特許第6215220号(P6215220)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6215220
(24)【登録日】2017年9月29日
(45)【発行日】2017年10月18日
(54)【発明の名称】車両用電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20171005BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20171005BHJP
   H02J 7/14 20060101ALI20171005BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20171005BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20171005BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20171005BHJP
【FI】
   H02J7/00 Y
   H02J7/02 F
   H02J7/00 302C
   H02J7/14 H
   H01M10/44 P
   H01M10/48 P
   H01M2/10 J
   H01M2/10 S
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-544261(P2014-544261)
(86)(22)【出願日】2013年10月24日
(86)【国際出願番号】JP2013006294
(87)【国際公開番号】WO2014068917
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2016年10月7日
(31)【優先権主張番号】特願2012-238300(P2012-238300)
(32)【優先日】2012年10月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】坂田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】大隅 信幸
(72)【発明者】
【氏名】中島 薫
(72)【発明者】
【氏名】常定 昭伸
【審査官】 小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−118777(JP,A)
【文献】 特開2011−176958(JP,A)
【文献】 特開2004−031273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 2/10
H01M 10/44
H01M 10/48
H02J 7/02
H02J 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内の発電機により発電される電力を蓄え、車両内の負荷に給電する、並列接続された第1蓄電部および第2蓄電部と、
少なくとも前記第2蓄電部を管理する制御部と、を備え、
前記第2蓄電部は、直列接続された複数の蓄電池セルを含み、
前記制御部は、前記複数の蓄電池セルの分圧比を監視することで、前記複数の蓄電池セルのうちの少なくとも一つが短絡している状態を含む前記第2蓄電部の異常を検出することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の蓄電池セルの正極電位、負極電位、及び一つの接続点電位を監視し、前記正極と前記接続点間の電圧と、前記接続点と前記負極間の電圧との比率が設定比率に対応しないとき、前記第2蓄電部を異常と判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記第2蓄電部は、複数の蓄電池セルが直列接続された第1蓄電池セル群と、複数の蓄電池セルの直列接続された第2蓄電池セル群を含み、
前記第1蓄電池セル群と前記第2蓄電池セル群は並列接続され、
前記制御部は、前記第1蓄電池セル群及び前記第2蓄電池セル群の正極電位、負極電位、前記第1蓄電池セル群の一つの第1接続点電位、並びに前記第2蓄電池セル群の一つの第2接続点電位を監視し、
前記正極と前記第1接続点間の電圧と、前記正極と前記第2接続点間の電圧との比率が設定比率に対応しないとき、又は前記第1接続点と前記負極間の電圧と、前記第2接続点と前記負極間の電圧との比率が設定比率に対応しないとき、前記第2蓄電部を異常と判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項4】
前記第1蓄電部は鉛蓄電池を含み、前記第2蓄電部は複数のニッケル水素蓄電池セルを含み、
本車両用電源装置は、前記第2蓄電部に含まれる前記複数のニッケル水素蓄電池セルのセル電圧の均等化制御が不要であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるべき車両用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの車両には鉛蓄電池が搭載されている。この鉛蓄電池から、スタータモータや各種の電装品に電力が供給されている。鉛蓄電池は安価であるが、ニッケル水素蓄電池やリチウムイオン蓄電池と比較し、サイクル寿命が短いという特性がある。アイドリングストップ機能を有した車両では充放電回数が多くなるため、鉛蓄電池の寿命は特に短くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−176958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、蓄電池の故障判定はその両端電圧を監視することにより行われる。上述のように鉛蓄電池と、ニッケル水素蓄電池またはリチウムイオン蓄電池が並列接続されている場合、一方の電圧変動が他方の両端電圧に影響を与える。従って蓄電池の状態を正確に検出できていない場合が発生し得る。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、並列に接続された蓄電池の状態を正確に検出する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用電源装置は、車両内の発電機により発電される電力を蓄え、車両内の負荷に給電する、並列接続された第1蓄電部および第2蓄電部と、少なくとも前記第2蓄電部を管理する制御部と、を備える。前記第2蓄電部は、直列接続された複数の蓄電池セルを含む。前記制御部は、前記複数の蓄電池セルの分圧比を監視して前記第2蓄電部の異常を検出する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、並列に接続された蓄電池の状態を正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る車載用電源装置を説明するための図である。
図2図1の第2蓄電池制御部を説明するための図である。
図3】第2蓄電池の構成例1を示す図である。
図4】構成例1に係る第2蓄電池の故障判定処理を説明するためのフローチャートである。
図5】第2蓄電池の構成例2を示す図である。
図6】構成例2に係る第2蓄電池の故障判定処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る車載用電源装置について説明する。以下の説明では当該車載用電源装置が、アイドリングストップ機能および減速エネルギー回生機能を有する車両に搭載されることを想定する。
【0010】
アイドリングストップ機能は、車両停止時に自動的にエンジンを停止させ、発進時に自動的にエンジンを再始動させる機能である。減速エネルギー回生機能は、燃料によらず慣性によりエンジンが回転している減速時に集中的に発電する機能である。即ち通常走行中はオルタネータの作動をできるだけ抑制させてエンジンの負荷を下げる。いずれの機能も燃費を向上させる効果がある。
【0011】
アイドリングストップ機能が搭載された車両ではエンジンの始動回数が多くなる。エンジンは通常、バッテリ電圧で駆動されるスタータモータにより始動される。従ってエンジンの始動回数が多くなるとバッテリの消費電力が大きくなり、放電回数が多くなる。また減速エネルギー回生機能が搭載された車両では、減速時に集中的に発動されるため、大容量で効率的な充電が可能なバッテリが求められる。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る車載用電源装置100を説明するための図である。当該車載用電源装置100が搭載される車両には、車載用電源装置100に関連する部材として、オルタネータ200、スタータ300、電装品400、ECU(Electronic Control Unit)500が搭載される。
【0013】
オルタネータ200は、図示しないエンジンのクランク軸の回転エネルギーにより発電する。本実施の形態では主に減速中に発電する。オルタネータ200は、発電した電力を車載用電源装置100に供給する。
【0014】
スタータ300はエンジン始動用モータである。スタータ300は車載用電源装置100から供給される電力により回転し、エンジンを始動させる。運転者の操作により図示しないイグニッションスイッチがオンされると、車載用電源装置100からスタータ300に電力が供給され、スタータ300が始動する。
【0015】
電装品400は、ヘッドライト、パワーステアリング、オイルポンプ、カーナビゲーションシステム、オーディオなどの車両内に搭載される各種電気負荷を示す総称である。なお本明細書では説明の便宜上、オルタネータ200、スタータ300、ECU500は電装品400と別に描いている。電装品400は車載用電源装置100から供給される電力により駆動される。
【0016】
ECU500は車両内に搭載される各種の補機、センサ、スイッチに接続され、エンジン及び各種補機を電子制御する。アイドリングストップ機能を実行する場合、ECU500はブレーキ、車速センサ等から入力される信号をもとに車両の停止または設定速度以下への減速を検出するとエンジンを停止させる。またECU500は、ブレーキが解除されたことを検出するとエンジンを再始動させる。その際、車載用電源装置100からスタータ300に電力が供給されるよう制御し、スタータ300を作動させる。
【0017】
減速エネルギー回生機能を実行する場合、ECU500は通常走行時、原則的にオルタネータ200を停止させる。ECU500は、ブレーキ、車速センサ等から入力される信号をもとに車両の減速を検出するとオルタネータ200を作動させる。なお車載用電源装置100内のバッテリの容量が設定下限容量より低い場合は、ECU500は通常走行時でもオルタネータ200を作動させる。
【0018】
車載用電源装置100は、第1蓄電池10、第2蓄電池20、第1蓄電池制御部30、第2蓄電池制御部40、DC−DCコンバータ50を含む。第1蓄電池10は、オルタネータ200により発電された電力を蓄え、スタータ300及び電装品400に給電するためのメインバッテリである。第2蓄電池20は、オルタネータ200により発電された電力を蓄え、スタータ300及び電装品400に給電するためのサブバッテリである。第1蓄電池10と第2蓄電池20は並列接続される。
【0019】
本実施の形態では第1蓄電池10に鉛蓄電池、第2蓄電池20にニッケル水素蓄電池を用いることを想定する。鉛蓄電池は比較的安価、比較的広い温度範囲で動作可能、高出力などの長所があり、車両用の蓄電池として広く普及している。ただし充放電エネルギー効率が低い、過放電に弱い、サイクル寿命が短いなどの短所がある。ニッケル水素蓄電池は、充放電エネルギー効率が比較的高い、過充電および過放電に強い、使用温度範囲が広い、SOC(State Of Charge)範囲が広い、サイクル寿命が比較的長いなどの長所がある。ただし、自己放電が大きい、メモリ効果がある、低電圧、鉛蓄電池より高価などの短所がある。
【0020】
アイドリングストップ機能を採用する場合、スタータ300の使用回数が増えるため、蓄電池の容量を増大させる必要がある。その際、単純に鉛蓄電池の容量を増大させるのではなく、性質が異なる複数種類の蓄電池を組み合わせて使用することにより、それぞれの蓄電池の短所を補いつつ蓄電池全体の容量を増大させる。
【0021】
本実施の形態では鉛蓄電池とニッケル水素蓄電池を組み合わせて使用する例を説明するが、鉛蓄電池とリチウムイオン蓄電池を組み合わせて使用してもよい。リチウムイオン蓄電池は、エネルギー密度および充放電エネルギー効率が高く、高性能な蓄電池であるが、厳格な電圧・温度管理が必要である。
【0022】
一般的に蓄電池はエンジンルームに設置される。エンジンルームに鉛蓄電池と一体的に設置するには、ニッケル水素蓄電池のほうがリチウムイオン蓄電池より適している。エンジンルームはエンジン作動時に温度が上昇するが、ニッケル水素蓄電池のほうがリチウムイオン蓄電池より高温耐性がある。なお、鉛蓄電池と並列接続されるリチウムイオン蓄電池をエンジンルームから離れた位置に設置することも考えられるが、その場合、配線抵抗による損失が大きくなる。
【0023】
オルタネータ200、スタータ300、第1蓄電池10、第2蓄電池20、電装品400は経路P1により接続される。DC−DCコンバータ50は当該経路P1に挿入される。DC−DCコンバータ50は、エンジンのクランキング時およびアイドリングストップ状態からの再始動時に、上記経路P1の電圧が所定電圧以下に下がらないよう電圧補償するために設けられる。一般的に上述の経路P1は12Vに設計される。電装品400の中には、カーナビゲーションシステムなど10V程度まで電圧が下がると、リセットされてしまうものがある。これに対してスタータ300の作動時、ECU500がDC−DCコンバータ50を作動させることにより第2蓄電池20の充放電端子の電位が安定し、電装品400に安定した電圧を供給し続けることができる。
【0024】
第1蓄電池制御部30は第1蓄電池10を管理制御する。具体的には第1蓄電池10の電圧、電流、温度を取得し、第1蓄電池10の残容量および異常発生の有無を監視する。第1蓄電池制御部30は、第1蓄電池10の残容量および第1蓄電池10の正常または異常をECU500に通知する。第1蓄電池制御部30、第2蓄電池制御部40、ECU500間は例えば、CAN(Controller Area Network)により通信される。
【0025】
第2蓄電池制御部40は第2蓄電池20を管理制御する。以下、第2蓄電池制御部40をより具体的に説明する。
【0026】
図2は、図1の第2蓄電池制御部40を説明するための図である。第2蓄電池制御部40は、キー入力検出回路41、ハイサイドスイッチ42、定電圧生成回路43、電池状態検出回路44、通信インタフェース45、CPU46、メモリ47を含む。
【0027】
キー入力検出回路41は、イグニッションキーの抜挿を検出する。キー入力検出回路41は、運転者によりイグニッションキーが挿入されるとハイサイドスイッチ42をオンに制御し、イグニッションキーが抜かれるとハイサイドスイッチ42をオフに制御する。なおキー入力検出回路41は、キーポジションがOFFではハイサイドスイッチ42をオフに維持し、ACC、ONまたはSTARTでハイサイドスイッチ42をオンに制御してもよい。
【0028】
ハイサイドスイッチ42は上記経路P1と定電圧生成回路43との間に設けられる。ハイサイドスイッチ42はオンに制御されると、上記経路P1の電圧を定電圧生成回路43に供給する。定電圧生成回路43はCPU46の電源電圧を生成する。例えば、上記経路P1の12V電圧を3〜5V程度の電圧に降圧する。定電圧生成回路43には例えば三端子レギュレータを用いることができる。
【0029】
このようにイグニッションキーが差し込まれることによりCPU46に電源が供給され、第2蓄電池制御部40は起動する。
【0030】
電池状態検出回路44は、第2蓄電池20の電圧、電流、温度を取得する。電池状態検出回路44は、第2蓄電池20の電圧、電流、温度をCPU46に通知する。通信インタフェース45は第2蓄電池制御部40と、他の制御回路(本実施の形態では第1蓄電池制御部30、ECU500)と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース45は外部から受信した情報をCPU46に伝達するとともに、CPU46から出力された情報を外部に伝達する。
【0031】
本実施の形態では通信インタフェース45は、第2蓄電池20または第2蓄電池制御部40の異常検出をECU500に送信する。また第2蓄電池20の状態情報(例えば、電圧、電流、温度)をECU500に送信する。またオルタネータ200による発電要求をECU500に送信する。発電要求の送信の前提として、第1蓄電池制御部30から第1蓄電池10のSOCを取得してもよい。
【0032】
CPU46は第2蓄電池制御部40全体を制御する。特に第2蓄電池20の状態管理などを行う。メモリ47は、CPU46により実行される制御プログラムおよびCPU46により生成されるデータを保持する。
【0033】
図3は、第2蓄電池20の構成例1を示す図である。第2蓄電池20は、複数の蓄電池セルで形成される直並列回路20aおよびシャント抵抗Rsを含む。構成例1では10直列2並列の直並列回路20aを含む。図3では直並列回路20aは、4つの蓄電池モジュールの組み合わせで構成される。一つの蓄電池モジュールは直列接続された5つの蓄電池セルを含む。第1蓄電池モジュール21と第2蓄電池モジュール22が直列接続され、第3蓄電池モジュール23と第4蓄電池モジュール24が直列接続される。それぞれの直列回路が並列接続されて直並列回路20aが形成される。
【0034】
直並列回路20aの正極端子は上記経路P1と接続され、負極端子はシャント抵抗Rsの一端に接続される。シャント抵抗Rsの他端はグラウンドに接続される。直並列回路20aの正極端子と上記経路P1間の第1ノードN1、第1蓄電池モジュール21と第2蓄電池モジュール22間の第2ノードN2、第3蓄電池モジュール23と第4蓄電池モジュール24間の第3ノードN3、直並列回路20aの負極端子とシャント抵抗Rsの一端との間の第4ノードN4、シャント抵抗Rsの他端とグラウンド間の第5ノードN5は、それぞれ電池状態検出回路44に接続される。
【0035】
電池状態検出回路44は第1ノードN1〜第5ノードN5の電位を検出し、CPU46に通知する。第2蓄電池20は図示しないサーミスタをさらに含み、当該サーミスタは検出した温度を電池状態検出回路44に出力する。電池状態検出回路44は取得した温度をCPU46に通知する。
【0036】
本実施の形態では蓄電池セルとしてニッケル水素蓄電池セルを使用する。ニッケル水素蓄電池セルは、リチウムイオン蓄電池セルのように厳密なセル電圧の均等化制御が不要であるため、各セルごとの電圧を検出する必要はない。直並列回路20aを形成する直列回路ごとに、その両端電位と少なくとも一つのセル間ノードの電位を検出すれば足りる。構成例1では、当該直列回路が二つの蓄電池モジュールの直列接続で構成されるため、二つの蓄電池モジュールの中点電位を監視している。即ち、直並列回路20aの両端電圧に対して1:1の分圧点を監視している。
【0037】
図4は、構成例1に係る第2蓄電池20の故障判定処理を説明するためのフローチャートである。第2蓄電池制御部40は、第1ノードN1と第2ノードN2間の第1電圧V1、第2ノードN2と第4ノードN4間の第2電圧V2、第1ノードN1と第3ノードN3間の第3電圧V3、第3ノードN3と第4ノードN4間の第4電圧V4をそれぞれ検出する(S10)。
【0038】
第2蓄電池制御部40は、第1電圧V1と第2電圧V2との比率が、設定された比率である1:1に略一致するか否か判定する(S12)。第2ノードN2はそれぞれ同数の蓄電池セルを含む第1蓄電池モジュール21および第2蓄電池モジュール22の分圧点であるため、第1蓄電池モジュール21および第2蓄電池モジュール22の全ての蓄電池セルが正常であれば、第1電圧V1と第2電圧Vとの比率は略1:1になる。一方、いずれかの蓄電池セルに短絡が発生していれば、第1電圧V1と第2電圧Vとの比率は略1:1にならない。例えば、第1蓄電池モジュール21に含まれる一つの蓄電池セルが短絡している場合、第1電圧V1と第2電圧Vとの比率は略4:5になる。
【0039】
ステップS12において第1電圧V1と第2電圧Vとの比率が略1:1でない場合(S12のN)、第2蓄電池制御部40は第2蓄電池20に異常ありと判定する(S19)。その際、第1電圧V1と第2電圧Vの大小関係またはそれぞれの値そのものにより、第1蓄電池モジュール21に異常があるか第2蓄電池モジュール22に異常があるかを推定できる。基本的に電圧が小さいのほうの蓄電池モジュールに短絡が発生していると推定できる。第2蓄電池制御部40は第2蓄電池20に異常ありと判定すると、その異常をECU500に通知する。ECU500は当該通知を受信すると、オルタネータ200の停止制御、運転者へのアラート通知などを行う。
【0040】
ステップS12において第1電圧V1と第2電圧V2との比率が略1:1である場合(S12のY)、第2蓄電池制御部40は、第3電圧V3と第4電圧V4との比率が、設定された比率である1:1に略一致するか否か判定する(S14)。第3電圧V3と第4電圧V4との比率が略1:1でない場合(S14のN)、第2蓄電池制御部40は第2蓄電池20に異常ありと判定する(S19)。そして、その異常をECU500に通知する。
【0041】
ステップS14において第3電圧V3と第4電圧V4との比率が略1:1である場合(S14のY)、第2蓄電池制御部40は、第1電圧V1と第3電圧V3との比率が、設定された比率である1:1に略一致するか否か判定する(S16)。
【0042】
ステップS12およびステップS14の判定結果が良好であれば、基本的に第2蓄電池20は正常であると推定できる。しかしながら例えば、第1蓄電池モジュール21および第2蓄電池モジュール22においてそれぞれ一つずつ蓄電池セルが短絡している場合、分圧比は正常であるため第1蓄電池モジュール21および第2蓄電池モジュール22を正常と誤判定する可能性がある。そこで並列する蓄電池モジュール同士の電圧を比較することにより、より高精度な故障判定を行う。
【0043】
ステップS16において第1電圧V1と第3電圧V3との比率が略1:1でない場合(S16のN)、第2蓄電池制御部40は第2蓄電池20に異常ありと判定する(S19)。そして、その異常をECU500に通知する。第1電圧V1と第3電圧V3との比率が略1:1である場合(S16のY)、第2蓄電池制御部40は、第2蓄電池20が正常であると判定する(S18)。
【0044】
なお第1電圧V1と第3電圧V3との比率が略1:1であるか否かの判定に代えて、またはその判定が良好であった場合に、第2電圧V2と第4電圧V4との比率が略1:1であるか否かの判定を行ってもよい。
【0045】
なお図示しないが第2蓄電池制御部40は第5ノードN5と第6ノードN6間の電圧(即ち、シャント抵抗Rsの両端電圧)を検出することにより電流異常(例えば、過電流)を検出する。また第2蓄電池制御部40は図示しないサーミスタにより検出される温度をもとに温度異常を検出する。
【0046】
図5は、第2蓄電池20の構成例2を示す図である。第2蓄電池20は、複数の蓄電池セルで形成される直列回路20bおよびシャント抵抗Rsを含む。構成例2では15直列2の直列回路20bを含む。図5では直列回路20bは、3つの蓄電池モジュールの組み合わせで構成される。一つの蓄電池モジュールは直列接続された5つの蓄電池セルを含む。第1蓄電池モジュール21、第2蓄電池モジュール22および第3蓄電池モジュール23が直列接続されて直列回路20bが形成される。
【0047】
直列回路20bの正極端子は上記経路P1と接続され、負極端子はシャント抵抗Rsの一端に接続される。シャント抵抗Rsの他端はグラウンドに接続される。直列回路20bの正極端子と上記経路P1間の第1ノードN1、第1蓄電池モジュール21と第2蓄電池モジュール22間の第2ノードN2、直列回路20bの負極端子とシャント抵抗Rsの一端との間の第4ノードN4、シャント抵抗Rsの他端とグラウンド間の第5ノードN5は、それぞれ電池状態検出回路44に接続される。図5では電池状態検出回路44は直列回路20bの両端電圧に対して1:2の分圧点を監視している。
【0048】
図6は、構成例2に係る第2蓄電池20の故障判定処理を説明するためのフローチャートである。第2蓄電池制御部40は、第1ノードN1と第2ノードN2間の第1電圧V1、第2ノードN2と第4ノードN4間の第2電圧V2をそれぞれ検出する(S20)。
【0049】
第2蓄電池制御部40は、第1電圧V1と第2電圧V2との比率が、設定された比率である1:2に略一致するか否か判定する(S22)。第1電圧V1と第2電圧Vとの比率が略1:2でない場合(S22のN)、第2蓄電池制御部40は第2蓄電池20に異常ありと判定する(S26)。第1電圧V1と第2電圧Vとの比率が略1:2である場合(S22のY)、第2蓄電池制御部40は第2蓄電池20を正常と判定する(S24)。
【0050】
以上説明したように本実施の形態によれば、第1蓄電池10に並列接続された第2蓄電池20の異常検出を、第2蓄電池20を形成する直列接続された複数の蓄電池セルの分圧比を監視することにより正確に行うことができる。即ち第2蓄電池20の両端電圧を監視しているだけでは、並列接続された第1蓄電池10の電圧の影響により異常を検出できない場合が発生し得る。具体的には第2蓄電池20を形成する蓄電池セルのいずれかが短絡した場合、第2蓄電池20の正極電位は低下するはずであるが、第1蓄電池10の電圧により第2蓄電池20の正極電位が維持されてしまう事態が発生する。
【0051】
これに対して第2蓄電池20を形成する蓄電池セルの分圧比を監視していれば、仮に第2蓄電池20の正極電位が維持されても当該分圧比は崩れるため、第2蓄電池20の異常を見過ごすことなく検出できる。また蓄電池セル間の全てのノードを監視する必要はなく、一つのノードを監視すれば足りるため配線の増加を抑制できる。なお監視するノードを多くすれば、どの蓄電池セルに異常が発生したかを特定しやすくなるため、設計者は配線の簡素化と異常セルの特定しやすさのトレードオフ関係を考慮して、監視するノード数を決定すればよい。
【0052】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。こられ実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0053】
また上述の実施の形態では第1蓄電池10と第2蓄電池20をそれぞれ第1蓄電池制御部30と第2蓄電池制御部40の二つの制御回路で管理制御する例を説明したが、第1蓄電池10と第2蓄電池20を一つの制御回路で管理制御してもよい。
【0054】
上述の経路P1と第2蓄電池20との間にヒューズを挿入してもよい。この場合、大電流から第2蓄電池20を保護することができる。
【符号の説明】
【0055】
100 車載用電源装置、 200 オルタネータ、 300 スタータ、 400 電装品、 500 ECU、 10 第1蓄電池、 20 第2蓄電池、 20a 直並列回路、 20b 直列回路、 21 第1蓄電池モジュール、 22 第2蓄電池モジュール、 23 第3蓄電池モジュール、 24 第4蓄電池モジュール、 Rs シャント抵抗、 30 第1蓄電池制御部、 40 第2蓄電池制御部、 50 DC−DCコンバータ、 41 キー入力検出回路、 42 ハイサイドスイッチ、 43 定電圧生成回路、 44 電池状態検出回路、 45 通信インタフェース、 46 CPU、 47 メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6