特許第6198054号(P6198054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6198054
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】切断工具
(51)【国際特許分類】
   B27B 19/09 20060101AFI20170911BHJP
   B23D 49/16 20060101ALI20170911BHJP
   B23D 51/02 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   B27B19/09
   B23D49/16
   B23D51/02
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-206719(P2013-206719)
(22)【出願日】2013年10月1日
(65)【公開番号】特開2015-71228(P2015-71228A)
(43)【公開日】2015年4月16日
【審査請求日】2016年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094983
【弁理士】
【氏名又は名称】北澤 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095946
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100099829
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 朗子
(72)【発明者】
【氏名】寺島 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】岩田 悟知
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04213242(US,A)
【文献】 特開2011−115912(JP,A)
【文献】 特開2010−083037(JP,A)
【文献】 米国特許第03303861(US,A)
【文献】 実開平06−042103(JP,U)
【文献】 特開2006−026886(JP,A)
【文献】 特開2005−324551(JP,A)
【文献】 特開2007−021681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27B 19/09
B23D 49/16
B23D 51/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに収容されるモータと、
先端部にブレードを装着可能であり、前記モータにより駆動され往復動するプランジャと、
前記ハウジングに取付けられ、前記ハウジングと共に被切断材上を移動するように設けられたベースと、
樹脂にて形成され、前記ベースに係止する爪部を有し、前記ベースの反ハウジング側のベース面に位置するように前記ベースに着脱可能であり、切断方向において前記ベース面より短く形成されるプレートと、を有し、
前記プレートを前記ベースに装着することにより、前記ブレードによる曲線切りを可能とすることを特徴とする切断工具。
【請求項2】
前記ハウジングを上側、前記ベースを下側としたとき、前記プレートの切断方向後端は、工具本体の重心位置の下方近傍に位置することを特徴とする請求項1記載の切断工具。
【請求項3】
前記爪部は、前記プレートの切断方向前端に設けられ、前記ベースの切断方向前端に係止して、前記プレートを前記ベースに対して着脱可能に固定することを特徴とする請求項1若しくは2に記載の切断工具。
【請求項4】
前記爪部は、前記プレートの切断方向後端部に設けられ、前記ベースの側面に係止して、前記プレートを前記ベースに対して着脱可能に固定することを特徴とする請求項1若しくは2に記載の切断工具。
【請求項5】
前記ベースの前記側面には前記爪部が係合する溝部が形成されることを特徴とする請求項記載の切断工具。
【請求項6】
前記プレートは、ねじにより前記ベースに固定されることを特徴とする請求項1若しくは2に記載の切断工具。
【請求項7】
前記ベースには前記ブレードを挿通させるための挿通部が切断方向前方に開口した略コ字状に形成され、前記プレートは、前記ベース面の切断方向前側部分を覆うべく略コ字状に形成されることを特徴とする請求項1記載の切断工具。
【請求項8】
前記プレートは、プレート本体と、前記プレート本体に対し切断方向において後方へ突出可能、前記プレート本体内に後退可能な1対の突出部と、を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の切断工具。
【請求項9】
前記ベースは、鋼材にて形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の切断工具。
【請求項10】
前記プレートの前記被切断材との当接面には、低摩擦剤が塗布されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の切断工具。
【請求項11】
前記プレートの切断方向前端に、滑り止め部を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の切断工具。
【請求項12】
ハウジングと、
前記ハウジングに収容されるモータと、
先端部にブレードを装着可能であり、前記モータにより駆動され往復動するプランジャと、
前記ハウジングに取付けられ、前記ハウジングと共に被切断材上を移動するように設けられたベースと、
前記ベースの反ハウジング側のベース面に位置するように前記ベースに着脱可能であり、切断方向において前記ベース面より短く形成されるプレートと、を有し、
前記プレートは、プレート本体と、前記プレート本体に対し前記切断方向において後方へ突出可能、前記プレート本体内に後退可能な1対の突出部と、を有することを特徴とする切断工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は切断工具に関し、特にブレードの往復動により被切断材を切断する切断工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動源としてのモータの回転運動をブレードの往復運動に変換して切断作業を行うジグソー等の切断工具が知られている。この種の切断工具は、本体に取り付けられたベースを被切断材に当接させた状態で、本体を移動させながら、往復動するブレードにより被切断材の切断を行う(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4525532号公報
【0004】
図19は、従来のジグソーの外観を示す側面図である。ジグソー400は、ハウジング401の内部に図示せぬモータを内蔵し、該モータの回転運動をブレード402の往復運動に変換する。また、ジグソー400には、ハンドル403が上部に形成されるとともに、モータの駆動をオンオフするトリガ404がハンドル403の下部に設けられる。更に、ハウジング401の下方にベース405が取り付けられる。作業者は、ハンドル403を把持して、ベース405の底面を被切断材に当接させた状態で、本体を切断方向に押して、上下動するブレード402により被切断材を切断させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したジグソー400によりベニヤ板等の撓み易い被切断材を切断する場合、ブレード402の後方に位置する被切断材の切断済部分にベース405を介してジグソー400本体の重みがかかり、被切断材が撓むことがある。例えば、直線に沿って被切断材を切断する直線切りを行う場合、左右の切断済部分には略均等に重みがかかり、同程度の撓みが発生する。これに対し、曲線に沿って被切断材を切断する曲線切りを行う場合、切断済部分にかかる重みには、左右で差が生じることとなり、片側が大きく撓む結果、切断部に段差が生じることがある。
【0006】
図20は、従来のジグソーのベース及び被切断材の断面図であり、ベース405の後方部分の断面が示されている。図20では、ベース405が被切断材の左側の切断済部分500A上に載置されているため、ジグソー400本体の重みは、ベース405を介して左側の切断済部分500Aにのみかかる。その結果、被切断材の左側の切断済部分500Aと右側の切断済部分500Bとの間の切断部500Cには、段差δ1が生じている。この状態で、更に反時計回りに曲がる曲線に沿って被切断材を曲線切りする場合、作業者は、切断方向に合わせてジグソー400の前方を左に向ける。このとき、ジグソー400は後方を右に振ることとなるが、ベース405の後方部分が切断部500Cの段差δ1に接触し引っ掛かってしまう。そのため、作業者は、ジグソー400の後方を持ち上げて段差を乗り越えさせなければならないという問題があった。
【0007】
したがって、撓み易い被切断材を曲線切りする際に切断部に段差が生じた場合も、円滑に切断作業が可能な切断工具が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る切断工具は、ハウジングと、ハウジングに収容されるモータと、先端部にブレードを装着可能であり、モータにより駆動され往復動するプランジャと、記ハウジングに取付けられ、ハウジングと共に被切断材上を移動するように設けられたベースと、樹脂にて形成され 、ベースに係止する爪部を有し、ベースの反ハウジング側のベース面に位置するようにベースに着脱可能であり、切断方向においてベース面より短く形成されるプレートと、を有し、プレートをベースに装着することにより、ブレードによる曲線切りを可能とすることを特徴とする。
また、本発明に係る切断工具は、ハウジングと、ハウジングに収容されるモータと、先端部にブレードを装着可能であり、モータにより駆動され往復動するプランジャと、ハウジングに取付けられ、ハウジングと共に被切断材上を移動するように設けられたベースと、ベースの反ハウジング側のベース面に位置するようにベースに着脱可能であり、切断方向においてベース面より短く形成されるプレートと、を有し、プレートは、プレート本体と、プレート本体に対し切断方向において後方へ突出可能、プレート本体内に後退可能な1対の突出部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る切断工具は、ハウジングと、ハウジングに収容されるモータと、先端部にブレードを装着可能であり、モータにより駆動され往復動するプランジャと、ハウジングに取付けられ、ハウジングと共に被切断材上を移動するように設けられたベースと、ベースの反ハウジング側のベース面に位置するようにベースに着脱可能であり、切断方向においてベース面より短く形成されるプレートを有することを特徴とする。
【0009】
かかる構成によれば、ベースにプレートを装着して切断作業を行うことにより、被切断材とベース面との間にプレートの厚みに相当する隙間を生じさせることができる。したがって、撓み易い被切断材を曲線切りする際に切断部に段差が生じた場合も、ベースが段差に接触することなく本体の方向転換が可能となるので、作業者が工具本体を持ち上げて方向転換する等の煩わしい作業が不要となり、作業性が向上される。
【0010】
また、ハウジングを上側、ベースを下側としたとき、プレートの切断方向後端は、工具本体の重心位置の下方近傍に位置することが好ましい。
【0011】
かかる構成によれば、重心位置下方に位置するプレートを介して工具本体の重みを被切断材に付加可能となるので、ベースにプレートを装着して切断作業を行う際も、工具本体の姿勢が安定し、操作性を損なうことなく正確な位置決めが可能となる。
【0012】
プレートは、ベースに係止する爪部を有することが好ましい。
【0013】
かかる構成によれば、ベースに対してプレートの位置を固定可能となるとともに、ベースへのプレートの着脱が簡易となるので、被切断材の種類や作業内容に応じてプレートを容易に着脱可能となるので、利便性が向上される。
【0014】
爪部は、プレートの切断方向前端に設けられ、ベースの切断方向前端に係止して、プレートをベースに対して着脱可能に固定することが好ましい。
【0015】
かかる構成によれば、切断作業中にプレートが被切断材上を移動する際も、ベースに対してプレートの位置が確実に固定されるとともに、爪部が被切断材に接触することがないので、工具本体を滑らかに移動させて円滑な切断作業が可能となる。
【0016】
また、爪部は、プレートの切断方向後端部に設けられ、ベースの側面に係止して、プレートをベースに対して着脱可能に固定することが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、切断作業中にプレートが被切断材上を移動する際も、ベースに対してプレートの位置が確実に固定されるとともに、爪部が被切断材に接触することがないので、工具本体を滑らかに移動させて円滑な切断作業が可能となる。
【0018】
更に、ベースの側面には爪部が係合する溝部が形成されることが好ましい。
【0019】
かかる構成によれば、爪部がベース側面から突出しないので、切断作業中にプレートが被切断材上を移動する際も、被切断材に接触することなく滑らかな移動が可能となる。
【0020】
また、プレートは、ねじによりベースに固定されることが好ましい。
【0021】
かかる構成によれば、プレートに爪部を設けずとも、プレートをベースに対して確実に固定可能となる。
【0022】
ベースにはブレードを挿通させるための挿通部が切断方向前方に開口した略コ字状に形成され、プレートは、ベース面に切断方向前側部分を覆うべく略コ字状に形成されることが好ましい。
【0023】
かかる構成によれば、ブレードの往復動を干渉することなく、工具本体の姿勢を安定させることができる。
【0024】
プレートは、プレート本体と、プレート本体に対し切断方向において後方へ突出可能、プレート本体内に後退可能な1対の突出部と、を有することが好ましい。
【0025】
かかる構成によれば、直線切りの際には突出部を突出させて工具本体の姿勢の安定を図り、曲線切りの際には突出部を後退させてベース後方の被切断材との接触を抑止可能となる。したがって、プレートを着脱せずとも、ベースにプレートを装着したまま被切断材の種類や作業内容に応じて突出部を突出及び後退させることにより、操作性や作業性を改善可能となる。
【0026】
ベースは、鋼材にて形成されていることが好ましい。
【0027】
かかる構成によれば、工具本体の姿勢が安定するとともに、被切断材との間の摩擦力が抑制されるので、円滑な切断作業が可能となる。
【0028】
プレートは、樹脂にて形成されていることが好ましい。
【0029】
かかる構成によれば、被切断材上を摺動する際も、被切断材の表面に傷がつき難くなるので、利便性が向上される。
【0030】
また、プレートの被切断材との当接面には、低摩擦剤が塗布されることが好ましい。
【0031】
かかる構成によれば、被切断材との間の摩擦力が低減されるので、円滑な切断作業が可能となる。
【0032】
また、プレートの切断方向前端に、滑り止め部を有することが好ましい。
【0033】
かかる構成によれば、窓抜き作業開始時に、滑り止め部を被切断材上に当接させて、工具本体が固定されるので、正確な位置決めが可能となる。したがって、良好な精度で穴あけが可能となり、更なる操作性や作業性の改善が実現される。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る切断工具によれば、撓み易い被切断材を曲線切りする際も、円滑な切断作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るジグソーの外観を示す側面図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係るジグソーの内部構造を示す中央断面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係るジグソーのプレート装着時におけるベースの底面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態に係るジグソーのプレートの上面図である。
図5】本発明の第1の実施の形態に係るジグソーのプレートの側面図である。
図6】本発明の第1の実施の形態に係るジグソーのプレートの背面図である。
図7】本発明の第1の実施の形態に係るジグソーのスライド部突出時における外観を示す側面図である。
図8】本発明の第1の実施の形態に係るジグソーのスライド部突出時におけるベースの底面図である。
図9図7におけるA−A断面図である。
図10】本発明の実施の形態に係るジグソーによる被切断材の曲線切りを示す説明図である。
図11図10におけるB−B断面図である。
図12】本発明の第1の実施の形態に係るジグソーによる窓抜き作業を示す説明図(その1)である。
図13】本発明の第1の実施の形態に係るジグソーによる窓抜き作業を示す説明図(その2)である。
図14】本発明の第1の実施の形態に係るジグソーによる窓抜き作業を示す説明図(その3)である。
図15】本発明の第2の実施の形態に係るジグソーのベースの底面図である。
図16】本発明の第3の実施の形態に係るジグソーの外観を示す側面図である。
図17】本発明の第3の実施の形態に係るジグソーのプレート装着時におけるベースの底面図である。
図18】本発明の第4の実施の形態に係るジグソーの外観を示す側面図である。
図19】従来のジグソーの外観を示す側面図である。
図20】従来のジグソーのベース及び被切断材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。ここでは、本発明をジグソーに適用した場合を例に、説明を行う。
【0037】
まず、本発明の第1の実施の形態に係るジグソーについて、図1乃至図14に基づき説明する。図1は、第1の実施の形態に係るジグソー1の外観を示す側面図であり、図2は、ジグソー1の内部構造を示す中央断面図である。ジグソー1は、ハウジング2、モータ3、ギヤカバー4、運動変換機構5及びブレード6から主に構成されており、ブレード6により図示せぬ被切断材を切断する切断工具である。以下、モータ3に対して運動変換機構5が設けられている方向を前方向と定義し、逆を後方向と定義する。また、後述のベース41からブレード6が延出している方向を下方向と定義し、逆を上方向と定義する。ブレード6の前側には、被切断材を切断する刃部6Aが設けられており、後から前に向かう方向が切断方向となる。
【0038】
ハウジング2は樹脂等のフレームから構成され、ハウジング2の上部には作業者が把持するためのハンドル21が設けられている。ハウジング2は前方に開口を有し、開口を覆うカバーが設けられている。ハウジング2の内部であってハンドル21の下方の位置には、モータ3が収容されている。また、ハウジング2の内部であって、モータ3に近接する位置には、ギヤカバー4が位置している。ハウジング2の後部には、後方に向けて延出する電源ケーブル26が設けられている。ハンドル21の前部には、作業者が操作するトリガ22Aを有しモータ3への電力供給を制御するトリガスイッチ22が設けられている。
【0039】
モータ3は、前後方向に延びる出力軸31及びファン32を主に備えている。出力軸31の前方向の先端部分には、ピニオンギヤ31Aが設けられている。ファン32は、ピニオンギヤ31Aの後方に設けられ、出力軸31に同軸固定されている。ファン32は、ハウジング2に形成された不図示のファン風導入口からファン風をハウジング2内に導入し、モータ3や運動変換機構5等の冷却を行う。
【0040】
ギヤカバー4の下部には、略長方形に形成されると共にアルミ等の鋼材を基材として構成されたベース41が取り付けられている。また、ギヤカバー4は、運動変換機構5を収容するとともに、モータ3の回転に連動してブレード6を回動させる所謂オービタル動作を実現するためのオービタル機構部9を備えている。
【0041】
ベース41は、長手方向が切断方向と一致するように、ボルト42を介してハウジング2の底面側に固定されている。ベース41の反ハウジング2側には、被切断材と対向するベース面41Aが規定されている。ベース41の前側には、プレート7が設けられる。プレート7は、POM等の樹脂製であり、ベース41のベース面41Aに位置するように、ベース41に着脱可能に配置される。プレート7の前端には、滑り止め部8が設けられる。滑り止め部8は、ベース41及びプレート7よりも摩擦係数が大きく、弾性変形可能な材料により構成される。
【0042】
ここで、図2乃至図9に基づき、ベース41、プレート7及び滑り止め部8の形状について、詳細に説明する。図3は、ベース41にプレート7を装着した場合のベース面41Aを示す図である。ベース41の前部には、ブレード6を挿通させるための挿通部41Bが前方に開口した略コ字状に形成されている。ブレード6は、この挿通部41Bを挿通して下方向に延出する。ベース41の中央部41Cは、図2及び図9に示されるように、中空の略半円柱状に形成され、当該中央部41Cにおいてボルト42を介してハウジング2に固定される。また、図2に示されるように、ベース41の前方に延びる一対の前端部には、それぞれガイド孔41Fが形成されている。ガイド孔41Fは、ベース41の前端部を側面から挿通部41Bへ貫通し、切断方向と直交する方向に図示せぬガイド部材を挿通可能に形成される。
【0043】
プレート7は、厚みδの平板状に形成されたプレート本体7Aを有する。図4図5及び図6は、それぞれ、プレート7の上面図、側面図及び背面図である。プレート本体7Aは、長手方向においてベース41よりも短く、ベース41の前部を覆う略コ字状に形成される。すなわち、プレート7の前部には、ブレード6を挿通させるための挿通部が形成される。また、プレート本体7Aの後端は、図2に示されるように、ジグソー1の重心Gの下方近傍に位置することとなる。
【0044】
プレート7は、プレート本体7Aの前方に延びる一対の前端部にそれぞれ前方爪部7B、7Cを有するとともに、プレート本体7Aの両側面後端にそれぞれ後方爪部7D、7Eを有する。前方爪部7B、7Cは、プレート本体7Aの前端部先端から上方に突出し、更に後方に向けて傾斜する。前方爪部7B、7Cには、ベース41側(後方)に向けて突出する小突起7b、7cが設けられている。プレート7をベース41に取付けた状態において、小突起7b、7cはベース41前端に設けた凹部に挿入される。後方爪部7D、7Eは、プレート本体7Aの側面後端から上方に突出する。後方爪部7D、7Eには、ベース41の中心側に向けて突出する小突起7d、7eが設けられている。プレート7は、前方爪部7B、7Cをベース41の前方に延びる一対の前端部にそれぞれ係止するとともに、後方爪部7D、7Eをベース41の側面に係止して、プレート本体7Aがベース面41Aに位置するようにベース41に装着される。ベース41の上面において、後方爪部7D、7Eに対応する位置には、ベース41前方が高く、後方が低い段差が設けられている。プレート7をベース41に装着したときに、後方爪部7D、7Eの小突起7d、7eが当該段差に接してプレート7が前方に抜けることを防止する。すなわち、プレート7はベース41の長手方向において、前方爪部7B、7Cと小突起7d、7eとでベース41を挟む込む形で保持される。また、ベース41の長手方向に直交する方向において、プレート7は後方爪部7D、7E及び小突起7b、7cによってベース41を挟む込む形で保持される。ベース41へのプレート7の装着時、プレート下面は被切断材との当接面となる。被切断材との間の摩擦力を低減するため、プレート下面には低摩擦剤が塗布される。
【0045】
プレート7は、更に、プレート本体7Aの後端から後方へ突出可能且つプレート本体7A内に後退可能な一対のスライド部7F、7Gを有する。図7は、スライド部7F、7Gを突出させた場合のジグソー1の側面図であり、図8は、ベース41のベース面41Aを示す図である。また、図9は、図7におけるA−A断面図である。スライド部7F、7Gは、帯状に形成され、図3においてプレート本体7A内に収容されている。スライド部7F、7Gの後端部には、それぞれ溝部7H、7Iが形成される。作業者は、溝部7H、7Iに指先をかけて、スライド部7F、7Gをプレート本体7A内から後方へ突出させる。プレート7をベース41に装着させてスライド部7F、7Gをプレート本体7Aから突出させた場合、スライド部7F、7Gの後端は、図8に示されるように、ベース41の後端よりも前方に位置する。スライド部7F、7Gを突出させて使用する場合、スライド部7F、7Gの反ハウジング2側の面は、被切断材との当接面となる。被切断材との間の摩擦力を低減するため、スライド部7F、7Gの反ハウジング2側の面には低摩擦剤が塗布される。
【0046】
滑り止め部8は前方爪部7B、7Cの上側に設けられる。滑り止め部8の下端はプレート本体7Aのプレート下面よりも上方に位置している。滑り止め部8は、上方に突出し後方に向けて傾斜する形状を有し、ベース41のベース面41A及びプレート7に比較して高い摩擦係数を有する。
【0047】
図2に戻り、運動変換機構5は、ギヤ部51、ウェイト部52、係合ピン53及びプランジャ54から主に構成される。ギヤ部51は、ピニオンギヤ31Aと噛合し、ギヤカバー4から前方に延出する支持軸50によって、ギヤカバー4に回転可能に支承されている。ウェイト部52は、ギヤ部51の前方に配置され支持軸50に支持されている。ウェイト部52がプランジャ54と反対方向に動くことによりカウンターウェイトとしての役割を果たし、ジグソー1の動作時の振動を低減する。
【0048】
係合ピン53は、ウェイト部52の前方に設けられ、ギヤ部51と共に支持軸50を中心に回転する。係合ピン53は、出力軸31と異軸かつ平行な状態で前方に向けて突出している。
【0049】
プランジャ54は略円柱形状をなし、出力軸31と直交する方向(上下方向)に延び、ハウジング2に上下方向に往復動可能かつ回動可能に支持されている。詳細には、左右方向に延びる軸(後述の回転軸44)を中心に回動可能である。プランジャ54は、ピン受け部54A及びブレード保持部54Bを備えている。
【0050】
ピン受け部54Aは、プランジャ54の上下方向略中央部に設けられ、側面視略コ字状をなし、コ字状の開口が後方を向くように配置されている。ピン受け部54Aは、左右方向に延出していて、係合ピン53が挿入されている。係合ピン53は、ピン受け部54Aの溝内で、左右方向の動きは許容され、上下方向の動きが規制されているため、ピン受け部54Aは係合ピン53の動きに応じて上下動のみを行う。これにより、運動変換機構5は、出力軸31から出力された回転運動を上下動に変換することができる。ピン受け部54Aは、後述するように、プランジャ54が回転軸44を中心に回転した場合であっても、係合ピン53を保持可能な程度の深さを備えている。
【0051】
ブレード保持部54Bは、プランジャ54の下端部に設けられ、ブレード6を着脱可能に保持している。上面視において、プランジャ54の中心とブレード6の中心位置とは略一致している。
【0052】
プランジャ54は、上下方向略中央部分において、プランジャガイド43によって上下方向に摺動可能に支持されている。プランジャガイド43は、その上部において、左右方向に延びる回転軸44を中心にギヤカバー4に回動可能に支持されている。プランジャガイド43が回転軸44を中心に回動すると、プランジャ54及びブレード6も回転軸44を中心に回動する。これにより、プランジャ54及びブレード6が、オービタル機構部9のオービタル動作に追従することができる。
【0053】
オービタル機構部9は、ローラホルダ91、ローラ92及び切替部93を主に備えている。ローラホルダ91は、図1に示されるように、側面視略L字状であって、支持部94を中心に回転可能にギヤカバー4に支承されている。ローラ92は、ローラホルダ91の前端部に位置していて、ローラ92を回転可能に支承している。ローラ92は、半径方向内方に窪んだ溝が円周方向全周に亘って形成されていて、当該溝でブレード6の背面と当接している。切替部93を操作することにより、オービタル機構部9の動作量を調整することができる。
【0054】
次に、ジグソー1の動作について、説明する。電源ケーブル26を図示せぬ商用電源に接続し、トリガ22Aを引くことによりモータ3が回転する。モータ3の回転は、運動変換機構5によって回転運動から往復動に変換され、プランジャ54及びブレード6に伝達され、ブレード6が上下動する。同時に、ローラホルダ91が支持部94を中心に回動する。ローラ92がブレード6を押圧することにより、ブレード6も回転軸44を中心に回動する。ブレード6の上下動とローラホルダ91の回動とによって、ブレード6の先端部、すなわち刃部6Aが、略楕円形状の軌跡を描くように動作(オービタル動作)する。作業者がトリガ22Aを離すと、ジグソー1は停止する。
【0055】
上記のようにジグソー1を動作させて被切断材を周縁部から直線切りする場合、被切断材が傷のつき難い材料であるとき或いは被切断材に傷がついても良いときは、ベース41にプレート7を装着せずに切断作業を行うことが好ましい。作業者は、ジグソー1のハンドル21を把持して、ベース面41Aの前端部を被切断材上に押し付けるように載置し、被切断材の周縁部に位置する切断開始位置にブレード6の刃部6Aを当接させる。そして、作業者は、トリガ22Aをオンし、ジグソー1の本体を切断方向に押しながら、上下動するブレード6により被切断材を切断させる。このとき、ベース面41Aは被切断材上を切断方向に摺動する。ジグソー1は、ベース面41A全体を被切断材に押し付けた状態で動作するので、工具本体の姿勢が安定するとともに被切断材上を低摩擦で滑らかに摺動可能となる。したがって、良好な精度で被切断材を切断することができる。
【0056】
また、被切断材に傷をつけないように直線切りを行う場合、ベース41にプレート7を装着したうえで、プレート本体7Aからスライド部7F、7Gを突出させて、切断作業を行うことが好ましい。この場合、プレート本体7A及びスライド部7F、7Gが被切断材上を摺動するので、ジグソー1は、工具本体の姿勢が安定した状態で、良好な精度で被切断材を切断することができる。また、プレート本体7Aのプレート下面及びスライド部7F、7Gの被切断材との当接面には、予め低摩擦剤が塗布されるので、ジグソー1は被切断材上を滑らかに摺動可能となり、被切断材の表面を傷つけることなく切断が可能となる。
【0057】
これに対し、被切断材を曲線切りする場合、特にベニヤ板等の撓み易い被切断材を曲線切りする場合には、ベース41にプレート7を装着し、スライド部7F、7Gをプレート本体7Aに収納して切断作業を行うことが好ましい。ジグソー1による曲線切りについて、図10及び図11に基づき説明する。図10は、ジグソー1による被切断材100の曲線切りを説明する図であり、図11は、図10におけるB−B断面図である。
【0058】
切断作業に先立ち、作業者は、ジグソー1のベース41にプレート7を装着させる。最初に、前方爪部7B、7Cをベース41にあてて小突起7b、7cがベース41の凹部に入るようにし、後方爪部7D、7Eがベース41に近付く方向にプレート7を回転させる。後方爪部7D、7Eの小突起7d、7eがベース41下面に接すると、後方爪部7D、7Eは弾性的に広がるように変形してベース41の側面を乗り越える。小突起7d、7eがベース41上面の段差部に達すると、後方爪部7D、7Eの形状が基に戻り、小突起7d、7eが段差に当接して、プレート7が装着される。なお、スライド部7F、7Gは突出させずにプレート本体7A内に収容させておくことが好ましい。
【0059】
作業者は、ジグソー1のハンドル21を把持して、プレート本体7Aの反ハウジング2側の面の前端部を被切断材100上に載置し、被切断材100の周縁部に位置する切断開始位置100Sにブレード6の刃部6Aを当接させる。そして、ジグソー1の本体を切断方向に押しながら、上下動するブレード6により被切断材を切断させる。このとき、プレート本体7Aのプレート下面が被切断材100上を摺動する。プレート下面の後端はジグソー1本体の重心Gの真下よりも後方であって、重心Gの下方近傍に位置する。そのため、ジグソー1本体の重みはプレート下面を介して被切断材100に付加され、ジグソー1本体はぐらつくことなく姿勢を安定させることができ、かつ、プレート下面の長さをベース41に対して小さくすることができる。また、ベース41のベース面41A後部は、図1に示されるように、プレート本体7Aの厚みδ分だけプレート下面よりも上方に位置する。したがって、ベース41のベース面41Aと被切断材100とは接触せず、両者の間にはプレート本体7Aの厚みδに相当する隙間が生じることとなる。
【0060】
切断作業が進むに伴い、被切断材100の切断済部分100A、100Bには撓みが生じることとなる。図10に示される位置まで切断作業が進んだ場合、被切断材100の切断済部分100Aには、当接するプレート本体7Aを介してジグソー1本体の重みと作業者による押付力とが付加され、撓みが生じる。一方、切断済部分100Bには、重みや押付力はほとんどかかっておらず、切断済部分100Bに生じる撓みは、切断済部分100Aに生じる撓みに比べて小さい。その結果、被切断材100の切断済部分100A及び切断済部分100Bの間に位置する切断部100Cには、図11に示されるように、δ1の段差が生じることとなる。
【0061】
この状態で、反時計回りに曲がる曲線に沿って更に被切断材100を曲線切りすべく、作業者がジグソー1の前方を図10の左方向に向けると、ジグソー1は後方を図10の右方向に振ることとなる。このとき、ベース41の後方と被切断材100との間には、上述したように隙間δが生じている。そのため、隙間δが段差δ1よりも大きい場合、ベース41の後方は、切断部100Cに生じた段差を越える際に切断済部分100Bに接触することはない。したがって、ジグソー1は本体の進行方向をスムーズに変えて切断作業を進めることができる。
【0062】
上記のように、被切断材を曲線切りする際に切断部に段差が生じた場合も、円滑に切断作業が可能となる。
【0063】
次に、ジグソー1により被切断材100の窓抜き作業をする場合について、図12乃至図14に基づき説明する。ここで、窓抜き作業とは、被切断材を周縁部以外の位置から切り始めて行う切断作業である。
【0064】
窓抜き作業に先立ち、作業者は、ジグソー1のベース41にプレート7を装着させる。そして、作業者は、図12に示されるように、ハンドル21を把持してジグソー1の本体上部を前方に傾け、プレート7の前端に設けられた滑り止め部8を被切断材100に押し付け、ブレード6の刃部6Aの先端を切断開始位置に当接させる。このとき、滑り止め部8はベース41やプレート7に比較して高い摩擦係数を有し、後方に向けて傾斜する形状を有するとともに弾性変形可能な材料により構成されるので、切断開始位置の形状に係らず被切断材100上を滑ることを防止できる。
【0065】
滑り止め部8を被切断材100上に押し付けた状態で、トリガ22Aをオンしてブレード6を往復動させることにより、ジグソー1が被切断材100に切り込みを入れる。ブレード6の往復動を継続しながら、図13に示されるように、滑り止め部8を支点としてジグソー1の本体後部をゆっくりと下げ、被切断材100の穴あけを行う。
【0066】
穴あけが終わると、作業者は、図14に示されるように、プレート7のプレート下面を被切断材100に当接させて、ジグソー1の本体を切断方向に押しながら、上下動するブレード6により被切断材を切断させる。滑り止め部8は、プレート下面よりも上方に位置するので、プレート下面が被切断材100上を摺動する際も、被切断材100に接触することはない。したがって、プレートを取り外さずとも、穴あけ後も継続して被切断材の切断作業が可能である。
【0067】
上記のように、穴あけ時に正確に位置決めが可能となるとともに、穴あけ後も切断作業を継続可能となるので、円滑且つ迅速な窓抜き作業が可能となる。
【0068】
以上のように、本実施の形態では、ベース41のベース面41Aに着脱可能なプレート7を設けたので、曲線切りの際には当該プレート7をベース41に装着して切断作業を行うことにより、被切断材の切断部に段差が生じた場合も、ベース41の後方が被切断材に接触することなく、被切断材上を移動可能となるので、作業性の向上が実現される。また、プレート7はベース41に対して爪部7B、7C、7D、7Eにより固定されるので、被切断材の種類や作業内容に応じて、工具等を用いずとも簡易にプレート7の着脱が可能となる。したがって、利便性が向上される。更に、プレート7の前端に設けられた滑り止め部8により被切断材100上を滑ることなく固定可能となるので、窓抜き作業の開始時に正確な位置決めが可能となる。したがって、良好な精度で円滑な窓抜き作業が可能となり、更なる作業性の向上が実現される。
【0069】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るジグソーについて、図15に基づき説明する。第2の実施の形態では、ベースの形状が第1の実施の形態とは異なる。尚、第1の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0070】
図15は、本発明の第2の実施の形態に係るジグソーのベース141のベース面を示す図である。ベース141には、側面中央部に1対の溝部141D、141Eが形成される。溝部141D、141Eはそれぞれ、プレート7の側面後端に設けられた爪部7D、7Eを係合可能とすべく、対応する位置に形成される。
【0071】
上記のようにベース141を形成することにより、爪部7D、7Eがベース141の側面から突出することなく係合されるので、プレート7をベース141に装着して切断作業を行う場合も、爪部7D、7Eの被切断材への接触が防止される。したがって、被切断材上を滑らかに移動して円滑に被切断材を切断可能となる。
【0072】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るジグソーについて、図16及び図17に基づき説明する。第3の実施の形態では、プレートの形状が上述した実施の形態とは異なる。尚、上述した実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0073】
図16は、本発明の第3の実施の形態に係るジグソー201の外観を示す側面図であり、図17は、ジグソー201のベース面41Aを示す図である。ベース41には、プレート207がねじ271により固定されている。本実施の形態において、プレート207は前端に1対の爪部207B、207Cを有するが、側面後端には爪部は設けられない。
【0074】
上記のようにプレート207をベース41にねじ止めすることにより、プレート207の側面に爪部を設けずともプレート207の固定が可能となるので、プレート207をベース41に装着して切断作業を行う場合も、プレート207の被切断材への接触が防止される。したがって、ジグソー201は、被切断材上を滑らかに移動して円滑に被切断材を切断可能となる。
【0075】
尚、本実施の形態では、プレート207の前端に1対の爪部207B、207Cが設けられるが、これらの爪部207B、207Cを設けない構成も可能である。その場合、滑り止め部8は、第4の実施の形態に記すように、ベース41の前端に配置されることとなる。
【0076】
続いて、本発明の第4の実施の形態に係るジグソーについて、図18に基づき説明する。第4の実施の形態では、滑り止め部をベース上に設ける構成が上述した実施の形態とは異なる。尚、上述した実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0077】
図18は、本発明の第4の実施の形態に係るジグソー301の外観を示す側面図である。滑り止め部308は、図18に示されるように、ベース341の前端に直接固定される。このように構成することにより、滑り止め部8が設けられたプレート7をベース341に装着せずとも、被切断材の穴あけ作業が可能となるので、例えば傷がつき難い被切断材に直線切りのみにより窓抜き作業を行う場合、迅速な作業が可能となる。また、爪部のないプレートをベース341のベース面にねじ止めすることにより、プレートが必要な作業も実施可能となる。
【0078】
以上のように、被切断材に対する摺動面(ベース41下面又はプレート7下面)よりも突出しないように滑り止め部8を設けたことにより、通常切断時の速やかな切断作業と、窓抜き作業時の滑り止めとを両立することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 ジグソー
2 ハウジング
3 モータ
4 ギヤカバー
6 ブレード
6A 刃部
7 プレート
7A プレート本体
7B、7C 前方爪部
7D、7E 後方爪部
7F、7G スライド部
7H、7I 溝部
8 滑り止め部
21 ハンドル
22A トリガ
41 ベース
41A ベース面
41B 挿通部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20