特許第6251665号(P6251665)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6251665
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】調整方法、調整装置及び調整プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 88/10 20090101AFI20171211BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20171211BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20171211BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   H04W88/10
   H04Q9/00 311H
   H04W56/00 130
   H04L12/28 200Z
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-238893(P2014-238893)
(22)【出願日】2014年11月26日
(65)【公開番号】特開2016-100863(P2016-100863A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100129230
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 理恵
(72)【発明者】
【氏名】成松 宏美
(72)【発明者】
【氏名】小池 幸生
(72)【発明者】
【氏名】松川 尚司
【審査官】 石田 紀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−224916(JP,A)
【文献】 特開2008−167149(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/101779(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
H04Q 9/00
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子機が親機にデータを送信する時間間隔を調整する調整装置で行う調整方法において、
前記親機は、複数のプロトコルを使用可能であり、前記複数のプロトコルを排他的に周期的に切り替え、切り替えたプロトコルに対応する電波を送信可能であって、
前記子機は、少なくとも一種類以上のプロトコルを使用可能であり、使用するプロトコルが前記親機で使用中のプロトコルと同じ場合に前記親機へのデータ送信が成功であって、
前記調整装置は、
前記子機により所定の時間間隔で繰り返し行われたデータ送信に対する前記親機からの応答の有無に基づき、当該親機に対するデータ送信の成否を送信状態情報として記憶手段に記憶しておく記憶ステップと、
前記送信状態情報に登録されている各時刻でのデータ送信の成否に基づき、前記所定の時間間隔に基づいて次の時刻で行われるデータ送信の成否を判定する判定ステップと、
前記次の時刻で行われるデータ送信が成功しないと判定された場合、当該次の時刻を変更することにより前記所定の時間間隔を調整する調整ステップと、
を有することを特徴とする調整方法。
【請求項2】
前記調整ステップでは、
前記次の時刻から一定時間前又は後にずらした時刻を次の時刻として決定することを特徴とする請求項1に記載の調整方法。
【請求項3】
前記調整ステップでは、
直前のデータ送信が成功であった場合、当該直前の時刻と前記次の時刻との中間時刻又は当該中間時刻から一定時間前若しくは後にずらした時刻を次の時刻として決定し、直前のデータ送信が失敗であった場合、前記次の時刻とさらに次の時刻との中間時刻又は当該中間時刻から一定時間前若しくは後にずらした時刻を次の時刻として決定することを特徴とする請求項1に記載の調整方法。
【請求項4】
前記判定ステップでは、
直近でデータ送信が成功であった時刻と該直近の前にデータ送信が成功であった時刻との時間間隔と、直近でデータ送信が成功であった時刻と現在の時刻との時間間隔との差が所定の時間範囲内に収まる場合、前記次の時刻で行われるデータ送信は成功すると判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の調整方法。
【請求項5】
子機が親機にデータを送信する時間間隔を調整する調整装置において、
前記親機は、複数のプロトコルを使用可能であり、前記複数のプロトコルを排他的に周期的に切り替え、切り替えたプロトコルに対応する電波を送信可能であって、
前記子機は、少なくとも一種類以上のプロトコルを使用可能であり、使用するプロトコルが前記親機で使用中のプロトコルと同じ場合に前記親機へのデータ送信が成功であって、
前記調整装置は、
前記子機により所定の時間間隔で繰り返し行われたデータ送信に対する前記親機からの応答の有無に基づき、当該親機に対するデータ送信の成否を送信状態情報として記憶しておく記憶手段と、
前記送信状態情報に登録されている各時刻でのデータ送信の成否に基づき、前記所定の時間間隔に基づいて次の時刻で行われるデータ送信の成否を判定する判定手段と、
前記次の時刻で行われるデータ送信が成功しないと判定された場合、当該次の時刻を変更することにより前記所定の時間間隔を調整する調整手段と、
を有することを特徴とする調整装置。
【請求項6】
前記調整手段は、
前記次の時刻から一定時間前又は後にずらした時刻を次の時刻として決定することを特徴とする請求項5に記載の調整装置。
【請求項7】
前記調整手段は、
直前のデータ送信が成功であった場合、当該直前の時刻と前記次の時刻との中間時刻又は当該中間時刻から一定時間前若しくは後にずらした時刻を次の時刻として決定し、直前のデータ送信が失敗であった場合、前記次の時刻とさらに次の時刻との中間時刻又は当該中間時刻から一定時間前若しくは後にずらした時刻を次の時刻として決定することを特徴とする請求項5に記載の調整装置。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれかに記載の調整装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする調整プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子機が親機にデータを送信する時間間隔を調整する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、親機と子機を備えた無線ネットワークが存在する。該親機は、所定のアクセスポイントに設置されており、複数の通信用プロトコルに対応可能である。親機は、該プロトコルを排他的に周期的に切り替え、切り替えたプロトコルに対応する電波を送信する。一方、子機は、少なくとも一種類以上のプロトコルに対応可能であり、周辺の子機と親機との間で通信が行われていないことを検知すればいつでもデータの送信を行うことが可能であるが、自身の対応プロトコルが親機の対応プロトコルと同じ場合にデータ送信が成功となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−135675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、親機と子機でそれぞれ使用するプロトコルの種別が同期していないため、子機においてデータ送信が成功するまでデータ送信処理が繰り返し行われ、子機の消費電力が増大してしまう。
【0005】
このような親機と子機からなる無線ネットワークとして、特許文献1では、予め指定された時刻に端末局から信号を制御局へ送信し、該信号を制御局の複数のアンテナで順次受信し、最も品質の高い信号を受信したアンテナを端末局との通信に用いる技術を記載している。かかるように送信機と受信機の間で各通信方式が時刻同期されている場合には、該特許文献1の技術を流用して予め使用するプロトコルの時間帯を決定しておくことによりデータ送信が可能である。しかし、例えばセンサネットワークの場合、通常のシステムは非同期ネットワークで構築されているため、送信機と受信機の間で同期をとることは非常に難しく、該特許文献1の方式を適用することは難しい。
【0006】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、使用するプロトコルの種別が同期していない親機と子機において、該親機に対する該子機のデータ送信に係る負荷を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の調整方法は、子機が親機にデータを送信する時間間隔を調整する調整装置で行う調整方法において、前記親機は、複数のプロトコルを使用可能であり、前記複数のプロトコルを排他的に周期的に切り替え、切り替えたプロトコルに対応する電波を送信可能であって、前記子機は、少なくとも一種類以上のプロトコルを使用可能であり、使用するプロトコルが前記親機で使用中のプロトコルと同じ場合に前記親機へのデータ送信が成功であって、前記調整装置は、前記子機により所定の時間間隔で繰り返し行われたデータ送信に対する前記親機からの応答の有無に基づき、当該親機に対するデータ送信の成否を送信状態情報として記憶手段に記憶しておく記憶ステップと、前記送信状態情報に登録されている各時刻でのデータ送信の成否に基づき、前記所定の時間間隔に基づいて次の時刻で行われるデータ送信の成否を判定する判定ステップと、前記次の時刻で行われるデータ送信が成功しないと判定された場合、当該次の時刻を変更することにより前記所定の時間間隔を調整する調整ステップと、を有することを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の調整方法は、請求項1に記載の調整方法において、前記調整ステップでは、前記次の時刻から一定時間前又は後にずらした時刻を次の時刻として決定することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の調整方法は、請求項1に記載の調整方法において、前記調整ステップでは、直前のデータ送信が成功であった場合、当該直前の時刻と前記次の時刻との中間時刻又は当該中間時刻から一定時間前若しくは後にずらした時刻を次の時刻として決定し、直前のデータ送信が失敗であった場合、前記次の時刻とさらに次の時刻との中間時刻又は当該中間時刻から一定時間前若しくは後にずらした時刻を次の時刻として決定することを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の調整方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の調整方法において、前記判定ステップでは、直近でデータ送信が成功であった時刻と該直近の前にデータ送信が成功であった時刻との時間間隔と、直近でデータ送信が成功であった時刻と現在の時刻との時間間隔との差が所定の時間範囲内に収まる場合、前記次の時刻で行われるデータ送信は成功すると判定することを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の調整装置は、子機が親機にデータを送信する時間間隔を調整する調整装置において、前記親機は、複数のプロトコルを使用可能であり、前記複数のプロトコルを排他的に周期的に切り替え、切り替えたプロトコルに対応する電波を送信可能であって、前記子機は、少なくとも一種類以上のプロトコルを使用可能であり、使用するプロトコルが前記親機で使用中のプロトコルと同じ場合に前記親機へのデータ送信が成功であって、前記調整装置は、前記子機により所定の時間間隔で繰り返し行われたデータ送信に対する前記親機からの応答の有無に基づき、当該親機に対するデータ送信の成否を送信状態情報として記憶しておく記憶手段と、前記送信状態情報に登録されている各時刻でのデータ送信の成否に基づき、前記所定の時間間隔に基づいて次の時刻で行われるデータ送信の成否を判定する判定手段と、前記次の時刻で行われるデータ送信が成功しないと判定された場合、当該次の時刻を変更することにより前記所定の時間間隔を調整する調整手段と、を有することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の調整装置は、請求項5に記載の調整装置において、前記調整手段は、前記次の時刻から一定時間前又は後にずらした時刻を次の時刻として決定することを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の調整装置は、請求項5に記載の調整装置において、前記調整手段は、直前のデータ送信が成功であった場合、当該直前の時刻と前記次の時刻との中間時刻又は当該中間時刻から一定時間前若しくは後にずらした時刻を次の時刻として決定し、直前のデータ送信が失敗であった場合、前記次の時刻とさらに次の時刻との中間時刻又は当該中間時刻から一定時間前若しくは後にずらした時刻を次の時刻として決定することを要旨とする。
【0014】
請求項8に記載の調整プログラムは、請求項5乃至7のいずれかに記載の調整装置としてコンピュータを機能させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、使用するプロトコルの種別が同期していない親機と子機において、該子機による該親機に対するデータ送信成否の送信回数を削減でき、該子機の消費電力を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】通信システムの全体構成を示す図である。
図2】調整装置の機能ブロック構成を示す図である。
図3】データ送信周期の決定処理フローを示す図である。
図4】送信状態情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、親機と子機で使用するプロトコルの種別が同期していない場合において、子機が自身でデータ送信の成否を学習し、データ送信周期を自律的に制御する方法を確立することにある。以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。
【0018】
まず、本実施の形態に係る通信システム1の構成を説明する。図1は、該通信システム1の全体構成を示す図である。該通信システム1は、相互通信可能に接続された親機10と複数の子機30とを備えて構成される。
【0019】
親機10とは、例えば無線LAN等のアクセスポイントに設置された電波中継機である。複数種のプロトコル{例えば、920MHz帯のIEEE802.15.4,IEEE802.15.4e,IEEE802.15.4g,IEEE802.15.4d,TTC標準JJ-300.10(Wi-SUN, Zigbee IP)等の標準規格で定められたプロトコル,その他の独自に定められたプロトコル}に対応可能であり、予め決められた周期でプロトコルを排他的に切り替え、切り替えたプロトコルに対応する電波を送信する。親機10は複数でもよい。
【0020】
子機30とは、例えば、アンテナやICチップを備えたセンサ機器,該センサ機器を備えた携帯電話やスマートフォン,該センサ機器を備えていない携帯電話やスマートフォンである。少なくとも一種類以上のプロトコルに対応可能であり、該プロトコルに対応する電波を利用して所望のデータを送信する。例えば、図1に示したように、子機ID=1はプロトコルP1に対応する電波でデータ1を送信し、子機ID=2はプロトコルP2に対応する電波でデータ2を送信する。
【0021】
かかる親機10と子機30とを備えた通信システム1としては、例えば、無線センサ端末から情報を収集するための無線センサネットワーク,携帯電話と基地局を備えた電話通信ネットワーク,Wi−Fi通信ネットワークが考えられる。
【0022】
かかる通信システム1において、親機10は対応プロトコルを周期的に切り替えて電波を送信するため、子機30は自身と同じ対応プロトコルが使用されている時間帯のみ親機10と通信を行うことができる。そのため、子機30は、親機10との間でデータ通信を行いたい場合、該親機10に対してデータ送信を繰り返し行い、該親機10からの受信応答の有無によってデータ到達の可否を判断する。かかる状況下、本発明は、該子機30のデータ送信に係る負荷を低減するため、該子機30において親機10に対するデータ送信の周期(時間間隔)を調整することにある。
【0023】
そこで、本実施の形態に係る子機30は、上述した機能以外に、データ送信周期を調整するための調整装置100を備える。図2は、該調整装置100の機能ブロック構成を示す図である。該調整装置100は、データ送信を要求するデータ送信要求部101と、データ送信の結果に基づく送信状態情報(データ到達成否等を含む)を管理し、決定されたデータ送信周期に基づきデータを親機10に送信する送受信状態管理部102と、上記送信状態情報を記憶する送信状態管理データベース103と、該送信状態情報を用いてデータ送信周期を決定する送信周期決定部104と、を備えて構成される。
【0024】
かかる調整装置100は、CPU等の演算機能やメモリ等の記憶機能を備えたコンピュータで実現できる。該調整装置100としてコンピュータを機能させるための推定プログラムや該推定プログラムの記憶媒体を作成することも可能である。
【0025】
次に、該調整装置100で行うデータ送信周期の決定動作(調整動作を含む)を説明する。図3は、データ送信周期の決定処理フローを示す図である。
【0026】
まず、ステップS1において、送受信状態管理部102は、データ送信要求部101からデータ送信要求(データと送信先親機IDとを含む)を受け取った場合、受け取った現在の時刻と送信先親機IDとを紐づけて送受信状態情報として送信状態管理データベース103に登録する。その後、送受信状態管理部102は、送信周期決定部104に対してデータ送信周期の算出を要求する。
【0027】
次に、ステップS2において、送信周期決定部104は、送受信状態管理部102からデータ送信周期の算出要求を受け取った場合、送信状態管理データベース103から送信状態情報を取得し、データ送信周期が算出できる十分な送信状態数が登録されているか否かを判定する。
【0028】
「データ送信周期が算出できる十分な送信状態数」とは、例えば、送信状態情報に3つ以上の時刻が登録されており、かつ、登録されている時刻をt1,t2,t3とした場合に(t3−t2)≒(t2−t1)の判定式が成立する場合をいう。このとき、例えば、{(t3−t2)−(t2−t1)}が{5分の(t3−t2)}よりも小さく、{5分の(t2−t1)}よりも小さいときに該判定式が成立するものとする。該判定式が成立する場合、送信周期決定部104は、例えば、{(t3−t2)+(t2−t1)}/2の式を用いてデータ送信周期を算出する。
【0029】
なお、現時点では、データ送信周期が算出できる十分な送信状態数が登録されていないものとする。この場合、送信周期決定部104は、データ送信周期の変更なしを示す周期変更なし情報を送受信状態管理部102に送信する。
【0030】
次に、ステップS3において、送受信状態管理部102は、送信周期決定部104から周期変更なし情報を受け取った場合、データ送信要求に含まれていたデータをただちに親機10に送信する。現時点ではデータ送信周期が設定されていないため“ただち”に送信している。
【0031】
次に、送受信状態管理部102は、親機10にデータを送信した後、該親機10から予め決められた時間内に受信応答(Ack)を受信した場合、ステップS4において、ステップS1で記憶していた現在の時刻(≒親機10に対するデータの送信時刻)と送信成功とを対にして送信状態情報に登録する。一方、予め決められた時間内に受信応答を受信しない場合、ステップS5において、送受信状態管理部102は、上記現在の時刻と送信失敗とを対にして送信状態情報に登録する。
【0032】
ここで、送信状態情報の例を図4に示す。送信結果の登録方法については本決定処理フローで説明する通りであるが、一般的には、子機30は送信先の親機10を1つ選択した上でデータ送信を行う。そのため、成功か失敗かのフラグは時刻Timeに対して親機IDのいずれか1つに対して登録され、送信先でない親機にはNullが登録される。もし、ブロードキャストもしくは複数の親機に対して同時にデータを送信した場合には、送信先(送信を試みた)親機IDに対してそれぞれ成功か失敗かのフラグが登録される。
【0033】
その後、ステップS1に戻り、送受信状態管理部102は、データ送信要求部101から次のデータ送信要求(次データと送信先親機IDとを含む)を受け取った場合、該次のデータ送信要求について上述したステップS1の処理を実行する。その後、ステップS2に進み、今度は、データ送信周期が算出できる十分な送信状態数が送信状態情報に登録されているものとする。そのため、送信周期決定部104は、上述したデータ送信周期の算出式〔{(t3−t2)+(t2−t1)}/2〕を用いてデータ送信周期を計算し、送受信状態管理部102に送信する。
【0034】
次に、ステップS6において、送信周期決定部104は、送信状態情報にデータ送信周期が特定できる十分な状態数が登録されていれていると判定した場合、該送信状態情報および計算したデータ送信周期を参照し、次の時刻のタイミングで行うデータ送信が成功するか失敗するかを予測判定する。
【0035】
例えば、図4の親機ID=2のように、全てのデータ送信周期において送信成功であった場合には、次の時刻も送信成功であると推定する。また、図4の親機ID=3のように、全てのデータ送信周期において送信失敗であった場合には、次の時刻も送信失敗であると推定する。一方、送信成功と送信失敗が混在している場合には次の処理を実行する。例えば、図4の親機ID=4のように、ひとつ前に送信成功であった時刻と、もう一つ前に送信成功であった時刻との時間間隔Aと、ひとつ前に送信成功であった時刻と現在の時刻との時間間隔Bとを算出し、時間間隔Aと時間間隔BとがステップS2で行われた方法と同じ方法に基づき近い(A≒B)と判断された場合、次の時刻は送信成功であると推定する。その他、図4の親機ID=5のように、送信成功が2回以上登録されていなければ、次の時刻は送信成功であると推定してもよい。
【0036】
そして、ステップS6で行った予測判定の結果、次の時刻で行うデータ送信は成功であると推定した場合、ステップS7において、送信周期決定部104は、計算していたデータ送信周期に変更はないとし、周期変更なし情報を送受信状態管理部102に送信する。
【0037】
一方、ステップS6で行った予測判定の結果、次の時刻で行うデータ送信は失敗であると推定した場合、ステップS8において、送信周期決定部104は、次のデータ送信時刻を以下のように決定(調整)し、データ送信周期の変更ありを示す周期変更あり情報を送受信状態管理部102に送信する。
【0038】
例えば、次のデータ送信時刻からnミリ秒(n:実数)前にずらした時刻を次のデータ送信時刻として決定する。nミリ秒としては、例えばIEEE802.15.4で規定されているTSCH(Time Slotted Channel Hopping)ネットワークの1タイムスロット分等を用いる。一方、最近のデータ送信周期において、既にnミリ秒前にずらした時刻でデータ送信を行い、かつ、該データ送信が失敗している場合には、次のデータ送信時刻からnミリ秒後ろにずらした時刻を次のデータ送信時刻として決定する。
【0039】
その他、前回のデータ送信時刻と次のデータ送信時刻とのほぼ真ん中の時刻を次のデータ送信時刻として決定してもよい。例えば、ひとつ前のデータ送信が成功であった場合、該ひとつ前のデータ送信時刻と次のデータ送信時刻とのほぼ真ん中の時刻を次のデータ送信時刻として決定する。一方、ひとつ前のデータ送信が失敗であった場合、次のデータ送信時刻とさらに次のデータ送信時刻とのほぼ真ん中の時刻を次のデータ送信時刻として決定する。なお、ここでいう“ほぼ”とは、上記真ん中の時刻からmミリ秒(m:実数)前又は後ろにずらした時刻をいう。
【0040】
なお、ステップS8で決定された調整後の次のデータ送信時刻は送信状態管理データベース103に送信され、送信状態情報に追加登録される。例えば、上述したようにnミリ秒前にずらした場合は「−n」、nミリ秒後ろにずらした場合は「+n」として、ずらした時刻を送信状態情報の時刻に紐付けて保持しておく。ただし、該保存方法は一例であり、任意の保持方法を用いることができる。
【0041】
その後、上記のステップS3へ進み、送受信状態管理部102は、送信周期決定部104から周期変更なし情報を受信した場合、送信周期決定部104から受信していたデータ送信周期に基づき次データを親機10に送信する。一方、送信周期決定部104から周期変更あり情報を受信した場合には、ステップS8で決定された次のデータ送信時刻に基づいて受信していたデータ送信周期を変更し、該変更後のデータ送信周期に基づき次データを親機10に送信する。
【0042】
その後、親機10からの受信応答の有無に応じてステップS4またはステップS5を実行する。そして、さらに次のデータ送信要求を受け取った場合には、ステップS2以降の処理を繰り返し実行する。
【0043】
本実施の形態によれば、調整装置100において、所定のデータ送信周期で繰り返し行われたデータ送信に対する親機10からの応答の有無に基づき、該親機10に対するデータ送信の成否を送信状態情報として記憶しておき、該送信状態情報に登録されている各時刻でのデータ送信の成否に基づき、上記データ送信周期に基づいて次の時刻で行われるデータ送信の成否を判定し、該次の時刻で行われるデータ送信が成功しないと判定された場合、該次の時刻を変更することにより上記データ送信周期を調整するので、該親機10に対するデータ送信成否の送信回数を削減でき、子機30の消費電力を削減できる。
【0044】
なお、本実施の形態では、「データ送信周期が算出できる十分な送信状態数」の例として上記判定式が成立する場合を説明したが、それ以外の定義を用いてもよい。例えば、データ送信要求の時間間隔、すなわち送受信状態管理部102がデータ送信要求部101からデータ送信要求を受信した時刻の間隔が一定であり、かつ、送信失敗もしくは送信成功が2回以上発生した状況を含む場合としてもよい。
【0045】
また、本実施の形態で説明したデータ送信周期の計算式は一例にすぎず、他の計算式を用いてもよい。さらに、本実施の形態で説明したようにデータ送信周期を上記決定処理フローの処理過程の中で算出してもよいし、該決定処理フローを開始する前に算出されたデータ送信周期を用いてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…通信システム
10…親機
30…子機
100…調整装置
101…データ送信要求部
102…送受信状態管理部
103…送信状態管理データベース
104…送信周期決定部
S1〜S8…ステップ
図1
図2
図3
図4