特許第6191069号(P6191069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6191069データ伝送システムにおけるデータ割当装置、及びデータ割当方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6191069
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】データ伝送システムにおけるデータ割当装置、及びデータ割当方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20170828BHJP
   H04W 28/18 20090101ALI20170828BHJP
   H04J 3/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   H04W72/04 131
   H04W28/18 110
   H04J3/00 G
   H04J3/00 K
   H04J3/00 B
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-247647(P2012-247647)
(22)【出願日】2012年11月9日
(65)【公開番号】特開2014-96729(P2014-96729A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】米田 真也
(72)【発明者】
【氏名】紺野 将寿
【審査官】 篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−130082(JP,A)
【文献】 特開2005−244510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04J 3/00
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスター装置とスレーブ装置との間で、時分割複信により送受信データを送受信するデータ伝送システムであって、
前記マスター装置と前記スレーブ装置との間で送受信される上りのデータと下りのデータの変調方式を決定する変調方式決定部と、
前記変調方式決定部が決定した結果及び送受信データのビットレートに基づいて上りの通信と下りの通信の帯域幅の割当を行うモードである第1の割当モードと、前記変調方式決定部が決定した結果及び前記送受信データのシンボル数に基づいて上りの通信と下りの通信の帯域幅の割当を行うモードである第2の割当モードとを、切替信号に基づいて切り替える切替部と、
前記切替部が第1の割当モードに切り替えた場合、前記上りのデータと前記下りのデータとの通信の帯域幅を前記第1の割当モードで割り当て、前記切替部が第2の割当モードに切り替えた場合、前記上りのデータと前記下りのデータとの通信の帯域幅を前記第2の割当モードで割り当てを行う割当部と、
を備えることを特徴とするデータ伝送システムにおけるデータ割当装置。
【請求項2】
前記割当部は、
前記第1の割当モードにおいて、前記変調方式決定部が決定した結果に基づき前記上りのデータと前記下りのデータとのビットレートの比を算出し、算出した前記ビットレートの比をシンボルレートの比に換算し、一定長さの通信フレームに含まれるシンボル数と換算した前記シンボルレートの比に基づいて、前記上りのデータと前記下りのデータとを割り当て、
前記第2の割当モードにおいて、予め定められている前記上りのデータと前記下りのデータとの比を、一定長さの通信フレームに含まれるシンボル数に基づいて、前記上りのデータと前記下りのデータとを割り当てる
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送システムにおけるデータ割当装置。
【請求項3】
前記割当部は、
前記第1の割当モードにおいて、前記上りのデータと前記下りのデータとを割り当てた後、1無線フレーム周期における予め定められている総シンボル数に対して余剰なシンボルがある場合、前記余剰なシンボルを、前記上りのデータまたは前記下りのデータに割り当てる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデータ伝送システムにおけるデータ割当装置。
【請求項4】
変調方式毎に、MACフレームと前記シンボル数とが対応して記憶されている記憶部
を備え、
前記割当部は、
前記第1の割当モードにおいて、前記記憶部に記憶されているMACフレームと前記シンボル数との関係に基づいて、前記ビットレートの比をシンボルレートの比に換算し、
換算した前記シンボルレートの比と一定長さの通信フレームに含まれるシンボル数とに基づいて、前記上りのデータにおけるシンボル数と前記下りのデータにおけるシンボル数とを算出し、
前記記憶部に記憶されているMACフレームと前記シンボル数との関係に基づいて、算出した前記上りのデータにおけるシンボル数と前記下りのデータにおけるシンボル数とを各々、前記上りのデータにおけるMACフレーム数と前記下りのデータにおけるMACフレーム数とを算出して前記上りのデータと前記下りのデータとを割り当てる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のデータ伝送システムにおけるデータ割当装置。
【請求項5】
前記マスター装置は、交換局に接続され、
複数の前記スレーブ装置は、各スレーブ装置が、各々、第1の基地局と第2の基地局に接続され、
前記切替部は、
前記交換局に接続されているマスター装置から前記第1の基地局に接続されているスレーブ装置への前記下りのデータから、前記第2の基地局に接続されているスレーブ装置から前記交換局に接続されているマスター装置への前記上りのデータへの干渉に基づいて、第2の割当モードに切り替える切り替え信号を生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデータ伝送システムにおけるデータ割当装置。
【請求項6】
マスター装置とスレーブ装置との間で、時分割複信により送受信データを送受信するデータ伝送システムにおけるデータ割当装置におけるデータ割当方法であって、
変調方式決定部が、前記マスター装置と前記スレーブ装置との間で送受信される上りのデータと下りのデータの変調方式を決定する変調方式決定手順と、
切替部が、前記変調方式決定手順により決定された結果及び送受信データのビットレートに基づいて上りの通信と下りの通信で用いる帯域幅の割当を行うモードである第1の割当モードと、前記変調方式決定手順により決定された結果及び前記送受信データのシンボル数に基づいて上りの通信と下りの通信で用いる帯域幅の割当を行うモードである第2の割当モードとを、切替信号に基づいて切り替える手順と、
割当部が、前記切り替える手順により第1の割当モードに切り替えられた場合、前記上りのデータと前記下りのデータとの通信の帯域幅を前記第1の割当モードで割り当て、前記切り替える手順により第2の割当モードに切り替えられた場合、前記上りのデータと前記下りのデータとの通信の帯域幅を前記第2の割当モードで割り当てを行う手順と、
を含むことを特徴とするデータ伝送システムにおけるデータ割当方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ伝送システムにおけるデータ割当装置、及びデータ割当方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局と交換局との間でデータ伝送を行うデータ伝送システムでは、例えばFWA(固定無線アクセス)の通信方式が用いられている。このFWAの通信方式は、TDD(時分割複信)である。TDDでは、上りと下りの通信が、時間で区切って行われる。TDDでは、限られている帯域幅を効率的に使用するため、このような上りと下りの帯域幅割り当てが重要である。
【0003】
例えば、データ割当装置では、変調方式毎の1シンボルに含まれるビットに基づき、所定バイト単位で均等に分割された固定長データを、変調方式毎の対応所定シンボル数に換算し、換算した変調方式毎の対応シンボル数を、データ領域の対応する変調方式のタイムスロットに割り当てる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−244510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、送受信される上りのデータと下りのデータの変調方式が異なる場合、実際に送受信される上りのデータと下りのデータとのビットレートの比と、実際に割り当てられる上りのデータと下りのデータ帯域の比とが一致しない。従って、特許文献1では、データ伝送システムのユーザーにとって、実際の転送速度の比が分かりにくいため利便性が悪いという課題があった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑み成されたものであって、利便性の良いデータ伝送システムにおけるデータ割当装置、及びデータ割当方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るデータ伝送システムにおけるデータ割当装置は、マスター装置とスレーブ装置との間で、時分割複信により送受信データを送受信するデータ伝送システムであって、前記マスター装置と前記スレーブ装置との間で送受信される上りのデータと下りのデータの変調方式を決定する変調方式決定部と、前記変調方式決定部が決定した結果及び送受信データのビットレートに基づいて上りの通信と下りの通信で用いる帯域幅の割当を行うモードである第1の割当モードと、前記変調方式決定部が決定した結果及び前記送受信データのシンボル数に基づいて上りの通信と下りの通信で用いる帯域幅の割当を行うモードである第2の割当モードとを、切替信号に基づいて切り替える切替部と、前記切替部が第1の割当モードに切り替えた場合、前記上りのデータと前記下りのデータとの通信の帯域幅を前記第1の割当モードで割り当て、前記切替部が第2の割当モードに切り替えた場合、前記上りのデータと前記下りのデータとの通信の帯域幅を前記第2の割当モードで割り当てを行う割当部と、を備えることを特徴としている。
(2)また、本発明の一態様に係るデータ伝送システムにおけるデータ割当装置において、前記割当部は、前記第1の割当モードにおいて、前記変調方式決定部が決定した結果に基づき前記上りのデータと前記下りのデータとのビットレートの比を算出し、算出した前記ビットレートの比をシンボルレートの比に換算し、一定長さの通信フレームに含まれるシンボル数と換算した前記シンボルレートの比に基づいて、前記上りのデータと前記下りのデータとを割り当て、前記第2の割当モードにおいて、予め定められている前記上りのデータと前記下りのデータとの比を、一定長さの通信フレームに含まれるシンボル数に基づいて、前記上りのデータと前記下りのデータとを割り当てるようにしてもよい。
(3)また、本発明の一態様に係るデータ伝送システムにおけるデータ割当装置において、前記割当部は、前記第1の割当モードにおいて、前記上りのデータと前記下りのデータとを割り当てた後、1無線フレーム周期における予め定められている総シンボル数に対して余剰なシンボルがある場合、前記余剰なシンボルを、前記上りのデータまたは前記下りのデータに割り当てるようにしてもよい。
(4)また、本発明の一態様に係るデータ伝送システムにおけるデータ割当装置において、変調方式毎に、MACフレームと前記シンボル数とが対応して記憶されている記憶部を備え、前記割当部は、前記第1の割当モードにおいて、前記記憶部に記憶されているMACフレームと前記シンボル数との関係に基づいて、前記ビットレートの比をシンボルレートの比に換算し、換算した前記シンボルレートの比と一定長さの通信フレームに含まれるシンボル数とに基づいて、前記上りのデータにおけるシンボル数と前記下りのデータにおけるシンボル数とを算出し、前記記憶部に記憶されているMACフレームと前記シンボル数との関係に基づいて、算出した前記上りのデータにおけるシンボル数と前記下りのデータにおけるシンボル数とを各々、前記上りのデータにおけるMACフレーム数と前記下りのデータにおけるMACフレーム数とを算出して前記上りのデータと前記下りのデータとを割り当てるようにしてもよい。
(5)また、本発明の一態様に係るデータ伝送システムにおけるデータ割当装置において、前記マスター装置は、交換局に接続され、前記スレーブ装置は、複数有り、各スレーブ装置が、各々、第1の基地局と第2の基地局に接続され、前記切替部は、前記交換局に接続されているマスター装置から前記第1の基地局に接続されているスレーブ装置への前記下りのデータから、前記第2の基地局に接続されているスレーブ装置から前記交換局に接続されているマスター装置への前記上りのデータへの干渉に基づいて、第2の割当モードに切り替える切り替え信号を生成するようにしてもよい。
(6)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るデータ割当方法は、マスター装置とスレーブ装置との間で、時分割複信により送受信データを送受信するデータ伝送システムにおけるデータ割当装置におけるデータ割当方法であって、変調方式決定部が、前記マスター装置と前記スレーブ装置との間で送受信される上りのデータと下りのデータの変調方式を決定する変調方式決定手順と、切替部が、前記変調方式決定手順により決定された結果及び送受信データのビットレートに基づいて上りの通信と下りの通信の帯域幅の割当を行うモードである第1の割当モードと、前記変調方式決定手順により決定された結果及び前記送受信データのシンボル数に基づいて上りの通信と下りの通信の帯域幅の割当を行うモードである第2の割当モードとを、切替信号に基づいて切り替える手順と、割当部が、前記切り替える手順により第1の割当モードに切り替えられた場合、前記上りのデータと前記下りのデータとの通信の帯域幅を前記第1の割当モードで割り当て、前記切り替える手順により第2の割当モードに切り替えられた場合、前記上りのデータと前記下りのデータとの通信の帯域幅を前記第2の割当モードで割り当てを行う手順と、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、データ伝送システムは、マスター装置とスレーブ装置とが運用されている環境に応じて、割当モードを切り替えて使用できるので、システムの管理者にとって利便性の良いデータ伝送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るデータ伝送システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る記憶部に記憶されている情報の概略を説明する図である。
図3】マスターとスレーブとの間での通信を行うためのTDD方式による無線フレーム(通信フレーム)の構成を示す図である。
図4】本実施形態に係るモード1における上りの通信と下りの通信の割当を説明する図である。
図5】本実施形態に係るモード2における上りの通信と下りの通信の割当を説明する図である。
図6】回り込みによる干渉を説明する図である。
図7】干渉を避けるための通信例を説明する図である。
図8】2つのリンクにおいて下りの変調方式と上りの変調方式が異なっている場合の下りの通信帯域と上りの通信帯域の例を説明する図である。
図9】本実施形態に係るモード1の場合の割り当て処理のフローチャートである。
図10】具体例の前提条件を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、本発明の概要を説明する。
マスター装置とスレーブ装置間で行われる通信は、マスター装置からスレーブ装置にデータが送信される下りの通信と、スレーブ装置からマスター装置にデータが送信される上りの通信とがTDD(時分割複信)により行われる。マスター装置は、下りの通信と上りの通信の帯域幅を割り当てデータの送受信を行う。下りの通信と上りの通信の帯域幅を割り当てる方式は、適応割当方式と固定割当方式とがある。適応割当方式は、マスター装置からの要求無線フレーム数を考慮して、下りの通信と上りの通信の帯域幅を分割する方式である。固定割当方式は、予め選択されている比に、下りの通信と上りの通信の帯域幅を分割する方式である。
本発明のデータ伝送システムは、固定割当方式を用いて下りの通信と上りの通信の帯域幅を分割する際に、さらに2種類のモードを切り替えて割当を行う。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るデータ伝送システム1の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係るデータ伝送システム1は、マスター(マスター装置)10、スレーブ(スレーブ装置)20を含んで構成される。マスター10とスレーブ20とは、無線によりPoint to Point(1対1)接続されている。なお、図1では、マスター10、スレーブ20において、アンテナ、変復調部、及び通信制御部等を省略して図示している。なお、図1のブロック図では、固定割当方式を用いて下りの通信と上りの通信の帯域幅を分割に関わる機能部を図示しているが、データ伝送システム1は、適応割当方式に関わる機能部も有し、適応割当方式による割当も行うようにしてもよい。また、図1において、Point to Pointのみを示しているが、Point to Multi Pointであってもよい。
【0012】
マスター10は、通信インタフェース回路101、下り送信バッファ102、計測部103、切替部104、割当部105、記憶部106、監視部107、TDD−TDM/TDMA制御回路108、及び上り受信バッファ109を含んで構成される。マスター10は、有線でネットワーク30に接続されている。対向機器40は、有線でネットワークに接続されている。対向機器は、例えばサーバー、交換局等である。
【0013】
通信インタフェース回路101は、ネットワーク30に有線で接続されている対向機器40と、データの送受信を行う。通信インタフェース回路101は、対向機器40からスレーブ20に送信する送信データを受信し、受信した送信データを下り送信バッファ102に蓄積させる。通信インタフェース回路101は、上り受信バッファ109に蓄積されている受信データを読み出し、読み出した受信データを対向機器40に送信する。
下り送信バッファ102には、対向機器40から受信された送信データが一時的に蓄積される。
【0014】
計測部103は、下り送信バッファ102に蓄積された送信データについて、スレーブ20毎のパケット数を周期的に計測する。計測部103は、計測した情報に基づいて下りデータ量情報を生成し、生成した下りデータ量情報を、割当部105に出力する。具体的には、計測部103は、固定長データに制御情報を付加した下り固定長パケット(タイムスロットに割り当てられる固定長データであるので固定長データともいう)Pdの数を1無線フレームの周期毎に周期的に計測する。なお、固定長パケットPdの詳細は、後述する。
【0015】
切替部104は、入力された切替信号に基づいて、割当部105が行う上りの通信と下りの通信の割当を行うモードを切り替える。なお、切替信号は、例えば、入力部(不図示)からデータ伝送システム1の管理者が入力した割り当てを示す信号である。
割当部105は、切替部104のモードの切り替えに応じて、上りの通信と下りの通信の割当を切り替える。上りの通信と下りの通信の割当のモードについては後述する。割当部105は、監視部107から入力された監視結果を示す情報に基づいて、下りの通信に用いる変調方式、及び上りの通信に用いる変調方式を決定する。割当部105は、決定した下りの通信の変調方式、上りの通信の変調方式に基づいて、記憶部106に記憶されている情報を用いて、下り送信データと上り送信データとに対して、1無線フレーム内での割当を行う。割当部105は、割り当てた結果である割当情報をTDD−TDM/TDMA制御回路108に出力する。なお、割当部105が行う割当の処理については後述する。
【0016】
図2は、本実施形態に係る記憶部106に記憶されている情報の概略を説明する図である。記憶部106には、図2(a)に示すように、変調方式毎に、MACフレーム数とシンボル数とが関連づけられて、例えばテーブル形式で記憶されている。また、記憶部106には、図2(b)に示すように、変調方式毎に、シンボル数と送信可能なMACフレーム数とが関連づけられて、例えばテーブル形式で記憶されている。なお、MACフレームとは、無線フレームに含まれているデータであり、アドレスなどの制御情報を含む1群のデータである。データ伝送システム1の製造者又は管理者は、例えば、図2に示した情報を予め算出して、記憶部106に記憶させておく。
【0017】
監視部107は、上りと下りの無線状態を監視し、監視した監視結果を示す情報を割当部105に出力する。なお、無線状態とは、受信における搬送波対雑音比(CNR)、受信信号の強度(RSSI)等の状態である。
TDD−TDM/TDMA制御回路108は、スレーブ20から受信した上りデータ量情報g1を、割当部105に出力する。TDD−TDM/TDMA制御回路108は、割当部105から出力された割当情報に応じて、下りの通信と上りの通信とを行う。具体的には、TDD−TDM/TDMA制御回路108は、下り送信バッファ102に蓄積されている送信データを読み出して下りの通信を行い、スレーブ20から送信された受信データを受信する上り受信を行う。TDD−TDM/TDMA制御回路108は、スレーブ20から対向機器40に送信する受信データを受信し、受信した受信データを上り受信バッファ109に一時的に蓄積させる。
上り受信バッファ109には、スレーブ20から受信された受信データが一時的に蓄積される。
【0018】
スレーブ20は、通信インタフェース回路201、上り送信バッファ202、TDD−TDM/TDMA制御回路203、下り受信バッファ204、及び監視部205を含んで構成される。スレーブ20は、有線で端末50が接続されている。端末50は、例えば、基地局、通信機能を有しているパーソナルコンピュータ、携帯端末等である。
【0019】
通信インタフェース回路201は、端末50からマスター10に送信する送信データを受信し、受信した送信データを上り送信バッファ202に一時的に蓄積させる。
上り送信バッファ202には、端末50から受信された送信データが一時的に蓄積される。
【0020】
TDD−TDM/TDMA制御回路203は、マスター10から受信した受信信号に含まれる情報に基づいて、下り受信及び上りの通信を行う。具体的には、TDD−TDM/TDMA制御回路203は、受信信号に含まれている下り回線領域の下りヘッダ領域の情報(ヘッダ情報)に従って下り受信及び上りの通信を行う。なお、下り回線領域の下りヘッダ領域については、後述する。TDD−TDM/TDMA制御回路203は、上り送信バッファ202に蓄積されている送信データを読み出し、読み出した送信データをマスター10に送信する。TDD−TDM/TDMA制御回路203は、マスター10から端末50に送信する受信データを受信し、受信した受信データを下り受信バッファ204に一時的に蓄積させる。また、TDD−TDM/TDMA制御回路203は、監視部205から入力された監視結果を示す情報に基づいて上りデータ量情報g1を生成し、生成した上りデータ量情報g1をマスター10に送信する。なお、TDD−TDM/TDMA制御回路203は、例えば生成した上りデータ量情報g1を、送信するデータ中の上りヘッダに含めて送信する。
下り受信バッファ204には、マスター10から受信された受信データが一時的に蓄積される。
監視部205は、無線状態を監視し、監視した監視結果をTDD−TDM/TDMA制御回路203に出力する。
【0021】
以上のように、本発明のデータ割当装置(マスター10)は、マスター装置(マスター10)とスレーブ装置(スレーブ20)との間で、時分割複信により送受信データを送受信するデータ伝送システム(データ伝送システム1)であって、マスター装置とスレーブ装置との間で送受信される上りのデータと下りのデータの変調方式を決定する変調方式決定部(割当部105)と、変調方式決定部が決定した結果及び送受信データのビットレートに基づいて割当を行うモードである第1の割当モード(モード1)と、変調方式決定部が決定した結果及び送受信データのシンボル数に基づいて割当を行うモードである第2の割当モード(モード2)とを、切替信号に基づいて切り替える切替部(切替部104)と、切替部が第1の割当モードに切り替えた場合、上りのデータと下りのデータとを第1の割当モードで割り当て、切替部が第2の割当モードに切り替えた場合、上りのデータと下りのデータとを第2の割当モードで割り当てを行う割当部(割当部105)と、を備える。
この構成により、本発明のデータ伝送システム1は、切替信号に基づいて第1の割当モードと、第2の割当モードとを切り替えて、データを割り当てることができる。このため、本発明のデータ伝送システム1は、システム管理者の使い方に応じて、割当モードを切り替えて使用できるので、システムの管理者にとって利便性の良いデータ伝送システムを提供することができる。
【0022】
次に、TDD方式による無線フレーム(通信フレーム)の構成について説明する。
図3は、マスター10とスレーブ20との間での通信を行うためのTDD方式による無線フレーム(通信フレーム)の構成を示す図である。なお、図3に示した無線フレームの構成は、マスター10とスレーブ20とがPoint to Pointで接続されている場合の構成例である。1無線フレーム(1通信フレーム)の周期は、1〜10[ms]程度のうち、固定の周期、たとえば1[ms]等に選択される。1無線フレームの周期(長さ)は、ハードウエア等との関係において、より短い周期あるいはより長い周期を選択することも可能である。
【0023】
1無線フレームは、下り回線領域、上り回線領域、及び2つのガードタイム(TS13及びTS16)とから構成される。下り回線領域は、下りヘッダ領域TS11と下りデータ領域TS12を含む。上り回線領域は、上りヘッダ領域TS14と上りデータ領域TS15とを含む。
【0024】
1無線フレームの下り回線領域中、下りデータ領域TS12は、複数のタイムスロットに分割されている。各タイムスロットには、対向機器40からネットワーク30を通じてマスター10に送信されたイーサフレーム等の可変長フレームが、所定バイト単位で均等に分割された下り固定長パケット(単に、パケットともいう)Pdが割り当てられる。なお、固定長パケットPdには、制御情報、固定長データ、誤り検出符号等が含まれている。
【0025】
1無線フレームの上り回線領域中、上りデータ領域TS15は、下りデータ領域TS12と同様に、複数のタイムスロットに分割されている。各タイムスロットには、端末50からスレーブ20に送信されたイーサフレーム等の可変長フレームが、所定バイト単位で均等に分割された上り固定長パケット(単に、パケットともいう)Puが割り当てられる。なお、固定長パケットPuには、制御情報、固定長データ、誤り検出符号等が含まれている。
【0026】
1つの無線フレームを構成する下りデータ領域TS12と上りデータ領域TS15の合計タイムスロット数(帯域)は、一定であるが、データ量(帯域要求)に応じて、1無線フレーム毎に、タイムスロット(帯域)を割り当てる、いわゆるスケジューリングの際に、下りデータ領域TS12及び上りデータ領域TS15のタイムスロット数(帯域)を動的に変更することができる。
【0027】
本実施形態において、マスター10とスレーブ20とのデータ伝送では、無線変調方式として、下りヘッダ領域TS11及び上りヘッダ領域TS14は、QPSK(Quadrature PSK)変調方式、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調方式、64QAM、及び256QAMのうち、いずれか1つの同一の所定の変調方式が採用されている。また、下りデータ領域TS12及び上りデータ領域TS15を構成する各タイムスロットでの変調方式は、スレーブ20毎に、QPSK変調方式、16QAM変調方式、64QAM、及び256QAMのうち、いずれか1つの変調方式が採用されている。なお、QPSK変調方式では1シンボル(信号要素)で2ビットの情報を伝送することができ、16QAM変調方式では1シンボルで4ビットの情報を伝送することができる。64QAM変調方式では、1シンボルで8ビットの情報を伝送することができ、256QAM変調方式では、1シンボルで16ビットの情報を伝送することができる。
【0028】
次に、本実施形態に係る割当部105における上りの通信と下りの通信の割当モードについて説明する。本実施形態において、割当部105は、以下のように2種類の割当モードを備えている。
(モード1(第1の割当モード))割当部105は、下りの通信速度(ビットレート)と上りの通信速度に基づいて、下りの通信と上りの通信で用いる帯域幅を割り当てる。
(モード2(第2の割当モード))割当部105は、下りの通信のシンボル数と上りの通信のシンボル数に基づいて、下りの通信と上りの通信で用いる帯域幅を割り当てる。
【0029】
以下の説明では、1無線フレームを、例えば1000シンボルとする。また、1無線フレームには、複数のMAC(Media Access Control)フレームを含んでいる。本発明のデータ伝送システム1では、変調方式毎に、このMACフレームあたりのシンボル数、転送速度が図2で説明したように、例えばテーブル形式で記憶部106に記憶されている。MACフレームあたりのシンボル数は、QPSKの場合が200シンボル、16QAMの場合が100シンボル、64QAMの場合が50シンボルであるとする。また、1MACフレームあたりの転送速度は、1[Mbps]であるとする。
【0030】
まず、モード1に割り当てた場合の下りの通信と上りの通信との各帯域幅の例を説明する。モード1において、データ伝送システム1の管理者は、例えば入力部から、モード1を入力、又は選択する。また、管理者は、入力部から下りの通信と上りの通信との帯域の比を入力、又は選択する。入力部から入力又は選択されたモード1を示す情報と、入力部から入力又は選択された、下りの通信と上りの通信との帯域の比とは、切替信号としてマスター10に入力される。
以下に説明する例では、下りの通信と上りの通信との帯域が、1対1、または50%と50%に設定されている場合の例である。
【0031】
図4は、本実施形態に係るモード1における上りの通信と下りの通信の割当を説明する図である。図4(a)は、下りの変調方式がQPSK、上りの変調方式がQPSKである。図4(b)は、下りの変調方式が16QAM、上りの変調方式がQPSKである。図4(c)は、下りの変調方式が64QAM、上りの変調方式がQPSKである。図4(a)〜図4(c)において、各波形がハイレベルの区間は下りの通信帯域を表し、各波形がローレベルの区間は上りの通信帯域を表している。また、図4(a)〜図4(c)において、横軸は時刻を表している。
図4(a)に示した例では、マスター10の割当部105が、下りの通信及び上りの通信におけるシンボル数を、各々、2個のMACフレーム分である400(=2[MACフレーム]×200シンボル)シンボルに割り当てる。この場合、下り100シンボル、上り100シンボルの余剰のシンボル数(以下、余剰シンボルという)が出るため、割当部105は、合計した200シンボルを下りの通信に割り当てる。このため、下りの通信におけるシンボル数は、3個のMACフレーム分である600(=3[MACフレーム]×200シンボル)シンボルであり、上りの通信におけるシンボル数は、2個のMACフレーム分である400(=2[MACフレーム]×200シンボル)シンボルである。また、下りの通信における転送速度は、3個のMACフレーム分であるため3[Mbps](=3[MACフレーム]×1[Mbps])であり、上りの通信における転送速度(転送レート)は、2個のMACフレーム分であるため2[Mbps](=2[MACフレーム]×1[Mbps])である。
図4(b)に示した例では、マスター10の割当部105が、下りの通信におけるシンボル数を3個のMACフレーム分である300(=3[MACフレーム]×100シンボル)シンボルに割り当て、上りの通信におけるシンボル数を3個のMACフレーム分である600(=3[MACフレーム]×200シンボル)シンボルに割り当てる。割当部105は、余剰シンボルの100シンボルを下りの通信に割り当てる。このため、下りの通信におけるシンボル数は、4個のMACフレーム分である400(=4[MACフレーム]×100シンボル)シンボルであり、上りの通信におけるシンボル数は、3個のMACフレーム分である600シンボルである。また、下りの通信における転送速度は、4個のMACフレーム分であるため4[Mbps](=4[MACフレーム]×1[Mbps])であり、上りの通信の転送速度は、3個のMACフレーム分であるため3[Mbps](=3[MACフレーム]×1[Mbps])である。
図4(c)に示した例では、マスター10の割当部105が、下りの通信におけるシンボル数を4個のMACフレーム分である200(=4[MACフレーム]×50シンボル)シンボルに割り当て、上りの通信におけるシンボル数を4個のMACフレーム分である800(=4[MACフレーム]×200シンボル)シンボルに割り当てる。この場合、余剰シンボルがないため、割当部105は、余剰シンボルの再割り当てを行わない。このため、下りと上りの通信における転送速度は、4個のMACフレーム分なので、各々、4[Mbps](=4[MACフレーム]×1[Mbps])である。
【0032】
すなわち、モード1では、まずマスター10の割当部105が、1無線フレーム周期において、上下の転送レートが1対1、すなわち同じ転送レートになるように決定する。具体的には、割当部105が、上りの通信と下りの通信との同数のMACフレームを割り当てる。そして割当部105は、余剰シンボルがある場合、余剰シンボルを後述するように下りの通信または上りの通信に再割り当てを行う。なお、モード1では、変調方式に応じてシンボル数が異なるため、下りの通信の終了時刻又は上りの通信の開始時刻が異なる(時刻t1、t2、t3)。
【0033】
次に、モード2に割り当てた場合の下りの通信と上りの通信との各帯域幅の例を説明する。図5は、本実施形態に係るモード2における上りの通信と下りの通信の割当を説明する図である。図5(a)は、下りの変調方式がQPSK、上りの変調方式がQPSKである。図5(b)は、下りの変調方式が16QAM、上りの変調方式がQPSKである。図5(c)は、下りの変調方式が64QAM、上りの変調方式がQPSKである。図5(a)〜図5(c)において、各波形がハイレベルの区間は下りの通信帯域を表し、各波形がローレベルの区間は上りの通信帯域を表している。また、図5(a)〜図5(c)において、横軸は時刻を表している。なお、以下の説明において、1無線フレームのシンボル数、各変調方式におけるシンボル数、転送速度、及び下りの通信と上りの通信との帯域の比は、図4と同様である。また、図5において、括弧内のシンボル数は、空データを含まないシンボル数を示している。
【0034】
モード2では、下りの通信と上りの通信との帯域比を固定的に使用する。つまり、1無線フレームのシンボル数が1000シンボルであり、比が50%であった場合、シンボル数は、上りの通信が500シンボル、下りの通信が500シンボルである。モード2では、余剰のシンボル数が発生したとしても再割り当てを行わない。
図5(a)に示した例では、下りの通信及び上りの通信におけるシンボル数は、各々、2つのMACフレーム分である400シンボルである。また、転送速度は、各々、2[Mbps]である。この場合、下り通信及び上り通信ともに100シンボルずつ余剰シンボルがあるが、割当部105は再割り当てを行わない。このため、下り及び上り通信において、余剰シンボル分の100シンボルには、ダミーデータ(空データ)が付加される。これにより、下り及び上りの通信における総シンボル数は、各々500シンボルである。
図5(b)に示した例では、下りの通信におけるシンボル数は5個のMACフレーム分である500(=5[MACフレーム]×100シンボル)シンボルであり、上りの通信におけるシンボル数は、2個のMACフレーム分である400シンボルである。この場合、上り通信に100シンボルの余剰シンボルがあるが、割当部105は再割り当てを行わない。上りの通信において、余剰シンボル分の100シンボルには、ダミーデータ(空データ)が付加される。このため、下りの通信における転送速度は5[Mbps](=5[MACフレーム]×1[Mbps])であり、上りの通信における転送速度は2[Mbps]である。
図5(c)に示した例では、下りの通信におけるシンボル数は10個のMACフレーム分である500(=10[MACフレーム]×50シンボル)シンボルであり、上りの通信におけるシンボル数は、2個のMACフレーム分である400シンボルである。この場合も上り通信に100シンボルの余剰シンボルがあるが、割当部105は再割り当てを行わない。上りの通信において、余剰シンボル分の100シンボルには、ダミーデータ(空データ)が付加される。このため、下りの通信における転送速度は10[Mbps](=10[MACフレーム]×1[Mbps])であり、上りの通信における転送速度は2[Mbps]である。
【0035】
すなわち、モード2において、管理者が選択した割り当ての比は、下りの通信と上りの通信におけるシンボル数の比と一致する。このため、下りの通信の終了時刻t11は、変調方式が異なっても、変化しない。
【0036】
次に、同じ周波数の搬送波を用いて、1つの交換局と複数の基地局とが無線で通信する場合を説明する。図6は、回り込みによる干渉を説明する図である。
図6に示した例は、FWA(固定無線アクセス)の通信方式において、1つの交換局301と2つの基地局(304、305)とが、各々、マスター装置(302、307)とスレーブ装置(303、306)を介して無線で接続されている。マスター装置302及び307の構成は、図1のマスター10の構成と同様であり、スレーブ装置303及び306の構成は、図1のスレーブ20の構成と同様である。図6では、交換局301に接続されているマスター装置302から、第1の基地局304に接続されているスレーブ装置303へ、送信データ311を周波数fの変調波により送信する。また、第2の基地局305に接続されているスレーブ装置306から、交換局301に接続されているマスター装置307へ、送信データ312を周波数fの変調波により送信する。このように同じ周波数fの搬送波により下りの通信と上りの通信を同時に行った場合、送信データ311から送信データ312に回り込みによる干渉が発生する。
このような干渉を避けるため、従来は、図7に示すように、異なる周波数の搬送を用いて、交換局に接続されているマスター装置と基地局に接続されているスレーブ装置間との通信を行っていた。図7は、干渉を避けるための通信例を説明する図である。図7において、交換局(マスター装置を含む)321は、基地局(スレーブ装置を含む)322との間で、周波数fの変調波を用いて送受信データ331の送受信を行う。交換局321は、基地局323との間で、周波数fの変調波を用いて送受信データ332の送受信を行う。交換局321は、基地局324との間で、周波数fの変調波を用いて送受信データ333の送受信を行う。
【0037】
このような回り込みによる干渉は、例えば図6において、交換局301に接続されているマスター装置302と第1の基地局304に接続されているスレーブ装置303と、交換局301に接続されているマスター装置307と第2の基地局305に接続されているスレーブ装置306との間で、データの送受信を異なる変調方式で行う場合にも発生する。
図8は、2つのリンクにおいて下りの変調方式と上りの変調方式が異なっている場合の下りの通信帯域と上りの通信帯域の例を説明する図である。図8(a)は、第1のリンクにおける下りの通信帯域と上りの通信帯域である。図8(b)は、第2のリンクにおける下りの通信帯域と上りの通信帯域である。図8(a)及び図8(b)において、各波形がハイレベルの区間は下りの通信帯域を表し、各波形がローレベルの区間は上りの通信帯域を表している。また、図8(a)及び図8(b)において、横軸は時刻を表している。
図8(a)に示した例では、下りの変調方式がQPSK、上りの変調方式が64QAMである。図8(b)は、下りの変調方式が64QAM、上りの変調方式がQPSKである。
図8(a)に示すように、第1のリンクでは、下りの通信帯域が時刻t0〜時刻t22であり、上りの通信帯域が時刻t22〜時刻t23である。図8(b)に示すように、第2のリンクでは、下りの通信帯域が時刻t0〜時刻t21であり、上りの通信帯域が時刻t21〜時刻t23である。
この場合、時刻t0〜時刻t21の期間、第1のリンク及び第2のリンクは、ともに下りの通信が行われている。次に、時刻t21〜時刻t22の期間、第1のリンクでは下りの通信が行われ、第2のリンクでは、上りの通信が行われている。次に、時刻t22〜時刻t23の期間、第1のリンク及び第2のリンクは、ともに上りの通信が行われている。
交換局に接続されているマスター10と基地局に接続されているスレーブ20とがスター状に接続されている場合、この時刻t21〜時刻t22の期間、第1のリンクと第2のリンクとの間で、送信データによる干渉が生じる。モード1では、マスター10とスレーブ20とがスター状に接続されている場合に、このような干渉が生じる場合もある。マスター10とスレーブ20とがスター状に接続されている状態とは、中心となるマスター10を介してスレーブ20である端末が相互に接続されている状態である。
【0038】
次に、割当部105が行うモード1の場合の割り当て処理を説明する。図9は、本実施形態に係るモード1の場合の割り当て処理のフローチャートである。
(ステップS1)データ伝送システム1の管理者が、上下のビットレートの比を設定する。なお、管理者は、下りの通信に用いる帯域の割合のみを設定するようにしてもよい。あるいは、管理者は、上りの通信に用いる帯域の割合のみを設定するようにしてもよい。
(ステップS2)次に、割当部105は、対向機器40から受信した下りデータ量情報、及びTDD−TDM/TDMA制御回路108が出力した上りデータ量情報に基づき、記憶部106に記憶されているMACフレーム数とシンボル数との関係(図2(a))を用いて、ステップS1で算出したビットレートの比をシンボルレートの比に換算する。
(ステップS3)次に、割当部105は、1無線フレーム周期のシンボル数と、ステップS2で換算したシンボルレートの比を用いて、上りの通信で送信可能なシンボル数と、下りの通信で送信可能なシンボル数とを、各々算出する。
(ステップS4)次に、割当部105は、ステップS3で算出した上りの通信で送信可能なシンボル数に基づいて、記憶部106に記憶されているシンボル数と送信可能なMACフレーム数との関係(図2(b))を用いて、上りの通信で送信可能なMACフレーム数を算出する。また、割当部105は、ステップS3で算出した下りの通信で送信可能なシンボル数に基づいて、記憶部106に記憶されているシンボル数と送信可能なMACフレーム数との関係(図2(b))を用いて、下りの通信で送信可能なMACフレーム数を算出する。
(ステップS5)次に、割当部105は、ステップS4において余剰シンボルがあるか否か判別する。割当部105は、余剰シンボルがあると判別した場合、その余剰シンボルを上りの通信又は下りの通信に割り当て可能か否か判別する。割当部105は、割り当て可能であると判別した場合、余剰シンボルを上りの通信又は下りの通信に再割り当てる。
以上で、モード1の場合の割り当て処理を終了する。
【0039】
次に、具体的なモード1の場合の割り当て処理の例を説明する。図10は、具体例の前提条件を説明する図である。
図10に示しように、以下の具体例において、1無線フレーム周期のシンボル数は、2000シンボルである。また、この1無線フレーム周期には、複数のMACフレームが含まれている。そして、このMACフレームに含まれるシンボル数は、変調方式により異なる。以下の説明では、下りの変調方式が第1変調方式であり、上りの変調方式が第2変調方式であるとする。また、以下の説明では、第1変調方式の場合、1個のMACフレームに含まれるシンボル数は、100シンボルであり、第2変調方式の場合、1個のMACフレームに含まれるシンボル数は、200シンボルである。これらの、変調方式とシンボル数との関係は、記憶部106に記憶されている。また、以下の説明では、第1変調方式は、例えば16QAMであり、第2変調方式は、QPSKである。
また、以下の具体例では、データ伝送システム1の管理者が、上下のビットレートの比を、下り:上り=70:30に設定(図9、ステップS1)した場合について説明する。
【0040】
まず、割当部105は、下りの通信で一つのMACフレームに含まれるシンボル数(100シンボル)、上りの通信で一つのMACフレームに含まれるシンボル数(200シンボル)、ビットレートの比(70:30)から、次式(1)のようにビットレートの比をシンボルレートの比に換算する(図9、ステップS2)。
【0041】
下り:上り=70×100:30×200=7:6 ・・・(1)
【0042】
次に、割当部105は、1無線フレーム周期におけるシンボル数(2000シンボル)を用いて、上りの通信で送信可能なシンボル数を次式(2)のように算出し、下りの通信で送信可能なシンボル数を次式(3)のように算出する(図9、ステップS3)。
【0043】
下り 2000×7/(7+6)=約1100(シンボル) …(2)
【0044】
上り 2000×6/(7+6)=約900(シンボル) …(3)
【0045】
次に、割当部105は、記憶部106に記憶されている情報を用いて、上りの通信及び下りの通信において送信可能なMACフレーム数を、次式(4)、次式(5)のように算出する(図9、ステップS4)。
【0046】
下り 1100/100=11(個) …(4)
【0047】
上り 900/200=4(個)、余り100シンボル …(5)
【0048】
次に、割当部105は、ステップS4で算出した余剰の100シンボルが、下りの通信に割り当て可能であると判別し、余剰の100シンボルを下りの通信に割り当てる(図9、ステップS4)。この結果、割当部105は、下りの通信にMACフレーム数として12(=11+1)個を割り当て、上りの通信にMACフレーム数として4個を割り当てる。
【0049】
次に、割当部105が行うモード2の場合の割り当て処理を、図9を用いて説明する。
(ステップS1)データ伝送システム1の管理者が、上下のビットレートの比(実質はシンボルレートの比)を設定する。モード2の処理では、ステップS2を行わず、次にステップS3に進む。
(ステップS3)次に、割当部105は、1無線フレーム周期のシンボル数と、ステップS1で管理者が設定した上下のビットレートの比をシンボルレートの比の代わりに用いて、上りの通信で送信可能なシンボル数と、下りの通信で送信可能なシンボル数とを、各々算出する。
(ステップS4、S5)割当部105は、ステップS4とS5を、モード1の場合と同様に行う。ただし、モード2の場合は余剰シンボル数の再割り当てを行わない。
以上で、モード2の場合の割り当て処理を終了する。
【0050】
次に、具体的なモード2の場合の割り当て処理の例を説明する。
以下の具体例では、データ伝送システム1の管理者が、下りの通信と上りの通信との比を、70:30に設定(図9、ステップS1)した場合について説明する。
次に、割当部105は、1無線フレーム周期におけるシンボル数(2000シンボル)を用いて、上りの通信で送信可能なシンボル数を次式(6)のように算出し、下りの通信で送信可能なシンボル数を次式(7)のように算出する(図9、ステップS3)。
【0051】
下り 2000×7/(7+3)=約1400(シンボル) …(7)
【0052】
上り 2000×3/(7+3)=約600(シンボル) …(8)
【0053】
次に、割当部105は、記憶部106に記憶されている情報を用いて、上りの通信及び下りの通信において送信可能なMACフレーム数を、次式(9)、次式(10)のように算出する(図9、ステップS4)。
【0054】
下り 1400/100=14(個) …(9)
【0055】
上り 600/200=3(個) …(10)
【0056】
割当部105は、下りの通信にMACフレーム数として14個を割り当て、上りの通信にMACフレーム数として3個を割り当てる(ステップS5)。
【0057】
以上のように、本発明のデータ伝送システム1は、データ伝送システム1の管理者が選択した通信のモード(モード1、モード2)に応じて、上りの通信と下りの通信とに割り当てるデータを割り当てるようにした。このため、本発明のデータ伝送システム1は、データ伝送システム1が運用されている環境に応じて、データ伝送システム1の管理者が、より適切に上りの通信と下りの通信とに割り当てる割当方式であるモードを選択することができるので、管理者の使い方に応じた運用が可能になり、管理者のニーズを満たすことができる。従って、本発明のデータ伝送システム1は、管理者にとって利便性が向上する。
特に、管理者が、モード1を選択した場合、上りの通信における転送速度、及び下りの通信における転送速度を把握しやすくなるので、本発明のデータ伝送システム1は、管理者にとって利便性が向上する。また、本発明のデータ伝送システム1は、同じ変調周波数を用いているので、周波数毎のライセンス取得にかかるコストを削減できる効果がある。
【0058】
なお、本実施形態では、第1の通信モードと第2の通信モードを、管理者が入力部(不図示)から設定した上りの通信と下りの通信との割合を示す情報に基づいて、第1の通信モードと第2の通信モードを切り替える例を説明したが、割当部105が通信品質に応じて自動的に切り替えるようにしてもよい。
図6を用いて、一例を説明する。まず、交換局301に接続されているマスター装置302は、基地局304に接続されているスレーブ装置303との間のみでデータの送受信を行う。なお、この場合に送受信するデータは、例えば、無線通信機器が受信する信号の強度を測定するための信号であるRSSI(受信信号強度)信号であってもよい。交換局301に接続されているマスター装置302は、基地局304に接続されているスレーブ装置303とのデータの送受信を行っている期間、基地局305に接続されているスレーブ装置306へデータを送信しないように指示を予め送信しておく。交換局301に接続されているマスター装置302の割当部105は、基地局304に接続されているスレーブ装置303との間のみでデータの送受信を行ったときの第1のCN比(搬送波対雑音比)を測定する。
次に、交換局301に接続されているマスター装置302は、基地局304に接続されているスレーブ装置303及び基地局305に接続されているスレーブ装置306と間でデータの送受信を行う。交換局301に接続されているマスター装置302の割当部105は、データの送受信を行ったときの第2のCN比(搬送波対雑音比)を測定する。第2のCN比には、基地局304に接続されているスレーブ装置303と基地局305に接続されているスレーブ装置306との間における回り込みによる干渉の影響が含まれている。このため、割当部105は、測定した第1のCN比と第2のCN比とを比較し、比較した結果に基づいて干渉の影響が所定の大きさより大きいか否かを判別する。そして、割当部105は、干渉の影響が所定の閾値より大きいと判別した場合、モード1に切り替え、干渉の影響が所定の閾値より小さいと判別した場合、モード2に切り替えるようにしてもよい。
また、本実施形態では、割当部105が、下りの通信方式と上りの通信方式を各データから抽出する例を説明したが、これに限られない。下りの通信方式と上りの通信方式は、予め定めておき、記憶部106に記憶させておくようにしてもよい。
【0059】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、各実施形態における図1に示したうち、機能の全て、もしくは機能の一部を、図示しないCPU(中央演算装置)に接続されたROM(Read Only Memory)等に保存されているプログラムにより実行することも可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…データ伝送システム、10…マスター、20…スレーブ、30…ネットワーク、40…対向機器、50…端末、101…通信インタフェース回路、102…下り送信バッファ、103…計測部、104…切替部、105…割当部、106…記憶部、107…監視部、108…TDD−TDM/TDMA制御回路、109…上り受信バッファ、201…通信インタフェース回路、202…上り送信バッファ、203…TDD−TDM/TDMA制御回路、204…下り受信バッファ、205…監視部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10