(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のアンテナアレイは、前記第2のアンテナアレイから実質的に磁気的に分離されるように、前記第2のアンテナアレイとずれた状態で重なり合う、請求項1に記載のデバイス。
前記第1のアンテナアレイの前記アンテナコイルは実質的に同一平面に位置し、前記第2のアンテナアレイの前記アンテナコイルは実質的に同一平面に位置する、請求項1に記載のデバイス。
前記第1および第2の駆動信号は、周期的な波形を有し、前記第1の駆動信号は、前記第1のワイヤレスフィールドが前記第2のワイヤレスフィールドに対して約90度の位相シフトを有するように、前記第2の駆動信号に対して約90度の位相シフトを有する、請求項1に記載のデバイス。
前記第1のアンテナアレイの前記アンテナコイルは、第1の電気的に接続された巻き線から形成され、前記第2のアンテナアレイの前記アンテナコイルは、第2の電気的に接続された巻き線から形成される、請求項1に記載のデバイス。
前記第1のアンテナアレイは前記アンテナコイルのうちの2つ以上を備え、前記第2のアンテナアレイは前記アンテナコイルのうちの2つ以上を備える、請求項1に記載のデバイス。
前記第1のアンテナアレイの前記アンテナコイルのうちの2つ以上は、前記第1のアンテナアレイに電力が供給された場合に無線で結合するように構成され、前記第2のアンテナアレイの前記アンテナコイルのうちの2つ以上は、前記第2のアンテナアレイに電力が供給された場合に無線で結合するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
前記第1のアンテナアレイの互いに隣接するアンテナコイルは、互いに逆の回転方向に電流を伝送するように構成され、前記第2のアンテナアレイの互いに隣接するアンテナコイルは、互いに逆の回転方向に電流を伝送するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
前記第1のアンテナアレイは、少なくとも2行のアンテナコイルと少なくとも2列のアンテナコイルとを含み、前記第2のアンテナアレイは、少なくとも2行のアンテナコイルと少なくとも2列のアンテナコイルとを含む、請求項1に記載のデバイス。
前記第1および第2のアンテナアレイと前記ドライバ回路とを含む充電パッドをさらに備え、前記充電パッドは、約10インチ(25.4cm)よりも大きい長さと6インチ(15.24cm)よりも大きい幅とを有し、前記充電パッドは、前記第1および第2のワイヤレスフィールドの組合せワイヤレスフィールドを約30ワットよりも高い電力レベルで生成するように構成され、前記組合せワイヤレスフィールドは、少なくとも、前記充電パッドの長さの約2分の1または前記充電パッドの幅の約2分の1のうちの少なくとも一方である充電パッドからの距離によって実質的に減衰する、請求項1に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面に示される様々な特徴部は、一定の縮尺で描かれていない場合がある。したがって、様々な特徴部の寸法は、明快のために、恣意的に拡大または縮小されている場合がある。加えて、図面のいくつかは、所与のシステム、方法、またはデバイスの構成要素のすべてを示していないことがある。最後に、同様の参照番号は、本明細書および図を通して同様の特徴部を示すために使用され得る。
【0010】
添付の図面に関連させて下記に記載される詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の説明を目的としたものであり、本発明を実践できる唯一の実施形態を表すことを意図したものではない。この説明を通して使用される「例示的」という語は、「例、実例、または説明として役立つ」ことを意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましい、または有利であると解釈すべきではない。詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の完全な理解を得ることを目的として具体的な詳細を含んでいる。しかしながら、本発明の例示的な実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実践することができる。場合によっては、本明細書に提示する例示的な実施形態の新規性を曖昧にするのを回避するために、よく知られている構造およびデバイスがブロック図の形式で示されている。
【0011】
電力を無線で伝達することは、物理的な電気導体を使用することなく、電場、磁場、電磁場などに関連する任意の形態のエネルギーを送信機から受信機に伝達することを指し得る(たとえば、電力は、自由空間を通して伝達され得る)。電力伝達を実現するために、ワイヤレスフィールド(たとえば、磁場)内に出力された電力は、「受信コイル」または「受信アンテナ」によって受信され、捕捉され、または結合されてもよい。
【0012】
図1は、本発明の例示的な実施形態による、例示的な無線電力伝達システム100の機能ブロック図である。エネルギー伝達を可能にするための場(field)105を生成するために、電源(図示せず)から送信機104に入力電力102を供給してよい。受信機108は、場105に結合され、出力電力110に結合されたデバイス(図示せず)によって蓄積または消費するための出力電力110を生成してよい。送信機104と受信機108の両方は、距離112だけ離されている。例示的な一実施形態では、送信機104および受信機108は、相互の共振関係に従って構成される。受信機108の共振周波数と送信機104の共振周波数が、ほぼ同じか、または極めて近いとき、送信機104と受信機108との間の伝送損失は最小となる。したがって、コイルが極めて近い(たとえば、数mm)ことが必要な大型のコイルを必要とする可能性がある純粋に誘導性のソリューションとは対照的に、より長い距離にわたって無線電力伝達を可能にすることができる。したがって、共振誘導結合技法は、効率を改善するとともに、様々な距離にわたって、かつ様々な誘導コイル構成を用いて、電力伝達を可能にし得る。
【0013】
受信機108は、送信機104によって生成されたエネルギー場(energy field)105に位置するとき、電力を受け取ることができる。場105は、送信機104によって出力されたエネルギーが受信機108によって捕捉され得る領域に対応する。場合によっては、場105は、下記でさらに説明するように、送信機104の「近接場」に相当してよい。送信機104は、エネルギー伝送を出力するための送信コイル114を含んでよい。さらに、受信機108は、エネルギー伝送からのエネルギーを受信または捕捉するための受信コイル118を含む。近接場は、送信コイル114から電力を最小限に放射する送信コイル114内の電流および電荷に起因する強い反応場が存在する領域に相当してよい。場合によっては、近接場は、送信コイル114の約1波長(または波長の数分の一)内にある領域に相当してよい。送信コイル114および受信コイル118は、それらに関連する適用例およびデバイスに応じてサイズを決定される。上述のように、効率的なエネルギー伝達は、電磁波のエネルギーの大部分を非近接場に伝播するのではなく、送信コイル114の場105のエネルギーの大部分を受信コイル118に結合することによって生じさせることができる。場105内に位置するとき、送信コイル114と受信コイル118との間に、「結合モード」を発生させることができる。この結合が起こり得る、送信コイル114および受信コイル118の周りの領域を、本明細書では結合モード領域と呼ぶ。
【0014】
図2は、本発明の様々な例示的な実施形態による、
図1の無線電力伝達システム100において使用できる例示的な構成要素の機能ブロック図である。送信機204は、発振器222と、ドライバ回路224と、フィルタ/整合回路226とを含むことができる、送信回路206を含んでよい。発振器222は、周波数制御信号223に応答して調整され得る、468.75KHz、6.78MHz、または13.56MHzなどの所望の周波数の信号を生成するように構成され得る。発振器信号は、たとえば送信コイル214の共振周波数で送信コイル214を駆動するように構成されたドライバ回路224に供給され得る。ドライバ回路224は、発振器222から方形波を受け取り、正弦波を出力するように構成されたスイッチング増幅器であってよい。たとえば、ドライバ回路224は、E級増幅器であってよい。また、フィルタ/整合回路226は、高調波または他の不要な周波数をフィルタ処理し、送信機204のインピーダンスを送信コイル214に整合させるために含まれ得る。
【0015】
受信機208は、整合回路232と、
図2に示すバッテリー236を充電するか、または受信機208に結合されたデバイス(図示せず)に電力を供給するために、AC電力入力からDC電力出力を生成するための整流器/スイッチング回路234とを含み得る受信回路210を含んでよい。整合回路232は、受信回路210のインピーダンスを受信コイル218に整合させるために含まれ得る。加えて、受信機208と送信機204は、別々の通信チャネル219(たとえば、ブルートゥース(登録商標)、zigbee、セルラーなど)上で通信してよい。別法として、受信機208および送信機204は、ワイヤレスフィールド206の特性を使用したバンド内信号伝達を介して通信することができる。
【0016】
下記でより十分に説明するように、選択的に無効にできる関連する負荷(たとえばバッテリー236)を最初に有することができる受信機208は、送信機204によって伝送され、受信機208によって受け取られる電力の量が、バッテリー236を充電するのに適切であるかどうかを判定するように構成できる。さらに、受信機208は、電力量が適切であると判定すると、負荷(たとえば、バッテリー236)を有効にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、受信機208は、バッテリー236を充電することなく、無線電力伝達場から受け取った電力を直接利用するように構成され得る。たとえば、近接場通信(NFC)または無線周波数識別デバイス(RFID)などの通信デバイスは、無線電力伝達場から電力を受け取り、無線電力伝達場と相互作用することによって通信し、かつ/または送信機204もしくは他のデバイスと通信するために受信電力を利用するように構成され得る。
【0017】
図3は、本発明の例示的実施形態による、送信または受信コイル352を含む、
図2の送信回路206または受信回路210の一部の概略図である。
図3に示されるように、例示的な実施形態において使用される送信回路または受信回路350は、コイル352を含んでよい。また、コイルは、「ループ」アンテナ352と呼ばれるか、または「ループ」アンテナ352として構成されてよい。また、コイル352は、本明細書では、「磁気」アンテナもしくは誘導コイルと呼ばれるか、または「磁気」アンテナもしくは誘導コイルとして構成されてよい。「コイル」という用語は、別の「コイル」に結合されるエネルギーを無線で出力するかまたは受け取ることができる構成要素を指すことが意図される。コイルは、電力を無線で出力するかまたは受け取るように構成されるタイプの「アンテナ」と呼ばれてもよい。コイル352は、空芯、またはフェライトコアなどの物理的コア(図示せず)を含むように構成され得る。空芯ループコイルは、コアの近傍に配置された無関係の物理デバイスに対して、より耐用性がある可能性がある。さらに、空芯ループコイル352により、他の構成要素をコア領域内に配置することが可能になる。加えて、空芯ループは、受信コイル218(
図2)を送信コイル214(
図2)の平面内に配置することをより容易に可能にすることができ、送信コイル214(
図2)の結合モード領域は、より強力になり得る。
【0018】
上述のように、送信機104と受信機108との間のエネルギーの効率的な伝達は、送信機104と受信機108との間に整合した共振またはほぼ整合した共振が生じている間に行われ得る。しかしながら、送信機104と受信機108との間の共振が整合しないときでも、エネルギーを伝達することができるが、効率に影響を及ぼす可能性がある。エネルギーの伝達は、送信コイルの場105からのエネルギーを、近傍にある受信コイルに結合することによって行われ、この場105は、送信コイルからのエネルギーを自由空間に伝播させる代わりに確立される。
【0019】
ループコイルまたは磁気コイルの共振周波数は、インダクタンスおよびキャパシタンスに基づいている。インダクタンスは単にコイル352によって生成されたインダクタンスである可能性があるが、キャパシタンスは、所望の共振周波数の共振構造を生成するためにコイルのインダクタンスに加えられ得る。一例として、共振周波数で信号358を選択する共振回路を生成するために、送信回路または受信回路350にキャパシタ354およびキャパシタ356を加えてよい。したがって、より大きい直径のコイルでは、共振を持続させるのに必要なキャパシタンスのサイズは、ループの直径またはインダクタンスが増加するにつれて減少してよい。さらに、コイルの直径が増加するにつれて、近接場の効率的なエネルギー伝達面積は増加し得る。他の構成要素を使用して形成される他の共振回路も考えられる。別の例として、コイル352の2つの端子間に並列にキャパシタを配置してよい。送信コイルに関して、コイル352の共振周波数にほぼ対応する周波数を有する信号358がコイル352への入力であってよい。
【0020】
一実施形態では、送信機104は、送信コイル114の共振周波数に対応する周波数を有する、時間変動する磁場を出力するように構成され得る。受信機が場105内にあるとき、時間変動する磁場は、受信コイル118内に電流を誘導することができる。上述のように、受信コイル118が送信コイル114の周波数で共振するように構成される場合、エネルギーを効率的に伝達することができる。受信コイル118内に誘導されたAC信号は、負荷を充電するかまたは負荷に電力を供給するために供給され得るDC信号を生成するために、上述のように整流され得る。
【0021】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、
図1の無線電力伝達システムにおいて使用できる送信機404の機能ブロック図である。送信機404は、送信回路406と、送信コイル414とを含んでよい。送信コイル414は、
図3に示すコイル352であってよい。送信回路406は、送信コイル414の周りにエネルギー(たとえば、磁束)を発生させる発振信号を生成することにより、送信コイル414にRF電力を供給してよい。送信機404は、任意の適切な周波数で動作してよい。例として、送信機404は、13.56MHzのISM帯域において動作してもよい。
【0022】
送信回路406は、送信回路406のインピーダンス(たとえば、50オーム)を送信コイル414に整合させるための固定インピーダンス整合回路409と、高調波放射を受信機108(
図1)に結合されたデバイスの自己ジャミングを防ぐレベルまで低減させるように構成されたローパスフィルタ(LPF)408とを含んでよい。他の例示的な実施形態は、特定の周波数を減衰させる一方で、他の周波数は通過させるノッチフィルタを含むが、それに限定されない、異なるフィルタトポロジを含み得ると共に、コイル414への出力電力、またはドライバ回路424によって引き出されるDC電流などの測定可能な送電メトリックに基づいて変化し得る、適応インピーダンス整合を含み得る。送信回路406は、発振器423によって決定されるRF信号を駆動するように構成されたドライバ回路424をさらに含む。送信回路406は、個別のデバイスまたは回路から構成されても、または代わりに、一体型アセンブリから構成されてもよい。送信コイル414から出力される例示的なRF電力は、2.5ワット程度であってよい。
【0023】
送信回路406は、発振器423の周波数または位相を調整し、かつ取り付けられた受信機を介して隣接するデバイスと対話するための通信プロトコルを実装するように出力電力レベルを調整するために、特定の受信機の送信フェーズ(またはデューティサイクル)の間に発振器423を選択的に有効にするためのコントローラ415をさらに含んでよい。コントローラ415は、本明細書ではプロセッサ415と呼ばれることもあることに留意されたい。発振器位相および送信経路内の関連する回路の調整により、特に、ある周波数から別の周波数に移行する際の帯域外放射の低減が可能になり得る。
【0024】
送信回路406は、送信コイル414によって生成された近接場の近傍における作動中の受信機の有無を検出するための負荷感知回路416をさらに含んでよい。例として、負荷感知回路416は、下記でさらに説明するように、送信コイル414によって生成された場の近傍における作動中の受信機の有無によって影響を及ぼされ得るドライバ回路424に流れる電流を監視する。ドライバ回路424上の負荷に対する変化の検出は、エネルギーを伝送するために発振器423を有効にすべきかどうか、および作動中の受信機と通信すべきかどうかを決定する際に使用するために、コントローラ415によって監視される。下記でより十分に説明するように、ドライバ回路424で測定される電流は、無効なデバイスが送信機404の無線電力伝達領域内に位置するかどうかを判定するために使用され得る。
【0025】
送信コイル414は、リッツ線とともに、または抵抗損を低く保つために選択された厚さ、幅、および金属のタイプを有するアンテナストリップとして実装され得る。一実装形態では、送信コイル414は、一般に、テーブル、マット、ランプ、または他の携帯性の低い構成などの、より大きい構造と関連付けて構成され得る。したがって、送信コイル414は、一般に、実用的な寸法となるように、「巻くこと」を必要としない場合がある。送信コイル414の例示的な実装形態は、共振周波数を規定するためにキャパシタを使用することにより、「電気的に小型」(すなわち、波長の数分の一)になり得ると共に、より低い使用可能な周波数で共振するように同調され得る。
【0026】
送信機404は、送信機404に関連し得る受信機デバイスの所在および状態に関する情報を収集および追跡してよい。したがって、送信回路406は、(本明細書ではプロセッサとも呼ばれる)コントローラ415に接続される、存在検出器480、密閉型検出器460、またはこれらの組合せを含んでよい。コントローラ415は、存在検出器480および密閉型検出器460からの存在信号に応答して、ドライバ回路424により送出される電力量を調整してよい。送信機404は、たとえば、ビル内にある従来のAC電力を変換するためのAC-DCコンバータ(図示せず)、従来のDC電源を送信機404に適した電圧に変換するためのDC-DCコンバータ(図示せず)などのいくつかの電源を介して、または従来直接のDC電源(図示せず)から、電力を受け取ってよい。
【0027】
一例として、存在検出器480は、送信機404のカバー領域に挿入される、充電されるべきデバイスの最初の存在を感知するために利用される運動検出器であってよい。検出後、送信機404はオンにされてよく、デバイスによって受け取られるRF電力は、所定の方法でRxデバイス上のスイッチを切り替えるために使用されてよく、これにより次に、送信機404の駆動点インピーダンスに対する変化をもたらす。
【0028】
別の例として、存在検出器480は、たとえば、赤外線検出手段、運動検出手段、または他の適切な手段によって人を検出することが可能な検出器であってよい。いくつかの例示的な実施形態では、送信コイル414が特定の周波数で送信することができる電力量を制限する規定が存在してよい。場合によっては、これらの規定は、人を電磁放射から守ることを意図されている。しかしながら、送信コイル414が、人によって占有されないか、または人によって占有される頻度が低い領域に位置する、たとえば、ガレージ、工業の現場、店舗などのような環境が存在し得る。これらの環境に人間がいない場合は、通常の電力制限規定を超えて送信コイル414の電力出力を増加させることを許容し得る。言い換えれば、コントローラ415は、人の存在に応答して、送信コイル414の電力出力を、規制レベルまたはそれ未満に調整し、人が送信コイル414の電磁場から規制距離の外側にいる場合は、送信コイル414の電力出力を、規制レベルを超えるレベルに調整してよい。
【0029】
一例として、密閉型検出器460(本明細書では、密閉型コンパートメント検出器または密閉型空間検出器と呼ばれることもある)は、包囲体が閉状態または開状態であることを判定するための感知スイッチなどのデバイスであってよい。送信機が閉状態の包囲体内にあるとき、送信機の電力レベルを増加させてよい。
【0030】
例示的な実施形態では、送信機404がいつまでもオンのままではない方法を使用してよい。この場合、送信機404は、ユーザが決定した時間の経過後に停止するようにプログラムされ得る。この特徴は、送信機404の周囲の無線デバイスが完全に充電された後、送信機404、特にドライバ回路424が長く動作するのを防ぐ。このイベントは、回路が、リピータまたは受信コイルより送信された、デバイスが完全に充電されたという信号を検出することができなかったためである可能性がある。その周囲に別のデバイスが配置されている場合に、送信機404が自動的に停止することを防止するために、送信機404の自動停止機能は、その周囲で動作が検出されずに、定められた期間が経過した後にだけ、アクティブ化されてよい。ユーザが、望み通りに、無活動時間間隔を決定し、それを変更できてよい。一例として、この時間間隔は、特定のタイプの無線デバイスが最初に完全に放電したという仮定の下に、そのデバイスを完全に充電するのに必要な時間間隔よりも長くてよい。
【0031】
図5は、本発明の例示的な実施形態による、
図1の無線電力伝達システムにおいて使用できる受信機508の機能ブロック図である。受信機508は、受信コイル518を含み得る受信回路510を含む。受信機508は、受信電力を提供するために、デバイス550にさらに結合する。受信機508は、デバイス550の外部にあるものとして示されているが、デバイス550に統合されてよいことに留意されたい。エネルギーは、受信コイル518に無線で伝播され、次いで受信回路510の残りの部分を介してデバイス550に結合され得る。例として、充電デバイスには、モバイルフォン、携帯型音楽プレーヤ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、コンピュータ周辺デバイス、通信デバイス(たとえば、ブルートゥース(登録商標)デバイス)、デジタルカメラ、補聴器(または他の医療用デバイス)などのデバイスが含まれ得る。
【0032】
受信コイル518は、送信コイル414(
図4)と同じ周波数で、または特定の周波数範囲内で共振するように同調され得る。受信コイル518は、送信コイル414と同様の寸法を有しても、または関連するデバイス550の寸法に基づいて異なるサイズを有してもよい。例として、デバイス550は、送信コイル414の直径または長さよりも小さい直径寸法または長さ寸法を有するポータブル電子デバイスであってよい。そのような例では、受信コイル518は、同調キャパシタ(図示せず)のキャパシタンス値を低減させ、受信コイルのインピーダンスを増加させるために多巻きコイルとして実装され得る。例として、受信コイル518は、コイルの直径を最大化し、受信コイル518のループ巻き数(すなわち、巻回)および巻線間キャパシタンスを低減するために、デバイス550の実質的な外周の周りに配置されてよい。
【0033】
受信回路510は、受信コイル518に対するインピーダンス整合を可能にしてよい。受信回路510は、受け取られたRFエネルギー源をデバイス550が使用するための充電電力に変換するための電力変換回路506を含む。電力変換回路506は、RF-DC変換器520を含み、さらにDC-DC変換器522を含んでもよい。RF-DC変換器520は、受信コイル518で受け取られたRFエネルギー信号を、V
rectで表される出力電圧を有する非交流電力に整流する。DC-DC変換器522(または他の電力調整器)は、整流されたRFエネルギー信号を、V
outおよびI
outによって表される出力電圧および出力電流を有する、デバイス550に適合したエネルギーポテンシャル(たとえば電圧)に変換する。部分的および完全な整流器、調整器、ブリッジ、ダブラー、ならびにリニア変換器およびスイッチング変換器を含む、様々なRF-DC変換器が企図される。
【0034】
受信回路510は、受信コイル518を出力変換回路506に接続するための、あるいは出力変換回路506を切断するための、スイッチング回路512をさらに含んでよい。電力変換回路506から受信コイル518を切断することにより、デバイス550の充電を中断するだけでなく、送信機404(
図2)から「見た」「負荷」も変化する。
【0035】
上記で開示したように、送信機404は、送信機ドライバ回路424に供給されるバイアス電流の変動を検出することができる負荷感知回路416を含む。したがって、送信機404は、受信機が送信機の近接場内に存在することを判定するための機構を有する。
【0036】
複数の受信機508が送信機の近接場内に存在するとき、他の受信機をより効率的に送信機に結合させるために、1つまたは複数の受信機の装荷および除荷を時間多重化することが望ましい場合がある。受信機508はまた、他の近くの受信機への結合を解消するか、または近くの送信機への装荷を低減させるためにクローキング(cloaking)され得る。受信機のこの「除荷」は、本明細書では「クローキング」としても知られる。さらに、受信機508によって制御され送信機404によって検出される、除荷と装荷との間のこのスイッチングは、下記でより十分に説明するように、受信機508から送信機404への通信機構を実現することができる。加えて、受信機508から送信機404にメッセージを送信することを可能にするプロトコルが、このスイッチングに関連付けられ得る。例として、スイッチング速度は、100μ秒程度であってよい。
【0037】
例示的な実施形態では、送信機404と受信機508との間の通信は、従来の双方向通信(すなわち、結合場を使用したバンド内信号伝達)ではなく、デバイス感知および充電制御機構のことを指す。言い換えれば、送信機404は、エネルギーが近接場で利用可能であるかどうかを調整するために、送信信号のオン/オフキーイングを使用してよい。受信機は、これらのエネルギー変化を送信機404からのメッセージとして解釈してよい。受信機側から、受信機508は、どれくらいの電力が場から受け入れられているかを調整するために、受信コイル518の同調および非同調を使用してよい。場合によっては、同調および非同調は、スイッチング回路512を介して実現され得る。送信機404は、使用される電力のこの差を場から検出し、これらの変化を受信機508からのメッセージとして解釈してよい。送信電力の変調および負荷挙動の他の形態を利用してよいことに留意されたい。
【0038】
受信回路510は、送信機から受信機への情報信号伝達に対応し得る、受信エネルギーの変動を識別するために使用される、信号伝達検出器/ビーコン回路514をさらに含んでよい。さらに、信号伝達/ビーコン回路514は、受信回路510を無線充電が可能なように構成するために、低減されたRF信号エネルギー(すなわち、ビーコン信号)の送信を検出し、かつ低減されたRF信号エネルギーを公称電力に整流し、受信回路510内の電力を供給されていない回路または電力が枯渇した回路のいずれかを呼び起こすために使用されてもよい。
【0039】
受信回路510は、本明細書で説明するスイッチング回路512の制御を含む、本明細書で説明する受信機508のプロセスを調整するためのプロセッサ516をさらに含む。また、受信機508のクローキングは、充電電力をデバイス550に提供する外部の有線充電ソース(たとえば、壁コンセント/USB電力)の検出を含む他のイベントが発生したときにも行われる可能性がある。プロセッサ516は、受信機のクローキングを制御するのに加えて、ビーコン回路514を監視してビーコン状態を判定し、送信機404から送信されたメッセージを抽出してもよい。プロセッサ516は、性能の改善のためにDC-DC変換器522を調整してもよい。
【0040】
図6は、
図4の送信回路406に使用され得る送信回路600の一部分の概略図である。送信回路600は、上記で
図4において説明したように、ドライバ回路624を含んでよい。上述のように、ドライバ回路624は、方形波を受け取り、送信回路650に供給する正弦波を出力するように構成され得るスイッチング増幅器であってよい。場合によっては、ドライバ回路624は、増幅器回路と呼ばれることがある。ドライバ回路624は、E級増幅器として示されているが、本発明の実施形態によって任意の適切なドライバ回路624が使用されてよい。ドライバ回路624は、
図4に示されるように、発振器423からの入力信号602によって駆動され得る。また、ドライバ回路624は、送信回路650を介して送出され得る最大電力を制御するように構成された駆動電圧V
Dを提供され得る。高調波を解消または低減させるために、送信回路600は、フィルタ回路626を含んでよい。フィルタ回路626は、3極(キャパシタ634、インダクタ632、およびキャパシタ636)ローパスフィルタ回路626であってよい。
【0041】
フィルタ回路626によって出力された信号は、コイル614を含む送信回路650に提供され得る。送信回路650は、ドライバ回路624によって供給されるフィルタ処理済み信号の周波数で共振し得る、キャパシタンス620および(たとえば、コイルのインダクタンスもしくはキャパシタンス、または追加のキャパシタ構成要素に起因する可能性がある)インダクタンスを有する直列共振回路を含んでよい。送信回路650の負荷は、可変抵抗器622によって表すことができる。この負荷は、送信回路650から電力を受け取るように配置された無線電力受信機508の関数であってよい。
【0042】
場合によっては、充電パッドなどの大きい充電表面が望ましい場合がある。たとえば、大きい寸法を有する充電パッドは、ラップトップ、メディアシステム、車両、および/または同様のデバイスに有効である場合があり、あるいは複数のデバイスを同時に充電する場合に有効であることがある。充電パッドのより大きい寸法を実現するための1つの方法は、送信アンテナまたはコイルのサイズを大きくすることである。しかし、送信コイルのサイズを大きくし、一方、充電のためのいくつかの電力レベル目標を維持すると、ワイヤレスフィールドが充電パッドの表面から伝搬する可能性がある距離が長くなることがある。たとえば、生成された電磁界は、無線電力送信機から意図しない距離にわたって伝搬する場合があり望ましくない。電磁界が放射すると、近くの物体およびデバイスが干渉を受け、電力損失が増大することがあり望ましくない。一態様では、本明細書で開示するいくつかの例示的な実施形態は、ワイヤレスフィールドを望ましくない距離にわたって伝搬させずに電子デバイスを充電するかまたは電子デバイスに電力を供給するのに十分な表面の上方にワイヤレスフィールドを生成することに関する。非限定的な例として、互いに直交する(たとえば、無線で分離されならびに/あるいは磁気的に分離された)第1および第2のアンテナアレイならびに送信アンテナアレイを互いに直交する方向(たとえば、充電するならびに/あるいは電力を供給するのに実質的に非干渉)に駆動するように構成された送信回路について説明する。
【0043】
図7は、例示的な実施形態による無線電力伝達システム700の機能ブロック図である。無線電力伝達システム700は、ドライバ回路702と、第1および第2の駆動ライン706、708によって相互接続された充電パッド704とを含んでもよい。充電パッド704は、複数のアンテナコイル712、714、716を有する第1のアンテナアレイ710を含んでもよく、第2のアンテナアレイ720は、複数のアンテナコイル722、724、726を含んでもよい。
【0044】
ドライバ回路702は、第1および第2の駆動ライン706、708上の出力として第1および第2の駆動信号を生成するように構成されることが可能である。たとえば、ドライバ回路702は、充電パッド704に電力を供給するための第1および第2の駆動信号を生成するために電力を供給するための電源(図示せず)に動作可能に結合されてもよい。例示的な図示の実施形態では、第1および第2の駆動信号は、第1および第2のアンテナアレイ710、720に電力を供給してそれぞれ、第1および第2のワイヤレスフィールド730、732をある周波数で生成することができる。充電パッド704の生成されたワイヤレスフィールド730、732は、充電可能なデバイス(図示せず)を無線で充電するかまたは充電可能なデバイスに電力を供給することが可能である。無線で電力を結合する方法は、交流電流の磁気結合によるものであってもよい。
【0045】
以下でさらに詳細に説明するように、ドライバ回路702は、第2のワイヤレスフィールド732に対して直交するように第1のワイヤレスフィールド730を生成するように(たとえば、充電パッド704上の所与の位置において、第1のワイヤレスフィールド730と第2のワイヤレスフィールド732との間に約90度の位相差がある)駆動信号を生成するように構成されることが可能である。たとえば、第1の駆動信号と第2の駆動信号は直交してもよく、たとえば、第1および第2の駆動信号は、正弦波などの実質的に周期的な波形を有し、第1の駆動信号と第2の駆動信号との間の相対位相シフトが約90度であってもよい。
【0046】
例示的な一実施形態では、ドライバ回路702は、商用電源(mains utility)またはその他の入力電源に接続されてもよく、入力電源を数百ヘルツからメガヘルツまでの範囲のより高い周波数に変換するように構成されてもよい。他の態様では、ドライバ回路702は、数百ヘルツよりも低い周波数または1メガヘルツを超える周波数に電力を変換してもよい。いくつかの態様では、ドライバ回路702の電力出力は、数ワットから約100ワットまでの範囲であってもよい。しかし、入力電源を任意の実用的な電力レベルにスケーリングすることが可能であることが諒解されよう。他の態様では、電力出力の範囲は、数ワットよりも低くてもよくあるいは数キロワットを超えてもよい。任意の適用可能な電源、周波数範囲、および/または電力範囲が選択されてもよいことが諒解されよう。
【0047】
充電パッド704は、第1および第2の駆動ライン706、708上で伝送される第1および第2の駆動信号を入力として受信するように構成し、かつワイヤレスフィールド730、732を出力として生成するように構成されることが可能である。充電パッド704は、1つまたは複数の電気デバイスを支持するのに有効な実質的に平坦な表面であってもよい。たとえば、充電パッド704は、テーブルの上面の一部であってもよい。充電パッド704は、たとえば、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピューティングデバイス、2つ以上のポータブルデバイス、および/または同様の充電可能デバイスを収容するサイズを有することが可能である。それぞれに異なる形状、サイズ、および向きを有する多数の他の構成が想定されかつ本開示の趣旨の範囲内である。例として、充電パッド704表面は、冷蔵庫などの物品上に位置してもよく、またはキッチンカウンタなどの表面の一部内に組み込まれてもよい。他の例では、充電パッド704表面は、たとえば図示のように、水平に向けられてもよく、または、たとえば壁に沿って垂直に向けられるかあるいは壁の内部で垂直に向けられてもよい。充電可能デバイスは、特に、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはテレビであってもよい。
【0048】
充電パッド704の第1のアンテナアレイ710は、複数のアンテナコイル712、714、716を含むことが可能である。第1のアンテナアレイ710は、電力を供給されたときに、第1のワイヤレスフィールド730を生成するように構成されることが可能である。たとえば、第1の駆動信号は、電力を供給されたコイルの集合が第1のワイヤレスフィールドを形成するワイヤレスフィールドを生成するようにアンテナコイル712、714、716のうちの1つまたは複数あるいはアンテナコイル712、714、716の各々に電力を供給することができる。一実施形態では、第1のワイヤレスフィールドは実質的に、ある周波数で変化する磁場であってもよい。
【0049】
充電パッド704の第2のアンテナアレイ720は、複数のアンテナコイル722、724、726を含むことが可能である。第2のアンテナアレイ720は、電力を供給されたときに、第2のワイヤレスフィールド732を生成するように構成されることが可能である。たとえば、第2の駆動信号は、電力を供給されたコイルの集合が第2のワイヤレスフィールドを形成するワイヤレスフィールドを生成するようにアンテナコイル722、724、726のうちの1つまたは複数あるいはアンテナコイル722、724、726の各々に電力を供給することができる。一実施形態では、第2のワイヤレスフィールドは実質的に、ある周波数で変化する磁場であってもよい。
【0050】
一実施形態では、第1のアンテナアレイ710と第2のアンテナアレイ720は、少なくとも部分的に重なり合うように位置することが可能である。たとえば、第1のアンテナアレイ710は、第2のアンテナアレイよりも上方に位置する充電パッド704の第1の層を形成することができ、第2のアンテナアレイは、充電パッド704の第2の層を形成する。したがって、生成される第1および第2のワイヤレスフィールド730、732は充電パッド704の少なくとも一部上で空間的に一致することが可能である。
【0051】
アンテナコイル712、714、716、722、724、726は、交流を伝導させてワイヤレスフィールドを生成することができる。一実施形態によれば、コイル712、714、716、722、724、726は、リッツ線のコイルから形成されてもよい。各コイルは、無線電力伝送に有効な任意の適用可能な内径および外径を有することができる。
【0052】
追加または代替として、第1のアンテナアレイ710のアンテナコイル712、714、716は、折畳みアンテナとして構成されてもよい。折畳みアンテナの例には、互いに隣接するアンテナコイルが互いに逆の極性または互いに異なる極性を有するようにこれらのアンテナコイルに電力が供給されるように構成された2本以上のアンテナコイルが含まれる。たとえば、電流を互いに逆の回転方向または互いに異なる回転方向に伝導させるかまたは伝送するように互いに隣接するコイルを構成することができる。たとえば、コイルが隣接するコイルに直列に接続され、隣接するコイルに対して逆巻きされてもよい。別の例として、互いに隣接するコイルが、たとえば、駆動ラインとコイルの端子との接続を逆にすることによって、互いに逆の極性または互いに異なる極性を有するように駆動されるかまたは電力を供給されてもよい。したがって、例示的な一実施形態では、電流は、コイル712を通って時計回りに流れる場合、コイル714を逆時計回りに流れる。
【0053】
したがって、一方のコイルの中央で生成されたワイヤレスフィールドが上向きである(たとえば、あるコイルが正極を形成し、正極性を有するワイヤレスフィールドを生成する)とき、他方のコイルの中央で生成されたワイヤレスフィールドは下向きである(たとえば、他のコイルが負極を形成し、負極性を有するワイヤレスフィールドを生成する)。同様に、コイル714とコイル716は互いに隣接してもよく、コイル714は、コイル716に対して逆巻きされるかあるいは逆の極性または異なる極性を有するように接続されてもよい。逆巻きされた互いに隣接するコイルおよび/または交番極性のパターンは、適用可能な数の次元において(たとえば、2次元アレイ)第1のアンテナアレイ710における任意の適用可能に数のコイルにわたって継続することができる。特定の実施形態では、第1のアンテナアレイ710のコイルの数は、(たとえば、
図9に関してさらに詳しく説明するように第1の次元に沿って)約2個〜6個とすることができる。さらに、折畳みアンテナ構成では、アンテナアレイのコイルは、単一のワイヤまたは回路などの導電巻き線から形成することができ、あるいはそれぞれの駆動ラインによって各々駆動される別個の回路として形成することができる。
【0054】
追加または代替として、第2のアンテナアレイ720のアンテナコイル722、724、726は、第1のアンテナアレイ710のコイル712、714、716に関して説明したのと同様に、折畳みアンテナとして構成されてもよい。特定の実施形態では、第2のアンテナアレイ720のコイルの数は、第2の次元に沿って(たとえば、第1の次元に沿って)約2個〜約6個とすることができる。
【0055】
図示されていないが、いくつかの実施形態では、充電パッドは磁性材料(たとえば、フェライト構造)と導電バックプレートとをさらに含んでもよい。たとえば、コイル712、714、716、722、724、726は、磁性材料よりも上方に位置してもよく、磁性材料は導電バックプレートよりも上方に位置してもよい。さらに、充電パッド704は、導電シールドと磁性材料との間および磁性材料とコイル712、714、716、722、724、726との間に絶縁層を含んでもよい。
【0056】
図8および
図9に関して以下でさらに詳細に説明するように、少なくとも1つのアンテナアレイを含む場合、このような第1および/または第2のアンテナアレイ710、720は、ワイヤレスフィールドが充電パッド704の表面から伝搬する距離をそれほど長くすることなしに充電パッド704のサイズを大きくするのを助けることができる。追加または代替として、少なくとも2つのアンテナアレイを含む場合、このような第1および第2のアンテナアレイ710、720は、充電パッド704の所望の表面にわたってワイヤレスフィールドを生成する際に充電パッド704の効果を向上させるのを助けることができる。
【0057】
たとえば、特定の例示的な一実施形態では、充電パッド704は、少なくとも概ねラップトップのサイズの充電領域を有することができる。いくつかの実施形態では、充電パッド704の充電領域は、約10インチ(25.4cm)よりも大きい長さと約6インチ(15.24cm)よりも大きい幅とを有することができる。充電パッド704は、ラップトップ(図示せず)に選択的に電力を供給しならびに/あるいはラップトップを選択的に充電するのに十分な電力レベルで第1および第2のワイヤレスフィールド730、732の組合せワイヤレスフィールドまたは複合ワイヤレスフィールドを生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、組合せワイヤレスフィールドは、実質的なデッドゾーンを有さない場合がある。たとえば、組合せワイヤレスフィールドは、デバイスが充電パッド704の表面上に配置されかつ充電領域内に配置される限り、ワイヤレスフィールドがデバイスの位置とは無関係に充電および/または電力供給に関して有効である場合、実質的なデッドゾーンを有さない。電力供給および/または充電に関して有効なワイヤレスフィールドの一例は、30ワットを実現するワイヤレスフィールドである。電力供給および/または充電に関して有効なワイヤレスフィールドの別の例は、約15〜30ワットを実現するワイヤレスフィールドである。充電パッド704は、組合せワイヤレスフィールドが個々のコイルの概ね直径に等しい高さを超えると実質的に減衰するように、第1および第2のワイヤレスフィールドの組合せワイヤレスフィールドを生成するように構成されることが可能である。ワイヤレスフィールドが実質的に減衰する高さの一例は、ワイヤレスフィールドが少なくとも約10分の1に減衰する高さである。たとえば、組合せワイヤレスフィールドは、個々のコイルの直径よりも大きい高さでは組合せワイヤレスフィールドのピークエネルギーの約10分の1以下に減衰することがある。したがって、ワイヤレスフィールドが伝搬する高さの一例は、ワイヤレスフィールドの実質的な減衰が開始する高さである。他の例では、伝搬の高さには、ワイヤレスフィールドが実質的に減衰する高さよりも低い高さが含まれる。たとえば、いくつかの事例では、伝搬の高さには、ワイヤレスフィールドが2分の1以下だけ減衰する高さが含まれる。
【0058】
したがって、一実施形態では、同様なサイズの方形ループ(たとえば、10x10コイルのアレイ)のアレイ(たとえば、1次元または多次元アレイ)を折畳みループパターンに配置することが可能であり、それによって、近距離場伝搬をそれほど増大させずに充電領域が平面上で横方向(たとえば、x方向および/またはy方向)に拡張する。すなわち、いくつかの実施形態では、高さまたはz方向の近距離場強度をアレイサイズ(たとえば、アレイのコイルの数および/または折畳みアレイの充電領域)と無関係に設定することができる。さらに、1つには折畳みパターンに起因して、z次元における非近接場の放射の低減、減衰、および/または打消しが可能である。たとえば、互いに隣接する一対の折畳みコイルは、局所的B磁場量を保持しつつ非近接場において互いに打ち消すかまたは減衰させる場を生成するように構成されることが可能である。したがって、非近接場は、実質的にアレイサイズとは無関係に、たとえば折畳み対ごとに減衰または低減させることが可能である。
【0059】
一実施形態では、折畳みコイルは、生成されたワイヤレスフィールドに結合するように構成された受信機コイルよりも大きい寸法を有することができる。折畳みコイルのサイズを小さくすればするほど折畳みコイルのインダクタンスを低減させ、銅損を増大させることができる(たとえば、Q値を小さくする)ことが可能であることが諒解されよう。
【0060】
図8は、例示的な実施形態による、
図7の例示的な充電パッド704aの側面図を示す。
図7と共通する
図8の要素は、共通の参照符号を有しており、本明細書では各図間の違いのみについて簡潔に説明する。充電パッド704aは、折畳みコイル712、714などの2つのコイルの第1のアンテナアレイ710aと折畳みコイル722、724、726などの3つのコイルの第2のアンテナアレイ720aとを含んでもよい。
【0061】
図示の実施形態では、第1のアンテナアレイ710aの折畳みアンテナコイル712、714は実質的に同一平面上に位置する。たとえば、第1のアンテナアレイ710aは、平面型充電パッド用の第1のワイヤレスフィールドを生成する平面層を形成することができる。それに加えてまたはその代わりに、第2のアンテナアレイ720aの折畳みアンテナコイル722、724、726は同一平面上に位置する。たとえば、第2のアンテナアレイ720aは、平面型充電パッド用の第2のワイヤレスフィールドを生成する第2の平面層を形成することができる。
【0062】
第1のアンテナアレイ710aは、第2のアンテナアレイ720aと少なくとも部分的に重なり合ってもよい。一実施形態では、2つのアンテナアレイ710a、720aは、第1のアンテナアレイが第2のアンテナアレイから磁気的に分離されるように互いにずれて重なり合ってもよい。たとえば、図示の実施形態では、第1のアンテナアレイ710aは、コイルパターンがコイルの幅の2分の1だけずらされるように第2のアンテナアレイ720aの上方に位置付けられる。特に、第1のアンテナアレイのコイルの中心は、第2のアンテナアレイ720aの互いに隣接する2つのコイルの接合部の上方に位置付けられる。言い換えれば、いくつかの実施形態では、第1のアレイを第1および第2のアンテナアレイのパターンの空間周期の約2分の1の量だけ第2のアンテナアレイに対してずらすことが可能である。このようにして、第1のアンテナと第2のアンテナは、電力を供給されるときに実質的に磁気的に結合されていなくてもよい。
【0063】
動作時において、第1および第2のアンテナアレイ710a、720aは、電力を供給されたときに、充電パッド704aの表面を貫通し越えて延びるワイヤレスフィールドを生成してもよい。たとえば、第1のアンテナアレイ710aのコイル712、714は、コイル712、714を結合する磁束線812bを有する磁場を生成することができる。特に、このコイル構成は、互いに逆方向または異なる方向に回転しながら流れる電流によって駆動された場合、2つの異なる磁極領域と、コイルよりも上方の「フラックスパイプ」の形をしたコイル間の磁束線812b弧、たとえば、各コイル712、714の中心よりも上方でかつ各コイル712、714の法線方向に高磁束濃度ゾーンとを生成することができる。さらに、第1のアンテナアレイ710aのコイル712によって生成された磁場も磁束線812aを有することができ、第1のアンテナアレイ710aのコイル714によって生成された磁場も磁束線814bを有することができる。
【0064】
同様の動作時において、第2のアンテナアレイ720aのコイル722、724、726は、コイル722、724、726を少なくとも対として結合する磁束線822b、824bを有する磁場を生成することができる。このコイル構成は、3つの磁極領域と、コイル722、724、726を通過するフラックスパイプの形をした互いに隣接するコイルの中心間の磁束線822b、824bとを生成し、たとえば、これらのコイルの各々の中心でかつコイルの各々の法線方向に高磁束濃度のゾーンが位置する。さらに、第2のアンテナアレイ720aのコイル722によって生成された磁場も磁束線822aを有することができ、第2のアンテナアレイ720aのコイル726によって生成された磁場も磁束線826bを有することができる。
【0065】
さらに、図示の例示的な実施形態は、フラックスパイプが充電パッド704aの表面からの距離h
1を実現することを示す。一実施形態では、距離h
1内の受信アンテナは、充電パッド704aによって生成されるワイヤレスフィールドに結合する場合がある。
【0066】
一実施形態では、第1および第2のアンテナアレイ710a、720aは、非近接場において主に接線方向に第1および第2のワイヤレスフィールドを生成するように構成される。たとえば、前述のように、第1のアンテナアレイ710aの図示のコイル構成は、第1のアンテナアレイ710aのコイル712、714の中心でかつコイル712、714の法線方向に位置する2つの異なる磁極領域と、コイルよりも上方のフラックスパイプの形をしたコイル間の磁束線812bとを生成することができる。さらに、第2のアンテナアレイ720aのコイル構成は、第2のアンテナアレイ720aのコイル722、724、726の中心に位置する3つの異なる磁極領域と、コイル722、724、726よりも上方のフラックスパイプの形をした互いに隣接するコイルの中心間の磁束線822b、824bとを生成することができる。この構造によって生成された磁場の法線成分と接線成分はどちらも、交番コイル極性構成の打消し効果に起因して距離の関数として高速に減衰する。
【0067】
一実施形態では、第1のアンテナアレイ710aは、ドライバ回路(たとえば、
図7のドライバ回路702)が第1のアンテナアレイ710aに電力を供給するときに第1のアンテナアレイ710aの折畳みアンテナコイルの各々に電力を供給するように構成されることが可能である。たとえば、コイル712、714の各々は、1つのコイルからの電流が次のコイルに流れるように電気的に接続されることが可能である。一実施形態では、第2のアンテナアレイ720aは、ドライバ回路(たとえば、
図7のドライバ回路702)が第2のアンテナアレイ720aに電力を供給するときに第2のアンテナアレイ720aの折畳みアンテナコイルの各々に電力を供給するように構成されることが可能である。たとえば、コイル722、724、726の各々は、1つのコイルからの電流が次のコイルに流れるように電気的に接続することが可能である。他の実施形態では、それぞれの第1および/または第2のアンテナアレイ710a、720aのコイルのうちの1つまたは複数が(たとえば、別個のドライバ回路によって)独立に電力を供給されてもよい。
【0068】
前述のように、第1のアンテナアレイ710aおよびドライバ回路702は、第1のアンテナアレイ710aの折畳みアンテナコイル712、714が交番極性を有するように折畳みアンテナコイル712、714に電力を供給するように構成されることが可能である。たとえば、電流は、コイル712、714に対して互いに逆方向または異なる方向に流れる。したがって、磁束線802はコイル712からコイル714に流れ込む。追加または代替として、第2のアンテナアレイ720aおよびドライバ回路702は、第2のアンテナアレイ720aの折畳みアンテナコイル722、724、726が交番極性を有するように折畳みアンテナコイル722、724、726に電力を供給するように構成される。たとえば、電流は、コイル722、724、726に対して対として互いに逆方向または異なる方向に流れる。したがって、磁束線804は、コイル722からコイル724に流れ込み、磁束線824bは、コイル726からコイル724に流れ込む。
【0069】
図9は、例示的な実施形態による、
図7の別の例示的な充電パッドシステム704bの側面図である。
図8と共通する
図9の要素は、共通の参照符号を有しており、本明細書では各図間の違いのみについて簡潔に説明する。特に、充電パッド704bは、6つのコイル712、724、および716〜719の第1のアンテナアレイ710bと6つのコイル722、724、および726〜729の第2のアンテナアレイ720bとを有する。
【0070】
図8の充電パッド704aと比較して、充電パッド704bは、第1および第2のアンテナアレイ710b、720bの各々において追加の折畳みコイル(たとえば、コイル715〜718、727、728)を含む。ワイヤレスフィールド(たとえば、B磁場)が高さ(法線)方向またはz方向に流れるかまたは伝搬する距離が、数ある因子の中で、少なくともアンテナコイルの半径に基づくことが諒解されよう。たとえば、伝搬距離はコイル半径が大きくなるにつれて長くなる。第1および第2のアンテナアレイ710b、720bの追加のコイルは、各個々のコイルの半径および高さh
2を小さくするのを助けることができる。同様にして、第1および第2のアンテナアレイ710b、720bの追加のコイルは、受付け可能な程度に短い伝搬距離h
2を維持しつつ充電パッド704bの充電領域を拡張するのを助けることができる。
【0071】
さらに、第1のアンテナアレイ710bを含む、本明細書で説明する様々な実施形態の数ある利点のうちの別の利点は、ワイヤレスフィールドの伝搬を抑制しつつ充電領域を拡張できることである。たとえば、充電パッドの送信アンテナとして単一の展開ループが使用される場合、単一の展開ループは、充電パッドの充電領域に関する寸法に応じてサイズを設定すべきである。その結果、単一の大きいコイルによって生成されたワイヤレスフィールドは、大きい充電パッドの表面から望ましくない距離にわたって伝搬する場合がある。前述のように、伝搬距離が長くなると近接する物体が干渉を受け、効率が低下することがある。したがって、第1のアンテナアレイ710bは、各々が適切な半径を有するコイルをより多く使用することによって充電領域を拡張するのを助けることができる。
【0072】
特定の実施形態(たとえば、第2のアンテナアレイ720bを有さない実施形態)の1つの欠点は、第1のアンテナアレイ710bのコイルの数を増やすとエネルギーレベルの低下する領域(「ヌル」または「デッドゾーン」)が増える場合があることである。たとえば、ワイヤレスフィールドは、N12〜N19として示されている第1のアンテナアレイ710bのコイルの周辺にヌルまたはデッドゾーンを有することがある。これらのヌルを補償しないと、第1のアンテナアレイ710bのコイルの周辺の領域は、充電可能なデバイスを充電するかまたは充電可能なデバイスに電力を供給するうえで有効ではなくなる場合がある。
【0073】
したがって、本明細書で開示する様々な例示的な実施形態の一態様は、無線放射をほとんど生じさせず、かつ位置依存デッドゾーンを生じさせずに、広い表面を介して電子デバイスを充電するかまたは電子デバイスに電力を供給するのに十分なワイヤレスフィールドを生成することに関する。したがって、一態様では、以下でより詳細に説明するようにデッドゾーン面積を狭くすることが望ましい。
【0074】
有利なことに、充電パッドは、第1および第2のアンテナアレイに電力を供給するための互いに直交する第1および第2の駆動信号を生成するように構成された送信回路を含むことができる。たとえば、第1および第2の駆動信号は、相対位相シフトが90度である、正弦信号などの周期波形であってもよい。一実施形態では、このことは、容量素子および/または誘導素子で構成された位相シフトネットワークを使用して実現することが可能である。別の実施形態では、2つ以上の増幅器などのアクティブ構成要素が、互いに直交する第1および第2の駆動信号によってアレイに電力を供給することができる。
【0075】
動作時において、第1のアンテナアレイ710bは第1のワイヤレスフィールドを生成することができ、第2のアンテナアレイ720bは第2のワイヤレスフィールドを生成することができる。第1のアンテナアレイ710bと第2のアンテナアレイ720bとの間の相対変位に起因し、かつ第1のアンテナアレイ710bと第2のアンテナアレイ720bとの間の分離に起因して、第1のワイヤレスフィールドのデッドゾーンN12〜N19の領域は空間的に、N22〜N29によって示されている第2のワイヤレスフィールドのピーク強度の領域とほぼ一致する。同様に、第1のワイヤレスフィールドのピーク強度の領域は空間的に、第2のワイヤレスフィールドのデッドゾーンに対応する。したがって、第1のワイヤレスフィールドと第2のワイヤレスフィールドが重畳すると、デッドゾーンを少なくすることができ、充電電場がより一様になる。さらに、互いに直交する第1および第2の駆動信号が使用される場合、組合せワイヤレスフィールドのピークは、時間変動し、第1のワイヤレスフィールドに対応するピークの位置と第2のワイヤレスフィールドに対応するピークの位置との間で周期的にずれる。ワイヤレスフィールドの周期的掃引動作は、空間的に充電パッド704bの上方の電力分布を平均化するのを助けることができる。
【0076】
図10は、
図7の充電パッド704の表面に沿った変位の関数としての組合せワイヤレスフィールド(たとえば、第1および第2のワイヤレスフィールド730、732)の平均強度の例示的な値のプロット1000である。プロット1000は、第1および第2のアンテナアレイ710、720の各々において4つのコイルを有する充電パッド704の挙動をシミュレートすることによって生成された。
図10は、互いに直交する第1および第2のワイヤレスフィールドを生成すると、組合せワイヤレスフィールドにおいて個々のワイヤレスフィールドのヌルを事実上なくすかまたは減らすことができることを示す。動作時において、組合せワイヤレスフィールドのピーク強度の位置は時間とともに変動することがある。たとえば、組合せワイヤレスフィールドのピーク強度の位置は、第1のワイヤレスフィールドのピークの位置と第2のワイヤレスフィールドのピークの位置との間で掃引されることがある。
【0077】
図11は、例示的な実施形態による例示的な充電パッドシステム1100の上面図を示す。図示の実施形態は、第1および第2の2次元アンテナアレイ1110、1120を含む。第1の2次元アンテナアレイ1110は、3つの行と3つの列とを有する。第2の2次元アンテナアレイ1120は、3つの行と3つの列とを有する。特定の例示的な一実施形態では、2次元アンテナアレイ1110、1120の各々は、3x3アレイを備えることができる。他の例示的な実施形態では、2次元アレイ1110、1120の各々は、コイル約2x2個分からコイル約10x10個分までの範囲から選択されるサイズを有することができる。しかし、2次元アンテナアレイ1110、1120が任意の適用可能な数の行および列を有し得ることが諒解されよう。2次元アンテナアレイ1110、1120は、2次元における充電パッドシステム1100のサイズの拡張、ワイヤレスフィールドの伝搬を抑制、および/またはデッドゾーンの抑制を助けることができる。
【0078】
図12は、一実装形態による、電力を無線で伝達する方法1200の実装形態のフローチャートである。方法1200は、ブロック1202から始まり、ブロック1204に進んで第1および第2の駆動信号を生成する。たとえば、回路を使用して、電力伝達ができるように1つまたは複数のアンテナコイルに電力を供給するための駆動信号を生成することができる。特定の一例では、
図7のドライバ回路702を使用して、駆動ライン706、708によって供給され第1および第2のアンテナアレイ710、720に伝送される駆動信号を生成することができる。
【0079】
第1の駆動信号が生成された後、方法1200はブロック1206に進み、少なくとも第1の駆動信号に基づいて、折畳みアンテナコイルの第1のアンテナアレイを使用して第1のワイヤレスフィールドを生成することができる。特定の一例では、第1のアンテナアレイは、
図7の第1のアンテナアレイ710に対応することができる。たとえば、第1のアンテナアレイ710は、ドライバ回路702によって生成される第1の駆動信号に基づいて第1のワイヤレスフィールドを生成することができる。第1の駆動信号は、アンテナコイル712、714、716に電力を供給して、たとえば、
図7および
図8に関して説明したように交番極性を有する第1のワイヤレスフィールドを生成することができる。
【0080】
第2の駆動信号が生成された後、方法1200はブロック1208に進み、少なくとも第2の駆動信号に基づいて、折畳みアンテナコイルの第2のアンテナアレイを使用して第1のワイヤレスフィールドに直交する第2のワイヤレスフィールドを生成することができる。第1のアンテナアレイは、第2のアンテナアレイと少なくとも部分的に重なり合うことができる。特定の一例では、第1のアンテナアレイは、
図7の第2のアンテナアレイ720に対応することができる。たとえば、第2のアンテナアレイ720は、ドライバ回路702によって生成される第2の駆動信号に基づいて第2のワイヤレスフィールドを生成することができる。第2の駆動信号は、アンテナコイル722、724、726に電力を供給して、たとえば、
図7および
図8に関して説明したように交番極性を有する第2のワイヤレスフィールドを生成することができる。
【0081】
方法1200はブロック1206および1208を任意の順序で実行できることが諒解されよう。この方法1200は、ブロック1210で終了する。
【0082】
上記の方法の様々な動作は、たとえば様々なハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント、回路ならびに/もしくはモジュールなど、動作を実行することができる任意の好適な手段によって実行され得る。一般に、図に示される任意の動作は、動作を実行することが可能な対応する機能手段によって実行され得る。互いに直交する第1および第2の駆動信号を生成するための手段が
図7の駆動回路702によって実現されてもよい。第1のワイヤレスフィールドを生成するための手段は、
図7の第1のアンテナアレイ710を使用して実現されてもよい。第2のワイヤレスフィールドを生成するための手段は、
図7の第2のアンテナアレイ720によって実現されてもよい。
【0083】
多種多様な技術および技法のうちのいずれかを使用して情報および信号を表すことができる。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0084】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、上記で概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。上述の機能は、特定の各応用のために様々な方法で実装できるが、そのような実装上の決定は、本発明の実施形態の範囲からの逸脱を生じさせると解釈すべきではない。
【0085】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的なブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装または実行されてよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0086】
本明細書で開示された実施形態に関連して記載された方法またはアルゴリズムおよび機能のステップは、直接ハードウェアで具現化されても、またはプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具現化されても、またはその2つの組合せで具現化されてもよい。ソフトウェアで実装する場合、機能は、1つもしくは複数の命令またはコードとして有形の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいは非一時的コンピュータ可読媒体を介して送信され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD ROM、または、当技術分野で既知の任意の他の形態の記憶媒体中に常駐し得る。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。本明細書で使用する場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc) (CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(disc) (DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザーで光学的にデータを再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲の中に含まれるべきである。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐し得る。ASICはユーザ端末中に常駐し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として常駐し得る。
【0087】
本開示の概要を述べるために、本発明のいくつかの態様、利点、および新規の特徴について本明細書で説明してきた。本発明の任意の特定の実施形態に従って、そのような利点の必ずしもすべてを実現できない場合があることを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書に教示される1つの利点または利点の群を、本明細書に教示または示唆され得る他の利点を必ずしも実現することなく実現または最適化するように具体化または実行され得る。
【0088】
上述の実施形態への様々な修正が容易に明らかになり、本明細書に定義する一般原理は、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示された実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示された原理および新規の特徴に一致する最大の範囲を与えるものである。