【実施例】
【0348】
調製例
【0349】
化合物9:MC-Val-Cit-PABC-PNPの調製
反応スキーム
【0350】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0351】
(a)化合物10:MC-Val-Cit-OHの調製
【0352】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0353】
CI-TrtCl-樹脂(20g、1.49mmol/g)(Iris Biotech、Ref.:BR-1065、2-クロロトリチルクロリド樹脂(200〜400メッシュ、1%DVB、1.0〜1.6mmol/g)、CAS42074-68-0)を、フィルタプレートに入れた。この樹脂に100mLのDCMを添加し、この混合物を1時間撹拌した。溶媒を真空下で濾過により除去した。Fmoc-Cit-OH(11.83g、29.78mmol)及びDIPEA(17.15mL、98.45mmol)のDCM(80mL)中溶液を添加し、この混合物を10分間撹拌した。その後、DIPEA(34.82mmol、199.98mmol)を添加し、この混合物を1時間撹拌した。15分間撹拌後、反応をMeOH(30mL)の添加により終わらせた。結果として生成されたFmoc-Cit-O-TrtCl-樹脂に以下の洗浄/処理を施した:DCM(5×50mL×0.5分)、DMF(5×50mL×0.5分)、ピペリジン:DMF(1:4、1×1分、2×10分)、DMF(5×50mL×0.5分)、DCM(5×50mL×0.5分)。最終のピペリジン洗浄により、NH
2-Cit-O-TrtCl-樹脂が得られた。負荷を計算した:1.15mmol/g。
【0354】
上で生成されたNH
2-Cit-O-TrtCl-樹脂をDMF(5×50mL×0.5分)で洗浄し、NH
2-Cit-O-TrtCl-樹脂にFmoc-Val-OH(31.22g、91.98mmol)、HOBt(11.23g、91.98mmol)のDMF(100mL)中溶液を添加し、撹拌し、DIPCDI(14.24mL、91.98mmol)を添加し、この混合物を1.5時間撹拌した。反応をDMF(5×50mL×0.5分)で洗浄することにより終わらせた。このように生成されたFmoc-Val-Cit-O-TrtCl-樹脂をピペリジン:DMF(1:4、1×1分、2×10分)で処理し、DMF(5×50mL×0.5分)で洗浄した。最終のピペリジン洗浄により、NH2-Val-Cit-O-TrtCl-樹脂が得られた。
【0355】
上で生成されたNH
2-Val-Cit-O-TrtCl-樹脂に、6-マレイミドカプロン酸(MC-OH)(9.7g、45.92mmol)、HOBt(6.21g、45.92mmol)のDMF(100mL)中溶液を添加し、撹拌し、DIPCDI(7.12mL、45.92mmol)を添加し、この混合物を1.5時間撹拌した。反応をDMF(5×50mL×0.5分)及びDCM(5×50mL×0.5分)で洗浄することにより終わらせた。
【0356】
ペプチドを、TFA:DCM(1:99、5×100mL)での処理により樹脂から切断した。樹脂をDCM(7×50mL×0.5分)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で蒸発乾固させ、得られた固体をEt
2Oと一緒に粉砕し、濾過して、白色の固体として化合物10(7.60g、71%)を得た。
【0357】
【数1】
[この文献は図面を表示できません]
【0358】
ESI-MS m/z:C
21H
33N
5O
7について計算:467.2、実測:468.3(M+H)
+。
【0359】
(b)化合物11:MC-Val-Cit-PABOHの調製
【0360】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【0361】
化合物10(1.6g、3.42mmol)及び4-アミノベンジルアルコール(PABOH)(0.84g、6.84mmol)のDCM(60mL)中溶液に、HOBt(0.92g、6.84mmol)のDMF(5mL)中溶液を添加した。DIPCDI(1.05mL、6.84mmol)を添加し、反応混合物を23℃で2時間撹拌し、Et
2O(150mL)を添加し、得られた固体を真空下でフィルタプレートで濾過して、化合物11(1.31g、67%)を得た。
【0362】
【数2】
[この文献は図面を表示できません]
【0363】
ESI-MS m/z:C
28H
40N
6O
7について計算:572.3、実測:573.3(M+H)
+。
【0364】
(c)化合物9:MC-Val-Cit-PAB-PNPの調製
【0365】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
【0366】
化合物11(500mg、0.87mmol)及びビス(4-ニトロフェニル)カーボネート(ビス-PNP)(2.64g、8.72mmol)のDCM:DMF(8:2、25mL)中溶液に、DIPEA(0.45ml、2.61mmol)を添加した。この反応混合物を、23℃で20時間撹拌し、シリカゲルカラム(DCM:CH
3OH、50:1から10:1)上に注いで、純粋目標化合物9(364mg、57%)を得た。
R
f=0.40(CH
2Cl
2:CH
3OH、9:1)。
【0367】
【数3】
[この文献は図面を表示できません]
【0368】
13C NMR(125MHz,CDCl
3/CD
3OD)δ174.4、172.4、171.1、170.6、160.5、155.5、152.5、145.3、138.7、134.1、129.9、129.5、125.2、121.8、120.0、70.6、59.0、53.2、37.5、35.8、30.6、29.6、29.3、28.1、26.2、26.2、25.1、19.1、18.1。
ESI-MS m/z:C
35H
43N
7O
11について計算:737.3、実測:738.3(M+H)
+。
【0369】
(実施例1)
化合物1の調製
【0370】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0371】
(a)化合物3の調製
化合物2(その内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2007144423号に記載された通りに調製した化合物30a)(1.014g、1.8mmol)のDCM(45mL)中溶液に、1,1'-カルボニルジイミダゾール(876mg、5.4mmol)を添加した。23℃で一晩撹拌した後、この反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物、99:1から85:15)のためのシステムで精製して、純粋化合物3(1.176g、86%)を得た。
【0372】
【数4】
[この文献は図面を表示できません]
【0373】
13C NMR(125MHz、CDCl
3):δ168.5、166.4、161.5、148.7、145.2、140.4、137.6、137.0、134.4、133.9、133.0、130.9、124.2、123.9、121.0、120.5、117.03、110.0、108.1、104.1、81.7、77.8、60.4、55.4、37.2、34.5、26.6、26.3、21.0、17.1、16.6。
ESI-MS m/z:C
34H
45ClN
4O
7について計算:656.30、実測:657.3(M+H)
+。
【0374】
(b)化合物4の調製
上のステップ(a)に記載した通りに調製した、化合物3(1.160g、1.78mmol)のDCM(45mL)中溶液に、プロパン1,3-ジアミン(0.19mL、2.22mol)を添加した。この反応混合物を23℃で一晩撹拌し、次いで、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiNH
2、DCM:CH
3OH、100.0から97.3)のためのシステムで精製して、純粋化合物4(800mg、68%)を得た。
【0375】
【数5】
[この文献は図面を表示できません]
【0376】
13C NMR(125MHz,CDCl
3):δ168.4、166.1、161.5、156.7、145.2、139.9、137.1、134.0、133.9、131.8、124.3、124.2、122.5、120.9、108.1、105.5、81.8、74.3、60.6、55.4、39.81、39.30、37.2、34.7、33.1、31.5、29.6、26.7、26.2、21.0、17.1、16.6。
ESI-MS m/z:C
34H
51ClN
4O
7について計算:662.30、実側:663.3[M+H)
+。
【0377】
(c)化合物1の調製
上のステップ(b)に記載した通りに調製した、化合物4(52mg、0.078mmol)、及び6-マレイミドヘキサン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(27.1mg、0.088mmol)のDCM(2mL)中溶液に、DIPEA(15μL、0.086mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で一晩撹拌し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋な目標化合物1(29.7mg、44%)を得た。
【0378】
【数6】
[この文献は図面を表示できません]
【0379】
13C-NMR(125MHz、CDCl
3):δ173.8、170.8、168.3、166.5、161.6、157.1、145.1、140.4、137.5、134.2、134.1、134.0、131.9、124.2、124.0、122.5、120.6、108.3、106.0、81.8、74.5、60.6、55.4、37.7、37.6、37.2、36.3、36.1、34.7、33.4、31.0、29.8、28.3、26.7、26.3、26.2、25.6、21.0、17.2、16.6。
ESI-MS m/z:C
44H
62ClN
5O
10について計算:855.42、実測:856.5(M+H)
+。
【0380】
(実施例2)
化合物5の調製
【0381】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0382】
(a)化合物7の調製
化合物6(化合物30b、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2007144423号に記載された通りに調製した)(750mg、1.42mmol)のDCM(35.5ml)中溶液に、1,1'-カルボニルジイミダゾール(691mg、4.26mmol)を添加した。23℃で一晩撹拌後、この反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物7(717mg、81%)を得た。
【0383】
【数7】
[この文献は図面を表示できません]
【0384】
(b)化合物8の調製
上のステップ(a)に記載した通りに調製した化合物7(1.68g、2.7mmol)のDCM(80mL)中溶液に、プロパン1,3-ジアミン(0.27mL、3.24mmol)を添加した。この反応混合物を、23℃で一晩撹拌し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、DCM:CH
3OH、100:0から97:3)のためのシステムで精製して、化合物8(854mg、50%)を得た。
【0385】
【数8】
[この文献は図面を表示できません]
【0386】
13C NMR(125MHz、CDCl
3):δ168.3、166.2、161.6、157.1、145.1、139.9、137.1、134.0、133.9、126.9、124.9、124.2、123.9、120.9、108.2、106.3、81.8、75.0、60.6、55.4、39.6、37.2、34.7、32.8、31.5、31.1、29.6、26.7、26.2、17.1、16.6、12.9。
ESI-MS m/z:C
34H
52N
4O
7について計算:628.4。実測:629.5(M+H)
+。
【0387】
(c)化合物5の調製
上のステップ(b)に記載した通りに調製した化合物8(150mg、0.24mmol)のDCM(8mL)中溶液に、6-マレイミドヘキサン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(88.3g、0.28mmol)を23℃で添加した。この反応混合物を、23℃で18時間撹拌し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋な目標化合物5(75mg、38%)を得た。
【0388】
【数9】
[この文献は図面を表示できません]
【0389】
13C NMR(125MHz、CDCl
3):δ173.6、170.8、168.2、166.4、161.6、157.4、145.2、140.2、137.4、134.2、134.1、134.0、127.0、124.9、123.9、120.7、108.3、106.5、81.8、75.3、60.6、55.4、37.7、37.6、37.2、36.3、36.0、34.7、31.8、31.6、31.1、29.9、28.3、26.7、26.4、26.2、25.2、22.6、17.2、16.6。
ESI-MS m/z:C
44H
63N
5O
10について計算:821.5。実測:822.4(M+H)
+。
【0390】
(実施例3)
化合物12の調製
【0391】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0392】
(a)化合物12の調製
DIPEA(25μL、0.14mmol)を、上の調製例で示した通りに調製した化合物9(94.5mg、0.13mmol)及び上の実施例1(b)に記載した通りに調製した化合物4(85mg、0.13mmol)のNMP(6.5mL)中溶液に23℃で添加した。9時間後、この反応混合物をH
2Oで希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、DCM:CH
3OH、100:0から90:10)のためのシステムで精製した。最後に、目標化合物12(35.7mg、22%)の精製を半分取HPLC(Symmmetry C18、7μm、19×150mm、勾配H
2O+CH
3CN、流量15mL/分、UV検出)により行なった。
【0393】
【数10】
[この文献は図面を表示できません]
【0394】
13C NMR(125MHz、CDCl
3):δ174.1、172.2、171.0、170.3、168.8、166.8、162.1、160.2、157.0、156.9、144.9、140.2、137.7、137.5、134.0、132.4、131.7、128.7、124.0、123.4、122.4、120.4、119.8、111.5、108.6、107.0、81.9、73.8、68.6、66.2、60.3、58.8、55.4、53.0、37.6、37.5、37.1、35.9、34.6、33.2、30.6、29.9、29.2、28.0、26.5、26.2、26.0、25.0、22.6、20.8、19.1、18.2、17.04、16.4。
ESI-MS m/z:C
63H
89ClN
10O
15について計算:1260.6。実測:1261.6(M+H)
+。
【0395】
(実施例4)
化合物13の調製
【0396】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0397】
(a)化合物14の調製
上の実施例1(b)に記載した通りに調製した化合物4(110mg、0.17mmol)、及び3-(メチルジスルファニル)プロパン酸(34mg、0.22mmol)のDCM(5mL)中溶液に、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(47.8mg、0.22mmol)及びN,N'-ジイソプロピルエチルアミン(3.8μL、0.22mmol)を添加した。この反応混合物を、23℃で6時間撹拌し、H
2Oで希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物14(123mg、93%)を得た。
【0398】
【数11】
[この文献は図面を表示できません]
【0399】
13C NMR(125MHz、CDCl
3):δ171.6、168.2、166.4、161.6、157.2、145.2、140.3、137.4、134.2、134.0、131.9、124.4、124.1、122.4、120.7、108.3、105.6、81.8、74.8、60.6、60.4、55.5、37.8、37.2、36.2、35.6、34.7、33.1、31.0、29.8、26.7、26.2、23.0、21.0、17.2、16.6。
【0400】
(b)化合物13の調製
上のステップ(a)に記載した通りに調製した化合物14(100mg、0.125mmol)のEtOAc(4.3mL)及びCH
3OH(4.3mL)の混合物中溶液を、ジチオトレイトール(154.8mg、1.0mmol)の0.05Mリン酸カリウム緩衝液(4.3mL)(pH7.5、2mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む)中溶液で処理した。この混合物を23℃で4時間撹拌した。この反応物を0.2Mリン酸カリウム緩衝液(13mL)(pH6.0、2mMのEDTAを含む)の溶液で処理し、次いで、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋な目標化合物13(35mg、37%)を得た。
【0401】
【数12】
[この文献は図面を表示できません]
【0402】
ESI-MS m/z:C
37H
55ClN
4O
8Sについて計算:750.3。実測:773.2(M+Na)
+。
【0403】
(実施例5)
化合物15の調製
【0404】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0405】
(a)化合物16の調製
化合物2(化合物30a、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2007144423号に記載された通りに調製した)(300mg、0.53mmol)のDCM(5mL)中溶液に、ピリジン(85μL、1.06mmol)及び4-ニトロフェニルクロロホルメート(214.7mg、1.06mmol)を0℃で添加した。この反応混合物を23℃で1.5時間撹拌し、クエン酸10%で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物16(307mg、80%)を得た。
【0406】
【数13】
[この文献は図面を表示できません]
【0407】
13C NMR(125MHz、CDCl
3):δ168.4、166.1、161.5、155.3、152.5、145.5、145.2、140.4、137.6、134.3、134.0、133.2、125.3、124.4、124.1、121.8、121.2、120.4、108.1、104.6、81.8、79.1、60.4、55.5、37.3、34.7、32.7、30.1、26.6、26.3、21.1、17.2、16.6。
【0408】
(b)化合物17の調製
化合物16(156.3mg、0.21mmol)のDCM(2.5mL)中溶液に、3-アミノプロパン-1-チオール塩酸塩(44.8mg、0.26mmol)のDCM(2.5mL)、トリエチルアミン(58μL、0.34mmol)及びDMF(0.1mL)中懸濁液を23℃で添加した。この反応混合物を23℃で3時間撹拌し、H
2Oで希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物17(80mg、95%)を得た。
【0409】
【数14】
[この文献は図面を表示できません]
【0410】
ESI-MS m/z:C
68H
98Cl
2N
6O
14S
2について計算:1356.6。実測:1357.3(M+H)
+。
【0411】
(c)化合物15の調製
化合物17(59.4mg、0.044mmol)のEtOAc(1.5mL)及びCH
3OH(1.5mL)の混合物中溶液を、0.05Mリン酸カリウム緩衝液(1.5mL)(pH7.5、2mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む)中溶液ジチオトレイトール(0.35mL、0.35mmol)で処理した。この混合物を23℃で4時間撹拌した。この反応物を0.2Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.0、2mMのEDTAを含む)の溶液で処理し、次いで、EtOAc(×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋な目標化合物15(31mg、59%)を得た。
【0412】
【数15】
[この文献は図面を表示できません]
【0413】
13C NMR(125MHz、CDCl
3):δ168.2、166.2、161.5、156.7、145.2、140.2、137.3、134.2、134.0、132.0、124.4、124.2、122.3、120.8、108.1、105.5、81.8、74.5、60.6、55.4、39.6、37.3、34.6、33.9、33.3、30.8、26.7、26.3、21.8、21.1、17.2、16.7。
ESI-MS m/z:C
34H
50ClN
3O
7Sについて計算:679.3。実測:702.4(M+Na)
+。
【0414】
(実施例6)
化合物18の調製
【0415】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0416】
(a)化合物19の調製
上の実施例2(b)に記載した通りに調製した化合物8(280mg、0.45mmol)、及び3-(メチルジスルファニル)プロパン酸(88mg、0.58mmol)のDCM(7.5mL)中溶液に、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(126mg、0.58mmol)及びN,N'-ジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.58mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で3時間撹拌し、H
2Oで希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物19(240mg、71%)を得た。
【0417】
【数16】
[この文献は図面を表示できません]
【0418】
13C NMR(125MHz、CDCl
3):δ171.5、168.1、166.3、157.4、145.2、140.3、137.4、134.2、134.0、127.0、124.9、124.0、120.8、108.3、106.3、81.8、75.5、60.6、55.4、53.4、37.8、37.2、36.2、35.9、34.7、33.1、31.8、31.2、29.8、26.7、26.2、23.0、17.2、16.6、13.0。
ESI-MS m/z:C
38H
58N
4O
8S
2について計算:763.4。実測:762.4(M+H)
+。
【0419】
(b)化合物18の調製
上のステップ(a)に記載した通りに調製した化合物19(240mg、0.31mmol)のEtOAc(15mL)及びCH
3OH(22mL)の混合物中溶液を、0.05Mリン酸カリウム緩衝液(17.4mL)(pH7.5、2mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む)中溶液ジチオトレイトール(1.0M溶液0.79mL、0.79mmol)で処理した。この混合物を23℃で4時間撹拌した。この反応物を0.2Mリン酸カリウム緩衝液(21mL)(pH6.0、2mMのEDTAを含む)の溶液で処理し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋な目標化合物18(105mg、47%)を得た。
【0420】
【数17】
[この文献は図面を表示できません]
【0421】
ESI-MS m/z:C
37H
56N
4O
8Sについて計算:716.4。実測:717.3(M+H)
+。
【0422】
(実施例7)
化合物25の調製
【0423】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【0424】
(a)化合物23の調製
化合物22(333mg、0.63mmol)(化合物71、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2009080761号に記載された通りに調製された)のCH
2Cl
2(12.5mL)中溶液に、1,1'-カルボニルジイミダゾール(308mg、1.90mmol)を添加した。23℃で一晩撹拌後、この反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物23(344mg、88%)を得た。
【0425】
【数18】
[この文献は図面を表示できません]
【0426】
ESI-MS m/z:C
34H
44N
4O
7について計算:620.32。実測:621.3(M+H)
+。
【0427】
(b)化合物24の調製
上のステップ(a)に記載した通りに調製した化合物23(0.130g、0.21mmol)のCH
2Cl
2(3.5mL)中溶液に、プロパン1,3-ジアミン(0.022mL、0.26mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で6時間撹拌し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、DCM:CH
3OH、100:0から97:3)のためのシステムで精製して、化合物24(120mg、91%)を得た。
【0428】
【数19】
[この文献は図面を表示できません]
【0429】
13C NMR(125MHz、CDCl
3):δ168.3、166.1、161.6、156.5、145.2、140.0、137.2、134.1、134.0、124.3、124.2、120.9、108.1、106.0、81.8、78.4、74.5、73.2、60.6、55.4、39.8、39.2、37.3、34.8、33.0、30.9、30.2、26.7、26.3、17.2、16.7、3.6。
ESI-MS m/z:C
34H
50N
4O
7について計算:626.37。実測:627.3(M+H)
+。
【0430】
(c)化合物25の調製
上のステップ(b)に記載した通りに調製した化合物24(40mg、0.064mmol)のCH
2Cl
2(2mL)中溶液に、6-マレイミドヘキサン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(21.6mg、0.07mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で一晩撹拌し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物25(33.5mg、64%)を得た。
【0431】
【数20】
[この文献は図面を表示できません]
【0432】
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ173.4、170.8、168.1、166.4、161.6、157.0、145.2、140.3、137.5、134.3、134.1、133.9、124.2、120.7、108.2、106.2、81.8、78.4、74.3、73.5、60.7、55.4、37.7、37.6、37.3、36.4、35.9,34.6、32.8、30.3、29.9、28.3、26.7、26.4、26.2、25.4、25.2、24.4、17.2、16.6、3.6。
ESI-MS m/z:C
44H
61ClN
5O
10について計算:819.44。実測:820.4(M+H)
+。
【0433】
(実施例8)
化合物27の調製
【0434】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0435】
(a)化合物26の調製
上の実施例7(b)に記載した通りに調製した化合物24(70mg、0.11mmol)のCH
2Cl
2(2mL)中溶液に、3-(メチルジスルファニル)プロパン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(36.2mg、0.12mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で16時間撹拌し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、白色の固体として純粋化合物26(46.3mg、61%)を得た。
【0436】
【数21】
[この文献は図面を表示できません]
【0437】
13C NMR(100MHz、CDCl
3):δ171.5、168.1、166.4、165.2、157.0、145.1、140.4、137.5、134.3、134.0、124.20、124.0、120.7、108.2、106.2、81.8、78.4、74.2、73.6、60.7、55.4、37.8、37.3、35.9、34.6、33.1、30.3、29.8、26.7、26.2、24.4、23.0、17.2、16.6、3.6。
【0438】
(b)化合物27の調製
上のステップ(a)に記載した通りに調製した化合物26(44.3mg、0.064mmol)のEtOAc(3.6mL)及びCH
3OH(3.6mL)の混合物中溶液を、ジチオトレイトール(1.0M溶液の0.19mL、0.19mmol)の0.05Mリン酸カリウム緩衝液(3.6mL)(pH7.5、2mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む)中溶液(1.0M溶液0.19mL、0.19mmol)で処理した。この混合物を23℃で4時間撹拌した。反応物を0.2Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.0、2mMのEDTAを含む)の溶液(21mL)で処理し、次いで、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、白色の固体として純粋な目標化合物27(33.6mg、74%)を得た。
【0439】
【数22】
[この文献は図面を表示できません]
【0440】
ESI-MS m/z:C
37H
54N
4O
8Sについて計算:714.37。実測:737.3(M+Na)
+。
【0441】
(実施例9)
トラスツズマブ及び化合物1による抗体薬物コンジュゲートADC1の調製
【0442】
(a)部分還元トラスツズマブ(化合物20)を与えるためのトラスツズマブの部分還元
トラスツズマブ(輸液用濃縮溶液の調製のための、白色溶解粉末としてRocheから購入したトラスツズマブ)溶液(9.52mL、200mg、1.38μmol)を、20mMのヒスチジン/酢酸緩衝液(pH5.5、30.5mL)で5mg/mLの濃度に希釈し、続いて、リン酸/EDTA緩衝液(pH8.4、13mL)でpH調整した。抗体中のジスルフィド結合の部分還元を、5.17mMのトリス[2-カルボキシエチル]ホスフィン塩酸塩(TCEP)溶液(689μL、3.562μmol、2.6当量)の添加により行なった。還元反応をそのままにさせて、20℃で90分間撹拌した。還元直後に、Ellmanアッセイを行なって、計画どおりに、4.0の値に非常に近い、4.1の遊離チオールと抗体の比(FTAR)を得た。
【0443】
(b)ADC1の調整
上の実施例7(a)に記載した通りに調製した部分還元トラスツズマブ化合物20(24.98mL、93.0mg、0.64μmol)の溶液に、DMSOを添加し(1.25mL)、続いて、実施例1に記載した通りに調製した化合物1の新鮮調製溶液(DMSO中10mM、366μL、3.66μmol、5.7当量)を添加した。化合物1の添加後、溶液は非常に濁ったので、DMSO(1mL)を更に添加した。このコンジュゲーション反応物を20℃で30分間撹拌し、コンジュゲーション反応の間に濁りは消えた。過剰の薬物をN-アセチルシステイン(NAC)(10mM、366μL、3.66μmol)の添加によりクエンチし、続いて、この溶液を20分間撹拌した。クエンチしたコンジュゲーション反応物を、Vivaspin遠心分離により精製し、緩衝液を最終PBS処方緩衝液と交換した。最終目標生成物ADC1を、UVにより決定して8.56mg/mLの最終濃度に濃縮し、7.4mL(63.3mg、0.43μmol、68.0%)のADC溶液を得た。SEC HPLC実験を行なって、生成物の純度(61.4%)を決定した。
【0444】
高い量の凝集体の存在のために、HiLoad16/600superdex200カラムを使用してAkta浄化装置システム上で分取ゲル濾過クロマトグラフィーにより、ADC1を更に精製した。プールした後、最終濃度(1.6mg/mL)をUVにより決定し、最終薬物生成物の純度(90.9%)をSEC HPLCにより決定して、8.65mL(13.7mg、0.09μmol、14.7%)のADC溶液(ADC1)を得た。
【0445】
(実施例10)
トラスツズマブ及び化合物5による抗体薬物コンジュゲートADC2の調製
【0446】
(a) 部分還元トラスツズマブ(化合物20)を与えるためのトラスツズマブの部分還元
トラスツズマブ溶液(14.29mL、300mg、2.06μmol)を、20mMのヒスチジン/酢酸緩衝液(pH5.5、45.74mL)で5mg/mLの濃度に希釈し、続いて、リン酸/EDTA緩衝液(pH8.4、14.4mL)でpH調整した。抗体中のジスルフィド結合の部分還元を、5mMのトリス[2-カルボキシエチル]ホスフィン塩酸塩(TCEP)溶液(1.07mL、5.36μmol、2.6当量)の添加により行なった。還元反応をそのままにさせて、20℃で90分間撹拌した。還元直後に、Ellmanアッセイを行なって、計画どおりに、4.0の値に非常に近い、4.1の遊離チオールと抗体の比(FTAR)を得た。
【0447】
(b)ADC2の調製
上の実施例8(a)に記載した通りに調製した部分還元トラスツズマブ化合物20(23.6mL、93.8mg、0.645μmol)の溶液に、DMSOを添加し(1.18mL)、続いて、実施例2に記載した通りに調製した化合物5の新鮮調製溶液(DMSO中10mM、368μL、3.68μmol、5.7当量)を添加した。薬物-リンカーを10回に分けて慎重に添加した。6回分の後、溶液はわずかに濁り、その濁りは、コンジュゲーション反応及びクエンチの間に消えなかった。コンジュゲーション反応物を20℃で30分間撹拌した。過剰の薬物を、溶液を46分間撹拌することによって、N-アセチルシステイン(NAC)(10mM、368μL、3.68μmol)の添加によりクエンチした。この溶液を0.2μmシリンジフィルタで濾過した。クエンチしたコンジュゲーション反応物をVivaspin遠心分離により16.5mg/mLに濃縮し、NAP-25カラム上で精製した。SEC HPLC実験を行なって、生成物の純度(36.1%)を決定した。
【0448】
高い量の凝集体の存在のために、HiLoad16/600superdex200カラムを使用してAkta浄化装置システム上で分取ゲル濾過クロマトグラフィーにより、ADC2を更に精製した。プールした後、最終濃度(3.7mg/mL)をUVにより決定し、最終標的ADCの純度(78.3%)をSEC HPLCにより決定して、5.3mL(19.4mg、19.4%)のADC溶液(ADC2)を得た。
【0449】
(実施例11)
トラスツズマブ及び化合物12による抗体薬物コンジュゲートADC3の調製
【0450】
(a)ADC3の調製
上の実施例10(a)に記載した通りに調製した部分還元トラスツズマブ化合物20(23.6mL、93.8mg、0.645μmol)の溶液に、DMSOを添加し(1.18mL)、続いて、実施例3に記載した通りに調製した化合物12の新鮮調製溶液(DMSO中10mM、369μL、3.69μmol、5.7当量)を添加した。薬物-リンカーを10回に分けて慎重に添加し、それにも拘わらず、溶液は3回分後に濁り始めた。最後の2回分の添加中に高濁度が観察された。溶液は濾過ステップまで透明にならなかった。このコンジュゲーション反応物を20℃で31分間撹拌した。反応混合物を50分間撹拌することにより、過剰の薬物をN-アセチルシステイン(NAC)(10mM、369μL、3.69μmol)の添加によりクエンチした。クエンチしたコンジュゲーション反応溶液を0.2μmシリンジフィルタで濾過し、Vivaspin遠心分離により14.2mg/mLに濃縮した。次いで、それをNAP-25カラム上で精製した。SEC HPLC実験を行なって、生成物の純度(34.2%)を決定した。
【0451】
高い量の凝集体の存在のために、HiLoad16/600superdex200カラムを使用してAkta浄化装置システム上で分取ゲル濾過クロマトグラフィーにより、ADC3を更に精製した。プールした後、最終濃度(2.3mg/mL)をUVにより決定し、最終薬物生成物の純度(78.6%)をSEC HPLCにより決定して、7.3mL(16.6mg、16.6%)のADC溶液(ADC3)を得た。
【0452】
(実施例12)
それぞれ、トラスツズマブ並びに化合物13、化合物15及び化合物18による抗体薬物コンジュゲートADC4、ADC5及びADC6の調製
【0453】
(a) トラスツズマブへのSMCCコンジュゲーション(化合物21)
NAP-25カラムを使用して、トラスツズマブ溶液(262mg、1.8μmol)の緩衝液をリン酸緩衝液(50mMリン酸、2mMEDTA、pH6.5)により交換した。ガラス製反応器中にプールしたトラスツズマブ溶液(16〜17g/L)に、DMSOを添加した(5%)。トラスツズマブ溶液にSMCC(20.0mM、8.0当量)を添加することにより、リンカーコンジュゲーションを開始させた。この反応物を18℃で3時間撹拌した。次いで、この反応混合物をNAP-25カラム上で精製して、化合物21を得た。逆Ellmanアッセイを行なって、3.7のLARを決定した。
【0454】
(b) トラスツズマブ-MCCへの化合物13、化合物15及び化合物18のコンジュゲーション:ADC4、ADC5及びADC6の調製
コンジュゲーション反応のために、第1のステップにおいて抗体コンジュゲート溶液化合物21をリン酸緩衝液(50mMリン酸、2mM EDTA、pH6.5)で10g/Lの濃度に希釈した。次いで、DMSO(5%)を化合物21溶液に添加した。化合物13、化合物15及び化合物18とのコンジュゲーション反応を、薬物(10mM、6.3〜6.6当量)を化合物21溶液にゆっくりと添加し、18℃で4時間撹拌することによって行なった。コンジュゲーション反応が完了した後、反応混合物を0.2μmで濾過し、1×PBS緩衝液中への緩衝液交換とともにNAP-25カラム上で再度精製した。SEC HPLC実験を行なって、生成物の純度を決定し、最終生成物の濃度をUVにより測定した。
【0455】
化合物15による試料調製からのADCを良好な純度(74.5%)で単離し、56%(49mg)の収率を得、更なる精製を必要としなかった。ADC5溶液(87mL)の最終濃度(5.7mg/mL)をUVにより決定した。
【0456】
しかしながら、化合物13及び化合物18による2つの試料調製では、低分子種が存在した。これらの種は、生成物ピークに対して非常に類似した保持時間を有し、SECカラム上で十分に分離できなかった。溶液中になお存在する薬物の可能な残物を除去するために、溶液を再度NAP-25カラム上に通した。第1及び第2のNAP-25精製後のクロマトグラムは、同一であり、したがって、種は、溶液中になお存在する遊離薬物から生じず、より大きな起源のものでなければならない。次いで、試料をサイズ排除カラム上でゲル濾過クロマトグラフィーにより更に精製した。
【0457】
プールした後、最終濃度(2.8及び3.9mg/mL)をUVにより決定し、最終薬物生成物の純度(62.3%及び50.9%)をSEC HPLCにより決定して、それぞれ、6.7mL(19.3mg、22.0%)のADC4溶液及び6.8mL(26.7mg、30.5%)のADC6溶液を得た。
【0458】
(実施例13)
トラスツズマブ並びに化合物25及び化合物27による抗体薬物コンジュゲートADC7及びADC8の調製
(a)一般手順
抗体濃度は、2.18E5M
-1cm
-1のモル吸光係数及び150kDaの分子量を使用して280nmでその吸光度をモニターすることにより分光光度法で検査した。これらのプロセスで使用した緩衝液は、緩衝液A(2mM(EDTA)を含む50mMリン酸ナトリウムpH6.5)又は緩衝液B(50mMリン酸ナトリウムpH8.0)又はリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)のいずれかであった。薬物と抗体の比(「DAR」)は、Lysを介してのコンジュゲーションの場合、リンカーと抗体の比(「LAR」)から、又はCys標的コンジュゲーションの場合、薬物-リンカーのマレイミドコネクタ若しくは遊離Cysへのコンジュゲーション反応が定量的であると仮定して、抗体1モル当たりの遊離Cysの比から推定した。両決定は、着色チオニトロベンゾエート付加体を形成するための5,5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)(「DTNB」)と遊離チオール基との熱量測定反応に基づいた。LAR決定について、付加体は、DTNBの緩衝液B中200μM溶液とN-アセチル-システインの同じ緩衝液中200μM溶液の等容量を混合することにより前形成した。次いで、75μLのこの混合物を75μLの試験試料と混合し、1時間インキュベーション後、412nmでの吸光度を分光光度法で決定し、得られた値を、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(「SMCC」)の既知濃度を使用して標準曲線から得られたものと比較して、試料中マレイミドの濃度を得た。次いで、この濃度を抗体濃度に当てはめて、LARを計算する。同様に、遊離Cysは、緩衝液B中50μLの試験試料と150μLの133μM DTNBとを混合し、412nmでの吸光度をモニターし、得られた値を、Cysの既知濃度を使用して標準曲線から得たものと比較することにより決定し;次いで、試験試料中の遊離Cysの推定濃度を抗体濃度に当てはめて、比を計算する。
【0459】
(b)抗体薬物コンジュゲートの調製
細胞毒性ペイロードがCys残基とコンジュゲートされていた場合(ADC7の調製のための化合物25と同様に)、抗体はトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(「TCEP」)で前もって還元した。簡潔には、抗体の緩衝液B中70μM(10.5mg/mL)溶液を、TCEPの水中5mM溶液の適当量と混合して、還元剤を抗体に対して2.5倍過剰に維持した。この混合物を20℃で60分間インキュベート及び撹拌し、その後、得られた還元抗体の少量アリコートを除去して、遊離Cysと抗体の比を計算し、一方で、残存試料を適当容量の化合物25のDMSO中10mM溶液と混合して、抗体に対する化合物を6倍過剰に到達させた:還元抗体が通常はタンパク質1分子当たり6未満の遊離Cysを示すことを考慮すると、化合物と接近可能な遊離Cysとのモル比は、1を決して下回らない。必要に応じてDMSOを添加して、その濃度を5%(V/V)に維持し、この混合物を20℃で30分間インキュベートした。その後、薬物-リンカーの濃度に一致するように適当容量の水中10mM溶液を使用して、N-アセチル-システインを添加して、反応をクエンチした。得られたコンジュゲートを、GE Healthcare製のPD-10カラムを使用してSephadex G-25でゲル濾過により試薬の残部から最終的に精製した。凝集体の存在は、1ml/分でPBSによるイソクラティックメソッドを実行するSuperdex-100 10/300カラムを備えたAkta FPLCシステムを使用して分析用サイズ排除クロマトグラフィーにより検査した:凝集体に相当するピークの面積が合計ピーク面積の10%を超えた場合、上記の同じメソッドを実行するSuperdex 200 16/600分取カラムを備えた同じクロマトグラフィーシステムを使用してモノマーを精製した。最終ADC濃度は、親抗体のものと同じモル吸光係数を使用して280nmでその吸光度をモニターすることにより分光光度法で決定した:ADC濃度が2mg/mLを下回った場合、GE Healthcare製Vivaspin装置を使用して濃縮し、新たな濃度を上記のとりに再度決定した。
【0460】
細胞毒性ペイロードがLys残基とコンジュゲートされていた場合(ADC8の調製のための化合物27と同様に)、抗体をSMCCで前もって活性化した。簡潔には、抗体の緩衝液A中70μM(10.5mg/mL)溶液をSMCCのDMSO中20mM溶液の適当量と混合して、活性化剤を抗体に対して8倍過剰に維持した。必要に応じてDMSOを添加して、5%(V/V)の最終DMSO濃度に到達させた。この混合物を18℃で3時間インキュベート及び撹拌し、次いで、過剰のSMCCを、GE Healthcare製PD-10カラムを使用してSephadex G-25でゲル濾過クロマトグラフィーにより除去した。得られた活性化抗体の少量アリコートを除去して、LARを計算し、残存試料を適当容量の化合物27のDMSO中10mM溶液と混合して、抗体に対する化合物を8倍過剰に到達させた:LAR値が8を決して超えないことを考慮すると、これは、化合物と接近可能な反応性部位のモル比が1を決して下回らないことを保証する。必要に応じてDMSOを添加して、その濃度を5%(V/V)で維持した。この混合物を18℃で4時間インキュベートし、得られたコンジュゲートを試薬の残部から、GE Healthcare製PD-10カラムを使用してSephadex G-25でゲル濾過により精製した。凝集体の存在は、1ml/分でPBSによるイソクラティックメソッドを実行するSuperdex-100 10/300カラムを備えたAkta FPLCシステムを使用して分析用サイズ排除クロマトグラフィーで検査した:凝集体に相当するピークの面積が合計ピーク面積の10%を超えた場合、上記の同じメソッドを実行するSuperdex 200 16/600分取カラムを備えた同じクロマトグラフィーシステムを使用してモノマーを精製した。最終ADC濃度は、親抗体のものと同じモル吸光係数を使用して280nmでその吸光度をモニターすることにより分光光度法で決定した:ADC濃度が2mg/mLを下回った場合、GE Healthcare製Vivaspin装置を使用して濃縮し、新たな濃度を上記の通りに再度決定した。
【0461】
(実施例14)
抗CD4、抗CD5及び抗CD13モノクローナル抗体の調製
抗CD4、抗CD5及び抗CD13モノクローナル抗体を、当技術分野で一般的に使用される以下の周知の手順に従って得た。簡潔には、BALB/cマウスを、HPB-ALL細胞(抗CD4抗体の最終産生のための)、又はCebrianら(1988年、J. Exp. Med. 168:1621〜1637頁)により記載された通りの、ホルボール12-ミリステート13-アセテートと市販の抗CD3モノクロナール抗体との混合物で活性化したヒトT細胞(抗CD5抗体の最終産生のための)、又は臍帯から分離されたヒト内皮細胞(抗CD13抗体の最終産生のための)によって免疫化した。そのために、1.5E7の対応する細胞をマウスに-45日及び-30日目に腹腔内に、-3日目に静脈内に注射した。0日目に、これらの動物から脾臓を取り出し、対応するハイブリドーマを産生する標準手法に従って脾臓細胞をSPマウス骨髄腫細胞と4:1の比で融合させ、96-ウェル組織培養プレート(Costar Corp.、Cambridge、MA)上に分布させた。2週後、ハイブリドーマ培養液上清を収集し、免疫化ステップで使用した細胞株に対するそれらの反応性をフローサイトメトリにより試験した。陽性上清を、抗原として使用した対応する細胞を免疫蛍光染色することによりアッセイした。特異的な染色、免疫沈降パターン及び細胞分布を示すハイブリドーマを選別し、クローニングし、限界希釈法によりサブクローニングした。
【0462】
クローンを選別したら直ぐに、細胞を、10%(v/v)ウシ胎仔血清、2mMグルタミン、100U/mLペニリシリン及び100μg/mLステレプトマイシンで補充したRPMI-1640培地で、培地が淡黄色に変わるまで37℃で3〜4日の間培養した。その時点で、培地容量の3分の2を除去し、1,000×gで10分間遠心分離して、細胞をペレット化し、その上清を更なる清浄のために3,000×gで10分間再度遠心分離したか、又は22μm細孔膜を通して濾過した。浄化した上清を55%飽和硫酸アンモニウムによる沈降に供し、得られたペレットを100mMトリス-HCl pH7.8(元の浄化上清の100mL当たり1mL)に再懸濁させ、少なくとも3回透析溶液を交換して、150mM NaClを含む5Lの100mMトリス-HCl pH7.8に対して4℃で16〜24時間透析した。透析した材料を最終的にProtein A-Sepharoseカラム上に負荷し、対応するモノクローナル抗体を、100mMクエン酸ナトリウムpH3.0又は代わりに、1MグリシンpH3.0で溶出させた。抗体を含有する画分を2Mトリス-HCl pH9.0で中和し、最終的にPBSに対して透析し、その使用まで-80℃で保存した。
【0463】
(実施例15)
抗CD13並びに化合物1、化合物12及び化合物13による抗体薬物コンジュゲートADC9、ADC10及びADC11の調製
(a)一般手順
本明細書で報告した方法のすべてにおいて、抗体濃度は、2.25E5M
-1cm
-1のモル吸光係数及び150kDaの分子量を使用して280nmでのその吸光度をモニターすることにより分光光度法で検査した。これらのプロセスで使用した緩衝液は、緩衝液A(2mM(EDTA)を含む50mMリン酸ナトリウムpH6.5)又は緩衝液B(50mMリン酸ナトリウムpH8.0)又はリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)のいずれかであった。薬物と抗体の比(「DAR」)は、Lysを介してのコンジュゲーションの場合、リンカーと抗体の比(「LAR」)から、又はCys標的コンジュゲーションの場合、薬物-リンカーのマレイミドコネクタ若しくは遊離Cysへのコンジュゲーション反応が定量的であると仮定して、抗体1モル当たりの遊離Cysの比から推定した。両決定は、着色チオニトロベンゾエート付加体を形成するための5,5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)(「DTNB」)と遊離チオール基との熱量測定反応に基づいた。LAR決定について、付加体は、DTNBの緩衝液B中200μM溶液とN-アセチル-システインの同じ緩衝液中200μM溶液の等容量を混合することにより前形成した。次いで、75μLのこの混合物を75μLの試験試料と混合し、1時間インキュベーション後、412nmでの吸光度を分光光度法で決定し、得られた値を、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(「SMCC」)の既知濃度を使用して標準曲線から得られたものと比較して、試料中マレイミドの濃度を得た。次いで、この濃度を抗体濃度に当てはめて、LARを計算する。同様に、遊離Cysは、緩衝液B中50μLの試験試料と150μLの133μM DTNBとを混合し、412nmでの吸光度をモニターし、得られた値を、既知濃度のCysを使用して標準曲線から得たものと比較することにより決定し;次いで、試験試料中の遊離Cysの推定濃度を抗体濃度に当てはめて、比を計算する。
【0464】
(b)抗体薬物コンジュゲートの調製
細胞毒性ペイロードがCys残基とコンジュゲートされていた場合(ADC9の調製のための化合物1又はADC10の調製のための化合物12と同様に)、抗体はトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(「TCEP」)で前もって還元した。簡潔には、抗体の緩衝液B中70μM(10.5mg/mL)溶液を、TCEPの水中5mM溶液の適当量と混合して、還元剤を抗体に対して2.5倍過剰に維持した。この混合物を20℃で60分間インキュベート及び撹拌し、その後、得られた還元抗体の少量アリコートを除去して、遊離Cysと抗体の比を計算し、一方で、残存試料を適当容量の薬物リンカー(ADC9のための化合物1又はADC10のための化合物12)のDMSO中10mM溶液と混合して、抗体に対して化合物を6倍過剰に到達させた:還元抗体が通常はタンパク質1分子当たり6未満の遊離Cysを示すことを考慮すると、化合物と接近可能な遊離Cysとのモル比は、1を決して下回らない。必要に応じてDMSOを添加して、その濃度を5%(V/V)に維持し、この混合物を20℃で30分間インキュベートした。その後、薬物-リンカーの濃度に一致するように適当容量の水中10mM溶液を使用して、N-アセチル-システインを添加して、反応をクエンチした。得られたコンジュゲートを、GE Healthcare製のPD-10カラムを使用してSephadex G-25でゲル濾過により試薬の残部から最終的に精製した。凝集体の存在は、1ml/分でPBSによるイソクラティックメソッドを実行するSuperdex-100 10/300カラムを備えたAkta FPLCシステムを使用して分析用サイズ排除クロマトグラフィーで検査した:凝集体に相当するピークの面積が合計ピーク面積の10%を超えた場合、上記の同じメソッドを実行するSuperdex 200 16/600分取カラムを備えた同じクロマトグラフィーシステムを使用してモノマーを精製した。最終ADC濃度は、親抗体のものと同じモル吸光係数を使用して280nmでその吸光度をモニターすることにより分光光度法で決定した:ADC濃度が2mg/mLを下回った場合、GE Healthcare製Vivaspin装置を使用して濃縮し、新たな濃度を上記の通りに再度決定した。
【0465】
細胞毒性ペイロードがLys残基とコンジュゲートされていた場合(ADC11の調製のための化合物13と同様に)、抗体をSMCCで前もって活性化した。簡潔には、抗体の緩衝液A中70μM(10.5mg/mL)溶液をSMCCのDMSO中20mM溶液の適当量と混合して、活性化試薬を抗体に対して8倍過剰に維持した。必要に応じてDMSOを添加して、5%(V/V)の最終DMSO濃度に到達させた。この混合物を18℃で3時間インキュベート及び撹拌し、次いで、過剰のSMCCを、GE Healthcare製PD-10カラムを使用してSpephadex G-25でゲル濾過クロマトグラフィーにより除去した。得られた活性化抗体の少量アリコートを除去して、LARを計算し、残存試料を適当容量の化合物13のDMSO中10mM溶液と混合して、抗体に対する化合物を8倍過剰に到達させた:LAR値が8を決して超えないことを考慮すると、これは、化合物と接近可能な反応性部位のモル比が1を決して下回らないことを保証する。必要に応じてDMSOを添加して、その濃度を5%(V/V)で維持した。この混合物を18℃で4時間インキュベートし、得られたコンジュゲートを試薬の残部から、GE Healthcare製PD-10カラムを使用してSephadex G-25でゲル濾過により精製した。凝集体の存在は、1ml/分でPBSによるイソクラティックメソッドを実行するSuperdex-100 10/300カラムを備えたAkta FPLCシステムを使用して分析用サイズ排除クロマトグラフィーで検査した:凝集体に相当するピークの面積が合計ピーク面積の10%を超えた場合、上記の同じメソッドを実行するSuperdex 200 16/600分取カラムを備えた同じクロマトグラフィーシステムを使用してモノマーを精製した。最終ADC濃度は、親抗体のものと同じモル吸光係数を使用して280nmでその吸光度をモニターすることにより分光光度法で決定した:ADC濃度が2mg/mLを下回った場合、GE Healthcare製Vivaspin装置を使用して濃縮し、新たな濃度を上記の通りに再度決定した。
【0466】
(実施例16)
リツキシマブ並びに化合物1及び化合物12による抗体薬物コンジュゲートADC12及びADC13の調製
【0467】
(a)一般手順
抗体濃度は、2.45E5M
-1cm
-1のモル吸光係数及び150kDaの分子量を使用して280nmでその吸光度をモニターすることにより分光光度法で検査した。これらのプロセスで使用した緩衝液は、緩衝液B(50mMリン酸ナトリウムpH8.0)又はリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)のいずれかであった。薬物と抗体の比(「DAR」)は、薬物-リンカーの遊離Cysへのコンジュゲーション反応が定量的であると仮定して、抗体1モル当たりの遊離Cysの比から推定した。決定は、着色チオニトロベンゾエート付加体を形成するための5,5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)(「DTNB」)と遊離チオール基との熱量測定反応に基づいた。緩衝液B中で50μLの試験試料を150μlの133μM DTNBと混合し、次いで、412nmでの吸光度を測定し、得られた値を、Cysの既知濃度を使用して標準曲線から得たものと比較した。次いで、試験試料中遊離Cysの推定濃度を抗体濃度に当てはめて、比を計算する。
【0468】
(b)抗体薬物コンジュゲートの調製
薬物リンカーへのCysを介してのコンジュゲーション前に、抗体をトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(「TCEP」)で還元した。簡潔には、抗体の緩衝液B中70μM(10.5mg/mL)溶液を、TCEPの水中5mM溶液の適当量と混合して、還元剤を抗体に対して2.5倍過剰に維持した。この混合物を20℃で60分間インキュベート及び撹拌し、その後、得られた還元抗体の少量アリコートを除去して、遊離Cysと抗体の比を計算し、一方で、残存試料を薬物リンカー(ADC12のための化合物1又はADC13のための化合物12)のDMSO中10mM溶液の適当容量と混合して、抗体に対する化合物を6倍過剰に到達させた:還元抗体が通常はタンパク質1分子当たり6未満の遊離Cysを示すことを考慮すると、化合物と接近可能な遊離Cysとのモル比は、1を決して下回らない。必要に応じてDMSOを添加して、その濃度を5%(V/V)に維持し、この混合物を20℃で30分間インキュベートした。その後、薬物-リンカーの濃度に一致するように適当容量の水中10mM溶液を使用して、N-アセチル-システインを添加して、反応をクエンチした。得られたコンジュゲートを、GE Healthcare製のPD-10カラムを使用してSephadex G-25でゲル濾過により試薬の残部から最終的に精製した。凝集体の存在は、1ml/分でPBSによるイソクラティックメソッドを実行するSuperdex-100 10/300カラムを備えたAkta FPLCシステムを使用して分析用サイズ排除クロマトグラフィーで検査した:凝集体に相当するピークの面積が合計ピーク面積の10%を超えた場合、上記の同じメソッドを実行するSuperdex 200 16/600分取カラムを備えた同じクロマトグラフィーシステムを使用してモノマーを精製した。最終ADC濃度は、親抗体のものと同じモル吸光係数を使用して280nmでその吸光度をモニターすることにより分光光度法で決定した:ADC濃度が1mg/mLを下回った場合、GE Healthcare製Vivaspin装置を使用して濃縮し、新たな濃度を上記の通りに再度決定した。
【0469】
(実施例17)
抗CD5並びに化合物1及び化合物12による抗体薬物コンジュゲートADC14及びADC15の調製
【0470】
(a)一般手順
抗体濃度は、2.25E5M
-1cm
-1のモル吸光係数及び150kDaの分子量を使用して280nmでその吸光度をモニターすることにより分光光度法で検査した。これらのプロセスで使用した緩衝液は、緩衝液B(50mMリン酸ナトリウムpH8.0)又はリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)のいずれかであった。薬物と抗体の比(「DAR」)は、薬物-リンカーの遊離Cysへのコンジュゲーション反応が定量的であると仮定して、抗体1モル当たりの遊離Cysの比から推定した。決定は、着色チオニトロベンゾエート付加体を形成するための5,5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)(「DTNB」)と遊離チオール基との熱量測定反応に基づいた。緩衝液B中で50μLの試験試料を150μLの133μM DTNBと混合し、次いで、412nmでの吸光度を測定し、得られた値を、Cysの既知濃度を使用して標準曲線から得たものと比較した。次いで、試験試料中遊離Cysの推定濃度を抗体濃度に当てはめて、比を計算する。
【0471】
(b)抗体薬物コンジュゲートの調製
薬物リンカーへのCysを介してのコンジュゲーション前に、抗体をトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(「TCEP」)で還元した。簡潔には、抗体の緩衝液B中70μM(10.5mg/mL)溶液を、TCEPの水中5mM溶液の適当量と混合して、還元剤を抗体に対して2.5倍過剰に維持した。この混合物を20℃で60分間インキュベート及び撹拌し、その後、得られた還元抗体の少量アリコートを除去して、遊離Cysと抗体の比を計算し、一方で、残存試料を薬物リンカー(ADC14のための化合物1又はADC15のための化合物12)のDMSO中10mM溶液の適当容量と混合して、抗体に対する化合物を6倍過剰に到達させた:還元抗体が通常はタンパク質1分子当たり6未満の遊離Cysを示すことを考慮すると、化合物と接近可能な遊離Cysとのモル比は、1を決して下回らない。必要に応じてDMSOを添加して、その濃度を5%(V/V)に維持し、この混合物を20℃で30分間インキュベートした。その後、薬物-リンカーの濃度に一致するように適当容量の水中10mM溶液を使用して、N-アセチル-システインを添加して、反応をクエンチした。得られたコンジュゲートを、GE Healthcare製のPD-10カラムを使用してSephadex G-25でゲル濾過により試薬の残部から最終的に精製した。凝集体の存在は、1ml/分でPBSによるイソクラティックメソッドを実行するSuperdex-100 10/300カラムを備えたAkta FPLCシステムを使用して分析用サイズ排除クロマトグラフィーで検査した:凝集体に相当するピークの面積が合計ピーク面積の10%を超えた場合、上記の同じメソッドを実行するSuperdex 200 16/600分取カラムを備えた同じクロマトグラフィーシステムを使用してモノマーを精製した。最終ADC濃度は、親抗体のものと同じモル吸光係数を使用して280nmでその吸光度をモニターすることにより分光光度法で決定した:ADC濃度が1mg/mLを下回った場合、GE Healthcare製Vivaspin装置を使用して濃縮し、新たな濃度を上記の通りに再度決定した。
【0472】
(実施例18)
抗CD4並びに化合物1及び化合物12による抗体薬物コンジュゲートADC16及びADC17の調製
【0473】
(a)一般手順
抗体濃度は、2.25E5M
-1cm
-1のモル吸光係数及び150kDaの分子量を使用して280nmでその吸光度をモニターすることにより分光光度法で検査した。これらのプロセスで使用した緩衝液は、緩衝液B(50mMリン酸ナトリウムpH8.0)又はリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)のいずれかであった。薬物と抗体の比(「DAR」)は、薬物-リンカーの遊離Cysへのコンジュゲーション反応が定量的であると仮定して、抗体1モル当たりの遊離Cysの比から推定した。決定は、着色チオニトロベンゾエート付加体を形成するための5,5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)(「DTNB」)と遊離チオール基との熱量測定反応に基づいた。緩衝液B中で50μLの試験試料を133μM DTNB150μLと混合し、次いで、412nmでの吸光度を測定し、得られた値を、Cysの既知濃度を使用して標準曲線から得たものと比較した。次いで、試験試料中遊離Cysの推定濃度を抗体濃度に当てはめて、比を計算する。
【0474】
(b)抗体薬物コンジュゲートの調製
薬物-リンカーへのCysを介してのコンジュゲーション前に、抗体をトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(「TCEP」)で還元した。簡潔には、抗体の緩衝液B中70μM(10.5mg/mL)溶液を、TCEPの水中5mM溶液の適当量と混合して、還元剤を抗体に対して2.5倍過剰に維持した。この混合物を20℃で60分間インキュベート及び撹拌し、その後、得られた還元抗体の少量アリコートを除去して、遊離Cysと抗体の比を計算し、一方で、残存試料を薬物リンカー(ADC16のための化合物1又はADC17のための化合物12)のDMSO中10mM溶液の適当容量と混合して、抗体に対する化合物を6倍過剰に到達させた:還元抗体が通常はタンパク質1分子当たり6未満の遊離Cysを示すことを考慮すると、化合物と接近可能な遊離Cysとのモル比は、1を決して下回らない。必要に応じてDMSOを添加して、その濃度を5%(V/V)に維持し、この混合物を20℃で30分間インキュベートした。その後、薬物-リンカーの濃度に一致するように適当容量の水中10mM溶液を使用して、N-アセチル-システインを添加して、反応をクエンチした。得られたコンジュゲートを、GE Healthcare製のPD-10カラムを使用してSephadex G-25でゲル濾過により試薬の残部から最終的に精製した。凝集体の存在は、1ml/分でPBSによるイソクラティックメソッドを実行するSuperdex-100 10/300カラムを備えたAkta FPLCシステムを使用して分析用サイズ排除クロマトグラフィーで検査した:凝集体に相当するピークの面積が合計ピーク面積の10%を超えた場合、上記の同じメソッドを実行するSuperdex 200 16/600分取カラムを備えた同じクロマトグラフィーシステムを使用してモノマーを精製した。最終ADC濃度は、親抗体のものと同じモル吸光係数を使用して280nmでその吸光度をモニターすることにより分光光度法で決定した:ADC濃度が1mg/mLを下回った場合、GE Healthcare製Vivaspin装置を使用して濃縮し、新たな濃度を上記の通りに再度決定した。
【0475】
(実施例19)
式D-X-(AA)
w-L
1の化合物の合成
【0476】
化合物28の調製
【0477】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0478】
(a)化合物28の調製
DIPEA(10μL、0.06mmol)を、上の調製例に示した通りに調製した化合物9(13mg、0.02mmol)及び上の実施例2に記載した通りに調製した化合物8(20mg、0.02mmol)のNMP(6.5mL)中溶液に23℃で添加した。9時間後、この反応混合物をH
2Oで希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、DCM:CH
3OH、100:0から90:10)のためのシステムで精製して、純粋な目標化合物28(9mg、38%)を得た。
【0479】
【数23】
[この文献は図面を表示できません]
【0480】
13C NMR(100MHz、CDCl
3):δ173.0、172.1、171.0、170.2、168.5、167.1、162.0、161.3、157.2、157.0、145.0、140.2、137.7、137.5、137.1、134.0、132.4、128.8、126.9、124.9、124.4、124.3、124.0、120.5、119.8、108.6、107.3、81.9、74.8、66.1、60.4、58.8、55.4、37.6、37.2、36.0、34.8、31.9、31.6、30.9、30.7、30.0、29.7、29.3、28.1、26.5、26.2、26.1、25.1、19.2、18.3、17.1、16.5、12.9。
ESI-MS m/z:C
63H
90N
10O
15について計算:1226.7。実測:1267.4(M+H)
+。
【0481】
(実施例20)
式D-X-(AA)
w-Hの化合物の合成
【0482】
化合物36の調製
【0483】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【0484】
(a)化合物29の調製
化合物6(1.01g、1.91mmol)(化合物30b、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2007144423号に記載された通りに調製した)のDCM(40mL)中溶液に、ピリジン(0.31mL、3.82mmol)及び4-ニトロフェニルクロロホルメート(769.7mg、3.82mmol)を0℃で添加した。この反応混合物を23℃で1.5時間撹拌し、クエン酸10%で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物29(783mg、59%)を得た。
【0485】
【数24】
[この文献は図面を表示できません]
【0486】
(b)化合物33の調製
【0487】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
【0488】
化合物30の調製
3-ブロモプロピルアミン臭化水素酸塩(1.22g、2.98mmol)のCH
2Cl
2(30mL)中溶液に、4-メトキシトリフェニルメチルクロリド(5.89g、19.1mmol)及びDIPEA(6.3mL、36.38mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で一晩撹拌し、H
2Oで希釈し、CH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、白色の固体として純粋化合物30(8.16g、100%)を得た。
【0489】
【数25】
[この文献は図面を表示できません]
【0490】
化合物31の調製
化合物30(1.49g、3.63mmol)のエタノール(36mL)中溶液に、エチルキサントゲン酸カリウム(1.46g、9.08mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で一晩撹拌し、次いで、この溶液から沈殿臭化カリウムを濾過した。濾液を減圧下で蒸発させた後、固体残渣をヘキサンと一緒に粉砕した。得られた固体を濾過により除去し、濾液を蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex/EtOAc混合物)により精製して、化合物31(1.31g、80%)を得た。
【0491】
【数26】
[この文献は図面を表示できません]
【0492】
化合物32の調製
化合物31(3g、6.64mmol)のDCM(10mL)中溶液に、1-プロピルアミン(4.4mL、66.4mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で10分間撹拌し、真空下で濃縮した。得られた残渣を更に精製することなく次のステップで使用した。それを乾燥メタノール(50mL)に溶解させ、0℃に冷却した。メチルメタンチオスルホネート(9.7mL、7.97mmol)を添加し、この溶液を23℃で16時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留油をジクロロメタンに溶解させ、pH7緩衝液及びブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、化合物32(1.6g、59%)を得た。
【0493】
【数27】
[この文献は図面を表示できません]
【0494】
化合物33の調製
化合物32(1.22g、2.98mmol)のCH
2Cl
2(30mL)中溶液に、ジクロロ酢酸(0.9mL、10.9mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で20分間撹拌し、水で希釈した。有機層を抽出し、水相をKOH10%で塩基性化した。次いで、それをジクロロメタン(3×)で完全に抽出し、合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、化合物33(409mg、100%)を得た。
【0495】
【数28】
[この文献は図面を表示できません]
【0496】
(c)化合物34の調製
上のステップ(a)に記載した通りに調製した化合物29(230.2mg、0.33mmol)のCH
2Cl
2(10mL)中溶液に、化合物33(50mg、0.36mmol)及びDIPEA(0.06mL、0.36mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で3時間撹拌し、H
2Oで希釈し、CH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物34(150mg、66%)を得た。
【0497】
【数29】
[この文献は図面を表示できません]
【0498】
ESI-MS m/z:C
35H
53N
3O
7S
2について計算:691.33。実測:692.4[M+H]
+。
【0499】
(d)化合物35の調製
上のステップ(a)に記載した通りに調製した化合物29(121.3mg、0.17mmol)のDCM(2.5mL)中溶液に、3-アミノプロパン-1-チオール塩酸塩(37.2mg、0.29mmol)のDCM(2.5mL)、DIPEA(59μL、0.34mmol)及びDMF(0.1mL)中懸濁液を23℃で添加した。この反応混合物を23℃で7時間撹拌し、H
2Oで希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物35(40.5mg、37%)を得た。
【0500】
【数30】
[この文献は図面を表示できません]
【0501】
ESI-MS m/z:C
68H
100N
6O
14S
2について計算:1288.67。実測:1289.4(M+H)
+。
【0502】
(e)化合物36の調製
化合物35(40.5mg、0.03mmol)のEtOAc(1.5mL)及びCH
3OH(1.5mL)の混合物中溶液を、0.05Mリン酸カリウム緩衝液(1.2mL)(pH7.5、2mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む)中溶液ジチオトレイトール(0.36mL、0.36mmol)で処理した。この混合物を23℃で4時間撹拌した。この反応物を、0.2Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.0、2mM EDTAを含む)の溶液で処理し、EtOAc(×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をHPLC(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、化合物36(15mg、38%)を得た。
【0503】
【数31】
[この文献は図面を表示できません]
【0504】
ESI-MS m/z:C
34H
51N
3O
7Sについて計算:645.85。実測:668.4(M+Na)
+。
【0505】
(実施例21)
化合物14の代替合成
【0506】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
【0507】
(a)化合物37の調製
N-Fmoc-1,3-プロパンジアミン臭化水素酸塩(377mg、1mmol)のCH
2Cl
2(15mL)中溶液に、DIPEA(0.52mL、3mmol)及び6-マレイミドヘキサン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(323.7mg、1.1mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で一晩撹拌し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、白色の固体として純粋化合物37(430mg、100%)を得た。
【0508】
【数32】
[この文献は図面を表示できません]
【0509】
(b)化合物38の調製
上のステップ(a)に記載した通りに調製した37(430mg、1mmol)のCH
2Cl
2(8mL)中溶液に、ジエチルアミン(1.4mL、13.5mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で6時間撹拌し、真空下で濃縮した。得られた残渣をEt
2Oと一緒に粉砕し、濾過し、白色の固体として化合物38(148mg、71%)を得た。
【0510】
【数33】
[この文献は図面を表示できません]
【0511】
(c)化合物14の調製
上の実施例5(a)に記載した通りに調製した化合物16(60mg、0.08mmol)のCH
2Cl
2(2mL)中溶液に、上のステップ(b)に記載した通りに調製した化合物38(58mg、0.28mmol)、及びDIPEA(0.1mL、0.56mmol)のCH
2Cl
2(2mL)中溶液を添加した。この反応混合物を23℃で3時間撹拌し、H
2Oで希釈し、CH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物14(60.5mg、95%)を得た。
【0512】
【数34】
[この文献は図面を表示できません]
【0513】
13C NMR(125MHz、CDCl
3):δ171.6、168.2、166.4、161.7、157.2、145.2、140.3、137.4、134.2、134.0、131.9、124.4、124.1、122.4、120.7、108.3、105.6、81.8、74.8、60.6、60.4、55.5、37.8、37.2、36.2、35.6、34.7、33.1、31.0、29.8、26.7、26.2、23.0、21.0、17.2、16.6。
【0514】
(実施例22)
化合物15の代替合成
【0515】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【0516】
(a)化合物39の調製
上の実施例5(a)に記載した通りに調製した化合物16(178.7mg、0.25mmol)のCH
2Cl
2(2.5mL)中溶液に、上の実施例20(b)に記載した通りに調製した化合物33(120mg、0.88mmol)及びDIPEA(0.05mL、0.25mmol)を添加した。この反応混合物を23℃で2時間撹拌し、H
2Oで希釈し、CH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋化合物39(100mg、56%)を得た。
【0517】
【数35】
[この文献は図面を表示できません]
【0518】
ESI-MS m/z:C
35H
52ClN
3O
7S
2について計算:725.9。実測:748.3(M+Na)
+。
【0519】
(b)化合物15の調製
上の実施例5(a)に記載した通りに調製した化合物39(90mg、0.12mmol)のEtOAc(6.7mL)及びCH
3OH(6.7mL)の混合物中溶液を、0.05Mリン酸カリウム緩衝液(6.7mL)(pH7.5、2mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む)中ジチオトレイトール溶液(0.36mL、0.36mmol)で処理した。この混合物を23℃で4時間撹拌した。この反応物を0.2Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.0、2mM EDTAを含む)の溶液で処理し、EtOAc(×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、Hex:EtOAc混合物)のためのシステムで精製して、純粋な目標化合物15(40.2mg、46%)を得た。
【0520】
【数36】
[この文献は図面を表示できません]
【0521】
13C NMR(125MHz、CDCl
3):δ168.2、166.2、161.5、156.7、145.2、140.2、137.3、134.2、134.0、132.0、124.4、124.2、122.3、120.8、108.1、105.5、81.8、74.5、60.6、55.4、39.6、37.3、34.6、33.9、33.3、30.8、26.7、26.3、21.8、21.1、17.2、16.7。
ESI-MS m/z:C
34H
50ClN
3O
7Sについて計算:679.3。実測:702.4(M+Na)
+。
【0522】
本発明の抗体薬物コンジュゲートの細胞毒性を実証する実施例
抗腫瘍活性の検出のためのバイオアッセイ
アッセイの目的は、試験される試料のin vitro細胞増殖抑制(腫瘍細胞増殖を遅延又は停止させる能力)又は細胞毒性(腫瘍細胞を死滅させる能力)活性を評価することであった。
【0523】
細胞株及び細胞培養
この研究に使用した腫瘍細胞株のすべては、特に断らない限り、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から入手した:BT-474(ATCC HTB-20、乳管癌)、SK-BR-3(ATCC HTB-30、乳腺癌)及びHCC-1954(ATCC CRL-2338、乳管癌)、すべてHER2+;MDA-MB-231(ATCC HTB-26、乳腺癌)及びMCF-7(ATCC HTB-22、乳腺癌、胸膜滲出)、すべてHER2-;SK-OV-3(ATCC HTB-77、卵巣腺癌)、HER2+;NB-4(急性前骨髄球性白血病、APL、CD13+、M.Lanottleら(1991年)NB4、a maturation inducible cell line with t(15,17)marker isolated from a humna acute promyelocytic leukemia(M3)、Blood 77、1080〜1086頁)、(CD13+)及びU937(ATCC CRL-1593.2、組織球性リンパ腫、CD13+及びCD4+);Raji(ATCC CCL-86、バーキットリンパ腫)(CD13-、CD20+、CD5-、及びCD4-);RPMI-8226(ATCC CRM-CCL-155、多発性骨髄腫)(CD13-、CD20-、CD5-、及びCD4-);Karpas-299(DSMZ ACC-31、非ホジキンリンパ腫)(CD20-、CD5+、及びCD4+);MOLT-4(ATCC CRL-1582、急性リンパ芽急性白血病、CD5+)。更に、この研究で使用した2種のRaji細胞(ATCC CCL-86、バーキットリンパ腫)クローン、Raji-クローン#10(高CD5発現)及びRaji-クローン18(ヌルCD5発現)は、Dr. Juan M. Zapata(Instituto de Investigaciones Biomedicas「Alberto Sols」、CSIC-UAM、Madrid、スペイン国)により提供された。細胞は、培地のすべてを10%ウシ胎仔血清(FCS)及び100単位/mLペニシリン及びストレプトマイシンで補充した、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(MCF及びMDA-MB-231細胞のために)、RPMI-1640(SK-BR-3、HCC-
1954、NB-4、U937、Raji、RPMI-8226、Karpas-299、MOLT-4、Raji-クローン#10及びRaji-クローン#18細胞のために)、RPMI-1640+1%ITS(BT-474細胞のために)又はMcCOyS(SK-OV-3細胞のために)中37℃、5%CO
2及び95%湿度で維持した。
【0524】
細胞毒性アッセイ
付着細胞の場合:スルホローダミンB(SRB)を使用する熱量測定アッセイを、V. Vichai及びK. Kirtikara(2006年)「Suforhodamine B colorimetric assay for cytotoxicity screening」、Nature Protocols、1、1112〜1116頁に記載された通りに、細胞増殖及び細胞毒性の定量的測定に適合させた。簡潔には、細胞を96-ウェルマイクロタイタープレートに播種し、薬物不含培地に24時間放置させ、その後、ビヒクル単独又は指示化合物で72時間処理した。定量化のために、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄し、1%グルタルアルデヒド溶液中で15分間固定し、PBSで2回すすぎ洗いし、0.4%SRB-1%酢酸溶液中で30分間染色し、1%酢酸溶液で数回すすぎ洗いし、空気乾燥させた。次いで、SRBを10mMトリズマベース溶液中で抽出し、光学密度をマイクロプレート分光光度計において490nmで測定した。細胞生存は、対照、未処置細胞生存のパーセンテージとして表した。
【0525】
懸濁細胞の場合:MTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)を使用する標準代謝アッセイを、T. Mosmann(1983年)「Rapid colorimetric assay for cellular growth and survival: Application to proliferation and cytotoxicity assays」、J. Immunol. Meth.、65、55〜63頁に記載された通りに、細胞増殖及び細胞毒性の定量的測定に適合させた。簡潔には、MTT溶液を細胞培養液に0.5mg/mLの最終濃度で添加し、ホルマザン結晶が形成されるまで37℃で1〜4時間インキュベートした。培養培地を細胞培養液から注意深く除去し、ホルマザン結晶を100μL DMSOに再懸濁させた。可溶化を確保するために混合後、プレート読取分光光度計を使用して570nmでの吸光度の変化を記録することにより、ホルマザンの量(恐らく生存細胞の数に直接比例する)を測定する。細胞生存は、対照細胞生存、未処置細胞生存のパーセンテージとして表される。
【0526】
IC
50値は、対照細胞生存と比較して50%の細胞死を誘導する化合物の濃度を指す。
【0527】
(生物活性実施例1)-HER2陽性及び陰性乳がん細胞に対するADC1及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物1及び化合物4並びにトラスツズマブとともに、ADC1のin vitro細胞毒性を、BT-474、HCC-1954及びSK-BR-3(HER2陽性細胞)並びにMDA-MB-231及びMCF-7(HER陰性細胞)を含めた、HER2受容体を過剰発現するか又はしない種々のヒト乳がん細胞株に対して評価した。SK-OV-3(HER2+卵巣がん細胞株)も、非乳房組織細胞モデルとして研究に含めた。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0528】
トラスツズマブの細胞毒性
まず第一に、トラスツズマブのin vitro細胞毒性を種々の腫瘍細胞株に対してアッセイした。2つの独立した実験で、5.0E01〜2.6E-03μg/mL(3.4E-0.7〜1.8E-11M)の範囲の三通りのDR曲線において、トラスツズマブは、試験した細胞株のいずれにおいても、それらのHER2状態と関わりなく、IC
50に到達することなく、完全に不活性であった(Table 3(表3)参照)。
【0529】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0530】
化合物4の細胞毒性
中間体化合物4の細胞毒性を、1E-01〜2.6E-05μg/mL(1.5E-07〜3.9E-11M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。
【0531】
この化合物の細胞毒性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株に沿って比較的同質であり、低ナノモル範囲のIC
50値は、8.9E-05〜1.7E-03μg/mL(1.34E-10〜2.6E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、5.69E-04μg/mL(8.57E-10M)であった。更に、化合物4の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係なかった(Table 4(表4)参照)。
【0532】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0533】
化合物1の細胞毒性
親化合物1の活性を、上と同じ条件、1E-01〜2.6E-05μg/mL(1.1E-07〜3.0E-11M)を使用してアッセイした。この化合物の細胞毒性も、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株に沿って比較的同質であり、低ナノモル範囲のIC
50値は、8.9E-04〜6.4E-03μg/mL(1.04E-09〜7.47E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、3.41E-03μ/mL(3.98E-09M)であった。マレイミドリンカーは、化合物の細胞毒性効果をわずかに低下させるように思われた。やはり、化合物1の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係なかった(Table 5(表5)参照)。
【0534】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0535】
ADC1の細胞毒性
ADC1の細胞毒性を種々の細胞株に対してアッセイした。適切な範囲の濃度を確保するために、コンジュゲートを、2つの独立した実験で、50、10、1、0.1、0.01及び0.001μg/mL(3.3E-07、6.6E-08、6.6E-09、6.6E-10、6.6E-11及び6.6E-12モル濃度に等しい)から出発して6つの異なる三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)でアッセイした。
【0536】
代表的DR曲線を
図3に示す。
【0537】
異なるDR曲線を調整後、種々の細胞株に対するADC1について計算した平均IC
50値を以下のTable 6(表6)に示す。ADC1は、親化合物の化合物1単独のものと比較的同様の細胞毒性、及び重要なことに、HER2+発現細胞に対して明らかな特異性を示した。したがって、本発明者らは、コンジュゲートが、mAbと腫瘍細胞上の膜関連HER2受容体との相互作用、及びその後の標的組織中への細胞毒性薬物の細胞間送達によって実際に作用していたと推測する。HER2陽性細胞株のうちで、ADC1に対する感受性に有意差があった。最も感受性の細胞株は、HCC-1954及びSK-BR-3であり、3.88E-02及び2.45E-02μg/mL(2.581E-10及び1.63E-10Mに等しい)のIC
50を示し、BT-474細胞が続き、これは、7.4E-01μg/mL(4.93E-09Mに等しい)の有意により高いIC
50値を示した。卵巣細胞株SK-OV-3は、7.0E+00μg/mL(4.67E-08Mに等しい)の更により高いIC
50値を示した。2種のHER陰性細胞は、2.0E+01μg/mL(ほぼ1.0E-07Mに等しい)のオーダーの同様の感受性を示した(Table 6(表6)参照)。
【0538】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0539】
したがって、最も応答性のHER2陽性細胞株は、HER陰性細胞株よりもほぼ300〜800倍より感受性であり、HER2発現細胞に対するコンジュゲートの特異性を示した。
【0540】
mAbトラスツズマブ単独の細胞毒性をコンジュゲートADC1のものとグラフで比較するために、mAb単独(10μg/mL)又はADC (10又は1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図4に示す。
図4からわかるように、10μg/mLの等濃度で、mAbトラスツズマブ単独は、試験した細胞株のいずれに対しても、それらのHER2状態と関係なく、細胞毒性をあまり又はまったく示さなかった(<20%最大)。対照的に、ADC1は、HER2発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対して強力な、及びBT-474及びSK-OV-3に対してより少ない程度に、細胞毒性を示し、対照細胞と比較して、それぞれ、88%、82%、52%及び47%の細胞生存の平均阻害をもたらした。この濃度で、ADC1は、HER陰性細胞MCF-7及びMDA-MB-231に対していくらかの細胞毒性を示し、それぞれ、38%及び32%の細胞生存阻害の平均パーセンテージであった。1μg/mLの濃度で、ADC1コンジュゲートは、HER2陽性細胞に対して、10μg/mLで観察されたものといくらか同様の細胞毒性を示したが、この場合、HER2陰性細胞に対する検出可能な効果はなかった(
図4参照)。
【0541】
これらの結果により、in vitroでHER2発現ヒト腫瘍細胞に対するADC1コンジュゲートの顕著な細胞毒性及び特異性が明らかに実証された。
【0542】
(生物活性実施例2)-HER2陽性及び陰性乳がん細胞に対するADC2及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物5及び化合物8並びにmAbトラスツズマブとともに、ADC2(トラスツズマブ-化合物5ADC)のin vitro細胞毒性を、HCC-1954及びSK-BR-3(HER2陽性細胞)並びにMDA-MB-231及びMCF-7(HER陰性細胞)を含めた、HER2受容体を発現するか又はしない種々のヒト乳がん細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0543】
化合物8の細胞毒性
中間体化合物8の細胞毒性を、01E+00〜2.6E-04μg/mL(1.6E-06〜4.0E-10M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。
【0544】
この化合物の細胞毒性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株に沿って比較的同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、3.40E-03〜6.75E-03μg/mL(5.4E-09〜1.0E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、5.53E-03μg/mL(8.79E-09Mに等しい)であった。更に、化合物8の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係なかった(Table 7(表7))。
【0545】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0546】
化合物5の細胞毒性
化合物5(マレイミドリンカーを持つ改変化合物8)の活性を、上と同じ条件、01E+00〜2.6E-04μg/mL(1.2E-06〜3.1E-10M)でアッセイした。
【0547】
この化合物の細胞毒性も、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株に沿って比較的同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、1.9E-02〜7.7E-02μg/mL(2.32E-08〜9.41E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、4.33E-02μg/mL(5.26E-08M)であった。化合物5中のマレイミドリンカーの存在は、化合物8と比較して、化合物の細胞毒性をわずかに低下させた。やはり、化合物5の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係ないように思われた(Table8(表8))。
【0548】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0549】
ADC2の細胞毒性
ADC2の細胞毒性活性を種々の細胞株に対してアッセイした。単に適切な範囲の濃度を確保するために、コンジュゲートを、2つの独立した実験で、50、10、1、0.1、及び0.01μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、5つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線を
図5に示す。異なるDR曲線のすべてを調整後、種々の細胞株に対するADC2について計算した平均IC
50値をTable 9(表9)に示す。コンジュゲートADC2は、HER2+発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対して特異性を示し、ここで、化合物により、親化合物5のものと同様の細胞毒性が実証され、平均IC
50値は、それぞれ、5.8E+00及び2.2E-01μg/mL(4.0E-08及び1.5E-09Mに等しい)であった。2種のHER-細胞株、MCF-7及びMDA-MB-231は、試験した濃度の範囲でADC2に対して実質的に非応答性であり、IC
50値(>5.0E+0.1μg/mL)に到達しなかった(
図5及びTable 9(表9)参照)。
【0550】
したがって、本発明者らは、コンジュゲートが、mAbと腫瘍細胞上の膜関連HER2受容体との相互作用、及びその後の標的組織中への細胞毒性薬物の細胞間送達によって実際に作用していたと推測する。
【0551】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0552】
トラスツズマブ単独の細胞毒性をコンジュゲートADC2のものとグラフで比較するために、トラスツズマブ単独(10μg/mL)又はADC2(10又は1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図6に示す。10μg/mLの濃度で、mAbトラスツズマブ単独は、試験した細胞株のいずれに対しても、それらのHER2状態と関係なく、細胞毒性をまったく示さなかった。対照的に、ADC2コンジュゲートは、HER2発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対して有意で特異的な細胞毒性を示し、対照細胞と比較して、それぞれ、57%及び78%の細胞生存の平均阻害をもたらした。
【0553】
1μg/mLの濃度で、ADC2コンジュゲートは、HER2陽性細胞に対して、10μg/mLで観察されたものといくらか同様の細胞毒性を示したが、やはり、HER2陰性細胞に対する検出可能な効果はなかった(
図6)。
【0554】
これらの結果により、in vitroでHER2発現ヒト腫瘍細胞に対するADC2コンジュゲートの顕著な細胞毒性及び特異性が明らかに実証された。
【0555】
(生物活性実施例3)-HER2陽性及び陰性乳がん細胞に対するADC3及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物12及び化合物4並びにmAbトラスツズマブとともに、ADC3のin vitro細胞毒性を、HCC-1954及びSK-BR-3(HER2陽性細胞)並びにMDA-MB-231及びMCF-7(HER陰性細胞)を含めた、HER2受容体を発現するか又はしない種々のヒト乳がん細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0556】
化合物4の細胞毒性
親化合物4の細胞毒性を、01E-02〜2.6E-06μg/mL(1.5E-07〜3.9E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。
【0557】
化合物4の細胞毒性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株に沿って同質であり、ピコモル範囲のIC
50値は、1.16E-04〜2.80E-04μg/mL(1.75E-10〜4.23E-10M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.97E-04μg/mL(2.96E-10Mに等しい)であった。更に、化合物4の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係なかった(Table 10(表10))。
【0558】
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【0559】
化合物12の細胞毒性
化合物12(切断可能なペプチドリンカーを持つ改変化合物4)の活性を、上と同じ実験条件、01E+01〜2.6E-03μg/mL(7.9E-06〜2.0E-09M)の濃度の範囲でアッセイした。
【0560】
化合物12の細胞毒性も、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株に沿って比較的同質であり、低ナノモル範囲のIC
50値は、7.60E-03〜3.05E-02μg/mL(6.02E-09〜2.42E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.63E-02μg/mL(1.29E-08M)であった(Table 11(表11))。化合物12中のペプチドリンカーの存在は、化合物4と比較して、化合物の細胞毒性に対して陰性効果を示した。化合物12の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態とむしろ関係なかった。
【0561】
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
【0562】
ADC3の細胞毒性
最後に、ADC3の細胞毒性を種々の細胞株に対してアッセイした。適切な範囲の濃度を確保するために、コンジュゲートを、2つの独立した実験で、50、10、1、0.1、0.01及び0.001μg/mL(3.33E-07、6.64E-08、6.64E-09、6.64E-10、6.64E-11及び6.64E-12モル濃度に等しい)から出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、6つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線を
図7に示す。試験した種々の細胞株に対するADC3について計算した平均IC
50値をTable 12(表12)に示す。
【0563】
コンジュゲートADC3は、HER2+発現細胞に対する有意な特異性を明らかに示し、ここで、化合物により、親化合物4のものと同様の、強力な(ペプチドリンカーを持つ中間体化合物12よりも約1ログより活性な)細胞毒性が実証された。HER2+細胞株、HCC-1954及びSK-BR-3は両方とも、ADC3に対して同等の感受性を示し、平均IC
50値は、それぞれ、8.83E-02及び6.77E-02μg/mL(5.86E-10及び4.49E-10Mに等しい)であった。2種のHER陰性細胞株、MCF-7及びMDA-MB-231は、ADC3に対して有意により低い感受性を示し、平均IC
50値は、それぞれ、9.40E+00及び>5.0E+01μg/mL(ほぼ6.24E-08M及び>3.32E-07Mに等しい)であった。
【0564】
図8は、HER2陽性及び陰性乳がん細胞に対するADC3の細胞毒性のプロットである。HER2+細胞株(平均IC
50 7.80E-02μg/mL)は、HER2陰性MCF-7細胞(平均IC
50 9.40E+00μg/mL)よりもADC3に対して少なくとも>120倍より感受性であり、MDA-MB-231細胞よりもはるかに感受性であり、HER2発現細胞に対するADC3の特異性を明らかに示すことがわかった(
図7及びTable 12(表12))。したがって、本発明者らは、コンジュゲートが、mAbと腫瘍細胞上の膜関連HER2受容体との相互作用、及びその後の標的組織中への細胞毒性薬物の細胞間送達によって実際に作用していたと推測する。
【0565】
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【0566】
mAbトラスツズマブ単独の細胞毒性をコンジュゲートADC3のものとグラフで比較するために、mAb単独(10μg/mL)又はADC3(10又は1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図8に示し、これは、種々のヒト乳がん細胞株に対するトラスツズマブ対ADC3の細胞毒性活性を示す。
【0567】
10μg/mLの等濃度で、トラスツズマブ単独は、試験した細胞株のいずれに対しても、それらのHER2状態と関係なく、細胞毒性をまったく示さなかった。対照的に、ADC3コンジュゲートは、HER2発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対して強力な細胞毒性を示した。これらの細胞株では、ADC3は、対照細胞と比較して、それぞれ、83%及び84%の細胞生存の阻害をも発揮した。この濃度で、ADC3は、HER2陰性細胞、MCF-7及びMDA-MB-231に対してもいくらかの効果を示し、それぞれ、33%及び20%の細胞生存のわずかな阻害をもたらした。1μg/mLの濃度で、ADC3コンジュゲートは、10μg/mlで観察されたものとHER2陽性細胞に対して同様の細胞毒性を示したが、HER2陰性細胞に対する検出可能な効果はなかった(
図8)。これらの結果により、in vitroでHER2発現ヒト腫瘍細胞に対するADC3の顕著な細胞毒性及び特異性が明らかに実証された。
【0568】
(生物活性実施例4)-HER2陽性及び陰性乳がん細胞に対するADC4及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物13及び化合物4並びにmAbトラスツズマブとともに、ADC4のin vitro細胞毒性を、HCC-1954及びSK-BR-3(HER2陽性細胞)並びにMDA-MB-231及びMCF-7(HER2陰性細胞)を含めた、HER2受容体を発現するか又はしない種々のヒト乳がん細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0569】
化合物4の細胞毒性
親化合物4の細胞毒性を、1E-01〜2.6E-05μg/mL(1.5E-07〜3.0E-11M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。
【0570】
化合物4の細胞毒性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株に沿って同質であり、低ナノモル範囲のIC
50値は、2.43E-04〜4.45E-04μg/mL(3.6E-10〜6.7E-10M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、3.3E-04μg/mL(4.98E-10Mに等しい)であった。したがって、化合物4の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係なかった(Table 13(表13))。
【0571】
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
【0572】
化合物13の細胞毒性
化合物13(チオール含有基を持つ改変化合物4)の活性を、上と同じ条件、1E-01〜2.6E-05μg/mL(1.3E-07〜2.0E-11M)でアッセイした。
【0573】
化合物13の細胞毒性も、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株に沿って比較的同質であり、低ナノモル範囲のIC
50値は、7.95E-04〜2.63E-03μg/mL(1.0E-09〜3.5E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.83E-03μ/mL(2.44E-09M)であった(Table 14(表14))。化合物13中のチオール含有尾部の存在は、化合物4と比較して、化合物の細胞毒性活性をわずかに低下させた(約5倍)。やはり、化合物13の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係ないと思われた(Table 14(表14))。
【0574】
【表14】
[この文献は図面を表示できません]
【0575】
ADC4の細胞毒性
ADC4の細胞毒性を種々の細胞株に対してアッセイした。適切な範囲の濃度を単に確保するために、コンジュゲートを、2つの独立した実験で、50、10、1及び0. 1μg/mLから出発して、それぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線を
図9に示す。異なるDR曲線のすべてを調整後、試験した種々の細胞株に対するADC4について計算した平均IC
50値を、Table15(表15)に示す。
【0576】
コンジュゲートADC4は、HER2+発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対する特異性を示し、ここで、化合物により、親化合物4及び化合物13のものと同様の強力な細胞毒性が実証され、平均IC
50値は、それぞれ、1.17E-01及び4.80E-02μg/mLであった。2種のHER陰性細胞株、MCF-7及びMDA-MB-231は、ADC4に対して有意により低い感受性を示し、平均IC
50値は、それぞれ、5.35E+00及び6.50E+00μg/mLであった。コンジュゲートは、mAbと腫瘍細胞上の膜関連HER2受容体との相互作用、及びその後の標的細胞中への細胞毒性薬物の細胞間送達によって優先的に作用していると思われた。
【0577】
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
【0578】
mAbトラスツズマブ単独の細胞毒性をコンジュゲートADC4のものとグラフで比較するために、mAb単独(10μg/mL)又はADC4(10又は1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図10に示す。10μg/mLの濃度で、mAbトラスツズマブ単独は、試験した細胞株のいずれに対しても、それらのHER2状態と関係なく、細胞毒性をまったく示さなかった。対照的に、ADC4コンジュゲートは、HER2発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対して有意で特異的な細胞毒性を示し、対照細胞と比較して、それぞれ、80%及び75%の細胞生存の平均阻害をもたらした。この濃度で、ADC4は、HER2陰性細胞、MCF-7及びMDA-MB-231に対しても効果を示し、それぞれ、53%及び40%の細胞生存の阻害をもたらした。1μg/mLの濃度で、ADC4コンジュゲートは、HER2陽性細胞に対して、10μg/mLで観察されたものといくらか同様の細胞毒性を示したが、HER2陰性細胞に対する検出可能な効果はなかった(
図10)。これらの結果により、in vitroでHER2発現ヒト腫瘍細胞に対するADC4コンジュゲートの顕著な細胞毒性及び特異性が明らかに実証された。
【0579】
(生物活性実施例5)- HER2陽性及び陰性乳がん細胞に対するADC5及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物15及び化合物40とともに、ADC5のin vitro細胞毒性を、HCC-1954及びSK-BR-3(HER2陽性細胞)並びにMDA-MB-231及びMCF-7(HER2陰性細胞)を含めた、HER2受容体を発現するか又はしない種々のヒト乳がん細胞株に対して評価した。
【0580】
化合物40の細胞毒性
【0581】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【0582】
化合物40は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2007144423号(このような特許出願における化合物1)に記載された通りに調製した。
【0583】
親化合物40の細胞毒性を、1E-02〜2.6E-06μg/mL(1.65E-08〜4.29E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。
【0584】
化合物40の細胞毒性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株に沿って非常に同質であり、低ナノモル範囲のIC
50値は、4.90E-05〜1.73E-04μg/mL(8.10E-11〜2.84E-10M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.06E-04μg/mL(1.75E-10Mに等しい)であった。したがって、化合物40の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係なかった(Table 16(表16))。
【0585】
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
【0586】
化合物15の細胞毒性
化合物15(チオール含有基を持つ改変化合物40)の活性を、上と同じ条件、1E-01〜2.6E-05μg/mL(1.47E-07〜3.82E-11M)でアッセイした。
【0587】
化合物15の細胞毒性も、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株に沿って極めて同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、4.80E-04〜1.49E-03μg/mL(7.06E-10〜2.19E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.03E-03μg/mL(1.51E-09M)であった。化合物15中のチオール含有尾部の存在は、化合物40と比較して、化合物の細胞毒性活性をわずかに低下させた(約8倍)。やはり、化合物15の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係なかった(Table 17(表17))。
【0588】
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
【0589】
ADC5の細胞毒性
ADC5の細胞毒性を種々の細胞株に対してアッセイした。適切な範囲の濃度を単に確保するために、コンジュゲートを、2つの独立した実験で、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(出発濃度1μg/mL)を
図11に示す。異なるDR曲線のすべてを調整後、試験した種々の細胞株に対するADC5について計算した平均IC
50値をTable 18(表18)に示す。
【0590】
コンジュゲートADC5は、HER2+発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対して特異性を示し、ここで、化合物により、親化合物40及び化合物15のものと同様の細胞毒性活性が実証され、平均IC
50値は、それぞれ、1.13E-01及び4.61E-02μg/mLであった。2種のHER陰性細胞株、MCF-7及びMDA-MB-231は、ADC5に対して有意により低い感受性を示し、平均IC
50値は、それぞれ、1.23E+00及び1.45E+00μg/mLであった。
【0591】
コンジュゲートADC5は、mAbと腫瘍細胞上の膜関連HER2受容体との相互作用、及びその後の標的組織中への細胞毒性薬物の細胞間送達によって優先的に作用していると思われた。
【0592】
【表18】
[この文献は図面を表示できません]
【0593】
mAbトラスツズマブ単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC5のものとグラフで比較するために、mAb単独(10μg/mL)又はADC5(10又は1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図12に示す。10μg/mLの濃度で、mAbトラスツズマブ単独は、試験した細胞株のいずれに対しても、それらのHER2状態と関係なく、細胞毒性活性をまったく示さなかった。対照的に、ADC5コンジュゲートは、HER2発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対して有意で特異的な細胞毒性を示し、対照細胞と比較して、それぞれ、82%及び72%の細胞生存の平均阻害をもたらした。この濃度で、ADC5は、HER2陰性細胞、MCF-7及びMDA-MB-231に対しても効果を示し、それぞれ、58%及び54%の細胞生存阻害をもたらした。1μg/mLの濃度で、ADC5コンジュゲートは、HER2陽性細胞に対して、10μg/mLで観察されたものと比較的同様の細胞毒性活性(それぞれ、77%及び75%)を示したが、HER2陰性細胞に対してそれほど多くない活性を示し、細胞生存の阻害は、それぞれ、24%及び15%であった(
図12)。これらの結果により、in vitroでHER2発現ヒト腫瘍細胞に対するADC5コンジュゲートの顕著な細胞毒性活性及び相対的特異性が実証された。
【0594】
(生物活性実施例6)- HER2陽性及び陰性乳がん細胞に対するADC6及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物18及び化合物8とともに、ADC6のin vitro細胞毒性を、HCC-1954及びSK-BR-3(HER2陽性細胞)並びにMDA-MB-231及びMCF-7(HER2陰性細胞)を含めた、HER2受容体を発現するか又はしない種々のヒト乳がん細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0595】
化合物8の細胞毒性
親化合物8の細胞毒性を、1E+00〜2.6E-04μg/mL(1.59E-06〜4.13E-10M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。この化合物の細胞毒性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって比較的同質(SK-BR-3細胞に対してわずかにより活性)であり、低ナノモル範囲のIC
50値は、1.85E-03〜9.50E-03μg/mL(2.94E-09〜1.51E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、5.45E-03μg/mL(8.67E-09Mに等しい)であった。したがって、化合物8の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係ないと思われた(Table 19(表19))。
【0596】
【表19】
[この文献は図面を表示できません]
【0597】
化合物18の細胞毒性
化合物18(チオール含有基を持つ改変化合物8)の活性を、上と同じ条件、1E+00〜2.6E-04μg/mL(1.39E-06〜3.63E-10M)でアッセイした。この化合物の細胞毒性も、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって極めて同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、4.40E-03〜1.85E-02μg/mL(6.14E-09〜2.58E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.06E-02μg/mL(1.48E-08M)であった。化合物18中のチオール含有尾部の存在は、化合物8と比較して、化合物の活性にあまり効果を示さなかった。やはり、化合物18の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態とあまり関係ないと思われた(Table 20(表20))。
【0598】
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【0599】
ADC6の細胞毒性
ADC6の細胞毒性を種々の細胞株に対してアッセイした。適切な範囲の濃度を単に確保するために、コンジュゲートを、2つの独立した実験で、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DRを
図13に示す。異なるDR曲線のすべてを調整後、試験した種々の細胞株に対するADC6について計算した平均IC
50値をTable 21(表21)に示す。
【0600】
コンジュゲートADC6は、制限はあるが、HER2+発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対していくらかの特異性を示した。これらの細胞株では、コンジュゲートは、親化合物8及び化合物18単独よりもわずかに少ない細胞毒性であり(それぞれ、5.6倍及び3.2倍)、平均IC
50値は、それぞれ、1.04E+01及び3.80E+00μg/mLであった。2種のHER陰性細胞株、MCF-7及びMDA-MB-231は、ADC6に対してわずかにより低い感受性を示し(5倍未満)、平均IC
50値は、それぞれ、3.50E+01及び4.40E+01μg/mLであった。コンジュゲートADC6は、mAbと腫瘍細胞上の膜関連HER2受容体との相互作用、及びその後の標的細胞中への細胞毒性薬物の細胞間送達によって作用して、HER2発現細胞に対していくらかの優先を有すると思われた。
【0601】
【表21】
[この文献は図面を表示できません]
【0602】
mAbトラスツズマブ単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC6のものとグラフで比較するために、mAb単独(10μg/mL)又はADC6(10又は1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図14に示す。10μg/mLの濃度で、mAbトラスツズマブ単独は、試験した細胞株のいずれに対しても、それらのHER2状態と関係なく、細胞毒性活性をまったく示さなかった。対照的に、ADC6コンジュゲートは、HER2発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対して特異的な細胞毒性を示し、対照細胞と比較して、それぞれ、57%及び70%の細胞生存の平均阻害をもたらした。この濃度で、ADC6は、HER2陰性細胞、MCF-7及びMDA-MB-231に対しても残存効果を示し、それぞれ、9%及び7%の細胞生存の阻害をもたらした。1μg/mLの濃度で、ADC6コンジュゲートは、HER2陽性細胞に対して細胞毒性活性をなお示したが、10μg/mLで観察されたものよりは少なかった(それぞれ、19%及び38%)。この濃度で、ADC6は、HER2陰性細胞に対して完全に不活性であった(
図14)。これらの結果により、in vitroでHER2発現ヒト腫瘍細胞に対するADC6コンジュゲートの優先的な細胞毒性活性が実証された。
【0603】
(生物活性実施例7)-HER2陽性及び陰性乳がん細胞に対するADC7及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物24、化合物25及び化合物41とともに、ADC7のin vitro細胞毒性を、HCC-1954及びSK-BR-3(HER2陽性細胞)並びにMDA-MB-231及びMCF-7(HER2陰性細胞)を含めた、HER2受容体を発現するか又はしない種々のヒト乳がん細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0604】
化合物41の細胞毒性
【0605】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【0606】
化合物41は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2009/080761号(このような特許出願の化合物72)に記載された通りに調製した。
【0607】
親化合物41の細胞毒性を、1E-02〜2.6E-06μg/mL(1.8E-08〜4.6E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。この化合物の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、低ナノモル範囲のIC
50値は、1.0E-04〜2.6E-04μg/mL(1.8E-10〜4.6E-10M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.6E-04μg/mL(2.9E-10Mに等しい)であった。したがって、化合物41の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係なかった(Table 22(表22))。
【0608】
【表22】
[この文献は図面を表示できません]
【0609】
化合物24の細胞毒性
化合物24の活性を、上と同じ条件、1E+00〜2.6E-04μg/mL(1.6E-06〜4.1E-10M)でアッセイした。この化合物の細胞毒性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、9.0E-03〜1.8E-02μg/mL(1.4E-08〜2.8E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.5E-02μg/mL(2.4E-08M)であった。化合物24中の1,3-プロピレンジアミン基の存在は、化合物41と比較して、化合物の細胞毒性活性に有意に低下させた(約2ログ)。やはり、化合物24の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係いように思われた(Table 23(表23))。
【0610】
【表23】
[この文献は図面を表示できません]
【0611】
化合物25の細胞毒性
化合物25(MCリンカーを持つ改変化合物24)の活性を、上と同じ条件、1E+01〜2.6E-05μg/mL(1.2E-07〜3.2E-11M)でアッセイした。この化合物の細胞毒性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、2.5E-02〜5.3E-02μg/mL(3.1E-08〜6.5E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、4.1E-02μg/mL(4.9E-08M)であった。化合物25中のMCリンカーの存在は、特にMDA-MB-231細胞において、化合物24と比較して、化合物の細胞毒性活性をわずかに低下させた。化合物25の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係ないように思われた(Table 24(表24))。
【0612】
【表24】
[この文献は図面を表示できません]
【0613】
ADC7の細胞毒性
ADC7の細胞毒性を種々の細胞株に対してアッセイした。適切な範囲の濃度を単に確保するために、コンジュゲートを、2つの独立した実験で、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(出発濃度10μg/mL)を
図15に示す。異なるDR曲線のすべてを調整後、試験した種々の細胞株に対するADC7について計算した平均IC
50値をTable 25(表25)に示す。
【0614】
コンジュゲートADC7は、HER2+発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対して特異性を示し、ここで、化合物により、親化合物41のものとほとんど同様の細胞毒性活性が実証され、平均IC
50値は、それぞれ、3.7E-01及び8.9E-02μg/mLであった。2種のHER陰性細胞株、MCF-7及びMDA-MB-231は、ADC7に対して実質的に無応答であった。コンジュゲートは、mAbと陽性腫瘍細胞上の膜関連HER2受容体との相互作用、及びその後の標的細胞中への細胞毒性薬物の細胞間送達によって作用していると思われた。
【0615】
【表25】
[この文献は図面を表示できません]
【0616】
mAbトラスツズマブ単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC7のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC7(50又は1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図16に示す。50μg/mLの濃度で、mAbトラスツズマブ単独は、試験した細胞株のいずれに対しても、それらのHER2状態と関係なく、有意な細胞毒性活性をまったく示さなかった。対照的に、ADC7コンジュゲートは、HER2発現細胞、HCC-1954及びSK-BR-3に対して有意で特異的な細胞毒性を示し、対照細胞と比較して、それぞれ、77%及び76%の細胞生存の平均阻害をもたらした。この濃度で、ADC7は、HER2陰性細胞、MCF-7及びMDA-MB-231に対して残留効果を示しただけであり、それぞれ、13%及び15%の細胞生存阻害をもたらした。同様の活性及び特異性が、HCC-1954及びSK-BR-3細胞においてADC7に比較的低い濃度(1μg/mL程度に低い)で検出され、それぞれ、68%及び79%の細胞生存の阻害をもたらした(
図16)。総合して、これらの結果により、in vitroでHER2発現ヒト腫瘍細胞に対するADC7コンジュゲートの顕著な細胞毒性活性及び特異性が明らかに実証された。
【0617】
(生物活性実施例8)- HER2陽性及び陰性乳がん細胞に対するADC8及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物24、化合物27及び化合物41とともに、ADC8のin vitro細胞毒性活性を、HCC-1954及びSK-BR-3(HER2陽性細胞)並びにMDA-MB-231及びMCF-7(HER陰性細胞)を含めた、HER2受容体を発現するか又はしない種々のヒト乳がん細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0618】
化合物41の細胞毒性
親化合物41の細胞毒性を、01E-02〜2.6E-06μg/mL(1.8E-08〜4.6E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。この化合物の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、低ナノモル範囲のIC
50値は、7.5E-05〜1.4E-04μg/mL(1.3E-10〜2.4E-10M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.1E-04μg/mL(1.9E-10Mに等しい)であった。したがって、化合物41の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係なかった(Table 26(表26))。
【0619】
【表26】
[この文献は図面を表示できません]
【0620】
化合物24の細胞毒性
化合物24の活性を、上と同じ条件、01E+00〜2.6E-04μg/mL(1.6E-06〜4.1E-10M)でアッセイした。この化合物の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、9.0E-03〜1.8E-02μg/mL(1.4E-08〜2.9E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.5E-02μg/mL(2.4E-08M)であった。化合物24中の1,3-プロピレンジアミン基の存在は、化合物41と比較して、化合物の細胞毒性活性に有意に低下させた(約2ログ)。化合物24の細胞毒性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係ないように思われた(Table 27(表27))。
【0621】
【表27】
[この文献は図面を表示できません]
【0622】
化合物27の細胞毒性
化合物27の活性を、01E+00〜2.6E-04μg/mL(1.4E-06〜3.6E-10M)の10連続希釈(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物27の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、マイクロモル範囲のIC
50値は、1.05E-02〜3.9E-02μg/mL(1.5E-08〜5.5E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、2.5E-02μg/mL(3.5E-08M)であった。化合物27中のMPAリンカーの存在は、化合物24と比較して、化合物の細胞毒性活性に有意な効果をまったく示さなかった。化合物27の活性は、腫瘍細胞株のHER2状態と関係なかった(Table 28(表28))。
【0623】
【表28】
[この文献は図面を表示できません]
【0624】
ADC8の細胞毒性
ADC8の細胞毒性活性を種々の細胞株に対してアッセイした。適切な範囲の濃度を単に確保するために、このコンジュゲートを、2つの独立した実験で、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(最大濃度10μg/mL)を
図17に示す。ADC8は、HER2+発現細胞、特に最も感受性の細胞株であるSK-BR-3において、いくらかの特異性を示した。HER2陰性細胞よりもほぼ4倍より感受性であるこれらの細胞を除いて(IC
50 2.3E-09M)、ADC8は、ナノモル範囲のIC
50値とともに、HER2と関係なく、親化合物27と同様の細胞毒性活性を示した(Table 29(表29))。
【0625】
【表29】
[この文献は図面を表示できません]
【0626】
mAbトラスツズマブ単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC8のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC8(50又は10μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図18に示す。50μg/mLで、mAb単独は、SK-BR-3を除いて、試験した細胞株のいずれにおいても、活性をまったく示さず、ここで、それは、20%未満の細胞生存の阻害をもたらした。そして次に、ADC8は、HER2+細胞株に対して有意な特異性をまったく示さず、分析した細胞のすべてで、60%を超える細胞生存の強い阻害をもたらした。10μg/mLの濃度で、ADC8は、HER2+細胞に対していくらかの、しかし小さい特異性を示し、両方ともHER2陽性である、HCC-1954及びSK-BR-3細胞において細胞生存の78%阻害をもたらしたが、HER2陰性細胞に対して、MCF7及びMDA-MB-231において、それぞれ、59%及び41%の、より小さい効果を示した。HER2陽性細胞は、HER2陰性細胞よりも、ADC8に対して、おおよそ、1.5〜2倍より感受性であった。
【0627】
(生物活性実施例9)-CD13陽性及び陰性ヒト腫瘍細胞に対するADC9及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物1及び化合物4とともにADC9のin vitro細胞毒性活性を、NB4及びU937(CD13陽性細胞)並びにRaji及びRPMI-8226(CD13陰性細胞)を含めた、CD13受容体を発現するか又はしない種々のヒト腫瘍細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0628】
抗CD13マウスモノクローナル抗体の細胞毒性
まず第一に、抗CD13マウスmAb単独のin vitro細胞毒性活性を種々の腫瘍細胞株に対してアッセイした。5.0E+01〜1.3E-02μg/mL(3.3E-07〜8.7E-11M)の範囲の三通りのDR曲線において、2つの独立した実験で、抗体は実質的に不活性であり、試験した細胞株のいずれにおいても、それらのCD13状態に関係なく、IC
50に到達しなかった(Table 30(表30))。
【0629】
【表30】
[この文献は図面を表示できません]
【0630】
化合物4の細胞毒性
化合物4の細胞毒性活性を、01E-02〜2.6E-06μg/mL(1.5E-08〜4.0E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物4の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって非常に同質であり、低ナノモル範囲のIC
50値は、7.9E-05〜2.65E-03μg/mL(1.2E-10〜4.0E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、8.4E-04μg/mL(1.2E-09Mに等しい)であった。したがって、化合物4の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD13状態とむしろ関係なかった(Table 31(表31))。
【0631】
【表31】
[この文献は図面を表示できません]
【0632】
化合物1の細胞毒性
化合物1の活性を、01E-01〜2.6E-05μg/mL(1.1E-07〜3.0E-11M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物1の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたっていくらか同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、8.0E-04〜6.3E-03μg/mL(9.4E-10〜7.3E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、2.8E-03μg/mL(3.3E-09Mに等しい)であった。化合物1中のマレイミドリンカーの存在は、化合物4と比較して、化合物の細胞毒性活性を非常に有意には変えなかった。更に、化合物の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD13状態と関係しなかった(Table 32(表32))。
【0633】
【表32】
[この文献は図面を表示できません]
【0634】
ADC9の細胞毒性
ADC9の細胞毒性活性を種々の細胞株に対してアッセイした。コンジュゲートを、2つの独立した実験で、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(最大濃度0.1μg/mL)を
図19に示す。
【0635】
コンジュゲートADC9は、CD13+発現細胞に対して有意な特異性を示し、ここで、化合物により、親化合物4及び化合物1のものと同様の、又はわずかにより高い細胞毒性活性が実証された。両方のCD13+細胞株、NB4及びU937は、ADC9に対して同等の感受性を示し、平均IC
50値は、それぞれ、8.7E-03及び2.4E-02μg/mLであった。2種のCD13陰性細胞株、Raji及びRPMI-8226は、ADC9に対して有意により低い感受性を示し、平均IC
50値は、それぞれ、1.6E+00及び5.9E-01μg/mLであった。平均して、CD13+細胞株(平均IC
50 1.66E-02μg/mL)は、CD13-細胞(平均I
C50 1.08E+00μg/mL)よりもADC9に対してほぼ65倍より感受性であった。NB4細胞(最も大きい感受性)対Raji細胞(最も小さい感受性)におけるADC9の活性を比較すると;ほぼ180倍の差とわかった。これらの結果により、CD13発現細胞に対するコンジュゲートの特異性が明らかに示された(Table 33(表33))。したがって、本発明者らは、ADC9は、少なくとも部分的に、mAbと腫瘍細胞上の膜関連CD13受容体との相互作用、及びその後の標的組織中への細胞毒性薬物の細胞間送達によって作用していたと推測する。
【0636】
【表33】
[この文献は図面を表示できません]
【0637】
mAb単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC9のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC(50又は0.1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図20に示す。50μg/mLの等濃度で、抗CD13抗体単独は、試験した細胞株のいずれに対しても、それらのCD13状態と関係なく、細胞毒性活性をまったく示さなかった。対照的に、ADC9コンジュゲートは、細胞株のすべてに対して強力な細胞毒性活性を示し、80%を超える細胞生存の阻害をもたらした。0.1μg/mLの濃度で、コンジュゲートADC9は、50μg/mLで観察されたものと同様のCD13陽性細胞に対する細胞毒性活性を示したが、CD13陰性細胞に対する検出可能な効果はまったくなかった。これらの結果により、in vitroでCD13発現ヒト腫瘍細胞に対するADC9の顕著な細胞毒性活性及び特異性が更に実証された。
【0638】
(生物活性実施例10)-CD13陽性及び陰性ヒト腫瘍細胞に対するADC10及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物12及び化合物4とともにADC10のin vitro細胞毒性活性を、NB4及びU937(CD13陽性細胞)並びにRaji及びRPMI-8226(CD13陰性細胞)を含めた、CD13受容体を発現するか又はしない種々のヒト腫瘍細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0639】
化合物4の細胞毒性
化合物4の細胞毒性活性を、01E-02〜2.6E-06μg/mL(1.5E-08〜4.0E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物4の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって非常に同質であり、低ナノモル範囲のIC
50値は、7.9E-05〜2.65E-03μg/mL(1.2E-10〜4.0E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、8.4E-04μg/mL(1.2E-09Mに等しい)であった。したがって、化合物4の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD13状態とむしろ関係なかった(Table 34(表34))。
【0640】
【表34】
[この文献は図面を表示できません]
【0641】
化合物12の細胞毒性
化合物12の活性を、01E+00〜2.6E-04μg/mL(7.9E-07〜2.0E-10M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物12の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたっていくらか同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、4.4E-03〜4.8E-02μg/mL(3.5E-09〜3.8E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、2.0E-02μg/mL(1.6E-08M)であった。化合物12中の長いリンカーの存在は、化合物4と比較して、化合物の細胞毒性活性を低下させた(およそ1ログ)。更に、化合物の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD13状態と関係しなかった(Table 35(表35))。
【0642】
【表35】
[この文献は図面を表示できません]
【0643】
ADC10の細胞毒性
ADC10の細胞毒性活性を種々の細胞株に対してアッセイした。コンジュゲートを、2つの独立した実験で、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(最大濃度1μg/mL)を
図21に示す。
【0644】
コンジュゲートADC10は、CD13+発現細胞に対して有意な特異性を示し、ここで、化合物により、親化合物4及び化合物12のものと同様の、又はわずかにより高い細胞毒性活性が実証された。両方のCD13+細胞株、NB4及びU937は、ADC10に対して同等の感受性を示し、平均IC
50値は、それぞれ、7.2E-03及び9.8E-03μg/mLであった。2種のCD13陰性細胞株、Raji及びRPMI-8226は、ADC10に対して有意により低い感受性を示し、平均IC
50値は、それぞれ、1.0E+01及び5.3E+00μg/mLであった。平均して、CD13+細胞株(平均IC
50 8.50E-03μg/mL)は、CD13-細胞(平均IC
50 7.83E+00μg/mL)よりもADC10に対してほぼ900倍より感受性であった。NB4細胞(最も大きい感受性)対Raji細胞(最も小さい感受性)におけるADC10の活性を比較すると;ほぼ1440倍の差とわかった。これらの結果により、CD13発現細胞に対するADC10の特異性が明らかに示された(Table 36(表36))。したがって、本発明者らは、ADC10は、少なくとも部分的に、mAbと腫瘍細胞上の膜関連CD13受容体との相互作用、及びその後の標的細胞中への細胞毒性薬物の細胞間送達によって作用していたと推測する。
【0645】
【表36】
[この文献は図面を表示できません]
【0646】
mAb単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC10のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC10(50又は1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図22に示す。50μg/mLの等濃度で、抗CD13抗体単独は、試験した細胞株のいずれに対しても、それらのCD13状態と関係なく、細胞毒性活性をまったく示さなかった。対照的に、ADC10コンジュゲートは、より低いが、ほぼ70%のなお重要な阻害をもたらしたRaji細胞を除いて、細胞株のすべてに対して強力な細胞毒性活性を示し、80%を超える細胞生存の阻害をもたらした。1μg/mLの濃度で、ADC10は、50μg/mLで観察されたものと同様のCD13陽性細胞に対する細胞毒性活性を示したが、CD13陰性細胞に対する検出可能な効果はまったくなかった。これらの結果により、in vitroでCD13発現ヒト腫瘍細胞に対するADC10の顕著な細胞毒性活性及び特異性が更に実証された。
【0647】
(生物活性実施例11)-CD13陽性及び陰性ヒト腫瘍細胞に対するADC11及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物13及び化合物40とともにADC11のin vitro細胞毒性活性を、NB4及びU937(CD13陽性細胞)並びにRaji及びRPMI-8226(CD13陰性細胞)を含めた、CD13受容体を発現するか又はしない種々のヒト腫瘍細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0648】
化合物40の細胞毒性
化合物40の細胞毒性活性を、01E-03〜2.6E-07μg/mL(1.7E-09〜4.3E-13M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物40の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、低ピコモル範囲のIC
50値は、3.1E-05〜1.7E-04μg/mL(5.2E-11〜2.8E-10M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、8.6E-05μg/mL(1.4E-10Mに等しい)であった。化合物40の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD13発現レベルと関係なかった(Table 37(表37))。
【0649】
【表37】
[この文献は図面を表示できません]
【0650】
化合物13の細胞毒性
化合物13の活性を、01E-01〜2.6E-05μg/mL(1.3E-07〜3.4E-11M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物13の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたっていくらか同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、1.7E-03〜1.0E-02μg/mL(2.7E-09〜1.4E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、4.3E-03μg/mL(5.7E-09M)であった。化合物13中のチオール含有尾部の存在は、化合物40と比較して、化合物の細胞毒性活性を低下させた(1ログ未満)。化合物の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD13状態とむしろ関係しなかった(Table 38(表38))。
【0651】
【表38】
[この文献は図面を表示できません]
【0652】
ADC11の細胞毒性
ADC11の細胞毒性活性を種々の細胞株に対してアッセイした。コンジュゲートを、2つの独立した実験で、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(最大濃度1μg/mL)を
図23に示す。ADC11は、試験した細胞株のすべてにおいて、CD13発現細胞に対していくらか、しかし小さい特異性を示した。コンジュゲートは、わずかにより少ない感受性であるRaji細胞を除いて、むしろ同様の細胞毒性活性を示した。ADC11の活性は、親化合物13のものと同等であり、IC
50値は、低ナノモル範囲であった(Table 39(表39))。
【0653】
【表39】
[この文献は図面を表示できません]
【0654】
抗CD13mAb単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC11のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC11(50又は1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図24に示す。50μg/mLの濃度で、抗CD13抗体単独は、CD13+細胞株に対するいくらかの細胞毒性活性を示し、ほぼ30%の生存細胞の阻害をもたらした。CD13-細胞では、抗体は実質的に不活性であった。同じ濃度で、ADC11コンジュゲートは、CD13発現細胞に対するいくらかの、しかし非常に小さい特異性とともに、細胞株のすべてに対して強力な細胞毒性活性を示し、ここで、それは、ほとんど100%の細胞生存の低下をもたらした。CD13-細胞において、ADC11は、細胞生存における80%を超える低下をもたらした。1μg/mLの濃度で、ADC11は、CD13+細胞、NB-4及びU937に対してより大きい特異性を示し、ここで、それは、それぞれ、99%及び85%の細胞生存の低下をもたらした。CD13-細胞、Raji及びRPM18226において、コンジュゲートは、それぞれ、38%及び60%の細胞生存の低下をもたらした。
【0655】
(生物活性実施例12)-CD20陽性及び陰性ヒト腫瘍細胞に対するADC12及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物1、化合物4、及び化合物40とともにADC12のin vitro細胞毒性活性を、Raji(CD20陽性細胞);RAMI-8226及びKarpas-299(CD20陰性細胞)を含めた、CD20抗原を発現するか又はしない種々のヒト腫瘍細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0656】
リツキシマブの細胞毒性
まず第一に、mAb単独リツキシマブのin vitro細胞毒性活性を、Raji(CD20陽性細胞);RAMI-8226及びKarpas-299(CD20陰性細胞)を含めた、CD20抗原を発現するか又はしない種々のヒト腫瘍細胞株に対してアッセイした。5.0E+01〜2.62E-05μg/mL(3.4E-07〜1.7E-11M)にわたって三通りのDR曲線において、抗体はむしろ不活性であり、試験した細胞株のいずれにおいても、それらのCD20状態に関係なく、IC
50に到達しなかった(Table 40(表40))。
【0657】
【表40】
[この文献は図面を表示できません]
【0658】
化合物40の細胞毒性
親化合物40の細胞毒性活性を、01E-03〜2.6E-07μg/mL(1.7E-09〜4.3E-13M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物40の細胞毒性活性は、試験した種々の細胞株にわたって非常に同質であり、低サブナノモル範囲のIC
50値は、8.6E-05〜1.1E-04μg/mL(1.4E-10〜1.9E-10M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、9.6E-05μg/mL(1.6E-10Mに等しい)であった。化合物40の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD20状態と関係なかった(Table 41(表41))。
【0659】
【表41】
[この文献は図面を表示できません]
【0660】
化合物4の細胞毒性
化合物4の細胞毒性活性を、01E-02〜2.6E-06μg/mL(1.5E-08〜4.0E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物4の細胞毒性活性は、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、5.7E-04〜1.4E-03μg/mL(8.6E-10〜2.1E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、9.7E-04μg/mL(1.5E-09M)であった。化合物4中のアミン含有基の存在は、化合物40と比較して、化合物の細胞毒性活性をわずかに低下させた。化合物4の細胞毒性活性も、腫瘍細胞株のCD20状態と関係なかった(Table 42(表42))。
【0661】
【表42】
[この文献は図面を表示できません]
【0662】
化合物1の細胞毒性
化合物1の活性を、01E-01〜2.6E-05μg/mL(1.2E-07〜3.0E-11M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物1の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって非常に同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、1.6E-03〜2.8E-03μg/mL(1.9E-09〜3.3E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、2.1E-03μg/mL(2.5E-09M)であった。化合物1中のマレイミドリンカーの存在は、化合物4と比較して、化合物の細胞活性を有意には変えなかった。更に、化合物の細胞毒性も、腫瘍細胞株のCD20状態と関係なかった(Table 43(表43))。
【0663】
【表43】
[この文献は図面を表示できません]
【0664】
ADC12の細胞毒性
ADC12の細胞毒性活性を種々の腫瘍細胞株に対してアッセイした。コンジュゲートを、それぞれ、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(出発濃度1μg/mL)を
図25に示す。CD20陽性Raji細胞で比較的高いが、ADC12は、試験した細胞株のすべてで、ナノモル範囲で比較的同様の細胞毒性活性を示した。Raji細胞(CD20+)は、9.5E-02μg/mLの平均IC
50値を示したが、RPMI-8226及びKarpas-299細胞(両方ともCD20-)についてのそれぞれの値は、それぞれ、4.0E-01及び4.1E-01μg/mLであった(Table 44(表44))。したがって、CD20陽性細胞は、CD20陰性細胞よりもADC12に対してわずかにより感受性であった(4倍)。
【0665】
【表44】
[この文献は図面を表示できません]
【0666】
mAbリツキシマブ単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC12のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC12(1及び0.1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図26に示す。リツキシマブ単独は、50μg/mLの濃度で、試験した細胞株のすべてにおいて、それらのCD20状態と関係なく、実質的に不活性であった。対照的に、ADC12は、1μg/mLの濃度で、試験した細胞株のすべてで強力な細胞毒性活性を示し、処置後72時間に細胞生存の70%を超える低下をもたらした。より低い濃度0.1μg/mLで、ADC12コンジュゲートは、いくらかの特異性を示し、CD20陽性細胞(Raji)でほぼ60%の細胞生存の低下をもたらしたが、CD20陰性細胞(RPMI-8226及びKarpas-299)では実質的に不活性であった。
【0667】
(生物活性実施例13)- -CD20陽性及び陰性ヒト腫瘍細胞に対するADC13及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物1、化合物4、及び化合物40とともにADC13のin vitro細胞毒性活性を、Raji(CD20陽性細胞);RPMI-8226及びKarpas-299(CD20陰性細胞)を含めた、CD20抗原を発現するか又はしない種々のヒト腫瘍細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0668】
化合物40の細胞毒性
親化合物40の細胞毒性活性を、01E-03〜2.6E-07μg/mL(1.7E-09〜4.3E-13M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物40の細胞毒性活性は、試験した種々の細胞株にわたって非常に同質であり、低サブナノモル範囲のIC
50値は、8.6E-05〜1.1E-04μg/mL(1.4E-10〜1.9E-10M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、9.6E-05μg/mL(1.6E-10Mに等しい)であった。化合物40の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD20状態と関係なかった(Table 45(表45))。
【0669】
【表45】
[この文献は図面を表示できません]
【0670】
化合物4の細胞毒性
化合物4の細胞毒性活性を、01E-02〜2.6E-06μg/mL(1.5E-08〜4.0E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物4の細胞毒性活性は、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、5.7E-04〜1.4E-03μg/mL(8.6E-10〜2.1E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、9.7E-04μg/mL(1.5E-09M)であった。化合物4中のアミン含有基の存在は、化合物40と比較して、化合物の細胞毒性活性をわずかに低下させた。化合物4の細胞毒性活性も、腫瘍細胞株のCD20状態と関係なかった(Table 46(表46))。
【0671】
【表46】
[この文献は図面を表示できません]
【0672】
化合物12の細胞毒性
化合物12の活性を、01E+00〜2.6E-04μg/mL(7.9E-07〜2.1E-10M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物12の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって非常に同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、2.2E-02〜6.7E-02μg/mL(1.8E-08〜5.5E-08M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、3.9E-02μg/mL(3.1E-08M)であった。化合物12中のマレイミドリンカーの存在は、化合物4及び化合物40と比較して、化合物の細胞毒性活性を低下させた。更に、化合物の細胞毒性も、腫瘍細胞株のCD20状態と関係なかった(Table 47(表47))。
【0673】
【表47】
[この文献は図面を表示できません]
【0674】
ADC13の細胞毒性
ADC13の細胞毒性活性を種々の腫瘍細胞株に対してアッセイした。コンジュゲートを、それぞれ、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(出発濃度1μg/mL)を
図27に示す。CD20陽性Raji細胞で比較的高いが、ADC13は、試験した細胞株のすべてで、ナノモル範囲でむしろ同様の細胞毒性活性を示した。Raji細胞(CD20+)は、2.5E-01μg/mLの平均IC
50値を示したが、RPMI-8226及びKarpas-299細胞(両方ともCD20-)についてのそれぞれの値は、それぞれ、1.1E+00μg/mLであった(Table 48(表48))。したがって、CD20陽性細胞は、CD20陰性細胞よりもADC13に対してわずかにより感受性であった(約5倍)。
【0675】
【表48】
[この文献は図面を表示できません]
【0676】
mAbリツキシマブ単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC13のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC13(1及び0.1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図28に示す。リツキシマブ単独は、50μg/mLの濃度で、試験した細胞株のすべてにおいて、それらのCD20状態と関係なく、実質的に不活性であった。対照的に、ADC13は、1及び0.1μg/mLの両方の濃度で、CD20発現Raji細胞に対するいくらかの特異性とともに、細胞毒性活性を示した。1μg/mLで、ADC13は、処置後72時間に、Raji細胞(CD20+)の細胞生存において65%を超える低下をもたらしたが、それぞれ、RPMI-8226及びKarpas-299細胞(CD20-)においては35〜45%の低下をもたらした。0.1μg/mLで、ADC13コンジュゲートは、より明らかな特異性を示し、CD20+細胞でほぼ50%の細胞生存の低下をもたらしたが、CD20-細胞では不活性であった。
【0677】
(生物活性実施例14)- -CD5陽性及び陰性ヒト腫瘍細胞に対するADC14及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物1、化合物4、及び化合物40とともにADC14のin vitro細胞毒性活性を、Karpas-299及びMOLT-4(両方ともCD5+);Raji及びRPMI-8226(両方ともCD5-)を含めた、CD5抗原を発現するか又はしない種々のヒト腫瘍細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0678】
抗CD5mAbの細胞毒性
まず第一に、抗CD5マウスmAB単独のin vitro細胞毒性活性を、Karpas-299及びMOLT-4(両方ともCD5+);Raji及びRPMI-8226(両方ともCD5-)を含めた、CD5抗原を発現するか又はしない種々のヒト腫瘍細胞株に対してアッセイした。5.0E+01〜1.3E-02μg/mL(3.3E-07〜8.7E-11M)にわたる三通りのDR曲線において、2つの独立した実験で、抗体は実質的に不活性であり、試験した細胞株のいずれにおいても、それらのCD5状態に関係なく、IC
50に到達しなかった(Table 49(表49))。
【0679】
【表49】
[この文献は図面を表示できません]
【0680】
化合物40の細胞毒性
親化合物40の細胞毒性活性を、01E-03〜2.6E-07μg/mL(1.7E-09〜4.3E-13M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物40の細胞毒性活性は、試験した種々の細胞株にわたって非常に同質であり、低サブナノモル範囲のIC
50値は、7.5E-05〜3.6E-04μg/mL(1.2E-10〜5.9E-10M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.6E-04μg/mL(2.6E-10Mに等しい)であった。化合物40の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD5発現レベルと関係なかった(Table 50(表50))。
【0681】
【表50】
[この文献は図面を表示できません]
【0682】
化合物4の細胞毒性
化合物4の細胞毒性活性を、01E-02〜2.6E-06μg/mL(1.5E-08〜4.0E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物4の細胞毒性活性は、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、6.3E-04〜2.7E-03μg/mL(9.5E-10〜4.1E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.3E-03μg/mL(1.9E-09M)であった。化合物4中のアミン含有基の存在は、化合物40と比較して、化合物の細胞毒性活性を低下させた(約1ログ)。化合物4の細胞毒性活性も、腫瘍細胞株のCD5発現レベルと関係なかった(Table 51(表51))。
【0683】
【表51】
[この文献は図面を表示できません]
【0684】
化合物1の細胞毒性
化合物1の活性を、01E-01〜2.6E-05μg/mL(1.2E-07〜3.0E-11M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物1の細胞毒性活性は、化合物があまり活性でないRaji細胞を除いて、試験した種々の細胞株にわたってほとんど均質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、1.8E-03〜1.1E-02μg/mL(2.2E-09〜1.3E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、4.6E-03μg/mL(5.3E-09M)であった。化合物1中のマレイミド含有リンカーの存在は、化合物4と比較して、化合物の細胞毒性活性を変えなかった。化合物の細胞毒性も、腫瘍細胞株のCD5発現レベルと関係なかった(Table 52(表52))。
【0685】
【表52】
[この文献は図面を表示できません]
【0686】
ADC14の細胞毒性
ADC14の細胞毒性活性を種々の腫瘍細胞株に対してアッセイした。コンジュゲートを、それぞれ、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(出発濃度1μg/mL)を
図29に示す。ADC14は、CD5陽性細胞に対して選択性のいくらかの傾向を示したが、平均IC
50値は、中程度のナノモル範囲で、試験した細胞株のすべてに対して、CD5状態と関係なく、比較的同様であった(Table 53(表53))。
【0687】
【表53】
[この文献は図面を表示できません]
【0688】
抗CD5mAb単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC14のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC14(1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図30に示す。抗CD5mAb単独は、50μg/mLの濃度で、試験した細胞株のすべてにおいて実質的に不活性であった。ADC14は、1μg/mLの濃度で、CD5陽性細胞、Karpas-299及びMOLT-4に対して特異的な細胞毒性活性を示し、それぞれ、ほぼ84%及び70%の細胞生存の阻害をもたらしたが、CD5陰性細胞に対しては実質的に不活性であった(
図30)。
【0689】
(生物活性実施例15)- -CD4陽性及び陰性ヒト腫瘍細胞に対するADC16及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物1、化合物4、及び化合物40とともにADC16のin vitro細胞毒性活性を、Karpas-299及びU937(両方ともCD4+);Raji及びRPMI-8226(両方ともCD4-)を含めた、CD4抗原を発現するか又はしない種々のヒト腫瘍細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0690】
抗CD4mAbの細胞毒性
まず第一に、抗CD4マウスmAB単独のin vitro細胞毒性活性を、Karpas-299及びU937(両方ともCD4+);Raji及びRPMI-8226(両方ともCD4-)を含めた、CD4抗原を発現するか又はしない種々のヒト腫瘍細胞株に対してアッセイした。5.0E+01〜1.3E-02μg/mL(3.3E-07〜8.7E-11M)にわたる三通りのDR曲線において、2つの独立した実験で、抗体は実質的に不活性であり、試験した細胞株のいずれにおいても、それらのCD4状態に関係なく、IC
50に到達しなかった(Table 54(表54))。
【0691】
【表54】
[この文献は図面を表示できません]
【0692】
化合物40の細胞毒性
化合物40の細胞毒性
親化合物40の細胞毒性活性を、01E-03〜2.6E-07μg/mL(1.7E-09〜4.3E-13M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物40の細胞毒性活性は、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、低サブナノモル範囲のIC
50値は、7.9E-05〜2.8E-04μg/mL(1.3E-10〜4.7E-10M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.5E-04μg/mL(2.5E-10Mに等しい)であった。化合物40の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD4発現レベルと関係なかった(Table 55(表55))。
【0693】
【表55】
[この文献は図面を表示できません]
【0694】
化合物4の細胞毒性
化合物4の細胞毒性活性を、01E-02〜2.6E-06μg/mL(1.5E-08〜4.0E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物4の細胞毒性活性も、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、6.1E-04〜2.7E-03μg/mL(9.5E-10〜4.1E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.2E-03μg/mL(1.8E-09M)であった。化合物4中のアミン含有基の存在は、化合物40と比較して、化合物の細胞毒性活性を低下させた。化合物4の細胞毒性活性も、腫瘍細胞株のCD4発現レベルと関係なかった(Table 56(表56))。
【0695】
【表56】
[この文献は図面を表示できません]
【0696】
化合物1の細胞毒性
化合物1の活性を、01E-01〜2.6E-05μg/mL(1.2E-07〜3.0E-11M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物1の細胞毒性活性も、試験した種々の細胞株にわたって均質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、1.5E-03〜7.3E-03μg/mL(1.7E-09〜8.6E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、3.4E-03μg/mL(3.9E-09M)であった。化合物1中のマレイミド含有リンカーの存在は、化合物4と比較して、化合物の細胞毒性活性を変えなかった。化合物の細胞毒性も、腫瘍細胞株のCD4発現レベルと関係なかった(Table 57(表57))。
【0697】
【表57】
[この文献は図面を表示できません]
【0698】
ADC16の細胞毒性
ADC16の細胞毒性活性を種々の腫瘍細胞株に対してアッセイした。コンジュゲートを、それぞれ、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(出発濃度1μg/mL)を
図31に示す。ADC16は、CD4陽性細胞に対していくらかの特異性を示したが、CD4陰性細胞に対する感受性の平均差は、比較的低く、およそ7倍であった(より小さい感受性と最も大きい感受性細胞株との間の最大差である、Raji及びKarpas-299は、それぞれ、ほぼ14倍であった)(Table 58(表58))。小さい治療枠を示したが、観察されたADC16の細胞毒性の少なくとも一部は、腫瘍細胞の細胞膜におけるmAbとCD4糖タンパク質との相互作用によって媒介されるように思われた。
【0699】
【表58】
[この文献は図面を表示できません]
【0700】
抗CD4mAb単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC16のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC16(1及び0.1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図32に示す。抗CD4mAb単独は、50μg/mLの濃度で、試験した細胞株のすべてで実質的に不活性であった。対照的に、ADC16は、1μg/mLの濃度で、試験した細胞株のすべてにおいて、それらのCD4状態と関係なく、強力な細胞毒性活性を示し、処置後72時間に細胞生存における60%を超える低下(範囲60〜90%)をもたらした。0.1μg/mLの濃度でさえも、ADC16は、CD4陽性細胞、Karpas-299及びU937に対して特異的な細胞毒性活性を示し、それぞれ、ほぼ80%及び70%の細胞生存における阻害をもたらしたが、CD4陰性細胞に対しては不活性であった(
図32)。
【0701】
(生物活性実施例16)- -CD4陽性及び陰性ヒト腫瘍細胞に対するADC17及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物12、化合物4、及び化合物40とともにADC17のin vitro細胞毒性活性を、Karpas-299及びU937(両方ともCD4+);Raji及びRPMI-8226(両方ともCD4-)を含めた、CD4抗原を発現するか又はしない種々のヒト腫瘍細胞株に対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0702】
化合物40の細胞毒性
親化合物40の細胞毒性活性を、01E-03〜2.6E-07μg/mL(1.7E-09〜4.3E-13M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物40の細胞毒性活性は、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、低サブナノモル範囲のIC
50値は、7.9E-05〜2.8E-04μg/mL(1.3E-10〜4.7E-10M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.5E-04μg/mL(2.5E-10Mに等しい)であった。化合物40の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD4発現レベルと関係なかった(Table 59(表59))。
【0703】
【表59】
[この文献は図面を表示できません]
【0704】
化合物4の細胞毒性
化合物4の細胞毒性活性を、01E-02〜2.6E-06μg/mL(1.5E-08〜4.0E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物4の細胞毒性活性も、試験した種々の細胞株にわたって同質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、6.1E-04〜2.7E-03μg/mL(9.5E-10〜4.1E-09M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.2E-03μg/mL(1.8E-09M)であった。化合物4中のアミン含有基の存在は、化合物40と比較して、化合物の細胞毒性活性を低下させた。化合物4の細胞毒性活性も、腫瘍細胞株のCD4発現レベルと関係なかった(Table 60(表60))。
【0705】
【表60】
[この文献は図面を表示できません]
【0706】
化合物12の細胞毒性
化合物12の活性を、01E+00〜2.6E-04μg/mL(7.9E-07〜2.1E-10M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物12の細胞毒性活性は、2つの独立した実験で、試験した種々の細胞株にわたって比較的均質であり、ナノモル範囲のIC
50値は、7.3E-02〜4.1E-01μg/mL(5.8E-08〜3.2E-07M)であり、細胞パネル全体にわたっての平均IC
50値は、1.7E-01μg/mL(1.3E-07M)であった。化合物12中の長いマレイミド含有リンカーの存在は、化合物40及び化合物4と比較して、化合物の細胞毒性活性を強く低下させた(それぞれ、ほとんど3ログ、ほとんど2ログ)。更に、化合物の細胞毒性も、腫瘍細胞株のCD4発現レベルと関係なかった(Table 61(表61))。
【0707】
【表61】
[この文献は図面を表示できません]
【0708】
ADC17の細胞毒性
ADC17の細胞毒性活性を種々の細胞株に対してアッセイした。コンジュゲートを、それぞれ、50、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、4つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(出発濃度1μg/mL)を
図33に示す。ADC17は、CD4陽性細胞に対して特異性を示したが、CD4陰性細胞に対する感受性の平均差は、ほぼ40倍であった(11〜64倍の間の範囲)(Table 62(表62))。観察されたADC17の細胞毒性活性の大部分は、腫瘍細胞の細胞膜におけるmAbとCD4糖タンパク質との相互作用によって媒介されるように思われた。
【0709】
【表62】
[この文献は図面を表示できません]
【0710】
抗CD4mAb単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC17のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC17(1及び0.1μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図34に示す。抗CD4mAb単独は、50μg/mLの濃度で、試験した細胞株のすべてで実質的に不活性であった。対照的に、ADC17は、1μg/mLの濃度で、試験した4つの細胞株の3つにおいて(Raji細胞を除く)、強力な細胞毒性活性を示し、処置後72時間に細胞生存における70%を超える低下(範囲72〜95%)をもたらした。0.1μg/mLの濃度でさえも、ADC17は、CD4陽性細胞、Karpas-299及びU937に対して特異的な細胞毒性活性を示し、それぞれ、ほぼ70%及び75%の細胞生存における阻害をもたらしたが、CD4陰性細胞に対しては極めて不活性であった(
図34)。
【0711】
(生物活性実施例17)-高又はヌルCD5発現を有するRaji細胞クローンに対するADC14及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物1、化合物4、及び化合物40とともにADC14のin vitro細胞毒性活性を、CD5抗原を発現するか又はしないRaji細胞クローンに対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0712】
抗CD5mAbの細胞毒性
抗CD5マウスmAB単独のin vitro細胞毒性活性を、CD5抗原を発現する(C#10)か又はしない(C#18)Raji細胞クローンに対してアッセイした。5.0E+01〜1.3E-02μg/mL(3.3E-07〜8.7E-11M)にわたる三通りのDR曲線において、2つの独立した実験で、抗体は実質的に不活性であり、試験した細胞株のいずれにおいても、それらのCD5状態に関係なく、IC
50に到達しなかった(Table 63(表63))。
【0713】
【表63】
[この文献は図面を表示できません]
【0714】
化合物40の細胞毒性
親化合物40の細胞毒性活性を、01E-03〜2.6E-07μg/mL(1.7E-09〜4.3E-13M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物40の細胞毒性活性は、CD5発現(クローン#10)Raji細胞と非発現(クローン#18)Raji細胞との間で比較的同様であり、サブナノモル範囲の平均IC
50値は、それぞれ、4.95E-04及び8.90E-04μg/mL(8.17E-10及び1.47E-09Mに等しい)であった。CD5陽性細胞においてわずかにより高かったが、化合物40の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD5発現レベルとむしろ関係ないように思われた(Table 64(表64))。
【0715】
【表64】
[この文献は図面を表示できません]
【0716】
化合物4の細胞毒性
化合物4の細胞毒性活性を、01E-02〜2.6E-06μg/mL(1.5E-08〜4.0E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDRの応答曲線でアッセイした。化合物4の細胞毒性活性は、CD5発現(クローン#10)Raji細胞と非発現(クローン#18)Raji細胞との間で比較的同様であったが、ヌル細胞では化合物はIC
50値に到達しなかった。CD5陽性細胞において、化合物は9.9E-03μg/mL(1.57E-08Mに等しい)の平均IC
50値を示した。CD5陽性細胞においてわずかにより高かったが、化合物4の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD5発現レベルとむしろ関係ないように思われた(参考としてTable 65(表65)中のIC
20値を参照)。
【0717】
【表65】
[この文献は図面を表示できません]
【0718】
化合物1の細胞毒性
化合物1の活性を、01E-01〜2.6E-05μg/mL(1.2E-07〜3.0E-11M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物1の細胞毒性活性は、2種のRaji細胞クローン間で異なり、CD5ヌル細胞(クローン#18)におけるよりもCD5過剰発現細胞(クローン#10)においてより活性であり、平均IC
50値は、それぞれ、2.9E-03及び3.8E-02μg/mL(3.4E-09及び4.4E-08Mに等しい)であった(Table 66(表66))。この場合、化合物1の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD5状態と関係なくはないように思われた。
【0719】
【表66】
[この文献は図面を表示できません]
【0720】
ADC14の細胞毒性
ADC14の細胞毒性活性を2種のRajiクローンに対してアッセイした。コンジュゲートを、それぞれ、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、3つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(出発濃度10μg/mL)を
図35に示す。ADC14は、CD5過剰発現細胞(クローン#10)に対して特異性を示し、ここで、化合物により、親化合物1、化合物4及び化合物40のものと同様の、又は更にはより高い細胞毒性活性が実証された。CD5発現Raji細胞において、コンジュゲートは、1.6E-01μg/mLの平均IC
50値を示した。CD5ヌル細胞において、コンジュゲートは、CD5陽性細胞におけるよりも50倍を超えてより小さい活性であり、9.0E+00μg/mLの平均IC
50値を示した。いくらかの留保とともにではあるが、一部の親化合物に対して2種のRaji細胞クローン間で観察されたいくらかの感受性差のために、これらの結果は、ADC14がCD5発現細胞に対して特異性を有することを示した(Table 67(表67))。したがって、本発明者らは、ADC14が、少なくとも部分的に、mAbと腫瘍細胞上の膜関連CD5受容体との相互作用、その後の標的組織中への細胞毒性薬物の細胞間送達によって作用していたと推測する。
【0721】
【表67】
[この文献は図面を表示できません]
【0722】
抗CD5mAb単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC14のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC14(10μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図36に示す。抗CD5mAb単独は、50μg/mLの濃度で、2種のRaji細胞クローンに対して、それらのCD5状態に関係なく、不活性であった。対照的に、ADC14は、10μg/mLの濃度で、CD5陽性Raji細胞(クローン#10)に対して強力で、いくらか選択的な細胞毒性活性を示し、処置後72時間にそれらの細胞生存におけるほとんど90%の低下をもたらした。同じ条件下で、ADC14は、CD5ヌル細胞(クローン#18)の細胞生存において30%の低下をもたらした(
図36)。
【0723】
(生物活性実施例18)-高又はヌルCD5発現を有するRaji細胞クローンに対するADC15及び関連試薬の細胞毒性
親細胞毒性化合物12、化合物4、及び化合物40とともに、ADC15のin vitro細胞毒性活性を、CD5抗原を発現するか又はしないRaji細胞クローンに対して評価した。標準的な72時間用量-応答(DR)曲線を行なった。
【0724】
化合物40の細胞毒性
親化合物40の細胞毒性活性を、01E-03〜2.6E-07μg/mL(1.7E-09〜4.3E-13M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物40の細胞毒性活性は、CD5発現(クローン#10)Raji細胞と非発現(クローン#18)Raji細胞との間で比較的同様であり、サブナノモル範囲の平均IC
50値は、それぞれ、4.95E-04及び8.90E-04μg/mL(8.17E-10及び1.47E-09Mに等しい)であった。CD5陽性細胞においてわずかにより高かったが、化合物40の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD5発現レベルとむしろ関係ないように思われた(Table 68(表68))。
【0725】
【表68】
[この文献は図面を表示できません]
【0726】
化合物4の細胞毒性
化合物4の細胞毒性活性を、01E-02〜2.6E-06μg/mL(1.5E-08〜4.0E-12M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDRの応答曲線でアッセイした。化合物4の細胞毒性活性は、CD5発現(クローン#10)Raji細胞と非発現(クローン#18)Raji細胞との間で比較的同様であったが、ヌル細胞では化合物はIC
50値に到達しなかった。CD5陽性細胞において、化合物は9.9E-03μg/mL(1.57E-08Mに等しい)の平均IC
50値を示した。CD5陽性細胞においてわずかにより高かったが、化合物4の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD5発現レベルとむしろ関係ないように思われた(参考としてTable 69(表69)中のIC
20を参照)。
【0727】
【表69】
[この文献は図面を表示できません]
【0728】
化合物12の細胞毒性
化合物12の活性を、01E+00〜2.6E-4μg/mL(7.9E-07〜2.1E-10M)の10連続希釈法(1/2.5比)を使用してDR曲線でアッセイした。化合物12の細胞毒性活性は、CD5発現(クローン#10)Raji細胞と非発現(クローン#18)Raji細胞との間で比較的同様であったが、ヌル細胞では化合物はIC
50値に到達しなかった。CD5陽性細胞において、化合物は2.7E-01μg/mL(2.15E-07Mに等しい)の平均IC
50値を示した。CD5陽性細胞においてわずかにより高かったが、化合物12の細胞毒性は、腫瘍細胞株のCD5発現レベルとむしろ関係ないように思われた(参考としてTable 70(表70)中のIC
20値を参照)。
【0729】
【表70】
[この文献は図面を表示できません]
【0730】
ADC15の細胞毒性
ADC15の細胞毒性活性を2種のRajiクローンに対してアッセイした。コンジュゲートを、それぞれ、10、1及び0.1μg/mLから出発してそれぞれ三通りのDR曲線(10連続希釈法、1/2.5比)で、3つの異なる濃度範囲でアッセイした。代表的DR曲線(出発濃度10μg/mL)を
図37に示す。ADC15は、CD5過剰発現細胞(クローン#10)に対して有意な特異性を示し、ここで、化合物により、親化合物40のものと同様の、並びに化合物4及び化合物12のものより更により高い細胞毒性活性が実証された。CD5発現Raji細胞において、コンジュゲートは、9.3E-01μg/mLの平均IC
50値を示した。CD5ヌル細胞において、コンジュゲートは、CD5陽性細胞におけるよりも10倍をはるかに超えてより小さい活性であり、IC
50値に到達しなかった。留保とともにではあるが、親化合物4及び化合物12に対して2種のRaji細胞クローン間で観察された潜在的感受性のために、これらの結果は、ADC15がCD5発現細胞に対して特異性を有することを示す(Table 71(表71))。本発明者らは、ADC15が、少なくとも部分的に、mAbと腫瘍細胞上の膜関連CD5受容体との相互作用、その後の標的組織中への細胞毒性薬物の細胞間送達によって作用していたと推測する。
【0731】
【表71】
[この文献は図面を表示できません]
【0732】
抗CD5mAb単独の細胞毒性活性をコンジュゲートADC15のものとグラフで比較するために、mAb単独(50μg/mL)又はADC15(10μg/mL)による種々の細胞株の処理後の細胞生存のパーセンテージを示すヒストグラムを
図38に示す。抗CD5mAb単独は、50μg/mLの濃度で、2種のRaji細胞クローンに対して、それらのCD5状態に関係なく、不活性であった。対照的に、10μg/mLの濃度でのADC15は、CD5陽性Raji細胞(クローン#10)に対して強力で、選択的な細胞毒性活性を示し、処置後72時間にそれらの細胞生存における80%の低下をもたらした。同じ条件下で、ADC15は、CD5ヌル細胞(クローン#18)に対して不活性であった(
図38)。