特許第6244105号(P6244105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立製作所の特許一覧
<>
  • 特許6244105-エレベータ制御システム 図000002
  • 特許6244105-エレベータ制御システム 図000003
  • 特許6244105-エレベータ制御システム 図000004
  • 特許6244105-エレベータ制御システム 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244105
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】エレベータ制御システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   B66B1/18 X
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-100179(P2013-100179)
(22)【出願日】2013年5月10日
(65)【公開番号】特開2014-218356(P2014-218356A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鬼木 良
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−132079(JP,A)
【文献】 特開平04−327473(JP,A)
【文献】 特開平07−206281(JP,A)
【文献】 特開平06−227762(JP,A)
【文献】 特開平04−333478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低層階にサービスする低層階用エレベータと、高層階にサービスする高層階用エレベータと、前記低層階用エレベータ及び前記高層階用エレベータの運行を群管理する制御装置と、を備えたエレベータ制御システムにおいて、
前記低層階用エレベータのかご内に前記高層階用エレベータの行先階を登録するためのかご呼びボタンおよび第1表示装置を設け、
前記制御装置は、前記低層階用エレベータから前記かご呼びボタンが押下された場合には、当該かご呼びボタンの押下によるかご呼びに対して最適な前記高層階用エレベータを割り当てると共に、割り当てた前記高層階用エレベータの号機を前記第1表示装置に表示し、前記低層階用エレベータが、前記低層階用エレベータ及び前記高層階用エレベータのどちらにもサービス可能な乗り継ぎ階に到着するより前に、当該乗り継ぎ階に、割り当てた前記高層階用エレベータを配車して待機させ、前記かご呼びボタンの押下操作に基づいて、前記高層階用エレベータを前記乗り継ぎ階から前記登録された行先階に向けて走行させ、
前記制御装置は、前記第1表示装置への前記号機の表示を、最適な前記高層階用エレベータの割り当て後であって当該高層階用エレベータの配車前に開始し、前記低層階用エレベータが前記乗り継ぎ階に到着後、消灯させることを特徴とするエレベータ制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベータ制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記高層階用エレベータを戸開状態で前記乗り継ぎ階に待機させるようにしたことを特徴とするエレベータ制御システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエレベータ制御システムにおいて、
前記高層階用エレベータのかご内に、乗り継ぎ待機中である旨を表示する第2表示装置、及び音声による乗り継ぎ待機中の案内を行う音声案内装置の少なくとも一方を設けたことを特徴とするエレベータ制御システム。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載のエレベータ制御システムにおいて、
前記制御装置は、前記低層階用エレベータが前記乗り継ぎ階に到着した後、前記高層階用エレベータのドアタイムのカウントを開始することを特徴とするエレベータ制御システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載のエレベータ制御システムにおいて、
前記高層階用エレベータを複数台備え、前記制御装置は、前記低層階用エレベータから前記かご呼びボタンが押下された場合、前記乗り継ぎ階に最短の時間で到着する前記高層階用エレベータ、前記乗り継ぎ階より下にあり上方向に向かう前記高層階用エレベータ、呼び登録の無い前記高層階用エレベータ、および、前記呼び登録が他の高層階用エレベータより少ない前記高層階用エレベータのいずれかの前記高層階用エレベータを前記乗り継ぎ階に配車することを特徴とするエレベータ制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り継ぎ階があるエレベータの運転を群管理方式で制御するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高層ビルなどは低層階と高層階とに階層を分け、それぞれの階層にエレベータを配車している。しかし、各階層間を移動する場合、乗り継ぎが必要となり、乗客は乗り継ぎ階においてホール呼び登録を行って再度エレベータを呼び寄せ、乗り継ぎ階で待機しなければならない。このような煩わしさを解消するため、例えば低層階用エレベータ内において高層階用エレベータのホール呼び登録を行うことができるようにした技術が公知である(特許文献1参照)。この特許文献1によれば、乗り継ぎ階においてホール呼び登録を行わなくて済むため、乗り継ぎの待ち時間が短くなるなどサービス面での向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−114976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、高層階用エレベータを乗り継ぎ階でホール呼び登録しなくて済むものの、高層階用エレベータの乗り込んだ後、改めてかご呼びボタンを押して行先階を登録しなければならないため、利用者にとっては依然として操作が煩雑であるという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、乗り継ぎ階にてエレベータを乗り換える利用者の利便性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、低層階にサービスする低層階用エレベータと、高層階にサービスする高層階用エレベータと、前記低層階用エレベータ及び前記高層階用エレベータの運行を群管理する制御装置と、を備えたエレベータ制御システムにおいて、前記低層階用エレベータのかご内に前記高層階用エレベータの行先階を登録するためのかご呼びボタンおよび第1表示装置を設け、前記制御装置は、前記低層階用エレベータから前記かご呼びボタンが押下された場合には、当該かご呼びボタンの押下によるかご呼びに対して最適な前記高層階用エレベータを割り当てると共に、割り当てた前記高層階用エレベータの号機を前記第1表示装置に表示し、前記低層階用エレベータが、前記低層階用エレベータ及び前記高層階用エレベータのどちらにもサービス可能な乗り継ぎ階に到着するより前に、当該乗り継ぎ階に、割り当てた前記高層階用エレベータを配車して待機させ、前記かご呼びボタンの押下操作に基づいて、前記高層階用エレベータを前記乗り継ぎ階から前記登録された行先階に向けて走行させ、前記制御装置は、前記第1表示装置への前記号機の表示を、最適な前記高層階用エレベータの割り当て後であって当該高層階用エレベータの配車前に開始し、前記低層階用エレベータが前記乗り継ぎ階に到着後、消灯させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低層階から高層階にエレベータを乗り継ぐ場合であっても、低層階用エレベータ内においてかご呼びを1回登録するだけで行先階(目的階)に到着することができるため、利用者の利便性が向上する。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るエレベータ制御システムの全体構成図である。
図2図1に示す低層階用エレベータのかご内の各種装置を示す図である。
図3図1に示す高層階用エレベータのかご内の各種装置を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るエレベータ制御システムにおいて、低層階から高層階にエレベータを乗り継ぐ場合の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係るエレベータ制御システムの全体構成を示す図であり、図2は低層階用エレベータのかご内の各種装置を示す図であり、図3は高層階用エレベータのかご内の各種装置を示す図である。また、図4は本発明の実施形態に係るエレベータ制御システムにおいて、低層階から高層階にエレベータを乗り継ぐ場合の制御手順を示すフローチャートである。
【0010】
図1に示すように、ビルには、No.A〜No.Dの4基のエレベータが設置されており、これら4基のエレベータの運行が制御装置1によって群管理されている。エレベータ10及びエレベータ11はビルの出発階14である1階から乗り継ぎ階15である6階までの低層階16をサービスする低層階用エレベータであり、エレベータ12及びエレベータ13はビルの出発階14と乗り継ぎ階15の6階から最上階である12階までの高層階17をサービスする高層階用エレベータである。
【0011】
図2に示すように、低層階をサービスするエレベータ10及びエレベータ11のかご内には、出発階14のかご呼びボタン20と、低層階用(2階〜6階)のかご呼びボタン21と、高層階用(7階〜12階)のかご呼びボタン22と、高層階の乗り継ぎエレベータの号機を表示させる乗り継ぎエレベータ表示装置(第1表示装置)23と、音声により乗り継ぎの案内を行う第1音声案内装置24と、乗り継ぎのエレベータが到着するまで待機していること、即ち、乗り継ぎ待機中である旨を乗客に知らせる乗り継ぎ待機中表示装置25と、を備えている。
【0012】
また、図3に示すように、高層階をサービスするエレベータ12及びエレベータ13のかご内には、出発階14のかご呼びボタン30と、低層階用(2階〜5階)のかご呼びボタン31と、高層階用(6階〜12階)のかご呼びボタン32と、低階層の乗り継ぎエレベータの号機を表示させる乗り継ぎエレベータ表示装置33と、音声により乗り継ぎの案内を行う第2音声案内装置34と、乗り継ぎのエレベータが到着するまで待機していることを、即ち、乗り継ぎ待機中である旨を乗客に知らせる乗り継ぎ待機中表示装置(第2表示装置)35を備えている。
【0013】
次に、乗客がエレベータを乗り継ぐ場合における低層階用エレベータと高層階用エレベータの制御について図4を用いて説明する。なお、図4は、低層階から高層階にエレベータを乗り継ぐ場合の制御フローの例を示しているが、高層階から低層階にエレベータを乗り継ぐ場合は、図4の「低層階」の文言と「高層階」の文言とを入れ替えたフローに基づいて制御すれば良い。
【0014】
制御装置1によるエレベータの制御処理がスタートすると、図4に示すように、まず、ステップ40で低層階のエレベータ内で高層階用の7階から12階のいずれかのかご呼びボタン22が押されたか否かの判断がなされる。
【0015】
ステップ40でYESと判断された場合、制御装置1は、ステップ41でいずれかの最適な高層階用のエレベータ、つまり、乗り継ぎ階15に最短の時間で到着するエレベータ、もしくは乗り継ぎ階15より下にあり上方向に向かうエレベータ、もしくは呼び登録が無いエレベータ、もしくは呼び登録が他の高層階用エレベータより少ないエレベータにかご呼びを割当て、ステップ42で低層階用のエレベータの押されたかご呼びボタンを点灯させ、ステップ43で低層階用のエレベータのかご内にある乗り継ぎエレベータ表示装置23に割当てられた高層階用のエレベータの号機を表示させ、ステップ44で割当てられた高層階用のエレベータを乗り継ぎ階15へ配車する。
【0016】
次いで、制御装置1は、ステップ45で高層階用のエレベータが乗り継ぎ階15に到着したかどうかを判断し、到着した場合(YESの場合)にはステップ46で低層階用のエレベータが乗り継ぎ階15に到着したかどうかを判断し、到着していない場合にはステップ47で高層階用のエレベータで「乗り継ぎ待機中です。しばらくお待ちください。」という音声を第2音声案内装置34から出力すると共に、同様のメッセージを乗り継ぎ待機中表示装置35に表示し、ステップ48で高層階用エレベータを戸開状態にして乗り継ぎ階15に待機させる。
【0017】
ステップ46で低層階用のエレベータが乗り継ぎ階15に到着した場合、制御装置1は、ステップ49で低層階用のエレベータで「高層階へお越しの方は乗換えが必要です。エレベータから降りてください。」という音声を第1音声案内装置24から出力し、ステップ50で高層階用のエレベータで乗り継ぎ待機中表示装置35に表示中の「乗り継ぎ待機中です。しばらくお待ちください。」というメッセージの表示を消灯し、ドアタイムのカウントを開始する。また、制御装置1は、ステップ51で低層階用のエレベータの高層階用のかご呼びボタン22を消灯すると共に、乗り継ぎエレベータ表示装置23の表示を消灯し、ステップ52で平常運転に復帰する。
【0018】
ステップ50の処理が実行されると、制御装置1は、ステップ53において高層階用のエレベータのドアタイムが満了または戸閉ボタンが押されたか否を判断する。ステップ53でYESと判断された場合、制御装置1はステップ54で高層階用エレベータを戸閉し、ステップ55でかご呼び登録階へ走行させ、ステップ56で平常運転に復帰する。なお、ステップ40でNOと判断された場合は、そのままステップ52に進んで平常運転が継続される。
【0019】
以上説明したように、本実施形態に係るエレベータ制御システムによれば、低層階用エレベータ内で高層階のかご呼びボタン22を1回押下すれば、乗り継ぎ後の高層階用エレベータ内でかご呼びボタン32を押下しなくても目的とする行先階まで乗客をサービスすることができるから、利便性が高い。高層階用エレベータから低層階用エレベータに乗り継ぐ場合も、同じく1回のかご呼びボタン押下操作で済むため、利便性が高い。
【0020】
また、低層階用エレベータ内で高層階のかご呼びボタン22が押下された場合には、制御装置1がステップ41にて最適な高層階用エレベータを割り当てるようにしているため、低層階用エレベータに乗り込んだ乗客が乗り継ぎ階15に到着した際には、その乗り継ぎ階15には既に高層階用エレベータが配車されている。よって、乗り継ぎの際に乗客を乗り継ぎ階15に待たせることがない。よって乗り継ぎの待ち時間が短縮される。さらに、高層階用エレベータは、乗り継ぎ階15において戸開状態で待機しているため、乗り継ぎ階15に既に待機している乗客を高層階用エレベータに乗せることができる。そのため、群管理エレベータの運行効率を高めることができる。
【0021】
また、第1音声案内装置24、第2音声案内装置34、乗り継ぎ待機中表示装置25,35、乗り継ぎエレベータ表示装置23,33をかご内に設けているため、乗客に必要な注意喚起や案内放送を行える。よって、乗客がエレベータを乗り継ぐ際の利便性はより一層向上される。
【0022】
さらに、本実施形態では、低層階用エレベータにおいて高層階のかご呼びボタンが押下されたという情報を事前に把握することができるから、群管理エレベータの全体の運行を予測しつつ、高層階用エレベータのうち最適なものを乗り継ぎ階15に配車できる。そのため、エレベータのより効率的な運行管理を実現できる。加えて、本実施形態に係るエレベータ制御システムによれば、エレベータ全体のホール待ち時間の低減やかごの昇降回数を減らすことができるため、省エネ効果も期待できる。
【0023】
なお、上述した実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。例えば、低層階用エレベータのかご内において、第1音声案内装置24と乗り継ぎ待機中表示装置25の何れか一方のみを設ける構成としても良い。高層階用エレベータにおいても同様である。この構成にすれば、コスト低減効果が見込める。
【符号の説明】
【0024】
1 制御装置
10,11 低層階用エレベータ
12,13 高層階用エレベータ
14 出発階
15 乗り継ぎ階
16 低層階
17 高層階
20 出発階のかご呼びボタン
21 低層階のかご呼びボタン
22 高層階のかご呼びボタン
23 乗り継ぎエレベータ表示装置(第1表示装置)
24 第1音声案内装置
25 乗り継ぎ待機中表示装置
30 出発階のかご呼びボタン
31 低層階のかご呼びボタン
32 高層階のかご呼びボタン
33 乗り継ぎエレベータ表示装置
34 第2音声案内装置(音声案内装置)
35 乗り継ぎ待機中表示装置(第2表示装置)
図1
図2
図3
図4