特許第6390904号(P6390904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6390904
(24)【登録日】2018年8月31日
(45)【発行日】2018年9月19日
(54)【発明の名称】ステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 5/04 20060101AFI20180910BHJP
   B62D 1/20 20060101ALI20180910BHJP
【FI】
   B62D5/04
   B62D1/20
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-241902(P2014-241902)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-101880(P2016-101880A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100101328
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 実夫
(72)【発明者】
【氏名】中筋 翔
【審査官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−247790(JP,A)
【文献】 特開2014−133557(JP,A)
【文献】 特開2014−113967(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/013490(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04
B62D 1/20
F16B 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アシストモータの回転を減速機により減速してステアリングシャフトに伝達するステアリング装置において、
軸方向を有し、軸方向下部に塑性変形により拡管されたセンサハウジングを含み、前記センサハウジングにトルクセンサを収容し、前記ステアリングシャフトを軸方向に挿通させて回転可能に支持するコラムチューブと、
前記センサハウジングの軸方向下端から所定範囲に設けられた連結領域の内周に対して直接又は間接的に圧入係合された筒部を含み、前記減速機を収容する減速機ハウジングと、
前記コラムチューブの前記連結領域の外周に嵌合され、前記連結領域の拡径を抑制する補強筒と、を備えるステアリング装置。
【請求項2】
請求項1において、前記補強筒としての補強外筒と、前記連結領域の内周に圧入係合された補強内筒と、前記補強外筒と前記補強内筒とを連結する環状壁とを含む二重筒を備えるステアリング装置。
【請求項3】
請求項2において、前記センサハウジングの前記連結領域は、前記補強外筒の内周と前記補強内筒の外周との間に軽圧入されているステアリング装置。
【請求項4】
請求項2または3において、前記二重筒の前記環状壁は、前記センサハウジングの軸方向下端に当接し、
前記補強内筒は、軸方向上端と、前記軸方向上端から延設されて前記トルクセンサを軸方向に位置決めする位置決め凸縁とを含むステアリング装置。
【請求項5】
請求項4において、前記位置決め凸縁と前記トルクセンサとの間に介在する弾性体を備えるステアリング装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項において、前記トルクセンサから延びる配線が、前記センサハウジングに設けられた開口部を通して前記センサハウジング外へ延びており、
前記開口部は、前記センサハウジングの軸方向下端に開放されているステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、コラムチューブの軸方向下部を塑性変形により拡管することにより、センサハウジングを一体に形成するステアリング装置が提案されている。また、センサハウジングに、減速機ハウジングの筒状の上ハウジングをコラムチューブのセンサハウジングに圧入係合することにより、コラムハウジングと減速機ハウジングとが連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−247790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コラムチューブとして、拡管によるセンサハウジングの成形が可能な展性や延性に優れた材料が用いられる。しかしながら、そのような材料は、一般的に硬度や変形強度が低い。そのため、上ハウジング(減速機ハウジング)に対するセンサハウジング(コラムハウジング)の連結強度が低くなる傾向にある。
本発明の目的は、拡管によるセンサハウジングの成形が可能なコラムチューブを用いても、減速機ハウジングに対する当該コラムチューブの連結強度を確保することができるステアリング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、アシストモータ(6)の回転を減速機(7)により減速してステアリングシャフト(3)に伝達するステアリング装置(1)において、軸方向(X)を有し、軸方向下部に塑性変形により拡管されたセンサハウジング(15;15P)を含み、前記センサハウジングにトルクセンサ(8)を収容し、前記ステアリングシャフトを軸方向に挿通させて回転可能に支持するコラムチューブ(13)と、前記センサハウジングの軸方向下端(15L)から所定範囲に設けられた連結領域(RR;RRP)の内周(RRb)に対して直接又は間接的に圧入係合された筒部(36)を含み、前記減速機を収容する減速機ハウジング(14)と、前記コラムチューブの前記連結領域の外周(RRa)に嵌合され、前記連結領域の拡径を抑制する補強筒(41;41P)と、を備えるステアリング装置(1)を提供する。
【0006】
請求項2のように、前記補強筒としての補強外筒(41)と、前記連結領域の内周に圧入係合された補強内筒(42)と、前記補強外筒と前記補強内筒とを連結する環状壁(43)とを含む二重筒(40)を備えていてもよい。
請求項3のように、前記センサハウジングの前記連結領域は、前記補強外筒の内周(41b)と前記補強内筒の外周(42a)との間に軽圧入されていてもよい。
【0007】
請求項4のように、前記二重筒の前記環状壁は、前記センサハウジングの軸方向下端に当接し、前記補強内筒は、軸方向上端(42U)と、前記軸方向上端から延設されて前記トルクセンサを軸方向に位置決めする位置決め凸縁(44)とを含んでいてもよい。
請求項5のように、前記位置決め凸縁と前記トルクセンサとの間に介在する弾性体(45)を備えていてもよい。
【0008】
請求項6のように、前記トルクセンサから延びる配線(16)が、前記センサハウジングに設けられた開口部(17)を通して前記センサハウジング外へ延びており、前記開口部は、前記センサハウジングの軸方向下端に開放されていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、コラムチューブのセンサハウジングの連結領域の内周に対して、減速機ハウジングの筒部が直接または間接的に圧入係合される。一方、連結領域の外周に嵌合された補強筒によって、連結領域の拡径が抑制される。したがって、コラムチューブの材料として、塑性変形による拡管に適した展延性のある材料を用いた場合でも、補強筒によって連結領域の拡径が抑制されるので、減速機ハウジングの筒部に対する連結領域の連結強度が確保される。
【0010】
請求項2の発明によれば、補強筒としての補強外筒と、連結領域に圧入係合された補強内筒とを含む二重筒が構成されているので、連結領域の拡径を抑制する効果を高くすることができる。
請求項3の発明によれば、センサハウジングと二重筒とをサブアセンブリとして取り扱うことが可能となり、組立性がよい。
【0011】
請求項4の発明によれば、二重筒の環状壁のセンサハウジングの軸方向下端が当接した状態で、二重筒の補強内筒から延設された位置決め凸縁によって、トルクセンサを軸方向に位置決めすることができる。
請求項5の発明によれば、位置決め凸縁とトルクセンサとの間に介在する弾性体によって、各部品の寸法誤差を吸収することができる。
【0012】
請求項6の発明によれば、組立時において、トルクセンサをセンサハウジングに装着するときに、同時に、トルクセンサから延びる配線をセンサハウジングの開口部へ装着することができる。これにより、組立性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態のステアリング装置の要部の概略断面図である。
図2】(a)はステアリング装置の要部の分解断面図であり、(b)はセンサハウジングの概略側面図である。
図3】ステアリング装置の要部の拡大断面図である。
図4】(a),(b)はコラムチューブとトルクセンサとの断面図であり、トルクセンサをコラムチューブに組み込む動作を順次に示している。
図5】コラムチューブにトルクセンサと二重筒とが組み付けられたサブアセンブリの概略断面図である。
図6】(a)は本発明の別の実施形態の補強筒および弾性体の断面図であり、(b)は前記補強筒の端面図であり、(c)は前記補強筒に圧入されるセンサハウジングを軸方向下端側から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のステアリング装置の要部の概略断面図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2が一端に連結されたステアリングシャフト3と、インターミディエイトシャフト4を介してステアリングシャフト3と連結された例えばラックアンドピニオン機構等の転舵機構5とを備える。
【0015】
ステアリング装置1は、電動パワーステアリング装置として構成されている。すなわち、ステアリング装置1は、アシスト力を発生するアシストモータ6と、アシストモータ6の出力回転を減速してステアリングシャフト3に伝達する減速機7とを備える。
また、ステアリング装置1は、操舵トルクを検出するトルクセンサ8と、トルクセンサ8によるトルク検出結果や車速センサ9による車速検出結果に基づいてアシストモータ6を駆動制御(アシスト制御)するECU(Electronic Control Unit)10とを備える。
【0016】
また、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3を軸方向Xに挿通させて回転可能に支持し、車体11に固定されるステアリングコラム12を備える。ステアリングコラム12は、コラムチューブ13と、コラムチューブ13の軸方向下部に連結され、減速機7を収容した減速機ハウジング14とを含む。
コラムチューブ13は、その軸方向下部に、塑性変形により拡管されトルクセンサ8を収容したセンサハウジング15を含む。トルクセンサ8は、ステアリングシャフト3を取り囲む環状をなしており、センサハウジング15の内周15bに嵌合保持されている。
【0017】
トルクセンサ8には、当該トルクセンサ8の径方向外方へ延びる配線16が接続されている。配線16は、センサハウジング15の開口部17を通してセンサハウジング15外へ延び、ECU10に接続されている。トルクセンサ8の出力信号は、配線16を介して、ECU10に入力される。
分解断面図である図2(a)やセンサハウジング15の概略側面図である図2(b)に示すように、センサハウジング15の開口部17は、当該開口部17からセンサハウジング15の軸方向下端15Lに軸方向Xに延びる連通溝151を介して、センサハウジング15の軸方向下端15Lに開放されている。
【0018】
トルクセンサ8をコラムチューブ13のセンサハウジング15内に組み付ける際には、図4(a),(b)に順次に示すように、トルクセンサ8を軸方向Xに移動させながら、同時に、配線16を連通溝151を通して開口部17へ挿入する。したがって、作業性が良い。
これに対して、仮に、開口部がセンサハウジングの軸方向下端に開放されていない従来の場合には、まず、トルクセンサを傾倒させた状態で配線を開口部に挿通させ、その後、トルクセンサを傾倒させた状態から徐々に起こしながらセンサハウジング内に挿通する作業が必要であり、作業性が悪い。
【0019】
再び図1を参照して、ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力軸18と、インターミディエイトシャフト4に連なる出力軸19と、入力軸18および出力軸19を同一軸線上に連結するトーションバー20とを備えている。入力軸18に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー20が弾性的にねじり変形し、これにより、入力軸18と出力軸19とが相対回転する。トルクセンサ8は、入力軸18と出力軸19との相対回転に基づいて、操舵トルクを検出する。
【0020】
トルクセンサ8は、入力軸18および出力軸19に関連して設けられた磁気回路形成機構21に生じた磁束に基づいて操舵トルクを検出する。
拡大断面図である図3に示すように、磁気回路形成機構21は、入力軸18および出力軸19の何れか一方に一体回転可能に連結された多極磁石22と、多極磁石22の磁界内に配置され、入力軸18および出力軸19の他方と一体回転可能に連結された一対の磁気ヨーク23とを含み、磁気回路を形成する。
【0021】
トルクセンサ8は、一対の磁気ヨーク23とそれぞれ磁気的に結合された一対の集磁要素としての集磁リング24と、一対の集磁リング24の集磁部(図示せず)間の磁束を検出するホールIC等の磁束検出要素(図示せず)と、これらを保持する樹脂製の環状の本体26とを備えている。配線16は、トルクセンサ8の本体26から径方向外方に延びている。
【0022】
図1に示すように、減速機7は、アシストモータ6により回転駆動されるウォーム軸等の駆動ギヤ27と、駆動ギヤ27と噛み合い、ステアリングシャフト3の出力軸19の外周に一体回転可能に連結されたウォームホイール等の被動ギヤ28とを備えている。
減速機ハウジング14は、駆動ギヤ27を収容保持する筒状の駆動ギヤ収容部29と、被動ギヤ28を収容保持する被動ギヤ収容部30とを、単一の材料で交差状に一体に形成している。
【0023】
被動ギヤ収容部30は、軸方向Xに関して被動ギヤ28の上下に配置された上軸受31および下軸受32を介して、ステアリングシャフト3の出力軸19を回転可能に支持している。
被動ギヤ収容部30は、互いに連結された上ハウジング33と下ハウジング34とを含む。上ハウジング33が、上軸受31を介して出力軸19を回転可能に支持している。下ハウジング34が、下軸受32を介して出力軸19を回転可能に支持している。
【0024】
図3に示すように、上軸受31および下軸受32の各内輪31b,32bは、出力軸19に一体回転可能に嵌合されている。
上ハウジング33は、下ハウジング34の上部内周に圧入係合された外筒35と、内周36bに上軸受31の外輪31aを保持する内筒36と、外筒35と内筒36の軸方向下端間を連結する環状壁37とを備えている。上ハウジング33の外筒35が、下ハウジング34の上部の内周に圧入されることで、上ハウジング33の内筒36が縮径されている。
【0025】
減速機ハウジング14の上ハウジング33の内筒36(筒部に相当)が、コラムチューブ13のセンサハウジング15の軸方向下端15Lから所定範囲に設けられた連結領域RRに対して間接的に圧入係合されている。
具体的には、ステアリング装置1は、コラムチューブ13の連結領域RRを補強するための二重筒40を備えている。二重筒40は、連結領域RRの外周RRaに嵌合され、連結領域RRの拡径を抑制する補強筒としての補強外筒41と、補強内筒42と、補強外筒41と補強内筒42との軸方向下端間を連結する環状壁43とを含む。補強内筒42は、連結領域RRの内周RRbに圧入係合されている。
【0026】
図2(a)および図3に示すように、センサハウジング15の連結領域RRは、補強外筒41の内周41bと補強内筒42の外周42aとの間に軽圧入されている。二重筒40の環状壁43は、センサハウジング15の軸方向下端15Lに当接している。
補強内筒42は、軸方向上端42Uと、軸方向上端42Uから延設されてトルクセンサ8を軸方向Xに位置決めする位置決め凸縁44とを含む。位置決め凸縁44は、補強内筒42の軸方向上端42Uから径方向内方に延設された例えば環状フランジである。
【0027】
位置決め凸縁44は、トルクセンサ8の一端面8a(本体26の端面に相当)に対向する対向面44aを有している。位置決め凸縁44の対向面44aとトルクセンサ8の一端面8aとの間には、ゴムまたは樹脂からなる弾性体45が介在している。弾性体45は、位置決め凸縁44の対向面44aに、接着されていてもよい。その接着は、弾性体45がゴムの場合、加硫接着であってもよい。弾性体45は、トルクセンサ8の一端面8aに接着されていてもよい。
【0028】
図4(b)に示すように、センサハウジング15の内周15bには、トルクセンサ8の他端面8bに当接して、トルクセンサ8を軸方向Xに位置決めする位置決め突起152が形成されている。
本実施形態によれば、コラムチューブ13において塑性変形による拡管により形成されたセンサハウジング15の連結領域RRの内周RRbに対して、減速機ハウジング14の筒部(上ハウジング33の内筒36)が、間接的に圧入係合される。
【0029】
一方、連結領域RRの外周RRaに嵌合された補強筒(補強外筒41)が、連結領域RRの拡径を抑制する。したがって、コラムチューブ13の材料として、塑性変形による拡管に適した展延性のある材料を用いた場合でも、補強筒(補強外筒41)によって、連結領域RRの拡径が抑制されるので、減速機ハウジング14の筒部(内筒36)に対する連結領域RRの連結強度が確保される。
【0030】
また、補強筒としての補強外筒41と、連結領域RRの内周RRbに圧入係合された補強内筒42とを含んで二重筒40が構成されているので、連結領域RRの拡径を抑制する効果を高くすることができる。
また、センサハウジング15の連結領域RRは、補強外筒41の内周41bと補強内筒42の外周42aとの間に軽圧入されている。したがって、組立時において、センサハウジング15と二重筒40とをサブアセンブリSA(図5参照)として取り扱うことが可能となり、組立性がよい。
【0031】
また、図3に示すように、二重筒40の環状壁43は、センサハウジング15の軸方向下端15Lに当接した状態で、二重筒40の補強内筒42から延設された位置決め凸縁44によって、トルクセンサ8を軸方向Xに位置決めすることができる。
また、位置決め凸縁44とトルクセンサ8との間に介在する弾性体45によって、各部品の寸法誤差を吸収することができる。
【0032】
また、センサハウジング15の開口部17が、連通溝151を介してセンサハウジング15の軸方向下端15Lに開放している。したがって、図4(a),(b)に示すように、組立時において、トルクセンサ8をセンサハウジング15に軸方向Xに装着するときに、同時に、トルクセンサ8から延びる配線16をセンサハウジング15の開口部17へ装着することができる。これにより、組立性が向上する。
【0033】
また、センサハウジング15の軸方向下端15Lに連通溝151が形成されていても、補強筒(補強外筒41)で補強されるので、連結強度の低下を抑制することができる。特に、センサハウジング15の連結領域RRの内外に嵌合する二重筒40を用いるので、高い連結強度を確保することができる。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、補強内筒を廃止し、減速機ハウジングの筒部(上ハウジングの内筒)が、センサハウジングの連結領域の内周に直接圧入係合されてもよい。
【0034】
その場合、図6(a),(b)に示すように、補強外筒に相当する単一の補強筒41Pの軸方向字上端41PUと位置決め凸縁44とを連結する複数の連結部46を周方向に等間隔で設け、隣接する連結部46間に、周方向に並ぶ複数の円弧状の挿通孔47を形成してもよい。
また、図6(c)に示すように、センサハウジング15Pの連結領域RRPは、対応する挿通孔47を通して補強筒41Pに圧入される複数の円弧状の部分153に分割される。隣接する円弧状の部分153の間には、センサハウジング15Pの軸方向下端から軸方向に延びるスリット154が形成される。
【0035】
また、補強内筒を廃止する場合、環状壁は、図6(a),(b)に示すように廃止されてもよいが、図5と同じく環状壁を設けておいて、該環状壁によってセンサハウジングに対する軸方向の位置決め機能を果たさせてもよい。
また、トルクセンサ8において、ホールICに代えて磁気抵抗素子を用いてもよい。その他、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0036】
1…ステアリング装置、2…操舵部材、3…ステアリングシャフト、4…インターミディエイトシャフト、5…転舵機構、6…アシストモータ、7…減速機、8…トルクセンサ、8a…一端面、10…ECU、12…ステアリングコラム、13…コラムチューブ、14…減速機ハウジング、15;15P…センサハウジング、15b…内周、15L…軸方向下端、151…連通溝、16…配線、17…開口部、18…入力軸、19…出力軸、20…トーションバー、21…磁気回路形成機構、30…被動ギヤ収容部、31…上軸受、32…下軸受、33…上ハウジング、34…下ハウジング、35…外筒、36…内筒(筒部)、36b…内周、40…二重筒、41…補強外筒、41P…補強筒、41b…内周、42…補強内筒、42a…外周、42U…軸方向上端、43…環状壁、44…位置決め凸縁、45…弾性体、RR;RRP…連結領域、RRa…外周、RRb…内周、SA…サブアセンブリ、X…軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6