特許第6405017号(P6405017)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6405017-電子機器 図000002
  • 特許6405017-電子機器 図000003
  • 特許6405017-電子機器 図000004
  • 特許6405017-電子機器 図000005
  • 特許6405017-電子機器 図000006
  • 特許6405017-電子機器 図000007
  • 特許6405017-電子機器 図000008
  • 特許6405017-電子機器 図000009
  • 特許6405017-電子機器 図000010
  • 特許6405017-電子機器 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6405017
(24)【登録日】2018年9月21日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
   H05K5/02 V
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-184014(P2017-184014)
(22)【出願日】2017年9月25日
(62)【分割の表示】特願2013-28745(P2013-28745)の分割
【原出願日】2013年2月18日
(65)【公開番号】特開2018-14528(P2018-14528A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2017年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】望月 洋暢
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−124806(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向もしくは水平方向に隣り合う電子機器の連結部と連結する連結部を備える電子機器であって、
前記連結部は、凸部と凹部のいずれか一つを有する嵌合部と、所定の長さを有して前記嵌合部を支持する支持部とからなり、
左側面、右側面、天面、及び底面のうち少なくとも1つの面に自電子機器の前面を含む平面から裏面を含む平面まで連続している前記連結部を備え、
前記隣り合う電子機器とは、前記連結部の前記支持部の長さに基づく距離を介して連結し、
前記連結部が、底面の左側面に連続する端部近傍と、底面の右側面に連続する端部近傍との2箇所に、2つの前記支持部同士が次第に遠ざかるようにハの字状に設けられ、前記嵌合部の1つの少なくとも一部は、自電子機器の左側面を含む平面を超えて設けられ、前記嵌合部の他の1つの少なくとも一部は、自電子機器の右側面を含む平面を超えて設けられる電子機器。
【請求項2】
前記隣り合う電子機器の連結部は、凸部と凹部のいずれか一つを有する嵌合部と、所定の長さを有して前記嵌合部を支持する支持部とからなり、
前記隣り合う電子機器の連結部の凸部と自電子機器の連結部の凹部とが嵌合するとともに、前記隣り合う電子機器の連結部の凹部と自電子機器の連結部の凸部とが嵌合することによって、前記隣り合う電子機器と連結する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記隣り合う電子機器の連結部は、凸部と凹部のいずれか一つを有する嵌合部と、所定の長さを有して前記嵌合部を支持する支持部とからなり、
前記隣り合う電子機器の連結部の凸部と自電子機器の連結部の凹部とが嵌合することによって、もしくは、前記隣り合う電子機器の連結部の凹部と自電子機器の連結部の凸部とが嵌合することによって、前記隣り合う電子機器と連結する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記連結部を、左側面、右側面、天面、及び底面のすべての面に備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記連結部が、左側面の底面に連続する端部近傍と、右側面の底面に連続する端部近傍とにも設けられており、
前記左側面の底面に連続する端部近傍の連結部と、前記底面の左側面に連続する端部近傍の連結部とを接続する梁部と、前記右側面の底面に連続する端部近傍の連結部と、前記底面の右側面に連続する端部近傍の連結部とを接続する梁部とが設けられている、請求項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記連結部は、取り外し可能である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置同士を連結して使用できる連結構造を備える電子機器及び電子機器の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器、たとえば情報処理装置において、装置同士を機械的に連結する技術が知られている。
【0003】
装置同士を連結する技術の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された装置は、装置筐体の稜線と側面に溝を設け、隣り合う装置筐体の相対する溝同士を、連結取付け金具のリブの嵌合により接合することで連結する。
【0004】
また、特許文献2に記載された連結構造は、サーバ筐体側面部同士をマグネット部材を使用しネジ止めし連結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭61−011677号公報
【特許文献2】特開2001−320177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術は、装置の連結に必ず連結取付け金具が必要である。そのため作業現場において連結の配置を変更する場合、事前に必要な連結取付け金具の種類と個数を準備する必要がある。また、連結装置間で相対する溝の位置を正確に合わせないと、連結装置間連結取付け金具を嵌合できないため、少人数での作業には困難性がある。したがって、特許文献1に記載された技術は、連結作業性が低いという問題点がある。
【0007】
また、特許文献2に記載された技術も、連結にはネジ止めが必要であり、特許文献1と同様に作業性が低いという問題点がある。
【0008】
本発明の目的の一例は、上述した問題点を解決できる電子機器及び電子機器の設置方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態における電子機器は、鉛直方向もしくは水平方向に隣り合う電子機器の連結部と連結する連結部を備える電子機器であって、連結部は、凸部と凹部のいずれか一つを有する嵌合部と、所定の長さを有して嵌合部を支持する支持部とからなり、左側面、右側面、天面、及び底面のうち少なくとも1つの面に連結部を備え、隣り合う電子機器とは、連結部の支持部の長さに基づく距離を介して連結する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業性が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態における電子機器の外観の構成の一例を示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施の形態における連結部120a〜120dの構成を示す一部拡大図を併記した電子機器の正面図である。
図3図3は、第1の実施の形態における電子機器の連結状態を示す一部正面図である。
図4図4は、第2の実施の形態における電子機器500の構成の一例を示す正面図である。
図5図5は、第3の実施の形態における電子機器600の構成の一例を示す正面図である。
図6図6は、第4の実施の形態における電子機器700の構成の一例を示す正面図である。
図7図7は、第5の実施の形態における電子機器800の構成の一例を示す正面図である。
図8図8は、第6の実施の形態における電子機器900の構成の一例を示す正面図である。
図9図9は、第7の実施の形態における電子機器1000の構成の一例を示す正面図である。
図10図10は、第8の実施の形態における電子機器101の構成の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
本発明の実施の形態の電子機器は、鉛直方向(重力方向)または水平方向に電子機器同士を連結するための凸部と凹部の少なくとも一方が形成された連結部を含む。凸部と凹部のうち、少なくともどちらか一つを持つ連結部は、電子機器の左右側面および天面、底面の4面のうち少なくとも1面に備える。さらに、各連結部の凸部または凹部は、鉛直方向(重力方向)あるいは水平方向に隣り合う電子機器の相対する面の相対する位置の凸部または凹部と嵌合する位置に設けられる。
【0014】
また、連結部は、電子機器の天面側または側面側に形成され、鉛直上方を向いて突出する凸部と、開口が左方を向く凹部と、開口が鉛直上方に向く凹部と、右方を向いて突出する凸部とを含んでもよい。
【0015】
さらに、連結部は、電子機器の底面側または側面側に形成され、開口が鉛直下方を向く凹部と、左方を向いて突出する凸部と、鉛直下方を向いて突出する凸部と、開口が右方に向く凹部とを含んでもよい。
【0016】
また、連結部は、電子機器の天面側または側面側に形成され、鉛直上方を向いて突出する凸部と、開口が鉛直下方を向く凹部と、開口が左方もしくは右方を向く凹部と、開口が左方を向く場合、右方を向いて突出し、開口が右方を向く場合、左方を向いて突出する凸部と、を含んでもよい。
【0017】
さらに、連結部は、電子機器の天面側または側面側に形成され、開口が鉛直上方を向く凹部と、鉛直下方を向いて突出する凸部と、開口が左方もしくは右方を向く凹部と、開口が左方を向く場合、右方を向いて突出し、開口が右方を向く場合、左方を向いて突出する凸部と、を含んでもよい。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における電子機器100の外観の構成の一例を示す図である。図1を参照すると、電子機器100は、収納部110と、連結部120a〜120dと、を備える。また、収納部110は、電子機器100の筐体を構成する。具体的に、収納部110は、左側板110a、右側板110b、天板130、底板131、前面パネル140、および電子機器100の裏側の図1では見えない位置にある背面パネルとで構成される。収納部を構成する各板およびパネルは、独立した板でも、2つ以上が一体化した板(たとえば、左側板110a、右側板110bおよび天板130が一体化したもの)でもよい。電子機器100は、コンピュータ、データ処理装置などの情報処理装置、あるいは通信装置であるが、機器の種別に限定は無い。
【0019】
次に、第1の実施の形態における電子機器100の構成についてさらに詳しく説明する。
【0020】
収納部110は、情報処理装置の制御基板などを収納し、少なくとも前面(前面パネル140)には電源入力のための電源ボタンや各種操作のためのインタフェースが備えられる。
【0021】
連結部120a〜120dは、それぞれ、収納部110の前面(前面パネル140)の4箇所の角から背面に伸びる稜に備えられ、凸部と凹部を先端位置に設けた嵌合機構である。具体的に連結部120a〜120dは、円柱状の凸部121a〜121dと、その凸部と嵌合する開口に円筒内面を有する凹部122a〜122dとを含む(図2を併用参照)。また、連結部120a〜120dは、稜の長さとほぼ同等の長さを有する形状であり、他の電子装置との連結が容易に外れないものとする。また、各連結部の凸部と凹部は、収納部110と距離を少し離し、弾性変形可能な構造体で収納部110に固定されてもよい。
【0022】
さらに、電子機器100の天面側の連結部のうち、左側(天面左側)の連結部120aは、凸部121aが鉛直上方を向いて突出し、凹部122aの開口が左方を向くように備えられる。天面右側の連結部120bは、凹部122bの開口が鉛直上方に向き、凸部121bが右方を向いて突出するように備えられる。
【0023】
一方、電子機器100の底面側の連結部のうち、左側(底面左側)の連結部120cは、凹部122cの開口が鉛直下方を向き、凸部121cが左方を向いて突出するように備えられる。底面右側の連結部120dは、凸部121dが鉛直下方に向いて突出し、凹部122dの開口が右方を向くように備えられる。
【0024】
なお、以上の説明で、右方および左方の向きは、ともに水平方向である。
【0025】
以上のように構成された電子機器同士の連結の方法について、図3を参照して説明する。
【0026】
電子機器100、200、300、400を図3のような構成で連結する。電子機器200、300、400は、それぞれの嵌合構造の連結部が、電子機器100の対応する連結部と同じ構造である。図3に示す電子機器200は、その天面左側の連結部の凸部221a、凹部222aを含む。電子機器300は、その底面左側の連結部の凹部322c、底面右側の連結部の凸部321d、凹部322dを含む。電子機器400は、その底面左側の連結部の凸部421c、凹部422cを含む。
【0027】
まず、電子機器100と電子機器300を鉛直方向に連結する方法を説明する。ここで、電子機器300の下方の電子機器100の天面の連結部のうち、左側の連結部は凸部121aが鉛直上方を向いて突出し、右側の連結部は凹部122bの開口が鉛直上方に向くように備えられる。一方、上方の電子機器300の底面の連結部のうち、左側の連結部は凹部322cの開口が鉛直下方を向き、右側の連結部は凸部321dが鉛直下方に向いて突出するように備えられる。
【0028】
したがって、凸部121aと凹部322c、凹部122bと凸部321dが嵌合する構造となっており、電子機器100と電子機器300を鉛直方向に応力を加え嵌合させることで、あるいは奥行き方向へ嵌合滑動させることで連結させる。連結の方法は、連結部の材質の剛性および弾性の大きさにより適宜選択する。
【0029】
次に、電子機器100と電子機器200を水平方向に連結する方法を説明する。左方の電子機器100の天面右側の連結部は凸部121bが右方を向いて突出するように備えられる。一方、右方の電子機器200の天面左の連結部は凹部222aの開口が左方を向くように備えられる。前述の鉛直方向の連結と同様、凸部121bと凹部222aが嵌合する構造となり、水平方向の応力もしくは奥行き方向への嵌合滑動により電子機器100と電子機器200を連結することができる。実際は電子機器100と電子機器200の底面にも同様の構造の連結部が存在するが、連結方法は同じため、説明は省略する。
【0030】
最後に、電子機器100と電子機器200と電子機器300が連結された状態で、更に電子機器400を連結する場合、電子機器400は、鉛直方向に電子機器200と、水平方向に電子機器300と連結する。
【0031】
具体的には凸部421cは電子機器300の連結部の凹部322dと、凹部422cは電子機器200の連結部の凸部221aと嵌合する。この場合も、実際には鉛直方向への電子機器200との連結には、凹部422cと凸部221aの嵌合だけではなく、電子機器400の底面右の連結部と電子機器200の天面右の連結部とが連結される。同様に水平方向への電子機器300との連結には、凸部421cと凹部322dの嵌合だけではなく、電子機器300の天面右の連結部と電子機器400の天面左の連結部とが連結される。
【0032】
電子機器400を、電子機器300より先に電子機器200と鉛直方向に応力を加え連結させる場合、電子機器300の連結部の凹部322dおよび電子機器300の天面右の連結部が、電子機器400の連結部の凸部421cおよび電子機器400の天面左の連結部と干渉する。しかし、連結部の構造体が弾性変形可能であれば、連結部が弾性変形することで電子機器400と電子機器200の連結が可能となる。その後で電子機器400と電子機器300を水平方向に応力を加え連結させればよい。電子機器400と電子機器200を連結した時点で、電子機器400、電子機器200、更にそれら以外に連結された電子機器が多少傾斜した状態で保持される場合があるが、電子機器400と電子機器300が連結された時点で連結部の干渉が解消されるため、電子機器400、電子機器200、更にそれら以外に連結された電子機器は正しい状態で保持される。
【0033】
電子機器400を、電子機器200より先に電子機器300と水平方向に応力を加え連結させる場合も同様であり、電子機器400と電子機器300を連結した時点で、電子機器200の連結部と電子機器400の連結部が干渉する。しかし、連結部の構造体が弾性変形可能であれば、電子機器400と電子機器300の連結は可能である。その後で電子機器400と電子機器200を鉛直方向に応力を加え連結させればよい。
【0034】
また、電子機器同士の連結を、応力を加えて連結部を嵌合させるのではなく、奥行き方向への嵌合滑動により連結させる場合は、水平方向の電子機器同士の連結と鉛直方向の電子機器同士の連結を同時に実施でき、かつ連結部の干渉が発生しない。このため、電子機器が傾斜した状態で保持されることもない。
【0035】
なお、図1図3に図示した連結部120a〜120dの形状は一例であり、電子機器100の一部として、鉛直方向あるいは水平方向あるいはその両方の方向に電子機器を連結できる嵌合機構を持つ連結部120a〜120dが備えられていれば、どのような形状でも良い。
【0036】
[第2の実施の形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態における電子機器500の外観の構成の一例を示す正面図である。図4を参照すると、電子機器500は、収納部510と連結部520a〜520hと、を備える。また、収納部510は、左側板510a、右側板510b、天板530、底板531、前面パネル540、および電子機器500の裏側の図4では見えない位置にある背面パネルで構成される。
【0037】
連結部520a〜520hは、凸部もしくは凹部のみからなり、収納部510の前面から背面にかけての稜の長さとほぼ同等の長さを有する形状である。ただし、その長さは、稜の長さと同じに限定しない。電子機器500の天板530、左側板510a、右側板510b、底板531には、それぞれ凸部のみの連結部(以下、凸部の連結部とも言う)520a、520e、520d、520hと、それぞれ凹部のみの連結部(以下、凹部の連結部とも言う)520b、520c、520f、520gが備えられている。また、各凸部の連結部と各凹部の連結部は、弾性変形可能な構造体で収納部510に固定されていてもよい。
【0038】
また、凸部の連結部520aと凹部の連結部520g、凸部の連結部520hと凹部の連結部520bは、電子機器500を他の同じ構成の電子機器と鉛直方向(重力方向)に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。同様にして、凸部の連結部520eと凹部の連結部520f、凸部の連結部520dと凹部の連結部520cは、電子機器500を他の同じ構成の電子機器と水平方向に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。
【0039】
このような形状の電子機器においては、図1に示す電子機器100の連結部120a〜120dと同等の効果が期待できる。
【0040】
[第3の実施の形態]
図5は、本発明の第3の実施の形態における電子機器600の外観の構成の一例を示す正面図である。図5を参照すると、電子機器600は、収納部610と連結部620a〜620hと、を備える。また、収納部610は、左側板610a、右側板610b、天板630、底板631、前面パネル640、および電子機器600の裏側の図5では見えない位置にある背面パネルで構成される。
【0041】
連結部620a〜620hは、凸部もしくは凹部のみからなり、収納部610の前面から背面にかけての稜の長さとほぼ同等の長さを有する形状である。ただし、その長さは、稜の長さと同じに限定しない。電子機器600の天板630には、凸部のみの連結部620a、620bが、右側板610bには、凸部のみの連結部620d、620fが備えられている。同様に、左側板610aには、凹部のみの連結部620c、620eが、底板631には、凹部のみの連結部620g、620hが備えられている。また、各凸部の連結部と各凹部の連結部は、弾性変形可能な構造体で収納部610に固定されていてもよい。
【0042】
また、凸部の連結部620aと凹部の連結部620g、凸部の連結部620bと凹部の連結部620hは、電子機器600を他の同じ構成の電子機器と鉛直方向(重力方向)に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。同様にして、凸部の連結部620dと凹部の連結部620c、凸部の連結部620fと凹部の連結部620eは、電子機器600を他の同じ構成の電子機器と水平方向に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。
【0043】
このような形状の電子機器においても、図1に示す電子機器100の連結部120a〜120dと同等の効果が期待できる。
【0044】
[第4の実施の形態]
図6は、本発明の第4の実施の形態における電子機器700の外観の構成の一例を示す正面図である。図6を参照すると、電子機器700は、収納部710と連結部720a〜720hと、を備える。また、収納部710は、左側板710a、右側板710b、天板730、底板731、前面パネル740、および電子機器700の裏側の図6では見えない位置にある背面パネルで構成される。
【0045】
連結部720a〜720hは、凸部と凹部からなり、収納部710の前面から背面にかけての稜の長さとほぼ同等の長さを有する形状である。ただし、その長さは、稜の長さと同じに限定しない。電子機器700の天板730には連結部720a、720bが、右側板710bには連結部720d、720fが、左側板710aには連結部720c、720eが、底板731には連結部720g、720hが備えられている。
【0046】
また、それぞれ連結部720aの凸部と連結部720gの凹部、連結部720aの凹部と連結部720gの凸部、連結部720bの凸部と連結部720hの凹部、連結部720bの凹部と連結部720hの凸部は、電子機器700を他の同じ構成の電子機器と鉛直方向(重力方向)に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。同様にして、それぞれ連結部720dの凸部と連結部720cの凹部、連結部720dの凹部と連結部720cの凸部、連結部720fの凸部と連結部720eの凹部、連結部720fの凹部と連結部720eの凸部は、電子機器700を他の同じ構成の電子機器と水平方向に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。
【0047】
このような形状の電子機器において、図1に示す電子機器100の連結部120a〜120dと同等の効果が期待できる。
【0048】
[第5の実施の形態]
図7は、本発明の第5の実施の形態における電子機器800の外観の構成の一例を示す正面図である。図7を参照すると、電子機器800は、収納部810と連結部820a〜820hと、を備える。また、収納部810は、左側板810a、右側板810b、天板830、底板831、前面パネル840、および電子機器800の裏側の図7では見えない位置にある背面パネルで構成される。
【0049】
連結部820a〜820hは、凸部もしくは凹部のみからなり、収納部810の前面から背面にかけての稜の長さとほぼ同等の長さを有する形状である。ただし、その長さは、稜の長さと同じに限定しない。電子機器800の天板830には連結部820a、820bが、右側板810bには連結部820d、820fが、左側板810aには連結部820c、820eが、底板831には連結部820g、820hが備えられている。
【0050】
また、それぞれ連結部820aの凸部と連結部820gの凹部、連結部820bの凸部と連結部820hの凹部は、電子機器800を他の同じ構成の電子機器と鉛直方向(重力方向)に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。同様にして、それぞれ連結部820dの凸部と連結部820cの凹部、連結部820fの凸部と連結部820eの凹部は、電子機器800を他の同じ構成の電子機器と水平方向に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。
【0051】
それぞれの連結部の凸部もしくは凹部の個数は、電子機器800を鉛直方向(重力方向)もしくは水平方向に連結する場合に、互いに嵌合する位置に備えられる凸部もしくは凹部の個数と等しければ個数は問わない。
【0052】
このような形状の電子機器においても、図1に示す電子機器100の連結部120a〜120dと同等の効果が期待できる。
【0053】
[第6の実施の形態]
図8は、本発明の第6の実施の形態における電子機器900の外観の構成の一例を示す正面図である。図8を参照すると、電子機器900は、収納部910と連結部920a〜920dと、を備える。また、収納部910は、左側板910a、右側板910b、天板930、底板931、前面パネル940、および電子機器900の裏側の図8では見えない位置にある背面パネルとで構成される。
【0054】
連結部920a〜920dは、凸部と凹部からなり、収納部910の前面から背面にかけての稜の長さとほぼ同等の長さを有する形状である。ただし、その長さは、稜の長さと同じに限定しない。また電子機器900の天板930には連結部920a、920bが、底板931には連結部920c、920dが備えられている。
【0055】
また、それぞれ連結部920aの凸部と連結部920cの凹部、連結部920dの凸部と連結部920bの凹部は、電子機器900を他の同じ構成の電子機器と鉛直方向(重力方向)に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。同様にして、それぞれ連結部920bの凸部と連結部920aの凹部、連結部920cの凸部と連結部920dの凹部は、電子機器900を他の同じ構成の電子機器と水平方向に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。
【0056】
このような形状の電子機器においても、図1に示す電子機器100の連結部120a〜120dと同等の効果が期待できる。
【0057】
[第7の実施の形態]
図9は、本発明の第7の実施の形態における電子機器1000の外観の構成の一例を示す正面図である。図9を参照すると、電子機器1000は、収納部1010と連結部1020a〜1020bと、を備える。また、収納部1010は、左側板1010a、右側板1010b、天板1030、底板1031、前面パネル1040、および電子機器1000の裏側の図9では見えない位置にある背面パネルで構成される。
【0058】
連結部1020a〜1020bは、複数の凸部と凹部からなり、収納部1010の前面から背面にかけての稜の長さとほぼ同等の長さを有する形状である。ただし、その長さは、稜の長さと同じに限定しない。また電子機器1000の天板1030には連結部1020aが、底板1031には連結部1020bが備えられている。連結部1020aの凸部のうち、鉛直方向(重力方向)を向いている凸部を1021a、水平方向を向いている凸部を1021bとする。連結部1020aの凹部のうち、鉛直方向(重力方向)を向いている凹部を1022b、水平方向を向いている凹部を1022aとする。連結部1020bの凸部のうち、鉛直方向(重力方向)を向いている凸部を1021d、水平方向を向いている凸部を1021cとする。連結部1020bの凹部のうち、鉛直方向(重力方向)を向いている凹部を1022c、水平方向を向いている凹部を1022dとする。
【0059】
また、それぞれ連結部1020aの凸部1021aと連結部1020bの凹部1022c、連結部1020bの凸部1021dと連結部1020aの凹部1022bは、電子機器1000を他の同じ構成の電子機器と鉛直方向(重力方向)に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。同様にして、それぞれ連結部1020aの凸部1021bと凹部1022a、連結部1020bの凸部1021cと凹部1022dは、電子機器1000を他の同じ構成の電子機器と水平方向に連結する場合に互いに嵌合する位置に備えられる。
【0060】
このような形状の電子機器においても、図1に示す電子機器100の連結部120a〜120dと同等の効果が期待できる。
【0061】
次に、本発明の第1〜7の実施の形態の効果について説明する。
【0062】
上述した本実施形態における電子機器は、作業性を向上できる。
【0063】
その理由は、以下のような構成を含むからである。即ち、第1に連結部は、凸部と凹部のうち、少なくともどちらか一つを電子機器の左右側面および天面、底面の4面のうち少なくとも1面に備え、連結部の凸部または凹部は、鉛直方向(重力方向)あるいは水平方向に隣り合う電子機器の相対する面の相対する位置の凸部または凹部と嵌合する位置に設けられている。これにより、連結の配置を変更する場合に追加の部材を必要としない。また、連結装置自身の移動のみで連結が可能であるため、連結装置間の位置を正確に合わせて追加部材を嵌合する必要がなく、単独の作業者でも容易に作業が可能である。このため、作業性を向上できるという効果が得られる。
【0064】
また、設置ラックなどの搭載機器を利用して電子機器を連結する方法もあるが、本実施形態における電子機器においては、その搭載機器も不要となる。
【0065】
更に、本実施形態における電子機器100、500、600、700、800、900、1000は、底面の連結部(たとえば120c〜120dなど)を転倒防止用の脚台として使用することも可能である。この場合、電子機器100、500、600、700、800、900、1000が載置される面と接する部分の底面の連結部(たとえば120c〜120dなど)が、電子機器100、500、600、700、800、900、1000の水平を保つことができることと、そのために十分な剛性を持つことが必要となる。
【0066】
[第8の実施形態]
次に、本発明の第8の実施形態について図面を参照して説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0067】
図10は、本発明の第8の実施形態に係る電子機器101の構成の一例を示す図である。
【0068】
図10を参照すると、本実施形態における電子機器101は、第1の実施形態のそれと比べて、連結部120a〜120dの取り外しがそれぞれ適宜可能である。
【0069】
このことにより、設置場所が狭小で連結部が設置の際に邪魔になる場合、不必要な連結部のみを取り外して設置可能である。
【0070】
また、本実施形態における電子機器101も、第1の実施形態における電子機器100と同様、底面の連結部120c〜120dを取り外さない場合、連結部120c〜120dを転倒防止用の脚台として使用することが可能である。この場合は、連結部120cの凹部122cと連結部120dの凸部121dが載置面と接する。
【0071】
また、本実施形態の変形例としては、第2乃至第7の実施形態の電子機器の底板側の連結部のみで、連結部が構成されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
100、101、200、300、400、500、600、700、800、900、1000 電子機器
110、510、610、710、810、910、1010 収納部
110a、510a、610a、710a、810a、910a、1010a 左側板
110b、510b、610b、710b、810b、910b、1010b 右側板
120a〜120d、520a〜520h、620a〜620h、720a〜720h、820a〜820h、920a〜920d、1020a〜1020b 連結部
121a〜121d、221a、321d、421c、1021a〜1021d 凸部
122a〜122d、222a、322c、322d、422c、1022a〜1022d 凹部
130、530、630、730、830、930、1030 天板
131、531、631、731、831、931、1031 底板
140、540、640、740、840、940、1040 前面パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10