特許第6419718号(P6419718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6419718エチレン系ポリマーおよびその製造プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6419718
(24)【登録日】2018年10月19日
(45)【発行日】2018年11月7日
(54)【発明の名称】エチレン系ポリマーおよびその製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   C08L 73/00 20060101AFI20181029BHJP
   C08L 23/08 20060101ALI20181029BHJP
   C08G 67/02 20060101ALI20181029BHJP
【FI】
   C08L73/00
   C08L23/08
   C08G67/02
【請求項の数】14
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-550495(P2015-550495)
(86)(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公表番号】特表2016-508175(P2016-508175A)
(43)【公表日】2016年3月17日
(86)【国際出願番号】US2013076423
(87)【国際公開番号】WO2014105608
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2016年12月7日
(31)【優先権主張番号】61/746,723
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100156476
【弁理士】
【氏名又は名称】潮 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】テレサ・ピー・カージャラ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エル・クーパー
(72)【発明者】
【氏名】ホセ・オルテガ
(72)【発明者】
【氏名】ローリー・エル・カルドス
【審査官】 岡山 太一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−080266(JP,A)
【文献】 特表2003−534947(JP,A)
【文献】 特開2000−140724(JP,A)
【文献】 特開2004−231744(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/071843(WO,A1)
【文献】 特表2001−523281(JP,A)
【文献】 Dupont resins Elvaloy 4924 Product data sheet,2009年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 73/00−73/02
C08G 67/00−67/04
C08L 23/00−23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧フリーラジカル重合から形成される、エチレン系ポリマーを含む組成物であって、前記エチレン系ポリマーが、次の特性:
a)前記ポリマーの重量に基づき、「0より多く」10重量%未満のCO(一酸化炭素)のCO含有量と、
b)3〜30g/10分のメルトインデックス(I2)と、を有し、
前記エチレン系ポリマーが、℃単位で、次の関係:
Tm(℃)<601.4×(g/cc単位の密度)−447.8(℃)
を満たす融点Tmを有し、さらに
前記エチレン系ポリマーが、0.910〜0.950g/ccの密度を有する、組成物。
【請求項2】
前記エチレン系ポリマーが、℃単位で、次の関係:
Tm(℃)<601.4×(g/cc単位の密度)−449(℃)
を満たす融点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記エチレン系ポリマーが、320℃以下の温度にて、繊維引裂付着試験に合格する、ただし、前記繊維引裂付着試験が、50lb/連クラフト紙上への前記エチレン系ポリマーの1ミル(0.0254mm)の被覆を含む試験標本を用いて行われ、前記繊維引裂付着試験に合格するとは、前記エチレン系ポリマーの層と前記クラフト紙の表面との間の付着が、前記クラフト紙自体の内部繊維マトリックス付着よりも強い、または、前記クラフト紙の表面の5%以上が前記エチレン系ポリマーと共に裂ける付着よりも強いか同等であることを意味し、
前記繊維引裂付着試験において、前記試験標本は、24インチ×36インチの寸法に切断されており、2つのXのそれぞれのライン上におよそ2インチであるXカットが、試料の交差方向に作られており、それぞれの前記Xカットは、前記試験標本における前記エチレン系ポリマーの層の端からおよそ6インチに作られており、前記Xカットは前記エチレン系ポリマーの層のみを貫通しており、前記Xカットの一部分における前記エチレン系ポリマーの層は、万能ナイフを使用して前記クラフト紙から部分的に分離されており、離された前記エチレン系ポリマーの層は、作業者により手づかみされ、前記試験標本は前記作業者のもう一方の手で押さえられ、前記エチレン系ポリマーの層は、前記クラフト紙からゆっくりとおよそ1〜2インチの距離だけ引っ張られ、このゆっくりとした引っ張りはおよそ5〜10秒間かかる、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記エチレン系ポリマーが、101℃〜113℃の融点Tmを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記エチレン系ポリマーが、103℃〜113℃の融点Tmを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記エチレン系ポリマーが、102℃より高い融点Tmを有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記エチレン系ポリマーが、前記ポリマーの重量に基づき、3重量%以下のCO含有量を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記エチレン系ポリマーが、13CNMRによって決定されたときに、1000炭素原子当たり0.5アミル基以上のアミル基レベルを有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、第2のエチレン系ポリマーをさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記第2のエチレン系ポリマーが、LDPE、エチレン/アルファオレフィンコポリマー、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の前記組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を備える、物品。
【請求項12】
前記物品が被覆基板である、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記物品が、押出コーティングまたは押出積層によって生成される、請求項11または請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記エチレン系ポリマーが、重合形態で、唯一のモノマー種としてエチレンおよびCOを含む、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の組成物。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年12月28日出願の米国特許仮出願第61/746723号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
低密度ポリエチレン(LDPE)を含む様々なポリマーを紙および板紙に押出被覆する企業は、紙繊維のそれ自体への付着よりも大きいポリマーと紙との間の付着を有するように、必要とされる付着の量である良好な「繊維引裂」付着を得る問題を継続的に有する。ポリマーが紙基板から引っ張られたときに、繊維引裂が生じる場合、この付着は許容範囲内であると考えられる。ポリマーが、繊維を伴わずに(繊維引裂を伴わずに)紙から引っ張られる場合、これは許容範囲外の付着であると考えられる。改良された付着は、多層基板を製造するために使用される押出積層プロセスにおいても所望される。被覆およびフィルムに使用されるエチレン系ポリマーは、次の参考文献:国際公開第WO2011/071843号、同第WO1991/18944号、米国特許第5178960号、同第3860538号、同第4714741号、同第6558809号、同第4962164号、同第3676401号、英国特許第GB1448062号、欧州特許第EP0230143B1号、Ward et al.,Ethylene−Carbon Monoxide Extrudable Adhesive Copolymers for Polyvinylidene Chloride,June 1988 Tappi Journal,pp.140−144、Scott et al.,Degradable Polymers,Principles and Applications,Chapter 8:Ethylene−carbon monoxide copolymers,pp.156−168,Chapman and Hall(1995)に開示されている。
【0003】
従来のポリマーを用いて押出被覆ラインを稼働させる際に、ライン速度が速くなるほど、許容範囲外の繊維引裂付着が生じることが周知である。この付着は、押出ダイを出る際および紙と接触する前(または空隙における時間)の溶融ポリマーの酸化に関連する。より速いライン速度で、溶融ポリマーカーテンが酸化する時間が少なくなり、これは付着を減少させる。高速押出被覆ラインにおいて使用することができ、紙基板への良好な付着を有し、より低い融点および/またはより速い紙基板のライン速度で使用することができる、新たなエチレン系ポリマーの必要性が存在する。これらの必要性は、以下の発明によって満たされている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、高圧、フリーラジカル重合から形成されるエチレン系ポリマーを含む組成物であって、エチレン系ポリマーが、次の特性:
a)ポリマーの重量に基づき、「0より多く」10重量%未満のCO(一酸化炭素)のCO含有量と、
b)3〜30g/10分のメルトインデックスと、を有する組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明(実施例1および2ならびに比較実施例1)において使用されるプロセス反応器システムを描写する。
図2】本発明(実施例3〜5および比較実施例2)において使用されるプロセス反応器システムを描写する。
図3】発明実施例および比較実施例の「融点対密度」を描写する。
図4】MYLARへの付着試験において使用される、試験ジョー(試験標本を含有する)の概略図を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
上記のように、本発明は、高圧、フリーラジカル重合から形成される、エチレン系ポリマーを含む組成物であって、エチレン系ポリマーが次の特性:
a)ポリマーの重量に基づき、「0より多く」10重量%未満のCO(一酸化炭素)のCO含有量と、
b)3〜30g/10分のメルトインデックスと、を有する組成物を提供する。
【0007】
本発明の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0008】
エチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0009】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、ポリマーの重量に基づき、「0よりも多く」7重量%以下のCO(一酸化炭素)のCO含有量を有する。
【0010】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、ポリマーの重量に基づき、「0よりも多く」5重量%以下のCO(一酸化炭素)のCO含有量を有する。
【0011】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、ポリマーの重量に基づき、「0よりも多く」3重量%以下のCO(一酸化炭素)のCO含有量を有する。
【0012】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、ポリマーの重量に基づき、0.5〜5重量%CO(一酸化炭素)、さらには0.5〜3、さらには0.5〜2のCO含有量を有する。
【0013】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、ポリマーの重量に基づき、1〜5重量%CO(一酸化炭素)、さらには1〜3、さらには1〜2のCO含有量を有する。
【0014】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、ポリマーの重量に基づき、3重量%以下のCO含有量を有する。
【0015】
本明細書で使用される場合、CO含有量はポリマーにおける重合COを指す。
【0016】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、ポリマーの重量に基づき、80重量%以上、さらには85重量%以上の、重合エチレンを含む。
【0017】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、ポリマーの重量に基づき、90重量%以上、さらには95重量%以上の、重合エチレンを含む。
【0018】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、ポリマーの重量に基づき、97重量%以上、さらには98重量%以上の、重合エチレンを含む。
【0019】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、℃単位で、次の関係:
Tm(℃)<601.4×(g/cc単位の密度)−447.8(℃)
を満たす融点Tmを有する。
【0020】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、℃単位で、次の関係:
Tm(℃)<601.4×(g/cc単位の密度)−449(℃)
を満たす融点Tmを有する。
【0021】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.910〜0.950g/cc(1cc=1cm)の密度を有する。
【0022】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.915〜0.950g/ccの密度を有する。
【0023】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.920〜0.950g/ccの密度を有する。
【0024】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.920〜0.940g/ccの密度を有する。
【0025】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.920〜0.930g/ccの密度を有する。
【0026】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.940g/cc未満の密度を有する。
【0027】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、320℃以下の温度で繊維引裂付着に合格する。
【0028】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、316℃以下の温度で繊維引裂付着に合格する。
【0029】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、310℃以下の温度で繊維引裂付着に合格する。
【0030】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、305℃以下の温度で繊維引裂付着に合格する。
【0031】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、300℃以下の温度で繊維引裂付着に合格する。
【0032】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、290℃以下の温度で繊維引裂付着に合格する。
【0033】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、DSC(ピーク温度)によって決定されたときに、101℃〜113℃、さらには102℃〜113℃、さらには103℃〜113℃の融点Tmを有する。
【0034】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、DSC(ピーク温度)によって決定されたときに、105℃〜113℃、さらには107℃〜113℃、さらには109℃〜113℃の融点Tmを有する。
【0035】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、DSC(ピーク温度)によって決定されたときに、102℃以上、さらには103℃以上、さらには104℃以上の融点Tmを有する。
【0036】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、DSC(ピーク温度)によって決定されたときに、107℃より高い融点Tmを有する。
【0037】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、DSC(ピーク温度)によって決定されたときに、105℃〜108℃の融点Tmを有する。
【0038】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、13C NMRによって決定されたときに、1000炭素原子当たり0.5アミル基以上のアミル基レベルを有する。
【0039】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、13C NMRによって決定されたときに、1000炭素原子当たり1.0アミル基以上のアミル基レベルを有する。
【0040】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、13C NMRによって決定されたときに、1000炭素原子当たり1.2アミル基以上、さらには1000炭素原子当たり1.3アミル基以上、さらには1000炭素原子当たり1.4アミル基以上のアミル基レベルを有する。
【0041】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、13C NMRによって決定されたときに、1000炭素原子当たり1.5アミル基以上、さらには1000炭素原子当たり1.6アミル基以上のアミル基レベルを有する。
【0042】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、従来のGPCによって決定されたときに、4.0〜20.0、さらには4.2〜18.0、さらには4.5〜15.0の分子量分布(cc−GPC Mw/Mn)を有する。
【0043】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、従来のGPCによって決定されたときに、4.0〜10.0、さらには4.2〜9.0、さらには4.5〜8.0の分子量分布(cc−GPC Mw/Mn)を有する。
【0044】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、従来のGPCによって決定されたときに、6.0〜20.0、さらには8.0〜15.0、さらには8.0〜12.0の分子量分布(cc−GPC Mw/Mn)を有する。
【0045】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、3.0〜27.0、さらには3.2〜25.0、さらには3.5〜20.0のメルトインデックス(I2)を有する。
【0046】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは4.0〜25.0、さらには4.5〜20.0、さらには5.0〜15.0のメルトインデックス(I2)を有する。
【0047】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、3.0以上、さらには3.5以上のタンデルタ(0.1ラジアン/秒、190℃)を有する。
【0048】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、3.5以上、さらには4.0以上、さらには4.5以上のタンデルタ(0.1ラジアン/秒、190℃)を有する。
【0049】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、5.0以上、さらには6.0以上、さらには8.0以上のタンデルタ(0.1ラジアン/秒、190℃)を有する。
【0050】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、4.0〜20.0、さらには4.5〜18.0、さらには5.0〜15.0の、粘度比、V0.1/V100(それぞれ190℃にて)を有する。
【0051】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、5.0〜20.0、さらには5.5〜18.0、さらには6.0〜15.0の、粘度比、V0.1/V100(それぞれ190℃にて)を有する。
【0052】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは1.00〜5.00、さらには1.12〜4.50、さらには1.15〜4.00のgpcBrを有する。
【0053】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは1.00〜4.00、さらには1.12〜3.50、さらには1.15〜3.00のgpcBRを有する。
【0054】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは1.10〜1.70、さらには1.12〜1.60、さらには1.15〜1.50のgpcBRを有する。
【0055】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、1.50〜4.00、さらには1.75〜3.75、さらには2.00〜3.50のgpcBRを有する。
【0056】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、COコモノマーを含む低密度ポリエチレン(LDPE)である。
【0057】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、重合形態で、唯一のモノマー種としてエチレンおよびCOを含む。さらなる実施形態では、エチレン系ポリマーはポリマーの重量に基づき大半の量の重合エチレンを含む。さらなる実施形態では、エチレン系ポリマーは、ポリマーの重量に基づき、90重量%以上、さらには95重量%以上の、重合エチレンを含む。
【0058】
一実施形態では、エチレン系ポリマーはエチレン−一酸化炭素コポリマーである。
【0059】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、組成物の重量に基づき、10重量%以上で存在する。
【0060】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、組成物の重量に基づき、10〜50重量%、さらには20〜40重量%の量で存在する。
【0061】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、組成物の重量に基づき、60〜90重量%、さらには65〜85重量%の量で存在する。
【0062】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、組成物の重量に基づき、1.0〜10重量%、さらには1.5〜5.0重量%の量で存在する。
【0063】
一実施形態では、組成物は、第2のエチレン系ポリマーをさらに含む。さらなる実施形態では、第2のエチレン系ポリマーは、LDPE、エチレン/アルファオレフィンコポリマー、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0064】
一実施形態では、組成物は、密度、メルトインデックス、コモノマー、コモノマー含有量等の、1つ以上の特性において、発明のエチレン系ポリマーと異なる、別のエチレン系ポリマーをさらに含む。好適な他のエチレン系ポリマーには、DOWLEXポリエチレン樹脂、TUFLIN直鎖上低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂、ELITEおよび/またはELITE ATエンハンスドポリエチレン樹脂(全てThe Dow Chemical Companyから入手可能)、高密度ポリエチレン(d≧0.96g/cc)、中密度ポリエチレン(密度0.935〜0.955g/cc)、EXCEEDポリマーおよびENABLEポリマー(両方ともにExxonMobilから)、LDPE、ならびにEVA(エチレン酢酸ビニル)が挙げられる。
【0065】
一実施形態では、組成物は、プロピレン系ポリマーをさらに含む。好適なプロピレン系ポリマーには、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン/アルファオレフィンインターポリマーおよびコポリマー、ならびにプロピレン/エチレンインターポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0066】
一実施形態では、組成物は、不均質に分岐したエチレン/αオレフィンインターポリマー、および好ましくは不均質に分岐したエチレン/αオレフィンコポリマーを、さらに含む。一実施形態では、不均質に分岐したエチレン/αオレフィンインターポリマー、および好ましくは不均質に分岐したエチレン/αオレフィンコポリマーは、0.89〜0.94g/cc、さらには0.90〜0.93g/ccの密度を有する。さらなる実施形態では、組成物は、組成物の重量に基づき、1〜99重量%、さらには15〜85重量%の、本発明のエチレン系ポリマーを含む。
【0067】
一実施形態では、組成物は、組成物の重量に基づき、5ppm未満、さらには2ppm未満、さらには1ppm未満、およびさらには0.5ppm未満の硫黄を含む。
【0068】
一実施形態では、組成物は硫黄を含まない。
【0069】
一実施形態では、組成物は1.5〜80重量%の発明のエチレン系ポリマーを含む。さらなる実施形態では、組成物はLLDPEをさらに含む。
【0070】
一実施形態では、組成物は1.5〜20重量%の発明のエチレン系ポリマーを含む。さらなる実施形態では、組成物はLLDPEをさらに含む。
【0071】
一実施形態では、組成物は20〜80重量%、さらには50〜80重量%の、発明のエチレン系ポリマーを含む。さらなる実施形態では、組成物はLLDPEをさらに含む。
【0072】
発明の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0073】
発明のエチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0074】
本発明は、前述の実施形態のいずれかの発明のエチレン系ポリマーを形成するプロセスも提供し、このプロセスは、エチレンと、一酸化炭素と、任意に少なくとも1つの他のコモノマーとを、少なくとも1つの管型反応器内で重合することを含む。
【0075】
本発明は、前述の実施形態のいずれかの発明のエチレン系ポリマーを形成するプロセスも提供し、このプロセスは、エチレンと、一酸化炭素と、任意に少なくとも1つの他のコモノマーとを、少なくとも1つのオートクレーブ反応器内で重合することを含む。
【0076】
本発明は、前述の実施形態のいずれかの発明のエチレン系ポリマーを形成するプロセスも提供し、このプロセスは、エチレンと、一酸化炭素と、任意に少なくとも1つの他のコモノマーとを、少なくとも1つの管型反応器および少なくとも1つのオートクレーブ反応器の組み合わせ内で重合することを含む。
【0077】
発明のプロセスは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0078】
本発明は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態の組成物から形成される、少なくとも1つの構成要素を含む物品も提供する。
【0079】
一実施形態では、物品は被覆基板である。さらなる実施形態では、基板は紙製品である。
【0080】
一実施形態では、物品は積層基板である。さらなる実施形態では、基板は紙製品である。
【0081】
一実施形態では、物品は押出被覆または押出積層により生成される。
【0082】
発明の物品は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0083】
本発明は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態の組成物から形成された被覆も提供する。
【0084】
発明の被覆は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0085】
プロセス
発明のエチレン系ポリマーを生成するためには、典型的に、高圧、フリーラジカル開始重合プロセスが使用される。2つの異なる高圧フリーラジカル開始重合プロセスの種類が既知である。第1の種類において、1つ以上の反応帯域を有する撹拌オートクレーブ槽が使用される。オートクレーブ反応器は、一般的に、開始剤もしくはモノマー供給口、または両方のための、いくつかの注入点を有する。第2の種類において、ジャケット付管が反応器として使用され、これは1つ以上の反応帯域を有する。好適であるが、限定的ではない反応器の長さは、100〜3000メートル(m)または1000〜2000mであり得る。これら両方の種類の反応器の反応帯域の開始は、典型的には、反応の開始剤、エチレン、連鎖移動剤(またはテロマー)、コモノマー(複数可)、ならびにそれらの任意の組み合わせの、いずれかの、側方注入によって画定される。高圧プロセスは、1つ以上の反応帯域を有するオートクレーブもしくは管型反応器内で、またはそれぞれ1つ以上の反応帯域を含むオートクレーブおよび管型反応器の組み合わせ内で実行することができる。
【0086】
連鎖移動剤(CTA)は、分子量を制御するために使用することができる。一実施形態では、1つ以上の連鎖移動剤(CTA)が、発明の重合プロセスに加えられる。使用することができる典型的なCTAには、プロピレン、イソブタン、n−ブタン、1−ブテン、メチルエチルケトン、アセトン、およびプロピオナルデヒドが挙げられる。一実施形態では、プロセスにおいて使用されるCTAの量は、総反応混合物の0.03〜10重量%である。
【0087】
本発明のポリマーの製造に新鮮なエチレンのみが使用されるように、エチレン系ポリマーの生成に使用されるエチレンは、ループ再循環流から極性構成要素を除去することによって、または反応システム構成を使用することによって得られる精製エチレンであり得る。このエチレン系ポリマーを製造するために、精製エチレンのみが必要とされることは典型的ではない。かかる場合では、再循環ループからのエチレンが使用され得る。
【0088】
添加剤
発明の組成物は、1つ以上の添加剤を含み得る。添加剤は、安定化剤、可塑剤、帯電防止剤、顔料、染料、核形成剤、充填剤、スリップ剤、難燃剤、加工助剤、煙抑制剤、粘度制御剤、および粘着防止剤を含むが、これらに限定されない。ポリマー組成物は、例えば、発明のポリマー組成物の重量に基づき、10%未満(合わせた重量で)の1つ以上の添加剤を含む。
【0089】
一実施形態では、本発明のポリマーは、例えば、IRGANOX1010、IRGANOX1076、およびIRGAFOS168(Ciba Specialty Chemicals、スイス、グラットブルック)等の、抗酸化剤のような、1つ以上の安定化剤で処理される。概して、ポリマーは、押出または他の溶融プロセスの前に、1つ以上の安定化剤で処理される。可塑剤等の加工助剤には、ジオクチルフタレートおよびジイソブチルフタレート等のフタレート、ラノリン等の天然油、ならびにパラフィン、石油精製から得られるナフテン油および芳香油、ならびにロジンまたは石油供給材料からの液体樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。加工補助剤として有用な油の例示的な階級には、KAYDOL油(Chemtura Corp.、コネチカット州ミドルベリー)およびSHELLFLEX 371ナフテン油(Shell Lubricants、テキサス州ヒューストン)等の白色鉱油が挙げられる。他の好適な油の一つは、TUFFLO油(Lyondell Lubricants、テキサス州ヒューストン)である。
【0090】
本発明のポリマーと他のポリマーとの配合および混合が行われ得る。本発明のポリマーとの配合に好適なポリマーには、天然および合成ポリマーが挙げられる。配合のための例示的なポリマーには、プロピレン系ポリマー(例えば、衝撃変性ポリプロピレン、イソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、および無作為のエチレン/プロピレンコポリマー)、高圧フリーラジカルLDPEと、Ziegler−Natta触媒で調製したLLDPEと、複数反応器PE(米国特許第6,545,088号(Kolthammer et al.)、同第6,538,070号(Cardwell et al.)、同第6,566,446号(Parikhら)、同第5,844,045号(Kolthammer et al.)、同第5,869,575号(Kolthammer et al.)、および同第6,448,341号(Kolthammer et al.)に開示される製品等の、Ziegler−Natta PEおよびシングルサイト触媒PEの「反応器内」配合物)を含む、シングルサイト触媒で調製したPE(ポリエチレン)と、を含む様々な種類のエチレン系ポリマー、EVA、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、ポリスチレン、衝撃変性ポリスチレン、ABS、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、およびそれらの水素化誘導体(SBSおよびSEBS)、ならびに熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。オレフィンプラストマーおよびエラストマー等の均質性ポリマー、エチレンおよびプロピレン系コポリマー(例えば、VERSIFY Plastomers & Elastomers(The Dow Chemical Company)およびVISTAMAXX(ExxonMobil Chemical Co.)という商品名で入手可能なポリマー)もまた、本発明のポリマーを含む配合物における構成要素として有用であり得る。
【0091】
用途
発明のポリマーは、砂糖袋、ボール紙温冷飲料用カップ、ゲーブルトップカートン、不織布、織基板、歯磨き粉チューブ、スタンドアップパウチ、または任意の他の基板等の、従来のLDPEまたはLLDPE(またはこれらのいずれかの配合)ポリマーが劣る付着のために不利となる、様々な押出被覆用途において使用され得る。本発明のポリマーは、利点が多層構造体における改良した付着となり得る、無菌飲料箱、スナック包装、連ラップ、スタンドアップパウチ、歯磨き粉チューブ、チーズ包装、積層フィルム、または任意の他の押出積層等の、LDPEまたはLLDPE(または両方の配合)が劣る付着により不利となる、様々な押出積層においても使用され得る。
【0092】
本発明のポリマーは、単一層および多層フィルム;ブロー成型、射出成型、またはロトモールド物品等の、成型物品;被覆;繊維;ならびに織布または不織布、を含むがこれらに限定されない、有用な物品を生成するための、様々な従来の熱可塑性物質製作プロセスにおいて用いられ得る。
【0093】
発明のポリマーは、押出被覆、食品包装、消費者、工業、農業(応用またはフィルム)、積層フィルム、切りたての農産物のフィルム、肉のフィルム、チーズのフィルム、キャンディのフィルム、透明収縮フィルム、照合収縮フィルム、延伸フィルム、サイレージフィルム、温室フィルム、燻蒸用フィルム、裏地フィルム、延伸フード、輸送重袋、ペットフード、サンドイッチ袋、密閉剤、およびおむつバックシートを含むが、これらに限定されない、様々なフィルムにおいて使用され得る。
【0094】
発明のポリマーは、他の直接最終使用用途においても有用である。発明のポリマーは、真空形成動作のためのシート押出において電線およびケーブル被覆動作に、ならびに成型物品の形成に、使用され得、射出成型、ブロー成型プロセス、またはロトモールドプロセスの使用を含む。
【0095】
本発明のポリマーの他の好適な応用には、弾性フィルムおよび繊維、器具の柄等の手触りの柔らかい商品、ガスケットおよびプロフィール、自動車内装部品およびプロフィール、泡商品(連続および独立気泡の両方)、高密度ポリエチレン等の他の熱可塑性ポリマーまたは他のオレフィンポリマーの衝撃変性剤、キャップライナー、ならびに床材が挙げられる。
【0096】
定義
「高圧、フリーラジカル重合プロセス」という語句は、本明細書で使用される場合、少なくとも1000バール(100MPa)の上昇圧力で実行されるフリーラジカル開始重合を指す。
【0097】
「ポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、同じまたは異なる種類のいずれかのモノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという総称用語は、ホモポリマー(微量の不純物がポリマー構造体に組み込まれ得るという理解を伴い、一種類のモノマーのみから調製されるポリマーを指すために用いられる)という用語、および本明細書の以下で定義される通りのインターポリマーという用語を、包含する。微量の不純物(例えば触媒残留物)が、ポリマーおよび/またはその内部に組み込まれ得る。
【0098】
「インターポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合により調製されるポリマーを指す。インターポリマーという総称用語は、コポリマー(2つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)および2つ以上の異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0099】
「エチレン系ポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、大量の重合エチレンモノマー(ポリマーの重量に基づき)を含み、かつ任意に、少なくとも1つのコモノマーを含み得る、ポリマーを指す。
【0100】
「エチレン/αオレフィンインターポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、大量の重合エチレンモノマー(インターポリマーの重量に基づき)および少なくとも1つのαオレフィンを含むインターポリマーを指す。
【0101】
「エチレン/αオレフィンコポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、大量の重合エチレンモノマー(コポリマーの重量に基づき)およびαオレフィンを2つのみのモノマー型として含むコポリマーを指す。
【0102】
「プロピレン系ポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、大量の重合プロピレンモノマー(ポリマーの重量に基づき)および任意に少なくとも1つのコモノマーを含むポリマーを指す。
【0103】
「組成物」という用語は、本明細書で使用される場合、組成物を構成する物質の混合物、ならびにその組成物の物質から形成された反応生成物および分解生成物を含む。
【0104】
使用される、「配合」または「ポリマー配合」という用語は、2つ以上のポリマーの混合物を指す。配合は、混和性(分子レベルで相分離しない)であってもなくてもよい。配合は相分離であってもなくてもよい。配合は、透過電子分光、光散乱、X線散乱、および当業者に既知の他の方法から決定された、1つ以上のドメイン構成を含んでも含まなくてもよい。配合は、マクロレベルで(例えば溶融配合樹脂または化合)またはマイクロレベルで(例えば同一反応器内での同時形成)2つ以上のポリマーを物理的に混合することによって果たされ得る。
【0105】
「備える」「含む」「有する」という用語およびそれらの変形は、あらゆる追加の構成要素、工程、または手順の存在を、それらが具体的に開示されるかに関わらず、排除することを意図するものではない。あらゆる疑念を回避するために、「含む」という用語を使用して特許請求される全ての組成物は、その逆が述べられない限り、ポリマーであるかまたは別様であるかに関わらず、あらゆる追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含み得る。対照的に、「本質的に〜から成る」という用語は、動作性に必須でないものを除き、任意の後続の列挙の範囲から、任意の他の構成要素、工程、または手順を排除する。「〜から成る」という用語は、特異的に描写または記載されていないあらゆる構成要素、工程、または手順を排除する。
【0106】
試験方法
密度
密度測定の試料は、ASTM D4703−10に従って調製された。試料は、華氏374度(190℃)で5分間、10,000psi(68MPa)で加圧した。温度は、上記の5分間、華氏374度(190℃)で維持され、その後圧力は3分間30,000psi(207Mpa)に増加させた。その後、華氏70度(21℃)および30,000psi(207MPa)での、1分間保持が続いた。測定は、ASTM D792−08、Method Bを用いて、試料加圧の1時間以内に行われた。
【0107】
メルトインデックス
メルトインデックスまたはI2が、ASTM D1238−10、Condition190℃/2.16kg、Method Aに従って測定され、10分間当たりに溶出したグラム単位で報告された。
【0108】
核磁気共鳴(13C NMR)
試料は、およそ「3g」の「0.025M Cr(AcAc)を含有する、テトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物」を、10mmのNMR管内の「0.25〜0.40g」のポリマー試料に加えることによって調製された。酸素は、窒素環境内に開管を少なくとも45分間配置することによって、試料から除去された。試料は、その後、加熱ブロックおよび熱線銃を使用し、150℃まで管およびその内容物を加熱することによって、溶解させ、均質化させた。それぞれの溶解した試料は、均質性を保証するために視覚的に検査した。試料は、分析の直前に徹底的に混合させ、加熱したNMR試料ホルダへの挿入の前に冷却させなかった。
【0109】
全てのデータは、Bruker400MHz分光計を使用して収集された。データは、6秒パルス繰返し遅延、90度のフリップ角、および逆ゲーテッドデカップリングを使用して、試料温度120℃で獲得された。全ての測定は、ロックモードにある非回転試料上でなされた。試料は、データ獲得の前に7分間熱的に平衡させた。13C NMR化学シフトは、30.0ppmでEEEトライアッドを内部基準とした。「C6+」値は、LDPE中のC6+分岐の直接的な尺度であり、長い分岐と「鎖端」は区別されない。6つ以上の炭素の全ての鎖または分岐の端から3つ目の炭素を表す「32.2ppm」ピークは、「C6+」値を決定するために用いられる。1000C当たりのCO単位は、2で割った43ppmピークの積分として決定される。ECOにおいて、モル%COおよび重量%CO値は同じである。
モル%COは、以下により計算される:
CO単位/1000C=1000合計炭素当たりのモルCO
モルエチレン=(1000−CO単位/1000C)/2
【0110】
1H NMR
試料調製
試料は、およそ130mgの試料を、NORELL1001−7、10mmNMR管内の、「3.25gの、重量で50/50のテトラクロロエタン−d2/ペルクロロエチレン」に、0.001MのCr(AcAc)と共に加えることによって調製された。試料は、酸化を防止するために、管に挿入したピペットを介して、およそ5分間、溶剤を通してN2を通気することによりパージした。それぞれの管には蓋をし、TEFLONテープで密閉し、試料溶解を容易にするために室温で一晩浸した。試料は、保存の間、準備の前、および後、O2への曝露を最小にするために、N2パージ箱内に保持した。試料は、均質性を保証するために、115℃で加熱およびボルテックスした。
【0111】
データ獲得パラメータ
1H NMRは、Bruker Dual DUL高温CryoProbeを備えた、Bruker AVANCE400MHz分光計上で、試料温度120℃で行われた。スペクトル、つまり、合計ポリマープロトンを定量化するための対照スペクトル、および二重飽和実験を得るために、2つの実験が実行され、強いポリマー骨格ピークを抑圧し、末端基の定量化のための好感度スペクトルを可能にした。該対照物は、ZGパルス、4走査、SWH10,000Hz、AQ1.64s、D1 14sで実行された。二重前飽和実験は、変性パルス配列、TD32768、100走査、DS4、SWH10,000Hz、AQ1.64s、D1 1s、D13 13sで実行された。
【0112】
データ分析−1H NMR計算
TCE(テトラクロロエタン)−d2(6.0ppm)内の残留1Hからの信号を積分し、100の値に設定し、3〜−0.5ppmの積分を、対照実験におけるポリマー全体からの信号として使用した。前飽和実験については、TCE信号も100に設定し、不飽和についての対応する積分(約5.40〜5.60ppmのビニレン、約5.16〜5.35ppmの三置換、約4.95〜5.15ppmのビニル、約4.70〜4.90ppmのビニリデン)が得られた。
【0113】
前飽和実験スペクトルにおいては、シスおよびトランスビニレン、三置換、ビニル、およびビニリデンの領域が積分された。対照実験からのポリマー全体の積分は、2で割り、X千個の炭素を表す値(すなわち、ポリマー積分が28,000の場合、これは14,000個の炭素およびX=14を表す)を得た。
【0114】
その積分に寄与するプロトンの対応する数で割った不飽和基積分は、X千個の炭素当たりのそれぞれの種類の不飽和のモルを表す。それぞれの種類の不飽和のモルをXで割り、その後、1000モルの炭素当たりの不飽和基のモルを得る。
【0115】
溶融強度
溶融強度測定は、Gottfert Rheotester2000毛管レオメータに取り付けたGottfert Rheotens71.97(Goettfert Inc.;南カロライナ、ロックヒル)上で実行された。溶融試料(約25〜30グラム)は、長さ30mm、直径2.0mm、および縦横比(長さ/直径)15の平坦入口角(180度)を備えた、Goettfert Rheotester2000毛管レオメータで供給された。試料を190℃で10分間平衡させた後、ピストンを0.265mm/秒の一定のピストン速度で稼働させた。標準試験温度は190℃であった。試料は、2.4mm/sの加速度で、1組の加速ニップまで一軸延伸され、ダイの100mm下に位置付けられた。引張力は、ニップロールの巻き取り速度の関数として記録された。溶融強度は、鎖が切断する前に、プラトー力(cN)として報告された。溶融強度測定において次の条件が使用された:プランジャ速度=0.265mm/秒、車輪加速度=2.4mm/s、毛管直径=2.0mm、毛管長さ=30mm、およびバレル直径=12mm。
【0116】
動的機械分光(DMS)
樹脂は、空気中で、華氏350度で、5分間、1500psi下で「厚さ3mm×1インチ」の円形の額に圧縮成型された。その後、試料は圧縮から取り除かれ、カウンターに置かれて冷却された。
【0117】
25mm(直径)平行プレートを備えた、TA Instruments「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」を使用して、窒素パージ下で一定の温度周波数掃引が行われた。試料はプレート上に置かれ、190℃で5分間溶融させた。プレートはその後「2mm」の隙間まで閉ざされ、試料は整えられ(「直径25mm」の円周を超えて延在する余分な試料は除去された)、その後試験が開始された。方法は、温度平衡を可能にするための、組み込まれたさらなる5分間の遅延を有した。本実験は、0.1〜100ラジアン/秒の周波数範囲で、190℃で行われた。ひずみ振幅は10%で一定であった。複素粘度η*、タン(δ)またはタンデルタ、0.1ラジアン/秒での粘度(V0.1)、100ラジアン/秒での粘度(V100)、および粘度比(V0.1/V100)はこれらのデータから計算された。
【0118】
トリプル検出器ゲル浸透クロマトグラフィ(TDGPC)−従来のGPC、光散乱GPC、粘度法GPC、およびgpcBR
本明細書において使用されるGPC技術(従来のGPC、光散乱GPC,およびgpcBR)には、トリプル検出器ゲル浸透クロマトグラフィ(3D−GPCまたはTDGPC)システムが使用された。このシステムは、Precision Detectors(マサチューセッツ州アマースト)2角レーザー光散乱(LS)検出器Model2040と、IR4赤外線検出器と、Viscotek(テキサス州ヒューストン)150R 4毛管溶液粘度計(DP)と、を備えた、Waters(マサチューセッツ州ミルフォード)モデル150C High Temperature Chromatograph(他の好適な高温GPC器具には、Polymer Laboratories(イギリス、シュロップシャー)Model210およびModel220が挙げられる)から成った。
【0119】
これらの後者2つの独立検出器および前者の検出器のうちの少なくとも1つを伴うGPCは、「3D−GPC」または「TDGPC」と称されることがあり、一方で「GPC」という用語は、単独では概して従来のGPCを指す。データ収集は、Viscotek TriSECソフトウェア、Version3、および4チャネルViscotek Data Manager DM400を使用して行われた。本システムは、Polymer Laboratories(イギリス、シュロップシャー)のオンライン溶剤脱気装置も備えた。
【0120】
GPCカラムセットからの溶出剤は、LS検出器、IR4検出器、その後、DP検出器の順に連続して配置されたそれぞれの検出器を通って流れた。他検出器補正値の決定のための系統的取り組みは、Balke、Moureyら(Mourey and Balke,Chromatography Polym.,Chapter12,(1992))(Balke,Thitiratsakul,Lew,Cheung,Mourey,Chromatography Polym.,Chapter13,(1992))によって公開のものに従った様式で行われ、等式(5)の次のパラグラフ内の、以下のLight Scattering(LS)GPCについての章で概要を述べるように、広いポリエチレン標準を使用することによってもたらされる三重検出器対数(MWおよび固有粘度)を最適化した。
【0121】
4つの長さ30cmのShodex HT803 13ミクロンカラム、20ミクロンの気孔大きさ混合パッキングの4つの30cmPolymer Labsカラム(MixA LS、Polymer Labs)、または13ミクロンの気孔大きさ混合パッキングの4つの30cmOlexis−LSカラム(Polymer Labs)等の、好適な高温GPCカラムが使用され得る。ここでは、Olexis−LSカラムが使用された。試料回転式コンパートメントが、140℃で動作され、カラムコンパートメントは、150℃で動作された。試料は、「50ミリリットルの溶剤中の0.1グラムのポリマー」の濃度で調製された。クロマトグラフィ溶剤および試料調製溶剤は、「200ppmの2,6−ジ−tert−ブチル−4メチルフェノール(BHT)」を含有する、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)であった。溶剤は、窒素でスパージされた。ポリマー試料は、160℃で4時間静かに撹拌した。注入容量は200マイクロリットルであった。GPCを通る流速は1ml/分に設定された。
【0122】
従来のGPC
従来のGPCには、IR4検出器が使用され、21の狭分子量分布ポリスチレン標準を通すことにより、GPCカラムセットが較正された。標準の分子量(MW)は、580g/モル〜8,400,000g/モルの範囲であり、標準は、6つの「カクテル」混合物内に含有された。それぞれの標準混合物は、個々の分子量の間に少なくとも10年の分離を有した。標準混合物は、Polymer Laboratoriesから購入された。ポリスチレン標準は、1,000,000g/モル以上分子量のために、「50mLの溶剤内に0.025g」で、および1,000,000g/モル未満の分子量のために「50mLの溶剤内に0.05g」で調製された。ポリスチレン標準は、静かな撹拌で、80℃で30分間溶解させた。狭標準混合物は、分解を最小化するために、減少する最高分子量構成要素の順で、初めに通された。ポリスチレン標準ピーク分子量は、等式(1)(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Letters,6,621(1968)に記載の通り)を使用してポリエチレン分子量に変換された:
Mポリエチレン=A×(Mポリスチレン) (等式1)
式中、Mはポリエチレンまたはポリスチレンの分子量(記される通り)であり、Bは1.0に等しい。Aが約0.38〜0.44の範囲内であり得、等式(5)の後のパラグラフ内の以下の光散乱(LS)GPCについての章で概要を述べるように、較正の時に、広ポリエチレン標準を使用して決定されるということは当業者には既知である。分子量分布(MWDまたはMw/Mn)等の分子量値および関連統計値を得るための本ポリエチレン較正方法の使用は、ここでは、WilliamsおよびWardの修正方法として定義される。数平均分子量、重量平均分子量、およびz平均分子量は、次の等式から計算される:
【数1】
【数2】
【数3】
【0123】
光散乱(LS)GPC
LS GPCには、Precision Detector PDI2040検出器Model2040が使用された。試料に依存し、15°角または90°角のいずれかの光散乱検出器が計算目的で使用された。ここでは、15°角が使用された。
【0124】
分子量データは、Zimm(Zimm,B.H.,J.Chem.Phys.,16,1099(1948))およびKratochvil(Kratochvil,P.,Classical Light Scattering from Polymer Solutions,Elsevier,Oxford,NY(1987))によって公開のものに一貫した様式で得られた。分子量の決定において使用された、全体の注入濃度は、質量検出器面積、および好適な直鎖ポリエチレンホモポリマーから誘導された質量検出器定数、または既知の重量平均分子量のポリエチレン標準のうちの1つから得られた。計算された分子量は、以下で言及するポリエチレン標準の1つ以上から誘導された光散乱定数、および0.104の屈折率濃度係数dn/dcを使用して得られた。概して、質量検出器反応および光散乱定数は、約50,000g/モルを超える分子量を有する直鎖標準から決定されるべきである。粘度計較正は、製造者によって記載の方法を使用して、あるいは、標準物質(SRM)1475a(米国立標準技術研究所(NIST)から入手可能)等の好適な直鎖標準の公開の値を使用して達成され得る。クロマトグラフィ濃度は、対象となる第2のウイルス係数効果(分子量上の濃度効果)を排除するために十分に低いことが想定される。
【0125】
3D−GPCを用いて、以下の等式(5)を使用し、より高い精度および正確性のために「ピーク面積」方法を使用して、絶対重量平均分子量(「Mw、Abs」)が決定される。「LS面積」および「Conc.面積」が、クロマトグラフフィ/検出器の組み合わせによって生成される。
【数4】
【0126】
それぞれのLSプロフィールについては、x軸(対数MWcc−GPC)(式中、ccは従来の較正曲線を指す)が次のように決定される。まず、ポリスチレン標準(上記参照)が、保持容量を「対数MWPS」に較正するために使用される。その後等式1(Mポリエチレン=A×(Mポリスチレン))が、「対数MWPS」を「対数MWPE」に変換するために使用される。「対数MWPE」尺度は、実験セクションのLSプロフィールのx軸としての役割を果たす(対数MWPEは、対数MW(cc−GPC)と等しくされる)。それぞれのLSプロフィールのy軸は、注入試料質量によって基準化されたLS検出器反応である。最初に、SRM1475aまたは等価物等の、直鎖ポリエチレン標準試料についての分子量および固有粘度が、分子量および固有粘度の両方について、従来の較正(「cc」)を使用して、溶出容量の関数として決定される。
【0127】
GPC溶出曲線の低分子量領域において、抗酸化剤または他の添加剤の存在によってもたらされることが既知の有意なピークの存在は、ポリマー試料の数平均分子量(Mn)の過小評価をもたらし得、Mw/Mn、式中Mwは重量平均分子量、と定義される試料分散性の過大評価を与え得る。したがって本当のポリマー試料分子量分布は、この余分なピークを排除することによって、GPC溶出から計算することができる。本プロセスは、一般的に、液体クロマトグラフィ分析におけるデータ処理手順においてピーク上澄み特徴として描写される。本プロセスにおいて、この添加剤ピークは、GPC溶出曲線から試料分子量計算が行われる前に、GPC溶出曲線から上澄みとして除かれる。
【0128】
示差走査熱量計(DSC)
示差走査熱量計(DSC)が、広い範囲の温度でのポリマーの溶融および結晶化挙動を測定するために使用された。例えば、RCS(冷蔵冷却システム)および自動回収装置を備えたTA Instruments Q1000DSCが、本分析を行うために使用された。試験の間、50ml/分の窒素パージガス流が使用された。それぞれの試料は、約175℃で薄いフィルムに溶融加圧され、溶融試料は、室温(おおよそ25℃)まで空気冷却された。フィルム試料は、「厚さ0.1〜0.2ミル」のフィルムを形成するために、「0.1〜0.2g」の試料を、175℃で、1,500psiで30秒間加圧することにより形成された。3〜10mgの、直径6mmの標本が、冷却ポリマーから抽出され、計量され、軽アルミ鍋(ca50mg)内に置かれ、圧着して閉じた。その熱的特性を決定するために、その後分析が行われた。
【0129】
試料の熱的挙動は、熱流対温度のプロフィールを作り出すために、試料温度を上下に傾斜させることによって決定された。まず、試料は180℃まで急速加熱させ、その熱履歴を除去するために5分間等温に保持した。次に、試料は、10℃/分の冷却速度で−40℃まで冷却され、−40℃で5分間等温に保持された。試料は、その後10℃/分の過熱速度で150℃まで加熱された(これは「第2の過熱」傾斜である)。冷却曲線および第2の過熱曲線が記録された。冷却曲線は、結晶化の開始から−20℃までの基準線終点を設定することにより分析された。加熱曲線は、−20℃から溶融の終了までの基準線終点を設定することにより分析された。決定された値は、ピーク溶融温度(T)、ピーク結晶化温度(T)、融解熱(H)(1グラム当たりのジュール単位)、および、結晶化度=((H)/(292J/g))×100を使用して計算されたポリエチレン試料の結晶化度%であった。
【0130】
融解熱(H)およびピーク溶融温度は、第2の加熱曲線から報告された。ピーク結晶化温度は、冷却曲線から決定される。
【0131】
実験
発明のエチレン系ポリマーの調製
実施例1および2、ならびに比較実施例1は、同じプロセス反応システムで生成され、したがって、稼働間に同じ器具を指す際、物理的プロセスおよびその単位は、互いに類似である。図1は、前述の実施例1および2ならびに比較実施例1を生成するために用いられたプロセス反応システムのブロック図である。
【0132】
図1のプロセス反応システムは、部分的に閉鎖ループで、二重再循環高圧の、低密度ポリエチレン生成システムである。本プロセス反応システムは、新エチレン供給ライン1と、増圧器/一次圧縮器「BP」と、過剰圧縮器「過剰」と、3帯域管型反応器と、を備える。管型反応器は、第1の反応供給帯域と、第1の過酸化物開始剤源11に接続する第1の過酸化物開始剤ライン3と、第2の過酸化物開始剤源12に接続する第2の過酸化物開始剤ライン4と、第3の過酸化物開始剤源13に接続する第3の過酸化物開始剤ライン5と、管型反応器および予熱器の外殻の周囲に搭載された冷却ジャケット(高圧水を使用した)と、高圧分離器「HPS」と、高圧再循環ライン7と、低圧分離器「LPS」と、低圧再循環ライン9と、CTA供給システム13と、から成る。
【0133】
管型反応器は、過酸化物注入点の位置によって境界が決められた3つの反応帯域をさらに備える。第1の反応帯域供給口は、管型反応器の前面に取り付けられ、プロセス流体の一部を第1の反応帯域へと供給する。第1の反応帯域は、注入点1(3)で開始し注入点2(4)で終了する。第1の過酸化物開始剤は、注入点1(3)で管型反応器に接続する。第2の反応帯域は注入点2(4)で開始する。第2の反応帯域は、注入点3(5)で終了する。第3の反応帯域は、注入点3(5)にて開始するが、これは管型反応器の端の付近に位置する。本プロセスは3つの反応帯域を稼働させることが可能であるが、第2の反応帯域は利用されなかった。
【0134】
実施例1および2、ならびに比較実施例1については、新エチレンおよびエチレン再循環の100%が、第1の反応帯域供給導管を介して、第1の反応帯域に方向付けられた。これは、全前面気体管型反応器と称される。
【0135】
実施例1および2ならびに比較実施例1については、t−ブチルペロキシ−2エチルヘキサノエート(TBPO)、ジ−t−ブチルペルオキシド(DTBP)、tert−ブチルぺルオキシパビラート(PIV)、およびイソパラフィン炭化水素溶剤(沸騰範囲>179℃)を含有する混合物が、第1の注入点の開始剤混合物として使用された。注入点3には、DTBP、およびTPO、およびイソパラフィン炭化水素溶剤を含有する混合物が使用された。表1は、それぞれの試験稼働に使用された過酸化物開始剤および溶剤溶液の流れを示す。
【表1】
【0136】
実施例1および2ならびに比較実施例1には、イソブタンが連鎖移動剤(CTA)として使用された。イソブタンは、第1の段階の増圧器の排出ドラムにてエチレンの流れに注入された。CTA供給口のプロセスへの組成物は、生成物のメルトインデックスを維持するために、プロセス実行のために比較実施例1と実施例1と2との間で調節された。
【0137】
実施例1および2ならびに比較実施例1には、一酸化炭素がコモノマーとして使用された。一酸化炭素は、第1の段階の増圧器の吸引側ドラムにて、エチレンの流れに注入された。実施例1および2、ならびに比較実施例1を製造するために使用された反応器管プロセス条件は、表2に示される。
【表2】
【0138】
実施例3、4および5、ならびに比較実施例2は、同じプロセス反応システムで生成され、したがって、稼働間に同じ器具を指す際、物理的プロセスおよびその単位は、互いに類似である。図2は前述の実施例3、4、および5、ならびに比較実施例2を生成するために用いられたプロセス反応システムのブロック図である。
【0139】
図2のプロセス反応システムは、部分的に閉鎖ループで、二重再循環高圧の、低密度ポリエチレン生成システムである。プロセス反応システムは、新エチレン供給ライン1と、増圧器/一次圧縮器「BP」と、過剰圧縮器「過剰」と、2帯域オートクレーブと、その後に2帯域管型反応器と、を備える。オートクレーブ/管型反応器は、第1の反応帯域1と、第1の過酸化物開始剤ライン2と、第2の反応帯域2と、第2の過酸化物開始剤ライン3と、第3の管反応帯域3と、第3の過酸化物開始剤ライン4と、第4の管反応帯域4と、第4の過酸化物開始剤ライン5と、管型反応器部分の外殻の周囲に搭載された冷却ジャケット(高圧水を使用した)と、高圧分離器「HPS」と、高圧再循環ライン6と、低圧分離器「LPS」と、低圧再循環ライン7と、CTA供給ライン8と、一酸化炭素供給ライン9と、から成る。
【0140】
反応器は、過酸化物注入点の位置で境界が決められた4つの反応帯域をさらに備える。第1の反応帯域供給口は、合計反応器供給のうちの50%が導入される、オートクレーブ部分に取り付けられる。第1の反応帯域は、注入過酸化物注入点1にて開始し、過酸化物注入点2にて終了する。第2の反応帯域は、合計供給のもう50%が注入される、過酸化物注入点2にて開始する。第2の反応帯域は過酸化物注入点3にて終了する。第3の反応帯域は、管型反応器の開始の付近に位置付けられる過酸化物注入点3にて開始し、過酸化物注入点4にて終了する。第4の反応帯域は、過酸化物注入4にて開始し、反応器圧力制御弁の直前で終了する。
【0141】
実施例3、4、および5、ならびに比較実施例2には、t−ブチルぺルオキシ−2エチルヘキサノエート(TBPO)、tert−ブチルぺルオキシピバラート(PIV)、およびイソパラフィン炭化水素溶剤(沸騰範囲>179℃)を含有する混合物が、第1および第2の注入点のための開始剤混合物として使用された。注入点3および4には、ジ−t−ブチルぺルオキシド(DTBP)、およびTPO、およびイソパラフィン炭化水素溶剤を含有する混合物が使用された。表3は、それぞれの試験実行に使用された過酸化物開始剤および溶剤溶液の流れを示す。
【表3】
【0142】
実施例3、4、および5、ならびに比較実施例2には、プロピレンおよびメチルエチルケトンの組み合わせが、連鎖移動剤(CTA)として使用された。CTA混合物は、増圧器/一次圧縮器の吸引側にてエチレンの流れに注入された。CTA供給のプロセスへの組成物は、生成物のメルトインデックスを調節するために、プロセス実行のために比較実施例2と実施例3と4と5との間で調節された。
【0143】
実施例3、4、および5、ならびに比較実施例2には、一酸化炭素がコモノマーとして使用された。一酸化炭素は、増圧器/一次圧縮器の吸引側にてエチレンの流れに注入された。実施例3、4、および5、ならびに比較実施例2を製造するために使用された反応プロセス条件は、表4に与えられる。
【表4】
【0144】
実施例および比較実施例の特性は、表5〜10に記載される。表5は、メルトインデックス(I2)、密度、TDGPCからの従来のGPCパラメータを含む。実施例1〜5のメルトインデックスは、押出被覆におけるそれらの使用に好適な範囲内である。実施例1〜5の密度は、一酸化炭素(CO)の組み込みにより、部分的に高い。発明実施例、特により広い分子量分布(cc−GPC Mw/Mn)を伴う実施例3〜5は、押出被覆等の用途において有用である。表6は、濃度検出器と合わせて、LSおよび粘度検出器から誘導された、TDGPC関連特性を含む。
【0145】
表7は以下によってまとめられたDMS粘度データを含む:0.1、1、10、および100ラジアン/秒で測定された粘度;粘度比、または、それぞれ190℃で測定された0.1ラジアン/秒で測定された粘度の、100ラジアン/秒で測定された粘度に対する比率;ならびに、0.1ラジアン/秒かつ190℃で測定されたタンデルタ。
【0146】
表8は、CO(一酸化炭素)含有量、および13C NMRにより測定された1000C当たりの分岐を含む。これらのポリマーは、アミルまたはC5分岐を含むが、これらは、両方The Dow Chemical Company製の、AFFINITY Polyolefin Plastomer等の実質的直鎖ポリエチレン、またはDOWLEX Polyethylene Resin等のLLDPEに含まれない。発明実施例1〜5および比較実施例1〜2は、1000炭素原子当たり0.5以上のアミル基(分岐)を含有した(発明実施例は1000炭素原子当たり、1.0よりも多くのアミル基を含有した)。発明実施例は、COを1〜2モル%CO、または1〜2重量%COのレベルでも含有する。
【0147】
表9はH NMRによる不飽和結果を含む。表10は、融点(Tm)、溶解熱、結晶化度パーセント、および結晶化点を含む、DSC結果を含む。発明実施例の融点は、図3に示すように、それらの高密度に対し相対的に低い。
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【0148】
押出被覆−繊維引裂付着試験
実施例1および2、ならびに比較実施例8は、Black−Clawson Extrusion Coating Lineを使用して押出被覆された。比較実施例8は、「メルトインデックス8.0g/10分」および「密度0.918g/cc」を伴うLDPE722であり、The Dow Chemical Companyから入手可能である。使用されたラインは、1つのMattock混合セクションを伴う、「31/2インチ、L/D30:1、圧縮比4:1」の一条ネジスクリューであった。押出被覆器は、表11に示すように、華氏570度(299℃)〜華氏600度(316℃)の範囲の溶融温度で、および90RPMの押出速度で稼働し、250lb/時間の出力をもたらした。ライン速度は、440ft/分で稼働し、「50lb/連クラフト紙」上への「1ミル被覆」をもたらした。
【0149】
標本は、「24インチ×36インチ」の寸法に切断された。それぞれの試験標本には、2つの「Xのそれぞれのライン上におよそ2インチである、Xカット」が、試料の交差方向に作られた。それぞれの「Xカット」は、それぞれの試験標本におけるポリマー被覆の端からおよそ6インチに作られた。「Xカット」はポリマー被覆のみを貫通した。「Xカット」の一部分のポリマーは、万能ナイフを使用して紙から部分的に分離された。離されたポリマーは、作業者により手づかみされ、試験標本は作業者のもう一方の手で押さえられた。ポリマーは、紙からゆっくりとおよそ1〜2インチの距離だけ引っ張られた。このゆっくりとした引っ張りはおよそ5〜10秒間かかる。「合格」値は、ポリマー層と紙表面との間の付着が、紙自体の内部繊維マトリックス付着よりも強い(または紙表面の5%以上がポリマーと共に裂けた付着よりも強い、あるいは同等であった)場合に記録された。「不合格」値は、ポリマー層が、紙繊維を伴わずにまたはほとんど伴わずに、紙表面から引っ張られた(または紙表面の5%未満がポリマーと共に裂けた)場合に記録された。ポリマーと共に裂けた紙表面の百分率は、紙基板から除去されたポリマー被覆の合計面積の視覚検査によって決定された。それぞれのポリマーには、1つの試験標本が試験され、2つの「Xカット」がそれぞれの試験標本において作られた。
【0150】
表11は、Kraft紙繊維引裂付着試験からの結果を示す。実施例1は、304〜316℃の温度で「合格」することが示された。実施例2は、299〜316℃の温度で「合格」した。比較実施例8は、299〜316℃の温度で「不合格」することが示された。したがって、比較実施例8の付着と比較して、実施例1および2の両方の付着が比較実施例好ましい。発明実施例は、高速および高温で押出被覆することもできる。
【0151】
実施例3〜5については、ネックインの量(ダイ幅設定−溶融ウェブの実際の被覆幅の差)は、実施例1および2に比較して、より低く、またはより好ましい。これは、より薄く、より無駄の少ない縁整形のために、基板の縁にてより少ない無駄を産出し得る。
【0152】
押出被覆−MYLARへの付着
実施例1および比較実施例8は、Black−Clawson Extrusion Coating Lineを使用して押出被覆された。押出被覆器は、表12に示すように華氏600度(316℃)の融点、および90RPMの押出速度で稼働し、250lb/時間の出力をもたらした。ライン速度は、440ft/分で稼働し、「50lb/連Kraft紙」上の「1ミル被覆」をもたらした。およそ長さ2フィートおよび幅12インチの間紙(50ゲージMYLARポリエステルフィルム)が、移動する紙のウェブ上に落とされた。紙は被覆がMYLARフィルムに適用された後に除去された。
【0153】
試験標本(1インチ×6インチ)が被覆MYLARから切断され、ポリマーフィルムが万能ナイフを使用してMYLARから部分的に分離され、試料が引張試験器ジョー内に留まることを可能にした(図4を参照)。MTS引張試験器Model Number Sintech5/Gが、付着を試験するために使用された。
【0154】
それぞれの試験試料は、25.4mm/分の引張速度で引っ張られ、グラム単位でのピーク力(剥離力)が測定された。それぞれの試料について、3つの標本が引っ張られ、表12に示すように、平均剥離力が記録された。表12に見られるように、発明実施例は、比較実施例よりも良好な付着を有した。発明実施例は、高速および高温で押出被覆することもできる。
【表12】

図1
図2
図3
図4