特許第6352887号(P6352887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6352887計時器のような携行可能な物のための表示デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6352887
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】計時器のような携行可能な物のための表示デバイス
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/00 20060101AFI20180625BHJP
   G04B 19/247 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   G04B19/00 Z
   G04B19/247 A
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-223835(P2015-223835)
(22)【出願日】2015年11月16日
(65)【公開番号】特開2016-109681(P2016-109681A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2015年11月16日
(31)【優先権主張番号】14196933.7
(32)【優先日】2014年12月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・フランソワ
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭48−012540(JP,Y1)
【文献】 実公昭48−012539(JP,Y1)
【文献】 特表2013−509314(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3181972(JP,U)
【文献】 特開2006−113054(JP,A)
【文献】 特開昭62−014083(JP,A)
【文献】 特開平08−304562(JP,A)
【文献】 実開昭51−072082(JP,U)
【文献】 実開昭53−118664(JP,U)
【文献】 特表2014−528580(JP,A)
【文献】 実開昭50−091569(JP,U)
【文献】 特開昭61−110080(JP,A)
【文献】 米国特許第4541727(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/00,19/247,45/00
G04C 3/00
G09F 19/12−19/14
G03B 35/00
A63H 33/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携行可能な物に組み入れられることを意図された表示デバイスであって、
当該表示デバイスは、開口(30)が設けられた表盤(12)を有し、この開口は、表示領域を定め、前記表盤の裏には、インジケーターメンバーが配置されており、少なくとも第1のモチーフ群が、前記インジケーターメンバー(10)と平行な平面(18)に延在し、前記表盤に設けられた前記開口(30)を通して見えるように構成し、前記第1のモチーフ群のモチーフどうしは、これらのモチーフが前記開口(30)を通して現われたときに、常に同じ方向を向いており、
前記第1のモチーフ群は、第1の大きさを有する第1のモチーフと、及び前記第1のモチーフと同じ意味を有するが前記第1の大きさとは異なる第2の大きさを有する第2のモチーフとによって少なくとも形成されており、
前記第1のモチーフ群は、互いに平行に延在する複数の並置されたシリンドリカルレンズによって形成されたレンチキュラーアレー(14)を通して見られるものであり、前記レンチキュラーアレー(14)の前記シリンドリカルレンズ(20)は、前記第1のモチーフ群が延在する前記平面(18)と前記シリンドリカルレンズ(20)の焦点面(F)が一致するような焦点距離を有し、
前記第1のモチーフ群の前記第1のモチーフ及び前記第2のモチーフは、互いに平行に延在する複数のレクチリニア区画(24、26)に分けられ、これらのレクチリニア区画(24、26)は、互いにインターリーブ配置されており、これによって、前記第1のモチーフの2つの区画(24)の間に前記第2のモチーフの1つの区画(26)が常にあるようにされており、
前記第1のモチーフのレクチリニア区画(24)によって形成される像と、前記第2のモチーフのレクチリニア区画(26)によって形成される像は、異なる大きさの同じモチーフの像であり、
前記第1のモチーフのレクチリニア区画(24)によって形成される像と、前記第2のモチーフのレクチリニア区画(26)によって形成される像とが視角に応じて切り替わることによってズーム効果が発生し、
前記第1のモチーフと前記第2のモチーフとは同じ意味を持つ、
ことを特徴とする表示デバイス。
【請求項2】
前記インジケーターメンバー(10)は回転し、
前記回転用インジケーターメンバー(10)と平行な前記平面(18)内に、少なくとも1つの第2のモチーフ群が配置されており、
前記第1及び第2のモチーフ群は、前記回転用インジケーターメンバー(10)の回転によって前記表盤に設けられた前記開口(30)を通して1つずつ現われるように構成する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス。
【請求項3】
前記回転用インジケーターメンバー(10)をカバーする前記表盤(12)に設けられた前記開口(30)に、単一のレンチキュラーレンズアレー(14)が配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の表示デバイス。
【請求項4】
前記回転用インジケーターメンバー(10)は、複数のレンチキュラーアレー(14)を有し、
前記第1及び第2のモチーフ群はそれぞれ、前記レンチキュラーアレー(14)の1つによってカバーされている
ことを特徴とする請求項2に記載の表示デバイス。
【請求項5】
前記第1及び第2のモチーフ群をカバーする前記レンチキュラーアレー(14)のそれぞれは、前記平面(18)を形成する滑らかな裏面(22)を有し、この平面(18)に前記第1及び第2のモチーフ群が形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の表示デバイス。
【請求項6】
前記第1及び第2のモチーフ群が形成される前記平面(18)は、前記回転用インジケーターメンバー(10)の表面の一部からなる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の表示デバイス。
【請求項7】
前記第1及び第2のモチーフ群はそれぞれ、前記第1及び第2のモチーフと同じ意味を有するが前記第1及び第2の大きさとは異なる第3の大きさを有する第3のモチーフを有し、
この第3のモチーフは、互いに平行に延在する複数のレクチリニア区画に分けられており、前記第3のモチーフの前記レクチリニア区画は、前記第1及び第2のモチーフの前記レクチリニア区画とインターリーブ配置されており、これによって、前記第3のモチーフの2つの区画の間には、前記第1のモチーフの1つの区画(24)及び前記第2のモチーフの1つの区画(26)が常にあるようにされている
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表示デバイス。
【請求項8】
前記第1及び第2のモチーフ群のモチーフは、同じ向きに書かれている文字数字の文字であり、
前記シリンドリカルレンズ(20)は、前記シリンドリカルレンズによってカバーされる文字数字の文字群の文字が書かれている方向と同じ方向を向いており、
前記文字数字の文字は、その書かれている方向に互いに平行に延在する複数のレクチリニア区画に分かれている
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の表示デバイス。
【請求項9】
前記インジケーターメンバーは、2つの異なる大きさでモチーフを不変表示すること又は少なくとも第1及び第2のモチーフ群を動的表示することを行う液晶表示セル(32)であり、
前記第1及び第2のモチーフ群はそれぞれ、第1の大きさを有する第1のモチーフ及び前記第1のモチーフと同じ意味を有するが前記第1の大きさとは異なる第2の大きさを有する第2のモチーフで少なくとも形成されており、
これらのモチーフは、前記液晶表示セル(32)の表示電極で形成された同じ厚みを有する複数のレクチリニア区画に分けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携行可能な物に組み入れられることを意図された表示デバイスであって、開口が設けられた表盤を有し、この開口は、表示領域を定め、前記表盤の裏には、インジケーターメンバーが配置されており、少なくとも第1のモチーフ群が、前記インジケーターメンバーと平行な平面に延在し、前記表盤に設けられた前記開口を通して見えるように構成しているものに関する。
【背景技術】
【0002】
上記の定義を満たすような文字数字表示デバイスが知られている。これらのデバイスでは、回転用インジケーターメンバーは、通常、ディスク又はリングの形態であり、これは、環状トラックに付された一連の規則的な間隔で配置された文字数字指示を支えている。これらの文字数字の指示は、表盤に設けられた開口を通して見ることができる。この開口は、アパーチャーと一般的に呼ばれており、その寸法は、表示される文字数字指示の寸法に対応している。インジケーターメンバーが回転すると、ディスク又はリング状の環状トラックが、アパーチャーの下を通り、これによって、文字数字の指示がアパーチャーを通して見える。このようにして、様々な指示が順に表示される。このような表示システムは非常によく用いられている。例えば、カレンダー機能付き腕時計においてである。
【0003】
上の記載を満たすほとんどの文字数字表示デバイスの課題として、表示される指示の大きさが小さいことが共感されている。
【0004】
実際に、隣接した指示どうしの重なり合いを避けるために、様々な指示のそれぞれを、インジケーターメンバーの環状トラックの別個の区画内に刻む必要がある。これらの状況では、区画の広がり角度は、環状トラックの周全体にわたって分布する指示の数で360°を割ることによって得られる角度に制限される。例えば、指示が一連の1から31までの日付である場合、区画の広がり角度が12°よりも少し小さい角度であると計算することができる。
【0005】
前記課題を克服するために、欧州特許出願EP1310839A1は、カレンダー機能付き腕時計であって、そのアパーチャーが、表示される文字数字の指示の拡大像を与えるように適合しているものについて記載している。このために、アパーチャーを形成する開口の大きさと形は、レンズを受けるように適合している。このようにして開口にマウントされたレンズは、拡大レンズとしてはたらく。これは、指示を読みやすくするように、日付指示の拡大像を見せる。
【0006】
この既知の手法の1つの課題は、表示される指示を形成する数字の寸法がレンズの直径と同程度しかないということである。これらの状況では、表示領域のレンズの厚みが一定ではなく一定に近くもないことを理解できるであろう。レンズの厚みのばらつきが知覚可能な程度に十分に大きければ、透過される像が変形することが知られている。この現象は、球面収差という名称で知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、この目的を、添付の請求項1に係る文字数字表示デバイスを提供することによって達成する。
【0009】
なお、用語「シリンドリカル(筒状)」は、広い意味で用いられ、表現「シリンドリカルレンズ」は、光軸を有し全長にわたって断面の輪郭が一定であるような任意のレンズを意味する。
【0010】
なお、シリンドリカルレンズの「向き」は、そのレンズの光軸の向きに対応する。また、文字の向きは、テキストにおける他の文字との連続における当該文字が伝統的に書かれる方向に対応する。ほとんどの言語において好まれている文字を書く方向が、「水平」方向(場合に応じて、左から右、又は右から左に文字が書かれる)であることが知られている。しかし、本発明に関連する文脈においては、「水平」と呼ばれる方向は、より厳密には、頭が文字に対して伝統的な形態で向いている読者の両方の目を通る直線の方向に対応する。
【0011】
添付図面を参照して例(これに制限されない)としてのみ与えられる以下の説明を読むことで、本発明の他の特徴及び利点を思い描くことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来技術の文字数字表示デバイスに関連づけられた計時器用ムーブメントの平面図であり、この文字数字表示デバイスは、カレンダー機能付き腕時計のための日付表示によって形成されている。
図2】本発明の特定の実施形態に係る文字数字表示デバイスの回転用インジケーターメンバーを形成する日付ディスクの概略平面図である。
図3図3Aは、図2の表示デバイスの文字群の1つの平面図であり、この文字群は、平坦な面によって支えられており、第1の大きさを有する第1の「3」と第1の「0」、そして第2の大きさを有する第2の「3」と第2の「0」によって形成されている。図3Bは、図3Aの文字群の上に配置されるレンチキュラーアレーの断面図である。
図4】1つの文字群の上に配置されたレンチキュラーアレーの斜視図である。
図5図5A及び5Bは、文字群のどの文字が観察者の目が片側面上にあるかどうかに応じて、シリンドリカルレンズの光軸を通り観察者の目を通る平面の一方の側又は他方の側のどちらかに観察者の目があるかどうかに応じて、観察者にとって前記文字群のどの文字が見えるどうかを示す概略図である。
図6】本発明の第1の変種実施形態の概略図であり、少なくとも1つの同じモチーフが2つの異なる大きさで印刷されている回転用インジケーターメンバーをカバーする表盤に設けられている開口に、単一のレンチキュラーレンズアレーが配置されている。
図7図7A及び7Bは、本発明の第2の変種実施形態の概略図であり、表盤に設けられた開口の下に配置されている液晶表示セルが、2つの異なる大きさの少なくとも1つの同じモチーフを表示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、レンチキュラーレンズアレーの下に2つの異なる大きさの同じモチーフの2つの表現を配置することを伴う大きな創造性のあるアイデアから発展したものである。観察者がモチーフを見る角度に応じて、観察者は、まず、所与の大きさのモチーフの1つを見て、次に、その見た最初のモチーフとは異なる大きさの別のモチーフを見る。これによって、ズーム効果が発生して、動的表示を行うことが可能になる。
【0014】
本発明を、所与の月の各日の日付を指示することを可能にする31の日付指示を支えている日付リング型の回転用インジケーターメンバーを参照して説明する。しかし、本発明は、このような実施形態に制限されず、レンチキュラーレンズアレーの下にて見ることができるモチーフは、数字、文字、ロゴ、装飾模様又は他の設計であることができることを理解できるであろう。同様に、LCDタイプのような固定又は動的な表示によってもモチーフを表示することができる。
【0015】
図1は、従来技術のカレンダー機能付き腕時計のための計時器用ムーブメントの平面図である。図示されている計時器用ムーブメント1は、伝統的な手法で、様々なアナログ表示デバイス(図示せず)、特に、時針、分針、を駆動するように構成している。また、計時器用ムーブメント1は、文字数字表示デバイスを駆動するようにも構成する。これは、図示した例においては、日付表示デバイスで形成される。図1に示すように、日付表示デバイスは、様々な日付を表示するための1から31までの一連の数字を支えるディスク2を有する。通常の方法で、これらの数字は、腕時計の表盤に設けられたアパーチャーを通して順に現われるようにディスク2上に配置されている(図1において、アパーチャーの場所4が長方形で示されている)。
【0016】
計時器用ムーブメント1は、機械的ムーブメントであっても、電気機械的ムーブメントであってもよく、例えば、水晶ムーブメントであることができる。図1に示す計時器用ムーブメント1が、カレンダー機能付き腕時計の時刻及び日付をセットするために伝統的な方法で構成しているつまみ8を備える制御ステム6と連係していることがわかる。
【0017】
図2は、本発明の特定の実施形態に係る文字数字表示デバイスの回転用インジケーターメンバーを形成する日付リング10の部分的な概略平面図である。図示した例において、日付リング10は、計時器(図示せず)用のカレンダー機構の一部を形成しており、計時器用ムーブメントによってステップごとに動くように駆動され、表盤12の裏で回転するように構成する。文字数字表示デバイスにかかわらず、この例の計時器用ムーブメントは、例えば、図1の計時器用ムーブメント1と同一であることができる。
【0018】
図2の実施形態において、回転用インジケーターメンバーが、例えば、日付リング10であることがわかる。結果的に、回転用インジケーターメンバーは、年のすべての月の日を表示するために、31の文字群を支えている。本発明によると、これらの文字群はそれぞれ、レンチキュラーアレー14によってカバーされている。図示した例において、この31のレンチキュラーアレー14は、日付リング10の周部に位置する環状トラック16に付された多数の細長片で形成されている。なお、下に文字群が配置されている様々なレンチキュラーアレー14を通して目に見える文字群のすべてが図2に示されているわけではない。図を複雑にしないためである。
【0019】
図3Aは、図2の表示デバイスの文字群のうちの1つについての拡大した概略平面図である。図3Bは、図3Aの文字群の上に配置されたレンチキュラーアレーの断面図である。図3Aから、図示した文字群が、第1の大きさを有する第1の「3」と第1の「0」と、第1の大きさとは異なる第2の大きさを有する第2の「3」と第2の「0」とによって形成されていることが明らかである。本発明によると、これらの文字群は、レンチキュラーアレー14と回転用インジケーターメンバー10の間に位置する平面18内にて延在する。また、文字群は、レンチキュラーアレー14のうちの1つによってカバーされる。
【0020】
本発明によると、レンチキュラーアレー14はそれぞれ、互いに平行に延在する並置(juxtapose)されたシリンドリカルレンズ20の層で作られている。図3Bの断面図に示すように、「シリンドリカル」レンズ20は、実際にはシリンドリカル(筒状)ではない。実際には、用語「シリンドリカル」は、広い意味で用いられる。これによって、表現「シリンドリカルレンズ」は、光軸O−Oを有し、その全長にわたって断面が変わらない輪郭を有するような任意のレンズを意味する。なお、このようなレンチキュラーアレーは既に知られている。さらに、本発明の実施形態に適しているレンチキュラーアレーは、いくつかの会社から商業的に入手可能である。これらのアレーは、一般的に、所望の大きさに切ることができる比較的大きな寸法のシートの形態をとる。これらのレンチキュラーシートは、安定した光透過性の材料で作られている。それらは通常、滑らかな裏面22を有し、これによって、シートを基材に固定することが可能になる。また、好ましい変種によれば、レンチキュラーアレー14はそれ自身、表示される文字を支える平面18を形成することができる。この後者の変種によると、例えば、印刷によって、レンチキュラーシートの滑らかな裏面22に直接文字が付される。この変種を描くために、図3Bには、レンチキュラーアレー14の底における文字を印刷するために用いられるインクを表す暗い領域が示されている。
【0021】
本発明によると、レンチキュラーアレー14のシリンドリカルレンズ20の焦点距離は、文字群が延在する平面18とレンズの焦点面Fが一致するようになっている。また、図4にて明確に示してあるように、シリンドリカルレンズ20の光軸O−Oは、文字群の文字と同じ方向の向きを有する(これに関連して、数字のような文字の向きは、同じ大きさの他の数字が書かれたり読まれたりする通常の方向のことであるとして理解されることが明らかあろう)。
【0022】
図3Aに示す文字群において、同じ第1の大きさを有する第1の「3」と第1の「0」は、いくつかのレクチリニア区画24に分かれている。また、第2の大きさを有する第2の「3」と第2の「0」も、いくつかのレクチリニア区画26に分かれている。レクチリニア区画24及び26は、文字が通常書かれる方向と平行に延在しており、第1の大きさのいくつかの断片で形成されている2つのレクチリニア区画24の間に、第2の大きさのいくつかの断片で形成されるレクチリニア区画26が常にあるように交互に配置されている。図3A及び3Bを再び参照する。第1の文字のレクチリニア区画24は、第2の文字のレクチリニア区画26と同様に、文字群をカバーするレンチキュラーアレー14のシリンドリカルレンズ20の間のピッチと同じピッチとなるように構成する。
【0023】
本発明によると、各文字群は、第1の大きさを有する少なくとも第1の文字と、及び第1の文字と同じ意味を有し第1の大きさとは異なる第2の大きさを有する。本発明の変種の1つ(図示せず)によれば、各文字群は、第1及び第2の文字と同じ意味を有するが第1及び第2の大きさと異なる第3の大きさを有する第3の文字を有することができる。しかし、本発明の主題を形成する特定の実施形態によると、数字「3」及び「0」のそれぞれは、2つの異なる大きさで示されている。したがって、各シリンドリカルレンズ20が鉛直面P1によって同じ幅Lの第1の半分部分20aと第2の半分部分20bに分けられると仮定すると、シリンドリカルレンズ20の第1の半分部分20aは、第1の文字の少なくとも1つのレクチリニア区画24をカバーし、シリンドリカルレンズ20の第2の半分部分20bは、第2の文字の少なくとも1つのレクチリニア区画26をカバーする。これが本発明の単純化された変種の実施形態であることに留意することは重要である。実際に、印刷の解像度の分野で過去数年にわたって達成された進歩によって、第1の文字のいくつかのレクチリニア区画を同じシリンドリカルレンズの下の第2の文字のレクチリニア区画の間にインターリーブ配置(交互配置)させることを思い描くことが今日完全に可能となっている。
【0024】
図4、5A、5Bを参照して本発明の動作を説明する。上記のように、レンチキュラーアレー14のシリンドリカルレンズ20の焦点距離は、文字群が延在する平面18とレンズの焦点面Fが一致するようになっている。これらの状況では、シリンドリカルレンズ20はそれぞれ、観察者28の目の方へと、レクチリニア区画24又はレクチリニア区画26のどちらかのみの拡大像を投影する。このレクチリニア区画は、シリンドリカルレンズ20の光軸O−O及び観察者28の目を通る平面Pの一方の側又は他方の側上にあるものである。したがって、レンチキュラーアレー14のシリンドリカルレンズ20がこれらのシリンドリカルレンズ20によってカバーされる文字と同じ方向の向きを有することを考慮すれば、このことによって、観察者28が左右の目ごとに異なる像を見るようになることを防ぐことがてきることを理解することができるであろう。
【0025】
図示した例において、シリンドリカルレンズ20の第1の半分部分20aが第1の文字のレクチリニア区画24をカバーし、シリンドリカルレンズ20の第2の半分部分20bが第2の文字のレクチリニア区画26をカバーすることを理解できたであろう。したがって、1つの文字群が表盤12に設けられた開口30によって目に見えるときに、平面P2の一方の側から観察者が目で開口30を見ると、観察者は、レクチリニア区画24によって形成される像(第1の大きさの形の数字「30」の像)を見ることになる。反対に、観察者の目が平面P2の反対の側にあるとき、観察者は、レクチリニア区画26によって形成される像(第2の大きさの形の数字「30」の像)を見る。すなわち、これらの2つの像が視角に応じて切り替わる。これらの切り替えられる2つの像が異なる大きさの形で描かれた同じ数字の2つの像であるので、上記のことは、「ズーム」効果と呼ぶ。このズーム効果は、アニメーション化した像を作ることによって、開口30を通して見られる文字群を注目させる。
【0026】
1つの文字群の明瞭な像を得るためには、レクチリニア区画24及び26が非常に細いことが有利である。このために、例えば、40LPI(1インチ当たり40のシリンドリカルレンズ)のレンチキュラーアレーを用いることができる。このような構成のシリンドリカルレンズの幅が約2/3ミリメートルであるように計算することができる。これらの状況では、レクチリニア区画の幅は、約1/3ミリメートルとすることができる。
【0027】
また、添付の請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに、本明細書で記載した実施形態に対して、当業者にとって明白な様々な変更及び/又は改良を行うことができることは明らかであろう。具体的には、文字群がそれぞれ、第1及び第2の文字とは同じ意味を有するが第1及び第2の大きさとは異なる第3の大きさを有するような第3の文字を含んでいて、この第3の文字が、文字の向きと平行であって第1及び第2の文字とでインターリーブ配置されたいくつかのレクチリニア区画に分けられていて、これによって、第3の文字の2つの区画の間に、第1の文字の区画が1つと第2の文字の区画が1つ常にあるようにすることができる。これらの3つの種類の区画どうしが常に同じ順となるように配置されていれば、大きさが2よりも大きな数あることによって、「ズーム」効果を一層に壮観にすることができる。
【0028】
上で説明した実施形態において、回転用インジケーターメンバーは、年のすべての月の日を表示するために、31の文字群を支える日付リングである。本発明によると、各文字群は、レンチキュラーアレーによってカバーされる。
【0029】
図6に示す本発明の好ましい変種によると、各文字群をレンチキュラーレンズアレーでカバーする代わりに、回転用インジケーターメンバー10をカバーする表盤12に設けられた開口30内に、単一のレンチキュラーレンズアレー14が配置される。結果的に、回転用インジケーターメンバーが回転するにつれて、この回転用インジケーターメンバーによって支えられる文字群のすべてが、レンチキュラーレンズアレーの下を段階的に通る。このような手法には、より少数の部品及びより少ない製造時間しか必要とせず、したがって、より経済的である。もちろん、この回転用インジケーターメンバーによって支えられる文字群は、本発明に従う。すなわち、各文字群は、2つの異なる大きさの少なくとも2倍の同じモチーフで作られ、これらのモチーフは、互いにインターリーブ配置されたいくつかのレクチリニア区画に分けられている。図6に示す特定の例において、各文字群が2つの異なる大きさの2倍の同じ日付指示で形成されていることを理解することができる。また、各文字群がレンチキュラーレンズアレーによってカバーされるような本発明の実施形態に関連して上で記載した光学的性質は、単一のレンチキュラーレンズアレーが表盤に設けられた開口に固定され、各文字群が回転用インジケーターメンバーによって支えられるような図6の場合にも有効である。
【0030】
最後に、上記の例は、数字の指示を支える回転用インジケーターメンバーに関連している。しかし、本発明は、このような実施形態に制限されず、回転用インジケーターメンバーは、任意の種類のモチーフを支えることができることを理解できるであろう。これは、例えば、文字、ロゴである(これに制限されない)。
【0031】
その特定のロゴの場合には、本発明に係るモチーフ群は、同じ厚みのレクチリニア区画に分けられた2つの異なる大きさの2つの同じロゴで形成され、これらどうしは、シリンドリカルレンズが延在する方向と同一方向にてインターリーブ配置される。
【0032】
本発明の単純化された変種の実施形態によると、本発明の表示デバイスが1つのモチーフを2つの異なる大きさで表示することのみを行うことができるようになっていることも思い描くことができる。このような表示デバイスは、2つの異なる大きさのブランドロゴなどのみを表示することを望む場合に有利であることができる。
【0033】
別の好ましい変種によると、表盤12に設けられた開口30と垂直に配置され開口30内に単一のレンチキュラーレンズアレー14が配置された液晶表示セル32のようなデジタル表示デバイスをインジケーターメンバーとして用いることを思い描くことができる。この液晶表示セル32は、2つの異なる大きさの1つのロゴなどについての連続的ないし不変な表示をすることができる。また、図7A及び7Bに示すように、この表示セル32は、少なくとも第1の文字群(図7A)及び第2の文字群(図7B)の動的表示であって、第1及び第2の文字群のそれぞれは、少なくとも第1の大きさを有する第1の文字と、及び第1の文字と同じ意味であるが第1の大きさとは異なる第2の大きさを有する第2の文字とで形成されているものを提供することもできる。これらの両方の場合において、文字は、液晶表示セル32の表示電極によって形成される厚みと同じ厚みのレクチリニア区画に分けられる。
【符号の説明】
【0034】
1 計時器用ムーブメント
2 ディスク
4 アパーチャー
6 制御ステム
8 つまみ
10 日付リング
12 表盤
14 レンチキュラーアレー
16 環状トラック
18 平面
20 シリンドリカルレンズ
22 滑らかな裏面
24 第1の文字のレクチリニア区画
26 第2の文字のレクチリニア区画
28 観察者
30 開口
32 液晶表示セル
O−O 光軸
F 焦点面
P1 平面
L 幅
P2 平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7