特許第6215219号(P6215219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6215219
(24)【登録日】2017年9月29日
(45)【発行日】2017年10月18日
(54)【発明の名称】パック電池及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20171005BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20171005BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20171005BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20171005BHJP
【FI】
   H01M2/10 M
   H01M2/10 V
   H01M2/20 A
   H01M2/20 Z
   H01M10/42 P
   H01M10/48 P
【請求項の数】15
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-543138(P2014-543138)
(86)(22)【出願日】2013年10月11日
(86)【国際出願番号】JP2013006089
(87)【国際公開番号】WO2014064900
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2016年7月14日
(31)【優先権主張番号】特願2012-232645(P2012-232645)
(32)【優先日】2012年10月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】拝野 真己
(72)【発明者】
【氏名】山上 定男
(72)【発明者】
【氏名】米田 晴彦
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−243426(JP,A)
【文献】 特開2007−280872(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0027622(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/42
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素電池で構成された電池集合体と、前記電池集合体における複数の素電池の正極端子と負極端子に接続された複数のリード板とを有し、当該複数のリード板を介して素電池が並列に接続されてなる電池群が直列接続された電池ユニットと、
電池集合体の一表面に組み付けられる保護回路基板とを備えたパック電池において、
前記各リード板は、前記一表面に向けてタップ部が引き出され、且つ各タップ部に現れる電位が一方向に昇順または降順に並ぶ状態であり、
前記保護回路基板には、前記電池ユニットの各タップ部に対応して複数の入力端子が前記一方向に列設され、
前記保護回路基板が存在する表面における一方向の端部側に軸支構造を備え、
前記各入力端子が対応する各タップ部に電気接続された状態である、
パック電池。
【請求項2】
前記軸支構造は、
前記電池ユニットと前記保護回路基板とを、前記一表面に沿い前記一方向と直交する軸で軸支している、
請求項1記載のパック電池。
【請求項3】
前記複数の入力端子には、
リードピンが接続されたものが存在し、
入力端子がリードピンを介して対応するタップ部に電気接続されている、
請求項1又は2記載のパック電池。
【請求項4】
前記リードピンと対応するタップ部には、
リードピンが挿入される切欠が形成されている、
請求項3記載のパック電池。
【請求項5】
前記タップ部に設けられた切欠は、
前記一表面側から素電池側に向かって先細りとなる、
請求項4記載のパック電池。
【請求項6】
前記電池ユニットは、前記電池集合体を保持する電池ホルダを備え、
前記保護回路基板は、当該基板を保持する基板ホルダが装着され、
前記基板ホルダに軸体が設けられ、
前記電池ホルダに前記軸体を回転可能に支持する軸受が設けられている、
請求項1〜5のいずれかに記載のパック電池。
【請求項7】
前記基板ホルダには、
前記各接続部材が対応する各タップ部に接触する位置を規定するリブが形成されている、
請求項6記載のパック電池。
【請求項8】
前記電池集合体は、複数の素電池が、正極端子及び負極端子を横に向けた状態で並べられて構成され、
前記複数のリード板は、前記電池集合体における正極端子と負極端子が臨む側面に配され、当該複数のリード板を介して素電池が同数ずつ並列に接続されてなる電池群が直列接続され、
電池集合体の一表面は、前記側面に隣接し、
前記保護回路基板は、
前記各リード板に現れる電位を入力して、保護回路によって電池回路の保護を行う、
請求項1〜7のいずれかに記載のパック電池。
【請求項9】
前記電池集合体を構成する複数の素電池には、第1の側面に正極端子が向いた第1グループに属するものと、前記第1の側面に負極端子が向いた第2グループに属するものとが存在し、
前記複数のリード板は、電池集合体における第1の側面と、当該第1の側面に対向する第2の側面とに分れて配置され、
前記一表面は、第1の側面と第2の側面との間で両側面に隣接している、
請求項8記載のパック電池。
【請求項10】
第1グループの属する素電池は、等しい素電池数のN個(Nは1以上の整数)の電池群に分けられ、第2グループに属する素電池は前記と同じ素電池数のN+1個の電池群に分けられ、
第1の側面において、第2グループに属する最低電位の電池群の負極端子は1のリード板で接続されると共に、第1グループに属するN個の電池群の正極端子と第2グループに属するN個の電池群の負極端子とは1電池群ずつ共通のリード板で接続され、
前記電池集合体における第1の側面と対向する第2の側面において、最高電位の電池群の正極端子は1のリード板で接続されると共に、第1グループに属するN個の電池群の正極端子と第2グループに属するN個の電池群の負極端子とは1電池群ずつ共通のリード板で接続されている、
請求項9に記載のパック電池。
【請求項11】
複数の素電池で構成された電池集合体と、前記電池集合体における複数の素電池の正極端子と負極端子に接続された複数のリード板とを有し、当該複数のリード板を介して素電池が並列に接続されてなる電池群が直列接続された電池ユニットを作製する電池ユニット作製ステップと、
電池集合体の一表面に組み付けられる保護回路基板を作製する保護回路基板作製ステップと、
前記保護回路基板を、電池集合体の一表面に装着する装着ステップとを備えるパック電池の製造方法であって、
前記電池ユニット作製ステップで作製する電池ユニットは、
前記各リード板から、前記一表面に向けてタップ部が引き出され、且つ各タップ部に現れる電位が一方向に昇順または降順に並ぶ状態であり、
前記保護回路基板作製ステップで作製する保護回路基板は、前記電池ユニットの各タップ部に対応して複数の入力端子が前記一方向に列設され、
前記装着ステップは、
前記保護回路基板と前記電池ユニットとを、離間させた状態で、前記一方向の端部側において軸支させる軸支サブステップと、軸支された前記保護回路基板を回転させることによって装着する回転サブステップとを備え、
前記軸支サブステップで、軸に最も近い入力端子と対応するタップ部とを接続し、
前記回転サブステップで、残りの入力端子と対応するタップ部とを電位順に接続させる、
パック電池の製造方法。
【請求項12】
前記保護回路基板作製ステップでは、
さらに、軸に最も近い入力端子を除く各入力端子に接続部材を延出して設け、
前記回転サブステップでは、
各入力端子に接続された接続部材と対応するタップ部とを電位順に接続させる、
請求項11に記載のパック電池の製造方法
【請求項13】
前記保護回路基板作製ステップで入力端子に接続される接続部材には、
リードピンが含まれ、
前記電池ユニット作製ステップで用いるリード板のタップ部には、前記リードピンに対応する切欠が形成され、
前記回転サブステップで、
前記保護回路基板の回転に伴って、各タップ部の切欠に対応するリードピンを填め込むことによって電気接続する、
請求項12に記載のパック電池の製造方法。
【請求項14】
前記保護回路基板作製ステップでは、電子部品が実装された基板に、当該基板を保持する基板ホルダを装着し、当該基板ホルダには軸体を設け、
前記電池ユニット作製ステップでは、前記複数の電池群を保持する電池ホルダを用いて電池ユニットを作製し、当該電池ホルダには軸受を設け、
軸支サブステップでは、
前記軸受に前記軸体を填め込んで軸支する、
請求項11〜13のいずれかに記載のパック電池の製造方法。
【請求項15】
前記電池ユニット作製ステップで前記電池ホルダに形成する軸受は、周面の一部が開放された形状であって、
前記軸支サブステップでは、
前記軸受の開放された箇所から、前記軸体を填め込む、
請求項14記載のパック電池の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パック電池及びその製造方法に関し、特に複数の電池群が直列接続された電池ユニットと、保護回路基板とを備えるパック電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電動自転車や電動車両、作業用ロボットなどの電源に用いるパック電池として、特許文献1に示すように、複数の素電池が接続されてなる電池ユニットと、保護回路を実装した保護回路基板とを備え樹脂等からなるケース内に収納されて構成されたものが開発されている。
この種のパック電池において、複数の素電池がブロック状に配置され電池ホルダで保持された電池ユニットを有し、複数の電池群同士が相互にリード板によって直列接続されて、高電圧で出力されるようになっているものが多く用いられている。
【0003】
また、特許文献1に示されたパック電池では、基板ホルダ内に保護回路用のICを実装した回路基板が収納されて回路ユニットが構成されている。そして、回路ユニットは、電池ユニットの表面上に配置されて、電池ホルダに固定されている。
ところで、電池群が直列接続されているパック電池においては、充放電時に保護回路基板では、直列接続された電池群の両端の電圧だけでなく、中間電位もチェックし、それに基づいて、各電池が過充電や過放電にならないように制御している。
【0004】
保護回路基板に中間電位を入力するために、特許文献1に示されたパック電池においては、保護回路基板のICの各入力端子は、保護回路基板と電池ユニットとにまたがるリード線を介して、電池群同士の間のリード板に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−277795号公報
【特許文献2】特開2011−243426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のように保護回路基板で中間電圧をチェックするパック電池を製造するときには、電池ユニット及び保護回路基板を作製し、保護回路基板の入力端子と、電池ユニットにおける中間電位をあらわす各リード板とを、リード線などで接続する工程を経る。
このリード線による接続工程は、例えば、保護回路基板側に各リード線の一端部を接続しておいて、その保護回路基板を電池ユニットに装着すると共に、各リード線の他端部を電池ユニットにおける対応するリード板のタップ部に係合することによって接続する方法がとられている。
【0007】
このように複数のリード線で電池ユニットのタップ部と保護回路基板の端子とを接続する工程において、保護回路基板のICに高電圧がかからないように、リード線を電池ユニットにおけるリード板のタップ部に、電位順に接続する必要がある。
そのため、複数のリード線で保護回路基板とリード板とを接続する工程は手作業で行われており、手間がかかる工程となっている。
【0008】
本発明は、このような現状に鑑み、複数の電池群が直列接続された電池ユニットと、中間電位を検出して保護する保護回路基板とを備えるパック電池において、電池ユニットにおける各リード板のタップ部と保護回路基板の端子との間の接続を容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の構成を有する。
[1]パック電池
本発明に係るパック電池は、複数の素電池で構成された電池集合体と、電池集合体における複数の素電池の正極端子と負極端子に接続された複数のリード板とを有し、当該複数のリード板を介して素電池が並列に接続されてなる電池群が直列接続された電池ユニットと、電池集合体の一表面に組み付けられる保護回路基板とを備えたパック電池であって、各リード板は、一表面に向けてタップ部が引き出され、且つ各タップ部に現れる電位が一方向に昇順または降順に並ぶ状態であり、保護回路基板には、電池ユニットの各タップ部に対応して複数の入力端子が一方向に列設され、保護回路基板が存在する表面における一方向の端部側に軸支構造を備え、各入力端子が対応する各タップ部に電気接続された状態である。
【0010】
[2]パック電池の製造方法
本発明に係るパック電池の製造方法は、複数の素電池が、正極端子及び負極端子を横に向けた状態で並べられて構成された電池集合体と、電池集合体における複数の素電池の正極端子と負極端子が臨む側面に接続された複数のリード板とを有し、当該複数のリード板を介して素電池が同数ずつ接続されてなる電池群が直列接続された電池回路が構成された電池ユニットを作製する電池ユニット作製ステップと、電池集合体の一表面に組み付けられる保護回路基板を作製する保護回路基板作製ステップと、保護回路基板を電池集合体の一表面に装着する装着ステップとを備えるパック電池の製造方法であって、電池ユニット作製ステップで作製する電池ユニットは、各リード板から、一表面に向けてタップ部が引き出され、且つ各タップ部に現れる電位が一方向に昇順または降順に並ぶ状態であり、保護回路基板作製ステップで作製する保護回路基板は、前記電池ユニットの各タップ部に対応して複数の入力端子が一方向に列設され、装着ステップは、保護回路基板と電池ユニットとを、離間させた状態で、一方向の端部側において軸支させる軸支サブステップと、軸支された保護回路基板を回転させることによって装着する回転サブステップとを備え、軸支サブステップで、軸に最も近い入力端子と対応するタップ部とを接続し、回転サブステップで、残りの入力端子と対応するタップ部とを電位順に接続させることとした。
【発明の効果】
【0011】
[1]本発明のパック電池は、(a)保護回路基板が組みつけられる一表面に向けて各リード板からタップ部が引き出され、且つ各タップ部に現れる電位が一方向に昇順または降順に並ぶ状態であり、(b)保護回路基板には、電池ユニットの各タップ部に対応して複数の入力端子が一方向に列設され、(c)保護回路基板が存在する表面における一方向の端部側に、電池ユニットと保護回路基板とを軸支される軸支構造を備え、(d)各入力端子は対応する各タップ部に電気接続された状態である。
【0012】
従って、このパック電池を組み立てるときに、保護回路基板を軸の回りに回転させて装着させながら、各入力端子を、対応するリード板のタップ部に、軸に近いものから順に接触させることができる。
よって、本発明のパック電池によれば、保護回路基板の各入力端子を、対応するリード板に、電位順に容易に接続することができる。
【0013】
上記パック電池において、以下のようにすることができる。
軸支構造においては、電池ユニットと保護回路基板とを、一表面に沿い一方向と直交する軸で軸支する。
複数の入力端子には、リードピンが接続されたものを設けて、リードピンを介して入力端子を対応するタップ部に電気接続してもよい。
【0014】
ここで、リードピンと対応するタップ部には、リードピンが挿入される切欠を形成してもよい。
それによって、保護回路基板の装着に伴って、各リードピンを対応するタップ部の切欠に填め込んで、リードピンとタップ部との接続をしっかりとなすことができる。
また、タップ部に設ける切欠を、一表面側から素電池側に向かって先細りとなるよう形成する。
【0015】
それによって、リードピンを切欠に誘い込んで挿入し、挿入後は切欠でリードピンと挟んでしっかり接続することができる。
電池ユニットには、電池集合体を保持する電池ホルダを設け、保護回路基板には、当該基板を保持する基板ホルダを装着され、基板ホルダに軸体を設け、電池ホルダに軸体を回転可能に支持する軸受を設けることによって、上記の軸支を容易に実現できる。
【0016】
ここで、基板ホルダには、リードピンが対応するタップ部に接触する位置を規定するリブを形成してもよい。
電池集合体は、複数の素電池を、正極端子及び負極端子を横に向けた状態で並べて構成し、複数のリード板は、電池集合体における正極端子と負極端子が臨む側面に配し、当該複数のリード板を介して素電池が同数ずつ並列に接続されてなる電池群を直列接続した構成としてもよい。そして、電池集合体の保護回路基板を装着する表面が上記側面に隣接させ、保護回路基板は、各リード板に現れる電位を入力して、保護回路によって電池回路の保護を行うようにすることもできる。
【0017】
電池集合体を構成する複数の素電池には、第1の側面に正極端子が向いた第1グループに属するものと、第1の側面に負極端子が向いた第2グループに属するものとが存在し、複数のリード板は、電池集合体における第1の側面と、当該第1の側面に対向する第2の側面とに分れて配置し、保護回路基板を装着する表面は、第1の側面と第2の側面との間で両側面に隣接させることができる。
【0018】
この場合、複数のリード板の各々から延出して設けられたタップ部は、一表面部の両側縁に沿って電位順に一方向に配列し、保護回路基板においても、電池ユニットの各タップ部に対応して複数の入力端子を両側面に沿って一方向に列設することができる。
また、複数のリード板を、対向する第1側面と第2の側面に分けて配置し、両側面の間の一表面に保護回路基板が組み込まれるので、パック電池をコンパクトにすることができる。
【0019】
ここで、第1グループの属する素電池は、等しい素電池数のN個(Nは1以上の整数)の電池群に分けられ、第2グループに属する素電池は前記と同じ素電池数のN+1個の電池群に分けられ、第1の側面において、第2グループに属する最低電位の電池群の負極端子は1のリード板で接続されると共に、第1グループに属するN個の電池群の正極端子と第2グループに属するN個の電池群の負極端子とは1電池群ずつ共通のリード板で接続され、電池集合体における第1の側面と対向する第2の側面において、最高電位の電池群の正極端子は1のリード板で接続されると共に、第1グループに属するN個の電池群の正極端子と第2グループに属するN個の電池群の負極端子とは1電池群ずつ共通のリード板で接続されている構成としてもよい。
【0020】
[2]パック電池の製造方法
本発明に係るパック電池の製造方法は、複数の素電池で構成された電池集合体と、電池集合体における複数の素電池の正極端子と負極端子に接続された複数のリード板とを有し、当該複数のリード板を介して素電池が並列に接続されてなる電池群が直列接続された電池ユニットを作製する電池ユニット作製ステップと、電池集合体の一表面に組み付けられる保護回路基板を作製する保護回路基板作製ステップと、保護回路基板を、電池集合体の一表面に装着する装着ステップとを備えるパック電池の製造方法であって、電池ユニット作製ステップで作製する電池ユニットは、各リード板から、一表面に向けてタップ部が引き出され、且つ各タップ部に現れる電位が一方向に昇順または降順に並ぶ状態であり、保護回路基板作製ステップで作製する保護回路基板は、電池ユニットの各タップ部に対応して複数の入力端子が前記一方向に列設され、装着ステップは、保護回路基板と電池ユニットとを、離間させた状態で、一方向の端部側において軸支させる軸支サブステップと、軸支された保護回路基板を回転させることによって装着する回転サブステップとを備え、軸支サブステップで、軸に最も近い入力端子と対応するタップ部とを接続し、回転サブステップで、残りの入力端子と対応するタップ部とを電位順に接続させる。
【0021】
従って、この製法によれば、装着ステップにおいて、軸支された保護回路基板を回転させるのに伴って、保護回路基板の各入力端子を、対応するタップ部に電位順に接続することができる。
上記パック電池の製造方法において、以下のようにすることができる。
保護回路基板作製ステップでは、さらに、軸に最も近い入力端子を除く各入力端子に接続部材を延出して設け、回転サブステップでは、各入力端子に接続された接続部材と対応するタップ部とを電位順に接続させる。
【0022】
保護回路基板作製ステップで入力端子に接続される接続部材に、リードピンが含まれ、電池ユニット作製ステップで用いるリード板のタップ部には、リードピンに対応する切欠が形成され、回転サブステップで、保護回路基板の回転に伴って、各タップ部の切欠に対応するリードピンを填め込むことによって電気接続する。
それによって、リードピンとタップ部との接続をしっかりとなすことができる。
【0023】
保護回路基板作製ステップでは、電子部品が実装された基板に、当該基板を保持する基板ホルダを装着し、当該基板ホルダには軸体を設け、電池ユニット作製ステップでは、複数の電池群を保持する電池ホルダを用いて電池ユニットを作製し、当該電池ホルダに軸受を設ける。
そうすれば、軸支サブステップで、電池ホルダの軸受に基板ホルダの軸体を填め込んで軸支することができる。
【0024】
電池ユニット作製ステップで電池ホルダに形成する軸受を、周面の一部が開放された形状にすれば、軸支サブステップで、軸受の開放された箇所から、軸体を填め込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施の形態に係るコアパック1の外観斜視図である。
図2】コアパック1の構成を示す分解斜視図である。
図3】コアパック1に含まれる電池ユニット10の外観斜視図である。
図4】(a),(b)は、電池集合体30に含まれる素電池3の接続形態を説明する図である。
図5】回路ユニット20の構成を示す斜視図である。
図6】電池ユニット10及び回路ユニット20における各部の接続を示す図である。
図7】(a),(b)は軸受部52の拡大図、(c),(d)は軸受部53の拡大図である。
図8】電池ユニット10に回路ユニット20を軸支させる工程を示す図である。
図9】(a)〜(d)は回路ユニット20を電池ユニット10に装着する工程を示す図である。
図10】(a)は、回路ユニット20の装着に伴ってリードピンが順番にタップ部に接続される様子を示す側面図、(b)はその説明図である。
図11】(a)はリードピンがタップ部に順に接触する様子を示す斜視図、(b)はその説明図である。
図12】(a)は、回路ユニット20におけるリードピン203,205の近傍を上方から見た拡大平面図、(b),(c)はリードピン203の近傍を後方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で示す具体例は、本発明の構成およびその構成から奏される作用・効果を分かりやすく説明する一例であって、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
[実施の形態]
1.パック電池の全体構成
図1は、パック電池のコアパック1を示す外観斜視図である。このパック電池は、コアパック1が外装ケース(不図示)内に収納されて構成され、電動自転車の電源として用いられる。
【0027】
図2は、コアパック1の分解斜視図である。図3は、電池ユニット10の外観斜視図である。
コアパック1は、電池ユニット10と、これに装着された回路ユニット20とから構成されている。
電池ユニット10は、複数の素電池3がブロック状(略三角柱状)に配置されてなる電池集合体30を備える。この電池集合体30は、その表面の中で、各素電池3の正極端子及び負極端子が臨む側面(左右の三角形状の側面部分)に沿って配された複数のリード板101〜114によって、複数の電池群31A〜31Mが相互に直列接続された接続形態となっている。
【0028】
回路ユニット20は、基板ホルダ21が保護回路基板22に装着されてなる。回路ユニット20は、平板状であって、電池ユニット10における装着面11(図3参照)に装着されて組み付けられている。この装着面11は、電池集合体30の表面において、複数のリード板101〜114が配された側板部120の外面及び側板部130の外面と隣接している。また、装着面11はX−Y面に沿い、側板部120,130の外面はX−Z面に沿っているので、互いに直交するように突き合わせられた面である。
【0029】
このようにコアパック1は、電池ユニット10におけるリード板101〜114が配された両側面の間の装着面11上に回路ユニット20が組み込まれて、全体がコンパクトな構成となっている。
回路ユニット20には、最も低電位であるリード板101の電位と、リード板101からの電池群の直列数に応じてリード板102〜113に表われる中間電位を入力し、入力した各電位に基づいて電池ユニット10を保護する保護回路が組み込まれている。
【0030】
説明上、電池ユニット10における装着面11の長手方向を前後方向(図中矢印Xを後方向)とし、装着面11の短辺方向を左右方向(図中矢印Yを左方向)とし、装着面11に垂直な方向を上下方向(図中矢印Zを上方向)とする。
2.電池ユニット10
図2に示されるように、電池ユニット10に含まれる複数(52個)の素電池3は、各素電池3の筒軸が左右方向に沿った状態で並行に並び、全体がブロック状(三角柱状)になるように段積みされて電池集合体30が形成されている。
【0031】
各素電池3は、円筒形の二次電池であって、左右の端部に正極端子及び負極端子を有している。ここでは素電池3としてリチウムイオン電池を用いることとする。
このように複数の素電池3が配置されてなる電池集合体30は、一対の電池ホルダ部材12,13が右方及び左方から填め込まれて、その配置状態が保持されている。電池ホルダ部材12,13は樹脂を成形した成型品である。
【0032】
電池ホルダ部材12は、電池集合体30の右面全体を覆う三角形状の側板部120と、各素電池3の右半分の外周面を覆う周面被覆部121とからなり、周面被覆部121は側板部120から左方向に突出して設けられている。
電池ホルダ部材13も、電池集合体30の左面全体を覆う三角形状の側板部130と、各素電池3の左半分の外周面を覆う周面被覆部131とからなり、周面被覆部131は側板部130から右方向に突出して設けられている。
【0033】
電池ホルダ部材12と電池ホルダ部材13とは、周面被覆部121の先端と周面被覆部131の先端とを突き合わせた状態で結合され、電池集合体30の各素電池3を安定に保持している。
リード板101〜114は、電池集合体30の左右の側面、すなわち、側板部120の外面上と側板部130の外面上に分かれて配置され、回路ユニット20を装着する装着面11は、側板部120の外面及び側板部130の外面に直交する平面(X−Y面)であって、回路ユニット20と同等の長方形状である。そして、装着面11の左右両側において前後方向(X方向)に伸長する各辺が、側板部120及び側板部130の上縁と隣接している。
【0034】
装着面11には、電池集合体30の表面に配列されている素電池3の外周面の一部、並びに周面被覆部121,131の一部が露出しており、装着面11上に、回路ユニット20を安定に装着できるようになっている。
図4は、電池集合体30に含まれる素電池3の接続形態を説明する図であって、(a),は右側面から図、(b)は左側面から見た図である。図中、電池群31A、31B、31C、…31Mは実線で示し、リード板101〜114は破線で示している。
【0035】
ここでは、4個の素電池3が並列接続されて1つの電池群が構成されている場合について説明する。
電池集合体30に含まれる複数の素電池3は、正極端子が右に向いた第1グループと、負極端子が右に向いた第2グループに分かれる。そして、第1のグループに属する素電池3はN個の電池群に、第2のグループに属する素電池は(N+1)個の電池群に分けられる。
【0036】
図4(a),(b)に示すように、電池集合体30を構成する素電池の数が52個で、13個の電池群31A、31B、31C、…31Mに分かれている(Nの値は6)。
この中、第1のグループに属するN個(6個)の電池群31B,31D,31F,31H,31J,31Lは、各素電池3の正極端子が右に向き、負極端子が左に向いている。
一方、第2グループに属するN+1個(7個)の電池群31A,31C,31E,31G,31I,31K,31Mは、各素電池3の正極端子が左に向き、負極端子が右に向いている。
【0037】
図2,3、図4(a)に示すようにリード板101〜114の中、リード板101,103,105,107,109,111,113は、電池集合体30の右側面(側板部120の外面)上に配列され、リード板102,104,106,108,110,112,114は、電池集合体30の左側面(側板部130の外面)上に配列されている。
そして電池集合体30の右側面において、最低電位の電池群31Aの負極端子はリード板101で接続されている。そして残りの12個の電池群31B〜31Mについては、第1グループに属する6個の電池群31B,31D,31F,31H,31J,31Lの正極端子と、第2グループに属する6個の電池群31C,31E,31G,31I,31K,31Mの負極端子とが、1電池群ずつ共通のリード板103,105,107,109,111,113で接続されている。一方、図4(b)に示すように、電池集合体30の左側面においては、最高電位の電池群31Mの正極端子は、リード板114で接続されている。そして残りの12個の電池群31A〜31Lについては、第1グループに属する6個の電池群31B,31D,31F,31H,31J,31Lの負極端子と、第2グループに属する6個の電池群31A,31C,31E,31G,31I,31Kの正極端子とが1電池群ずつ共通のリード板102,104,106,108,110,112で接続されている。
【0038】
側板部120及び側板部130には、各素電池3の端子が臨む位置に窓部が開設され、各窓部を通して、リード板101〜114は各素電池3の端子に溶接されている。
このように電池集合体30の左右両側面にリード板101〜114が分れて配されることによって、4個ずつ並列接続されてなる電池群31A,31B,31C,…31Mが13直列に接続された接続形態(4並13直)となっている。
【0039】
電池ユニット10の右前端に位置する最低電位のリード板101の上部には、タップ部101aが設けられ、電池ユニット10の左後端に位置する最高電位のリード板114の上部にはタップ部114aが設けられている。
電池ユニット10に対する充放電は、このタップ部101a及びタップ部114aを介してなされる。
【0040】
また各リード板102〜113における上端部分には、中間電位を出力するタップ部102a〜113aが設けられている。タップ部101a及びタップ部103a,105a,107a,109a,111a,113aは、装着面11の右側、すなわち電池集合体30の右面との装着面11との境界)に沿ってX方向に列設され、タップ部102a,104a,106a,108a,110a,112a及びタップ部114aは、装着面11の左側、すなわち電池集合体30の左面と装着面11との境界に沿ってX方向に列設されている。
【0041】
これらのタップ部101a〜114aの全体的な前後方向の並び順を見ると、図3に示されるように、右側に配列されたタップ部と左側に配列されたタップ部とが交互に並び、前からタップ部101a,102a,103a,104a,…113a,114aの順に並んでいる。
タップ部102a〜113aは、装着面11よりも上方に突き出ている。なお、タップ部102a〜113a装着面11から突き出している高さは、前方から後方にかけて小さくなるように設定されている(図10(a)参照)。
【0042】
電池ホルダ部材12の側板部120は、タップ部103a,105a,107a,109a,111a,113aが存在しない箇所で、装着面11よりも上方に延出されて、衝立部71〜76が形成されている。各タップ部105a,107a,109a,111a,113aは、衝立部71〜76が相互に隣接する間に位置している。
同様に、電池ホルダ部材13の側板部130も、タップ部102a,104a,106a,108a,110a,112aが存在しない箇所で、装着面11よりも上方に延出されて、衝立部81〜87が形成されている。各タップ部104a〜112aは、衝立部81〜87同士が相互に隣接する間に位置している。
【0043】
回路ユニット20は、装着面11の右側に列設された衝立部71〜76と、左側に列設された衝立部81〜87との間に填まり込んだ状態で、装着面11上に装着される(図8参照)。
そして、回路ユニット20が装着面11上に装着されると、タップ部101a〜114aは回路ユニット20の左右両側に沿って配列された状態となる。
【0044】
3.回路ユニット20の構成
図5は、回路ユニット20の構成を示す斜視図である。
回路ユニット20は、皿状の基板ホルダ21の中に保護回路基板22が収納されて構成されている。保護回路基板22は、前後方向(X方向)に長い長方形状であって、基板ホルダ21は、保護回路基板22を載置する長方形状の底板部と、保護回路基板22の周囲を囲む右側壁部21a,左側壁部21b,前側壁部21c,後側壁部21dを有している。基板ホルダ21は樹脂を成型した成型品である。
【0045】
図1,5に示されるように、保護回路基板22には、電力用の端子として、低電位側(負極側)の端子部26が右前端部に設けられ、高電位側(正極側)の端子部27が左後端部に設けられている。また、保護回路基板22の後端部には、電力用のコネクタ25が取り付けられている。
図6に示されるように、保護回路基板22において、端子部26,27は電力用の配線28などを介してコネクタ25に接続されている。なお、コネクタ25は、外装ケースの開口窓から外に表出される。
【0046】
また、保護回路基板22には、電池ユニット10における中間電位を検出し、電池ユニット10の充放電を制御する回路を形成するために、保護IC23、スイッチング素子24a,24bなど、保護回路を構成する各種電子部品が実装されている。
図1,5では、回路ユニット20における電子部品の図示を省略しているが、図6には、電池ユニット10と回路ユニット20の配線と共に、保護IC23、スイッチング素子24a,24bなどを示している。
【0047】
図6に示すように、保護IC23には、電池ユニット10のリード板101〜114から各リード板に現れる電位が入力されるようになっている。
そのために、保護回路基板22には、その前後方向に伸長する辺22a,22bに沿って、保護IC23に、中間電位を入力する端子である端子部252〜263が、上記電池ユニット10のタップ部102a〜113aに対応して列設されている。
【0048】
具体的には、保護回路基板22の右辺22aに沿って、前から順番に電力用の端子部26及び中間電位用の端子部253,255,257,259,261,263が列設され、保護回路基板22の左辺22bに沿って、前から順番に、中間電位用の端子部252,254,256,258,260,262及び電力用の端子部27が列設されている。
図6に示されるように、中間電位用の各端子部252〜263にはリードピン202〜213が接続され、保護IC23には、リードピン202〜213を介して、電池ユニット10から中間電位が入力される。また、端子部26,27もタップ部101a,114aと接続されてその電位が入力される。
【0049】
保護IC23は、充放電時において、入力される各電位に基づいて、各電池群31A〜31Mの電圧をチェックし、充放電の電流を制御する。例えば、充電時において、いずれかの電池群の電圧が上限を超えたときに、スイッチング素子24aをオフにして充電を停止する。また、いずれかの電池群の電圧が下限を下回ったときに、スイッチング素子24bをオフにして放電電流を遮断する。
【0050】
なお、後述するように、保護回路基板22において、中間電位用の各端子部252〜263には孔が形成されていて、各リードピン202〜213は、一部分がその孔に填め込まれた状態でハンダ接続されている。
基板ホルダ21の中に樹脂をポッティングして、各リードピン202〜213の下部を埋め込んでもよい。ポッティング樹脂としては、例えば、シリコーン系樹脂材料、エポキシ系樹脂材料、あるいはウレタン系樹脂材料などを用いることができる。
【0051】
また、例えば、保護回路基板22をポッティング樹脂で被覆して回路ユニットを構成することによって、回路ユニットにおいて基板ホルダ21を省略することもできる。
4.電池ユニット10と回路ユニット20間の電力路の接続
低電位側(負極側)電力路の接続:
図1の部分拡大図に示されるように、リード板101は、タップ部101aからさらに曲折しながら延伸して、第1曲折部101b、第2曲折部101c、接続部101dが形成されている。
【0052】
第1曲折部101bは、リード板101の端子部101aから左方に曲折されて電池ホルダ部材12の上面に沿って延伸する。第2曲折部101cは、第1曲折部101bから上方に曲折されて基板ホルダ21の前側壁部21cの外面に沿って延伸する。接続部101dは、第2曲折部101cから後方に曲折されている。
回路ユニット20が電池ユニット10の装着面11上に装着された状態では、接続部101dは、前側壁部21cの上を跨いで、保護回路基板22の接続部101dの上に重なるように延伸し、接続部101dと端子部26が接触する。それによって、リード板101と端子部26との電気接続がなされる。
【0053】
接続部101dと端子部26との接続を確保するために、接続部101dの後端部には切欠101eが形成され、基板ホルダ21の前端部において、端子部26の直近には、この切欠101eに係合する係止ピン29が上方に突出して設けられている。
係止ピン29はT字形状であって、この係止ピン29が切欠101eに差し込まれると、接続部101dは係止ピン29で端子部26上に押え付けられた状態となるので、接続部101dと端子部26との接続が安定して保持される。
【0054】
高電位側(正極側)電力路の接続:
図1に示されるように、電池ユニット10における最高電位のタップ部114aは、上方に伸び、その先端部分が内側に曲折されて、保護回路基板22の後端部の上に延伸している。
一方、保護回路基板22の後端部には、このタップ部114aの先端部に対応する位置に端子部27が設けられている。この端子部27は、保護回路基板22上でコネクタ25に接続され、保護IC23にも接続されている。
【0055】
そして、電力端子部114aは端子部27の上に重ねられて接触し、リード板114と端子部27との電気接続がなされている。
5.リードピン202〜213の詳細
電池ユニット10のタップ部102a〜113aと、回路ユニット20の端子部252〜263とを接続するリードピン202〜213について説明する。
【0056】
図1,5に示すように、リードピン202〜213は、保護回路基板22に設けられた各端子部252〜263から、基板ホルダ21の外に延出され、さらに、対応する各タップ部102a〜113aに向かって延出している。
リードピン203,205,207,209,211,213は、右側壁部21aを跨いで設置され、リードピン202,204,206,208,212は、左側壁部21bを跨いで設置されている。
【0057】
各リードピン202〜213は、弾性を有する金属線が屈曲されて形成されている。
リードピン202〜213の形状及びその固定について説明する。ここでは、代表としてリードピン206について説明する。
図5に部分拡大図に、保護回路基板22に装着されたリードピン206及びリードピン206単独の斜視図を示している。
【0058】
リードピン206は、保護回路基板22の表面上に固定接続される固定接続部41と、固定接続部41から曲折されて左側壁部21bの内面に沿って上方(Z方向)に伸びる上方伸張部42と、上方伸張部42の上端から曲折されて左側壁部21bの上を越えて外方(Y方向)に伸張する外方伸張部43と、外方伸張部43から曲折されて下方向に伸張する下方伸張部44と、下方伸張部44の下端から外方(Y方向)に曲折されてリード板106と接触する接触部45とを備えている。
【0059】
接触部45は、リード板106のタップ部106aに形成された切欠に填まり込んで電気接続がなされる部分であり、接触部45の先端部分46は下方に曲折され
固定接続部41には、下方に張り出すように湾曲された湾曲部411が形成されている。 この湾曲部411が、保護回路基板22に設けられた端子部256の孔に填まり込むことによって、端子部256との接続がなされ、また、保護回路基板22に対して固定接続部41が定位置に固定される。湾曲部411と端子部256とはハンダ付けされて、電気接続及び接合がなされている。
【0060】
また、固定接続部41の先端部412は、保護回路基板22と左側壁部21bとの間に介挿されている。これによって、保護回路基板22に対する固定接続部41の固定が強化されている。
外方伸張部43は、左側壁部21bの上縁に設けられている切欠63に填まり込んだ状態で左側壁部21bの上を乗り越えている。この切欠63によって、リードピン206の外方伸張部43が基板ホルダ21に装着されるときの前後方向の位置が位置決めされる。
【0061】
なお、切欠63の近傍において、左側壁部21bの外面には第1リブ61が突設されている。詳しくは後述するが、この第1リブ61は、リードピン206における下方伸張部44の位置を規定している。
このようなリードピン202〜213によって、電池ユニット10のタップ部102a〜113aと、回路ユニット20の端子部252〜263とが接続されている。
【0062】
6.回路ユニット20と電池ユニット10との軸支機構
コアパック1においては、その組み立て時に、各リードピン202〜213を、回路ユニット20を回転して装着面11上に装着する動作に伴って、対応するタップ部102a〜113aに順番に接続できるように、回路ユニット20の前端側の部分と、電池ユニット10の前端側の部分とは、横方向に沿った軸50(図1参照)で軸支できるようになっている。
【0063】
具体的には、図2に示すように、基板ホルダ21における前端部の下側には、右方向に突出する軸体51a、左方向に突出する軸体51bが設けられている。一方、電池ホルダ部材12,13における側板部120,130の前端部には、軸体51a,51bを回転可能に支持する軸受部52,53が設けられている。
この軸体51a,51bは、基板ホルダ21の本体と同じ樹脂で形成してもよいし、金属などの別材料で形成してもよい。軸受部52,53も同様に樹脂で形成してもよいし、金属などの別材料で形成してもよい。
【0064】
図7(a),(b)は、電池ホルダ部材12における側板部120の前端部に設けられた軸受部52の拡大図である。
図7(a)は、図3と同じ方向から軸受部52を見た部分拡大図であり、図7(b)は、軸受部52を内面側から見た部分拡大図である。
図7(b)に示されるように、軸受部52における内面側には、軸体51aが挿入される軸受溝520が形成されている。
【0065】
図7(c),(d)は、電池ホルダ部材13における側板部130の前端部に設けられた軸受部53を内面側から見た拡大図である。
軸受部53における内面側には、軸体51aが填まり込む軸受溝530が形成されている。
図7(d)に示されるように、軸受溝530は、軸方向(Y方向)から見たときの
形状がU字状である内周面を有している。
【0066】
軸受溝530の底部532は円弧状であって、軸受溝530の後方斜め上には、U字状の内周面の開口部531があり、この開口部531から回路ユニット20の軸体51bを、図7(c),(d)において白抜き矢印Bで示す方向に挿入することによって、軸受溝530の底部532まで軸体51bを挿入できるようになっている。
なお、軸受溝530の内周面には、底部532に挿入された軸体51bが底部532から抜け出るのを防止する突起533が設けられている。
【0067】
軸受溝520も、軸受溝530と同様の構造であって、図7(b)に示されるように、軸受溝520は、軸方向(Y方向)から見たときの形状がU字状である内周面を有し、底部522の内周面は円弧状である。
軸受溝520の後方には、U字状の内周面の開口部521があり、この開口部521から回路ユニット20の軸体51aを、図7(a),(b)において白抜き矢印Aで示す方向に挿入して、軸受溝520の底部522まで軸体51aを挿入できるようになっている。
【0068】
また、軸受溝520の内周面には、底部522に挿入された軸体51aが底部522から抜け出るのを防止する突起523が設けられている。
図8は、電池ユニット10に回路ユニット20を軸支させる様子を示す斜視図である。
当図に示すように、電池ユニット10の接続部101dを矢印のように持ち上げて、回路ユニット20の前端部を接続部101dの下に差し込み、軸体51a,51bを、電池ユニット10の軸受部52,53の後方斜め上(X方向とY方向の間)から、軸受溝520,530に挿入する。
【0069】
軸体51a,51bが、軸受溝520,530の底部522,532まで挿入されると、軸体51a,51bは、軸受部52,53の底部522,532で滑らかに回転できる。
すなわち、回路ユニット20の前端部が電池ユニット10の前端部において軸支され、回路ユニット20は軸50を中心に回転可能となる。
【0070】
コアパック1がこのような軸支構造を有することによって、以下に説明するように、コアパック1の製造時において、回路ユニット20を回転させて、電池ユニット10の装着面11上に装着すると共に、回路ユニット20に取り付けられているリードピン202〜213を、この順番でタップ部102a〜113aに接続することができる。
7.コアパック1の製造方法
コアパック1を製造する際には、電池ユニット10を製造する工程、リードピン付の回路ユニット20を製造する工程、回路ユニット20を電池ユニット10に装着すると共にリードピンを接続する工程を経る。
【0071】
電池ユニット10の製造工程では、電池ホルダ部材12,13に、複数の素電池3を組み込みながら、電池集合体30を組み立てる。そして、リード板101〜114を、電池ホルダ部材12,13に填め込んで、各素電池3の端子に溶接することによって、電池ユニット10を作製する。
リードピン付の回路ユニット20を製造する工程では、保護回路基板22を、基板ホルダ21内に収納する。そして、リードピン202〜213を、保護回路基板22の対応する端子部252〜263の孔に填め込んでハンダ接続する。さらに基板ホルダ21の中に樹脂をポッティングしてもよい。
【0072】
回路ユニット20を電池ユニット10に装着する工程では、リードピン202〜213を取付けた回路ユニット20を電池ユニット10に軸支し、装着面11に向けて回転させて装着する。それに伴って、リードピン202〜213を順番に、タップ部102a〜113aに接続する。
この装着工程について以下に詳述する。
【0073】
8.回路ユニット20の装着工程
図9(a)〜(d)は、回路ユニット20を電池ユニット10に装着する工程を示す図である。
図9(a)に示すように、回路ユニット20の前端に設けられた軸体51a,51bを、軸受部52,53に填め込んで軸支する。このとき、接続部101dと端子部26とが接触して、タップ部101aと端子部26とが接続され、電力路における低電位側(負極側)の接続がなされる。
【0074】
次に、図9(b)〜(d)に示すように、回路ユニット20を装着面11に向かって回転させて装着する。なお、回路ユニット20を装着面11上に装着するときには、タップ部114aの先端部分を図8に矢印で示すように起立させた状態で行う。
回路ユニット20において、リードピン202〜213は、前方から後方に順番に配列されているので、この順で軸50からの距離が大きくなっている。
【0075】
従って、回路ユニット20の装着動作に伴って、回路ユニット20に取り付けられたリードピン202〜213は、この順番で、接触部45がタップ部102a〜113aに接触して、切り欠きに填まり込む。
図10(a),(b)は、回路ユニット20の装着に伴って、リードピンが軸50に近いものから順番にタップ部に接続されることを説明する図である。
【0076】
図10(a)に示すように、回路ユニット20の右側壁部21aに沿って列設されたリードピン203,205,207,209,213は、回路ユニット20の回転に伴って円弧状の経路C3,C5,C7,C9,C11,C13を辿り、タップ部103a,105a,107a,109a,111a,113aの切欠に填まり込んで接続される。これと同様に、回路ユニット20の左側壁部21bに沿って列設されたリードピン202,204,206,208,210,212も、円弧状の経路に沿って、タップ部102a,104a,106a,108a,110a,112aの切欠に填まり込んで接続される。
【0077】
このように回路ユニット20が回転してリードピン202〜213がタップ部102a〜113aに接続されるときに、リードピン202〜213が回転する角度は共通であるが、タップ部102a〜113aに接触する順番は、まず、軸50に一番近いリードピン202がタップ部102aに接触し、順次、リードピン203,204…が、タップ部103a,104a,105a…に順次接触し、最後にリードピン213がタップ部113aに接触する。
【0078】
言い換えると、軸50を中心に回路ユニット20を回転させるとき、軸50に近いリードピンはタップ部に接触し始めるまでの回転角は小さく、軸50から遠いリードピンは対応するタップ部に接触し始めるまでの回転角が大きい。
この点について図10(b)を参照しながら説明する。当図では、軸50に近い位置にあるリードピン203と、軸50から遠い位置にあるリードピン213とで、回転角を比較している。
【0079】
図10(b)に示す状態では、回路ユニット20は装着面11に対する角度はΘ0である。従って、この状態から角度Θ0だけ回路ユニット20を回転させると回路ユニット20は装着面11上に装着される。それに伴って、リードピン203及びリードピン213も、共に角度Θ0だけ回転して、タップ部103a及びタップ部113aへの接続が完了する。
【0080】
一方、軸50に近いリードピン203がタップ部103aに接触し始めるまでの回転角Θ1と、軸50から遠いリードピン213がタップ部113aに接触し始めるまでの回転角Θ2に着目すると、回転角Θ1と回転角Θ2はいずれも回転角Θ0より小さいが、回転角Θ1よりも回転角Θ2の方が大きい(Θ1<Θ2<Θ0)。
このように、コアパック1は、回路ユニット20の回転に伴って、軸50に近いリードピンから順にタップ部102a〜113aに接触するようになっている。
【0081】
なお、このようにリードピン202〜213を順番にタップ部102a〜113aに接触させる上で、電池ユニット10において上記のようにタップ部102a〜113aが装着面11から上方に突き出していること、並びにタップ部102a〜113aの中で軸50から遠いものの方が装着面11から突き出す高さが低く設定されていることなどが寄与している。
【0082】
以上のようにリードピン202〜213を順番にタップ部102a〜113aに接続した後、タップ部114a先端部分を端子部27の上に折り重ねて、高電位側の電力用端子であるリード板114と端子部27との電気接続をなす。
9.回路ユニット20の電池ユニット10への固定
回路ユニット20は、装着面11上に装着した状態で、その前端部及び後端部を電池ユニット10にネジで固定できるようになっている。
【0083】
具体的に、前端部では、軸受部52には軸50が通る位置に孔54aが開設され、軸受部53にも軸50が通る位置に孔54bが開設されている。そして、これらの孔54a,54bから、ネジ(不図示)を軸体51a,51bのネジ孔510(図5参照)に差し込んでねじ締めすることによって、軸体51a,51bは軸受部52,53に対して固定される。
【0084】
また後端部においては、基板ホルダ21の後端部には、固定用の軸体56a,56bが取り付けられ、一方、電池ホルダ部材12の側板部120及び電池ホルダ部材13の側板部130には、回路ユニット20が装着面11上に装着された状態において軸体56a,56bと対応する位置に孔57a,57bが開設されている。そして、これらの孔57a,57bから、ネジ(不図示)を軸体56a,56bのネジ孔560(図5参照)に差し込んでねじ締めすることによって、軸体56a,56bが側板部120,130に対して固定される。
【0085】
10.リードピンのタップ部に対する接続位置を規定するリブ
上記のように各リードピン202〜213における湾曲部411は、端子部252〜263の孔に填まり込んで保護回路基板22に対して定位置に固定され、また、各リードピン202〜213の外方伸張部43は、切欠63に填まり込んで、基板ホルダ21に対して定位置に固定されているが、各リードピン202〜213の下方伸張部44及び接触部45は基板ホルダ21に固定されていない。また、外方伸張部43,下方伸張部44、接触部45は、弾性を有しているので、外力を加えると弾性変形する。従って、接触部45は、外力を加えることによって前後方向にある程度移動できるようになっている。
【0086】
ここで、図10(a)などに示すように、基板ホルダ21における側壁部21a,21bの外面には、リードピン202〜213ごとに、各リードピンの下方伸張部44を囲むように第1リブ61及び第2リブ62が対で設けられて、下方伸張部44や接触部45の変動範囲は限られている。
すなわち、図11(a)には、各リードピン203,205,207に対して、右側壁部21aの外面に第1リブ61及び第2リブ62が設けられている様子が示されている。
【0087】
また図12(a)は、回路ユニット20におけるリードピン203,205の近傍を上方から見た拡大平面図である。図12(b),(c)はリードピン203の近傍を後方から見た断面図である。
これらの図に示されるように、第1リブ61は、切欠63に隣接した位置に設けられている。この第1リブ61は、右側壁部21aの外面から外方(右方向、Y方向の反対)に突出する外方突出部61aと、外方突出部61aから前方(X方向の反対)に曲折された曲折部61bとからなり、上方から見るとL字形状である。
【0088】
外方突出部61aはリードピン203の外方伸張部43に沿って伸長し、曲折部61bはリードピン203の下方伸張部44の外側を覆っている。
このように各リードピン202〜213の下方伸張部44は、第1リブ61及び第2リブ62で囲まれているので、下方伸張部44が弾性変形しても、第1リブ61及び第2リブ62で囲まれた範囲内にとどまり、接触部45が前後に位置変動できる範囲も限定されている。
【0089】
また、リードピン202〜213が取付けられた回路ユニット20が装着面11上に装着されるときに、各リードピンの接触部45は、以下のように、タップ部102a〜113aと交差してその切欠に填まるように、左右方向の位置が規定される。
図11(a),図12に示されるように、リードピン203の下方伸張部44を囲む第1リブ61及び第2リブ62は、タップ部103aの内側において、軸受部52と衝立部71との間のスペースに填まり込み、リードピン203の接触部45がタップ部103aと接触する。同様に、リードピン205の下方伸張部44を囲む第1リブ61及び第2リブ62も、タップ部105aの内側において、衝立部71と衝立部73との間のスペースに填まり込み、リードピン205の接触部45がタップ部105aと接触する。
【0090】
その他のリードピン202,204,206〜213の下方伸張部44を囲む第1リブ61及び第2リブ62も同様に、各タップ部102a,104a,106a〜113aの内側において、隣接する衝立部の間のスペースに填まり込み、リードピン202,204,206〜213の接触部45がタップ部102a,104a,106a〜113aと接触する。
【0091】
さらに、第1リブ61及び第2リブ62は、下端面が傾斜して形成されている。
図11(a),図12(b),(c)に、リードピン203に対応する第1リブ61,第2リブ62が示されている。当図に示すように、第1リブ61の下端面610は、右側壁部21aに垂直ではなく、左右方向に傾斜した面となっている。同様に、第2リブ62の下端面620も左右方向に傾斜した面となっている。
【0092】
これによって、回路ユニット20の装着工程において、タップ部102a〜113aの内側に第1リブ61及び第2リブ62がスムースに入り込むので、対応するリードピンの接触部45はタップ部の切欠に確実に入り込んで良好に接触する。
具体的には、例えば、軸体51a,51bを軸受溝520,530に挿入して軸支した状態において、両者の間にはある程度の遊びがある。従って軸50の向きが多少ずれて、図12の(b)から(c)の状態に移るときに、タップ部103aの上端部が、第1リブ61の下端面610及び第2リブの下端面620に当たることもあり得る。
【0093】
しかし、タップ部103aの上端部がこの下端面610,620に当たったとしても、傾斜した下端面610,620がタップ部103aの上端部をスライドしながら、第1リブ61及び第2リブ62はスムースにタップ部103aの内側(タップ部103aの左側)に入り込む。
また、図11(a),図12(a)〜(c)に示すように、リードピン203の接触部45は、第1リブ61における曲折部61bの下を通って、右方向(Y方向の反対)に突き出して伸びているので、リードピン203の接触部45は、タップ部103aの切欠きに確実に填まり込むよう左右方向の位置が合わせられる。
【0094】
以上のようにして、各リードピン202〜213の接触部45は、第1リブ61及び第2リブ62の働きにより、対応するタップ部102a〜113aの切欠に確実に填め込まれて接続がなされる。
11.タップ部の切欠にリードピンを誘い込む機構
各タップ部102a〜113aに形成されている切欠の形状は、装着面11側から素電池3側に向かって先細りとなっている。すなわち、各切欠の形状は、対応するリードピン202〜213が描く円弧状の経路に沿って、その入口部分から奥部にかけて漸次幅が狭くなるように形成されている。
【0095】
これによって、回路ユニット20の回転に伴って、各リードピン202〜213の接触部45は、対応するタップ部102a〜113aに接触した後、切欠に誘い込まれて、切欠きの奥部にまでスムースに入り込む。
図11(a)はリードピン203,205,207がタップ部に接触する様子を示す斜視図、(b)はその説明図である。当図を参照しながらリードピン203,205,207について説明する。
【0096】
図11(b)に示されるように、回路ユニット20が軸50を中心に回転するのに伴って、リードピン203,205,207の接触部45は、円弧状の経路C3,C5,C7を辿ってタップ部103a,105a,107aに接続される。
各タップ部103a,105a,107aには、対応するリードピン203,205,207が填まり込む切欠(スリット)S3,S5,S7が形成されており、この切欠S3,S5,S7は、上記の円弧状の経路C3,C5,C7に沿って形成されている。
【0097】
また、切欠S3,S5,S7は、入口部分は幅が広く、奥部に行くに従ってだんだんと幅が狭くなっている。
ここで、上記10欄で述べたように各リードピンの接触部45は、外力を加えることによって、前後方向にある程度位置変動できるようになっているので、リードピン203,205,207の接触部45が切欠S3,S5,S7に挿入されるときの経路が前後方向に多少ずれたとしても、リードピン203,205,207の接触部45は、切欠S3,S5,S7の縁をスライドしながら、切欠の入口部分から奥部へとスムースに入り込むことができる。
【0098】
12.コアパック1及びその製造方法による主な効果
一般に、保護ユニットにおいて、電池ユニットの中間電圧を入力して保護動作を行うパック電池を組み立てる時には、電池ユニットのタップ部と回路ユニットの各入力端子とを接続する工程を経る。その際に、すでに接続されてタップ部と電位が大きく異なる電位のタップ部とを接続すると、その間の電池群の直列電圧が回路ユニットのICに印加され、保護ICに定格以上の高電圧が印加されて破壊されることがある。またICの故障に伴って、回路基板上に実装された他の素子類に悪影響が及ぶ可能性もある。
【0099】
これに対して上記のコアパック1は、その組み立て時に回路ユニット20を電池ユニット10に軸支するのに伴って最低電位のタップ部101a端子部26が接続され、次に、回路ユニット20を回転させて装着面11上に装着するのに伴って、電池ユニット10のタップ部102a〜113aが低電位側から昇順の電位で、回路ユニット20の端子部252〜263に自動的に接続される。
【0100】
従って、保護IC23を破壊することなく、リード線を手作業で1本ずつ接続するような手間をかけなくても、回路ユニットに中間電位入力のための接続をなすことができ、製造コストの低減にも寄与する。
また、コアパック1において、電池ユニット10に回路ユニット20が装着され、リードピン202〜213とタップ部102a〜113aが接続されている状態から切り離す場合にも、軸50を中心に回路ユニット20を回転させて装着面11上から離間させると、各リードピン202〜213は自動的に高電位側から順にタップ部102a〜113aから切り離される。それによって、組み立て時と同様の理由で、回路ユニットの保護ICに定格以上の高電圧が印加されるのを防止できる。
【0101】
従って、メンテナンス時などに、コアパック1の回路ユニット20を電池ユニット10から切り離す作業を、容易に行うことができる。
[変形例など]
以上、実施の形態に基づいて説明したが、以下のような変形例も実施可能である。
1.上記実施の形態にかかるパック電池では、電池ユニットの立体形状が三角柱状であるが、その形状は特に限定されず、例えば直方体状であってもよい。
【0102】
2.上記実施の形態では、素電池としてリチウムイオン電池を用いたが、充放電可能なあらゆる電池を使用できる。例えば、リチウムポリマー電池やニッケル水素電池などを用いても同様に実施できる。
3.上記実施の形態にかかるパック電池では、電池ユニットに含まれる各電池群は4つの素電池が並列接続されて構成されていたが、各電池群を構成する素電池の数は特に限定されず1個であってもよい。また、各電池群内で複数の素電池が直列接続されていてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態にかかるパック電池では、電池群の直列数が13であったが、この直列数についても3以上であればよい。
また、上記実施の形態にかかるパック電池では、電池群の直列数が奇数であって、最高電位のタップと最低電位のタップ部が電池集合体の左側面と右側面とに配されたが、電池群の直列数は偶数であってもよく、その場合、最高電位のタップ部と最低電位のタップ部は同じ側の側面に配される。
【0104】
4.上記実施の形態にかかるコアパック1では、回路ユニット20を電池ユニット10に軸支するときに接続部101dと端子部26が接触してリード板101と端子部26との電気接続がなされるようにしたが、回路ユニット20を電池ユニット10に軸支する前に、予めリード板101と端子部26とをリード線などで接続しておいてもよい。
5.上記実施の形態にかかるコアパック1では、回路ホルダ21に軸体51a,51bを設け、電池ホルダ部材12,13に軸受部52,53を設けて、軸支構造を実現したが、軸支構造部はこれに限られず、逆に、電池ホルダ部材に軸体を設け、回路ホルダに軸受部を設けることによっても、電池ユニットに回路ユニットを軸支し同様の動作を実現できる。
【0105】
あるいは、回路ホルダと電池ホルダの前端部に孔を開けておいて、これに軸体を填め込むようにしても、電池ユニットに回路ユニットを軸支できる。
6.上記実施の形態にかかるパック電池では、電池ユニットを構成する素電池として、一端側に正極端子、他端側に負極端子を有する素電池を用いたが、一端側に正極端子と負極端子の両方を有する素電池を用いることもできる。
【0106】
この場合も、電池ユニットの一方の端面に正極端子と負極端子を露出させ、その端面に複数のリード板を配置し、電池ユニットにおける装着面の片側に複数のタップ部を電位順に列設すると共に、回路ユニットの片側に複数のリードピンを設け、回路ユニットの回転に伴って各タップ部に接続することができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明によるパック電池は、電動自転車、電動車両、作業用ロボットなどの電源として利用できる。
【符号の説明】
【0108】
1 コアパック
3 素電池
10 電池ユニット
11 装着面
12,13 電池ホルダ部材
20 回路ユニット
21 基板ホルダ
21a 右側壁部
21b 左側壁部
22 回路基板
22a 右辺
22b 左辺
23 保護IC
24a,24b スイッチング素子
25 コネクタ
26,27 接続端子
28 配線
29 係止ピン
30 電池集合体
31 電池群
41 固定接続部
42 上方伸張部
43 外方伸張部
44 下方伸張部
45 接触部
46 先端部分
50 軸
51a,51b 軸体
52,53 軸受部
61 第1リブ
61a 外方突出部
61b 曲折部
62 第2リブ
63 切欠
71〜76,81〜87 衝立部
101〜114 リード板
101a〜114a タップ部
120,130 側板部
202〜213 リードピン
252〜263 端子部
411 湾曲部
412 先端部
520,530 軸受溝
610,620 下端面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12