(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ノズルの前記流出入孔よりも先端側の内周面に、該内周面から径方向内側に向けて突出して前記先端側位置よりも先端側への前記発泡部材の移動を阻止する先端側ストッパ突起が設けられている、請求項1に記載の泡噴出容器。
前記ノズルの前記流出入孔の少なくとも一部よりも基端側の内周面に、該内周面から径方向内側に向けて突出して前記基端側位置よりも基端側への前記発泡部材の移動を阻止する基端側ストッパ突起が設けられている、請求項2に記載の泡噴出容器。
前記ノズルは、前記基端側ストッパ突起を備える基端側ノズルと、該基端側ノズルに挿入可能に設けられ、前記先端側ストッパ突起を備える先端ノズル部材と、を有する、請求項3に記載の泡噴出容器。
【背景技術】
【0002】
シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料等の各種液体洗浄剤や整髪剤等の内容液を収容する容器としては、泡立て動作を省略して簡便な利用を図る観点から、容器本体に収容した内容液を空気と混合してノズルから泡状に噴出させるようにした泡噴出容器が多く用いられている。
【0003】
このような泡噴出容器では、内容液の吐出流路に内容液を空気と混合させる混合室を設け、容器本体の胴部を圧搾することで、容器本体に収容された内容液を混合室において空気と混合させ、これにより内容液を泡状に発泡させてノズルから噴出させるようにしている。この場合、内容液をより効果的に泡状に発泡させるために、例えばメッシュ等からなる発泡部材を混合室に設けることもできる。
【0004】
上記泡噴出容器としては、ノズルとは別に、容器本体の内部に外気を導入可能な吸気口を設け、内容液の噴出後に当該吸気口から容器本体の内部に外気を導入することで圧搾された胴部を容易に元の形状に復元させるようにしたものが知られている。しかしながら、このような構成では、内容液の吐出後には、ノズルの内部の全体に泡状の内容液が残ることになるので、特に、容器が正立状態においてノズルが下向きに開口する設計とした場合に、ノズルの先端から内容液が垂れ落ちるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、内容液の噴出後に、ノズルの内部に残留した泡状の内容液がノズルの先端から垂れ落ちることを防止するために、所謂サックバック機能を持たせるようにしたものが知られている。
【0006】
例えば特許文献1には、ノズルと容器本体との間に内容液の吐出流路とは別に、ノズルと容器本体とを連通する戻し流路を設け、この戻し流路に容器本体内から戻し流路を通したノズルの側への内容液の流れを阻止するとともにノズルから戻し流路を通した容器本体内への内容液の流れを許容する逆止弁を設けて、胴部の圧搾が解除されたときに容器本体内に生じる負圧により、ノズルの内部に残留した内容液を、戻し流路を通して容器本体内に引き戻すようにした泡噴出容器が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したような従来の泡噴出容器において、泡質をさらに細かくするために発泡部材をノズルの内部に設けることが考えられる。しかしながら、発泡部材をノズルの内部に固定した場合には、以下のような問題を生じることになる。
(1)サックバック時に発泡部材が抵抗になり、容器本体の復元が遅くなる。
(2)また、サックバック時に泡が発泡部材を通過するため、吐出される泡よりさらに泡質が細かくなって抵抗が増え、この点からも容器本体の復元が遅くなる。
(3)さらに、サックバック時の泡が発泡部材を通過して細かくなると泡が液に戻りにくくなるため、吐出を連続的に繰り返す場合には、容器本体内に残った泡が空気とともに混合室内へ導入され、気液の混合比率が変わることで、吐出時の泡質に悪影響を及ぼしてしまう。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、ノズルの内部に発泡部材を備えるとともに容器本体の復元がスムーズで泡質の安定した泡噴出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の泡噴出容器は、可撓性を有する胴部を備え、内部が内容液の収容空間となる容器本体と、前記容器本体の口部に装着される装着部とノズルとを備えたノズル付きキャップと、前記ノズルに連なる混合室を内部に備えるとともに該混合室を前記収容空間に連ねる空気導入孔および液導入孔を底部に備える区画筒体と、前記区画筒体の外側に設けられ、前記ノズルを前記収容空間に連ねる戻し流路と、前記戻し流路に設けられ、前記収容空間から前記戻し流路を通した前記ノズルの側への内容液の流れを阻止するとともに前記ノズルから前記戻し流路を通した前記収容空間への内容液の流れを許容する逆止弁と、前記ノズルの内周面を貫通するとともに該ノズルを前記戻し流路に連ねる流出入孔と、前記ノズルの内部に設けられ、前記流出入孔に対する先端側位置と、前記流出入孔の少なくとも一部に対する基端側位置との間で前記ノズルに沿って移動自在な発泡部材と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記構成において、前記ノズルの前記流出入孔よりも先端側の内周面に、該内周面から径方向内側に向けて突出して前記先端側位置よりも先端側への前記発泡部材の移動を阻止する先端側ストッパ突起が設けられているのが好ましい。
【0012】
本発明は、上記構成において、前記ノズルの前記流出入孔の少なくとも一部よりも基端側の内周面に、該内周面から径方向内側に向けて突出して前記基端側位置よりも基端側への前記発泡部材の移動を阻止する基端側ストッパ突起が設けられているのが好ましい。
【0013】
本発明は、上記構成において、前記ノズルは、前記基端側ストッパ突起を備える基端側ノズルと、該基端側ノズルに挿入可能に設けられ、前記先端側ストッパ突起を備える先端ノズル部材と、を有するのが好ましい。
【0014】
本発明は、上記構成において、前記発泡部材は、前記ノズルの内周面を摺動可能なリングと、該リングの端面に固定されたメッシュと、を備えるのが好ましい。
【0015】
本発明は、上記構成において、前記ノズル付きキャップは、一端において前記区画筒体と前記戻し流路とに連通するとともに他端において前記流出入孔に連通する流通口を備え、前記装着部により前記口部に装着される装着キャップと、前記流通口を開閉する開閉蓋部、前記ノズルおよび前記流出入孔を備え、前記装着キャップにねじ結合により装着されるノズルヘッドとを有し、前記区画筒体は前記装着キャップに支持されており、前記ノズルヘッドは、前記開閉蓋部が前記流通口を閉塞する閉位置と前記開閉蓋部が前記流通口の上方に離れて該流通口を開放する開位置との間で、前記装着キャップに対して回動自在であるのが好ましい。
【0016】
本発明は、上記構成において、前記混合室に他の発泡部材が設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、内容液の噴出後に胴部の圧搾が解除されると発泡部材が基端側位置まで引き込まれ、ノズルの内部の内容液の大半が発泡部材を通らずに流出入孔の少なくとも一部から収容空間に向けて引き込まれるため、容器本体のスムーズな復元を可能にするとともに安定した泡質を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に例示説明する。
【0020】
図1に示す本発明の一実施の形態である泡噴出容器1は、スクイズフォーマーとも呼ばれるものであり、シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料等の各種液体洗浄剤や整髪剤等の内容液を収容するとともに、当該内容液を泡状に噴出させるものである。
【0021】
図1、
図2に示すように、この泡噴出容器1は容器本体10を備えている。容器本体10は上部を開口させた円筒状の口部11とこの口部11に連なる楕円筒状の胴部12とを備え、その内部は内容液を収容する収容空間Sとなっている。この容器本体10は合成樹脂製となっており、その胴部12は可撓性を有し、胴部12を圧搾(スクイズ)することにより収容空間Sを減容させ、容器本体10内を加圧することができるようになっている。
【0022】
図1に示すように、容器本体10の口部11にはノズル付きキャップCが装着されている。このノズル付きキャップCは、例えば図示するように、装着キャップ20とノズルヘッド30とを備えた構成とすることができる。
【0023】
例えば樹脂製とされる装着キャップ20は、容器本体10の口部11を取り囲む円筒状の装着部21を有し、この装着部21の内周面に設けられた雌ねじ部21aが口部11の外周面に設けられた雄ねじ部11aにねじ結合することにより、容器本体10の口部11にねじ込み固定された状態で装着されている。装着部21の内側にはシール筒部22が同軸且つ一体に設けられ、このシール筒部22が口部11の内側に嵌め込まれることで、装着キャップ20と口部11との嵌合部分がシールされて当該部分からの液漏れが防止されるようになっている。
【0024】
口部11の根元には小突起11bと大突起11cとが周方向に間隔を空けて設けられ、装着部21の下端部には、これらの突起11b、11cに対応した回り止めリブ21bが設けられている。装着キャップ20が口部11にねじ込まれると、そのねじ込み終了直前に回り止めリブ21bが小突起11bを乗り越えて小突起11bと大突起11cとの間に配置され、これにより装着キャップ20は口部11に対して回り止め保持される。
【0025】
図示する場合では、装着キャップ20の装着部21を容器本体10の口部11にねじ結合により固定するようにしているが、装着部21を容器本体10の口部11にアンダーカットで固定させる構成とすることもできる。
【0026】
シール筒部22の上方側に向け延びた部分の上端には径方向内側に向けて延びる段差部23が一体に設けられている。
【0027】
段差部23の内周縁には、当該内周縁から図中上方に向けて延びるストッパ用筒部24が一体に設けられている。ストッパ用筒部24は円筒状に形成され、装着部21と同軸に配置されている。
【0028】
ストッパ用筒部24の内側には流通筒部25が一体に設けられている。流通筒部25はストッパ用筒部24と同軸の円筒状に形成され、ストッパ用筒部24との間に設けられたクランク状の中間壁26を介してストッパ用筒部24に連結されている。流通筒部25の内側は内容液の流通口25aとなっており、この流通口25aは容器本体10の口部11つまり収容空間Sに連通している。したがって、容器本体10の収容空間S内の内容液や空気は、この流通口25aを通って装着キャップ20の外部に向けて流出することができ、また、外部の空気や後述するノズル36内に残った内容液は、この流通口25aを通って装着キャップ20の外部から収容空間Sの内部に向けて流入することができる。
【0029】
装着キャップ20にはストッパ用筒部24の外周側に位置してノズル装着筒部27が一体に設けられている。このノズル装着筒部27は、装着部21と同軸且つ装着部21よりも小径の円筒状に形成され、装着部21に対して上方に突出している。
【0030】
ノズルヘッド30は装着キャップ20に装着されている。例えば樹脂製とされるノズルヘッド30は、装着キャップ20の装着部21と同等の外径を有する円筒状のカバー部31と、カバー部31に連なるドーム状の頂壁32とを備えたキャップ状に形成されている。
【0031】
このノズルヘッド30は、カバー部31の内周面において装着キャップ20のノズル装着筒部27にねじ結合して、装着キャップ20に回動自在に装着されている。ねじ結合の構成としては、例えば、装着キャップ20のノズル装着筒部27の外周面に、互いに周方向に180度ずらして一対の二条ねじ部28を設け、ノズルヘッド30のカバー部31の内周面には互いに周方向に180度ずらして一対の突起対33を設け、これらの突起対33をそれぞれ対応する二条ねじ部28にねじ結合させた構成とすることができる。
【0032】
このような構成により、ノズルヘッド30は装着キャップ20にねじ結合により装着されて装着キャップ20に対して回動自在となっているが、その回動範囲はストッパ機構Mにより90度の角度範囲に規制されている。ストッパ機構Mは、例えば以下の構成とすることができる。
【0033】
図3に示すように、装着キャップ20のストッパ用筒部24の外周面には、一対のストッパ対29が互いに周方向に180度ずれて設けられている。これらのストッパ対29は、それぞれ周方向に約90度の間隔を空けて配置される一対のストッパ片29aを備えている。一方、ノズルヘッド30のカバー部31の内側には円筒状の凸片用筒部34が一体に設けられており、この凸片用筒部34の内周面には、一対のストッパ対29に対応する一対の凸片35が一体に設けられている。これらの凸片35は互いに周方向に180度ずれて設けられ、それぞれ凸片用筒部34の内周面から径方向内側に向けて突出して対応するストッパ対29の一対のストッパ片29aの間の移動範囲に配置されている。
【0034】
ノズルヘッド30が装着キャップ20に対して回動すると各凸片35が移動範囲内を周方向に沿って移動し、ノズルヘッド30が装着キャップ20に対して最も締め込まれた閉位置になると各凸片35が対応するストッパ対29の一方のストッパ片29aに当接してそれ以上の回転が規制される。反対に、ノズルヘッド30が閉位置から緩み方向に90度回転して開位置に達すると、各凸片35がそれぞれ対応するストッパ対29のもう一方のストッパ片29aに当接してノズルヘッド30のそれ以上の回転が規制される。
【0035】
このような構成により、ノズルヘッド30は、容器本体10の口部11の軸心を中心として、装着キャップ20に対して
図2に実線で示す閉位置と
図2に二点鎖線で示す開位置との間の90度の角度範囲で回動自在となっている。なお、ノズルヘッド30は装着キャップ20にねじ結合により装着されているので、閉位置と開位置との間で回動すると装着キャップ20に対して上下に移動することになる。
【0036】
ノズルヘッド30にはノズル36が一体に設けられている。ノズル36は断面円形に形成されてノズルヘッド30の内部に設けられた隔壁37の上側からカバー部31の側方に向けて突出している。隔壁37にはノズル36の内周面を貫通する一対の流出入孔38が設けられ、ノズル36はこれらの流出入孔38を介して装着キャップ20の流通口25aに連通している。なお、図示する場合では、隔壁37に一対の流出入孔38が設けられるが、その個数や形状は種々変更することができる。
【0037】
また、ノズルヘッド30の隔壁37には円筒状の開閉蓋部39が一体に設けられている。開閉蓋部39は流通筒部25の内径に対応した外径を有し、ノズルヘッド30が閉位置とされると流通筒部25の内側に嵌合して流通口25aを閉塞し、ノズルヘッド30が開位置とされると流通口25aに対して上方に離れて流通口25aを開放する。つまり、ノズルヘッド30は、開閉蓋部39が流通口25aを閉塞する閉位置と、開閉蓋部39が流通口25aの上方に離れて該流通口25aを開放する開位置との間で回動可能となっている。
【0038】
なお、符号40は、中間壁26の内周面に嵌合して、流通口25aとノズル36との間の流路を閉塞するシール筒部である。
【0039】
装着キャップ20には、区画部材50が装着されている。区画部材50は例えば樹脂材により円筒状に形成され、その上端に設けられた嵌合部50aがストッパ用筒部24と中間壁26との間に嵌合固定されて装着キャップ20に支持されている。
【0040】
区画部材50の下端には孔形成部51が嵌合固定され、孔形成部51が固定されることにより区画部材50の内部には混合室52が区画形成されている。また、孔形成部51は、区画部材50と共に区画部材50の下端側に空気導入孔53と液導入孔54とを区画形成する。空気導入孔53は混合室52を収容空間S(容器本体10の内部)に連通させており、収容空間S内の空気は空気導入孔53を通して混合室52に導入される。一方、液導入孔54には容器本体10の底部にまで延びるチューブ55が接続され、当該チューブ55を介して液導入孔54は混合室52を収容空間Sに連通させている。したがって、収容空間S内の内容液はチューブ55と液導入孔54とを介して混合室52に導入される。
【0041】
なお、孔形成部51には空気導入孔53からの内容液の侵入を抑制するための傘状体56が一体に設けられている。
【0042】
区画部材50の混合室52には発泡部材57(他の発泡部材)が設けられている。この発泡部材57としては、例えばリングの端面にメッシュを固定した構成のものを用いることができ、この場合、発泡部材57はメッシュを底部側に向けた姿勢で本体部の内側に嵌合固定されている。なお、発泡部材57としてはリングとメッシュを備えた構造のものに限らず、内容液の種類等に応じて種々の構成のものを用いることができる。また、発泡部材57の設置個数も内容液の種類等に応じて種々変更することができる。
【0043】
区画部材50の混合室52は、流通口25aに連通し、さらに流通口25aと流出入孔38とを介してノズル36に連通している。
【0044】
区画部材50の外側には、区画部材50の内側を通る流路とは別系統で、容器本体10の収容空間Sとノズル36とを連ねる戻し流路60が設けられている。つまり、流通口25aはこの戻し流路60を介して容器本体10の収容空間Sに連通している。
【0045】
戻し流路60には、逆止弁61が設けられている。この逆止弁61は区画部材50の外周面に嵌合固定される円筒状の保持部61aと、この保持部61aの外周面から径方向外側に延びる環状且つ膜状のシール膜部61bとを有している。
【0046】
シール膜部61bは、その外周縁において装着キャップ20の段差部23の下向き内面に下方側から弾性的に当接している。このような構成により、逆止弁61は、容器本体10の収容空間Sから戻し流路60を通したノズル36(流通口25a)の側への内容液や空気の流れを阻止するとともに、ノズル36(流通口25a)から戻し流路60を通した容器本体10の収容空間Sの側への内容液や空気の流れを許容するように作動することができる。
【0047】
ノズル36の内部には、ノズル36に沿って移動自在な発泡部材70が設けられている。この発泡部材70は、流出入孔38に対する先端側位置(
図4中に実線で示した位置)と、流出入孔38の少なくとも一部に対する基端側位置(
図5中に実線で示した位置)との間でノズル36に沿って移動自在に設けられている。また、この発泡部材70は、前述した発泡部材57の場合と同様に、リングの端面にメッシュを固定した構成のものを用いることができ、この場合、発泡部材70はメッシュ70aをノズル36の先端側に向けつつリング70bがノズル36の内周面を摺動できるように配置されている。なお、発泡部材70としてはリングとメッシュを備えた構造のものに限らず、内容液の種類等に応じて種々の構成のものを用いることができる。
【0048】
ノズル36の流出入孔38よりも先端側の内周面に、該内周面から径方向内側に向けて突出して前記先端側位置よりも先端側への発泡部材70の移動を阻止する先端側ストッパ突起71を設けた構成とすることができる。また、ノズル36の流出入孔38の少なくとも一部よりも基端側の内周面に、該内周面から径方向内側に向けて突出して前記基端側位置よりも基端側への発泡部材70の移動を阻止する基端側ストッパ突起72を設けた構成とすることができる。
【0049】
また、ノズル36は、図示したように、ノズルヘッド30と一体に設けられ基端側ストッパ突起72を備える基端側ノズル36aと、該基端側ノズル36aに挿入可能に設けられ、先端側ストッパ突起71を備える先端ノズル部材36bと、を有する構成とすることができる。この場合、先端ノズル部材36bは、基端側ノズル36aの内部に挿入されるとともに発泡部材70を摺動可能に保持する内筒部36b1と、該内筒部36b1の先端に一体に連結すると共に拡径された外筒部36b2と、を備えている。内筒部36b1の先端側には、先端側ストッパ突起71が形成されており、内筒部36b1の基端側には、流出入孔38の先端側部分38aに連なる開口36b3が形成されている。また、開口36b3は、この場合、流出入孔38の基端側部分38bにも連なっている。
【0050】
先端ノズル部材36bは、例えば主にポリプロピレン(PP)等の合成樹脂によって構成することができるが、これに限らず、例えば、柔軟性を有するエラストマ材料によって構成してもよい。なお、柔軟性を有するエラストマ材料で構成した場合には、先端ノズル部材36bを取り外して洗浄するとき、先端ノズル部材36bを押し潰したり復元させたりしながらその内部を容易に洗浄することができる。
【0051】
次に、このような構成の泡噴出容器1の使用方法について説明する。
【0052】
この泡噴出容器1は、流通時などの内容液の噴出が行われないときには、
図1に示すように、ノズルヘッド30が閉位置とされることにより、開閉蓋部39によって流通口25aを閉塞してノズル36と容器本体10の収容空間Sとの連通を遮断し、この泡噴出容器1を使用不能状態とすることができる。なお、ノズルヘッド30が閉位置のときには、
図2に示すように、ノズル36は楕円断面の容器本体10の胴部12の長径に沿った方向に向けられる。
【0053】
このように、この泡噴出容器1では、ノズルヘッド30を閉位置とすることにより、この泡噴出容器1を使用不能状態として、不使用時等において胴部12が不意に圧搾される等しても、容器本体10内の内容液がノズル36を通して外部に漏れ出すことを確実に防止することができる。
【0054】
一方、
図2に二点鎖線で示すように、ノズルヘッド30を閉位置から90度回動させることにより、ノズルヘッド30を開位置として、この泡噴出容器1を使用可能な状態とすることができる。つまり、
図4に示すように、ノズルヘッド30が開位置となると、開閉蓋部39が流通口25aの上方に離れて流通口25aが開放されて、泡噴出容器1は胴部12の圧搾(スクイズ)による内容液の噴出が可能な使用可能状態とされる。なお、ノズルヘッド30が開位置のときには、
図2に示すように、ノズル36は楕円断面の容器本体10の胴部12の短径に沿った方向に向けられる。
【0055】
ノズルヘッド30が開位置とされた状態で、容器本体10の胴部12を圧搾することでノズル36から泡状の内容液を噴出させることができる。つまり、胴部12が圧搾されると、容器本体10の収容空間Sに収容された内容液がチューブ55と液導入孔54を介して混合室52に導入されるとともに容器本体10内の空気が空気導入孔53を介して混合室52に導入され、混合室52の内部で内容液が空気と混合されて発泡し、泡状化される。また、泡状化された内容液は、発泡部材57を通過することで、さらに発泡、整泡されながら流通口25aに向けて吐出される。そして、流通口25aに吐出された泡状の内容液は流出入孔38を通ってノズル36に達し、ノズル36の先端開口から外部に泡状に噴出される。内容液を噴出させる際には、発泡部材70は流出入孔38の基端側部分38bを通ってノズル36に達した泡状の内容液の流れにより押されて基端側ストッパ突起72から離れ、先端側ストッパ突起71に当接した状態で流出入孔38の先端側に配置されることになる。これにより、流出入孔38からノズル36に入った泡状の内溶液は発泡部材70を通過する状態となるので、ノズル36に入った泡状の内溶液をより細かい泡にしてノズル36の開口から外部に噴出することができる。
【0056】
一方、内容液の噴出後に胴部12の圧搾が解除されると、胴部12が元の形状に復元することで容器本体10内に負圧が発生し、
図5に示すように、この負圧によりシール膜部61bが段差部23から離れて逆止弁61が開き、ノズル36の内部に残留した内容液がノズル36から吸引される空気(外気)とともに戻し流路60を介して容器本体10の収容空間Sの内部に引き込まれる。サックバック機能とも呼ばれるこのような機能により、噴出後にノズル36の内部に残留した内容液を空気とともに容器本体10の内部に向けて引き込むことができる。
【0057】
このとき、ノズル36の内部の発泡部材70は、容器本体10の内部に向けて引き込まれる内容液や空気とともにノズル36の内部を流出入孔38の側へ向けて移動し、基端側ストッパ突起72に当接することで流出入孔38の先端側部分38aよりも基端側の位置に保持される。このように、発泡部材70が流出入孔38の先端側部分38aに対する基端側位置に移動することで、ノズル36の内部から引き込まれる内容液の大半が発泡部材70を通ることなく流出入孔38の先端側部分38aを通って、容器本体10の収容空間Sの内部に引き込まれることになる。したがって、サックバック時に発泡部材70が抵抗になることが殆どなく、また、サックバック時に泡が発泡部材70を通過してさらに細かい泡となることで抵抗が増えることも殆どないため、容器本体10のスムーズな復元を可能にすることができる。また、吐出を連続的に繰り返す場合にサックバック時の泡が発泡部材70を通過してさらに細かい泡となり、容器本体10の収容空間S内に溜まって空気導入孔53に混入することも抑制されるため、吐出時の泡質を安定させることができる。
【0058】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0059】
例えば、前記実施形態では、ノズル36は断面円形に形成され、発泡部材70も断面円形に形成されるが、これに限らず、発泡部材70が流出入孔38に対する先端側位置と流出入孔38の少なくとも一部に対する基端側位置との間でノズル36に沿って移動自在な構成であれば、ノズル36および発泡部材70の形状は、例えば楕円形とするなど、種々変更可能である。
【0060】
また、ノズル付きキャップCは、装着キャップ20とノズルヘッド30とをねじ結合することで流通口25aを開閉する機構を有するようにした構成に限らず、このような開閉機構を持たない構成のものとすることもできる。