特許第6403095号(P6403095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6403095フレキシブル配線用基板およびフレキシブル配線板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6403095
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月10日
(54)【発明の名称】フレキシブル配線用基板およびフレキシブル配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/03 20060101AFI20181001BHJP
   C25D 5/56 20060101ALI20181001BHJP
   C25D 7/00 20060101ALI20181001BHJP
   H05K 1/09 20060101ALI20181001BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20181001BHJP
【FI】
   H05K1/03 670A
   C25D5/56 Z
   C25D7/00 J
   H05K1/09 C
   H05K3/18 G
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-33418(P2015-33418)
(22)【出願日】2015年2月23日
(65)【公開番号】特開2016-157752(P2016-157752A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2017年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123869
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】野口 雅司
(72)【発明者】
【氏名】島村 富雄
(72)【発明者】
【氏名】西山 芳英
【審査官】 原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/161507(WO,A1)
【文献】 特開2013−229504(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/002275(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/149772(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/03
H05K 1/09
H05K 3/18
C25D 5/56
C25D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルム基板の表面に接着剤を介することなく下地金属層と前記下地金属層の表面に設ける銅層で構成される積層膜からなるフレキシブル配線用基板において、
前記下地金属層が、ニッケル、クロムまたはこれらの合金で、
前記銅層が、前記下地金属層の表面に乾式めっき法による銅薄膜層と
前記銅薄膜層の表面に湿式めっき法による銅めっき層からなり、
前記銅めっき層が、PR電流による銅電気めっき層、次いでパルス電流による銅電気めっき層が設けられた銅電気めっき層を含む湿式めっきの銅めっき層からなり、
前記積層膜の破断応力が280MPa〜360MPaであることを特徴とするフレキシブル配線用基板。
【請求項2】
前記積層膜の伸び率が、5%以上であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線用基板。
【請求項3】
前記銅めっき層の膜厚が、6μm〜12μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブル配線用基板。
【請求項4】
前記下地金属層の膜厚が、3〜50nmであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のフレキシブル配線用基板。
【請求項5】
樹脂フィルム基板の表面に接着剤を介することなく下地金属層と、前記下地金属層の表面に設けられる銅層で構成される積層膜からなる幅50μm以下の配線が設けられるフレキシブル配線板であって、
前記下地金属層が、ニッケル、クロムまたはこれらの合金で、
前記銅層が、前記下地金属層の表面に乾式めっき法による銅薄膜層と
前記銅薄膜層の表面に湿式めっき法による銅めっき層からなり、
前記銅めっき層が、PR電流による銅電気めっき層、次いでパルス電流による銅電気めっき層が設けられた銅電気めっき層を含む湿式めっきの銅めっき層からなり、
前記積層膜の破断応力が280MPa〜360MPaであることを特徴とするフレキシブル配線板。
【請求項6】
前記下地金属層の膜厚が、3〜50nmであることを特徴とする請求項に記載のフレキシブル配線板。
【請求項7】
前記配線の表面に錫めっきが施されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のフレキシブル配線板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線を構成する銅層の一部を銅電気めっき法で析出させ、耐折れ性を改良したフレキシブル配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル配線板は、その屈曲性を活かしてハードディスクの読み書きヘッドやプリンターヘッドなど電子機器の屈折ないし屈曲を要する部分や、液晶ディスプレイのドライバICを実装したICパッケージの屈折配線などに広く用いられている。
特に、液晶ディスプレイのICパッケージでは、液晶ディスプレイの表面側(画像が表示される側)の端部から液晶ディスプレイの裏面側に屈曲されて装着されている。
【0003】
係るフレキシブル配線板の製造には、銅層と樹脂層を積層したフレキシブル配線用基板(銅張積層板:Flexible Copper Clad Lamination:FCCLとも称す。)を、サブトラクティブ法やセミアディティブ法を用いて配線加工する方法が用いられている。
【0004】
このサブトラクティブ法とは、フレキシブル配線用基板の銅層を化学エッチング処理して不要部分を除去する方法である。
即ち、フレキシブル配線用基板の銅層のうち導体配線として残したい部分の表面にレジストを設け、銅に対応するエッチング液による化学エッチング処理と水洗を経て、銅層の不要部分を選択的に除去して導体配線を形成するものである。
【0005】
一方、セミアディティブ法とは、銅張積層板の下地金属層及び極薄銅層の上にレジスト層を形成し、フォトリソグラフィーにより、レジスト層をパターニングし、配線を形成したい箇所のレジスト層を除去して得られる極薄銅層が露出した開口した部分に銅めっきを施し、配線を形成する。その配線の形成後、レジスト除去を行い、極薄銅層および下地金属層を化学エッチング処理して極薄銅層および下地金属層部分を除去する方法である。
即ち、フレキシブル配線用基板の銅層のうち導体配線を形成したい部分の表面にレジストを形成せず、電気銅めっき法で銅を析出させ、極薄銅層および下地金属層に対応するエッチング液による化学エッチング処理と水洗を経て、極薄銅層および下地金属層の不要部分を選択的に除去して導体配線を形成するものである。
【0006】
ところで、フレキシブル配線用基板(FCCL)は、3層フレキシブル配線用基板FCCL板(以下、3層FCCLと称す。)と2層フレキシブル配線用基板FCCL板(2層FCCLと称す。)に分類することができる。
3層FCCLは、電解銅箔や圧延銅箔をベース(絶縁層)の樹脂フィルムに接着した構造(銅箔/接着剤層/樹脂フィルム)となっている。一方、2層FCCLは、銅層若しくは銅箔と樹脂フィルム基材とが積層された構造(銅層若しくは銅箔/樹脂フィルム)となっている。
【0007】
また、上記2層FCCLには大別して3種のものがある。
即ち、樹脂フィルムの表面に下地金属層と銅層を順次めっきして形成したFCCL(通称メタライジング基板)、銅箔に樹脂フィルムのワニスを塗って絶縁層を形成したFCCL(通称キャスト基板)、及び銅箔に樹脂フィルムをラミネートしたFCCL(通称ラミネート基板)である。
【0008】
その中でメタライジング基板、即ち樹脂フィルムの表面に下地金属層と銅層を順次めっきして形成したFCCLは、銅層の薄膜化が可能で、且つポリイミドフィルムと銅層界面の平滑性が高いため、キャスト基板やラミネート基板あるいは3層FCCLと比較して、配線のファインパターン化に適している。
例えば、メタライジング基板の銅層は、乾式めっき法及び電気めっき法により層厚を自由に制御できるのに対し、キャスト基板やラミネート基板あるいは3層FCCLは使用する銅箔によって、その厚みなどは制約されてしまう。
【0009】
また、フレキシブル配線板の配線に用いられる銅箔については、例えば、銅箔に熱処理を施す方法(特許文献1参照)や、圧延加工を行う方法(特許文献2参照)により、耐折れ性の向上が図られている。
しかし、これらの方法は、3層FCCLの圧延銅箔や電解銅箔、2層FCCLのうちのキャスト基板とラミネート基板に用いられる銅箔自体の処理に関するものである。
【0010】
なお、銅箔の耐折れ性評価は、「JIS C−5016−1994」等や「ASTM D2176」で規格されるMIT耐屈折度試験(Folding Endurance Test)が工業的に使用されている。
この試験では、試験片に形成した回路パターンが断線するまでの屈折回数をもって評価し、この屈折回数が大きいほど耐折れ性が良いとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−283886号公報
【特許文献2】特開平6−269807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が対象とするフレキシブル配線板は、樹脂フィルム基板の少なくとも片面に接着剤を介せずに形成した下地金属層と銅薄膜層と銅電気めっき層からなる積層膜である金属層を順次形成したメタライジング基板を用いているため、先行技術文献に開示されるような銅めっき層のみの熱処理や圧延加工を施して耐折れ性を向上させることは困難であり、メタライジング基板自体の耐折れ性を向上させた、耐折れ性に優れたメタライジング基板の製造が望まれていた。
このような状況に鑑み、本発明は、耐折れ性に優れたフレキシブル配線用基板を提供すると共に、そのフレキシブル配線用基板を用いた良好な耐折れ性を有するフレキシブル配線板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の発明は、樹脂フィルム基板の表面に接着剤を介することなく下地金属層と前記下地金属層の表面に設ける銅層で構成される積層膜からなるフレキシブル配線用基板において、前記下地金属層が、ニッケル、クロムまたはこれらの合金で、前記銅層が、前記下地金属層の表面に乾式めっき法による銅薄膜層と前記銅薄膜層の表面に湿式めっき法による銅めっき層からなり、その銅めっき層が、PR電流による銅電気めっき層、次いでパルス電流による銅電気めっき層が設けられた銅電気めっき層を含む湿式めっきの銅めっき層からなり、前記積層膜の破断応力が280MPa〜360MPaであることを特徴とするフレキシブル配線用基板である。
【0014】
本発明の第2の発明は、第1の発明における積層膜の伸び率が、5%以上であることを特徴とするフレキシブル配線用基板である。
【0015】
本発明の第の発明は、第1及び第2の発明における銅めっき層の膜厚が、6μm〜12μmであることを特徴とするフレキシブル配線用基板である。
【0016】
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明における下地金属層の膜厚が、3〜50nmであることを特徴とするフレキシブル配線用基板である。
【0017】
本発明の第5の発明は、樹脂フィルム基板の表面に接着剤を介することなく下地金属層と、前記下地金属層の表面に設けられる銅層で構成される積層膜からなる幅50μm以下の配線が設けられるフレキシブル配線板であって、前記下地金属層が、ニッケル、クロムまたはこれらの合金で、前記銅層が、前記下地金属層の表面に乾式めっき法による銅薄膜層と、前記銅薄膜層の表面に湿式めっき法による銅めっき層からなり、前記銅めっき層がPR電流による銅電気めっき層、次いでパルス電流による銅電気めっき層が設けられた銅電気めっき層を含む湿式めっきの銅めっき層からなり、前記積層膜の破断応力が280MPa〜360MPaであることを特徴とするフレキシブル配線板である。
【0018】
本発明の第6の発明は、第の発明における下地金属層の膜厚が、3〜50nmであることを特徴とするフレキシブル配線板である。
【0019】
本発明の第7の発明は、第5及び第6の発明における配線の表面に錫めっきが施されていることを特徴とするフレキシブル配線板である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、配線幅が50μm以下でも「JIS C−5016−1994」に準拠した耐折れ性試験による改善された、耐折れ性に優れるフレキシブル配線板を提供することができる。
特に、本発明に係るフレキシブル配線板は、耐折れ性に優れているので、従来品に比べ、より小さな曲率半径で屈曲させることができ、且つ、その場合でも屈曲部で断線することが少ない。
【0021】
そして本発明に係るフレキシブル配線板を、液晶ディスプレイのドライバICパッケージに用いた場合には、小さな曲率半径で屈曲可能なことから、液晶ディスプレイの周囲に、屈曲させて使用されるICパッケージの液晶ディスプレイからの迫り出しを小さくできるので、液晶ディスプレイの筐体を小さくする意匠的効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明で用いるメタラインジング法で作製した2層フレキシブル配線用基板の断面模式図である。
図2】本発明の2層フレキシブル配線用基板の下地金属層および銅薄膜層を成膜するロール・ツー・ロールスパッタリング装置を示す概要図である。
図3】本発明の2層フレキシブル配線用基板の製造における電気めっきを行うロール・ツー・ロール方式の連続めっき装置を示す概要図である。
図4】本発明におけるPR電流の時間と電流密度を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係るフレキシブル配線用基板およびフレキシブル配線板の積層膜の破断応力(単位断面積あたりの力)は280MPa〜360MPaであることが必要である。
ここで、積層膜の破断応力は、フレキシブル配線用基板から取り出される積層膜のみで測定される破断応力で、耐折れ性の視点からすれば、積層膜の欠陥に起因する破断応力の低下の無い健全な積層膜では、積層膜の破断応力が低ければ低い方が望ましく、その破断時の伸び率も大きい方が望ましいが、現実的に得られるフレキシブル配線用基板では破断応力は280MPaを超え、また破断応力が360MPaを超える積層膜では、膜自体が脆くなり耐折れ性が劣る問題が生じる。
そこで、積層膜のより望ましい破断応力は、280MPa〜320MPaの範囲で、さらにフレキシブル配線板の製造工程において、加えられる錫めっき工程等の熱処理を伴う工程が施されない状態にあるフレキシブル配線用基板の積層膜の伸び率は5%以上であることが望ましい。なお、錫めっき工程などの熱処理を受けるフレキシブル配線板の積層膜の場合には、若干の伸び率の低下を生じるが、使用するフレキシブル配線用基板の積層膜の伸び率が5%以上であるのなら耐折れ性を劣化させない。
【0024】
本発明に係るフレキシブル配線板は、2層フレキシブル配線用基板をサブトラクティブ法、又はセミアディティブ法で配線加工して得られる。この2層フレキシブル配線用基板の積層膜の破断応力が280MPa〜360MPaの範囲にあれば、2層フレキシブル配線用基板の製造方法は問わない。
以下、2層フレキシブル配線用基板の積層膜である銅層の破断応力が280MPa〜360MPaの製造方法の一例で本発明を説明する。
【0025】
(1)2層フレキシブル配線用基板
まず、本発明のフレキシブル配線板に用いる2層フレキシブル配線用基板について説明する。
本発明に係る2層フレキシブル配線用基板は、ポリイミドフィルムの少なくとも片面に接着剤を介さずに下地金属層と銅層が逐次的に積層された積層膜を採るメタライジング基板で、その銅層は銅薄膜層と銅電気めっき層により構成されている。
【0026】
図1は、メタラインジング法で作製された2層フレキシブル配線用基板6の断面を示した模式図である。
樹脂フィルム基板1にポリイミドフィルムを用い、そのポリイミドフィルムの少なくとも一方の面には、ポリイミドフィルム側から下地金属層2、銅薄膜層3、銅電気めっき層4の順に成膜、積層されている。銅層5が銅薄膜層3と銅電気めっき層4から構成されている。さらに、下地金属層2、銅層5の順の積層構造から、積層膜7は構成されている。
【0027】
使用する樹脂フィルム基板としては、ポリイミドフィルムのほかに、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、液晶ポリマーフィルムなどを用いることができる。
特に、機械的強度や耐熱性や電気絶縁性の観点から、ポリイミドフィルムが特に好ましい。
さらに、フィルムの厚みが12.5〜75μmの上記樹脂フィルム基板が好ましく使用することができる。
【0028】
下地金属層2は、樹脂フィルム基板と銅などの金属層との密着性や耐熱性などの信頼性を確保するものである。従って、下地金属層の材質は、ニッケル、クロム又はこれらの合金の中から選ばれる何れか1種とするが、密着強度や配線作製時のエッチングのしやすさを考慮すると、ニッケル・クロム合金が適している。
【0029】
そのニッケル・クロム合金の組成は、クロム15重量%以上、22重量%以下が望ましく、耐食性や耐マイグレーション性の向上が望める。
このうち20重量%クロムのニッケル・クロム合金は、ニクロム合金として流通し、マグネトロンスパッタリング法のスパッタリングターゲットとして容易に入手可能である。また、ニッケルを含む合金には、クロム、バナジウム、チタン、モリブデン、コバルト等を添加しても良い。
【0030】
さらに、クロム濃度の異なる複数のニッケル・クロム合金の薄膜を積層して、ニッケル・クロム合金の濃度勾配を設けた下地金属層を構成しても良い。
【0031】
下地金属層2の膜厚は、3nm〜50nmが望ましい。
下地金属層の膜厚が3nm未満では、ポリイミドフィルムと銅層の密着性を保てず、耐食性や耐マイグレーション性で劣る。一方、下地金属層の膜厚が50nmを越えると、サブトラクティブ法で配線加工する際に、下地金属層の十分な除去が困難な場合が生じる。その下地金属層の除去が不十分な場合は、配線間のマイグレーション等の不具合が懸念される。
【0032】
銅層の膜厚は、6μm〜13μmである。銅層は、下地金属層よりもはるかに厚く、積層膜の破断応力はほぼ銅層の破断応力である。
銅薄膜層3は、主に銅で構成され、その膜厚は、10nm〜1μmが望ましい。
銅薄膜層の膜厚が10nm未満では、銅薄膜層上に銅電気めっき層を電気めっき法で成膜する際の導電性が確保できず、電気めっきの際の外観不良に繋がる。銅薄膜層の膜厚が1μmを越えても2層フレキシブル配線用基板の品質上の問題は生じないが、生産性が劣る問題がある。
【0033】
(2)下地金属層と銅薄膜層の成膜方法
下地金属層および銅薄膜層は、乾式めっき法で形成することが好ましい。
乾式めっき法には、スパッタリング法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法、真空蒸着法、CVD法等が挙げられるが、下地金属層の組成制御等の観点から、スパッタリング法が望ましい。
樹脂フィルム基板へのスパッタリング成膜には、公知のスパッタリング装置を用いて成膜すれば良く、長尺の樹脂フィルム基板の場合への成膜には、公知のロール・ツー・ロール方式スパッタリング装置で行うことができる。このロール・ツー・ロールスパッタリング装置を用いれば、長尺のポリイミドフィルムの表面に、下地金属層および銅薄膜層を連続して成膜することができる。
【0034】
図2は、使用するロール・ツー・ロールスパッタリング装置の一例である。
ロール・ツー・ロールスパッタリング装置10は、その構成部品のほとんどを収納した直方体状の筐体12を備えている。
筐体12は円筒状でも良く、その形状は問わないが、10−4Pa〜1Paの範囲に減圧された状態を保持できれば良い。
この筐体12内には、長尺の樹脂フィルム基板であるポリイミドフィルムFを、供給する巻出ロール13、キャンロール14、スパッタリングカソード15a、15b、15c、15d、前フィードロール16a、後フィードロール16b、テンションロール17a、テンションロール17b、巻取ロール18を有する。
【0035】
巻出ロール13、キャンロール14、前フィードロール16a、巻取ロール18にはサーボモータによる動力を備える。巻出ロール13、巻取ロール18は、パウダークラッチ等によるトルク制御によってポリイミドフィルムFの張力バランスが保たれるようになっている。
テンションロール17a、17bは、表面が硬質クロムめっきで仕上げられ張力センサーが備えられている。
スパッタリングカソード15a〜15dは、マグネトロンカソード式でキャンロール14に対向して配置される。スパッタリングカソード15a〜15dのポリイミドフィルムFの巾方向の寸法は、ポリイミドフィルムFの巾より広ければよい。
【0036】
ポリイミドフィルムFは、ロール・ツー・ロール真空成膜装置であるロール・ツー・ロールスパッタリング装置10内を搬送されて、キャンロール14に対向するスパッタリングカソード15a〜15dで成膜され、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2に加工される。
キャンロール14は、その表面が硬質クロムめっきで仕上げられ、その内部には筐体12の外部から供給される冷媒や温媒が循環し、略一定の温度に調整される。
【0037】
ロール・ツー・ロールスパッタリング装置10を用いて下地金属層と銅薄膜層を成膜する場合、下地金属層の組成を有するターゲットをスパッタリングカソード15aに、銅ターゲットをスパッタリングカソード15b〜15dにそれぞれ装着し、ポリイミドフィルムを巻出ロール13にセットした装置内を真空排気した後、アルゴン等のスパッタリングガスを導入して装置内を1.3Pa程度に保持する。
また、下地金属層をスパッタリングで成膜した後に、銅薄膜層を蒸着法で成膜しても良い。
【0038】
(3)銅電気めっき層とその成膜方法
銅電気めっき層は、電気めっき法により成膜される。その銅電気めっき層の膜厚は、6μm〜12μmが望ましい。
【0039】
図3は、本発明に係る2層フレキシブル配線用基板の製造に用いることができるロール・ツー・ロール連続電気めっき装置(めっき装置20)の一例である。
下地金属層と銅薄膜層を成膜して得られた銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2は、巻出ロール22から巻き出され、電気めっき槽21内のめっき液28への浸漬を繰り返しながら連続的に搬送される。なお、28aはめっき液の液面を指している。
銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2は、めっき液28に浸漬されている間に電気めっきにより銅薄膜層の表面に銅電気めっき層が成膜され、所定の膜厚の銅層を形成した後、金属化樹脂フィルム基板である2層フレキシブル配線用基板Sとして、巻取ロール29に巻き取れられる。なお、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2の搬送速度は、数m〜数十m/分の範囲が好ましい。
【0040】
具体的に説明すると、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2は、巻出ロール22から巻き出され、給電ロール26aを経て、電気めっき槽21内のめっき液28に浸漬される。電気めっき槽21内に入った銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2は、反転ロール23を経て搬送方向が反転され、給電ロール26bにより電気めっき槽21外へ引き出される。
このように、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2が、めっき液への浸漬を複数回繰り返す間に、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2の金属薄膜上に銅層を形成するものである。
【0041】
給電ロール26aとアノード24aの間には電源(図示せず)が接続されている。
給電ロール26a、アノード24a、めっき液、銅薄膜層付ポリイミドフィルムF2および電源により、電気めっき回路が構成される。
ここで、使用するまた、アノードは不溶性アノードが好ましい。
不溶性アノードは、特別なものを必要とせず、導電性セラミックで表面をコーティングした公知の不溶性アノードでよい。なお、電気めっき槽21の外部に、めっき液28に銅イオンを供給する機構を備える。
【0042】
めっき液28への銅イオンの供給は、酸化銅水溶液、水酸化銅水溶液、炭酸銅水溶液等で供給する。もしくはめっき液中に微量の鉄イオンを添加して、無酸素銅ボールを溶解して銅イオンを供給する方法もある。銅の供給方法は上記のいずれかの方法を用いることができる。
【0043】
めっき中における電流密度は、アノード24aから搬送方向下流に進むにつれて電流密度を段階的に上昇させ、アノード24oから24tで最大の電流密度となるようにする。
このように電流密度を上昇させることで、銅電気めっき層の変色を防ぐことができる。特に銅電気めっき層の膜厚が薄い場合に電流密度が高いと表面に変色が起こりやすいために、めっき中の電流密度は、後述するPeriodic Reverse電流の反転電流を除き0.1A/dm〜8A/dmが望ましい。電流密度が高くなると銅電気めっき層の外観不良が発生する。
【0044】
本発明に係る2層フレキシブル配線用基板の製造では、銅電気めっき層の電気めっき条件を制御して破断応力が280Pa〜360Paを実現することができる。
本発明に係る2層フレキシブル配線用基板を製造するための、銅電気めっき層形成におけるめっき条件として、Periodic Reverse電流(以下PR電流とも称す。)を用いることができる。また、銅電気めっき層のめっき条件としては、PR電流とパルス電流を併用してもよい。
【0045】
さらに、電気銅めっき層の表面からポリイミド方向(以下、深さ方向とも称す。)へ銅電気めっき層の膜厚の10%以上の範囲が、PR電流とパルス電流を使用して銅電気めっき層が形成されていれば、積層膜の破断応力は280Pa〜360Paの範囲を実現することができる。また、PR電流またはPR電流とパルス電流で銅電気めっきされる範囲は、銅層の表面から深さ方向に膜厚の70%以下の範囲とすることにより本発明の目的を達成することができる。
なお、PR電流は、正電流と極性が反転した反転電流の組合せであり、反転電流は正電流の1〜9倍の電流を加えると良い。反転電流時間割合としては1〜10%程度が望ましい。また、PR電流の次の反転電流が流れる周期は、10m秒以上が望ましく、より望ましくは20m秒〜300m秒である。
【0046】
図4はPR電流の時間と電流密度を模式的に示したものである。
パルス電流は、正電流に対し一定の周期で電流を流さない無電流または電流値を減じた減電流を行う電流である。減電流は、正電流の0アンペアを越え50%以下の値が望ましい。パルス電流で次の無電流と減電流となる周期は、10m秒以上が望ましく、20m秒〜300m秒である。
なお、めっき電圧は、上述の電流密度が実現できるように適宜調整すればよい。
【0047】
本発明に係る2層フレキシブル配線用基板を、ロール・ツー・ロール連続電気めっき装置(めっき装置20)で製造するには、搬送経路の下流側から1つ以上のアノードでPR電流を流せばよく、PR電流を流すアノード数は、銅電気めっき層の表面からポリイミドフィルム側にPR電流で成膜する範囲の割合をどのようにするかで決まる。一方、パルス電流を使用する場合には、少なくともアノード24sとアノード24tのいずれかにパルス電流を加え、パルス電流を加えたアノードの直後に配置される下流側のアノードからPR電流を加える。
なお、全アノードにPR電流を流してもよいが、PR電流用の整流器が高価な為、製造コストが増加する。そこで、本発明に係る2層フレキシブル配線用基板では、銅電気めっき層の表面からポリイミド方向に膜厚の10%をPR電流で成膜すれば、積層膜のほとんどを占める銅層の破断強度を制御できるので積層膜の破断応力が280Pa〜360Paを実現することができるので、結果的に耐折れ性試験(MIT試験)の向上が望める。
【0048】
また、ここで、使用する電気めっき法は、鉄イオンを含む硫酸銅のめっき液中にて、不溶性アノードを用いて電気めっきを行う銅電気めっきで、使用する銅めっき液の組成は、通常用いられるプリント配線板用のハイスロー硫酸銅めっき浴でも良く、さらに鉄イオンを添加して用いる。
【0049】
積層膜の破断応力を280Pa〜360Paにするには、電気めっき液の添加物でも制御できる。電気めっき液には、公知のレべラーやブライトナー等の添加物を加えることができる。これら、添加物の多くは、有機硫黄化合物である。これら添加剤は銅電気めっきの際に銅電気めっき層に取り込まれる。
銅電気めっき層の硫黄濃度が30ppmを超えると、積層膜の破断応力が360Paを越える。そのため、フレキシブル配線用基板やフレキシブル配線板の耐折れ性が劣化することがある。電気めっき浴に加えるレべラーやブライトナーの量は、銅電気めっき層の硫黄含有率から適宜選択すればよい。
【0050】
(4)フレキシブル配線板
本発明に係るフレキシブル配線板の配線幅は、最も細い箇所で50μm以下である。ここで配線幅とは、配線がポプリイミドフィルムに接する底面の幅である。
フレキシブル配線基板のMIT耐折れ性試験の結果は、配線幅が細くなると悪化する。
【0051】
即ち、「JIS C−5016−1994」に従った耐折れ性試験では、その配線幅が1mmであるが、液晶ディスプレイ内の屈曲配線に用いられるフレキシブル配線板では、配線幅が50μm以下であり、さらに高精細な25μm以下の配線幅に移行している。試験用として配線幅1mmのフレキシブル配線板に加工され、十分な耐折れ性を実現できるフレキシブル配線用基板であっても、実際に用いられる配線幅50μm以下のフレキシブル配線板に加工されたものでは、十分な耐折れ性を実現できないことがある。
もちろん、配線幅1mmのフレキシブル配線板で不十分な耐折れ性となるフレキシブル配線用基板では、配線幅50μm以下のフレキシブル配線板に加工されたものでも不十分な耐折れ性の結果となる。
【0052】
本発明に係るフレキシブル配線板は、配線となる積層膜を、その破断応力が280Pa〜360Paであるような積層膜とすることで、配線幅が50μm以下であっても、このような破断応力を備えない従来からのフレキシブル配線板に比べてMIT耐折れ性が改善される。
【0053】
フレキシブル配線板の銅薄膜層と銅電気めっき層とからなる銅層の膜厚は、5μm〜12μmが望ましい。
この銅層の膜厚が5μm未満では、配線の導電性が不十分となる。一方、銅層が12μmを超えると導電性は十分でも配線幅50μm以下の配線の形成が困難となる。特にサブトラクティブ法では配線の膜厚が厚くなるほど、精細な配線の加工が難しくなる。
なお、2層フレキシブル配線用基板の銅薄膜層と銅電気めっき層の両者の合計の膜厚(フレキシブル配線板の銅層の膜厚に相当)が12μmを超えることもある。2層フレキシブル配線用基板の銅薄膜層と銅電気めっき層の膜厚の合計が12μmを超える場合は、2層フレキシブル配線用基板の銅電気めっき層等を化学研磨などで所定の膜厚にすればよい。
【0054】
本発明に係るフレキシブル配線板は、上記に詳述した本発明に係る2層フレキシブル配線用基板を、サブトラクティブ法を用いて配線加工を施して製造したメタライジング基板である。
銅電気めっき層などを配線に加工するエッチング加工に用いるエッチング液は、特別な配合の塩化第二鉄と塩化第二銅と硫酸銅とを含む水溶液や特殊な薬液には限定されず、一般的な比重1.30〜1.45の塩化第二鉄水溶液や比重1.30〜1.45の塩化第二銅水溶液を含む市販のエッチング液を用いることができる。
【0055】
本発明に係るフレキシブル配線板をセミアディティブ法で得るには、2層フレキシブル配線用基板に銅電気めっきする際に、用いる上述の2層フレキシブル配線用基板と同様の銅めっき手順を取ることもできる。
用いる2層フレキシブル配線用基板の銅層の厚みは、セミアディティブ法の銅めっきの膜厚を考慮して適宜定めればよい。
【0056】
配線加工が施されたフレキシブル配線板は、錫めっきが施され、その後、公知のソルダーレジストの被覆、金バンプを介したIC等の素子の実装が行われ、ICパッケージ部品に加工される。
ところで、錫めっきは、温度50℃〜90℃の公知の無電解錫めっき液に、フレキシブル配線板を1分間〜5分間浸漬して行われる。また、ソルダーレジストの被覆では、ソルダーレジストを硬化させるため温度100℃〜150℃にフレキシブル配線板を曝し、金バンプを介した素子の実装でもフレキシブル配線板には熱が負荷される。これらの化学的な負荷や熱負荷は、フレキシブル配線板の耐折れ性に悪影響を与える恐れがあるが、本発明に係るフレキシブル配線板は、これらの負荷に曝された後に前記配線を構成する積層膜の破断応力が280Pa〜360Paとすることで、これらの負荷に曝された後においても従来品に比べて、錫めっきが施されていても、耐折れ性の向上を示している。
【実施例】
【0057】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
錫めっき無のフレキシブル配線用基板の破断応力は、ポリイミドフィルムをアルカリ溶液で溶解除去し、下地金属層と銅層の積層膜を13mm×100mmに裁断した試料を、オリエンテック社製「RTC−1150A」にて測定した。
また、錫めっき後の破断応力は、錫めっきと所定の熱処理を行った以外は、錫めっき無のフレキシブル配線用基板の破断応力と同様に測定した。
伸び率は、破断応力の測定の際に積層膜が破断するまでの試料の伸び率である。
【0058】
銅薄膜層付ポリイミドフィルムは、図2に示すロール・ツー・ロールスパッタリング装置10を用いて製造した。
下地金属層を成膜する為のニッケル−20重量%クロム合金ターゲットをスパッタリングカソード15aに、銅ターゲットをスパッタリングカソード15b〜15dにそれぞれ装着し、厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製「カプトン(登録商標)」)をセットした装置内を真空排気した後、アルゴンガスを導入して装置内を1.3Paに保持して銅薄膜層付ポリイミドフィルムを製造した。
下地金属層(ニッケル−クロム合金)の膜厚は20nm、銅薄膜層の膜厚は200nmであった。
【0059】
得られた銅薄膜層付ポリイミドフィルムに、めっき装置20を用いて銅電気めっきを行い、銅電気めっき層を成膜した。
めっき液は硫酸銅浴を用い、アノード24oから24tは特に断らない限り最大の電流密度(PR電流の反転電流を除く)となるようにし、最終的に銅電気めっき層の膜厚が8.5μmとなるように電流密度を調整した。
【0060】
耐折れ性試験は、塩化銅をエッチング液に用いてサブトラクティブ法で、「JIS−C−5016−1994」に準拠する配線幅25μmの試験片と配線幅50μmの試験片を形成し、同規格に従い評価した。
【実施例1】
【0061】
銅電気めっき層の表面から1.3μmの膜厚範囲までパルスめっきを行い、めっき層の表面から1.3〜4.5μmの膜厚範囲をPR電流で銅電気めっきを行うために、図3のアノード24o〜24t(最終Rはパルス電流、残りの3RはPR電流としている)、実施例1で用いる2層フレキシブル配線用基板を作製した。なお、めっき液に鉄イオンを添加し、鉄イオン濃度を2g/リットルとした。
【0062】
得られた実施例1に係る2層フレキシブル配線用基板を、配線幅25μm(以下配線幅25μm試験片ということがある)のMIT試験用の配線にサブトラクティブ法で加工し、温度50℃の市販のアルキルスルホン酸系無電解錫めっき液に浸漬して錫めっき厚み0.4μm付けた後、ソルダーレジスト硬化や素子の実装を想定した150℃、3時間保持の熱処理を行った。
【0063】
25μm試験片のMIT耐折れ性試験結果では47回で、従来品に対し、18%の向上を示す良好な結果を得た。
一方、50μm試験片のMIT耐折れ性試験結果では48回であった。また、50μm試験片に錫めっきと150℃、3時間保持の熱処理を施さなかった試験片のMIT耐折れ性試験結果では95回であった。
測定した各特性を表1に纏めて示す。
【実施例2】
【0064】
銅電気めっき層の表面から4μmの膜厚範囲までパルスめっきを行い、めっき層の表面から4〜5μmの膜厚範囲をPR電流で銅電気めっきを行った。
その25μm試験片のMIT耐折れ性試験結果では43回で、従来品に対して13%の向上を示す結果を得た。
一方50μm試験片のMIT耐折れ性試験結果では45回であった。
その測定した各特性を表1に纏めて示す。
【0065】
(参考例)
めっき槽のいずれのアノードでもPR電流を流さずに直流電流で銅電気めっきした以外は、実施例1と同様に、参考例の試験片を作製した。
25μm試験片のMIT耐折れ性試験の結果は、38回で、50μm試験片のMIT耐折れ性試験の結果は、37回であった。
また、50μm試験片に錫めっきと150℃、3時間保持の熱処理を施さなかった試験片その測定した各特性を表1に纏めて示す。
【0066】
(比較例1)
銅電気めっき条件を変動させて抗張力が380Paとした以外は参考例と同様にして、比較例1に係る試験片を作製した。その結果、錫めっきと150℃、3時間保持の熱処理を施さない50μmのMIT耐折れ性試験の結果が40回と大きく劣ったので、以後の試験を中止した。
その測定した各特性を表1に纏めて示す。
【0067】
実施例1と比較例1の錫めっきを施さず150℃、3時間保持の熱処理の有無を50μm試験片のMIT耐折れ性試験結果で検討すると、錫めっき及び熱処理を施さない場合は、実施例1は、比較例1に対し3%の向上を示しているが、錫めっき及び熱処理を施すと、実施例1は、比較例1に対しては、30%の向上を示していることがわかる。本発明に係るフレキシブル配線板の配線の銅層における結晶構造がプリント配線板の耐折れ性に対して優れた効果を示し有益であることがわかる。
【0068】
【表1】
【符号の説明】
【0069】
1 ポリイミドフィルム(樹脂フィルム基板)
2 下地金属層
3 銅薄膜層
4 銅電気めっき層
5 銅層
6 2層フレキシブル配線用基板
7 積層膜
10 ロール・ツー・ロールスパッタリング装置
12 筐体
13 巻出ロール
14 キャンロール
15a、15b、15c、15d スパッタリングカソード
16a 前フィードロール
16b 後フィードロール
17a、17b テンションロール
18 巻取ロール
20 (ロール・ツー・ロール方式の連続電気)めっき装置
21 電気めっき槽
22 巻出ロール
23 反転ロール
24a〜24t アノード
26a〜26k 給電ロール
28 めっき液
28a めっき液の液面
29 巻取ロール
F 樹脂フィルム基板(ポリイミドフィルム)
F2 銅薄膜層付ポリイミドフィルム(銅薄膜層付樹脂フィルム基板)
S 2層フレキシブル配線用基板
図1
図2
図3
図4