【実施例】
【0107】
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0108】
以下の各例において評価は次の方法で行った。
【0109】
<ポリイミド前駆体のワニスの評価>
【0110】
[対数粘度]
重合に用いた溶媒で希釈し、濃度0.5g/dLのポリイミド前駆体溶液を調製し、ウベローデ粘度計を用いて、30℃で測定し、対数粘度を求めた。
【0111】
<ポリイミドフィルムの評価>
【0112】
[フィルム化]
ガラスから剥離したフィルムを目視にて、下記の基準で評価を行った。
【0113】
われのないフィルム : ○
大きなわれのあるフィルム : △
細かいわれのあるフィルム : ×
【0114】
[全光透過率]
大塚電子製MCPD−300を用いて、膜厚10μmのポリイミドフィルムの全光透過率(380nm〜780nmにおける平均透過率)を測定した。
【0115】
[弾性率、破断伸度、破断強度]
膜厚10μmのポリイミドフィルムをIEC450規格のダンベル形状に打ち抜いて試験片とし、ORIENTEC社製TENSILONを用いて、チャック間長30mm、引張速度2mm/分で、初期の弾性率、破断伸度及び破断強度を測定した。
【0116】
[線熱膨張係数(CTE)]
膜厚10μmのポリイミドフィルムを幅4mmの短冊状に切り取って試験片とし、TMA/SS6100 (エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用い、チャック間長15mm、荷重2g、昇温速度20℃/分で500℃まで昇温した。得られたTMA曲線から、50℃から200℃までの線熱膨張係数を求めた。
【0117】
[5%重量減少温度]
膜厚10μmのポリイミドフィルムを試験片とし、TAインスツルメント社製 熱量計測定装置(Q5000IR)を用い、窒素気流中、昇温速度10℃/分で25℃から600℃まで昇温した。得られた重量曲線から、5%重量減少温度を求めた。
【0118】
以下の各例で使用した原材料の略称、純度等は、次のとおりである。
【0119】
[ジアミン成分]
DABAN: 4,4’−ジアミノベンズアニリド〔純度:99.90%(GC分析)〕
TFMB: 2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン〔純度:99.83%(GC分析)〕
PPD: p−フェニレンジアミン〔純度:99.9%(GC分析)〕
4−APTP: N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド〔純度:99.95%(GC分析)〕
AZDA: 2,4−ビス(4−アミノアニリノ)−6−アニリノ−1,3,5−トリアジン〔純度:99.9%(GC分析)〕
APBP: ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ビス(4−アミノフェニル)エステル
ODA: 4,4’−オキシジアニリン〔純度:99.9%(GC分析)〕
FDA: 9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン
BAPB: 4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル
TPE−R: 1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
TPE−Q: 1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
m−TD: m−トリジン〔純度:99.84%(GC分析)〕
[テトラカルボン酸成分]
DNDAxx:(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2t,3t,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物〔DNDAxxとしての純度:99.2%(GC分析)〕
DNDAdx:(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2c,3c,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物〔DNDAdxとしての純度:99.7%(GC分析)〕
CpODA:ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物
【0120】
[溶媒]
DMAc: N,N−ジメチルアセトアミド
NMP: N−メチル−2−ピロリドン
[溶媒の純度]
GC分析:
主成分の保持時間(分) 14.28
主成分の面積% 99.9929
短保持時間不純物のピーク面積% 0.0000
長保持時間不純物のピーク面積% 0.0071
不揮発分(質量%) <0.001
光透過率(光路長1cm 400nm):
加熱還流前光透過率(%) 92
窒素雰囲気下で3時間加熱還流後の光透過率(%) 92
金属分:
Na(ppb) 150
Fe(ppb) <2
Cu(ppb) <2
Mo(ppb) <1
【0121】
表1に実施例、比較例で使用したテトラカルボン酸成分、ジアミン成分の構造式を記す。
【0122】
【表1】
【0123】
〔実施例1〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 2.27g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の21.18gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.6dL/gであった。
【0124】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0125】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0126】
〔実施例2〕
窒素ガスで置換した反応容器中にAPBP 4.24g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の29.07gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0127】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0128】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0129】
〔実施例3〕
窒素ガスで置換した反応容器中にAZDA 3.84g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の27.47gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.6dL/gであった。
【0130】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0131】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0132】
〔実施例4〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 2.27g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の21.18gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 2.12g(7ミリモル)とDNDAdx 0.91g(3ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.5dL/gであった。
【0133】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0134】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0135】
〔実施例5〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 2.27g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の21.18gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 1.51g(5ミリモル)とDNDAdx 1.51g(5ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.5dL/gであった。
【0136】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0137】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0138】
〔実施例6〕
窒素ガスで置換した反応容器中にPPD 1.08g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の16.42gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0139】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から480℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0140】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0141】
〔実施例7〕
窒素ガスで置換した反応容器中にTFMB 3.20g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の24.90gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.4dL/gであった。
【0142】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0143】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0144】
〔実施例8〕
窒素ガスで置換した反応容器中に4−APTP 3.46g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の25.95gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は1.2dL/gであった。
【0145】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0146】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0147】
〔実施例9〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.59g(7ミリモル)とTFMB 0.96g(3ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の22.30gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.5dL/gであった。
【0148】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0149】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0150】
〔実施例10〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.14g(5ミリモル)とTFMB 1.60g(5ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の23.04gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.6dL/gであった。
【0151】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0152】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−1に示す。
【0153】
〔実施例11〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.68g(3ミリモル)とTFMB 2.24g(7ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の23.79gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.5dL/gであった。
【0154】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0155】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0156】
〔実施例12〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.14g(5ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の18.80gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.7dL/gであった。
【0157】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0158】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0159】
〔実施例13〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.14g(5ミリモル)とPPD 0.43g(4ミリモル)とODA 0.20g(1ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の19.16gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.6dL/gであった。
【0160】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0161】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0162】
〔実施例14〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とTFMB 1.28g(4ミリモル)とPPD 0.22g(2ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の21.72gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.5dL/gであった。
【0163】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0164】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0165】
〔実施例15〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 2.27g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の22.17gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 2.12g(7ミリモル)とCpODA 1.15g(3ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.5dL/gであった。
【0166】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から400℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0167】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0168】
〔実施例16〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とTFMB 0.64g(2ミリモル)とPPD 0.43g(4ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の20.00gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0169】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0170】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0171】
〔実施例17〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)とODA 0.20g(1ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の18.68gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0172】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0173】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0174】
〔実施例18〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とTFMB 0.32g(1ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の19.16gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0175】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0176】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0177】
〔実施例19〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.02g(4.5ミリモル)とTFMB 0.16g(0.5ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の18.96gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0178】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0179】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0180】
〔実施例20〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)とFDA 0.35g(1ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の19.28gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0181】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0182】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−2に示す。
【0183】
〔実施例21〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)とBAPB 0.37g(1ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の19.36gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0184】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0185】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0186】
〔実施例22〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.59g(7ミリモル)とPPD 0.22g(2ミリモル)とBAPB 0.37g(1ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の20.80gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0187】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から440℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0188】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0189】
〔実施例23〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.45g(2ミリモル)とPPD 0.76g(7ミリモル)とBAPB 0.37g(1ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の19.36gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0190】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0191】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0192】
〔実施例24〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とPPD 0.43g(4ミリモル)とBAPB 0.74g(2ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の20.40gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0193】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から440℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0194】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0195】
〔実施例25〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.68g(3ミリモル)とPPD 0.43g(4ミリモル)とBAPB 1.11g(3ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の20.96gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0196】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から440℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0197】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0198】
〔実施例26〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.59g(7ミリモル)とBAPB 1.11g(3ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の22.88gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0199】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から440℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0200】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0201】
〔実施例27〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)とTPE−R 0.29g(1ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の19.04gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0202】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0203】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0204】
〔実施例28〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)とTPE−Q 0.29g(1ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の19.04gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0205】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0206】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0207】
〔実施例29〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 0.91g(4ミリモル)とPPD 0.54g(5ミリモル)とm−TD 0.21g(1ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の18.72gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0208】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0209】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−3に示す。
【0210】
〔比較例1〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 2.27g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の21.16gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAdx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.4dL/gであった。
【0211】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行ったが、ポリイミドフィルムに細かいわれが見られ、ポリイミドフィルムは得られなかった。
【0212】
〔比較例2〕
窒素ガスで置換した反応容器中にAPBP 4.24g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の29.07gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAdx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は1.2dL/gであった。
【0213】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0214】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−4に示す。
【0215】
〔比較例3〕
窒素ガスで置換した反応容器中にAZDA 3.84g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の27.47gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAdx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.8dL/gであった。
【0216】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0217】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−4に示す。
【0218】
〔比較例4〕
窒素ガスで置換した反応容器中に4−APTP 3.46g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の25.95gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAdx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.2dL/gであった。
【0219】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行ったが、ポリイミドフィルムに細かいわれが見られ、ポリイミドフィルムは得られなかった。
【0220】
〔比較例5〕
窒素ガスで置換した反応容器中にPPD 1.08g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の16.42gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAdx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。
【0221】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行ったが、ポリイミドフィルムに細かいわれが見られ、ポリイミドフィルムは得られなかった。
【0222】
〔比較例6〕
窒素ガスで置換した反応容器中にTFMB 3.20g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の24.90gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAdx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.1dL/gであった。
【0223】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行ったが、ポリイミドフィルムに細かいわれが見られ、ポリイミドフィルムは得られなかった。
【0224】
〔比較例7〕
窒素ガスで置換した反応容器中にDABAN 1.59g(7ミリモル)とPPD 0.32g(3ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の19.75gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAdx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.3dL/gであった。
【0225】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行ったが、ポリイミドフィルムに細かいわれが見られ、ポリイミドフィルムは得られなかった。
【0226】
〔比較例8〕
窒素ガスで置換した反応容器中にAPBP 2.97g(7ミリモル)とPPD 0.32g(3ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の25.27gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAdx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は1.0dL/gであった。
【0227】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。ポリイミドフィルムには大きなわれが発生していた。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0228】
このポリイミド前駆体溶液の特性を測定した結果を表2−4に示す。
【0229】
〔比較例9〕
窒素ガスで置換した反応容器中にODA 2.00g(10ミリモル)を入れ、N,N−ジメチルアセトアミドを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が20質量%となる量の20.08gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にDNDAxx 3.02g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で12時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体の対数粘度は0.6dL/gであった。
【0230】
PTFE製メンブレンフィルターでろ過したポリイミド前駆体溶液をガラス基板に塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)、そのままガラス基板上で室温から430℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、無色透明なポリイミドフィルム/ガラス積層体を得た。次いで、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体を水に浸漬した後剥離し、乾燥して、膜厚が10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0231】
このポリイミドフィルムの特性を測定した結果を表2−4に示す。
【0232】
【表2-1】
【0233】
【表2-2】
【0234】
【表2-3】
【0235】
【表2-4】
【0236】
表2−1〜2−4に示した結果から、比較例1〜9に比べ、本発明のポリイミド前駆体から得られたポリイミド(実施例1〜29)は、フィルム化が可能となり(実施例1と比較例1、実施例8と比較例4、実施例6と比較例5、実施例7と比較例6)、線熱膨張係数が小さい(実施例2と比較例2、実施例3と比較例3)ことが分かる。また、耐熱性に関しても本発明のポリイミドは高い(実施例2と比較例2、実施例3と比較例3)。テトラカルボン酸成分としてDNDAxxを用い、且つジアミン成分として前記化学式(2)または前記化学式(3)を与えるジアミンを用いることで線熱膨張係数は小さくなる(実施例1〜29と比較例9)。DABAN,PPD,TFMBを共重合することで高い透明性と低い線熱膨張性を両立する(実施例9〜14、16〜25、28〜29)。これにより、ポリイミドの分解に伴うガスバリア膜との間での膨れの問題や、回路基板を形成する際の反りなどの問題を生じなくなる。
【0237】
前記のとおり、本発明のポリイミド前駆体から得られたポリイミドは、優れた光透過性、折り曲げ耐性、耐熱性を有すると共に、低線熱膨張係数を有しており、本発明のポリイミドフィルムは、ディスプレイ用途などの無色透明で微細な回路形成可能な透明基板として好適に用いることができる。