(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨に逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置又は画像処理装置としての複合機100の装置構成を説明する機能ブロック図である。複合機100は、原稿を読み取ることで生成した画像データに基く画像を記録媒体たる用紙に印刷することが可能な装置である。
【0013】
このような複合機100は、画像データ取得部としての読み取り部101と、記憶部102と、印刷部103と、制御部104と、操作部105とを備える。
【0014】
読み取り部101は、少なくとも、原稿に光を照射する光源と、原稿により反射された光を集光するレンズと、レンズで集光された光を受光し、受光した光を電気信号である画像データに変換するCCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子とを有し、原稿上のページ画像を読み取り、読み取ったページ画像に基づく画像データを生成する。また、読み取り部101は、両面ADFを備え、複数枚の原稿を自動的に給紙し、原稿両面を読み取ることが可能となるように構成されている。また、読み取り部101は、N−UPと呼ばれるNページ分の画像が用紙面に集約された原稿を読み取り、元のNページ分の画像データを生成する機能を備える。読み取り部101により生成された画像データは、制御部104による指示に基き記憶部102に格納される。
【0015】
記憶部102は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)といった記憶装置を備え、読み取り部101により生成された画像データを格納する。
【0016】
印刷部103は、例えば、電子写真方式の印刷エンジンを備え、制御部104による指示により、画像データに基くページ画像を用紙上に印刷出力する。
【0017】
制御部104は、読み取り部101における原稿の読み取り処理、画像データの編集処理、印刷部103における印刷処理、操作部105における操作処理等を統括的に制御する。制御部104としては、図示せぬCPU(Central Processing Unit)によって動作するプログラムでもよく、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデジタル回路、或いはこれらの組み合わせによって構成してもよい。
【0018】
操作部105は、複合機100の装置状態や後述する確認画像表示画面としてのプレビュー画面を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)といった表示部1051と、処理開始の入力や、プレビュー画面を介した画像データの印刷出力のための編集処理の入力を受け付けるタッチパネル、操作ボタン、テンキーといった入力部1052とを備える。
【0019】
図2は、本実施形態において、操作部105の表示部1051が表示するプレビュー画面200の例を説明する図である。なお、ここで説明するプレビュー画面200は、
図3に示す原稿例のように、原稿片面のそれぞれに2ページ分の画像が集約された2−UPの原稿500,501,502(500〜502)を読み取り部101が読み取ることで生成した画像データを元に表示部1051が表示するプレビュー画面である。
【0020】
プレビュー画面200は、処理選択部としての並べ替えボタン201と、削除ボタン202と、回転ボタン203と、回転ボタン204と、出力開始ボタン205と、プレビュー画像210,211,212,213,214,215,216,217(210〜217)と、用紙毎の選択ボタン220,221と、ページ毎の選択ボタン230,231,232,233,234,235,236,237(230〜237)と、スクロールボタン240,241とを備え、ユーザは、プレビュー画像210〜217を見ながら、画像データの並べ替え、削除、回転といった編集操作を行うことができる。
【0021】
並べ替えボタン201は、選択されたプレビュー画像の並べ替え操作を受け付ける。ユーザにより並べ替えボタン201が押下されると、操作部105は選択されたプレビュー画像の並べ替え操作が指示された旨を制御部104に通知する。通知を受けた制御部104は、プレビュー画面200における選択状態のプレビュー画像を移動させるとともに、記憶部102に格納されている選択状態のプレビュー画像に対応する画像データも移動させる。そして、制御部104はプレビュー画像の移動結果を操作部105に通知し、表示部1051はプレビュー画面200にプレビュー画像の移動結果を表示する。
【0022】
削除ボタン202は、選択されたページ画像の削除操作を受け付ける。ユーザにより削除ボタン202が押下されると、操作部105は選択されたページ画像の削除操作が指示された旨を制御部104に通知する。通知を受けた制御部104は、プレビュー画面200における選択状態のプレビュー画像を削除させるとともに、記憶部102に格納されている選択状態のプレビュー画像に対応する画像データも削除させる。そして、制御部104はページの削除結果を操作部105に通知し、表示部1051はプレビュー画面200にページの削除結果を表示する。
【0023】
回転ボタン203は、選択されたプレビュー画像の回転操作を受け付ける。ユーザにより回転ボタン203が押下されると、操作部105は選択されたプレビュー画像の回転操作が指示された旨を制御部104に通知する。通知を受けた制御部104は、プレビュー画面200における選択状態のプレビュー画像を時計回りに90度回転させるとともに、記憶部102に格納されている選択状態のプレビュー画像に対応する画像データも回転させる。そして、制御部104はプレビュー画像の回転結果を操作部105に通知し、表示部105はプレビュー画面200にページの回転結果を表示する。
【0024】
回転ボタン204は、選択されたプレビュー画像の回転操作を受け付ける。ユーザにより回転ボタン204が押下されると、操作部105は選択されたプレビュー画像の回転操作が指示された旨を制御部104に通知する。通知を受けた制御部104は、プレビュー画面200における選択状態のプレビュー画像を反時計回りに90度回転させるとともに、記憶部102に格納されている選択状態のプレビュー画像に対応する画像データも回転させる。そして、制御部104はプレビュー画像の回転結果を操作部105に通知し、表示部105はプレビュー画面200にページの回転結果を表示する。
【0025】
上記の並べ替えボタン201、削除ボタン202、回転ボタン203、及び回転ボタン204は、選択状態のプレビュー画像が存在しない状態では、その操作を受け付けない。
【0026】
出力開始ボタン205は、プレビュー表示されているプレビュー画像全体の印刷出力開始操作を受け付ける。ユーザにより出力開始ボタン205が押下されると、操作部105は、プレビュー表示されている編集後のプレビュー画像全体の印刷出力が指示された旨を制御部104に通知し、通知を受けた制御部104は、印刷部103に印刷出力の指示を与える。指示を受けた印刷部103は、編集後のプレビュー画像に対応するページ画像を用紙上に印刷出力する。
【0027】
プレビュー画像210〜217は、読み取り部101が、
図3に示す原稿500〜502の両面を読み取ることで生成した画像データを縮小したサムネイルであり、読み取られた順に
図2中左側から並べられて表示されている。プレビュー画像210〜217は、並べ替え、削除、回転といった編集操作に応じて、印刷出力と同じ状態に変更される。
【0028】
用紙毎の選択ボタン220,221は、一枚の原稿から読み取られて生成した画像データに対応するプレビュー画像をまとめて選択する操作を受け付ける。例えば、用紙毎の選択ボタン220が押下されると、
図3に示した1枚目の原稿500の表面500aと裏面500bとを読み取ることで生成した画像データに対応するプレビュー画像210,211,212,213がまとめて選択される。同様に、用紙毎の選択ボタン221が押下されると、
図3に示した2枚目の原稿501の表面501aと裏面501bとを読み取ることで生成した画像データに対応するプレビュー画像214,215,216,217がまとめて選択される。
【0029】
図2に示すプレビュー画面200の例においては、両面にページ画像が形成された2−UPの原稿を1枚読込むことで計4つの画像データが生成され、これに基くプレビュー画像(サムネイル)が4つ生成される。本実施形態に係る用紙毎の選択ボタンは、生成されたプレビュー画像の数、すなわち、原稿1枚分に集約されたページ画像の総数に応じて選択範囲が可変するように構成されている。制御部104は、原稿がN−UPの両面印刷の場合、N×2(ページ)分の選択範囲を決定し、当該選択範囲をカバーするボタン幅で用紙毎の選択ボタンを表示するよう操作部105に指示を与える。指示を受けた表示部1051は、
図2に示す例のように、用紙毎の選択ボタン220,221を表示する。
【0030】
同様に、制御部104は、原稿がN−UPの片面印刷の場合、N×1(ページ)分の選択範囲を決定し、当該選択範囲をカバーするボタン幅で用紙毎の選択ボタンを表示するよう操作部105に指示を与える。
図4(a)に示すプレビュー画面200は、
図4(b)に示す片面にのみページ画像が形成された2−UPの原稿503,504,505,506を読み取ることで生成したプレビュー画像414,415,416、417,418,419,420,421が表示された例である。制御部104は、N×1(ページ)分の選択範囲を決定し、当該選択範囲をカバーするボタン幅で用紙毎の選択ボタンを表示するよう操作部105に指示を与える。指示を受けた表示部1051は、
図4(a)に示す例のように、用紙毎の選択ボタン250,251,252,253を表示する。
【0031】
再び、
図2に戻り、ページ毎の選択ボタン230〜237は、プレビュー画像の個別選択操作を受け付ける。ユーザによりページ毎の選択ボタン230〜237の何れかが押下されると、操作部105はプレビュー画像の個別選択操作が指示された旨を制御部104に通知し、通知を受けた制御部104は、選択された選択ボタン230〜237のそれぞれのボタン上部に対応して配置されたプレビュー画像210〜217のそれぞれを選択状態にする。そして、制御部104は選択結果を操作部105に通知し、表示部1051はプレビュー画面200にプレビュー画像毎の選択結果を表示する。
【0032】
スクロールボタン240,241は、プレビュー画像210〜217全体をスクロールさせ、プレビュー画面200に表示しきれずに隠れているプレビュー画像210〜217以外の前後のプレビュー画像を表示させるスクロール操作を受け付ける。ユーザによりスクロールボタン240,241が押下されると、操作部105はスクロール操作が指示された旨を制御部104に通知し、通知を受けた制御部104は、プレビュー画面200に表示しきれずに隠れている前後のプレビュー画像を表示するよう操作部105に指示を与える。指示を受けた表示部1051は、プレビュー画像210〜217をスクロールし、隠れている前後のプレビュー画像を表示する。
【0033】
次に、複合機100が原稿を読み取り、プレビュー画面にてユーザによる編集操作を受け付け、編集後のページ画像全体を用紙上に印刷出力する動作について
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0034】
まず、
図5のステップS101において、操作部105を介して原稿の読み取り開始要求を受けると、制御部104は、読み取り部101に原稿の読み取り指示を与える。指示を受けた読み取り部101は、画像形成に関する設定情報としての読取設定値に基き両面ADF上の原稿束を読み取る。ここで、読取設定値とは、読み取り部101が原稿を読み取る際に、操作部105の入力部1052を介して入力設定される、原稿の読み取り面(両面/片面)に関する設定値、用紙片面に集約されたページ数であるN−UPに関する設定値、読み取り対象の原稿枚数の値をいうものとする。なお、読取設定値は、操作部105の入力部1052を介して入力されるものとして説明したが、両面ADFが備えるOCR(Optical Character Recognition)による自動認識機構を用い読み取った原稿の様式から取得する形態としてもかまわない。読み取り部101により生成された画像データは、制御部104による指示に基き記憶部102に格納される。
【0035】
そして、制御部104は、読取設定値及び記憶部102に格納された画像データに基き、操作部105の表示部1051を介してプレビュー画面を表示させる。
【0036】
次に、制御部104は、表示部1051に表示されたプレビュー画面200を介してページ画像全体に対する編集操作と、印刷出力開始指示を受け付ける(ステップS102)。
【0037】
ステップS103において、制御部104は、印刷出力開始指示を受け付けると、印刷部103に印刷出力の指示を与える。指示を受けた印刷部103は、編集後のプレビュー画像に対応するページ画像を用紙上に印刷出力する。
【0038】
ここで、
図5のステップS101におけるプレビュー画面の表示処理について
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
まず、ステップS201において、制御部104は、読み取り部101が読み取る原稿に対して設定された読取設定値を取得する。
【0040】
次に、制御部104は、取得した読取設定値に基き、プレビュー画面における用紙毎の選択ボタンの選択範囲を決定する。すなわち、制御部104は、原稿がN−UPの両面印刷の場合、N×2(ページ)分の選択範囲を決定し、原稿がN−UPの片面印刷の場合、N×1(ページ)分の選択範囲を決定する(ステップS202)。
【0041】
そして、制御部104は、
図2に示したようなプレビュー画面を作成し、操作部105の表示部1051を介して表示させる(ステップS203)。
【0042】
ここで、
図3で示した1枚目と2枚目との原稿が入れ替わった原稿500,501,502(500〜502)が読み取られることで作成されたプレビュー画面200を介し、原稿の入れ替わりが修正された後、印刷出力が行われる場合の例について説明する。
【0043】
読み取り部101により原稿500〜502が読み取られることで作成されたプレビュー画面200において、用紙毎の選択ボタン220がユーザにより押下されると、制御部104は、1枚目の原稿500の表面500aと裏面500bとが読み取られることで生成したプレビュー画像210,211,212,213がまとめて選択された状態を表す枠310を有するプレビュー画面300に表示を切り替える(
図7)。これにより、プレビュー画像が選択状態となったため、プレビュー画面300上の並べ替えボタン301、削除ボタン302、回転ボタン303、及び回転ボタン304は操作を受け付けることが可能となる。
【0044】
ここで、ユーザにより、並べ替えボタン301が押下されると、操作部105は選択されたプレビュー画像の並べ替え操作が指示された旨を制御部104に通知する。通知を受けた制御部104は、
図8に示す移動先選択画面400に表示を切り替える。移動先選択画面400において、ユーザは、プレビュー画面300で選択したプレビュー画像の移動先を移動先選択ボタン420,421,422,423,424,425,426,428を用いて選択する。なお、移動先選択ボタン420,424,428は、同一原稿からなるページ画像の境界を強調するため、ボタン枠が太枠で表示されている。
【0045】
そして、ユーザにより、移動先選択ボタン424が選択されると、制御部104は、
図7の枠300で囲まれて表示された選択状態のページであるプレビュー画像210,211,212,213を移動先選択ボタン424が表すプレビュー画像217と原稿502を読み取ることで生成したプレビュー画像410,411,412,413の先頭プレビュー画像410との間に移動させるとともに、対応する記憶部102内の画像データも入れ替える。
【0046】
最後に、出力開始ボタン205がユーザにより押下されると、制御部104は、プレビュー画面300を用いての編集を反映させた状態で、印刷部103に印刷出力の指示を与える。指示を受けた印刷部103は、
図9に示すように、順番が修正された印刷出力600,601,602,603,604,605,606,607,608,609,610,611を用紙上に印刷出力する。
【0047】
以上のように、本実施形態によれば、1枚の原稿に集約されたページに対応するプレビュー画像を一括選択することで、入力原稿のページ入れ替えや回転といった操作をより少ない手順で行うことが可能となる。
【0048】
本発明の実施形態の説明において、印刷出力を行う装置を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図10に示すように、実施形態でにおいて説明した、複合機100の印刷部103に替えてFAX通信、Eメール送信、ファイルサーバに保存といった出力手段を有する出力部110を備えた情報処理装置としての複合機100'等にも適用可能である。
【0049】
また、本発明の実施形態の説明において、画像データを取得する画像データ取得部としてスキャナ等の読み取り部を備えた装置を例としたが、本発明はこれに限定されるものではない。画像データ取得部として、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブル等の電気信号線を介して外部端末から送信された画像データを受信する受信手段や、USBメモリ等の外部メモリ(可搬性記憶媒体)に格納された画像データを取得する外部メモリ接続手段といった他の画像データ取得手段を備えた情報処理装置等にも本発明は適用可能である。