(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
足受部が、該足受部を回動乃至回転させることにより、脚部と当接して前記足受部が降下するのを防止する誤動作防止部材を有する請求項1から4のいずれかに記載の椅子。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(椅子)
本発明の椅子は、座部と、該座部を昇降させる昇降手段と、脚部と、足受部とを有し、好ましくは誤動作防止部材及び手すり部を有し、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
【0010】
<座部>
前記座部は、椅子に座った人の臀部が接する部材であり、その大きさ、形状、構造、材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、鉄等の金属;ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、FRP、ナイロン等の樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、成形性、コストの点からポリプロピレン樹脂が特に好ましい。
前記座部の形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常用いられる程度の形状及び大きさが好ましい。
前記座部の座面には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、布、合成皮革等の外皮(カバー)、ウレタンフォーム等のクッション材、などを設けることができる。
本発明においては、後述するように、使用者の足による足受部の操作によって座部の高さを自由に調節可能である。
【0011】
<昇降手段>
前記昇降手段としては、前記座部を昇降させて、座部の高さを適宜調節することができる手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ガススプリング、圧縮コイルばね、オイルダンパ、エアダンパ、などが挙げられる。これらの中でも、椅子への装着が簡単でコンパクトで安価な設計が可能であり、流通性、コスト等の汎用性、一定の力を保持できる性能の点から、ガススプリングが特に好ましい。
前記ガススプリングとしては、例えば、30kg程度のものを持ち上げる能力を有するものが好ましく用いられる。
前記ガススプリングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、市販品を用いることができる。
前記ガススプリングの長さ及び形状等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常用いられる程度の長さ及び形状が好ましい。
通常の椅子に使われるガススプリングは、該ガススプリング上端部に作動用固定部(ロック)が設けられている。また、ガススプリングの上端部は、椅子の座部への取り付け易さの点から、一般に各製品で共通寸法のテーパー形状に形成されている。
本発明においては、ガススプリングの下端部に、作動用固定部(ロック)が設けられているが、ガススプリングの上端部を通常の椅子に使用されているガススプリングと共通寸法のテーパー形状とすることで、通常の椅子の座部をそのままで、かつ簡単に使用することができ、種々の座部との接合が容易に可能となり、座部の豊富なバリエーションを展開することができる。
なお、前記昇降手段による座部の昇降動作は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の方法を採用することができる。
【0012】
<脚部>
前記脚部としては、その大きさ、形状、構造、材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、鉄等の金属;ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、強化ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、FRP、強化ナイロン等の樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、強度の点から、鉄、アルミニウム、強化ナイロンが好ましい。
前記脚部の形状、大きさ、構造、数等についても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常用いられる程度の形状及び大きさが好ましい
前記脚部の構造としては、例えば、パイプ状、軸状、棒状、などが挙げられる。
前記脚部の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、昇降手段を中心に放射状に伸びた5本の脚を備えたもの、などが好適である。
前記脚部の床面(接地面)と接触する端部には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、椅子の運搬性及び利便性の点から、キャスターを有することが好ましい。また、前記脚部の床面(接地面)と接触する端部には、安定した作業で使用する点から、アジャスターを有することが好ましい。
【0013】
<足受部>
前記足受部としては、その大きさ、形状、構造、材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、鉄等の金属;ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、FRP、ナイロン等の樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、樹脂、金属が好ましい。
前記足受部の形状、大きさ、構造等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記足受部の形状としては、スティック状、扇状、円盤状、リング状、などが挙げられる。前記足受部の大きさとしては、足をかけることができる大きさであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記足受部の構造としては、例えば、パイプ状、平板状、軸状、棒状、などが挙げられる。
【0014】
前記足受部を使用者が足で踏むことにより、前記昇降手段が作動し、座部の高さを自由に調節することができる。また、足受部のどの部分を踏んでも座部の高さを調節可能である。
前記足受部は、前記昇降手段に回動乃至回転可能に接続され、かつ前記脚部より下方に設けられている。
前記足受部が前記昇降手段に回動乃至回転可能に接続されているので、座部の高さ調節が不要な時には、足受部を回動乃至回転させて脚部の下に退避させることにより、誤動作を防止することができる。また、キャスター付の椅子の場合には、座ったままで椅子を移動させる際に、足受部を回動乃至回転させることにより、足受部が邪魔にならない位置まで移動させることができる。
前記足受部が、前記脚部より下方に設けられているので、前記足受部が邪魔になることを防止でき、操作性に優れ、かつ誤動作も防止できる。
前記足受部が、昇降手段を中心に真ん中で支持されているので、安定かつ力をかけやすいので軽い力でも操作することができる。
【0015】
前記足受部は、昇降手段を中心に放射状に伸びている脚部に対して交差方向に延設部を有することが好ましい。前記足受部と前記脚部との交差の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、点、線、曲線、面、曲面、及びこれらの組み合わせのいずれであっても構わない。
前記延設部の形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常用いられる程度の形状及び大きさが好ましい。
前記延設部の長さが、1本の脚部の長さに対し、0.2倍〜1.5倍であることが好ましい。前記延設部の長さが、1本の脚部の長さに対し、0.2倍未満であると、前記延設部の長さが短すぎて、足受部を踏む操作が困難となることがある。一方、前記延設部の長さが長すぎて、足受部を退避することが困難となり、誤動作が生じるおそれがある。
前記1本の脚部の長さは、脚部の一の端部から他の端部までの距離であり、一の端部は昇降手段を始点として求めることができる。
前記延設部の長さは、延設部の形状が直線乃至平面である場合には、延設部の両端間の距離を意味し、延設部の形状が曲線乃至曲面である場合には、円弧乃至円に近似換算した長さを意味する。
前記延設部は、隣接する2本の脚部の間にほぼ収まる大きさであることが好ましい。これにより、座部の高さ調節が不要な時には、足受部を回動乃至回転させて脚部の間から脚部の下に退避させた時に、脚部から延設部がはみ出る部分が少なくなるので、誤って足受部を踏んでも誤動作が生じることを防止できる。
【0016】
前記足受部は、該足受部を回動乃至回転させることにより、脚部と当接して前記足受部が降下するのを防止する誤動作防止部材を有することが好ましい。これにより、座部の高さを調節しないときには、確実に誤動作を防止することができ、安全性が高いものである。
前記脚部と前記足受部の誤動作防止部材との当接は、脚部の下から当接する態様、及び脚部の上から当接する態様のいずれであってもよい。
前記誤動作防止部材の形状、大きさ、数、材質等についても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記誤動作防止部材の形状としては、例えば、突起状、リブ状、切欠状、などが挙げられる。
前記誤動作防止部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常用いられる程度の大きさが好ましい。
前記誤動作防止部材の数としては、足受部の形状及び大きさなどに応じて適宜選択することができるが、1つ以上が好ましい。
【0017】
ここで、前記足受部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、
図3〜
図8に示すものなどが好適に挙げられる。
図3は、前記足受部104が、延設部109の両端から接続部110、110が伸びて該接続部の他端同士が昇降手段102を介して連結した形状を一対有するものである。
図4は、
図3に示す延設部109の両端から接続部110、110が伸びて該接続部の他端同士が昇降手段102を介して連結した形状の足受部104を1つ有するものである。
図5は、略扇形状の3つの足受部104を有するものである。
図6は、スティック状の延設部109を棒状の接続部110で連結した3つの足受部104を有するものである。
図7は、リング状の延設部109を接続部で連結した足受部104を有するものである。
図8は、円盤状の延設部109からなる足受部104を有するものである。
これらの中でも、操作性に優れ、かつ誤動作が起こらないように脚部の下に足受部を退避可能である点から、
図3、
図4、
図5、
図6が好ましい。
【0018】
<手すり部>
前記手すり部は、椅子に座った人が手や肘を載せることができる部材であり、その大きさ、形状、構造、材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、鉄等の金属;ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、FRP、ナイロン等の樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、成形性、コストの点からポリプロピレン樹脂が特に好ましい。
前記手すり部の形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常用いられる程度の形状及び大きさが好ましい。
前記手すり部の構造としては、単層構造又は2層構造であることが好ましい。
前記手すり部は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外皮(カバー)、クッション材、などを設けることができる。
前記手すり部は、座部の周囲を回動乃至回転可能に取り付けられている。これにより、座った状態で手すり部を回動乃至回転させて位置を調節することができる。
【0019】
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、背凭れ、足置き、肘掛け部、メモ台、ランバーサポート、などが挙げられる。
【0020】
本発明の椅子の使用方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、座部を高く調節するときには、使用者が片足を地面に載せ、もう一方の片足で足受部を踏むことにより足受部が傾き、テコの原理によりガススプリングのロックが外れ、ガススプリングが作動する。そして、ガススプリングの付勢力が働いている状態で使用者が腰を浮かせ、所望の高さで足受部を離すことで、ガススプリングがロックされ座部の高さを調節することができる。一方、座部を下げる時は、使用者が座ったままで足受部を踏んで所望の高さで足受部から足を離すことにより、座部の高さを調節することができる。
なお、座部の高さの調節が完了した後、足で足受部を回動乃至回転させて、脚の下に配置させることにより、誤動作を防止することができる。また、足受部が誤動作防止部材を有する場合には、誤って足受部を踏んでも誤動作が生じることを確実に防止でき、安全性が高いものである。
したがって、使用者が作業などで手がふさがっている状態や、衛生上の問題から手が使えない場合であっても座部の高さを調節可能である。
【0021】
本発明の椅子は、埃がつきにくく、コンタミを防止でき、衛生面に優れた材料を用いることにより、例えば、歯科医師用椅子、医師用椅子等の医療用途に好適である。
更に、本発明の椅子は、例えば、理容用椅子、クリーンルーム用椅子、実験室用椅子、事務用椅子、オフィス用椅子、家庭用椅子等の回転椅子;バンケット用椅子、レストラン用椅子、店舗用椅子、会議室用椅子等のパイプ椅子(非回転椅子);サイドチェア、ロッキングチェア、リクライニングチェアなどの各種椅子に好適に用いられる。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の実施例につき図面を用いて具体的に説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
【0023】
(実施例1)
本発明の椅子の実施例1について説明する。
図2は、実施例1の椅子100の分解斜視図を示す。
図2に示すように、椅子100は、座部101と、該座部101を昇降させる昇降手段102と、脚部103と、前記脚部より下方に設けられた足受部104と、を有している。
図2中、105は手すり部、106はガススプリング、107は外筒、108はキャスター、111はバネ、112は取付部、113はプッシュ金具をそれぞれ表す。
【0024】
この実施例1では、足受部104としては、
図3に示す形状の金属材料から形成されたものを用いている。
この
図3に示す形状の足受部104は、延設部109の両端から接続部110,110が伸びて該接続部の他端同士が昇降手段102を介して連結した形状である。これにより、高さを調節する際には足で操作し易く、座部101の高さ調節が不要な時には、足受部104を回動乃至回転させて、脚部103の下に足受部104を退避可能である。
【0025】
前記脚部103は、金属等の公知の材料を所定形状に加工して製造されている。この実施例1では、昇降手段102を中心に放射状に伸びた5本の脚部を有している。
脚部103の床面(接地面)接触する端部に、椅子の運搬性、利便性の点から、キャスター108が設けられている。
足受部104は、昇降手段102を中心に放射状に伸びた5本の脚部103に対して交差方向に延設部109を有している。
この実施例1では、延設部109の長さは、一端から他端までの1本の脚部の長さに対して1.1倍であり、前記足受部104の延設部109は、隣接する2本の脚部の間にほぼ収まる大きさである。これにより、座部の高さ調節が不要な時には、足受部を脚部の下に退避させて、誤動作を防止することができる。
【0026】
前記昇降手段102は、前記座部を昇降させる手段である。
前記昇降手段102は、
図2及び
図9に示すように、付勢手段としてのガススプリング106、外筒107、バネ111、取付部112、プッシュ金具113を有している。
ガススプリング106の上方先端部は、通常の椅子に使用されているガススプリングと共通寸法のテーパー形状に形成されており、通常の椅子の座部をそのままで、かつ簡単に使用でき、種々の座部との接合が容易に可能となり、座部の豊富なバリエーションを展開することができる。
ガススプリング106の下端部には、作動用固定部(ロック)が設けられており、プッシュ金具113を介して足受部104と連結されており、足受部104を傾けるとテコの原理によりプッシュ金具113が競り上がり、ガススプリング106のロックが外れ、ガススプリング106が作動してガススプリング106の付勢力により、座部が昇降可能となる。
【0027】
前記座部101の上側方には、椅子に座った人の腕や肘を置くことができる手すり部105が設けられている。
手すり部105は、金属、プラスチック等の公知の材料を所定形状に加工して製造されている。
手すり部105は、座部の周囲を回動乃至回転可能に取り付けられている。これにより、座った状態で手すり部を回動乃至回転させて位置を調節することができる。
【0028】
前記実施例1の椅子は、足受部104が昇降手段102に回動乃至回転可能に接続されているので、座部101の高さの調節が済んで、座部の高さの調節が不要な時には、足受部104を回動乃至回転させて、脚部103の下に配置することにより、誤って足受部を踏んでも誤動作が生じることを防止できる。
【0029】
前記実施例1の椅子の使用方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、
図10の上図に示すように、座部101(不図示)を上げるときには、使用者が片足を地面に載せ、もう一方の片足で足受部104を踏むことにより、
図10の下図に示すように足受部104が傾き、テコの原理によりプッシュ金具113が競り上がり、ガススプリング106のロックが外れ、ガススプリング106が作動する。そして、ガススプリング106の付勢力が働いている状態で使用者が腰を浮かせ、所望の高さとなったところで足を足受部104から離すことにより、バネ111の反発力によりガススプリング106がロックされ、座部101(不図示)の高さを調節することができる。一方、座部を下げる時は、使用者が座ったままで足受部104を踏んで所望の高さで足受部104から足を離すことにより、座部の高さを固定することができる。
なお、座部の高さの調節が完了した後、足で足受部104を回動乃至回転させて、脚の下に配置させることにより、誤って足受部を踏んでも誤動作が生じることを防止できる。
【0030】
(実施例2)
本発明の椅子の実施例2について説明する。
この実施例2においては、
図3に示す足受部を
図4に示す足受部104に変えた以外は、実施例1と同様の構成をとるため、共通する部分の説明は省略する。
【0031】
この実施例2の椅子は、
図4に示す足受部104を有しており、この足受部104は昇降手段102に片方のみ回動乃至回転に接続されているので、足受部104を容易に脚部の下に退避させることができ、誤動作を確実に防止できる。
【0032】
前記実施例2の椅子の使用方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、
図11の上図に示すように、座部101(不図示)を上げるときには、使用者が片足を地面に載せ、もう一方の片足で足受部104を踏むことにより、
図11の下図に示すように足受部104が傾き、テコの原理によりプッシュ金具113が競り上がり、ガススプリング106のロックが外れ、ガススプリング106が作動する。そして、ガススプリング106の付勢力が働いている状態で使用者が腰を浮かせ、所望の高さとなったところで足を足受部104から離すことにより、バネ111の反発力によりガススプリング106がロックされ、座部101(不図示)の高さを調節することができる。一方、座部を下げる時は、使用者が座ったままで足受部104を踏んで所望の高さで足受部104から足を離すことにより、座部の高さを固定することができる。
なお、座部の高さの調節が完了した後、足で足受部104を回動乃至回転させて、脚の下に配置させることにより、誤って足受部を踏んでも誤動作が生じることを防止できる。
【0033】
(実施例3)
本発明の椅子の実施例3について説明する。
この実施例3においては、
図12〜
図16に示すように、足受部104を5つの羽根状部材とした以外は、実施例1と同様の構成をとるため、共通する部分の説明は省略する。
【0034】
この実施例3の椅子は、
図12に示す5つの羽根状の足受部104を有しており、この足受部104が昇降手段102に回動乃至回転可能に接続されている。
座部101(不図示)の高さを調節する場合には、
図13に示すように、5つの羽根状の足受部104が5本の脚部103の間(隣接する脚部同士の間)に配置された状態で、使用者が片足を地面に載せ、もう一方の片足で足受部104を踏むことにより、
図14に示すように足受部104が傾き、テコの原理によりプッシュ金具113が競り上がり、ガススプリング106のロックが外れ、ガススプリング106が作動する。そして、ガススプリング106の付勢力が働いている状態で使用者が腰を浮かせ、所望の高さとなったところで足を足受部104から離すことで、バネの反発力によりガススプリング106がロックされ座部の高さを固定することができる。
一方、座部の高さを調節しない場合には、足受部104を回動乃至回転させて足受部104を脚部103の下に退避することができる(
図15及び
図16参照)。足受部104の昇降手段102の近傍には、突起状の誤動作防止部材114が設けられており、足受部104を踏むと誤動作防止部材114が下側から脚部103に当接(
図15及び
図16参照)し、足受部104が降下することがないので、誤って足受部を踏んでも誤動作が生じることを確実に防止できる。
【0035】
(実施例4)
本発明の椅子の実施例4について説明する。
この実施例4においては、
図17〜
図21に示すように、足受部104を1つの羽根状部材とした以外は、実施例1と同様の構成をとるため、共通する部分の説明は省略する。なお、足受部の数は1つには限られず、2つ以上の複数とすることができる。
【0036】
この実施例4の椅子は、
図17に示す1つの羽根状の足受部104を有しており、この足受部104は昇降手段102に回動乃至回転可能に接続されている。
座部101(不図示)の高さを調節する場合には、
図18に示すように、1つの羽根状の足受部104が5本の脚部103の間(隣接する脚部同士の間)のいずれかに配置された状態で、使用者が片足を地面に載せ、もう一方の片足で足受部104を踏むことにより、
図19に示すように足受部104が傾き、テコの原理によりプッシュ金具113が競り上がり、ガススプリング106のロックが外れ、ガススプリング106が作動する。そして、ガススプリング106の付勢力が働いている状態で使用者が腰を浮かせ、所望の高さとなったところで足を足受部104から離すことで、バネの反発力でガススプリング106がロックされ座部の高さを固定することができる。
一方、座部の高さを調節しない場合には、足受部104を回動乃至回転させて足受部104を容易に脚部103の下に退避することができる(
図20及び
図21参照)。足受部104の昇降手段102の近傍には、突起状の誤動作防止部材114が設けられており、足受部104を踏むと誤動作防止部材114が下側から脚部103に当接(
図20及び
図21参照)し、足受部104が降下することがないので、誤って足受部を踏んでも誤動作が生じることを確実に防止できる。
【0037】
(実施例5)
本発明の椅子の実施例5について説明する。
この実施例5においては、
図22〜
図26に示すように、足受部104を昇降手段と連結し、脚部103の下から脚部103の上まで伸びる1つのべダル状とした以外は、実施例1と同様の構成をとるため、共通する部分の説明は省略する。なお、ペダル状の足受部104の数は1つには限られず、2つ以上の複数とすることができる。
【0038】
この実施例5の椅子は、
図22に示す1つのペダル状の足受部104を有しており、この足受部104は昇降手段102に回動可能に接続されている。
座部101(不図示)の高さを調節する場合には、
図23に示すように、1つのペダル状の足受部104が5本の脚部103の間(隣接する脚部同士の間)のいずれかに配置された状態で、使用者が片足を地面に載せ、もう一方の片足で足受部104を踏むことにより、
図24に示すように足受部104が傾き、テコの原理によりプッシュ金具113が競り上がり、ガススプリング106のロックが外れ、ガススプリング106が作動する。そして、ガススプリング106の付勢力が働いている状態で使用者が腰を浮かせ、所望の高さとなったところで足を足受部104から離すことで、バネ111の反発力によりガススプリング106がロックされ座部の高さを固定することができる。
一方、座部の高さを調節しない場合には、足受部104を回動させて、脚部の上に退避することができる(
図25及び
図26参照)。足受部104の下面に切欠を有する誤動作防止部材114が設けられているので、足受部104を踏むと誤動作防止部材114が上側から脚部103に当接(
図25及び
図26参照)し、足受部104が降下することがなく、誤って足受部を踏んでも誤動作が生じることを確実に防止できる。
【0039】
以上、本発明の椅子について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更しても差支えない。