特許第6421415号(P6421415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧
特許6421415紫外線遮断包装材料およびそれを用いた紫外線遮断包装袋
<>
  • 特許6421415-紫外線遮断包装材料およびそれを用いた紫外線遮断包装袋 図000003
  • 特許6421415-紫外線遮断包装材料およびそれを用いた紫外線遮断包装袋 図000004
  • 特許6421415-紫外線遮断包装材料およびそれを用いた紫外線遮断包装袋 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6421415
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】紫外線遮断包装材料およびそれを用いた紫外線遮断包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/30 20060101AFI20181105BHJP
   B32B 7/02 20060101ALI20181105BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20181105BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20181105BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20181105BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20181105BHJP
   B65D 81/24 20060101ALI20181105BHJP
   B65D 30/02 20060101ALI20181105BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   B65D81/30 D
   B32B7/02 103
   B32B27/18 A
   B32B27/20 Z
   B32B27/30 102
   B32B27/40
   B65D81/24 D
   B65D30/02
   B65D65/40 D
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-11204(P2014-11204)
(22)【出願日】2014年1月24日
(65)【公開番号】特開2015-137138(P2015-137138A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2016年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 俊
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−183659(JP,A)
【文献】 特開2012−020433(JP,A)
【文献】 特開2007−216593(JP,A)
【文献】 特開2006−224317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00−79/02
B65D 81/18−81/30
B65D 81/38
B65D 30/00−33/38
B65D 65/00−65/46
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に、順に、紫外線カット層、ガスバリア層、接着剤層、シーラント層が積層されている紫外線遮断包装材料であって、
前記ガスバリア層が、ポリビニルアルコールと無機層状化合物とウレタン系樹脂を含むと共に、ウレタン系樹脂の含有量が50〜80質量%、ポリビニルアルコール樹脂の含有量が5〜20質量%であり、
前記ガスバリア層が前記紫外線カット層に接していることを特徴とする紫外線遮断包装材料。
【請求項2】
前記ガスバリア層が、印刷または塗布により設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載の紫外線遮断包装材料。
【請求項3】
前記ガスバリア層の酸素透過度が、10cc/m/day/atm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線遮断包装材料。
【請求項4】
前記紫外線カット層が、紫外線吸収剤を含有したインキを印刷または塗布により設けられたものであることを特徴とする請求項1から3の何れか記載の紫外線遮断包装材料。
【請求項5】
前記接着剤層が、ウレタン系接着剤であることを特徴とする請求項1から4の何れか記載の紫外線遮断包装材料。
【請求項6】
請求項1から5の何れか記載の紫外線遮断包装材料のシーラント層がシールされることにより製袋されていることを特徴とする紫外線遮断包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光透過性を有するとともに紫外線遮断性を有する紫外線遮断包装材料、および、その紫外線遮断包装材料を用いた紫外線遮断包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
油脂類や色素等を含有する物質は、紫外線にさらされることにより劣化することが知られている。
【0003】
また、このような劣化する内容物は、酸素、水蒸気、その他の気体による変質が多い場合が多く、ガスバリア性も求められる場合があった。
【0004】
このため、アルミニウムなどの遮光性の材料を使用されていた。しかし、アルミニウムなどの遮光性の材料を用いた場合、確かに紫外線遮断性を有するために内容物の変色、褪色、変質などの劣化等は発生しない。しかし、この場合可視光も遮断するために内容物の確認を外部から行うことができない。さらに、アルミニウムは金属材料であるために金属異物の検査のための金属探知機の検査が行えない。
【0005】
そこで、可視光透過性を有するとともに紫外線遮断性を有する様に、アルミニウムに代えて紫外線遮断性または紫外線吸収性を有する樹脂からなる紫外線カット層を設けた紫外線遮断包装材料を用いる場合があった。
【0006】
さらに、ガスバリア性にも対応する場合に、ガスバリア層も設けることもあった(特許文献1参照)。
【0007】
しかし、このような紫外線カット層は、その性質上溶剤を吸収して異臭を放つ場合があるため、用途が限られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−238024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願の紫外線遮断包装材料では、紫外線遮断包装袋などの包装材料として使用するためには、シーラント層を設ける必要があるが、このようなシーラント層を設けるためには積層工程が必要とされる。この場合の積層工程において積層体とする際に用いられるウレタン系接着剤の希釈溶剤を用いるのが一般的である。
【0010】
しかし、このように積層工程において積層体とする際に用いられるウレタン系接着剤の希釈溶剤を用いるために、既に積層した紫外線カット層において、このウレタン系接着剤の希釈溶剤を紫外線カット層において吸収してしまい。これによりこの匂いがこの包装材料の外側に抜けず、内側にこもってしま、この匂いが最終的にこの包装材料の内容物に移ってしまう問題点があった。
【0011】
本発明は、積層工程において積層体とする際に用いられるウレタン系接着剤の希釈溶剤を用いるために、既に積層した紫外線カット層において、このウレタン系接着剤の希釈溶剤を紫外線カット層において吸収されずこれによりこの匂いがこの包装材料の外側に抜けて内側にこもらず、この匂いが最終的にこの包装材料の内容物に移ってしまうことのない紫外線遮断包装材料およびこの紫外線遮断包装材料を用いた紫外線遮断包装袋が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第一の本発明は、基材上に、順に、紫外線カット層、ガスバリア層、接着剤層、シーラント層が積層されている紫外線遮断包装材料であって、
前記ガスバリア層が、ポリビニルアルコールと無機層状化合物とウレタン系樹脂を含むと共に、ウレタン系樹脂の含有量が50〜80質量%、ポリビニルアルコール樹脂の含有
量が5〜20質量%であり、
前記ガスバリア層が前記紫外線カット層に接していることを特徴とする紫外線遮断包装材料である。
【0016】
の本発明は、前記ガスバリア層が、印刷または塗布により設けられたものであることを特徴とする請求項1に記載の紫外線遮断包装材料である。
【0017】
の本発明は、前記ガスバリア層の酸素透過度が、10cc/m/day/atm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線遮断包装材料である。
【0018】
の本発明は、前記紫外線カット層が、紫外線吸収剤を含有したインキを印刷または塗布により設けられたものであることを特徴とする請求項1から3の何れか記載の紫外線遮断包装材料である。
【0019】
の本発明は、前記接着剤層が、ウレタン系接着剤であることを特徴とする請求項1から4の何れか記載の紫外線遮断包装材料である。
【0020】
の本発明は、請求項1から5の何れか記載の紫外線遮断包装材料のシーラント層がシールされることにより製袋されていることを特徴とする紫外線遮断包装袋である。
【発明の効果】
【0021】
本願の紫外線遮断包装材料では、その製造途中において積層体とする工程の際に用いられるウレタン系接着剤等の接着剤の希釈溶剤が、紫外線カット層の上にガスバリア層があるために、その上に接着剤層とシーラント層を設ける積層体とする工程の際にそれに用いるウレタン系接着剤等の接着剤の希釈溶剤が紫外線カット層において吸収されず、残留溶剤が少ないものとなった。これにより、この匂いがこの包装材料の外側にのみ抜けるために、内側にこもってしまうことがなく、この希釈溶剤の匂いが包装材料の内容物に移ってしまうことがなくなった。
【0022】
特にガスバリア層が、ポリビニルアルコールを主成分とすることにより、安価で効率のよい紫外線遮断包装材料を提供できる。
【0023】
前記ガスバリア層が、さらに無機層状化合物を含むことにより、ガスバリア性能をより高めることができる。
【0024】
前記ガスバリア層が、さらにウレタン系樹脂を含むことにより、固形分濃度が高いにも関わらず、粘度が低いので、コーティング工程における生産性を高めるとともに、廃棄時における有害物質の発生を少なくすることができる。
【0025】
前記ガスバリア層が、印刷または塗布により設けられたものであることにより、より安価に紫外線遮断包装材料を提供することができる。
【0026】
前記ガスバリア層の酸素透過度が、10cc/m/day/atm以下であることにより、実用的に臭気の遷移を防止できる紫外線遮断包装材料を提供することができる。
【0027】
前記紫外線カット層が、紫外線吸収剤を含有したインキを印刷または塗布により設けられたものであることにより、容易に製造することができる。
【0028】
前記接着剤層が、ウレタン系接着剤であることにより、接着性能が高く、層間剥離がおきにくい紫外線遮断包装材料を提供できる。
【0029】
このような紫外線遮断包装材料のシーラント層がシールされることにより製袋されていることにより、溶剤の臭気がない内容物のまま輸送や保存ができる紫外線遮断包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係る紫外線遮断包装材料の一様態を示した断面模式図である。
図2図1の態様とは異なる本発明に係る紫外線遮断包装材料の一様態を示した断面模式図である。
図3】従来の紫外線遮断包装材料の一様態を示した断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について図面をもって説明する。
【0032】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る紫外線遮断包装材料は、基材11の上に紫外線カット層12、ガスバリア層13、接着剤層14、シーラント層15が積層された積層体である。
【0033】
基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体などのポリC2−10などのオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66の脂肪族系ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミドなどの芳香族ポリアミドなどのポリアミド系樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系単量体の単独または共重合体などのアクリル系樹脂、セロファンなどからなるフィルムが挙げられる。これらの樹脂は、1種または2種以上が組み合わせられて用いられる。
【0034】
また、単一の樹脂で構成された単層フィルムや複数の樹脂を用いた単層または積層フィルムが用いられる。また、これらの樹脂を他の基材(金属、木材、紙、セラミックスなど)に積層した積層基材を用いてもよい。
【0035】
これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂フィルム(特に、ポリプロピレンフィルムなど)、ポリエステル系樹脂フィルム(特に、ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム)、ポリアミド系樹脂フィルム(特に、ナイロンフィルム)などが好適に用いられる。
【0036】
基材は樹脂フィルムの場合は、未延伸フィルムであってもよく、一軸または二軸延伸配向フィルムであってもよく、表面処理(コロナ放電処理など)やアンカーコートまたはア
ンダーコート処理したフィルムであってもよい。さらに、複数の樹脂や金属などを積層した積層フィルムであってもよい。
【0037】
また、コーティングする面(皮膜を形成する面)に、コロナ処理、低温プラズマ処理などを施すことにより、コーティング剤に対する良好な濡れ性と、皮膜に対する接着強度とが得られる。
【0038】
基材の厚さは、特に限定されるものではなく、包装材料としての適性や他の皮膜の積層適性を考慮しつつ、価格や用途によって適宜選択されるが、実用的には3〜200μmであり、好ましくは5〜120μmであり、より好ましくは10〜100μmである。
【0039】
さらに、必要に応じて、印刷層、アンカーコート層、オーバーコート層、遮光層、接着剤層、ヒートシール層などを有していてもよい。
【0040】
紫外線カット層については、紫外線吸収性の材料以外に紫外線遮蔽性の材料でも良いが、少なくとも紫外線をカットするとともに可視光について透過する性質の材料であることが求められる。なお、可視光については完全に透過する必要はなく、ある程度の透過性能であっても構わず、例えば色味が残っている材料であっても構わない。逆に、紫外線カット性については、内容物の品質劣化を防止する程度の紫外線カットができればよく、1000%カットする必要はなく、紫外線の全ての周波数領域でカットする必要もない。
【0041】
また、この紫外線カット層の材料は、有機化合物系を主成分とするものであっても、無機化合物系を主成分とするものでも構わない。
【0042】
ガスバリア層については、後述の接着剤に含まれるウレタン系接着剤の希釈溶液に起因する残留溶剤臭を遮断し、紫外線カット層へ移行するのを防ぐ程度のガスバリア性能を有していればよい。
【0043】
図1の実施形態では、ポリビニルアルコール水溶液が用いられる。
【0044】
この様に基材上に、順に紫外線カット層、ガスバリア層が設けられた積層体に対して、接着剤を塗布してさらにシーラント層を形成したり、ウレタン系の接着剤を用いてシーラント層をヒートシールすることにより、基材11上に、順に紫外線カット層12、ガスバリア層13、ウレタン系の接着剤層14、シーラント層15が積層されている紫外線遮断包装材料を形成する。
【0045】
ポリビニルアルコール水溶液のポリビニルアルコールは、少なくとも1種類がポリビニルアルコール系重合体およびその誘導体であるものが好ましく、特に好ましくは、鹸化度が95%以上かつ重合度が300〜2000のポリビニルアルコール樹脂である。
【0046】
ポリビニルアルコール樹脂は、鹸化度や重合度が高い程、吸湿膨潤性が低くなる。
【0047】
ポリビニルアルコール樹脂の鹸化度が95%より低いと、十分なガスバリア性が得られ難い。
【0048】
また、ポリビニルアルコール樹脂の重合度が300より低いと、ガスバリア性の低下を招く。一方、ポリビニルアルコール樹脂の重合度が2000を超えると、水系コーティング剤の粘度が上がり、例えば、他の成分も含む場合、他の成分と均一に混合することが難しく、ガスバリア性や密着性の低下といった不具合を招いたり、固形分濃度を下げることによる相対的な塗布量が増加するため、乾燥エネルギーの増大、生産性の低下を招いたり
するため好ましくない。
【0049】
すなわち、重合度が2000以下のポリビニルアルコール樹脂を用いることにより、水系コーティング剤の粘度の上昇を抑え、他の成分も含む場合、他の成分と均一に混合、分散することができ、高濃度での水系コーティング剤の低粘度化を実現し、水系コーティング剤の特性の安定化と、高濃度化による塗布量の低減や乾燥負荷の低減とを可能にし、生産性の向上にも寄与している。
【0050】
また、図2は別な本発明の実施の形態に係る紫外線遮断包装材料であり、基材21の上に紫外線カット層22、無機層状化合物を含むガスバリア層23、接着剤層24、シーラント層25が積層された積層体である。
【0051】
無機層状化合物を含むガスバリア層は、上記ポリビニルアルコール樹脂の他、水性ポリウレタン樹脂と無機層状化合物を含んでいる。
【0052】
例えば、水性ポリウレタン樹脂50〜80質量%、ポリビニルアルコール樹脂5〜20質量%、無機層状鉱物10〜30質量%などが好ましい。また、全固形分濃度が5質量%以上、23℃における粘度が50mPa・s以下であるものが好ましい。
【0053】
ポリウレタン樹脂(アニオン性自己乳化型ポリウレタン樹脂)の酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられる。
【0054】
酸基は、ポリウレタン樹脂の末端または側鎖に位置していてもよいが、少なくとも側鎖に位置している必要がある。この酸基は、通常、中和剤(塩基)により中和可能であり、塩基と塩を形成していてもよい。なお、酸基は、水性ポリウレタン樹脂(A)を構成するポリアミン化合物のアミノ基(イミノ基または第三級窒素原子)と結合可能である。
【0055】
ポリウレタン樹脂の酸価は、水溶性または水分散性を付与できる範囲で選択することができるが、通常、5〜100mgKOH/gであり、10〜70mgKOH/g(例えば、10〜60mgKOH/g)であることが好ましく、15〜60mgKOH/g(例えば、16〜50mgKOH/g)であることがより好ましい。
【0056】
また、ポリウレタン樹脂のウレタン基およびウレア基(尿素基)の合計濃度は、ガスバリア性の観点から、通常、15質量%以上であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。
【0057】
なお、ウレタン基濃度およびウレア基濃度とは、ウレタン基の分子量(59g/当量)またはウレア基の分子量(一級アミノ基(アミノ基):58g/当量、二級アミノ基(イミノ基):57g/当量)を、ポリウレタン樹脂の繰り返し構成単位の分子量で除した値を意味する。
【0058】
なお、ポリウレタン樹脂として混合物を用いる場合、ウレタン基濃度およびウレア基濃度は、反応成分の仕込みベース、すなわち、各成分の使用割合をベースとして算出できる。
【0059】
ポリウレタン樹脂は、通常、少なくとも剛直な単位(炭化水素環で構成された単位)と短鎖単位(例えば、炭化水素鎖で構成された単位)とを有している。すなわち、ポリウレタン樹脂の繰り返し構成単位は、通常、ポリイソシアネート成分、ポリヒドロキシ酸成分、ポリオール成分や鎖伸長剤成分(特に、少なくともポリイソシアネート成分)に由来して、炭化水素環(芳香族および/または非芳香族炭化水素環)を含んでいる。
【0060】
ポリウレタン樹脂の繰り返し構成単位における炭化水素環で構成された単位の割合は、通常、10〜70質量%であり、好ましくは15〜65質量%であり、より好ましくは20〜60質量%である。
【0061】
ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、適宜選択可能であるが、800〜1,000,000であることが好ましく、800〜200,000であることがより好ましく、800〜100,000であることがさらに好ましい。
【0062】
ポリウレタン樹脂は、ガスバリア性を高めるため、結晶性であってもよい。
【0063】
また、ポリウレタン樹脂のガラス転移点は、100℃以上(例えば、100〜200℃程度)であることが好ましく、110℃以上(例えば、110〜180℃程度)であることがより好ましく、120℃以上(例えば、120〜150℃程度)であることがさらに好ましい。
【0064】
水性ポリウレタン樹脂は、通常、中和剤を含み、上記のポリウレタン樹脂が水性媒体中に溶解あるいは分散した状態で形成される。
【0065】
水性媒体としては、水、水溶性溶媒、親水性溶媒、あるいは、これらの混合溶媒が挙げられる。水性媒体は、通常、水または水を主成分として含む水性溶媒である。
【0066】
親水性溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;セロソルブ類;カルビトール類;アセトニトリルなどのニトリル類などが挙げられる。
【0067】
水性ポリウレタン樹脂は、水性媒体に上記のポリウレタン樹脂を溶解した水溶液、または、水性媒体に上記のポリウレタン樹脂を分散した水分散体のいずれの形態であってもよい。
【0068】
水分散体において、分散粒子(ポリウレタン樹脂粒子)の平均粒径は特に限定されるものではなく、例えば、20〜500nmであり、好ましくは25〜300nmであり、より好ましくは30〜200nmである。
【0069】
水性ポリウレタン樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、アセトン法、プレポリマー法など、通常のポリウレタン樹脂の水性化技術が用いられる。
【0070】
また、ウレタン化反応では、必要に応じてアミン系触媒、錫系触媒、鉛系触媒などのウレタン化触媒を用いてもよい。
【0071】
例えば、アセトンなどのケトン類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類などの不活性有機溶媒中、ポリイソシアネート化合物と、ポリヒドロキシ酸と、必要に応じて、ポリオール成分および/または鎖伸長剤成分と、を反応させることにより、水性ポリウレタン樹脂を調製できる。より具体的には、不活性有機溶媒(特に、親水性または水溶性の有機溶媒)中、ポリイソシアネート化合物と、ポリヒドロキシ酸と、ポリオール成分と、を反応させて、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを生成し、中和剤で中和して水性媒体に溶解または分散した後、鎖伸長剤成分を添加して反応させ、有機溶媒を除去することにより、水性ポリウレタン樹脂(A)を調製できる。
【0072】
水性ポリウレタン樹脂では、架橋剤としてのポリアミン化合物と、ポリウレタン樹脂の酸基とを結合させることにより、ガスバリア性を発現させている。
【0073】
なお、ポリアミン化合物とポリウレタン樹脂の酸基との結合は、イオン結合(例えば、第三級アミノ基とカルボキシル基とのイオン結合など)であってもよく、共有結合(例えば、アミド結合など)であってもよい。
【0074】
そのため、ポリアミン化合物としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基および第3級アミノ基よりなる群から選択される2種以上の塩基性窒素原子を有する種々のポリアミン類が用いられる。
【0075】
水性ポリウレタン樹脂を構成するポリアミン化合物としては、酸基と結合し、かつ、ガスバリア性を向上できるものであれば特に限定されるものではなく、種々の化合物が用いられる。
【0076】
ポリアミン化合物としては、通常、アミン価が100〜1900mgKOH/g、好ましくは150〜1900mgKOH/g(例えば、200〜1700mgKOH/g)、より好ましくは200〜1900mgKOH/g(例えば、300〜1500mgKOH/g)のポリアミンが用いられる。ポリアミン化合物のアミン価は、300〜1900mgKOH/g程度であってもよい。
【0077】
無機層状化合物は、極薄の単位結晶層が重なって1つの層状粒子を形成している無機化合物のことである。
【0078】
無機層状化合物としては、水中で膨潤・へき開するものが好ましく、これらの中でも、特に水への膨潤性を有する粘土化合物が好ましく用いられる。より具体的には、極薄の単位結晶層間に水を配位し、吸収・膨潤する性質を有する粘土化合物であり、一般には、Si4+がO2−に対して配位して四面体構造を構成する層と、Al3+、Mg2+、Fe2+、Fe3+などが、O2−およびOHに対して配位して八面体構造を構成する層とが、1対1あるいは2対1で結合し、積み重なって層状構造をなすものである。この粘土化合物は、天然のものであっても、合成されたものであってもよい。
【0079】
無機層状化合物の代表的なものとしては、フィロケイ酸塩鉱物などの含水ケイ酸塩、例えば、ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライトなどのカオリナイト族粘土鉱物、アンチゴライト、クリソタイルなどのアンチゴライト族粘土鉱物、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなどのスメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライトなどのバーミキュライト族粘土鉱物、白雲母、金雲母などの雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライトなど雲母またはマイカ族粘土鉱物などが挙げられる。
【0080】
これらの無機層状化合物は、1種または2種以上が組み合わせられて用いられる。
【0081】
これらの無機層状化合物の中でも、モンモリロナイトなどのスメクタイト族粘土鉱物、水膨潤性雲母などのマイカ族粘土鉱物が特に好ましい。
【0082】
無機層状化合物の大きさは、平均粒径10μm以下、厚さ500nm以下が好ましい。無機層状化合物の中でも、少なくとも1種類が平均粒径1〜10μm、厚さ10〜100nmの水膨潤性の合成雲母が特に好ましい。
【0083】
無機層状化合物として、水膨潤性の合成雲母を用いると、水膨潤性の合成雲母は、水性
ポリウレタン樹脂およびポリビニルアルコール樹脂との相溶性が高く、天然系の雲母に比べて不純物が少ないため、不純物に由来するガスバリア性の低下や膜凝集力の低下を招くことがない。また、水膨潤性の合成雲母は、結晶構造内にフッ素原子を有することから、水系コーティング剤からなる皮膜のガスバリア性の湿度依存性を低く抑えることにも寄与し、他の水膨潤性の無機層状鉱物に比べて、高いアスペクト比を有することから、迷路効果がより効果的に働き、特に無機層状化合物を含むガスバリア層のガスバリア性が高く発現するのに寄与する。
【0084】
また、全固形分中に占めるポリビニルアルコール樹脂の固形分配合比率が50質量%より少ないと、無機層状化合物を含むガスバリア層の基材上の紫外線カット層への濡れ性、密着性、耐水性、耐湿性、膜凝集強度が不足する。一方、ポリビニルアルコール樹脂の固形分配合比率が80質量%を超えると、無機層状化合物を含むガスバリア層のガスバリア性の低下を招く。
【0085】
全固形分中に占める水性ポリウレタン樹脂の固形分配合比率が5質量%より少ないと、無機層状化合物を含むガスバリア層としての凝集強度が低下する。一方、水性ポリウレタン樹脂の固形分配合比率が20質量%を超えると、高湿度条件における、無機層状化合物を含むガスバリア層のガスバリア性が低下する。
【0086】
全固形分中に占める無機層状化合物の固形分配合比率が10質量%より少ないと、無機層状化合物を含むガスバリア層に、十分なガスバリア性が得られない。一方、無機層状化合物の固形分配合比率が30質量%を超えると、無機層状化合物を含むガスバリア層の基材上の紫外線カット層への密着性、その皮膜の凝集強度が低下する。
【0087】
また、本実施形態の無機層状化合物を含むガスバリア層形成のための水系コーティング剤は、水溶性または水分散性の反応性硬化剤を添加すると、さらに、基材密着性、膜凝集強度、耐水・耐溶剤性を向上させることができる。
【0088】
反応性硬化剤としては、水分散性(水溶性)ポリイソシアネート、水分散性(水溶性)カルボジイミド、水溶性エポキシ化合物、水分散性(水溶性)オキサゾリドン化合物、水溶性アジリジン系化合物などが挙げられる。
【0089】
さらに、この水系コーティング剤は、ガスバリア性や紫外線遮断包装材料としての強度を損なわない範囲内であれば、各種の添加剤が含まれていてもよい。
【0090】
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤、フィラー、界面活性剤、シランカップリング剤などが挙げられる。
【0091】
無機層状化合物を含むガスバリア層形成のための水系コーティング剤は、溶媒としては、水を主として、水に溶解あるいは均一に混合する溶媒を含んでいてもよい。
【0092】
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、セロソルブ類、カルビトール類、アセトニトリルなどのニトリル類などが挙げられる。
【0093】
このような無機層状化合物を含むガスバリア層は、高湿度雰囲気下における高いガスバリア性と、紫外線遮断包装材料として十分な密着強度(膜凝集力)を両立することができる。
【0094】
また、このような無機層状化合物を含むガスバリア層が、高湿度雰囲気下におけるガスバリア性に優れ、基材への密着性や凝集力も良好であるので、内容物の品質保持性を高め、様々な紫外線遮断包装材料として活用することができる。
【0095】
また、この水系コーティング剤は、固形分濃度が高いにも関わらず、粘度が低いので、基材などへのコーティング工程における生産性を高める効果も有する。さらに、廃棄時における有害物質の発生を少なくすることができる。
【0096】
無機層状化合物を含むガスバリア層の形成方法としては、湿式コーティング方法としてロールコート、グラビアコート、リバースコート、ダイコート、スクリーン印刷、スプレーコートなどが用いられる。
【0097】
これらの湿式コーティング方法を用いて、紫外線カット層上に、上記水系コーティング剤を塗布する。
【0098】
乾燥する方法としては、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射など、公知の乾燥方法が用いられる。
【0099】
無機層状化合物を含むガスバリア層の厚さは、求められる溶剤遮断性、すなわちガスバリア性に応じて設定されるが、0.1〜5μmであることが好ましく、0.2〜2μmであることがより好ましい。
【0100】
層厚が0.1μm未満では、十分なガスバリア性が得られ難い。一方、5μmを超えると、均一な塗膜面を設けることが難しいばかりでなく、乾燥負荷の増大、製造コストの増大につながり好ましくない。
【0101】
本実施形態の無機層状化合物を含むガスバリア層は、ガスバリア性や紫外線遮断包装材料としての強度を損なわない範囲内であれば、各種の添加剤が含まれていてもよい。
【0102】
添加剤としては、例えば、ポリイソシアネート、カルボジイミド、エポキシ化合物、オキサゾリドン化合物、アジリジン系化合物などの反応性硬化剤、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤、フィラー、界面活性剤、シランカップリング剤などが挙げられる。
【0103】
さらに、この無機層状化合物を含むガスバリア層の上に、熱融着性のヒートシール可能なシーラント層を積層することにより、熱シールによって密封可能な紫外線遮断包装材料を形成できる。
【0104】
これには、ポリウレタン系接着剤を用いて、公知のドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法などにより、ヒートシール可能なシーラント層を積層する。
【0105】
シーラント層には、熱可塑性樹脂をインフレーション成形法、Tダイ成形法などの押出成形法により得られるフィルムを用いることができ、単層あるいは多層でもよい。厚みに特に限定はないが、1μm以上の厚みであることが好ましい。また、事実上、無延伸のものが好ましい。
【0106】
熱可塑性樹脂の中でも、アルファオレフィンを含む単独または共重合体であり、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度、低密度)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸
メチル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、などのポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。
【0107】
接着剤層には、ウレタン系接着剤が好ましく用いられる。これによりラミネートさせる場合には、紫外線カット層と接着剤の濡れ性(親和性)と接着層自体の凝集力が必要となってくる。接着剤層自体の凝集力としては、ポリエステルポリオール、あるいはポリエーテルポリオールなどのポリオール系主剤に、各種ジイソシアネートの誘導体(ポリイソシアネート)からなる硬化剤を所定量配合し、水酸基等の活性水素含有基とイソシアネート基の反応によって生成するウレタン結合等の各種結合を利用した凝集力の向上が挙げられる。このことは、ウレタン結合部位の水素結合による架橋構造の形成やアッファローネなどのさらなる付加反応によって形成された架橋構造によるものである。また、紫外線カット層と接着剤の濡れ性の向上は、主にその両者の界面における水素結合により向上する。
【0108】
ウレタン系接着剤は、ポリオール系主剤に、各種ジイソシアネートの誘導体(ポリイソシアネート)からなる硬化剤を所定量配合したものを使用することが可能である。例えばジイソシアネート単量体としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート等の単体や混合物を用いることが可能である。これらの単量体をトリマー(イソシアヌレート)、ビューレット、アダクトなどの誘導体を使用することが可能である。
【0109】
ポリオール系主剤としては、分子量好ましく300〜50000の官能基数が約2〜4の化合物が挙げられ、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の二塩基酸もしくはそれらのジアルキルエステルまたはそれらの混合物に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのグリコール類もしくはこれらの混合物とを反応させてなるポリエステルポリオールや、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのオキシラン化合物をエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパンなどを開始剤として重合したポリエーテルポリオールや、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどを(メタ)アクリル酸あるいはそのエステル化物と共重合することで得られるアクリルポリオール、その他、ポリエステルアミドポリオールや上述したポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られたポリウレタンポリオールも使用可能である。
【0110】
ポリウレタン系接着剤の場合は、上記主剤と硬化剤を所定量配合することで使用することが可能であるが、必要に応じては、接着性を改善及び向上させるため、リン酸類やエポキシ化合物、アミン化合物、シランカップリング剤、カルボン酸化合物あるいはその無水物、そして硬化反応を促進させる触媒や各種安定剤、増粘剤などを添加しても構わない。
【実施例】
【0111】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0112】
(実施例1)
30μm厚の二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる基材の上に、乾燥膜厚が2μmになる様にウレタン樹脂と塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂100重量部に、チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ社製、TINUVIN384 30重量部が混合されているグラビアインキからなる紫外線カットインキをグラビア方式によるベタ印刷し、乾燥することにより紫外線カット層を形成した。
【0113】
さらにこの上に、乾燥膜厚が12μmになる様に、クラレ社製ポリビニルアルコール樹脂 ポバールPVA−124(鹸化度98〜99%、重合度2400)を用いたポリビニルアルコール溶解液をグラビア方式によるベタ印刷し、乾燥することによりガスバリア層を形成した。
【0114】
さらにこの上に、3μm厚のにドライラミネーション用2液硬化型ウレタン系接着剤(三井武田ケミカル株式会社製の主剤「タケラックA511」/硬化剤「A50」=10/1)を塗布量5g/m2塗布し、その接着剤層を介して40μm厚の直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとドライラミネーション法により積層して紫外線遮断包装材料を作成した。
【0115】
(実施例2)
まず、mXDI(メタキシリレンジイソシアネート)45.5g、水添XDI(1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン)93.9g、エチレングリコール24.8g、ジメチロールプロピオン酸13.4gおよび溶剤としてメチルエチルケトン80.2gを混合し、窒素雰囲気下、70℃にて5時間反応させ、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマー溶液を調製し、次いで、このカルボキシル基含有ウレタンプレポリマー溶液を、40℃にて、トリエチルアミン9.6gにより中和して設けたこのカルボキシル基含有ウレタンプレポリマー溶液を、ホモディスパーにより、水624.8gに分散させて、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール21.1gで鎖伸長反応を行い、メチルエチルケトンを留去することにより、固形分25質量%、平均粒径90nm、酸価26.9mgKOH/gの水分散型の酸基を有するポリウレタン樹脂を得た。
【0116】
次いで、ポリアミン化合物としてγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン(アミン価544mgKOH/g)を用い、酸基と塩基性窒素原子のモル比が1/1となる比率で混合して、水性ポリウレタン樹脂を得た。
【0117】
この水性ポリウレタン樹脂に、クラレ社製ポバールPVA−110(鹸化度98〜99%、重合度1000)と、水膨潤性合成雲母(コープケミカル社製ソマシフMEB−3)を固形分配合比率で60:10:20で水系コーティング剤を作成した。
【0118】
実施例1のガスバリア層の代わりに乾燥膜厚が12μmになる様に、この水系コーティング剤をグラビア方式によるベタ印刷し、乾燥することによりガスバリア層を形成した。
【0119】
(比較例1)
紫外線カット層を形成したのみで実施例1のガスバリア層を設けず、直接この上に、実施例1と同様の条件でに接着剤層を介して直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとドライラミネーション法により積層して紫外線遮断包装材料を作成した。
【0120】
その紫外線遮断包装材料は、図3に示す様な基材31の上に紫外線カット層32、接着剤層33、シーラント層34が積層された積層体である。
【0121】
実施例1、2および比較例1について各々のサンプルをガスクロマトグラフにて残留溶剤値を測定した。その結果を(表1)に示す。
【0122】
これにより、本願の紫外線遮断包装材料では、その製造途中において積層体とする際に
用いられるウレタン系接着剤の希釈溶剤を紫外線カット層において吸収されず、残留溶剤が少ないのに対し。比較例ではガスバリア層がないために、このウレタン系接着剤の希釈溶剤を紫外線カット層において吸収してしまい。これによりこの匂いがこの包装材料の外側に抜けず、内側にこもってしまし、この匂いが最終的にこの包装材料の内容物に移ってしまうおそれがある。
【0123】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明の紫外線遮断包装材料は、金属薄膜を含まないために金属異物検査を効率よく行え、しかも可視光透過性なので内容物検査が容易で、紫外線遮断性があるために内容物の品質保持効果がたかく、しかも製造時の臭気が内容物に転移することがないため、高品質な内容物を取り扱う紫外線遮断包装材料として有用である。
【符号の説明】
【0125】
11、21、31 基材
12、22、32 紫外線カット層
13、23 ガスバリア層
14、24、33 接着剤層
15、25、34 シーラント層
図1
図2
図3