特許第6251654号(P6251654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6251654通信システム、識別子管理装置、及び識別子割り当て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6251654
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】通信システム、識別子管理装置、及び識別子割り当て方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/761 20130101AFI20171211BHJP
   H04L 12/723 20130101ALI20171211BHJP
【FI】
   H04L12/761
   H04L12/723
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-166966(P2014-166966)
(22)【出願日】2014年8月19日
(65)【公開番号】特開2016-46549(P2016-46549A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2016年9月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】横井 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】高橋 賢
(72)【発明者】
【氏名】岩井 隆典
【審査官】 野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−129359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/761
H04L 12/723
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用いることにより、複数のルータ間でポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムであって、
トンネルの識別子であるトンネル識別子と、当該トンネルを通すパケットに付与する識別子であるパケット識別子と、トンネルの端点のルータの識別子であるルータ識別子とを対応付けた識別子テーブルと、
前記複数のルータ間のトンネルのトンネル識別子と、当該トンネルの端点となるルータのルータ識別子を含むパケット識別子要求メッセージを受信する受信手段と、
前記識別子テーブルを参照することにより、前記トンネルに割り当てるパケット識別子を選択して、選択したパケット識別子と前記トンネル識別子と前記ルータ識別子により前記識別子テーブルを更新する割り当て制御手段と、
前記割り当て制御手段により選択されたパケット識別子と前記トンネル識別子とを含むパケット識別子割り当てメッセージを前記トンネルの端点となるルータに送信する送信手段とを備え
前記割り当て制御手段は、前記識別子テーブル上に、前記パケット識別子要求メッセージにより指定されたトンネル識別子が存在するか否かを判定し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在する場合に、当該トンネル識別子が存在するエントリのパケット識別子を選択し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在しない場合に、前記識別子テーブル上に存在しない1つのパケット識別子を選択する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記識別子テーブル、前記割り当て制御手段、前記受信手段、及び前記送信手段を有する識別子管理装置を、前記通信システムにおけるルータの外部に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記識別子テーブル、前記割り当て制御手段、前記受信手段、及び前記送信手段を有する識別子管理部を、前記通信システムにおけるいずれかのルータの内部に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記トンネルの端点となる複数のルータのうち、前記パケット識別子割り当てメッセージを前記送信手段から受信しないルータが、他のルータから前記トンネルに割り当てられたパケット識別子を受信する
ことを特徴とする請求項1ないしのうちいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用いることにより、複数のルータ間でポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムにおいて用いられる識別子管理装置であって、
トンネルの識別子であるトンネル識別子と、当該トンネルを通すパケットに付与する識別子であるパケット識別子と、トンネルの端点のルータの識別子であるルータ識別子とを対応付けた識別子テーブルと、
前記複数のルータ間のトンネルのトンネル識別子と、当該トンネルの端点となるルータのルータ識別子を含むパケット識別子要求メッセージを受信する受信手段と、
前記識別子テーブルを参照することにより、前記トンネルに割り当てるパケット識別子を選択して、選択したパケット識別子と前記トンネル識別子と前記ルータ識別子により前記識別子テーブルを更新する割り当て制御手段と、
前記割り当て制御手段により選択されたパケット識別子と前記トンネル識別子とを含むパケット識別子割り当てメッセージを前記トンネルの端点となるルータに送信する送信手段とを備え
前記割り当て制御手段は、前記識別子テーブル上に、前記パケット識別子要求メッセージにより指定されたトンネル識別子が存在するか否かを判定し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在する場合に、当該トンネル識別子が存在するエントリのパケット識別子を選択し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在しない場合に、前記識別子テーブル上に存在しない1つのパケット識別子を選択する
ことを特徴とする識別子管理装置。
【請求項6】
パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用いることにより、複数のルータ間でポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムにおいて用いられる識別子管理装置が実行する識別子割り当て方法であって、
前記識別子管理装置は、トンネルの識別子であるトンネル識別子と、当該トンネルを通すパケットに付与する識別子であるパケット識別子と、トンネルの端点のルータの識別子であるルータ識別子とを対応付けた識別子テーブルを備え、
前記複数のルータ間のトンネルのトンネル識別子と、当該トンネルの端点となるルータのルータ識別子を含むパケット識別子要求メッセージを受信する受信ステップと、
前記識別子テーブルを参照することにより、前記トンネルに割り当てるパケット識別子を選択して、選択したパケット識別子と前記トンネル識別子と前記ルータ識別子により前記識別子テーブルを更新する割り当て制御ステップと、
前記割り当て制御ステップにより選択されたパケット識別子と前記トンネル識別子とを含むパケット識別子割り当てメッセージを前記トンネルの端点となるルータに送信する送信ステップとを備え
前記割り当て制御ステップにおいて、前記識別子管理装置は、前記識別子テーブル上に、前記パケット識別子要求メッセージにより指定されたトンネル識別子が存在するか否かを判定し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在する場合に、当該トンネル識別子が存在するエントリのパケット識別子を選択し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在しない場合に、前記識別子テーブル上に存在しない1つのパケット識別子を選択する
ことを特徴とする識別子割り当て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用い、ポイントツーマルチポイントのトンネルを構成する通信ネットワークに関連するものである。
【背景技術】
【0002】
図1に、上記技術分野の通信ネットワークの例を示す。当該通信ネットワークは、ルータとL2転送装置(L2スイッチと呼んでもよい)からなるネットワークであり、図1に示す例では、ルータR1〜R3とL2転送装置SW1〜SW4を有し、L2転送装置SW2で経路が分岐している。
【0003】
図1の通信ネットワークにおいて、ルータ間ではパケットに識別子を付与しカプセル化して転送するプロトコルを用い、L2転送装置間は予め静的に設定したポイントツーマルチポイント(P2MP)のL2論理パスに従ってパケットをコピーしてマルチキャスト転送を行う。図1には、L2転送装置SW2にて、パケットがコピーされ、下流の装置に転送されることが示されている。
【0004】
パケットに識別子を付与して転送する技術の例としては、例えばIP/MPLSマルチキャスト(非特許文献1)、MPLS−TP P2MP LSP(非特許文献2)等がある。各技術の概要は以下のとおりである。
【0005】
<IP/MPLSマルチキャスト>
IP/MPLSマルチキャストは、パケットをラベルと呼ばれる識別子によってカプセル化して転送するMPLSプロトコルを用いてマルチキャスト配信を実現する技術である。IP/MPLSマルチキャストでは、図2に示すように、P2MPトンネルを識別するトンネルID(Tunnel ID)と、ラベル(Label)を識別するラベルIDと、出力IFとをひもづけたラベルテーブルを各ルータで保持し、そのテーブルに従って、パケット転送を行う。
【0006】
図2を参照して、従来技術でのラベルテーブルの作成手順を説明する。まず、上流ルータR1がトンネルIDを下流ルータR2、R3に通知する(ステップ1)。ここでのメッセージをラベル要求メッセージと呼ぶ。図2に示すように、ルータR2はトンネル1の端点であるため、「トンネル1」が通知され、ルータR3は、トンネル1と2の端点であるため、「トンネル1」と「トンネル2」が通知される。
【0007】
次に、下流ルータR2、R3は受信したトンネルIDに対してラベルを割り当てて、ラベルテーブルを作成する(ステップ2)。図2に示すように、ルータR2は、トンネル1にラベル1を割り当て、ルータR2は、トンネル1、2にそれぞれラベル1、2を割り当てる。
【0008】
下流ルータR2、R3は割り当てたラベルのIDを上流ルータR1に通知する(ステップ3)。ここでのメッセージをラベル割り当てメッセージと呼ぶ。そして、上流ルータR1は通知されたラベルIDに従ってラベルテーブルを作成する(ステップ4)。
【0009】
<MPLS−TP P2MP LSP>
MPLS−TP P2MP LSPは、L2レイヤでパケットコピーを行う技術である。当該技術では、予めポイントツーマルチポイントのL2パスを設定し、そのパスに従って転送されるようにMPLS−TPラベルでパケットをカプセル化して、転送を行う。スイッチ間でラベル情報を交換するような仕組みは備えておらず、ラベルテーブルは、予め設定したパスの情報に従って作成される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】https://kb.juniper.net/library/CUSTOMERSERVICE/GLOBAL_JTAC/technotes/2000320-en.pdf、Understanding junos next-generation multicast VPNs、平成26年8月13日検索
【非特許文献2】http://tools.ietf.org/html/draft-fbb-mpls-tp-p2mp-framework-05、D. Frost, S. Bryant, M. Bocci and L. Berger, "A Framework for Point-to-Multipoint MPLS in Transport Networks," 2 Aug 2012、平成26年8月13日検索
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、装置間でラベル情報を交換する仕組みを有するプロトコルにおいて存在する。ここでは、IP/MPLSについての課題を例として説明する。
【0012】
上述したように、従来のプロトコルでは、各下流ルータが独立してラベルを割り当てて上流ルータにラベル割り当てメッセージを送信し、そのメッセージによってラベルテーブルを作成して、パケット転送を実現する。しかし、ラベル割り当てメッセージを受信しないL2転送装置がパケットコピーを行う当該ネットワークでは、図3に示すような課題が存在する。
【0013】
図3に示す例の場合、各下流ルータが独立してラベルを割り当てた結果、ルータR2において、トンネル1にラベル2が割り当てられ、ルータR3において、トンネル1にラベル1が割り当てられ、トンネル2にラベル2が割り当てられ、これらの情報がラベル割り当てメッセージでルータR3に通知され、ラベルテーブルが作成されている。
【0014】
すなわち、図3に示すとおり、同一P2MPトンネルに対して異なるラベルが割り当てられるとともに、異なるP2MPトンネルに対して同一ラベルが割り当てられるという結果になっている。
【0015】
同一P2MPトンネルに対して異なるラベルが割り当てられることで、同一パケットが複数送信され、ルータ負荷増大や伝送帯域の非効率化に繋がるという課題(課題1)がある。また、異なるP2MPトンネルに対して同一のラベルが割り当てられることで、下流ルータでトンネルの識別が不可能となるため、正常な転送を行う事ができないという課題(課題2)がある。
【0016】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用い、ポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムにおいて、効率良く正常にマルチキャスト配信を行うための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の実施の形態によれば、パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用いることにより、複数のルータ間でポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムであって、
トンネルの識別子であるトンネル識別子と、当該トンネルを通すパケットに付与する識別子であるパケット識別子と、トンネルの端点のルータの識別子であるルータ識別子とを対応付けた識別子テーブルと、
前記複数のルータ間のトンネルのトンネル識別子と、当該トンネルの端点となるルータのルータ識別子を含むパケット識別子要求メッセージを受信する受信手段と、
前記識別子テーブルを参照することにより、前記トンネルに割り当てるパケット識別子を選択して、選択したパケット識別子と前記トンネル識別子と前記ルータ識別子により前記識別子テーブルを更新する割り当て制御手段と、
前記割り当て制御手段により選択されたパケット識別子と前記トンネル識別子とを含むパケット識別子割り当てメッセージを前記トンネルの端点となるルータに送信する送信手段とを備え
前記割り当て制御手段は、前記識別子テーブル上に、前記パケット識別子要求メッセージにより指定されたトンネル識別子が存在するか否かを判定し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在する場合に、当該トンネル識別子が存在するエントリのパケット識別子を選択し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在しない場合に、前記識別子テーブル上に存在しない1つのパケット識別子を選択する
ことを特徴とする通信システムが提供される。
【0018】
また、本発明の実施の形態によれば、パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用いることにより、複数のルータ間でポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムにおいて用いられる識別子管理装置であって、
トンネルの識別子であるトンネル識別子と、当該トンネルを通すパケットに付与する識別子であるパケット識別子と、トンネルの端点のルータの識別子であるルータ識別子とを対応付けた識別子テーブルと、
前記複数のルータ間のトンネルのトンネル識別子と、当該トンネルの端点となるルータのルータ識別子を含むパケット識別子要求メッセージを受信する受信手段と、
前記識別子テーブルを参照することにより、前記トンネルに割り当てるパケット識別子を選択して、選択したパケット識別子と前記トンネル識別子と前記ルータ識別子により前記識別子テーブルを更新する割り当て制御手段と、
前記割り当て制御手段により選択されたパケット識別子と前記トンネル識別子とを含むパケット識別子割り当てメッセージを前記トンネルの端点となるルータに送信する送信手段とを備え
前記割り当て制御手段は、前記識別子テーブル上に、前記パケット識別子要求メッセージにより指定されたトンネル識別子が存在するか否かを判定し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在する場合に、当該トンネル識別子が存在するエントリのパケット識別子を選択し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在しない場合に、前記識別子テーブル上に存在しない1つのパケット識別子を選択する
ことを特徴とする識別子管理装置が提供される。
【0019】
また、本発明の実施の形態によれば、パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用いることにより、複数のルータ間でポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムにおいて用いられる識別子管理装置が実行する識別子割り当て方法であって、
前記識別子管理装置は、トンネルの識別子であるトンネル識別子と、当該トンネルを通すパケットに付与する識別子であるパケット識別子と、トンネルの端点のルータの識別子であるルータ識別子とを対応付けた識別子テーブルを備え、
前記複数のルータ間のトンネルのトンネル識別子と、当該トンネルの端点となるルータのルータ識別子を含むパケット識別子要求メッセージを受信する受信ステップと、
前記識別子テーブルを参照することにより、前記トンネルに割り当てるパケット識別子を選択して、選択したパケット識別子と前記トンネル識別子と前記ルータ識別子により前記識別子テーブルを更新する割り当て制御ステップと、
前記割り当て制御ステップにより選択されたパケット識別子と前記トンネル識別子とを含むパケット識別子割り当てメッセージを前記トンネルの端点となるルータに送信する送信ステップとを備え
前記割り当て制御ステップにおいて、前記識別子管理装置は、前記識別子テーブル上に、前記パケット識別子要求メッセージにより指定されたトンネル識別子が存在するか否かを判定し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在する場合に、当該トンネル識別子が存在するエントリのパケット識別子を選択し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在しない場合に、前記識別子テーブル上に存在しない1つのパケット識別子を選択する
ことを特徴とする識別子割り当て方法が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施の形態によれば、パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用い、ポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムにおいて、効率良く正常にマルチキャスト配信を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】通信ネットワークの構成例を示す図である。
図2】通信ネットワークの従来の動作例を説明するための図である。
図3】課題を説明するための図である。
図4】本発明の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
図5】識別子管理装置100の構成図である。
図6】識別子管理装置100の動作を説明するためのフローチャートである。
図7】ラベル割り当て動作例1を説明するための図である。
図8】ラベル割り当て動作例2を説明するための図である。
図9】ラベル割り当て動作例3を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。なお、以下の説明では、P2MPトンネルを「トンネル」と呼ぶ。
【0023】
(システム構成)
図4に、本発明の実施の形態に係る通信システムの構成図を示す。本実施の形態に係る通信システムは、ルータR1〜R3とL2転送装置SW1〜SW4を有する。各装置は、図4に示すように通信可能に接続され、L2転送装置SW2で経路が分岐しているネットワーク(網)を構成している。ルータ間ではパケットに識別子を付与しカプセル化して転送するプロトコル(例としてIP/MPLSとする)を用いる。L2転送装置間は予め静的に設定したポイントツーマルチポイント(P2MP)のL2論理パスに従ってパケットをコピーしてマルチキャスト転送を行う。L2論理パスによりトンネルが構成され、ルータ間では上記プロトコルにより当該トンネルを用いたパケット通信が行われる。
【0024】
図4に示すように、本実施の形態の通信システムには、識別子管理装置100が備えられる。識別子管理装置100は、IPネットワーク等のネットワーク経由で各ルータと通信可能である。なお、後述するように、識別子管理装置100の機能がいずれかのルータ内に備えられていてもよい。
【0025】
識別子管理装置100は、網内の各トンネルに対してそれぞれ一意のラベルを割り当てる機能を備える装置である。すなわち、識別子管理装置100は、網全体のトンネルIDとラベルIDを管理してラベル割り当てを行う識別子管理機能を備える。
【0026】
図5に、識別子管理装置100の機能構成図を示す。なお、識別子管理装置100は、いわゆるサーバで実現してもよいし、ルータやスイッチ等の通信装置で実現してもよい。
【0027】
図5に示すように、識別子管理装置100は、ラベル要求メッセージ受信部101、ラベル割り当てメッセージ送信部102、ラベル割り当て制御部103、ラベルテーブル格納部104を有する。
【0028】
ラベル要求メッセージ受信部101は、ルータあるいは他の装置(ネットワーク管理装置等)からラベル要求メッセージを受信する。ラベル要求メッセージには、ラベルの割り当て対象とするトンネルID(P2MP Tunnel ID)と、当該トンネルIDに割り当てられたラベルIDを通知する宛先となるルータのID(例:アドレス)が含まれる。トンネルIDに割り当てられたラベルIDを通知する宛先となるルータは、当該トンネルIDで識別されるトンネルの端点のルータであり、本実施の形態では、トンネルを構成するパスがLSPであることから、当該宛先となるルータをLSP端点ルータと呼ぶことができる。また、1つのラベル要求メッセージには、ラベルIDを通知する宛先とするLSP端点ルータIDが1つだけ含まれていてもよいし、トンネルの端点の全てのルータのIDが含まれていてもよいし、トンネルの端点の全てのルータのうちの一部のルータのIDが含まれていてもよい。
【0029】
ラベル割り当てメッセージ送信部102は、ラベル割り当てメッセージを、ラベルIDを通知する宛先のLSP端点ルータに送信する。ラベル割り当てメッセージには、ラベル割り当ての対象となるLSP端点ルータのID、対象のトンネルID、及び当該トンネルIDに対して割り当てられたラベルIDが含まれる。1つのラベル割り当てメッセージには、LSP端点ルータIDが1つだけ含まれていてもよいし、トンネルの端点の全てのルータのIDが含まれていてもよいし、トンネルの端点の全てのルータのうちの一部のルータのIDが含まれていてもよい。
【0030】
ラベルテーブル格納部104には、ラベルテーブルが格納される。図5に示すように、ラベルテーブルは、トンネルIDとラベルIDとLSP端点ルータIDとを対応付けたテーブルである。
【0031】
ラベル割り当て制御部103は、当該ラベルテーブルを参照することにより、ラベル要求メッセージに含まれるトンネルIDに対してラベルIDを割り当てるとともに、割り当てた結果をラベル割り当てメッセージ送信部102に通知する。
【0032】
本実施の形態に係る識別子管理装置100は、例えば、1つ又は複数のコンピュータ(サーバでもよいし、コンピュータ機能を含む通信装置でもよい)に、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、識別子管理装置100が有する機能は、当該コンピュータに内蔵されるCPUやメモリ、ハードディスクなどのハードウェア資源を用いて、識別子管理装置100で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0033】
(識別子管理装置100の動作例)
図6は、識別子管理装置100の動作を説明するためのフローチャートである。図6を参照して識別子管理装置100の動作の例を説明する。
【0034】
まず、識別子管理装置100のラベル要求メッセージ受信部101がラベル要求メッセージ(トンネルID、LSP端点ルータIDを含む)を受信する(ステップ101)。次に、ラベル割り当て制御部103が、ラベルテーブル上に、ラベル要求メッセージで指定されているトンネルIDが存在するかどうか判定する(ステップ102)。
【0035】
ステップ102において、当該トンネルIDがラベルテーブルに存在する場合、ステップ103に進み、ラベル割り当て制御部103は、ラベルテーブル上の当該トンネルIDが存在するエントリのラベルIDを選択する。このような処理を行うことで、同じトンネルIDに複数のラベルIDが割り当てられることを回避できる。
【0036】
ステップ102において、ラベル要求メッセージで指定されているトンネルIDがラベルテーブル上に存在しない場合、ステップ104に進み、ラベル割り当て制御部103は、ラベルテーブル上に存在しないラベルIDを1つ選択(決定)する。このような処理を行うことで、異なるトンネルIDに同一のラベルIDが割り当てられることを回避できる。
【0037】
続いて、ラベル割り当て制御部103は、選択したラベルID、受信したトンネルID及びLSP端点ルータIDによりラベルテーブルを更新する(ステップ105)。一例として、受信したトンネルIDがラベルテーブル上に存在しない場合において、例えば、(選択したラベルID、トンネルID、LSP端点ルータID)=(1、1、10と20)であるとすると、(1、1、10)と(1、1、20)のエントリがラベルテーブルに追加される。また、受信したトンネルIDがラベルテーブル上に存在する場合において、例えば、(選択したラベルID、トンネルID、LSP端点ルータID)=(1、1、30)であるとすると、(1、1、30)のエントリがラベルテーブルに追加される。
【0038】
そして、ラベル割り当て制御部103は、割り当ての結果をラベル割り当てメッセージ送信部102に渡し、ラベル割り当てメッセージ送信部102が当該割り当ての結果を含むラベル割り当てメッセージを、ラベル割り当てが必要なLSP端点ルータに送信する(ステップ106)。
【0039】
(通信システムにおけるラベル割り当て動作例)
次に、図7図9を参照して通信システムにおける割り当て動作例を説明する。図7は、識別子管理装置100が、通信システムにおいてLSP端点(トンネル端点)となる全ルータと識別子情報を交換する場合の動作例を示す。
【0040】
図7に示す例において、各ルータがトンネル1(1で識別されるトンネル)のラベルテーブルを構築する場合において、例えば、各ルータが、ステップ201、202、203に示すように、トンネルIDとしてトンネル1、及び自分のルータIDを含むラベル要求メッセージを識別子管理装置100に送り、前述した手順で、識別子管理装置100がトンネル1に1つのラベルIDを割り当て、ラベル要求メッセージ送信元のルータにラベル割り当てメッセージを返す。
【0041】
また、例えば、1つのルータが、トンネル1、及び全部のLSP端点ルータIDを含むラベル要求メッセージを識別子管理装置100に送信し、識別子管理装置100が、ラベル割り当てを行った後、LSP端点となる各ルータにラベル割り当てメッセージを送信することとしてもよい。
【0042】
図8は、識別子管理装置100が、通信システムにおいてLSP端点(トンネル端点)となる全ルータのうちの一部のルータと識別子情報を交換する場合の動作例を示す。識別子管理装置100と通信しないルータは、他のルータから識別子情報を受信する。
【0043】
図8に示す例において、各ルータがトンネル1(1で識別されるトンネル)のラベルテーブルを構築する場合において、例えば、ルータR2が、ステップ301において、トンネルIDとしてトンネル1、及び、ルータR2とルータR1のルータIDを含むラベル要求メッセージを識別子管理装置100に送り、識別子管理装置100がトンネル1に1つのラベルIDを割り当て、ラベル要求メッセージ送信元のルータR2にラベル割り当てメッセージを返す。次に、ステップ302で、ルータR2がルータR1に、トンネル1に割り当てられたラベルIDを通知する。また、ステップ303で、ルータR3が、トンネル1、及び、ルータR3のルータIDを含むラベル要求メッセージを識別子管理装置100に送り、識別子管理装置100がラベルIDを割り当て、ラベル要求メッセージ送信元のルータR3にラベル割り当てメッセージを返す。
【0044】
図9は、通信システムにおける一部のルータが識別子管理装置100の機能を備える場合の例を示す。どのルータに識別子管理装置100の機能が備えられてもよいが、図9の例では、ルータR1に、識別子管理装置100の機能に相当する識別子管理機能部200が備えられている。
【0045】
本例では、例えば、ステップ401で、ルータR2が、トンネル1、及び全LSP端点ルータIDを含むラベル要求メッセージをルータR1に送り、ルータR1内の識別子管理機能部200によりトンネル1に1つのラベルIDが割り当てられ、当該割り当て結果に基づきルータR1においてラベルテーブルが構築されるとともに、ルータR1からラベル割り当てメッセージがルータR2とルータR3に送信される(ステップ401、402)。
【0046】
以上の説明は一例である。上記の内容以外にも、ルータ−識別子管理装置100間、ルータ−ルータ間で様々な方法でラベル要求メッセージ/ラベル割り当てメッセージの送受信が可能である。
【0047】
(実施の形態のまとめ、効果等)
以上、説明したように、本実施の形態により、パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用いることにより、複数のルータ間でポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムであって、トンネルの識別子であるトンネル識別子と、当該トンネルを通すパケットに付与する識別子であるパケット識別子と、トンネルの端点のルータの識別子であるルータ識別子とを対応付けた識別子テーブルと、前記複数のルータ間のトンネルのトンネル識別子と、当該トンネルの端点となるルータのルータ識別子を含むパケット識別子要求メッセージを受信する受信手段と、前記識別子テーブルを参照することにより、前記トンネルに割り当てるパケット識別子を選択して、選択したパケット識別子と前記トンネル識別子と前記ルータ識別子により前記識別子テーブルを更新する割り当て制御手段と、前記割り当て制御手段により選択されたパケット識別子と前記トンネル識別子とを含むパケット識別子割り当てメッセージを前記トンネルの端点となるルータに送信する送信手段とを備える通信システムが提供される。
【0048】
前記割り当て制御手段は、前記識別子テーブル上に、前記パケット識別子要求メッセージにより指定されたトンネル識別子が存在するか否かを判定し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在する場合に、当該トンネル識別子が存在するエントリのパケット識別子を選択し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在しない場合に、前記識別子テーブル上に存在しない1つのパケット識別子を選択するように構成することができる。
【0049】
前記識別子テーブル、前記割り当て制御手段、前記受信手段、及び前記送信手段を有する識別子管理装置を、前記通信システムにおけるルータの外部に備えることとしてもよいし、前記識別子テーブル、前記割り当て制御手段、前記受信手段、及び前記送信手段を有する識別子管理部を、前記通信システムにおけるいずれかのルータの内部に備えることとしてもよい。
【0050】
また、前記トンネルの端点となる複数のルータのうち、前記パケット識別子割り当てメッセージを前記送信手段から受信しないルータが、他のルータから前記トンネルに割り当てられたパケット識別子を受信するようにしてもよい。
【0051】
既存のプロトコルでは各ルータが当該ルータで転送するパケットの識別子をそれぞれ独立に管理していたのに対して、本実施の形態では、ネットワークを通過する全パケットの識別子を共通のテーブルで管理するようにしたので、L2転送装置でパケットコピーを行うネットワーク上でIP/MPLS等のマルチキャスト転送を正常にかつ効率的に実現することが可能となる。
【0052】
(第1項)
パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用いることにより、複数のルータ間でポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムであって、
トンネルの識別子であるトンネル識別子と、当該トンネルを通すパケットに付与する識別子であるパケット識別子と、トンネルの端点のルータの識別子であるルータ識別子とを対応付けた識別子テーブルと、
前記複数のルータ間のトンネルのトンネル識別子と、当該トンネルの端点となるルータのルータ識別子を含むパケット識別子要求メッセージを受信する受信手段と、
前記識別子テーブルを参照することにより、前記トンネルに割り当てるパケット識別子を選択して、選択したパケット識別子と前記トンネル識別子と前記ルータ識別子により前記識別子テーブルを更新する割り当て制御手段と、
前記割り当て制御手段により選択されたパケット識別子と前記トンネル識別子とを含むパケット識別子割り当てメッセージを前記トンネルの端点となるルータに送信する送信手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
(第2項)
前記割り当て制御手段は、前記識別子テーブル上に、前記パケット識別子要求メッセージにより指定されたトンネル識別子が存在するか否かを判定し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在する場合に、当該トンネル識別子が存在するエントリのパケット識別子を選択し、前記識別子テーブル上に、前記トンネル識別子が存在しない場合に、前記識別子テーブル上に存在しない1つのパケット識別子を選択する
ことを特徴とする第1項に記載の通信システム。
(第3項)
前記識別子テーブル、前記割り当て制御手段、前記受信手段、及び前記送信手段を有する識別子管理装置を、前記通信システムにおけるルータの外部に備える
ことを特徴とする第1項又は第2項に記載の通信システム。
(第4項)
前記識別子テーブル、前記割り当て制御手段、前記受信手段、及び前記送信手段を有する識別子管理部を、前記通信システムにおけるいずれかのルータの内部に備える
ことを特徴とする第1項又は第2項に記載の通信システム。
(第5項)
前記トンネルの端点となる複数のルータのうち、前記パケット識別子割り当てメッセージを前記送信手段から受信しないルータが、他のルータから前記トンネルに割り当てられたパケット識別子を受信する
ことを特徴とする第1項ないし第4項のうちいずれか1項に記載の通信システム。
(第6項)
パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用いることにより、複数のルータ間でポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムにおいて用いられる識別子管理装置であって、
トンネルの識別子であるトンネル識別子と、当該トンネルを通すパケットに付与する識別子であるパケット識別子と、トンネルの端点のルータの識別子であるルータ識別子とを対応付けた識別子テーブルと、
前記複数のルータ間のトンネルのトンネル識別子と、当該トンネルの端点となるルータのルータ識別子を含むパケット識別子要求メッセージを受信する受信手段と、
前記識別子テーブルを参照することにより、前記トンネルに割り当てるパケット識別子を選択して、選択したパケット識別子と前記トンネル識別子と前記ルータ識別子により前記識別子テーブルを更新する割り当て制御手段と、
前記割り当て制御手段により選択されたパケット識別子と前記トンネル識別子とを含むパケット識別子割り当てメッセージを前記トンネルの端点となるルータに送信する送信手段と
を備えることを特徴とする識別子管理装置。
(第7項)
パケットに識別子を付与してカプセル化して転送するプロトコルを用いることにより、複数のルータ間でポイントツーマルチポイントのトンネルを介した通信を行う通信システムにおいて用いられる識別子管理装置が実行する識別子割り当て方法であって、
前記識別子管理装置は、トンネルの識別子であるトンネル識別子と、当該トンネルを通すパケットに付与する識別子であるパケット識別子と、トンネルの端点のルータの識別子であるルータ識別子とを対応付けた識別子テーブルを備え、
前記複数のルータ間のトンネルのトンネル識別子と、当該トンネルの端点となるルータのルータ識別子を含むパケット識別子要求メッセージを受信する受信ステップと、
前記識別子テーブルを参照することにより、前記トンネルに割り当てるパケット識別子を選択して、選択したパケット識別子と前記トンネル識別子と前記ルータ識別子により前記識別子テーブルを更新する割り当て制御ステップと、
前記割り当て制御ステップにより選択されたパケット識別子と前記トンネル識別子とを含むパケット識別子割り当てメッセージを前記トンネルの端点となるルータに送信する送信ステップと
を備えることを特徴とする識別子割り当て方法。
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0053】
R1〜R3 ルータ
SW1〜SW4 L2転送装置
100 識別子管理装置
101 ラベル要求メッセージ受信部
102 ラベル割り当てメッセージ送信部
103 ラベル割り当て制御部
104 ラベルテーブル格納部
200 識別子管理機能部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9