(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
交換可能な消耗品が装着される複数の画像形成装置から収集する前記各画像形成装置の使用情報に基づいて、前記複数の画像形成装置を、相対的に高画質の画像の形成が要求される高画質要求装置群と画質が前記高画質より相対的に低い低画質の画像の形成が要求される低画質要求装置群に分類する分類手段と、
前記高画質要求装置群に分類された画像形成装置の前記消耗品の交換時期を当該消耗品の残量の減少推測情報に対して定められる第1閾値により予測し、かつ、前記低画質要求装置群に分類された画像形成装置の前記消耗品の交換時期を前記第1閾値よりも延長してなる第2閾値により予測する予測手段と、
前記予測手段で交換時期が到来すると予測される前記消耗品の情報を警告する警告手段と、
を備えていることを特徴とする消耗品管理装置。
前記分類手段は、前記各画像形成装置の使用情報として、形成する画像の濃度の情報と画像が形成される被記録材の種類の情報を用いる請求項1に記載の消耗品管理装置。
前記分類手段は、前記各画像形成装置の使用情報として、前記各画像形成装置において測定される温度及び湿度の情報を追加して用いる請求項2に記載の消耗品管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を実施するための形態(以下、単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
【0021】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る消耗品管理システム100の概要を示している。この消耗品管理システム100は、消耗品管理装置1と、その管理装置1に接続される複数の画像形成装置2を備えている。
【0022】
<消耗品システムの概要>
この消耗品システム100は、概略、消耗品管理装置1において、その管理装置1に接続された複数の各画像形成装置2に着脱自在に装着されている各消耗品の交換時期の予測を行う場合、その各画像形成装置2を高画質要求装置群と低画質要求装置群の2つの装置群に分類したうえで、低画質要求装置群に分類された画像形成装置の消耗品の交換時期を予測する際に使用する閾値を高画質要求装置群に分類された画像形成装置の消耗品の交換時期を予測する際に使用する閾値よりも延長したものを適用して管理するよう構成されている。
【0023】
上記消耗品管理装置1は、その装置全体の動作や各画像形成装置2における消耗品の管理機能について制御する制御部12、プログラム、データ等を記憶する記憶部13、情報の送信及び受信をする通信部14、各種情報を入力及び出力(表示)する操作・表示部15等を有している。この各構成部は、
図1中において太線で示す伝送路を介して互いに接続されている。また、この各構成部のうち制御部12は、後述する分類手段、予測手段及び警告手段の一部として機能するようになっている。
また、消耗品管理装置1は、各画像形成装置2と情報通信ネットワーク102を介して情報の送受信がそれぞれできるよう接続されている。情報通信ネットワーク102は、情報信号を双方向に送信できるものであり、無線又は有線の種類を問わない。この情報通信ネットワーク102としては、インターネットと組み合わせたコンピュータネットワークが多用されるが、この種類や組み合わせ等の構成については特に限定されない。
【0024】
上記各画像形成装置2はいずれも、その装置本体20に対して着脱自在に装着される交換可能な消耗品8(実施の形態1では後述する感光ドラム21)を備えている。また、各画像形成装置2は、画像を形成する画像形成部3、画像形成装置全体の各動作等について制御する制御部4、プログラム、データ等を記憶する記憶部5、各種情報を入力及び表示する操作・表示部6、画像形成部3等の構成部品の状態を検出する検出部7、情報の送信及び受信をする通信部23等を有している。この各構成部のうち制御部12は、後述する通信手段の一部として機能するようになっている。実際の形態1における画像形成装置2はいずれも、例えば、プリンタや複写機として構成されている。また、画像形成装置2の少なくとも一部は、通信部23を通して、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)、原稿読取装置等の情報端末装置と接続されている。さらに、各画像形成装置2は、同じ場所(同じ部屋や同じ建物など)に設定されている場合に限らず、異なる場所(異なる部屋や異所の建物など)に設置されている場合を含むものである。
【0025】
<各画像形成装置の構成>
各画像形成装置2における画像形成部3はいずれも、
図2に示すように、トナーで構成される画像(トナー像)を最終的に被記録材の一例としての記録用紙9に形成するものである。
実施の形態1では、画像形成部3として電子写真方式を採用したものを使用している。すなわち、その画像形成部3は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ形成する作像装置30Y,30M,30C,30Kと、各作像装置30(Y,M,C,K)で形成されたトナー像を保持して最終的に記録用紙9に転写するベルト式の中間転写装置40と、所望のサイズ、種類等の記録用紙9(9A,9B)を別々に収容して中間転写装置40における二次転写位置まで送り出す給紙装置50と、トナー像が転写された記録用紙9を通過させてトナー像の定着を行う定着装置55を備えて構成されている。
図2における一点鎖線は、記録用紙9が搬送されて移動するときの主な搬送経路を示す。
【0026】
各作像装置30(Y,M,C,K)はいずれも、回転する感光ドラム31と、この感光ドラム31の周囲に、感光ドラム31における像保持面を所要の電位に帯電させる帯電装置32と、感光ドラム31の帯電された像保持面に画像情報(信号)に基づく光(矢付き点線)を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する露光装置33と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K)のトナーでそれぞれ現像して可視像であるトナー像とする現像装置34(Y,M,C,K)と、そのトナー像を中間転写装置40(の中間転写ベルト41)に転写する一次転写装置35と、転写後の感光ドラム31の像保持面に残留して付着するトナー等の不要物をかき取って除去するドラム清掃装置36とである。
【0027】
ここで、作像装置30(Y,M,C,K)における感光ドラム31は、消耗品8の一例として扱わるものであり、装置本体20に設けられる装着部に対して着脱自在に装着されている。
この消耗品8である感光ドラム31については、感光ドラム単独で着脱される構成であってもよいが、実施の形態1では感光ドラム31と感光ドラム31以外の構成部品である例えば帯電装置32及びドラム清掃装置36とを一体の構造にしたうえで着脱する構成にしている。感光ドラム31は、接地処理される円筒又は円柱状の導電性基材の周面に、感光材料からなる感光層(光導電性層)を有する像保持面を形成したものである。この感光ドラム31は、感光層の膜厚が、帯電による負荷やドラム清掃装置36の清掃ブレードとの摩擦などの要因により経時的に減少し、ある一定の膜厚まで減少するとかぶり等の画質不良を誘発する原因になるため、所望の時期に新品の感光ドラム31に交換する必要がある。
また、現像装置34(Y,M,C,K)には、現像動作により現像剤が減少するため、補給用の4色(Y,M,C,K)の現像剤(トナーなど)を個別に収納する現像剤収納容器37(Y,M,C,K)から、図示しない補給装置を通して補給用の現像剤が補給される。現像剤収納容器37は、装置本体20に設けられる装着部に対して着脱自在に装着されるよう取り付けられている。
【0028】
中間転写装置40は、感光ドラム31と一次転写装置35の間となる一次転写位置を通過しながら矢印で示す方向に回転する中間転写ベルト41と、中間転写ベルト41をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数の支持ロール42a〜42fと、支持ロール42dに支持されている中間転写ベルト41に所定の圧力で接触して回転する二次転写ロール44と、二次転写ロール44を通過した後に中間転写ベルト41の外周面に残留して付着するトナー等の不要物を除去するベルト清掃装置46とで主に構成されている。
【0029】
給紙装置50は、画像形成装置2の装置本体20の外部に引き出すことができるように取り付けられ、所望のサイズ、種類等の記録用紙9を積載した状態で個別に収容する複数の用紙収容体(例えば用紙トレイ)51A、51Bと、所望の用紙収容体51A、51Bから記録用紙9A(9B)をそれぞれ1枚ずつ送り出す送出装置52とで主に構成されている。給紙装置50から送り出された記録用紙9は、複数の搬送ロール対53a〜53dや搬送ガイド材で構成される供給搬送路を通して二次転写位置にまで搬送される。
【0030】
定着装置55は、筐体56の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるように加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態からなる加熱回転体57と、この加熱回転体57の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して従動回転するロール形態又はベルト形態からなる加圧用回転体58とを設置したものである。定着装置55でトナー像の定着が終了して画像が形成された記録用紙9は、複数の搬送ロール対や搬送ガイド材で構成される排出搬送路を通して図示しない排出収容部に搬送されて収容される。
【0031】
図2における符号24は制御部4に相当する制御装置、符号25は操作・表示部6に相当する操作パネル装置を示す。操作パネル装置25は、テンキー、選択ボタン、タッチパネル等で構成さる入力装置25a、液晶ディスプレー等で構成される表示装置25b等を備えている。検出部7は、検出項目に応じた各種のセンサ、測定器、カウンタ等で構成されている。
【0032】
制御装置24(制御部4)は、演算処理装置、記憶素子及び装置、制御装置、入出力装置等で構成されるものであり、その記憶素子(ROM等)に格納される制御プログラム及びデータ等に基づいて所要の制御動作を実行するようになっている。
図1に示す記憶部5は、制御装置24における記憶素子及び装置(ROM,RAMなど)で構成される。制御装置24は、制御対象となる画像形成部3、記憶部5、操作・表示部6、送信部23等と接続されており、これにより制御動作に必要な制御信号を送信している。また、制御装置24は、画像形成装置2の各状態や消耗品8の状態を検出する検出部7等にも接続されており、これにより制御動作に必要な制御情報を入手している。
【0033】
そして、画像形成装置2における制御装置22は、各画像形成装置2における個々の識別情報、使用情報、及び消耗品8である感光ドラム31の残量に関係する情報を、消耗品管理装置1に送信する送信手段26の一部(送信部)として機能するよう構成されている。この送信手段26の一部の機能は、その各手段のための動作プログラムにそれぞれ基づいて制御装置24が作動することにより発揮される。
【0034】
送信手段26は、上述した各画像形成装置2の識別情報、使用情報、感光ドラム31の残量に関係する情報を、通信部23を通して管理装置2に送信する。送信手段26の送信時期は、予め設定された時期が到来したときになる。その予め設定される通信時期としては、例えば、各画像形成装置2の電源スイッチのON動作時や、毎日の定時が挙げられる。このうち毎日の定時という通信時期は、例えば、画像形成装置2の電源のOFF動作が1日以上なく電源のON状態が連続するように使用される画像形成装置2の場合に採用することができ、毎日の定刻(正午など)に設定される。
【0035】
上記各画像形成装置2の識別情報としては、例えば、画像形成装置2の機種、その設置場所(住所や設置部屋等)、装着されている消耗品8の種類などに関する情報である。ちなみに、この識別情報は、送信手段26の送信時期の1つでもある画像形成装置2の設置(接続開始)時に、管理装置1に対して一度送信される。
【0036】
また、上記各画像形成装置2の使用情報としては、例えば、後述する管理装置1の分類手段により各画像形成装置2を2つの装置群に分類する際に的確な分類作業に有効となり得る情報が採用される。実施の形態1では、その使用情報として、画像形成動作により形成される画像の濃度、画像形成動作で使用される記録用紙9の種類、及び各画像形成装置2で測定される温度・湿度に関する情報を採用している。
【0037】
この使用情報のうち画像の濃度情報は、例えば、デジタルの画像信号における濃度(画像密度)に相当するエリアカバレッジ(Cin)の情報(Cin=15%)である。この濃度情報は、記録用紙9の1枚(片面1頁)に形成される画像の濃度を次の通信時期に至るまでの期間だけ累積し、その累積した値を画像形成枚数(ページ数)で除した結果(画像平均濃度)として送信される。この画像の濃度情報は、例えば、外部の情報端末機器等から入力される画像情報を処理する画像形成装置2内の画像処理部において得られる。
【0038】
また、上記使用情報における記録用紙9の種類は、例えば、高画質用の記録用紙(高画質用紙)を使用したか否かの情報である。高画質用紙とは、相対的に高画質の画像を形成する際に多用される記録用紙であり、例えば、コート紙、厚紙(例えば坪量が150gsm以上の用紙)等である。この記録用紙9の種類に関する情報は、最終的に、高画質用紙を使用したか否かの情報として送信される。
具体的には、次の通信時期に至るまでの期間に行われる各種の画像形成動作で使用される記録用紙9のうち高画質用紙の使用割合が算出され、その使用割合が50%未満であるときには高画質用紙を使用しない(未使用の)情報として送信される。それ以外のとき(高画質用紙の使用割合が50%以上であるとき)には高画質用紙を使用した情報として送信される。記録用紙9の種類の判別は、例えば、外部の情報端末機器や画像形成装置の操作表示部6等において、画像形成動作の指令を出す際に記録用紙の種類を選択する設定項目のなかでユーザが選定する種類の情報から得られる。
【0039】
また、上記使用情報における温度・湿度は、各画像形成装置2の筐体20内に配置された温度・湿度の測定機器により測定される温度及び湿度に関する情報である。具体的には、次の通信時期に至るまでの期間に定期的に測定された温度及び湿度の情報を累積し、その累積した値を測定回数で除した結果(温度及び湿度の平均値)について温度が25℃以上、湿度が86%RH以上の条件を満たすときに高温・高湿の環境にある情報として送信される。ちなみに、測定機器は、筐体20の外部(外気)の温度及び湿度に近い測定結果が出来る限り得られるように配置される。
【0040】
さらに、上記使用情報における各画像形成装置2の感光ドラム31の残量に関係する情報は、後述する管理装置1の予測手段において感光ドラム31の残量(感光層の残膜厚)の推測情報及び現状情報を算出する際に利用することになる情報である。その残量の推測情報の算出に利用する情報としては、例えば画像形成部3における感光ドラム21の回転数の情報である。また、その残量の現状情報の算出に利用する情報としては、例えば感光ドラム21を帯電させた時の電荷量の情報である。
【0041】
各画像形成装置2の記憶部4には、送信手段26で送信する上述した画像形成装置2自体の識別情報、使用情報、消耗品8である感光ドラム31の残量に関する情報や、検出部7の検出情報なども記憶される。
【0042】
<消耗品管理装置の構成>
一方、消耗品管理装置1における制御部12は、画像形成装置2における制御部4(制御装置24)とほぼ同様に、演算処理装置、記憶素子及び装置、制御装置、入出力装置等で構成されるものであり、その記憶素子(ROM等)に格納される制御プログラム及びデータ等に基づいて所要の制御動作を実行するようになっている。制御部12は、制御対象となる記憶部13、通信部14、操作・表示部15等の構成部分に接続されており、これにより制御動作に必要な制御信号を送信している。記憶部13は、記憶素子及び装置(ROM,RAM,磁気ディスク装置など)で構成される。
【0043】
そして、消耗品管理装置1における制御部12は、複数の画像形成装置2を、その各画像形成装置2の送信手段26から送信される使用情報に基づいて高画質要求装置群と低画質要求装置群からなる2つの装置群(グループ)に分類する分類手段(分類部)16や、感光ドラム31の残量の減少推測情報と分類手段17で分類した結果を考慮した閾値とに基づいて各画像形成装置2における消耗品2(感光ドラム31)の交換時期を予測する予測手段(予測部)17や、予測手段17で交換時期が到来すると予測される消耗品の情報を警告する警告手段18の一部(警告部)として、それぞれ機能するよう構成されている。この各手段16〜18の機能は、その各手段の動作のための動作プログラムにそれぞれ基づいて制御部12が作動することにより発揮される。
【0044】
分類手段16は、管理装置1に接続されている複数の画像形成装置2をその使用情報の違いに基づいて高画質要求装置群と低画質要求装置群のいずれかの装置群に分類する。高画質要求装置群とは、画質が相対的に高画質の画像を形成することが要求される使用環境にある画像形成装置として分類した装置群であり、実際には画像形成装置2の使用情報に基づいて高画質として判断される場合の装置群になる。また、低画質要求装置群とは、画質が上記高画質より相対的に低い低画質の画像を形成することが要求される使用環境にある画像形成装置として分類した装置群であり、実際には画像形成装置2の使用情報に基づいて低画質として判断される場合の装置群になる。
ちなみに、分類手段16における分類については、原則として、同じ規格仕様の感光ドラム31が装着されている複数の画像形成装置2の使用情報を収集して行われる。しかし、例えば規格仕様が少し異なっている感光ドラム31が装着されている他の画像形成装置の使用情報も併せて収集して分類することも可能である。
【0045】
実施の形態1では、分類手段16による分類について、
図3に示すように、上述した画像の濃度、記録用紙9の種類、及び筐体20内における温度・湿度からなる使用情報を用いて行うよう構成されている。
具体的には、画像の濃度については、画像平均濃度が15%以下であるときに低画質要求装置群に分類するよう構成されている。記録用紙9の種類については、高画質用紙を使用していない結果(高画質用紙は未使用)であるときに低画質要求装置群に分類するよう構成されている。温度・湿度については、その測定結果が高温・高湿の環境でない結果のときに低画質要求装置群に分類するよう構成されている。この最後の温度・湿度からなる使用情報は、高画質・低画質の分類を行う場合に直接役立つ情報ではないが、温度・湿度の環境条件によって画質不良が発生する頻度が異なる傾向があるため、例えば高温高湿の環境時には画質不良が発生しやすい傾向があることを参考にしてその画質不良が発生することを未然に回避する観点から、分類時の有効な情報源として採用しているものである。
【0046】
また、分類手段16は、その分類する時期について、例えば、送信手段26の送信動作による情報が送信される時期(この場合、結果として上述した送信手段26の送信時期とほぼ同じ時期)に設定されている。また、分類手段16は、分類した結果を、記憶部13に分割される領域の1つの分類管理部13a(
図1)に記憶させるよう構成されている。さらに、分類手段16は、分類する時期が異なっても同じ分類結果になることが多いが、分類する時期が異なるときに分類結果も一部異なることもある。つまり、直前の分類動作において低画質要求装置群として分類されていた画像形成装置2が、それ以後の分類動作において高画質要求装置群に分類されることがある。もちろん、その逆のパターン(高画質要求装置群→低画質要求装置群に分類される場合)もある。
【0047】
予測手段17は、特に、
図4に示すように、高画質要求装置群に分類された画像形成装置2(2H)の消耗品8である感光ドラム31の交換時期を当該感光ドラム31の推測される残量推測情報に対して定められる第1閾値(Sh1)により予測し、かつ、低画質要求装置群に分類された画像形成装置2(2L)の消耗品8である感光ドラム31の交換時期を第1閾値(Sh1)よりも延長してなる第2閾値(Sh2)により予測するよう構成されている。
ちなみに、この予測手段17では、分類手段16による直前の分類の時期に低画質要求装置群に分類されていた画像形成装置2が、それ以後の分類の時期に高画質要求装置群に分類された場合は、その画像形成装置2における感光ドラム31の交換時期の予測動作には再び第1閾値(Sh1)を適用するよう構成されている。
【0048】
予測手段17では、上記感光ドラム31の残量として、感光ドラム31における感光層(機能分離型感光層の場合は樹脂等からなる電荷輸送層部分)の残りの膜厚(残膜厚)を適用している。また、予測手段17で用いる減少推測情報とは、感光ドラム31の残量が減少する状態(推移)を推測した情報である。この減少推測情報は、後述する補正手段の補正動作において消耗品8である感光ドラム31の減少情報の基準(情報)として使用される。
【0049】
予測手段17においては、減少推測情報として、例えば、感光ドラム31の初期(未使用)段階における膜厚(初期膜厚)から、感光ドラム31の回転数:sに最大摩耗係数:kを乗じた値(k・s)を減じて得られる値を「残量(残膜厚)」として算出するときの情報を適用している。
最大摩耗係数は、実験等により予め定められるものであり、膜厚が最大(最悪)の速さで摩耗すると想定される状態を感光ドラム31の回転数の増加に応じて表現する場合に用いる係数である。また、このときの減少推測情報における感光ドラム31の回転数は、各画像形成装置2に設置される検出部7の一部としての回転数計測器により計測(カウント)している。このときの感光ドラム31の初期膜厚や回転数の情報は、消耗品8(感光ドラム31)の残量に関する情報の一部として上記送信手段26を介して消耗品管理装置1に送信される。
この減少推測情報は、感光ドラム31の残膜厚がその感光ドラム31の回転数の増加に反比例して減少するため、
図5に例示されるように、右肩下がりの直線(実線)として表される。
図5は、感光ドラム31の残膜厚と経過時間の関係と、感光ドラム31の交換時期の予測内容を示している。
【0050】
予測手段17で用いる閾値は、原則として、減少推測情報が感光ドラム31を交換すべき時期に到達したことを判別するために用いる値である。この閾値は、例えば、感光ドラム31の残膜厚が画質不良の発生する要因になるおそれのない(要因になる手前の)残膜厚であって、感光ドラム31を新品と交換する準備を始めるべき時期も考慮した残膜厚に相当する値に設定される。このため、この閾値は、画質不良が発生する要因になるおそれのあると予測される最小限界の残膜厚(寿命膜厚)よりも厚めの残膜厚であって、交換準備作業時間も見込んで正常な画像形成動作が可能であると予測される残膜厚に相当する値に設定される。
【0051】
予測手段17では、高画質要求装置群に分類された画像形成装置(2H)に装着されている感光ドラム31の交換時期を予測するときに使用する第1閾値(Sh1)について、前述した原則としての基準に沿っった値(残膜厚)に設定している。特に高画質要求装置群に分類される画像形成装置(2H)にあっては、高画質の画像に画質不良が発生することを確実に回避する必要があることから、その第1閾値(Sh1)の膜厚として寿命膜厚よりも例えば1割程度厚い残膜厚に設定することが望ましい。
また、低画質要求装置群に分類された画像形成装置(2L)に装着されている感光ドラム31の交換時期を予測するときに使用する第2閾値(Sh2)については、前述したように、第1閾値(Sh1)よりも延長してなる値(残膜厚)に設定している。この場合、第2閾値(Sh2)は、例えば、第1閾値(Sh1)よりも約10%延長した値(残膜厚では約10%少ない膜厚)に設定される。しかし、第2閾値(Sh2)の第1閾値(Sh1)に対する延長量(残膜厚の減量)については、他の割合を採用することや、途中で設定変更する構成を採用することも可能である。
【0052】
このような予測手段17では、上述した残量の減少推測情報である感光ドラム31の残膜厚が閾値に達した時期を、感光ドラム31の交換時期として予測する。また、予測手段17では、最初の閾値として第1閾値(Sh1)を共通して適用するよう設定されており、分類手段16により低画質要求装置群に分類された画像形成装置2が発生した段階になると、その画像形成装置2に装着されている感光ドラム31の予測に第2閾値(Sh2)を適用するよう設定されている。
この予測手段17による予測動作は、
図5を用いて簡単に説明すると、例えば減少推測情報である感光ドラム31の残膜厚がたとえば第1閾値(Sh1)に達した時期(Tm:理論上の最速の交換時期)を、その感光ドラム31の交換時期として予測するものである。予測手段17の予測動作は、予め設定する予測時期が到来する毎に実行される。この予測時期としては、例えば、感光ドラム31の回転数が10万回になる時期が設定される。
なお、予測手段17は、例えば残量の減少推測情報(感光ドラム31の残膜厚)が各閾値に実際に達した時期よりも何日か前に、交換時期が到来する消耗品8(感光ドラム31)が存在するという予測情報を発するように構成されたものでもよい。このように構成した場合には、消耗品8の交換作業者に交換作業のための準備期間を十分に確保して本来の交換時期に間に合わせることを可能にし、交換作業もスムーズにできるようにすることが可能になる。
【0053】
また、予測手段17においては、予め設定された時期(設定時期)が到来した際に予測手段17で用いる感光ドラム31の残量の減少推測情報をその残量の現状推測情報との差異が解消されるよう遅延させて感光ドラム31の交換時期を延長させる補正(調整)を行う補正手段を備えている。この補正手段による補正により減少推測情報について、より現状に即した正しい推測情報に修正することができる。
【0054】
予測手段17の補正手段における上記設定時期は、感光ドラム31の交換時期を補正すべきと考えられる所要の時期に設定される。
この設定時期としては、例えば、感光ドラム31の膜厚が初期の膜厚から寿命膜厚に至るまでの所要期間を、膜厚が一定の量だけ減少するときの時期で分割したときの時期に設定される。
図5には、上記設定時期として、その設定時期をチェックポイント(CP)と称したうえで、感光ドラム31の膜厚が初期の膜厚から閾値の膜厚に至るまでの期間を一定の膜厚が減少するときを想定して分割したときに5回の時期(CP1〜CP5)になる場合を想定して例示している。
さらに具体的に例示すれば、初期の膜厚が30μm、寿命膜厚が15μm、第1閾値(Sh1)の膜厚が19μmであると仮定した場合、減少する一定の膜厚を2μmとすると、このときの設定時期は、感光ドラム31の残膜厚がとりあえず第1閾値の(残)膜厚になる直前までが設定可能になるため、計5回の設定時期(CP1〜CP5)となる。また、このときの設定時期は、予測手段17において延長される第2閾値(Sh2)が適用される場合もあるため、交換時期に達しない状況にあっては上記計5回に限らず更に増えることになる。
【0055】
補正手段における現状推測情報とは、感光ドラム31の残量の現状を、前記減少推測情報の場合とは異なる測定値から別途推測した情報である。
実施の形態1では、この現状推測情報として、その残量を計測する時期(計測時期:mP)が到来した時点で、感光ドラム31の像保持面を一定の帯電用電圧を供給する帯電装置32により帯電させ、そのときの像保持面における電荷量を計測した後、その計測時点で計測した電荷量を初期膜厚のときに予め測定した初期電荷量との対比関係から、その時点での感光ドラム31の膜厚(残膜厚)として推測して求める情報を適用している。
この場合、上記計測時期(mP)としては、例えば、設定時期(CP)の到来時又は計測時期(mP)の到来時を開始時期としたときの画像形成枚数の累積値が予め設定する累積枚数になる時点が設定される。この計測時期(mP)は、上記設定時期(CP)よりも相当短い間隔の時期になる。計測時期(mP)は、例えば、画像形成の累積枚数が500枚〜1000枚の範囲で設定することができる。また、上記電荷量については、例えば、各感光ドラム31の周囲に検出器7の一部として設置される電荷量測定器により測定される。
【0056】
このような補正手段では、以下の補正動作が行われる。
すなわち、上記設定時期(例えば上記各チェックポイント:CP)が到来する度に、
図6に拡大して例示するように、予測手段17で用いる感光ドラム31の残量の減少推測情報を計測する動作を一時的に停止させる。減少推測情報を計測する動作とは、例えば、前記例示した感光ドラム31の回転数を計測して残膜厚を算出する動作である。
しかる後、その各チックポイント(CP)における感光ドラム31の減少推測膜厚(情報)と、計測時期(mP)が到来する度に別途推測される感光ドラム31の現状推測膜厚(情報)とを、その計測時期の到来時にその都度比較する。
図6における丸印は、各計測時期(mP)において計測される現状推測膜厚(情報)を示す。
この比較は、現状推測膜厚が減少推測膜厚を下回った関係になった時点になるまで繰り返される。そして、この比較の結果、現状推測膜厚が減少推測膜厚を下回った関係になった時点(
図6の例では5回目の計測時期:mP5)で、予測手段17において用いる感光ドラム31の残量の減少推測情報を計測する動作を(上記停止を解除して)再開する。
この際、減少推測情報の計測動作が停止されてから再開されるまでの経過時間を計測し、その停止していた時間を「各設定時期の到来毎における交換時期の延長量」として算出する。
図5における符号α(α1、α2、・・・)で示す経過時間が、減少推測情報の計測動作の停止時間、すなわち各設定時期の到来毎における交換時期の延長量に相当する。
【0057】
このように補正手段では、その設定時期が到来するごとに、感光ドラム31の残量の減少推測情報(の計測動作)をその残量の現状推測情報との差(ずれ)が解消される(現状推測膜厚が減少推測膜厚を下回る関係になる)まで停止させて遅延させることにより、感光ドラム31の交換時期を延長させるという補正を行っている。また、
図6(
図5)における二点鎖線は、予測手段26における減少推測情報の計測動作が停止させられて再開された後の(補正後の)減少推測情報(の推移状態)を示している。この二点鎖線で示す補正後の減少推測情報は、基準とする減少推測情報(実線)を単に経過時間にそって所要量だけ平行にシフトさせたものであるため、その直線の傾きは、基準とする減少推測情報の傾きと同じである。
【0058】
警告手段18の一部(警告部)では、予測手段17で交換時期が到来すると予測される消耗品である感光ドラム31の情報を、警告手段18の残りの一部としても機能する操作・表示部15に警告(表示)する。この警告時における消耗品の情報としては、例えば、その交換時期が到来して交換を要する感光ドラム31自体やその所在が明らかになるような情報が好ましく、具体的には、交換を要する感光ドラム31の種類、その感光ドラム31が装着されている画像形成装置2の情報(機種、設置場所)等である。
警告手段18は、この警告した結果を、記憶部13に分割される領域の1つの警告管理部13b(
図1)に記憶させるよう構成されている。
【0059】
<消耗品管理システム(消耗品管理装置)の管理動作>
以下、消耗品管理システム100(消耗品管理装置1)の管理動作について説明する。
【0060】
消耗品管理システム100では、消耗品管理装置1に接続されている複数の画像形成装置2において、その各送信手段26が送信の時期が到来する度に、前述した各画像形成装置2の識別情報、使用情報、消耗品8である感光ドラム31の残量に関する情報を消耗品管理装置1にそれぞれ送信する。送信の時期としては、例えば、前述した各画像形成装置2の電源のON動作時や毎日の定時が採用される。
【0061】
また、消耗品管理システム100では、消耗品管理装置1において、その分類手段16による分類動作や、その予測手段17による予測動作や、その警告手段18による警告動作が、それぞれ設定される時期が到来する毎に実行される。
【0062】
まず、消耗品管理装置1の分類手段16による分類動作について説明する。
分類手段16では、
図3に示すように、送信手段26の送信の時期が到来して上述した送信動作が行われると(ステップS10)、管理装置1に接続されている各画像形成装置2の使用情報を収集して管理する(S11)。
【0063】
続いて、分類手段16は、1つの画像形成装置2の使用情報を読み出した後(S12)、画像平均濃度の値、高画質用紙の未使用、高温・高湿の環境か否かの情報について判断し(S13〜S15)、その結果によって画像形成装置2を低画質要求装置群か高画質要求装置群に分類する(S16、S17)。
すなわち、分類手段16は、使用情報を読み出した画像形成装置2に関し、画像平均濃度が15%以下であり、かつ、高画質用紙は未使用であり、かつ、高温・高湿の環境でないと判断した場合には、その画像形成装置2を「低画質要求装置群」に分類する(S16)。一方、分類手段16は、使用情報を読み出した画像形成装置2に関し、画像平均濃度が15%以下でなく、かつ、高画質用紙は未使用でなく(使用したであり)、かつ、高温・高湿の環境であると判断した場合には、その画像形成装置2を「高画質要求装置群」に分類する(S17)。
【0064】
分類手段16は、このような分類動作を、全ての画像形成装置2の使用情報を読み出して行うことになる(S18)。また、全ての画像形成装置2の分類が完了した後に、その分類した情報を記憶部の分類管理部13aに記憶して管理する。
【0065】
次に、消耗品管理装置1の予測手段17による予測動作について説明する。
予測手段17では、
図4に示すように、その予測の時期が到来すると(ステップS20)、前述したように各画像形成装置2に装着されている消耗品8である感光ドラム31の交換時期が予測される。予測手段17は、1つの画像形成装置2に複数の感光ドラム31が装着されている場合には、その各感光ドラム31の交換時期を個々に予測する。
【0066】
この予測手段17では、実際、管理装置1に接続されている各画像形成装置2における感光ドラム31の残量の減少推測情報を収集して管理する(S21)。残量の減少推測情報としては、原則として、前述した感光ドラム31の回転数等の情報を収集して、減少推測情報を算出した結果を管理する。
【0067】
また、予測手段17では、その補正手段の補正動作を行うべき設定時期(CP1〜CP5)がそれぞれ到来すると、その設定時期の到来時ごとに、補正手段が前述したように感光ドラム31の交換時期の延長補正を行う(
図5)。
【0068】
図5には、画像形成装置2に装着されている1つの感光ドラム31の減少推測情報が、補正手段の補正動作により変化しながら推移することが示されている。つまり、感光ドラム31の減少推測情報は、各設定時期(CP1〜CP5)の到来時ごとに、補正手段の補正動作により交換時期が延長量α(α1〜α5)として補正されながら推移している。
【0069】
ここで、
図5に示す例では、例えば、感光ドラム31の初期膜厚を30μm、第1閾値(Sh1)の残膜厚を19μm、設定時期(CP1〜CP5)を感光ドラム31の膜厚が2μm減少すると予測される時期、計測時期(mP1〜mCP6)を画像形成の累積枚数が500枚になる時期にそれぞれ設定していると想定する。
【0070】
この場合、感光ドラム31の膜厚が2μm減少すると予測される時期は、感光ドラム31の回転数:sに最大摩耗係数:kを乗じた値が2μm増えるときの感光ドラム31の回転数(cs)を予め求めておき、その回転数(cs)に達した時点を設定時期(CP)と判断する。
また、各設定時期(CP)が到来したときには、計測時期(mP)が到来するごとに前述した感光ドラム31の電荷量を計測し、感光ドラム31の初期膜厚時の初期電荷量との関係から現状推測膜厚を比例計算により求める。例えば、初期膜厚が30μmのときの初期電荷量が3000Cであり、最初の計測時期(mP1)に測定した電荷量が2950Cであった場合には、そのときの現状推測膜厚xはx=30×(2950/3000)=29.5μmとして求められる。
最初の設定時期(CP1)における減少推測膜厚は28(=30−2)μmであるため、上記最初の計測時期(mP1)での現状推測膜厚x:29.5μmは、
図6に例示するように設定時期(CP1)における減少推測膜厚を上回っている関係になる。また、5回目の計測時期(mP5)での電荷量が2780Cであった場合、そのときの現状推測膜厚xは27.8μmとなる。このときは5回目の計測時期(mP5)での現状推測膜厚x:27.8μmが、
図6に例示するように設定時期(CP1)における減少推測膜厚;28μmを下回った関係になる。
【0071】
この際、設定時期(CP1)の到来時から5回目の計測時期(mP5)に至るまでが減少推測情報の計測動作が停止した(遅延させた)期間となり、この停止した期間の経過時間が設定時期(CP1)における交換時期の延長量(α1)となる。また、この場合、その後の減少推測膜厚は、その延長量(α1)を加えた後の(補正後の)減少推測情報に応じて推移すると推測されることになる。
【0072】
続いて、管理装置1における予測手段17は、
図4に示すように、予測する対象の画像形成装置2が「高画質要求装置群の装置であるか否か」を判断する(S22)。
【0073】
この際、予測対象の画像形成装置2が高画質要求装置群の装置である場合には、その予測に第1閾値(Sh1)を適用し(S23)、その画像形成装置2における感光ドラム31の残量の減少推測情報(補正後の減少推測情報を含む)を読み出し(S24)、その残量の減少推測情報による残量である感光ドラム31の残膜厚が第1閾値(Sh1)以上になっているか否かを判断する(S25)。
【0074】
このとき感光ドラム31の残膜厚が第1閾値(Sh1)以上になっていないときには、この予測時期における予測動作が終了する。また、このときの感光ドラム31の残膜厚が第1閾値(Sh1)以上になっているときには、その感光ドラム31の交換時期が到来したことになるので、警告手段18がその交換時期が到来した感光ドラム31の情報を操作・表示部15に表示して警告する(S26)。これにより、管理装置1の利用者は、警告表示された感光ドラム31の情報に基づいて、かかる感光ドラム31が装着されている(高画質要求装置群である)画像形成装置2(2H)の当該感光ドラム31の交換作業を準備して実施することになる。
【0075】
一方、ステップS22において、予測対象の画像形成装置2が高画質要求装置群の装置でない場合(低画質要求装置群の装置である場合)には、その予測に第2閾値(Sh2)を適用し(S27)、その画像形成装置2における感光ドラム31の残量の減少推測情報(補正後の減少推測情報を含む)を読み出し(S28)、その残量の減少推測情報による残量である感光ドラム31の残膜厚が第2閾値(Sh2)以上になっているか否かを判断する(S29)。
【0076】
このときの感光ドラム31の残膜厚が第2閾値(Sh2)以上になっていないときには、この予測時期における予測動作が終了する。また、このときの感光ドラム31の残膜厚が第2閾値(Sh2)以上になっているときには、その感光ドラム31の交換時期が到来したことになるので、警告手段18がその交換時期が到来した感光ドラム31の情報を操作・表示部15に表示して警告する(S30)。これにより、管理装置1の利用者は、警告表示された感光ドラム31の情報に基づいて、かかる感光ドラム31が装着されている(低画質要求装置群である)画像形成装置2(2L)の当該感光ドラム31の交換作業を準備して実施することになる。
【0077】
この消耗品管理システム100(実際には消耗品管理装置1)によれば、同じ規格仕様の感光ドラム31を装着している複数の画像形成装置2間においても、低画質要求装置群の画像形成装置(2L)として分類されると、その予測動作に、高画質要求装置群に分類される画像形成装置(2H)に使用される第1閾値(Sh1)よりも延長された値の第2閾値(Sh2)が適用されることになる。
【0078】
このため、
図5に例示するように、低画質要求装置群に分類された画像形成装置(2L)では、その消耗品8である感光ドラム31の交換時期の到来する時期が、第2閾値(Sh2)の第1閾値(Sh1)から延長された分(延長分)だけ遅くなる。つまり、感光ドラム31の寿命の延長効果として、
図5に示すように、第1閾値(Sh1)で交換時期を予測した場合の交換時期(T1)と第2閾値(Sh2)で交換時期を予測した場合の交換時期(T2)との差(T2−T1)が延長効果Eとして得られる。実施の形態1では、第2閾値(Sh2)の適用により、第1閾値(Sh1/残膜厚が19μm)の約10%より延長された時期(残膜厚が約17μm)に感光ドラム31の交換時期が到来したと判断されるようになる。
したがって、この消耗品管理装置1によれば、複数の画像形成装置2に装着されている交換可能な同じ消耗品8の交換時期をその各画像形成装置2の使用状況の違いに関係なく一定の基準で管理する場合に比べて、本来の寿命に近い時期(実施の形態1では残膜厚として15μmになる時期)まで有効に使われる消耗品を増やすことができる。
【0079】
一方、高画質要求装置群の画像形成装置(2H)として分類された画像形成装置(2H)にあっては、比較的厳しい値に設定される第1閾値(Sh1)により交換時期の予測がなされるため、その本来の寿命よりも多い残膜厚の状態(実際の形態1では残膜厚として19μmになる時期)で交換されることになるが、その第1閾値(Sh1)に近づいた時期における画像形成動作でも画質不良が発生しない良好な画像形成を行うことが可能になる。
【0080】
また、消耗品管理装置1においては、低画質要求装置群に分類された画像形成装置(2L)がその感光ドラム31の交換時期の予測を第2閾値(Sh2)により実行されて当該閾値(Sh2)に近づいている時期に(途中で)、次の分類時期が到来して分類手段16の分類動作が実行されて高画質要求装置群に分類されることもあり得る。この場合は、その高画質要求装置群に分類変更された画像形成装置(2H)における感光ドラム31の交換時期の予測に第1閾値(Sh1)が適用されるため、予測手段17が既に感光ドラム31の交換時期が到来していると判断することになり、また即刻、警告手段18の警告対象にもなる。
しかし、この場合にあっては、その交換時期の到来時期(Tx)が
図5に示す第1閾値(Sh1)が常時適用された場合の到来時期(T1)と少なくとも最終的に第2閾値(Sh2)が適用された場合の到来時期(T2>T1)との間の時期(換言すれば、少なくともT1よりも遅い時期)になるので、その感光ドラム31も本来の寿命に僅かでも近い時期に交換される消耗品となる。
【0081】
そして、この消耗品管理システム100による消耗品8(感光ドラム31)の交換時期に関する管理を行う場合には、例えば、低画質要求装置群に分類される画像形成装置2の使用者にとっては、その交換可能な消耗品8の感光ドラム31を、交換時期の管理を第1閾値のみで一律に管理している場合に比べて、その本来の寿命に近い時期まで使用することができるので、感光ドラム31の交換時期が本来の寿命よりも早めに到来することによる「画像形成作業の(強制終了による)早めの中断になること」や「感光ドラム31の新品への交換による早めのランニングコストの発生になること」が遅延されることにもなり、有益である。
【0082】
[実施の形態2]
図7は、実施の形態2に係る消耗品管理システム100Bの概要を示している。この消耗品管理システム100Bは、消耗品管理装置1Bと、その管理装置1Bに接続される複数の画像形成装置2を備えている。このうち複数の画像形成装置2はいずれも、実施の形態1における画像形成装置2と同じ構成からなるものである。
【0083】
消耗品管理装置1Bは、その制御部12に以下の各手段の機能が追加された以外は実施の形態1に係る管理装置1と同じ構成からなるものである。
すなわち、この管理装置1Bは、
図7に示すように、その制御部12が、高画質要求装置群における画像形成装置(2H)の消耗品(8H)のうち警告手段18からの警告に対応して取り外された消耗品(8H)の情報を収集して管理する管理手段19と、その管理手段19で管理される消耗品(8H)のなかに、低画質要求装置群における画像形成装置(2L)の消耗品(8L)として再使用可能な消耗品が存在するか否かを検索する検索手段21と、その検索手段21で再使用可能な消耗品(8H)が存在することを表示する表示手段22の一部(表示・通信部)として機能するように構成された要素が追加されている。この追加された各手段19〜22の機能は、その各手段の動作のための動作プログラムにそれぞれ基づいて制御部12が作動することにより発揮される。
【0084】
また、管理装置1Bの上記各手段19〜22による動作を除く基本的な管理動作は、前述した実施の形態1に係る管理装置1の管理動作と同じである。
ここで、上記管理手段19は、高画質要求装置群に常時又は最終的に分類された画像形成装置(2H)における消耗品(8H)の感光ドラム31のうちで交換時期が到来して警告手段18からの警告により実際に取り外された感光ドラム31(31H)に関する情報を収集して管理するようになっている。その画像形成装置(2H)において交換時期の到来で取り外すべき感光ドラム31が実際に取り外されたか否かは、例えば、感光ドラム31又はその交換ユニットの着脱を検出する図示しない検出手段の検出情報を入手することで判断される。
【0085】
また、管理手段19は、この取り外した感光ドラム31の情報を、記憶部13に分割される領域の1つである交換管理部13c(
図7)に記憶させるよう構成されている。
上記検索手段21は、管理手段19(の交換管理部13c)で管理されている消耗品(8H)である感光ドラム31のなかに、低画質要求装置群における画像形成装置(2L)の消耗品(8L)の感光ドラム31として再使用可能な消耗品(感光ドラム31H)が存在するか否かを自動的に検索するようになっている。上記再使用可能な消耗品とは、高画質要求装置群の画像形成装置(2H)から交換時期の到来により取り外した感光ドラム(31H)を、低画質要求装置群に分類された画像形成装置(2L)のうち交換時期が到来して取り外す感光ドラム(31L)の交換代替品として一次的に装着して利用できるものである。
検索手段21の検索の時期は、例えば、管理手段19で管理される新たな消耗品(8H)の情報が発生した時期に設定される。また、検索手段21は、その検索に際して、管理装置1Bに記憶部13(の例えば分類管理部13a)に記憶されている各画像形成装置2の識別情報(感光ドラム31の情報を含む)を参照する。さらに、検索手段21は、その検索した結果を、記憶部13に分割される領域の1つである検索管理部13d(
図7)に記憶させるよう構成されている。
【0086】
ここで、高画質要求装置群の画像形成装置(2H)から取り外した消耗品(感光ドラム31H)を再使用可能と捉えているのは、高画質要求装置群の画像形成装置(2H)における消耗品(感光ドラム31H)の交換時期の予測に使用する第1閾値が、第2閾値よりも交換時期が早めに到来する値(厚めの残膜厚)に設定されている関係にあるため、その消耗品(感光ドラム31H)の残膜厚は低画質の画像を形成するためには十分な膜厚であるとみなすことでき、低画質要求装置群に分類される画像形成装置(2L)に装着すれば第2閾値に到来するまで使うことができると見込んでいるからである。
【0087】
上記表示手段22(表示・通信部)は、検索手段21で再使用可能な消耗品(8H)の感光ドラム(31H)が存在することが判明したときに、その再使用可能な感光ドラム(31H)が存在するという情報を管理装置1Bの利用者(具体的には消耗品交換作業者など)に知らせるために、例えば表示手段22の残りの一部としても機能する操作・表示部15に文字、一覧表等の形式で表示するようになっている。
【0088】
<消耗品管理システム(消耗品管理装置)の管理動作>
以下、実施の形態2に係る消耗品管理システム100B(消耗品管理装置1B)のうち追加された上記各手段(19〜23)による管理動作について説明する。
【0089】
まず、消耗管理装置1Bの管理手段19においては、
図8に示すように、警告手段18から、高画質要求装置群に分類された画像形成装置(2H)のなかに交換時期が到来すると予測された消耗品(8H)の感光ドラム(31H)に関する情報の警告があると(ステップS40)、その警告対象になった消耗品(8H)の感光ドラム(31H)が実際に画像形成装置(2H)から取り外された否かが判断される(S41)。
この際、警告対象になった消耗品(8H)の感光ドラム(31H)が取り外されたと判断されたときには、その取り外された消耗品(8H)の感光ドラム(31H)に関する情報を記憶部13における交換管理部13cに記憶して管理する(S42)。このとき管理する感光ドラム(31H)に関する情報とは、例えば、その感光ドラム(31H)の種類や、装着されている画像形成装置(2H)の種類、設置場所に関する情報や、再使用可能な感光ドラム(31L)を装着する画像形成装置(2L)の種類、設置場所に関する情報である。
【0090】
また、消耗管理装置1Bの検索手段21においては、
図9に示すように、その検索の時期(本例では管理手段19で管理される新たな消耗品(8H)の情報が発生した時期)が到来すると(ステップS50)、管理手段19の一部である交換管理部13cから管理情報が読み出される(S51)。読み出される管理情報は、高画質要求装置群の画像形成装置から交換時期の到来で取り外された感光ドラム31Hに関する情報である。
【0091】
続いて、検索手段21では、その読み出した管理情報における感光ドラム31Hのなかに低画質要求装置群の画像形成装置(2L)における感光ドラム(31L)として再使用可能な感光ドラム31Hがあるか否かが判断される(S52)。
この際、再使用可能な感光ドラム31Hがないとの検索結果になった場合は、検索動作が終了する。また再使用可能な感光ドラム31Hがあるとの検索結果になった場合は、その再使用可能な感光ドラム31Hが存在する情報が表示・通信部22により操作・表示部15に表示される(S53)。
この再使用可能な感光ドラム31Hが存在する情報の表示により、消耗管理装置1Bの利用者(消耗品交換作業者)は、再使用可能な感光ドラム31Hの存在を知るとともに、その再使用可能な感光ドラム31Hを装着することができる低画質要求装置群の画像形成装置(2L)に関する情報(機種、設置場所)などを知ることができる。
【0092】
ちなみに、高画質要求装置群の画像形成装置から取り外された感光ドラム(31H)は、例えば、消耗品交換作業者がその感光ドラム(31H)の取り外し作業を終えた後にその再使用可能な対象の画像形成装置(2L)における感光ドラム(31L)が交換時期の到来になることを警告で知った場合にその消耗品交換作業者によって一時的に所持されることもあるが、最終的には、予め決められた保管場所に集められて保管される。
【0093】
そして、この再使用可能な感光ドラム31Hが存在する情報を知った消耗品交換作業者は、その再使用可能な対象である低画質要求装置群の画像形成装置(2L)における感光ドラム(31L)が交換時期の到来したことを警告手段18の警告で知ったときには、
図7の右下に概念的に示すように、その低画質要求装置群の画像形成装置(2L)における感光ドラム(31L)を取り外した後、高画質要求装置群の画像形成装置(2L)から取り外されて再使用可能な関係にある感光ドラム(31L)を当該画像形成装置(2L)に取り付けて使用することができる。なお、低画質要求装置群の画像形成装置(2L)に取り付けた再使用可能な感光ドラム31Hの交換時期の予測(動作)は、低画質要求装置群に分類されている時期に限り、第2閾値(Sh2)を用いて行われる。
【0094】
これにより、再使用可能な感光ドラム31Hを取り付けた低画質要求装置群の画像形成装置(2L)では、その感光ドラム31Hの交換時期が第2閾値(Sh2)を適用した予測手段17の予測により到来するまでの間は、その感光ドラム31Hを使用した画像形成動作を行うことができる。
この結果、消耗品管理システム100B(消耗品管理装置1B)によれば、高画質要求装置群の画像形成装置(2L)から交換時期の到来により取り外された感光ドラム31Hを再使用することが可能になり、資源の有効活用を図ることができる。つまり、高画質要求装置群の画像形成装置(2L)において(第1閾値を用いた予測により)交換時期が到来して取り外した後の感光ドラム31Hが、低画質要求装置群の画像形成装置(2L)における感光ドラム31(の代替品)として第2閾値を用いた予測による交換時期に達するまで使用できるにもかかわらず、安易に破棄処理や再生処理に回されてしまうことがなく、再使用によって活用される機会が生まれる。
【0095】
ちなみに、この消耗品管理システム100B(消耗品管理装置1B)により行われる消耗品8(感光ドラム31)の再使用及びそのために必要な交換作業は、例えば、管理装置1Bに接続される複数の画像形成装置2の使用者に予め許諾(契約)を受けた後に実施される。
【0096】
[実施の形態3]
実施の形態3に係る消耗品管理システム100Cは、
図7に併せて示すように、実施の形態2に係る消耗品管理システム100B(消耗品管理装置1Bと複数の画像形成装置2の組み合わせ)に、管理装置1Bとの間で情報の送受信等が可能な携帯型管理端末機7を追加して構成されるものである。
【0097】
消耗品管理システム100Cにおける消耗品管理装置1Bは、
図7に示すように、携帯型管理端末機7に必要な情報を送信する送信手段23の一部(表示・通信部)が追加されている以外は実施の形態2に係る消耗品管理装置1Bと同じ構成からなるものである。
【0098】
上記送信手段23(表示・通信部)は、例えば表示手段22で再使用可能な感光ドラム(31H)が存在するという情報を表示するときや、携帯型管理端末機7から送信要求があったときに、携帯型管理端末機7に必要な情報を送信するようになっている。実施の形態3では、携帯型管理端末機7に送信する必要な情報として、少なくとも分類手段16、予測手段17、警告手段18、管理手段19、検索手段21及び表示手段22の各情報を送信するよう設定されている。
【0099】
また、消耗品管理システム100Cにおける携帯型管理端末機7は、消耗品管理装置1Bとの間で情報の送受信及び入出力(出力は表示を含む)が可能な機能を有する端末機器であり、例えば、その管理装置1Bで管理している各画像形成装置2における消耗品8の感光ドラム31の交換作業を実際に行う作業者が携帯して利用することができる機器(携帯型PC,タブレット等)である。この携帯型管理端末機7は、消耗品管理装置1Bと前述した情報通信ネットワーク102(特に無線方式)を介して情報の送受信ができるよう構成されている。また、携帯型管理端末機7は、その利用者の数だけ存在する。
図7では、複数の携帯型管理端末機7(7A,7B,・・・)が存在する場合を示している。
【0100】
この携帯型管理端末機7では、前述した管理装置1B(の送信手段23)から送信される情報により、管理装置1Bに接続されている複数の画像形成装置2の分類された結果や、高画質要求装置群に分類された画像形成装置(2H)における感光ドラム(31H)のうち交換時期が到来して取り外されている感光ドラム(31H)が存在することや、低画質要求装置群に分類される画像形成装置(2L)に再使用可能な感光ドラム(31H)が存在することを(その端末機の利用者が)知ることができるようになっている。つまり、この場合は、消耗品管理作業者(管理端末機7の利用者)は、かかる情報を管理装置1Bにおける表示を通すことなく、自身が携帯している携帯型管理端末機7から容易に得ることができる。
【0101】
また、この携帯型管理端末機7では、例えば、低画質要求装置群に分類された画像形成装置(2L)における感光ドラム(31L)が交換時期に到来したことを知ったときに、管理装置1Bにおける検索手段21を利用して、管理手段19が管理している高画質要求装置群に分類された画像形成装置(2H)における感光ドラム(31L)であって交換時期が到来した取り外されている感光ドラム(31L)のなかに再使用可能なものがあるか否かの検索を行うことができるようにもなっている。
【0102】
<消耗品管理システム(消耗品管理装置)の管理動作>
以下、実施の形態3に係る消耗品管理システム100C(消耗品管理装置1B)のうち追加された上記手段(23)による管理動作と携帯型管理端末機7の動作について説明する。
【0103】
消耗品管理装置1Bにおける送信手段23(表示・通信部)は、実施の形態2で説明した動作の1つとして検索手段21が再使用可能な感光ドラム31Hがあるとの検索結果を発したときには、その再使用可能な感光ドラム31Hが存在する情報が送信手段23により携帯型管理端末機7に送信される。このとき、携帯型管理端末機7は、その送信された情報を受信すると、その情報を端末機7の表示部に表示する。
この再使用可能な感光ドラム31Hが存在する情報の送信及び表示により、携帯型管理端末機7(実際には消耗品管理装置1B)の利用者(消耗品交換作業者)は、その端末機7を通して、再使用可能な感光ドラム31Hの存在を知るとともに、その再使用可能な感光ドラム31Hを装着することができる低画質要求装置群の画像形成装置(2L)に関する情報(機種、設置場所)などを効率よく知ることができる。
【0104】
そして、この再使用可能な感光ドラム31Hが存在する情報を端末機7により知った消耗品交換作業者は、実施の形態2において既述した場合と同様に、再使用可能な対象となる低画質要求装置群の画像形成装置(2L)における感光ドラム(31L)を取り外した後、高画質要求装置群の画像形成装置(2L)から取り外されて再使用可能な関係にある感光ドラム(31L)を当該画像形成装置(2L)に取り付けて使用することができる。
【0105】
また、携帯型管理端末機7の利用者は、例えば、その管理端末機7で管理装置1Bにおける予測手段17による予測結果として低画質要求装置群に分類された画像形成装置(2L)における感光ドラム(31L)が交換時期に到来したものであることを知ったときに、管理装置1Bにおける検索手段21を利用して以下の検索動作を行うことができる。
すなわち、その利用者は、管理手段19が管理している高画質要求装置群に分類された画像形成装置(2H)における感光ドラム(31L)のうち交換時期が到来して取り外された感光ドラム(31H)のなかに当該感光ドラム(31L)の代替品として再使用可能なものがあるか否かの検索を、その管理端末機7から感光ドラム(31L)の情報や検索依頼の情報を入力操作した後に管理装置1Bに送信することにより行うことができる。
【0106】
[他の実施の形態]
消耗品管理装置1(1B)が管理する対象は、管理装置1(1B)に実際に接続されている複数の画像形成装置2のすべてに限らず、その一部の画像形成装置2(但し複数のもの)であってもよい。
消耗品8としては、感光ドラム31以外のものであってもよい。他の消耗品8の例としては、画像形成装置2の使用情報に応じて消耗品8の交換時期の予測動作に使用する閾値を変更して本来の寿命に近い時期まで有効に使用する消耗品を増やすことが要求されるものであれば特に限定されず適用することができる。具体的には、例えば、定着装置55(ベルト形態の加熱回転体又は加圧回転体)、中間転写装置40(中間転写ベルト41など)、現像装置34(現像剤収納容器37を含む)などが挙げられる。
【0107】
また、分類手段16で使用する各画像形成装置2の使用情報としては、実施の形態1等で例示した画像の濃度情報と記録用紙の種類の情報だけにしても構わない。その使用情報としては、分類手段16による高画質要求装置群と低画質要求装置群との分類動作をより的確に行うことを可能にするものであれば、他の情報を適用してもよい。
【0108】
また、消耗品8の残量については、実施の形態1等において感光ドラム31の残膜厚を例示したが、消耗品8の種類に適した構成要素を採用すればよい。しかも、残量の減少推測情報や現状推測情報についても、消耗品8の種類に適した推測情報を適用することができる。
【0109】
さらに画像形成装置は、交換可能で交換時期の管理が必要な消耗品が装着されるものであれば、その種類(形式)等について特に限定されない。例えば、画像形成装置2としては、中間転写装置40を使用しないものや、単色画像を形成するものであってもよい。また、画像形成装置としては、トナー像を形成する電子写真記録方式を採用するものに限らず、他の画像記録方式(インク像を形成する方式など)を採用するものであってもよい。