(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6306004
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】温度補償を用いる適応ゲート駆動回路
(51)【国際特許分類】
H03K 17/14 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
H03K17/14
【請求項の数】25
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-524486(P2015-524486)
(86)(22)【出願日】2013年7月26日
(65)【公表番号】特表2015-525039(P2015-525039A)
(43)【公表日】2015年8月27日
(86)【国際出願番号】US2013052404
(87)【国際公開番号】WO2014018934
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2016年6月28日
(31)【優先権主張番号】61/676,094
(32)【優先日】2012年7月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/841,703
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】メータ、ナレンドラ・シン
(72)【発明者】
【氏名】マセ、レナート・カール−アクセル
【審査官】
緒方 寿彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−143221(JP,A)
【文献】
特開2010−181750(JP,A)
【文献】
特開2006−054912(JP,A)
【文献】
特開2009−177488(JP,A)
【文献】
特開2006−101489(JP,A)
【文献】
特開平02−308621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/00 − 17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
供給電圧と負荷との間に結合された金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の温度を感知するように構成された温度センサと、
前記MOSFETの感知された前記温度に基づいて決定された可変周波数を有する少なくとも1つの制御信号を生成するように構成された制御回路と、
前記少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記MOSFETのためのバイアス電圧を生成するように構成されたゲート駆動回路、ここにおいて、前記ゲート駆動回路が、第1の感知された温度のための第1の駆動能力を有し、前記第1の感知された温度よりも高い第2の感知された温度のための前記第1の駆動能力よりも大きい第2の駆動能力を有する、と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記制御回路が、
前記可変周波数を有する可変クロック信号を受信し、前記可変クロック信号に基づいて、前記少なくとも1つの制御信号を生成するように構成された制御信号生成器
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御回路が、
前記MOSFETの前記感知された温度を示す入力信号を受信し、前記入力信号に基づいてクロック分周比を決定するように構成された温度補償回路と、
前記可変クロック信号を得るために、前記クロック分周比に基づいて入力クロック信号を分周するように構成されたクロック分周器と
をさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記温度補償回路が、
前記入力信号を量子化し、デジタル値を供給するように構成された量子化器と、
前記デジタル値を受信し、前記クロック分周比を与えるように構成されたルックアップテーブルと、
を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記温度補償回路が、
前記入力信号を少なくとも1つのしきい値と比較し、少なくとも1つの出力信号を供給するように構成された少なくとも1つのコンパレータと、
前記少なくとも1つの出力信号を受信し、前記クロック分周比を与えるように構成されたルックアップテーブルと、
を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記制御回路が、
前記MOSFETの前記感知された温度を示す入力信号を受信し、前記可変クロック信号を供給するように構成された発振器
を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記ゲート駆動回路が、
前記少なくとも1つの制御信号を受信し、前記MOSFETに前記バイアス電圧を供給するように構成された電荷ポンプ
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記電荷ポンプが、基準電圧を受信し、前記MOSFETのゲートにおいて前記バイアス電圧を供給するように構成され、ここにおいて、前記バイアス電圧が、前記基準電圧によって決定された量だけ前記MOSFETのソース電圧よりも高い、請求項7に記載された装置。
【請求項9】
前記ゲート駆動回路が、
基準電圧によって充電され、前記バイアス電圧を前記MOSFETに供給するように構成されたキャパシタ
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの制御信号が、第1の制御信号および第2の制御信号を備え、前記ゲート駆動回路が、
前記基準電圧と前記キャパシタとの間に結合され、前記第1の制御信号によって制御される第1のスイッチと、
前記キャパシタと前記MOSFETとの間に結合され、前記第2の制御信号によって制御される第2のスイッチと
をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ゲート駆動回路が、第1の感知された温度のための第1の周波数における前記少なくとも1つの制御信号に基づいて前記バイアス電圧を生成し、前記第1の感知された温度よりも高い第2の感知された温度のための前記第1の周波数よりも高い第2の周波数における前記少なくとも1つの制御信号に基づいて前記バイアス電圧を生成する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記MOSFETが、第1の温度における第1のゲートリーク電流と、前記第1の温度よりも高い第2の温度における前記第1のゲートリーク電流よりも高い第2のゲートリーク電流とを有し、前記ゲート駆動回路は、前記第1の温度における第1のバイアス電流と、前記第2の温度における、より高い前記第2のゲートリーク電流を考慮するための、前記第1のバイアス電流よりも高い第2のバイアス電流とを供給する請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記MOSFETが、NチャネルMOSFETを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記制御回路および前記ゲート駆動回路が、所定範囲の温度にわたって目標範囲の抵抗内に前記MOSFETのON抵抗を維持するために前記バイアス電圧を生成するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
方法であって、
供給電圧を負荷に供給する金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の温度を感知することと、
前記MOSFETの感知された前記温度に基づいて決定された可変周波数を有する少なくとも1つの制御信号を生成することと、
前記少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記MOSFETのためのバイアス電圧を生成すること、ここにおいて、前記バイアス電圧を生成することが、第1の感知された温度のための第1の駆動能力に基づいて、および前記第1の感知された温度よりも高い第2の感知された温度のための前記第1の駆動能力よりも大きい第2の駆動能力に基づいて、前記バイアス電圧を生成することを備える、と、
を備える、方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの制御信号を生成することが、前記可変周波数を有する可変クロック信号に基づいて前記少なくとも1つの制御信号を生成することを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの制御信号を生成することが、
前記MOSFETの前記感知された温度を示す入力信号に基づいてクロック分周比を決定することと、
前記可変クロック信号を得るために前記クロック分周比に基づいて入力クロック信号を分周することと、
をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記クロック分周比を決定することが、
デジタル値を得るために前記入力信号を量子化することと、
前記デジタル値およびルックアップテーブルに基づいて前記クロック分周比を決定することと、
を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記バイアス電圧を生成することが、前記少なくとも1つの制御信号および電荷ポンプに基づいて前記バイアス電圧を生成することを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
装置であって、
供給電圧を負荷に供給するための手段の温度を感知する手段と、
供給電圧を負荷に供給するための前記手段の感知された前記温度に基づいて決定された可変周波数を有する少なくとも1つの制御信号を生成するための手段と、
前記少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記供給するための手段のためのバイアス電圧を生成するための手段、ここにおいて、前記バイアス電圧を生成するための手段が、第1の感知された温度のための第1の駆動能力に基づいて、および前記第1の感知された温度よりも高い第2の感知された温度のための前記第1の駆動能力よりも大きい第2の駆動能力に基づいて、前記バイアス電圧を生成するための手段を備える、バイアス電圧を生成するための手段、と、
を備える、装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの制御信号を生成するための手段が、前記可変周波数を有する可変クロック信号に基づいて、前記少なくとも1つの制御信号を生成するための手段を備える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの制御信号を生成するための手段が、
前記供給するための手段の前記感知された温度を示す入力信号に基づいてクロック分周比を決定するための手段と、
前記可変クロック信号を得るために前記クロック分周比に基づいて入力クロック信号を分周するための手段と、
をさらに備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記クロック分周比を決定するための手段が、
デジタル値を得るために前記入力信号を量子化するための手段と、
前記デジタル値に基づいて前記クロック分周比を決定するための手段と
を備える、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記バイアス電圧を生成するための手段が、前記少なくとも1つの制御信号および電荷ポンプに基づいて前記バイアス電圧を生成するための手段を備える、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つのコンピュータに、供給電圧を負荷に供給する金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の温度を感知させるように指示させるためのコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに、前記MOSFETの感知された前記温度に基づいて決定された可変周波数を有する少なくとも1つの制御信号を生成するように指示させるためのコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに、前記少なくとも1つの制御信号に基づいて前記MOSFETのためのバイアス電圧を生成するように指示させるためのコードであって、第1の感知された温度のための第1の駆動能力に基づいて、および前記第1の感知された温度よりも高い第2の感知された温度のための前記第1の駆動能力よりも大きい第2の駆動能力に基づいて、前記MOSFETのためのバイアス電圧を生成するように、前記少なくとも1つのコンピュータに指示させるためのコードを備える、コードと、
を備える、コンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[0001] 本特許出願は、本願の譲受人に譲渡され、ここに参照によって明確に組み込まれる、2012年7月26日出願の、「Adaptive gate charge compensation for minimizing system quiescent current and thermal runaway」と題する、米国仮特許出願第61/676094号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本開示は、概して、エレクトロニクスに関し、より具体的には、トランジスタのためのバイアス電圧を生成するためのゲート駆動回路に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)は、電源電圧を負荷に供給する電力回路内のスイッチとして使用されることが多いトランジスタのタイプである。MOSFETは、オンにされたときに、そのドレインとソースとの間に抵抗を有し、それは、RDS_ON抵抗と呼ばれうる。MOSFETは、オンにされたときに供給電流を負荷に供給し、この供給電流はMOSFETのRDS_ON抵抗を介して損失となる。MOSFETによる電力損失を制限するために、オンにされたときに十分に低いRDS_ON抵抗がMOSFETについて得られるように、ゲート駆動回路はMOSFETに対するゲートバイアス電圧を生成しうる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] MOSFETまたは他の何らかのタイプのトランジスタのための温度補償を用いて、ゲートバイアス電圧を生成することができる適応ゲート駆動回路が、ここに開示される。適応ゲート駆動回路は、より高い温度におけるMOSFETのより高いゲートリーク電流に対抗するために、可変駆動能力を用いてゲートバイアス電圧を生成することができる。これは、MOSFETが温度にわたって十分に低いRDS_ON抵抗を有することを確実にしうる。
【0005】
[0005] 1つの例示的な設計において、装置は、制御回路およびゲート駆動回路を含む。制御回路は、供給電圧と負荷との間に結合されたMOSFETの感知された温度に基づいて決定された可変周波数を有する少なくとも1つの制御信号を生成する。ゲート駆動回路は、少なくとも1つの制御信号に基づいて、MOSFETのためのバイアス電圧を生成する。装置は、さらに、MOSFETの温度を感知するための温度センサを含みうる。
【0006】
[0006] 1つの例示的な設計において、制御回路は、温度補償回路、クロック分周器(clock divider)、および制御信号生成器を含む。温度補償回路は、MOSFETの感知された温度を示す入力信号を受信し、その入力信号に基づいてクロック分周比を決定する。クロック分周器は、可変周波数を有する可変クロック信号を得るために、そのクロック分周比に基づいて入力クロック信号を分周する。制御信号生成器は、その可変クロック信号に基づいて、少なくとも1つの制御信号を生成する。
【0007】
[0007] 本開示のさまざまな態様および特徴が、以下にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0008]固定されたゲート駆動を有する電力回路の概略図を示す図。
【
図2】[0009]MOSFETのRDS_ON抵抗のプロットを示す図。
【
図3】[0010]適応ゲート駆動を有する電力回路の概略図を示す図。
【
図5】[0012]制御回路のブロック図を示す図。
【
図6A】[0013]温度補償回路の2つの例示的な設計のうちの1つを示す図。
【
図6B】温度補償回路の2つの例示的な設計のうちの1つを示す図。
【
図7】[0014]可変クロック信号および制御信号のタイミング図を示す図。
【
図8】[0015]ゲート駆動回路の概略図を示す図。
【
図9】[0016]MOSFETのためのゲートバイアス電圧を生成するためのプロセスを示す図。
【0009】
[0017] 以下に記載される詳細な説明は、本開示の例示的な設計の説明として意図されており、本開示が実現されうる唯一の設計を表すことを意図したものではない。ここでは、「例示的(exemplary)」という用語は、「例、事例、または例示としての役割をする」という意味で、使用される。「例示的」なものとしてここに説明されるいずれの設計も、必ずしも他の設計に対して好ましいまたは有利なものとして解釈されるべきではない。詳細な説明は、本開示の例示的な設計の完全な理解を提供することを目的とした特定の詳細を含む。ここに説明される例示的な設計がこれらの特定の詳細なしに実現されうることは、当業者とって明らかであろう。いくつかの事例では、周知の構造およびデバイスが、ここに提示される例示的な設計の新規性を曖昧にすることを避けるために、ブロック図の形態で示される。
【0010】
[0018] ここに開示される適応ゲート駆動回路は、(i)供給電圧を負荷に供給する電力回路、および/または(ii)他の回路、の中に使用されうる。適応ゲート駆動回路は、ワイヤレス通信デバイス(例えば、セルラーフォン、スマートフォン、等)、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ワイヤレスモデム、ラップトップコンピュータ、スマートブック、ネットブック、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、Bluetooth(登録商標)デバイス、家庭用電化製品、等のような様々な電子デバイスに使用されうる。
【0011】
[0019]
図1は、固定されたゲート駆動を有する電力回路100の概略図を示す。電力回路100は、NチャネルMOSFET(nMOSFET)110およびゲート駆動回路150を含む。nMOSFET110は、そのドレインがシステム供給電圧(Vsystem_supply)に結合されており、そのソースは電子回路/負荷180に結合され、電源電圧(Vpower_supply)を負荷180に供給する。負荷180は、Vpower_supply電圧に基づいて動作するデジタル回路および/またはアナログ回路を含みうる。ゲート駆動回路150は、制御信号を受信する入力と、nMOSFET110のゲートに結合された出力とを有する。
【0012】
[0020] nMOSFET110は、システム供給電圧を負荷180に与えるパストランジスタとして動作する。ゲート駆動回路150は、nMOSFET110が所望の動作領域において動作するように、nMOSFET110のためのゲートバイアス電圧を生成する。
【0013】
[0021] nMOSFET110のようなnMOSFETは、所与のデバイスサイズについては、PチャネルMOSFET(pMOSFET)よりも低いON抵抗を与えることができるため、一般に電力回路の中に使用される。しかしながら、nMOSFET110は、オンにするためにソース電圧またはドレイン電圧よりも高いゲートバイアス電圧を必要とする。ゲート駆動回路150は、nMOSFET110が所望の動作領域において動作できるように、十分に高いゲートバイアス電圧を生成することができる電荷ポンプを含みうる。具体的には、nMOSFET110がオンにされたときに、nMOSFET110のRDS_ON抵抗が目標(target)の抵抗よりも少なくなるように、ゲートバイアス電圧はnMOSFET110のソース電圧よりも高くなるように生成されうる。これは、nMOSFET110による電力損失が許容限度内にあることを確実にしうる。
【0014】
[0022] nMOSFET110は、ゲートリーク電流を有し、それは、nMOSFET110のゲートからソースに漏出する電流である。nMOSFET110のゲートリーク電流は、より高い温度で著しく増加しうる。
【0015】
[0023]
図2は、異なる温度における、ゲート放電時間に対するnMOSFET110のRDS_ON抵抗のプロットを示す。
図2において、水平軸は時間を表し、秒の単位で与えられる。垂直軸は、RDS_ON抵抗を表し、オーム(Ω)の単位で与えられる。適したゲートバイアス電圧が、時間0:00で、ゲート駆動回路150によってnMOSFET110のゲートにおいて印加される。ゲート駆動回路150は、次いで、nMOSFET110のゲートから切断され、nMOSFET110のゲートリーク電流によりゲートバイアス電圧が減少する。nMOSFET110のRDS_ON抵抗は、ゲートバイアス電圧が減少するにつれて増加する。
【0016】
[0024] プロット210は、25℃という公称温度/室温における、ゲートバイアス電圧の放電時間に対するnMOSFET110のRDS_ON抵抗を示す。
図2に示されるように、RDS_ON抵抗は、4:00の時間まで相対的に低いままであり、次いで、ゲートリーク電流に起因する、より低いゲートバイアス電圧によって急速に増加する。プロット220は、52℃という中温における、ゲートバイアス電圧の放電時間に対するnMOSFET110のRDS_ON抵抗を示す。
図2に示されるように、RDS_ON抵抗は、0:40の時間まで相対的に低いままであり、次いで、リークによって誘起されたより低いゲートバイアス電圧により迅速に増加する。プロット230は、85℃という高温における、ゲートバイアス電圧の放電時間に対するnMOSFET110のRDS_ON抵抗を示す。
図2に示されるように、RDS_ON抵抗は、リークによって誘起されたより低いゲートバイアス電圧によりゲート駆動回路150が切断されるとすぐに、急速に増加する。
図2は、徐々に高くなる温度でより問題となる(problematic)ゲートリーク電流を示す。
【0017】
[0025] ゲート駆動回路150は、例えば、室温といったノミナル条件(nominal condition)下で、nMOSFET110のゲートバイアス電圧のための十分な駆動を供給するように設計されうる。ゲート駆動回路150は、ノミナル条件下で、他のリーク電流源と同じように、nMOSFET110のゲートリーク電流も考慮するための、十分な駆動能力を有しうる。しかしながら、ゲート駆動回路150は、より高い温度における著しく高いnMOSFET110のゲートリーク電流を考慮するための十分な駆動を供給することができないことがある。これは、ゲートバイアス電圧が、より高い温度におけるnMOSFET110に関する目標のRDS_ON抵抗を得るための必要量より低くなる結果となる。より高い温度におけるより高いRDS_ON抵抗は、nMOSFET110による電力損失を増加させ、それは、さらに温度を増加させ、ゲートリークを悪化させうる。したがって、より高い温度におけるnMOSFET110のより高いRDS_ON抵抗は、熱暴走や他の問題を引き起こしうる。
【0018】
[0026] ゲート駆動回路150は、例えば、電力回路100のために指定された最高温度といった最悪の場合の条件下で、nMOSFET110のゲートバイアス電圧のための十分な駆動能力を供給するように設計されうる。しかしながら、ゲートバイアス電圧のためのより高い駆動能力は、ゲート駆動回路150による、より高い電力消費という犠牲を払って得られうる。これは、ノミナル条件下でも、ゲート駆動回路150がより多くのバッテリ電力を消費することをもたらしうる。
【0019】
[0027] 本開示の1つの態様では、より高い温度におけるnMOSFETのより高いゲートリーク電流に対抗するために、適応ゲート駆動回路は、可変駆動能力を用いてnMOSFETのためのゲートバイアス電圧を生成することができる。これは、nMOSFETの温度を検出することと、より高い温度におけるnMOSFETのより高いゲートリーク電流を考慮するために、より大きい駆動能力を供給することとによって達成されうる。
【0020】
[0028] ゲート駆動回路は、1つまたは複数の制御信号を受信し、ゲートバイアス電圧をnMOSFETに供給する電荷ポンプを含みうる。電荷ポンプは、その電荷ポンプに供給された(1つまたは複数の)制御信号の周波数に依存する(例えば、比例する)駆動能力を有しうる。1つの例示的な設計において、電荷ポンプは、nMOSFETの検出された温度に依存しうる可変周波数で動作されうる。特に、電荷ポンプは、(i)ゲートバイアス電圧のためのより大きな駆動能力を供給するために、より高い温度におけるより高い周波数で動作されうるか、または(ii)ゲートリーク電流がより低いときにゲート駆動回路の電力消費を低減するために、より低い温度におけるより低い周波数で動作されうる。
【0021】
[0029]
図3は、適応ゲート駆動を有する電力回路300の1つの例示的な設計の概略図を示す。電力回路300は、nMOSFET310および適応ゲート駆動回路320を含む。nMOSFET310は、そのドレインがシステム供給電圧(Vsystem_supply)に結合されており、そのソースは電子回路/負荷380に結合され、電源電圧(Vpower_supply)を負荷380に供給する。負荷380は、Vpower_supply電圧に基づいて動作するデジタル回路および/またはアナログ回路を含みうる。ゲート駆動回路350は、
制御信号を受信する入力と、nMOSFET310のゲートに結合された出力とを有する。
【0022】
[0030]
図3に示される例示的な設計において、適応ゲート駆動回路320は、温度センサ330、制御回路340、およびゲート駆動回路350を含む。温度センサ330は、nMOSFET310の温度(または、nMOSFET310近くの温度)を感知し、感知された温度信号を制御回路340に供給する。その感知された温度信号は、温度センサ330によって感知された温度を示す。制御回路340は、入力クロック信号および感知された温度信号を受信し、ゲート駆動回路350のための制御信号を生成する。ゲート駆動回路350は、その制御信号に基づいて決定された可変駆動能力を用いてゲートバイアス電圧を生成し、そのゲートバイアス電圧をnMOSFET310のゲートに供給する。ゲート駆動回路350は、より高い温度におけるより高いゲートリーク電流を考慮するために、より高いゲートバイアス電圧および/またはより多くのバイアス電流をnMOSFET310のゲートに供給しうる。
【0023】
[0031]
図3は、適応ゲート駆動回路320が、温度センサ330、制御回路340、およびゲート駆動回路350を含む、1つの例示的な設計を示す。適応ゲート駆動回路は、また、他の方法で実装されうる。例えば、適応ゲート駆動回路は、ゲート駆動回路に直接結合された温度センサを含みうる。適応ゲート駆動回路は、また、
図3には示されていない他の回路を含みうる。
【0024】
[0032]
図3は、また、ゲート駆動回路350のための制御信号が、入力クロック信号および感知された温度信号に基づいて生成される例示的な設計を示す。ゲート駆動回路350のための制御信号は、また、他の信号を用いて、および/または他の方法で生成されうる。
【0025】
[0033] 適応ゲート駆動回路320内の、温度センサ330、制御回路340、およびゲート駆動回路350は、様々な方法で実装されうる。温度センサ330、制御回路340、およびゲート駆動回路350のいくつかの例示的な設計が以下に説明される。
【0026】
[0034]
図4は、
図3の適応ゲート駆動回路320内の温度センサ330の1つの例示的な設計の概略図を示す。この設計において、温度センサ330は、電流源410およびPNダイオード420を含む。電流源410は、電源電圧(Vdd)に結合された一端と、ノードXに結合された他端とを有する。PNダイオード420は、ノードXに結合されたアノードと、回路グラウンドに結合されたカソードとを有する。ノードXは、温度センサ330の出力であり、電圧信号(Vtemp)でありうる感知された温度信号を供給する。
【0027】
[0035] 電流源410は、Ibiasの一定のバイアス電流を供給し、それは、温度に依存しないか、または温度によってわずかしか変化しない。PNダイオード420は、電流源410からのバイアス電流を伝導し、PNダイオード420によって伝導させた電流量、PNダイオード420のサイズ、および温度のような、様々なファクターに依存する電圧降下を有する。所与の量のバイアス電流および所与のPNダイオードサイズでは、PNダイオード420にまたがる電圧降下(および、したがって、Vtemp電圧)は、反対に温度に関係している。例えば、3つの異なる温度についてのVtempは、以下のとおりでありうる。
・ 100℃で、Vtemp=Vhigh_temp(例えば、Vhigh_temp=0.6V)
・ 25℃で、Vtemp=Vnom_temp(例えば、Vnom_temp=0.75V)
・ −40℃で、Vtemp=Vlow_temp(例えば、Vlow_temp=0.88V) Vtempは、また、異なる温度において他の電圧を有し、それは、上でリストに挙げたファクターに依存しうる。
【0028】
[0036]
図4は、PNダイオードに基づく温度センサ330の例示的な設計を示す。温度センサ330は、また、当業者によって知られている他の方法で実装されうる。
【0029】
[0037]
図5は、
図3の適応ゲート駆動回路320内の制御回路340の1つの例示的な設計のブロック図を示す。この設計において、制御回路340は、温度補償回路510、クロック分周器520、制御信号生成器530、およびゲート駆動回路540を含む。温度補償回路510は、温度センサ330から感知された温度信号(またはVtemp信号)を受信し、クロック分周器520のためのクロック分周比を生成する。クロック分周器520は、そのクロック分周比に基づいて、入力クロック信号における周波数を分周し、可変クロック信号を制御信号生成器530に供給する。生成器530は、その可変クロック信号に基づいて、ゲート駆動回路
540のための制御信号を生成する。制御信号の周波数は、可変クロック信号の周波数によって決定される(例えば、それと同等である)。ゲート駆動回路
540は制御信号を受信し、nMOSFET310のためのゲートバイアス電圧を生成する。
【0030】
[0038] ゲート駆動回路
540は、制御信号の周波数に基づいて決定された駆動能力を有する電荷ポンプを含みうる。電荷ポンプは、より速い制御信号のためのより高い駆動能力と、より遅い制御信号のためのより低い駆動能力とを有しうる。より高い駆動能力は、より高い温度におけるより高いゲートリーク電流の責任をとるために必要とされ、より低い駆動能力は、より低い温度におけるより低いゲートリーク電流のためには十分でありうる。
【0031】
[0039] 温度補償回路510は、感知された温度信号に基づいてクロック分周比を生成し、(i)より高い感知された温度のためのより小さいクロック分周比を、または(ii)より低い感知された温度のためのより大きいクロック分周比を供給しうる。クロック分周器520は、入力クロック信号をクロック分周比で分周して可変クロック信号を供給し、それは、(i)より高い温度が感知されたときには、より小さいクロック分周比のためのより速い速度/より高い周波数を有し、または(ii)より低い温度が検出されたときには、より大きいクロック分周比のためのより遅い速度/より低い周波数を有しうる。制御信号生成器530は、可変クロック信号に基づいて制御信号を生成し、(i)より低い感知された温度のためのより遅いクロック信号を有するより遅い制御信号、または(ii)より高い感知された温度のためのより速いクロック信号を有するより速い制御信号、を供給しうる。ゲート駆動回路
540内の電荷ポンプは、(i)より高い感知された温度のためのより速い制御信号に基づく、より高い駆動能力、または(ii)より低い感知された温度のためのより遅い制御信号に基づく、より低い駆動能力、を用いてゲートバイアス電圧を生成しうる。
【0032】
[0040] 温度補償回路510、クロック分周器520、制御信号生成器530、およびゲート駆動回路540は、様々な方法で実装されうる。温度補償回路510、クロック分周器520、制御信号生成器530、およびゲート駆動回路540のいくつかの例示的な設計が以下に説明される。
【0033】
[0041]
図6Aは、
図3の制御回路340内の温度補償回路510の1つの例示的な設計である、温度補償回路510aのブロック図を示す。この設計において、温度補償回路510aは、量子化器610およびルックアップテーブル620を含む。量子化器610は、感知された温度信号(Vtemp信号)を温度センサ330から受信し、この信号を量子化してデジタル値を得て、そのデジタル値をルックアップテーブル620に与える。ルックアップテーブル620は、量子化器610からデジタル値を受信し、クロック分周比を与える。各デジタル値は、特定の時刻における感知された温度信号の量子化された値に対応し、その量子化された値は、その時刻における感知された温度を示しうる。ルックアップテーブル620は、制御信号の所望の周波数/目標周波数が、そのデジタル値に対応する感知された温度のために得られるように、各デジタル値を適したクロック分周比にマッピングしうる。
【0034】
[0042] 一般に、量子化器610は、感知された温度信号を、任意のビット数の解像度を有するデジタル値に量子化しうる。より多くのビットのデジタル値は、より大きいルックアップテーブル620という犠牲を払って、より細かい粒度でゲート駆動回路350の駆動能力の調整を可能にしうる。
【0035】
[0043]
図6Bは、
図3の制御回路340内の温度補償回路510の別の例示的な設計である、温度補償回路510bの概略図を示す。この設計において、温度補償回路510bは、2つのコンパレータ630および632と、ルックアップテーブル640とを含む。コンパレータ630は、非反転入力においてVtemp信号を、および反転入力においてVhigh_temp電圧を受け取り、第1の量子化された信号(A)を供給する。コンパレータ632は、非反転入力においてVtemp信号を、および反転入力においてVnom_temp電圧を受け取り、第2の量子化された信号(B)を供給する。
【0036】
[0044] 1つの例において、Vhigh_temp電圧は0.6Vに等しく、それは、100℃のVtemp電圧に対応しうる。Vnom_temp電圧は0.75Vに等しく、それは、25℃のVtemp電圧に対応しうる。コンパレータ630は、(i)感知された信号が100℃よりも低い場合でありうる、Vtemp信号が0.6Vを超えるときに、A信号上で論理High(‘1’)を出力し、またはそうでなければ論理Low(‘0’)を出力しうる。コンパレータ632は、(i)感知された温度が25℃よりも低い場合でありうる、Vtemp信号が0.75Vを超えるときに、B信号上で論理High(‘1’)を出力し、またはそうでなければ(ii)論理Low(‘0’)を出力しうる。表1は、
図6Bに示される例示的な設計についての、コンパレータ630および632からのAおよびB信号の3つのありうる状態、各状態に対する温度範囲、各状態に対するクロック分周比、および各状態についての説明をリスト化している。この設計において、コンパレータ630および632は、3つの範囲内の温度を感知するように使用され、それらは、100℃よりも大きい第1の温度範囲、25℃と100℃の間の第2の温度範囲、および25℃未満の第3の温度範囲を含む。感知された温度は、3つの温度範囲のうちの1つの中に入る。感知された温度をカバーする温度範囲は、表1に示されるように、AおよびB信号の論理値によって反映される。各温度範囲は、特定のクロック分周比と関連付けられる。表1に示されるように、徐々に高くなる温度範囲は、徐々に低くなるクロック分周比と関連付けられ、それは、ゲート駆動回路350に供給される制御信号のための徐々に高くなるクロックスピードと、ゲート駆動回路350による徐々に大きくなるゲート駆動能力とに対応する。
【表1】
【0037】
[0045]
図6Bおよび表1は、Vtemp信号が、3つの範囲内の温度を検出するように使用される2ビットのデジタル値に量子化される例示的な設計を示す。Vtemp信号は、また、より多くのまたはより少ない範囲内の温度を検出するために、より多くのまたはより少ないビットのデジタル値に量子化されうる。例えば、Vtemp信号が、単一のコンパレータに供給され、2つの範囲内の温度を検出するように使用される1ビットのデジタル値に量子化されうる。
【0038】
[0046]
図6Aおよび6Bは、ルックアップテーブルが、Vtemp信号のための量子化された値を受け、クロック分周比を与える例示的な設計を示す。別の設計において、Vtemp信号は、電圧制御発振器(VCO)または電流制御発振器(ICO)の周波数を制御するように使用されうる。例えば、Vtemp信号は、VCOの可変キャパシタ(バラクタ)を調整し、それは次いで、VCOの周波数を変えうる。別の例において、電流源は、絶対温度(PTAT)に比例する出力電流を供給し、この出力電流が、キャパシタおよびレジスタを備えるRC発振器のキャパシタを充電しうる。
【0039】
[0047]
図5に戻って参照すると、クロック分周器520は、入力クロック信号を受信し、それを温度補償回路510からのクロック分周比に基づいて分周し、可変クロック信号を供給する。クロック分周比は、温度の変動(variation)および/または他のファクターにより、時間が経つにつれて変化しうる。制御信号生成器530は、可変クロック信号を受信し、ゲート駆動回路
540のためのC1およびC2制御信号を生成する。
【0040】
[0048]
図7は、可変クロック信号とC1およびC2制御信号のタイミング図を示す。可変クロック信号は、クロック分周比によって決定された周波数、および約50%のデューティサイクルを有する。(あったとしても)1つの制御信号のみがいずれの所与の瞬間にもアクティブであるように、C1およびC2制御信号は、可変クロック信号の周波数と同じ周波数を有し、それらはオーバーラップしない。例えば、C1信号は、
図7に示されるように、第1のクロック位相の間の可変クロック信号の各論理ハイパルスの継続時間よりも短い間アクティブでありうる。C2信号もまた
図7に示されるように、第2のクロック位相の間の可変クロック信号の各論理ローパルスの継続時間よりも短い間アクティブでありうる。C1およびC2の制御信号は、また、他の方法で生成されうる。
【0041】
[0049]
図8は、
図3の適応ゲート駆動回路320内のゲート駆動回路350の1つの例示的な設計の概略図を示す。この設計において、ゲート駆動回路350は、基準電圧(Vref)を受け取り、nMOSFET310のためのゲートバイアス電圧を生成する電荷ポンプを実装する。Vref電圧は、バッテリ電圧、システム供給電圧、または他の何らかの電圧でありうる。
【0042】
[0050] ゲート駆動回路350内において、スイッチ810は、Vref電圧を受け取る一端と、ノードUに結合された他端とを有する。スイッチ820は、回路グラウンドに結合された一端と、ノードVに結合された他端とを有する。キャパシタ830は、ノードUとノードVとの間に結合される。ダイオード840は、そのアノードがノードUに結合され、そのカソードがnMOSFET310のゲートに結合されている。スイッチ850は、ノードVに結合された一端と、nMOSFET310のソースに結合された他端とを有する。スイッチ810および820は、C1制御信号によって制御される。スイッチ850は、C2制御信号によって制御される。ダイオード840は、ノードUとnMOSFET310のゲートとの間に結合され、C2制御信号によって制御されるスイッチと置き換えられうる。
【0043】
[0051] ゲート駆動回路350は、以下のように動作する。可変クロック信号上の論理Highに対応する第1のクロック位相の間、スイッチ810および820はクローズであり、スイッチ850がオープンである。キャパシタ830は、Vref電圧によって充電され、Vrefの電圧降下がキャパシタ830にまたがって生じる(develop)。可変クロック信号上の論理Lowに対応する第2のクロック位相の間、スイッチ810および820はオープンであり、スイッチ850がクローズである。キャパシタ830は、nMOSFET310のゲートとソースとの間に結合され、キャパシタ830にまたがるVrefの電圧降下は、nMOSFET310のゲートとソースとの間に印加される。nMOSFET310のゲートにおける電圧は、nMOSFET310のソースにおける電圧よりも、ほぼVref(引くことのダイオード840にまたがる電圧降下)だけ高い。ゲート駆動回路350は、したがって、Vref電圧を、回路グラウンドを基準で、それらの入力において、nMOSFET310のゲートとソースとの間のおおよそVrefの電位差に変換する。
【0044】
[0052]
図8に示されるように、nMOSFET310は、ゲートからソースへの寄生キャパシタ(Cgs)860を有し、それは、nMOSFET310がオンにされたときに十分に低いRDS_ON抵抗を供給するために、nMOSFET310の大きいダイバーシティサイズにより、相対的に大きいことがある。キャパシタ830は、キャパシタ830の回路面積を低減するために、Cgsキャパシタ860よりもずっと小さいことがある。例えば、Cgsキャパシタ860は、キャパシタ830よりも100倍から1000倍大きいことがある。キャパシタ830は、第1のクロック位相の間に、Vref電圧によって充電され、第2のクロック位相の間にCgsキャパシタ860にその電荷を供給しうる。Cgsキャパシタ860は、多くのクロックサイクルにおける連続した電荷の移動後に、キャパシタ830によってVrefへ充電されうる。
【0045】
[0053] ゲートリーク電流はCgsキャパシタ860を通って流れ、Cgsキャパシタ860上の電荷を減少させ、それは次いで、nMOSFET310のゲートバイアス電圧を減少させる。キャパシタ830は、Vref電圧によって充電され、Tのクロック期間に対応するfの周波数でCgsキャパシタ860に放電しうる。低温(例えば、25℃未満)では、ゲートリーク電流が相対的に低く、キャパシタ830は、Tの各クロックサイクルにおいて低いゲートリーク電流を供給することができうる。よって、ゲートバイアス電圧が維持され、RDS_ON抵抗は相対的に低い。高温(例えば、100℃以上)では、ゲートリーク電流が相対的に高く、キャパシタ830は、Tの各クロックサイクルにおいて高いゲートリーク電流を供給することができないことがある。よって、ゲートバイアス電圧は、いくつかのクロックサイクルの後に相対的に多くの量だけ降下することがあり、RDS_ON抵抗が大量に増加しうる。
【0046】
[0054] より大きい駆動能力は、より短いクロック期間に対応する、より速い速度でキャパシタ830を充電することによって得られうる。例えば、キャパシタ830は、T/2のクロック期間に対応する2fの周波数で充電されうる。キャパシタ830は、次いで、2倍早く充電され、約2倍の電荷をCgsキャパシタ860に供給しうる。一般に、キャパシタ830は、より多くの電荷と、より多くの駆動能力を与えることができ、より速い速度で充電および放電されるときに、より大きいゲートリーク電流に対抗することができうる。キャパシタ830を充電および放電する速度は、温度に依存しうるゲートリーク電流の量に依存しうる。したがって、キャパシタ830を充電および放電する速度が、温度の関数として選択されうる。一般に、キャパシタ830を充電および放電する速度は、キャパシタ830のサイズと同様に、目標範囲の温度にわたって所望の動作領域にnMOSFET310を維持するのに十分なゲート駆動を供給するように選択されうる。
【0047】
[0055]
図8は、Vrefを受け取り、ほぼVrefのVgsをnMOSFET310に供給するゲート駆動回路350の例示的な設計の概略図を示す。別の設計において、ゲート駆動回路はVrefを受け取り、nMOSFETにVrefよりも大きいVgsを供給する。この設計において、ゲート駆動回路は、(i)Vrefよりも高い倍電圧を生成する電圧増倍器(例えば、電圧2倍器)、および(ii)倍電圧に基づいてnMOSFETのためのVgsを生成する電荷ポンプを含みうる。
【0048】
[0056]
図8は、また、Vrefから電荷を受け取り、Cgsキャパシタ860に電荷を供給する電荷ポンプを用いて実装されるゲート駆動回路350の1つの例示的な設計の概略図を示す。ゲート駆動回路は、また、可変駆動能力を有する他のタイプの回路を用いて実装されうる。
【0049】
[0057] 1つの例示的な設計において、装置(例えば、ワイヤレスデバイス、IC、回路モジュール、等)は、制御回路およびゲート駆動回路を含みうる。制御回路(例えば、
図3の制御回路340)は、MOSFET(例えば、
図3のnMOSFET310)の感知された温度に基づいて決定される可変周波数を有する少なくとも1つの制御信号を生成しうる。nMOSFETは、供給電圧(例えば、システム供給電圧)と負荷(例えば、負荷380)との間に結合されうる。ゲート駆動回路(例えば、ゲート駆動回路350)は、少なくとも1つの制御信号に基づいて、MOSFETのためのバイアス電圧を生成しうる。装置は、さらに、MOSFETの温度を感知する温度センサ(例えば、温度センサ330)を含みうる。
【0050】
[0058] 1つの例示的な設計において、制御回路は、可変周波数を有する可変クロック信号を受信し、その可変クロック信号に基づいて少なくとも1つの制御信号を生成する制御信号生成器(例えば、
図5の制御信号生成器530)を含みうる。制御回路は、さらに、温度補償回路およびクロック分周器を含みうる。温度補償回路(例えば、温度補償回路510)は、MOSFETの感知された温度を示す入力信号を受信し、その入力信号に基づいてクロック分周比を決定しうる。クロック分周器(例えば、クロック分周器520)は、可変クロック信号を得るために、クロック分周比に基づいて入力クロック信号を分周しうる。
【0051】
[0059] 1つの例示的な設計において、温度補償回路は、量子化器およびルックアップテーブルを含みうる。量子化器(例えば、
図6Aの量子化器610)は、入力信号を量子化し、デジタル値を供給しうる。ルックアップテーブル(例えば、ルックアップテーブル620)は、デジタル値を受け取り、クロック分周比を与えうる。別の例示的な設計において、温度補償回路は、少なくとも1つのコンパレータおよびルックアップテーブルを含みうる。少なくとも1つのコンパレータ(例えば、
図6Bのコンパレータ630および632)は、入力信号を少なくとも1つのしきい値と比較し、少なくとも1つの出力信号を供給しうる。ルックアップテーブル(例えば、ルックアップテーブル640)は、少なくとも1つの出力信号を受信し、クロック分周比を与えうる。更に別の例示的な設計において、制御回路は、MOSFETの感知された温度を示す入力信号を受信し、可変クロック信号を供給する発振器を含みうる。温度補償回路は、また、他の方法で実装されうる。
【0052】
[0060] 1つの例示的な設計において、ゲート駆動回路は、少なくとも1つの制御信号を受信し、バイアス電圧をMOSFETに供給する電荷ポンプとして実装されうる(または、それを含みうる)。電荷ポンプは、基準電圧を受け取り、MOSFETのゲートにおいてバイアス電圧を供給しうる。MOSFETは、nMOSFETを備えうる。この場合、バイアス電圧は、基準電圧によって決定された量だけMOSFETのソース電圧よりも高いことがある。
【0053】
[0061] 1つの例示的な設計において、ゲート駆動回路は、基準電圧によって充電され、バイアス電圧をMOSFETに供給するキャパシタ(例えば、
図8のキャパシタ830)を含みうる。少なくとも1つの制御信号は、第1の制御信号(例えば、
図8のC1信号)、および第2の制御信号(例えば、C2信号)を含みうる。ゲート駆動回路は、さらに、第1および第2のスイッチを含みうる。第1のスイッチ(例えば、スイッチ810)は、基準電圧とキャパシタとの間に結合され、第1の制御信号によって制御されうる。第2のスイッチ(例えば、スイッチ850)は、キャパシタとMOSFETとの間に結合され、第2の制御信号によって制御されうる。ゲート駆動回路は、追加のスイッチ(例えば、スイッチ820)、および/または他の回路(例えば、ダイオード840)を含みうる。
【0054】
[0062] ゲート駆動回路は、(i)第1の感知された温度(例えば、25℃)のための第1の駆動能力、および(ii)第1の感知された温度よりも高い第2の感知された温度(例えば、100℃)のための第1の駆動能力よりも大きい第2の駆動能力、を有しうる。ゲート駆動回路は、(i)第1の感知された温度のための第1の周波数における(1つまたは複数の)制御信号、および(ii)第2の感知された温度のための第1の周波数よりも高い第2の周波数における(1つまたは複数の)制御信号、に基づいてバイアス電圧を生成しうる。MOSFETは、(i)第1の感知された温度における第1のゲートリーク電流、および(ii)第2の感知された温度における第1のゲートリーク電流よりも高い第2のゲートリーク電流、を有しうる。ゲート駆動回路は、(i)第1の感知された温度における第1のバイアス電流、および(ii)第2の感知された温度における、より高い第2のゲートリーク電流の責任をとるための、第1のバイアス電流よりも高い第2のバイアス電流、を供給しうる。
【0055】
[0063] 1つの例示的な設計において、制御回路およびゲート駆動回路は、所定範囲の温度にわたる目標範囲の抵抗内にMOSFETのON抵抗を維持するために、バイアス電圧を生成しうる。これは、上述のように、温度にわたって変化するMOSFETのゲートリーク電流の責任をとるためのゲート駆動回路の駆動能力を調整することによって達成されうる。
【0056】
[0064]
図9は、MOSFETのためのバイアス電圧を生成するためのプロセス900の1つの例示的な設計を示す。可変周波数を有する少なくとも1つの制御信号が、供給電圧を負荷に供給するMOSFETの感知された温度に基づいて決定されうる(ブロック912)。MOSFETのためのバイアス電圧は、少なくとも1つの制御信号に基づいて生成されうる(ブロック914)。
【0057】
[0065] ブロック912の1つの設計において、クロック分周比は、MOSFETの感知された温度を示す入力信号に基づいて決定されうる。例えば、入力信号は、デジタル値を得るために量子化され、クロック分周比は、デジタル値とルックアップテーブルに基づいて決定されうる。入力クロック信号は、可変周波数を有する可変クロック信号を得るために、クロック分周比に基づいて分周されうる。少なくとも1つの制御信号は、可変クロック信号に基づいて生成されうる。
【0058】
[0066] ブロック914の1つの設計において、バイアス電圧は、少なくとも1つの制御信号および電荷ポンプに基づいて生成されうる。バイアス電圧は、(i)第1の感知された温度のための第1の駆動能力、および(ii)第1の感知された温度よりも高い第2の感知された温度のための第1の駆動能力よりも大きい第2の駆動能力、に基づいて生成されうる。
【0059】
[0067] ここに説明される適応ゲート駆動回路は、IC、アナログIC、RFIC、混合信号IC、ASIC、プリント回路基板(PCB)、電子デバイス、等の上に実装されうる。適応ゲート駆動回路は、また、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、NチャネルMOS(NMOS)、PチャネルMOS(PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウム砒素(GaAs)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、シリコンオンインシュレータ(SOI)、等のような、様々なICの処理技術を用いて製造されうる。
【0060】
[0068] ここに説明された適応ゲート駆動回路を実装する装置は、スタンドアロン型デバイスでありうるか、またはより大型のデバイスの一部でありうる。デバイスは、(i)スタンドアロン型IC、(ii)データおよび/または命令を記憶するためのメモリICを含みうる1つまたは複数のICのセット、(iii)RF受信機(RFR)またはRF送信機/受信機(RTR)のようなRFIC、(iv)移動局モデム(MSM)のようなASIC、(v)他のデバイス内に組み込まれうるモジュール、(vi)受信機、セルラーフォン、ワイヤレスデバイス、ハンドセット、またはモバイルユニット、(vii)その他、でありうる。
【0061】
[0069] 1つまたは複数の例示的な設計では、説明された複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせに実装されうる。ソフトウェアに実装される場合、これらの機能は、コンピュータ読取可能媒体上で、1つまたは複数の命令またはコードとして送信または記憶されうる。コンピュータ読取可能媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体および通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の利用可能な媒体でありうる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ読取可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置あるいは他の磁気記憶デバイス、または、命令あるいはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを搬送あるいは記憶するために使用されることができ、コンピュータによってアクセスされることができる、任意の他の媒体を備えることができる。また、任意の接続は、コンピュータ読取可能媒体と適切に称される。例えば、ソフトウェアが、ウェブサイト、サーバ、または、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者ライン(DSL)、あるいは赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術を使用している他の遠隔ソース、から送信される場合には、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。ここに使用される、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、ディスク(disk)は通常、磁気的にデータを再生するが、ディスク(disc)は、レーザーを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせは、また、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0062】
[0070] 本開示の先の説明は、当業者が本開示を製造または使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者にとって容易に明らかであり、ここに定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変形物に適用されうる。したがって、本開示は、ここに説明される例および設計に限定されるように意図されず、ここに開示された原理および新規の特徴と矛盾しない最大範囲であると認められるべきである。
以下に本願発明の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
装置であって、
供給電圧と負荷との間に結合された金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の感知された温度に基づいて決定された可変周波数を有する少なくとも1つの制御信号を生成するように構成された制御回路と、
前記少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記MOSFETのためのバイアス電圧を生成するように構成されたゲート駆動回路と、
を備える、装置。
[C2]
前記MOSFETの温度を感知するように構成された温度センサ
をさらに備える、C1に記載の装置。
[C3]
前記制御回路が、
前記可変周波数を有する可変クロック信号を受信し、前記可変クロック信号に基づいて、前記少なくとも1つの制御信号を生成するように構成された制御信号生成器
を備える、C1に記載の装置。
[C4]
前記制御回路が、
前記MOSFETの前記感知された温度を示す入力信号を受信し、前記入力信号に基づいてクロック分周比を決定するように構成された温度補償回路と、
前記可変クロック信号を得るために、前記クロック分周比に基づいて入力クロック信号を分周するように構成されたクロック分周器と
をさらに備える、C3に記載の装置。
[C5]
前記温度補償回路が、
前記入力信号を量子化し、デジタル値を供給するように構成された量子化器と、
前記デジタル値を受信し、前記クロック分周比を与えるように構成されたルックアップテーブルと、
を備える、C4に記載の装置。
[C6]
前記温度補償回路が、
前記入力信号を少なくとも1つのしきい値と比較し、少なくとも1つの出力信号を供給するように構成された少なくとも1つのコンパレータと、
前記少なくとも1つの出力信号を受信し、前記クロック分周比を与えるように構成されたルックアップテーブルと、
を備える、C4に記載の装置。
[C7]
前記制御回路が、
前記MOSFETの前記感知された温度を示す入力信号を受信し、前記可変クロック信号を供給するように構成された発振器
を備える、C3に記載の装置。
[C8]
前記ゲート駆動回路が、
前記少なくとも1つの制御信号を受信し、前記MOSFETに前記バイアス電圧を供給するように構成された電荷ポンプ
を備える、C1に記載の装置。
[C9]
前記電荷ポンプが、基準電圧を受信し、前記MOSFETのゲートにおいて前記バイアス電圧を供給するように構成され、ここにおいて、前記バイアス電圧が、前記基準電圧によって決定された量だけ前記MOSFETのソース電圧よりも高い、C8に記載された装置。
[C10]
前記ゲート駆動回路が、
基準電圧によって充電され、前記バイアス電圧を前記MOSFETに供給するように構成されたキャパシタ
を備える、C1に記載の装置。
[C11]
前記少なくとも1つの制御信号が、第1の制御信号および第2の制御信号を備え、前記ゲート駆動回路が、
前記基準電圧と前記キャパシタとの間に結合され、前記第1の制御信号によって制御される第1のスイッチと、
前記キャパシタと前記MOSFETとの間に結合され、前記第2の制御信号によって制御される第2のスイッチと
をさらに備える、C10に記載の装置。
[C12]
前記ゲート駆動回路が、第1の感知された温度のための第1の駆動能力を有し、前記第1の感知された温度よりも高い第2の感知された温度のための前記第1の駆動能力よりも大きい第2の駆動能力を有する、C1に記載の装置。
[C13]
前記ゲート駆動回路が、第1の感知された温度のための第1の周波数における前記少なくとも1つの制御信号に基づいて前記バイアス電圧を生成し、前記第1の感知された温度よりも高い第2の感知された温度のための前記第1の周波数よりも高い第2の周波数における前記少なくとも1つの制御信号に基づいて前記バイアス電圧を生成する、C1に記載の装置。
[C14]
前記MOSFETが、第1の温度における第1のゲートリーク電流と、前記第1の温度よりも高い第2の温度における前記第1のゲートリーク電流よりも高い第2のゲートリーク電流とを有し、前記ゲート駆動回路は、前記第1の温度における第1のバイアス電流と、前記第2の温度における、より高い前記第2のゲートリーク電流を考慮するための、前記第1のバイアス電流よりも高い第2のバイアス電流とを供給するC1に記載の装置。
[C15]
前記MOSFETが、NチャネルMOSFETを備える、C1に記載の装置。
[C16]
前記制御回路および前記ゲート駆動回路が、所定範囲の温度にわたって目標範囲の抵抗内に前記MOSFETのON抵抗を維持するために前記バイアス電圧を生成するように構成される、C1に記載の装置。
[C17]
方法であって、
供給電圧を負荷に供給する金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の感知された温度に基づいて決定された可変周波数を有する少なくとも1つの制御信号を生成することと、
前記少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記MOSFETのためのバイアス電圧を生成することと
を備える、方法。
[C18]
前記少なくとも1つの制御信号を生成することが、前記可変周波数を有する可変クロック信号に基づいて前記少なくとも1つの制御信号を生成することを備える、C17に記載の方法。
[C19]
前記少なくとも1つの制御信号を生成することが、
前記MOSFETの前記感知された温度を示す入力信号に基づいてクロック分周比を決定することと、
前記可変クロック信号を得るために前記クロック分周比に基づいて入力クロック信号を分周することと、
をさらに備える、C18に記載の方法。
[C20]
前記クロック分周比を決定することが、
デジタル値を得るために前記入力信号を量子化することと、
前記デジタル値およびルックアップテーブルに基づいて前記クロック分周比を決定することと、
を備える、C19に記載の方法。
[C21]
前記バイアス電圧を生成することが、前記少なくとも1つの制御信号および電荷ポンプに基づいて前記バイアス電圧を生成することを備える、C17に記載の方法。
[C22]
前記バイアス電圧を生成することが、第1の感知された温度のための第1の駆動能力に基づいて、および前記第1の感知された温度よりも高い第2の感知された温度のための前記第1の駆動能力よりも大きい第2の駆動能力に基づいて、前記バイアス電圧を生成することを備える、C17に記載の方法。
[C23]
装置であって、
供給電圧を負荷に供給するための手段の感知された温度に基づいて決定された可変周波数を有する少なくとも1つの制御信号を生成するための手段と、
前記少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記供給するための手段のためのバイアス電圧を生成するための手段と
を備える、装置。
[C24]
前記少なくとも1つの制御信号を生成するための手段が、前記可変周波数を有する可変クロック信号に基づいて、前記少なくとも1つの制御信号を生成するための手段を備える、C23に記載の装置。
[C25]
前記少なくとも1つの制御信号を生成するための手段が、
前記供給するための手段の前記感知された温度を示す入力信号に基づいてクロック分周比を決定するための手段と、
前記可変クロック信号を得るために前記クロック分周比に基づいて入力クロック信号を分周するための手段と、
をさらに備える、C24に記載の装置。
[C26]
前記クロック分周比を決定するための手段が、
デジタル値を得るために前記入力信号を量子化するための手段と、
前記デジタル値に基づいて前記クロック分周比を決定するための手段と
を備える、C25に記載の装置。
[C27]
前記バイアス電圧を生成するための手段が、前記少なくとも1つの制御信号および電荷ポンプに基づいて前記バイアス電圧を生成するための手段を備える、C23に記載の装置。
[C28]
前記バイアス電圧を生成するための手段が、第1の感知された温度のための第1の駆動能力に基づいて、および前記第1の感知された温度よりも高い第2の感知された温度のための前記第1の駆動能力よりも大きい第2の駆動能力に基づいて、前記バイアス電圧を生成するための手段を備える、C23に記載の装置。
[C29]
非一時的なコンピュータ読取可能媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、
前記非一時的なコンピュータ読取可能媒体が、
少なくとも1つのコンピュータに、供給電圧を負荷に供給する金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の感知された温度に基づいて決定された可変周波数を有する少なくとも1つの制御信号を生成するように指示させるためのコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに、前記少なくとも1つの制御信号に基づいて前記MOSFETのためのバイアス電圧を生成するように指示させるためのコードと、
を備える、コンピュータプログラム製品。