許第6173487号(P6173487)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6173487パターン化された欠陥の輪郭ベースのアレイ検査
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6173487
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】パターン化された欠陥の輪郭ベースのアレイ検査
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/225 20060101AFI20170724BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20170724BHJP
   G01N 21/956 20060101ALN20170724BHJP
【FI】
   G01N23/225 310
   H01L21/66 J
   !G01N21/956 A
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-556115(P2015-556115)
(86)(22)【出願日】2014年1月29日
(65)【公表番号】特表2016-507058(P2016-507058A)
(43)【公表日】2016年3月7日
(86)【国際出願番号】US2014013675
(87)【国際公開番号】WO2014120828
(87)【国際公開日】20140807
【審査請求日】2017年1月27日
(31)【優先権主張番号】61/757,807
(32)【優先日】2013年1月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/062,761
(32)【優先日】2013年10月24日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン アダム チエン−フェイ
(72)【発明者】
【氏名】グプタ アジャイ
(72)【発明者】
【氏名】ハー タン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジエンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ホーァドン
(72)【発明者】
【氏名】マール クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン リート マイケル
【審査官】 立澤 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−126071(JP,A)
【文献】 特開2005−321237(JP,A)
【文献】 特開2011−108250(JP,A)
【文献】 特開2011−237375(JP,A)
【文献】 特開2012−150065(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/142196(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/155122(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/161874(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00−23/227
G01N 21/84−21/958
G06K 9/00− 9/82
G06T 1/00− 1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上のセルのアレイを検査する方法であって、
欠陥がないことが前もって決定されていた第1のセル画像を獲得するステップと、
前記第1のセル画像のコピーをタイル張りしてステッチすることによってアレイ画像を生成するステップと、
前記アレイ画像内に第2のセル画像を画定し、該第2のセル画像のコピーをタイル張り及びステッチすることにより基準輪郭画像を生成するステップであり、前記基準輪郭画像は前記第2のセル画像から抽出された輪郭を含む、ステップと、
前記基準輪郭画像を使用して前記基板上の前記セルのアレイの欠陥を検出するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記基板上の前記セルのアレイのテスト画像を得るステップと、
前記基準輪郭画像に前記テスト画像を整列配置するステップと、
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の重なり合うより解像度の高いセルの部分画像を得るステップと、
より解像度の低い前記セルの完全画像を得るステップと、
前記部分画像を整列配置及びステッチして前記第1のセル画像を得るステップと、
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基準輪郭画像は、
前記第2のセル画像からセル輪郭画像を生成し、
前記セル輪郭画像のコピーをタイル張りすることによって生成される
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記セル輪郭画像を生成するステップは、領域分割技術を使用してセル輪郭を抽出するステップを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記セル輪郭画像を生成するステップは、セル輪郭を抽出するためのシードとして前記デザインの多角形を使用するステップを含む請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記セル輪郭画像を生成するステップは、プリ光近接効果補正デザインを平滑化することによってセル輪郭を得るステップを含む請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記セル輪郭画像を生成するステップは、画像編集ツールを使用してセル輪郭を手動で描くステップを含む請求項4に記載の方法。
【請求項9】
マスク画像を生成して、欠陥検出のためにユーザー指定セグメンテーションを提供するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
セル輪郭の端からの距離に応じて特徴がセグメントに分けられる請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザー指定セグメンテーションは、欠陥分類のために更に使われる請求項9に記載の方法。
【請求項12】
基板上のアレイの欠陥を検出するシステムであって、
マイクロプロセッサと制御コードとを有する制御および処理システムを備え、
前記制御コードが、
欠陥がないことが前もって決定されていた第1のセル画像を取得し、前記第1のセル画像のコピーをタイル張りしてステッチすることによってアレイ画像を生成し、前記アレイ画像内に第2のセル画像を画定し、前記第2のセル画像のコピーをタイル張りしてステッチすることにより基準輪郭画像を生成し、前記基準輪郭画像は前記第2のセル画像から抽出された輪郭を含み、
前記基準輪郭画像を使用して、前記基板上の前記セルのアレイの欠陥を検出する
ようにプログラムされたシステム。
【請求項13】
前記制御コードは、前記基板上の前記セルのアレイのテスト画像を得て、前記テスト画像を前記基準輪郭画像に整列配置するように更にプログラムされる請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御コードは、複数の重なり合うより解像度の高いセルの部分画像を取得し、より解像度の低い前記セルの完全画像を取得し、前記部分画像を整列配置及びステッチ前記第1のセル画像を取得するように更にプログラムされる請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御コードは、前記基準輪郭画像を、前記第2のセル画像からセル輪郭画像を生成し、前記セル輪郭画像のコピーをタイル張りすることによって生成するように更にプログラムされる請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御コードは、マスク画像を生成して、欠陥検出のためにユーザー指定セグメンテーションを提供するように更にプログラムされる請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
セル輪郭の端からの距離に応じて特徴がセグメントに分けられる請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ユーザー指定セグメンテーションは、欠陥分類のために更に使われる請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、「ゴールデンセル輪郭を用いる半導体ウエハーのパターン化された欠陥のEビームアレイ検査(検出および分類)」と題する、2013年1月29日に出願された米国仮特許出願第61/757,807号の利益を主張するものである。本開示の内容全体を参照によって本願明細書に引用する。
【0002】
本発明は、例えば、半導体ウエハーおよびリソグラフィ用のレチクルのような基板の検査およびレビューに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電子ビーム(Eビーム)検査装置において製造された基板(例えば、シリコンウエハーまたはレチクル)は、基板表面から二次電子の放出を生じる電子の集束ビームにより走査される。放出された電子は検出されて、検出データは、通常、試料の表面の画像に変換される。これらの画像は、それから、製造された基板の異常(欠陥と呼ばれる)を検出するために数値的に分析される。検出欠陥は、更なる画像処理によって続いてレビューすることができる。
【0004】
検出欠陥はまた、手動で、または自動的に、いろいろなクラスまたはカテゴリに分類されることができる。適切な調整がその歩留まりを改善するために製造プロセスで行われることができるように、欠陥の分類はその原因を決定するために用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0298862号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子ビーム計測によって画像化される欠陥の検出および分類のための方法と装置を改善することが大変望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態は、基板上のセルのアレイを検査する方法に関する。基準画像は、欠陥がないことが前もって決定されていたセル画像を使用して生成される。基準画像の輪郭を含む基準輪郭画像も生成される。基準輪郭画像は、基板上のセルのアレイの欠陥を検出するために用いる。
【0008】
別の実施形態は、基板上のアレイの欠陥を検出するシステムに関する。ソースは入射電子ビームを発生し、そして走査システムは、二次電子が目標領域から放出されるように、基板上の目標領域の上の入射電子ビームを走査するために、入射電子ビームを制御可能に偏向させる。検出システムは二次電子を検出して、目標領域の画像データ・フレームを生成する。制御コードを有する制御および処理システムは、欠陥がないことが前もって決定されていたセル画像を使用して基準画像を生成して、基準画像の輪郭を含む基準輪郭画像を生成して、基板上のセルのアレイの欠陥を検出するために基準輪郭画像を使用するようにプログラムされる。
【0009】
他の実施形態、態様、および特徴も開示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態によるEビーム装置の概略図である。
図2】本発明の実施形態によるアレイ欠陥検出のための方法および分類のフロー図である。
図3】本発明の実施形態によるゴールデンセルのセットアップおよび画定手順のフロー図である。
図4】本発明の実施形態による典型的なピッチ計算手順のフロー図である。
図5A】本発明の実施形態による二次元セルアレイのためのセル位置選択例を表す。
図5B】本発明の実施形態による一次元セルアレイのためのセル位置選択例を表す。
図6】本発明の実施形態による高解像度ゴールデンセル画像獲得および位置調整のための典型的な手順のフロー図である。
図7】本発明の実施形態によるゴールデンセル輪郭抽出およびコンテキストROI画定のための典型的な手順のフロー図である。
図8】本発明の実施形態によるステッチされたゴールデンセルの中の前の層、最上層、およびコンテキストROIの多角形例を表す。
図9】本発明の実施形態によるゴールデンセル輪郭を用いる自動化された欠陥検出のための典型的な手順のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ウエハーのアレイ領域の欠陥検出の従来の方法は、セルとセル(C2C)の比較またはセルと基準セルの比較に依存する(例えば、米国特許第7,869,643号明細書参照)。しかしながら、電子ビーム(Eビーム)検査で、不十分な数のセルをセルとセルの比較を実行するために所与のフレームで利用できるようにする非常に小さい画素サイズを有することは可能である。
【0012】
そのような場合、ユーザーは、通常、基準セルとして隣接ダイのセル、または基準セルのための前もって決定されていた欠陥がないセル画像(いわゆる「ゴールデン」セル画像)を使用してアレイ領域を検査することを強いられる。前者の場合、隣接ダイのセルを使用する必要に因る感度およびスループットの不利な損失がある。後者の場合、ゴールデン(前もって決定されていた欠陥がない)セル画像がテスト画像と比較して非常に異なる画質によって得られることがありえるので、感度の不利な損失がある。
【0013】
C2C比較を実行するために所与のフレームに充分な数のセルがある場合であっても、C2C比較のためにフレームの別のセル(またはゴールデンセル)を使用することの感度は、いくらか制限されることがありえて、本願明細書に開示されるように、「ゴールデン」セル輪郭を用いた方法と装置の使用によって改善できる。
【0014】
Eビーム装置を使用する輪郭ベースの欠陥検出および分類のための方法と装置が本願明細書に開示される。これらの方法と装置は、従来の方法に対して比較されるときに欠陥検出の感度を実質的に改善するために使用できる。
【0015】
特に、本願明細書に開示されるゴールデンセル輪郭を使用するアレイ欠陥検出は、例えば基準として隣接セルまたはゴールデンセルを使用して、以前の方法より高い感度を有する。以前の方法はまた、セルまたはダイにわたるプロセス変動に因るより高いノイズ・フロアを有する。しかし、本願明細書に開示される輪郭ベースの欠陥検出技術は、ノイズ・フロアを実質的に減らして、このことにより感度を実質的に向上させるために、輪郭ベースのセグメンテーションおよびローカル・ディファレンシングを使用する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に従って利用できるEビーム検査装置100の断面図を示す。図1に示すように、ソース101は、入射電子ビーム(一次電子ビーム)102を発生する。入射電子ビーム102はウィーンフィルタ104を通過する。ウィーンフィルタ104は、交差する電磁場を発生するように構成される光学素子である。走査デフレクタ106および集束電子レンズ107が利用される。走査デフレクタ106は、目標基板110の表面にわたってEビームを走査するために利用される。目標基板110は、例えば、製造される集積回路またはリソグラフィ用レチクルのようなパターン化された基板でありえる。
【0017】
集束電子レンズ107は、ウエハーまたは他の基板サンプル110の表面上のビームスポットに入射電子ビーム102を集束するために利用される。一実施形態に従って、集束レンズ107は、電場および/または磁場を発生することによって作動できる。
【0018】
入射電子ビーム102の走査の結果として、二次電子は、目標基板110(それは、例えば、半導体ウエハーまたはレチクルでありえる)の表面から放出されるかまたは散乱される。目標基板110は、可動ステージ111により保持されることができる。二次電子は、それから、対物(最終)レンズ108の電磁場への露出によって目標基板110から抽出される。電磁場は、入射電子ビーム光軸から比較的小さい距離の範囲内に放出電子を限定して、これらの電子をカラムの中まで加速するように作用する。このようにして、二次Eビーム112は二次電子から形成される。
【0019】
ウィーンフィルタ104は、二次Eビーム112を入射電子ビーム102の光軸から検出軸(装置の検出システム114のための光軸)へ偏向させる。これは、散乱Eビーム112を入射電子ビーム102から分離するのに役立つ。検出システム114は、二次Eビーム112を検出して、目標基板の表面の画像を生成するために利用できるデータ信号を発生する。
【0020】
計測器制御およびデータ処理(制御/処理)システム150は、一つ以上のプロセッサ(すなわち、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ)152、データストレージ(例えば、ハードディスク・ドライブ・ストレージおよびメモリチップを含む)154、ユーザー・インタフェース157、およびディスプレイ・システム158を含むことができる。データストレージ154は、コンピュータ可読のプログラムコード(命令)155およびデータ156を格納するかまたは保持することができ、そしてプロセッサ152はプログラムコード155を実行して、データ156を処理できる。ユーザー・インタフェース157は、ユーザー入力を受け取ることができる。ディスプレイ・システム158は、画像データおよび他の情報をユーザーに表示するように構成できる。
【0021】
制御/処理システム150は、Eビームコラムのさまざまな構成要素に接続することができて、本願明細書に開示される方法または手順を実施するように、それらを制御するために用いることができる。例えば、ステージ111の移動、およびデフレクタ106による走査は、制御/処理システム150により実行されるコンピュータ可読プログラムコード155によって制御できる。
【0022】
加えて、制御/処理システム150は、検出システム114からの電子画像データを処理することもできる。特に、制御/処理システム150のコンピュータ可読プログラムコード155は、本願明細書に記載されているように、パターン化された欠陥の輪郭ベースのアレイ検査に関する手順を実施するために用いることができる。
【0023】
さらにまた、本発明の実施形態に従って、制御/処理システム150は、任意に、デザインサーバ170とインタフェースすることができる。デザインサーバ170は、プレOPC(光学的プロキシミティ補正)デザインパターン172およびポストOPCデザインパターン174を格納できる。検査実行の間、デザインサーバ170は、Eビーム検査装置100の制御/処理システム150の要求により、リアルタイムでデザインクリップの前記データを提供できる。
【0024】
デザインサーバが利用できない実施形態の場合は、画像編集ツールは、ゴールデン輪郭(すなわち、前もって決定された欠陥のない画像の輪郭)を手動で描くために、ユーザーによって用いることができる。画像編集ツールは、ゴールデン輪郭を描く際にユーザーを案内するために、入力SEM画像を表示できる。
【0025】
図2は、本発明の実施形態によるアレイ欠陥の検出および分類のための方法200のフロー図である。図示するように、方法200は、ゴールデンセル・セットアップおよび画定手順300ならびにゴールデンセル輪郭を使用する欠陥検出のための手順900を含むことができる。これらの手順の両方とも更に以下で説明される。
【0026】
検査のさまざまなモードが、アレイおよび非アレイモードを含んで、システムにより提供されることができることに留意されたい。一実施形態では、ユーザーは検査のアレイモードを選択できる。加えて、アレイモードの下で、複数の検出技術がシステムにより提供されることができる。ユーザーは、輪郭ベースの検出技術を選択できる。さらに、輪郭ベースの技術の下で、複数のタイプの基準セルを使用できる。本発明の実施形態に従って、ユーザーは、「ゴールデンセル」(すなわち、周知の欠陥のないセル)として基準タイプを特定できる。
【0027】
図3は、本発明の実施形態によるゴールデンセルのセットアップおよび画定手順300のフロー図である。この手順(そして本明細書の他の部分)におけるユーザー入力ステップは、ディスプレイ・スクリーンおよびユーザー・インタフェース(例えば、マウス、タッチスクリーン、またはトラックボール)を使用して実施できる。
【0028】
図示するように、ピッチ計算手順400を実行できる。典型的なピッチ計算手順400を図4に関して後述する。
【0029】
次に、高解像度ゴールデンセル画像獲得および位置調整のための手順600を実行できる。典型的なこの種の手順600を図6に関して後述する。
【0030】
その後、ゴールデンセル輪郭抽出およびコンテキスト関心領域(ROI)画定手順700を実行できる。典型的なこの種の手順700を図7に関して後述する。
【0031】
図4は、本発明の実施形態による典型的なピッチ計算手順400のフロー図である。図2の方法200において、この処置400は、図3のゴールデンセルのセットアップおよび画定手順300の一部として実行できる。この手順におけるユーザー入力ステップは、ディスプレイ・スクリーンおよびユーザー・インタフェース(例えば、マウス、タッチスクリーン、またはトラックボール)を使用して実施できる。
【0032】
ステップ401において、システムは、アレイの大きい視野(FoV)画像を提供できる。大きなFoV画像は、各寸法において1つのセルより長い。
【0033】
ステップ402において、ユーザーは、単位セルおよびアレイ・セル・ブロックを大きいFoV画像の中に画定する。アレイ・セル・ブロックは、二次元(二次元アレイに配置される複数のセルによって)または一次元(一次元アレイに配置される複数のセルによって)でありえる。一実施形態では、ステップ402は、ステップ404および406によって実施できる。
【0034】
ステップ404で、ユーザーは、アレイ・セル・ブロックの1つの角で単位セルの左上(セルLoc1)および右下(セルLoc2)(すなわち、対向する角)を選択できる。一実施形態では、画定済み単位セルは、アレイ・セル・ブロックの左上角のセルでありえる。ステップ406で、ユーザーは、アレイ・セル・ブロックの右下(セルLoc3)(すなわち、アレイ・セル・ブロックの右下のセルの右下)を選択できる。
【0035】
ステップ407において、システムは、単位セルの正確なサイズを決定して、アレイ・セル・ブロックの各寸法のピッチを計算できる。この決定は、セルLoc1、セルLoc2、およびセルLoc3のためのユーザー入力に基づくことができる。
【0036】
図5Aは、本発明の実施形態による二次元セルアレイのためのセル位置選択例を表す。図示するように、セルLoc1およびセルLoc2は、アレイ・セル・ブロックの左上の単位セルの対向する角を画定する。セルLoc3は、アレイ・セル・ブロックの右下のセルの右下角を画定する。セルLoc1、セルLoc2、およびセルLoc3から、水平および垂直ピッチは、二次元セルアレイのセルのために計算できる。
【0037】
図5Bは、本発明の実施形態による一次元セルアレイのためのセル位置選択例を表す。図示するように、セルLoc1およびセルLoc2は、アレイ・セル・ブロックの左側に単位セルの対向する角を画定する。セルLoc3は、アレイ・セル・ブロックの右側にセルの右下角を画定する。セルLoc1、セルLoc2、およびセルLoc3から、水平ピッチは、一次元セルアレイのセルのために計算できる。
【0038】
図6は、本発明の実施形態による高解像度ゴールデンセル画像獲得および位置調整のための手順600のフロー図である。図3の方法300において、この手順600は、図4のピッチ計算手順400の後に実行できる。この手順におけるユーザー入力ステップは、ディスプレイ・スクリーンおよびユーザー・インタフェース(例えば、マウス、タッチスクリーン、またはトラックボール)を使用して実施できる。
【0039】
ブロック610で、システムは、高解像度でゴールデン(すなわち、欠陥がないかまたは「周知の良品」であると前もって決定された)セル画像を得ることができる。図示するように、ゴールデンセル画像獲得は、典型的な実施態様において、いくつかのステップを含むことができる。ステップ611において、システムは、システムの高解像度設定でゴールデンセル画像を得るために必要な視野(FoV)の数を計算できる。FoVの数の計算は、セルサイズ、ステージに因る位置不確定性、およびFoV(または画素サイズ)に基づくことができる。ステップ612において、複数のFoVが得られて、各FoVは単位セルの一部をカバーして、隣接するFoVに重なる。加えて、全単位セルをカバーするより低い解像度(すなわち、より大きいFoV)画像は、ステップ615で得ることができて、低解像度画像は、ステップ616でアップサンプリングすることができる。より低い解像度画像が、ステップ612において得られる高解像度画像に対して画素対画素で比較されることができるように、アップサンプリングは画像の画素数を増加させる。ブロック618で、高解像度画像は、配列オフセットを決定するガイドとしてアップサンプリングされたより低い解像度画像を使用して整列配置することができる。高解像度画像は、それから、高解像度でゴールデンセル画像を生成するために、配列オフセットに基づいてステッチされることができる。
【0040】
ブロック620で、システムはゴールデンセル画像の位置を調整できる。図示するように、位置調整は、典型的な実施態様におけるいくつかのステップを使用して実行できる。第1のステップ622において、システムは、タイル張りのステッチされたゴールデンの複数のセル画像を生成するために、ゴールデンセルをタイル張りして、ステッチすることができる。このステップは、高解像度ゴールデンセル画像のコピーをタイル張りして、タイル張りのステッチされたゴールデンの複数のセル画像を生成するために、タイル張りのコピーを共にステッチすることによって実行できる。換言すれば、高解像度ゴールデンセル画像は、複製されて、それから、高解像度複数のセル画像を生成するためにステッチされる。その後、第2のステップ624において、システムは、タイル張りのステッチされたゴールデンの複数のセル画像の上に長方形をかぶせることができる。長方形は、前もって決定されたアレイピッチに従って大きさを設定できる。第3のステップ626において、ユーザーは、それから、タイル張りのステッチされたゴールデンの複数のセル画像の中で単一のステッチされたゴールデンセルの角(例えば、左上角)を特定するために長方形の位置を調整できる。最後に、第4のステップ628において、ユーザーは、ユーザー位置決め長方形に基づいて単一のゴールデンセルを選択するために、「クリップ・ゴールデンセル」のラベルが付いたボタンをクリックすることができる。換言すれば、所望の位置で選択される単一のゴールデンセルを含む画素のより小さいフレームが得られる(第2のセル画像)
【0041】
図7は、本発明の実施形態によるゴールデンセル輪郭抽出およびコンテキストROI画定のための手順700のフロー図である。この手順700は、図6の手順600の後に実行できる。この手順におけるユーザー入力ステップは、ディスプレイ・スクリーンおよびユーザー・インタフェース(例えば、マウス、タッチスクリーン、またはトラックボール)を使用して実施できる。
【0042】
ブロック720(それは図6のブロック620の後に実行できる)で、ユーザーは、ゴールデンセル輪郭を選択されたゴールデンセルから抽出するための技術を選択できる。示されるように、複数の技術オプション、例えば、A)滑らかになるデザイン技術、B)半自動輪郭抽出技術、およびC)滑らかになる手動で描かれる多角形技術を提供できる。滑らかになる技術は、最上層および最下層のスムージングプレOPCデザインデータを含むことができる。半自動輪郭抽出技術は分岐点技術でもよい。半自動輪郭抽出技術は、輪郭抽出のために用いる最上層および最下層のためのシード長方形または多角形を特定するユーザーを含むことができる。一実施態様では、多角形のデザインが、輪郭を抽出するためのシードとして使うことができる。滑らかになる手動で描かれる多角形技術は、その次に滑らかにされることができる最上層および最下層を生成するために、画像編集ツールを使用して多角形を手動で描くユーザーを含むことができる。
【0043】
ブロック730で、システムは、それから、選択された技術を使用してゴールデンセル輪郭を抽出できる。輪郭は、点または位置のリストとして定められて、格納することができる。ゴールデンセル輪郭は、それから、ユーザーに対するディスプレイでゴールデンセル画像の上にかぶせることが可能である。
【0044】
ブロック740で、ユーザーは、それから、コンテキスト関心領域(ROI)を特定するために、多角形を描くことができる。コンテキストROIは、次のビンニングおよび迷惑フィルタリングのために使うことになっている。
【0045】
ブロック750で、システムは、検査レシピにおいてゴールデンセル輪郭およびコンテキストROIを保存できる。検査レシピは、セルのパターン化されたアレイを有する基板の領域を検査するために、その後に用いることができる。ゴールデンセル輪郭および/またはコンテキストROIは、例えば、マスク画像を生成して、欠陥検出、迷惑フィルタリング、ならびにビンニングおよび/または分類のためのユーザー指定セグメンテーションを提供するために用いることができる。
【0046】
図8は、本発明の実施形態によるステッチされたゴールデンセルの中の最下層、最上層、およびコンテキストROI多角形の例を表す。図8に、タイル張りのステッチされたゴールデンの複数のセル画像の外形、およびその中の選択されたステッチされたゴールデンセル820が示される。また、最下層(すなわち、前の層)多角形830および最上層(すなわち、後の層)多角形840も示される。加えて、コンテキストROI多角形の例850が示される。
【0047】
図9は、本発明の実施形態によるゴールデンセル輪郭を使用する自動化した欠陥検出(すなわち、自動化した検査)のための手順900のフロー図である。この手順900は、図3の手順300の後に実行できる。
【0048】
ブロック910で、抽出されたゴールデンセル輪郭は、対応する2×2のタイル張りしたゴールデンセル輪郭基準画像を生成するためにタイルを張ることが可能である。好ましくは、若干の付加的縁辺が、ステージ不確実性の責任を負うように、2×2セルよりわずかに大きい基準画像を生成するために加えられる。
【0049】
ブロック920で、テスト画像は、それから、ゴールデンセル輪郭基準画像に調整されて、整列配置されることができる。テスト画像は、ゴールデンセル輪郭基準画像に対する比較によって欠陥を検査される領域の画像である。
【0050】
ブロック930で、輪郭ベースの欠陥検出手順は、テスト画像およびゴールデンセル輪郭基準画像を使用して実行できる。図9に示すように、この手順はいくつかのステップを必要とする。第1のステップ932において、輪郭ベースのセグメンテーションは、ゴールデンセル輪郭基準画像の輪郭に基づいて実行できる。換言すれば、テスト画像は、ゴールデンセル輪郭基準画像の輪郭に基づいて領域にセグメント化されるか、または分割できる。一実施態様では、ゴールデンセル輪郭の端からのさまざまな距離の角および/または輪郭は、欠陥検出感度を改善するために、セグメント化されることができる。第2のステップ934において、局所的コントラストは、テスト画像の各画像画素で実行できる。局所差分画像は、それから、輪郭ベースのセグメンテーションを使用して画像領域(または画像セグメント)にセグメント化されることができる。第3のステップ936において、自動閾値化は、欠陥候補画素リストを生成するために、セグメント化された差分画像で実行されることができる。第4のステップ938において、欠陥マージング(すなわち、候補欠陥画素のマージング)および属性ベースの迷惑フィルタリングは、欠陥ブロブリストを生成するために実行できる。
【0051】
ブロック940で、コンテキストROIは、更なる迷惑フィルタリングを実行して、最終的な欠陥リストを生成するために用いることができる。ブロック950で、コンテキストROIは、ビンコードを最終的な欠陥リストの欠陥に割り当てるために用いる。
【0052】
上前の説明において、多数の特定の詳細が、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために与えられる。しかしながら、本発明の例示の実施形態の前記説明は、すべてを尽くすかまたは本発明を開示された正確な形に制限することを目的としない。当業者は、本発明が、特定の詳細の一つ以上なしで、または他の方法、構成要素などにより実施されることができると認識する。他の例において、周知の構造または動作は、本発明の態様を不明確にすることを回避するために、詳細に示されないかまたは説明されない。本発明の特定の実施形態およびその実施例が、例示を目的として本願明細書に記載されているが、当業者が認識するように、さまざまな等価な変更態様は本発明の範囲内で可能である。
【0053】
これらの変更態様は、上記の詳細な説明を考慮して本発明になされることができる。以下の請求項において、使用する用語は、本明細書および特許請求の範囲において開示される特定の実施形態に本発明を限定するように解釈されてはならない。むしろ、本発明の範囲は特許請求の範囲により決定されることであって、それは請求項解釈の確立した原則に従って解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9