特許第6278047号(P6278047)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6278047
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】自動車のドア構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/04 20060101AFI20180205BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20180205BHJP
【FI】
   B60J5/04 P
   B60J5/00 P
   B60J5/04 H
   B60J5/00 M
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-29739(P2016-29739)
(22)【出願日】2016年2月19日
(65)【公開番号】特開2017-144943(P2017-144943A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】守山 幸宏
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−228659(JP,A)
【文献】 特許第5056187(JP,B2)
【文献】 特開2013−163441(JP,A)
【文献】 実開平03−070519(JP,U)
【文献】 特開2002−240563(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/045817(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/04
B60J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアインナパネルとドアアウタパネルとの間にドアウインドガラスを昇降可能に配設した自動車のドア構造であって、
サイドドア後部を形成する縦枠部材と、
上記縦枠部材の上部から前方に延びる軽金属または軽合金製の押出し成形部材から成るベルトラインレインフォースメントとを備え、
上記縦枠部材上部と上記ベルトラインレインフォースメントとの間のコーナ部に、ラッチ機構を車幅方向外側かつ上方から覆うパネル状のアウタハンドル取付けブラケットが設けられ、
上記アウタハンドル取付けブラケットには、上記ドアアウタパネルをその内側で支持したアウタハンドルベースが当接固定されており、
上記アウタハンドル取付けブラケットは、正面視で下部が車幅方向外側に位置するよう傾斜配置されたことを特徴とする
自動車のドア構造。
【請求項2】
上記アウタハンドル取付けブラケットには車両前後方向に延びる稜線が形成されると共に、
該稜線の一部に脆弱部が形成された
請求項1に記載の自動車のドア構造。
【請求項3】
上記ベルトラインレインフォースメントは、上記ドアウインドガラスの車幅方向外側面と対向して外側下方に延びる内側側面部と、
該内側側面部の下部から外側下方に延びる下側リブと、
上記内側側面部の上部から上方に延びる上側リブと、を備え、
上記下側リブに上記アウタハンドル取付けブラケットが取付けられた
請求項1または2に記載の自動車のドア構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドアインナパネルとドアアウタパネルとの間にドアウインドガラスを昇降可能に配設したような自動車のドア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のドア構造はドアインナパネルとドアアウタパネルとの間にドアウインドガラスを昇降可能に配設して構成されている。
このような自動車のドア構造において、サイドドア後部を形成する縦枠部材と、この縦枠部材の上部から前方に延びる軽金属または軽合金製の押出し成形部材から成るベルトラインレインフォースメントを備える構成を採用した場合、上述の縦枠部材とベルトラインレインフォースメントとが略直角に交わるので、強度が低いうえ、これら両者が略直角に交わる部位の近傍にはドアアウタハンドルを取付ける必要があるので、強度の向上と、ドアアウタハンドルの支持剛性向上と、衝突安全性の向上とを高めることが要請される。
【0003】
しかしながら、上述のベルトラインレインフォースメントは、軽金属または軽合金製の押出し成形部材であるから、その押出し方向に全て同一断面形状となり、高剛性が要求される部分であっても、押出し成形部材を部分的に断面形状を異ならせて、強度を部分的に強くすることができない。
【0004】
ところで、特許文献1には、剛性パイプ部材で構成されたベルトラインレインフォースメントの下方部に、盗難防止機能をもったアウタハンドル取付けブラケットを連結した構造が開示されているが、該特許文献1に開示された従来構造は、ベルトラインレインフォースメントとして剛性パイプ部材が用いられてるので、押出し成形部材特有の問題を解決するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5056187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、サイドドア後部を形成する縦枠部材と、当該縦枠部材の上部から前方に延びる押出し成形部材から成るベルトラインレインフォースメントとの間のコーナ部の上下方向および車幅方向の強度向上を図ることができると共に、ドアアウタハンドルの支持剛性向上と衝突強度の向上をも図ることができ、さらに、強度向上により盗難防止効果を確保することもできる自動車のドア構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による自動車のドア構造は、ドアインナパネルとドアアウタパネルとの間にドアウインドガラスを昇降可能に配設した自動車のドア構造であって、サイドドア後部を形成する縦枠部材と、上記縦枠部材の上部から前方に延びる軽金属または軽合金製の押出し成形部材から成るベルトラインレインフォースメントとを備え、上記縦枠部材上部と上記ベルトラインレインフォースメントとの間のコーナ部に、ラッチ機構を車幅方向外側かつ上方から覆うパネル状のアウタハンドル取付けブラケットが設けられ、上記アウタハンドル取付けブラケットには、上記ドアアウタパネルをその内側で支持したアウタハンドルベースが当接固定されており、上記アウタハンドル取付けブラケットは、正面視で下部が車幅方向外側に位置するよう傾斜配置されたものである。
上述の縦枠部材は、軽金属または軽合金による鋳造品であってもよい。
【0008】
上記構成によれば、縦枠部材上部とベルトラインレインフォースメントとの間のコーナ部に、上述のアウタハンドル取付けブラケットを設け、このアウタハンドル取付けブラケットを、正面視でその下部が車幅方向外側に位置するよう傾斜配置したので、上記コーナ部の上下方向および車幅方向の強度向上を図ることができると共に、ドアアウタハンドルの支持剛性向上と衝突強度の向上をも図ることができる。
さらに、上述のアウタハンドル取付けブラケットは、ラッチ機構を車幅方向外側かつ上方から覆うものであり、コーナ部の強度が向上したことと相俟って、盗難防止効果を確保することができる。
【0009】
この発明の一実施態様においては、上記アウタハンドル取付けブラケットには車両前後方向に延びる稜線が形成されると共に、該稜線の一部に脆弱部が形成されたものである。
上述の脆弱部は、キーシリンダ配設用の切欠き部や開口部であってもよい。
【0010】
上記構成によれば、上述の稜線にてアウタハンドル取付けブラケットの車両前後方向の剛性および荷重伝達性能の向上を図りつつ、上記脆弱部の形成により、アウタハンドル取付けブラケットとベルトラインレインフォースメントとの連結部分に応力が集中することを防止できる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記ベルトラインレインフォースメントは、上記ドアウインドガラスの車幅方向外側面と対向して外側下方に延びる内側側面部と、該内側側面部の下部から外側下方に延びる下側リブと、上記内側側面部の上部から上方に延びる上側リブと、を備え、上記下側リブに上記アウタハンドル取付けブラケットが取付けられたものである。
【0012】
上記構成によれば、ベルトラインレインフォースメントの内側側面と下側リブとが外側下方に斜め方向に延びるので、当該ベルトラインレインフォースメントの上下方向および車幅方向の変形をさらに抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、サイドドア後部を形成する縦枠部材と、当該縦枠部材の上部から前方に延びる押出し成形部材から成るベルトラインレインフォースメントとの間のコーナ部の上下方向および車幅方向の強度向上を図ることができると共に、ドアアウタハンドルの支持剛性向上と衝突強度の向上をも図ることができ、さらに、強度向上により盗難防止効果を確保することもできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の自動車のドア構造を車外側から見た状態で示す外観側面図
図2】ドアアウタパネルを取外して示すドア構造の斜視図
図3】ドアフレーム構造を車外側から見た状態で示す側面図
図4】ウインドレギュレータの構造を車外側から見た状態で示す説明図
図5図2の構造にアウタハンドル取付けブラケットを設けた状態の要部拡大斜視図
図6図5のA−A線に沿う要部の矢視断面図
図7図1のB−B線矢視断面図
図8】スライダの斜視図
図9】(a)は押当て部材、受部材、ドアベルトライン構成部材の分解図、(b)は図9の(a)のC−C線矢視断面図
図10】受部材の説明図
図11】扇状ガイド部材およびダウンストッパの取付け構造を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
サイドドア後部を形成する縦枠部材と、当該縦枠部材の上部から前方に延びる押出し成形部材から成るベルトラインレインフォースメントとの間のコーナ部の上下方向および車幅方向の強度向上を図り、かつドアアウタハンドルの支持剛性向上と衝突強度の向上をも図ることができ、さらに、強度向上により盗難防止効果を確保するという目的を、ドアインナパネルとドアアウタパネルとの間にドアウインドガラスを昇降可能に配設した自動車のドア構造において、サイドドア後部を形成する縦枠部材と、上記縦枠部材の上部から前方に延びる軽金属または軽合金製の押出し成形部材から成るベルトラインレインフォースメントとを備え、上記縦枠部材上部と上記ベルトラインレインフォースメントとの間のコーナ部に、ラッチ機構を車幅方向外側かつ上方から覆うパネル状のアウタハンドル取付けブラケットが設けられ、上記アウタハンドル取付けブラケットには、上記ドアアウタパネルをその内側で支持したアウタハンドルベースが当接固定されており、上記アウタハンドル取付けブラケットは、正面視で下部が車幅方向外側に位置するよう傾斜配置されるという構成にて実現した。
【実施例】
【0016】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車のドア構造を示し、図1はサッシュレスタイプのサイドドア構造を車外側から見た状態で示す外観側面図、図2はドアアウタパネルを取外した状態で示すドア構造の斜視図、図3はドアフレーム構造を車外側から見た状態で示す側面図、図4はウインドレギュレータの構造を車外側から見た状態で示す説明図、図5図2の構造にアウタハンドル取付けブラケットを設けた状態の要部拡大斜視図、図6図5のA−A線に沿う要部の矢視断面図、図7図1のB−B線矢視断面図である。
【0017】
<ドアフレームの構造>
まず、図3を参照してドアフレームの構造について説明する。
図3に示すように、ドアフレーム10は、ドア本体の前辺部を形成する前側の縦枠部材である縦枠部11と、ドア本体の後辺部を形成する後側の縦枠部材である縦枠部12と、ドア本体の上辺部を形成するドアベルトライン構成部材としてのベルトラインレインフォースメントインナ13と、ドア本体の下辺部を形成する連結部材14(いわゆるロアフレーム)と、を備えている。
上述の前後の各縦枠部11,12(いわゆる縦枠フレーム)は、軽金属または軽合金製の鋳造部材にて形成されている。この実施例では、これら両縦枠部11,12はアルミダイカストにより形成されている。
【0018】
また、上述のベルトラインレインフォースメントインナ13および連結部材14(ロアフレーム)は、軽金属または軽合金製の押出し成形部材にて構成されている。
そして、サイドドア前部を形成する前側の縦枠部11の上部と、サイドドア後部を形成する後側の縦枠部12の上部とを、上述のベルトラインレインフォースメントインナ13で、車両前後方向に連結すると共に、前側の縦枠部11の下部と、後側の縦枠部12の下部とを、上述の連結部材14で、車両前後方向に連結している。
【0019】
ここで、上述の前側の縦枠部材11とベルトラインレインフォースメントインナ13とは略直角に交わるよう連結されており、同様に、後側の縦枠部材12とベルトラインレインフォースメントインナ13とは略直角に交わるよう連結されている。
さらに、上述の前側の縦枠部材11と連結部材14とは略直角に交わるよう連結されており、同様に、後側の縦枠部材12と連結部材14とは略直角に交わるよう連結されている。
【0020】
図3に示すように、前側の縦枠部11の上部には、後述するベルトラインレインフォースメントアウタ23(図2参照)の前部を取付ける複数のボス部15,15を車両前後方向に離間して一体形成すると共に、同縦枠部11の上下方向中間部には、後述するインパクトバー24(図2参照)の前部を取付ける複数のボス部16,16を車両前後方向に離間して一体形成している。
【0021】
ここで、上部のボス部15,15はリブ15aにより前後方向に連結されており、ボス部15,15の剛性向上を図っている。同様に、上下方向中間部のボス部16,16もリブ16aにより前後方向に連結されており、ボス部16,16の剛性向上を図っている。
【0022】
また、図3に示すように、前側の縦枠部11の前端部上下両位置には、ドアヒンジブラケット17,18を取付けている。
【0023】
図3に示すように、後側の縦枠部12の上部には、後述するベルトラインレインフォースメントアウタ23(図2参照)の後部を取付ける複数のボス部19,19を車両前後方向に離間して一体形成すると共に、同縦枠部12の上下方向中間部には、後述するインパクトバー24(図2参照)の後部を取付ける複数のボス部20,20を車両前後方向に離間して一体形成している。
【0024】
ここで、上部のボス部19,19はリブ19aにより前後方向に連結されており、ボス部19,19の剛性向上を図っている。同様に、上下方向中間部のボス部20,20もリブ20aにより前後方向に連結されており、ボス部20,20の剛性向上を図っている。
【0025】
また、図3に示すように、後側の縦枠部12において、上部のボス部19と上下方向中間部のボス部20との間には、後述するアウタハンドル取付けブラケット25(図5参照)の後部を固定する複数のボス部21,21を上下方向に離間して一体形成すると共に、ラッチ機構配設部と対応するようにストライカ係合溝22が開口形成されている。
【0026】
図2図3に示すように、上述のボス部15,19(ベルトラインレインフォースメントアウタ取付け用のボス部)には、ドアベルトライン構成部材としてのベルトラインレインフォースメントアウタ23が取付けられている。このベルトラインレインフォースメントアウタ23は、上述のベルトラインレインフォースメントインナ13と同様に、軽金属または軽合金製の押出し成形部材にて構成されている。
【0027】
図2図3に示すように、上述のボス部16,20(インパクトバー取付け用のボス部)にはインパクトバー24が取付けられている。図2に示すように、このインパクトバー24は車両前後方向に延びると共に、該インパクトバー24の前端部がその後端部に対して高くなるように傾斜状に取付けられている。また、該インパクトバー24は、各要素13,23と同様に、軽金属または軽合金製の押出し成形部材にて構成されている。
図2に示すように、上述のベルトラインレインフォースメントアウタ23の後部には、次に述べるアウタハンドル取付けブラケット25(図5参照)を固定するための複数の取付け部23a,23bが形成されている。このベルトラインレインフォースメントアウタ23は、後側の縦枠部12の上部から前方に延びるレインフォースメントである。
【0028】
そして、上述の後側の縦枠部12の上部とベルトラインレインフォースメントアウタ23後部との間のコーナ部には、図5に示すように、ラッチ機構(ラッチ機構配設部に対応するストライカ係合溝22参照)を車幅方向外側かつ上方から覆うパネル状のアウタハンドル取付けブラケット25が設けられている。
【0029】
<アウタハンドル取付けブラケットの構成>
次に、図5図6図7を参照してアウタハンドル取付けブラケット25と、その取付け構造について説明する。
上述のアウタハンドル取付けブラケット25は、金属製の板材を加工して形成されたもので、このアウタハンドル取付けブラケット25は、図2図3で示した縦枠部12の複数のボス部21,21(アウタハンドル取付けブラケット固定用のボス部)とベルトラインレインフォースメントアウタ23の取付け部23a,23bとに取付け固定されている。
【0030】
図6図7に示すように、上述のアウタハンドル取付けブラケット25には、ドアアウタパネル26をその内側で支持したアウタハンドルベース27の内端部が当接固定されている。
【0031】
図5に示すように、上述のアウタハンドル取付けブラケット25は、ほぼ逆向き台形状に形成されており、後側の縦枠部12上部とベルトラインレインフォースメントアウタ23後部との間のコーナ部において車両前後方向に延びると共に、図6に示すように、正面視でその下部が車幅方向外側に位置するように傾斜配置されている。
【0032】
詳しくは、該アウタハンドル取付けブラケット25は、図6に示すように、正面視でその上端25aが下端25bに対して車幅方向内側に位置し、下端25bが上端25aに対して車幅方向外側に位置するように傾斜配置されている。
【0033】
このように、後側の縦枠部12上部とベルトラインレインフォースメントアウタ23後部との間のコーナ部に、アウタハンドル取付けブラケット25を設け、該アウタハンドル取付けブラケット25を、正面視でその下部が車幅方向外側に位置するよう傾斜配置することで、上記コーナ部の上下方向および車幅方向の強度向上を図り、かつ、ドアアウタハンドル28(図1図7参照)の支持剛性向上と衝突強度の向上を図ると共に、上述のアウタハンドル取付けブラケット25が、ラッチ機構を車幅方向外側かつ上方から覆うことで、コーナ部の強度向上と相俟って、盗難防止効果を確保するように構成したものである。
【0034】
詳しくは、ベルトラインレインフォースメントアウタ23は、押出し成形部材で形成されており、この押出し成形部材は車幅方向内外に対して剛性が低いので、このベルトラインレインフォースメントアウタ23の後部と、縦枠部材としての縦枠部12とのコーナ部を、アウタハンドル取付けブラケット25にて補強し、当該コーナ部の車幅方向に対する剛性向上を図ると共に、併せて、盗難防止機能を高めるように構成したものである。
【0035】
図5に示すように、上述のアウタハンドル取付けブラケット25は、ブラケット本体25cの前部および下部に連続して延びるフランジ部25dを有し、ブラケット本体25cの後上および後下に取付け座となる凹部25e,25fを有するもので、上述のフランジ部25dの上端部に形成された締結部25gと、凹部25e,25fに形成された締結部25h,25hとが、図2図3で示した取付け部23a、ボス部21,21に締結固定されている。
【0036】
図5図6に示すように、上述のアウタハンドル取付けブラケット25のブラケット本体25cには、車両前後方向に延びる稜線X1,X2が平行に形成されると共に、この稜線X1,X2の一部(車両前後方向の後寄りの位置)には脆弱部としての開口部29が開口形成されている。
【0037】
この実施例では、該開口部29はキーシリンダ配設用として用いるものであり、この開口部29の位置においては、上述の稜線X1,X2は途切れている。
上述の稜線X1,X2によりアウタハンドル取付けブラケット25の車両前後方向の剛性および荷重伝達性能の向上を図りつつ、アウタハンドル取付けブラケット25とベルトラインレインフォースメントアウタ23との連結部分に過度の応力が集中することを、上述の開口部29にて、防止するよう構成したものである。
【0038】
また、図6に示すように、アウタハンドル取付けブラケット25の上端25aは、アウタハンドルベース27の上部内端27aの位置と略対応するが、アウタハンドル取付けブラケット25の下端25bは、アウタハンドルベース27の下部内端27bの位置よりも、さらに下方に延びており、この下方延設部に上述の凹部25f(取付け座)を形成し、該凹部25fをその締結部25hにてボス部21に締結しており、この構造により当該アウタハンドル取付けブラケット25それ自体の剛性向上と、上述のコーナ部のさらなる剛性向上とを図っている。
【0039】
<ベルトラインレインフォースメントアウタとその周辺構造>
次に図5図6を参照して、ベルトラインレインフォースメントアウタ23と、その周辺構造について説明する。
図6に示すように、ベルトラインレインフォースメントアウタ23は、押出し成形にて形成された閉断面23cと、ドアウインドガラス30の車幅方向外側面と対向して外側下方に延びる(すなわち、上端から下端にかけて車幅方向外側に傾斜して延びる)内側側面部23d(いわゆる傾斜面部)と、この内側側面部23dの下部から外側下方に延びる下側リブ23eと、上述の内側側面部23dの上部から上方に延びる上側リブ23fと、を備えており、図5に示すように、上述の下側リブ23eにアウタハンドル取付けブラケット25の上部が取付けられている。
【0040】
上述のベルトラインレインフォースメントアウタ23の内側側面部23dと下側リブ23eとを、外側下方に斜め方向に延ばし、当該ベルトラインレインフォースメントアウタ23の上下方向および車幅方向の変形を抑制するように構成したものである。
【0041】
図6に示すように、上述の上側リブ23fには、合成樹脂製のドアアウタパネル26におけるリブ26aに形成された係合凹部26bを係合することで、ベルトラインレインフォースメントアウタ23にドアアウタパネル26の上部を係合固定している。ここで、上述のリブ26aはドアアウタパネル26の上部内面に車両前後方向に間隔を隔てて複数形成されているが、図6では1つのリブ26aのみを示している。
【0042】
ドアアウタパネル26の荷重はベルトラインレインフォースメントアウタ23の各要素23f,23d,23eおよび図5で示した締結部25gを介してアウタハンドル取付けブラケット25に伝達され、荷重分散される。この荷重分散された荷重は縦枠部12に伝達される。
【0043】
また、上述のベルトラインレインフォースメントアウタ23とアウタハンドル取付けブラケット25との両者で、図6に示すように外側下方に斜め方向に延びる比較的長い略直線状の構造体が形成されており、これにより上下方向および車幅方向のドア剛性をさらに高めるように構成している。
【0044】
一般に、サイドドア上部はデザインの関係上、その車幅方向寸法が狭小に形成されていて、車幅方向の剛性が確保しにくいので、上下方向には上側リブ23fを延ばして剛性を確保し、かつ充分な車幅方向剛性を確保するために、ベルトラインレインフォースメントアウタ23とアウタハンドル取付けブラケット25との両者を、図6に示すように、外側下方に延びるよう傾斜状に配設し、これら両者23,25の傾斜配設により、当該両者23,25の内側にラッチ機構のリンク等を格納する充分なスペースを確保すると共に、アウタハンドル取付けブラケット25がプロテクタ(protector)としての機能をも発揮するよう構成したものである。
【0045】
<ウインドレギュレータの構成>
次に、図4を参照してドアウインドガラス30を昇降するウインドレギュレータ40の構成について説明する。
図4に示すように、ウインドレギュレータ40は、略上下方向に延びる前後一対のガイドレール31,32と、これら一対のガイドレール31,32に沿って上下摺動すると共に、ドアウインドガラス30が取付け支持された前後一対のキャリアプレート33,33と、一対の両ガイドレール31,32の上下両端部に設けられた巻掛け部34,35,36,37と、これらの各巻掛け部34〜37にたすき掛けされ、当該巻掛け部34,35,36,37で方向が転換されるガイドワイヤ38と、このガイドワイヤ38を駆動するアクチュエータ39と、を備えている。
【0046】
図4に示すように、前後一対のガイドレール31,32は互いに平行に配置されている。そして、前側のガイドレール31の車両前後方向後側には、上下方向に離間して複数の取付け片31a,31b,31c,31dが一体形成されており、これらの各取付け片31a〜31dがモジュールプレート41(図2図6図7参照)に取付けられている。
【0047】
同様に、図4に示すように、後側のガイドレール32の車両前後方向前側にも、上下方向に離間して複数の取付け片32a,32b,32c,32dが一体形成されており、これらの各取付け片32a〜32dがモジュールプレート41(図2図6図7参照)に取付けられている。
【0048】
図4に示すように、前側のキャリアプレート33の前上とドアウインドガラス30の取付け構造は、後側のキャリアプレート33の後上とドアウインドガラス30の取付け構造と同様であって、キャリアプレート33とドアウインドガラス30とは、図7に示すように、内外一対のブッシュ42と、内外一対のリテーナ43と、ボルト44およびナット45から成る支持部材46にて、共締め固定されている。
【0049】
図4に示すように、前側のキャリアプレート33と後側のキャリアプレート33とを前後方向に連結する連結ブラケット47を設けている。この連結ブラケット47には軽量化用の複数の開口部が形成されている。
【0050】
図4に示すように、前側のキャリアプレート33の後下と、ドアウインドガラス30と、連結ブラケット47前部との三者の取付け構造は、後側のキャリアプレート33の前下と、ドアウインドガラス30と、連結ブラケット47後部との三者の取付け構造と同様であって、キャリアプレート33、ドアウインドガラス30、連結ブラケット47の三者は、支持部材46と同等構造の別の支持部材48にて、共締め固定されている。
上述のガイドワイヤ38は、アウタチューブ38aとインナワイヤ38bとを有しており、上述の連結ブラケット47の前後両端のクランプ部47a,47bでインナワイヤ38bをクランプ(clamp)している。
上述のクランプ部47a,47bは、連結ブラケット47の前端に上下方向に間隔を隔てて2つ形成されると共に、連結ブラケット47の後端にも上下方向に間隔を隔てて2つ形成されている。
【0051】
また、上述のアクチュエータ39は、電流値がしきい値を超えた時、ドアウインドガラス30の上限位置、下限位置および噛込みを検知する電流センサが内蔵されたモータ49を備えている。
【0052】
図4に示すように、上述の各巻掛け部34〜37のうちドアウインドガラス30上昇時におけるリリース側の巻掛け部、すなわち、前側のガイドレール31の下端部に設けられた巻掛け部35が、下方に凸の扇状ガイド部50とされ、この巻掛け部35以外の他の全ての巻掛け部34,36,37がプーリ51(いわゆる滑車)とされている。
【0053】
図8はスライダの斜視図、図9の(a)は押当て部材、受部材、ドアベルトライン構成部材(ベルトラインレインフォースメントインナ)の分解図、図9の(b)は図9の(a)のC−C線矢視断面図、図10は受部材の説明図、図11は扇状ガイド部材およびダウンストッパの取付け構造を示す説明図である。
【0054】
図4図11に示すように、上述の扇状ガイド部50の上方部には、ドアウインドガラス30の下降位置を規制するダウンストッパ52が設けられている。このダウンストッパ52は、ゴムやエラストマ等の弾性部材にて形成される。
【0055】
図4にドアウインドガラス30の上昇時におけるガイドワイヤ38の動きを矢印で示すように、前後一対のガイドレール31,32の下端部の各巻掛け部35,37がリリース(release)側となるが、この実施例では前側のガイドレール31の下端部の巻掛け部35を、下方に凸の扇状ガイド部50としている。
【0056】
このように、ドアウインドガラス30上昇時におけるリリース側の巻掛け部35を、扇状ガイド部50として、この扇状ガイド部50の上方部に、図10に示すように、ダウンストッパ52を設けることで、巻掛け部35を用いてダウンストッパ52をコンパクトに配置し、通常時のドアウインドガラス30の昇降性と、コンパクト化との両立を図りつつ、下降規制強度の確保を図るように構成したものである。
【0057】
図4図7図8に示すように、キャリアプレート33には上述のガイドレール31,32に摺動するスライダ53,54が設けられている。前側のガイドレール31に摺動するスライダ53の構造およびその支持構造と、後側のガイドレール32に摺動するスライダ54の構造およびその支持構造は、略対称であるから、ここでは、後側のスライダ54とその支持構造について説明する。
【0058】
<スライダとその支持構造>
図8に示すように、このスライダ54はブロック形状のスライダ本体54aと、このスライダ本体54aの車幅方向中間部に形成されガイドレール32に摺動すべく上下方向に延びる内外一対の弾性摺動部54b,54bと、内外一対の弾性摺動部54b,54bの車幅方向内側および車幅方向外側に形成された空間部54c,54cと、該空間部54c,54cを形成する縦壁54d,54dの上下方向中間部から弾性摺動部54b,54b側に向けて延びるストッパ部54e,54eと、スライダ本体54aの車幅方向内側に形成され、キャリアプレート33に切起こし形成された取付け片33a(図7参照)に嵌合される嵌合孔54fと、を一体形成したものである。
【0059】
このスライダ54は、図7図8に示すように、嵌合孔54fを取付け片33aに嵌合固定すると共に、一対の弾性摺動部54b,54b間にガイドレール32の後縁部(但し、前側のガイドレール31にあっては前縁部)を摺動可能に挟持するよう構成している。
【0060】
この実施例では、図4に示すように、片側のキャリアプレート33,33に対して、上下方向に離間して合計2つのスライダ53,53およびスライダ54,54を設けている。
【0061】
図4に示すように、前側のスライダ53は、前側のガイドレール31に対してその前縁部に前側外方から嵌合されており、後側のスライダ54は、図4図7に示すように後側のガイドレール32に対してその後縁部に後側外方から嵌合されている。
このように、前後の各スライダ53,54を前後外方からガイドレール31,32にそれぞれ嵌合することで、ドアウインドガラス30を前後方向に確実に位置決めし、前側のガイドレール31に嵌合されたスライダ53よりも内側(つまり前後方向の後側)にダウンストッパ52をコンパクトに配置するよう構成したものである。
【0062】
<扇状ガイド部およびダウンストッパの構成>
図11に示すように、前側のガイドレール31の下端部には、上述のダウンストッパ52と扇状ガイド部50との両者をその上下に取付ける取付け片55が切起し手段にて一体形成されている。そして、該取付け片55の上部にダウンストッパ52を取付け、取付け片55の下部に扇状ガイド部50を取付けている。ここで、上述の扇状ガイド部50の周面には、ガイドワイヤ38を案内する凹溝部50aが形成されている。
上述のダウンストッパ52と扇状ガイド部50とを取付ける取付け片55を、ガイドレール31に一体形成することで、部品点数の増加を抑制するように構成している。
【0063】
<ガラス仮支持部の構成>
ところで、図4に示すように、連結ブラケット47の前後方向中間位置、好ましくは、前後方向中央位置には、枢支部56を支点として前後方向に揺動可能なガラス仮支持部57を設けている。このガラス仮支持部57はその上部にドアウインドガラス30の下端を配置する凹部が一体形成されている。
【0064】
図示しないボディに対してドアを閉成すると共に、ガラス仮支持部57の該凹部にドアウインドガラス30の下端を配置し、かつ、支持部材48を未締結(ボルト、ナットを完全に締付けない状態)と成した状態で、ウインドレギュレータ40のアクチュエータ39を駆動し、ドアウインドガラス30を上方へ移動して、その上端部をボディ側のルーフサイドレール部およびフロントピラー部に当接させ、枢支部56を支点として揺動するガラス仮支持部57を介してドアウインドガラス30を位置決めした後に、未締結の支持部材48を締結すると、ガラス閉位置において前後の各キャリアプレート33,33を適正な位置に容易に位置決め固定することができる。
【0065】
つまり、連結ブラケット47の前後方向中間部でドアウインドガラス30を仮支持し、車体組付け後のガラス閉位置においてドアウインドガラス30およびキャリアプレート33を容易に適正位置に位置決めし得るように構成しているので、特に、サッシュレスのサイドドアに対して有効となる。
【0066】
<アップストッパとその周辺構造>
次に、図6図9図10を参照して、ドアウインドガラス30の上限位置を規制するアップストッパと、その周辺構造について説明する。なお、図4に示す前後のアッパストッパ60,60は同一構造に形成されているので、ここでは、図5のA−A線矢視断面図に相当する図6と、図9の(a)、図9の(b)を参照して、後側に位置するアッパストッパ60と、その周辺構造について説明する。
【0067】
図6に示すように、アップストッパ60は、ガラス側の下側部材としてキャリアプレート33に複数のビス61(但し、図面では1つのビス61のみを示す)を用いて固定された押当て部材62と、ドア側の上側部材としてベルトラインレインフォースメントインナ13にボルト63を用いて前後方向に移動調節可能に取付けられた受部材64との両者62,64から構成されている。
【0068】
下側部材(押当て部材62)と上側部材(受部材64)との何れか一方には凸部を形成し、何れか他方には凹部を形成するが、この実施例では、下側部材である押当て部材62に楔形状(具体的には、上下方向に細長い台形状)の凸部62aを一体形成し、上側部材である受部材64には、上記楔形状に対応する凹部64aを形成している。
【0069】
図9の(b)、図10に示すように、受部材64には、側面視で上下方向に傾斜した当接面64b,64cが設けられている。同図に示すように、この実施例では、上述の当接面64b,64cはその前部が相対的にベルトラインレインフォースメントインナ13に近く、その後部がベルトラインレインフォースメントインナ13から相対的に遠くなるよう車幅方向内外に傾斜している。
【0070】
また、図6図9図10に示すように、上述の受部材64はドアベルトライン構成部材としてのベルトラインレインフォースメントインナ13のリブ(詳しくは、上向きリブ13aと横リブ13b)に対して水平方向(つまり車両の前後方向)にスライド可能に支持されている。なお、上記横リブ13bに代えて凹溝を採用してもよい。
【0071】
これにより、上側部材である受部材64をベルトラインレインフォースメントインナ13のリブ13a,13bに対して水平方向にスライドさせるだけで、ドアウインドガラス30の上下方向の位置調整ができ、当該位置調整の容易化を図ることができ、また受部材64と押当て部材62とが凹凸嵌合することで、ドアウインドガラス30の上限位置が規制でき、この上限位置と上述の上下方向位置とが適切になることで、当該ドアウインドガラス30の吸出し防止性能を確保するように構成している。
【0072】
つまり、上述のアップストッパ60によりドアウインドガラス30の上限位置が規制できて、その上がり過ぎを防止することができると共に、上下方向の位置決めをも行なうことができるので、通常走行時のドアウインドガラス30の振動防止と、高速走行時の負圧に起因するドアウインドガラス30の吸出し防止との両立を図ることができる。
【0073】
因に、従来構造においては、ドアウインドガラスの上下方向の位置決めを行なう部材は、アップストッパとは他に別途設けられるが、この実施例では、アップストッパ60によりドアウインドガラス30の上限位置規制と上下方向の位置決めとを行なうことができる。
上述の受部材64には、ベルトラインレインフォースメントインナ13のガラスの面13cに沿う部位に当接面64b(押当て部材62の凸部62aを当接させるための面)が形成されており、この当接面64bが上方かつドアウインドガラス30側へ向けて傾斜している。
【0074】
これにより、ドアウインドガラス30の上限位置規制時において、押当て部材62の凸部62aが受部材64の凹部64aに嵌入された際の位置決め荷重を、上述のベルトラインレインフォースメントインナ13で受止めて、ドアウインドガラス30を強固に支持すべく構成している。
【0075】
ここで、上述のベルトラインレインフォースメントインナ13は、既述したように軽金属または軽合金の押出し成形部材にて形成されており、このベルトラインレインフォースメントインナ13は、閉断面13dと、この閉断面13dを囲繞する上片13e、下片13f、外片13g、内片13hの四辺と、上片13eの延長線上においてガラス側に突出する上述の横リブ13bと、外片13gの延長線上において上方に突出する上述の上向きリブ13aと、外片13gと下片13fの連結コーナ部近傍から下方に延びる下向きリブ13iと、を一体形成したものである。
【0076】
図9の(a)に示すように、上述の受部材64には、凹部64aの他に、上述の横リブ13bを嵌合する嵌合凹部64dと、上述の上向きリブ13aを遊嵌する下向きの溝部64eとが形成されている。つまり、ドア側の受部材64は上述の各リブ13a,13bに嵌合する断面形状に形成されている。
【0077】
そして、上述の受部材64において上向きリブ13aのドアウインドガラス30と反対の側、すなわち、車幅方向内側には上述のボルト63を含む締結部64fが形成されており、該締結部64f(特に、ボルト63参照)をサイドドアの外側であるドア閉時の車室側から操作可能とし、ドアウインドガラス30の位置調整作業の容易化を図るように構成したものである。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示す。
【0078】
このように、上記実施例の自動車のドア構造は、ドアインナパネルとドアアウタパネル26との間にドアウインドガラス30を昇降可能に配設した自動車のドア構造であって、サイドドア後部を形成する縦枠部12と、上記縦枠部12の上部から前方に延びる軽金属または軽合金製の押出し成形部材から成るベルトラインレインフォースメントアウタ23とを備え、上記縦枠部12上部と上記ベルトラインレインフォースメントアウタ23との間のコーナ部に、ラッチ機構(ストライカ係合溝22参照)を車幅方向外側かつ上方から覆うパネル状のアウタハンドル取付けブラケット25が設けられ、上記アウタハンドル取付けブラケット25には、上記ドアアウタパネル26をその内側で支持したアウタハンドルベース27が当接固定されており、上記アウタハンドル取付けブラケット25は、正面視で下部が車幅方向外側に位置するよう傾斜配置されたものである(図5図6図7参照)。
【0079】
この構成によれば、縦枠部12上部とベルトラインレインフォースメントアウタ23との間のコーナ部に、上述のアウタハンドル取付けブラケット25を設け、このアウタハンドル取付けブラケット25を、正面視でその下部が車幅方向外側に位置するよう傾斜配置したので、上記コーナ部の上下方向および車幅方向の強度向上を図ることができると共に、ドアアウタハンドル28の支持剛性向上と衝突強度の向上をも図ることができる。
さらに、上述のアウタハンドル取付けブラケット25は、ラッチ機構を車幅方向外側かつ上方から覆うものであり、コーナ部の強度が向上したことと相俟って、盗難防止効果を確保することができる。
【0080】
この発明の一実施形態においては、上記アウタハンドル取付けブラケット25には車両前後方向に延びる稜線X1,X2が形成されると共に、該稜線X1,X2の一部に脆弱部(開口部29参照)が形成されたものである(図5図6参照)。
【0081】
この構成によれば、上述の稜線X1,X2にてアウタハンドル取付けブラケット25の車両前後方向の剛性および荷重伝達性能の向上を図りつつ、上記脆弱部(開口部29参照)の形成により、アウタハンドル取付けブラケット25とベルトラインレインフォースメントアウタ23との連結部分に応力が集中することを防止できる。
【0082】
この発明の一実施形態においては、上記ベルトラインレインフォースメントアウタ23は、上記ドアウインドガラス30の車幅方向外側面と対向して外側下方に延びる内側側面部23dと、該内側側面部23dの下部から外側下方に延びる下側リブ23eと、上記内側側面部23dの上部から上方に延びる上側リブ23fと、を備え、上記下側リブ23eに上記アウタハンドル取付けブラケット25が取付けられたものである(図5図6参照)。
【0083】
この構成によれば、ベルトラインレインフォースメントアウタ23の内側側面23dと下側リブ23eとが外側下方に斜め方向に延びるので、当該ベルトラインレインフォースメントアウタ23の上下方向および車幅方向の変形をさらに抑制することができる。
【0084】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の縦枠部材は、実施例の後側の縦枠部12に対応し、
以下同様に、
ベルトラインレインフォースメントは、ベルトラインレインフォースメントアウタ23に対応し、
脆弱部は、開口部29に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては、サイドドアとして、サッシュレス構造のフロントドア構造を例示したが、本発明はリヤドアに採用してもよい。また、上記実施例においては、段差構造により平行な2本の稜線X1,X2を形成したが、これに代えて、車両前後方向に指向するビードにより稜線を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上説明したように、本願発明は、ドアインナパネルとドアアウタパネルとの間にドアウインドガラスを昇降可能に配設した自動車のドア構造について有用である。
【符号の説明】
【0086】
12…縦枠部(縦枠部材)
23…ベルトラインレインフォースメントアウタ(ベルトラインレインフォースメント)
23d…内側側面部
23e…下側リブ
23f…上側リブ
25…アウタハンドル取付けブラケット
26…ドアアウタパネル
27…アウタハンドルベース
29…開口部(脆弱部)
30…ドアウインドガラス
X1,X2…稜線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11