特許第6422621号(P6422621)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6422621
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】内視鏡撮像装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20181105BHJP
   A61B 1/05 20060101ALI20181105BHJP
   G02B 7/02 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   A61B1/00 731
   A61B1/00 522
   A61B1/05
   G02B7/02 A
   G02B7/02 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-534901(P2018-534901)
(86)(22)【出願日】2018年2月28日
(86)【国際出願番号】JP2018007565
【審査請求日】2018年7月2日
(31)【優先権主張番号】特願2017-91220(P2017-91220)
(32)【優先日】2017年5月1日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】口丸 亨
【審査官】 牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−126288(JP,A)
【文献】 特開2003−204934(JP,A)
【文献】 特開2003−5313(JP,A)
【文献】 特開2000−139817(JP,A)
【文献】 特開2000−125161(JP,A)
【文献】 特開平9−127435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
G02B 23/00
G02B 27/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の対物光学系を構成する光学部材が配設される第1のレンズ室、及び該第1の対物光学系に並列に配置される第2の対物光学系を構成する光学部材が配設される第2のレンズ室を設けた対物光学系用孔を有する第1の対物レンズ枠と、
前記第1の対物レンズ枠に対して光軸方向に摺動自在に配置される、前記第2の対物光学系を構成する光学部材の一部分が配設される第2の対物レンズ枠と、
前記第2の対物レンズ枠に対して光軸方向に摺動自在に配置される、前記第1の対物光学系を通過した光学像及び前記第2の対物光学系を通過した光学像が結像する撮像面を備える撮像素子が設けられた、撮像枠と、
前記第1の対物レンズ枠の対物光学系用孔内に配設されて、前記第1のレンズ室に配設された前記第1の対物光学系の光学部材及び前記第2のレンズ室に配設された前記第2の対物光学系の光学部材を予め定めた位置に配置させる位置決め部材と、
を備えることを特徴とする内視鏡撮像装置。
【請求項2】
前記対物光学系用孔は、前記第1のレンズ室と、前記第2のレンズ室と、該第1のレンズ室と該第2のレンズ室とを繋いで該対物光学系用孔を形成する前記位置決め部材が配置される位置決め用空間である連結部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項3】
前記位置決め部材は、前記第1の対物光学系と前記第2の対物光学系との間に配置される予め定めた厚さを有する方形状の板部材、または、予め定めた径寸法の円柱状の棒部材である、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項4】
前記板部材に前記第1の対物光学系と前記第2の対物光学系とを離れる方向に押圧する弾性部を設けた、
ことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項5】
前記棒部材は、前記第1の対物光学系と前記第2の対物光学系とを離れる方向に押圧するテーパ面を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの対物光学系を並列に設けたレンズ枠を備える内視鏡撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野及び工業用分野等において、内視鏡が利用されている。内視鏡には挿入部の先端部にCCDなどの固体撮像素子を配設したいわゆる電子式の内視鏡がある。電子式の内視鏡においては、CCDの撮像面に結像された光学像を表示装置の画面上に表示して観察を行える。
【0003】
日本国特開平09−127435号公報には、2組の結像光学系を備えた構成においても小型で扱い易く、かつ良好な画像を得ることが可能な立体視内視鏡撮像装置が開示されている。この立体視内視鏡撮像装置によれば、2組の結像光学系をそれぞれD字形状となるよう周縁部の一部をカットしたことによって結像光学系の配置スペースを小さくして小型化している。また、2組の結像光学系の間を遮光板によって仕切り、さらに絞り手段を設けたことによって、左右の像の干渉防止と絞りの効果を得て、ゴースト、フレア等のない良好な画像を得られる。
【0004】
そして、上述した立体視内視鏡撮像装置において、結像光学系の一部を保持するレンズ枠は、上下に分割されていて個々に光軸方向に移動可能で、それぞれの光学系毎にピント調整をした後、固定することが可能であった。
しかしながら、前述した立体視内視鏡撮像装置においては、結像光学系の間を仕切る遮光板を配置した状態で、結像光学系をそれぞれ保持する分割されたレンズ枠を個々に光軸方向に移動させてピント調整を行う。このため、レンズ枠を光軸方向に移動させる際に遮光板を変形させるおそれ、あるいは、遮光板によってスムーズな移動が妨げられるおそれ等があり、高精度なピント調整が難しかった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、並列に設けられた対物光学系を構成する隣設するレンズ同士の接触、レンズの偏心の発生を防止しつつ対物光学系の光軸間隔を精度良く設定すること、および、ピント調整を容易かつ高精度に行える内視鏡撮像装置を提供することを目的にしている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の内視鏡撮像装置は、第1の対物光学系を構成する光学部材が配設される第1のレンズ室、及び該第1の対物光学系に並列に配置される第2の対物光学系を構成する光学部材が配設される第2のレンズ室を設けた対物光学系用孔を有する第1の対物レンズ枠と、前記第1の対物レンズ枠に対して光軸方向に摺動自在に配置される、前記第2の対物光学系を構成する光学部材の一部分が配設される第2の対物レンズ枠と、前記第2の対物レンズ枠に対して光軸方向に摺動自在に配置される、前記第1の対物光学系を通過した光学像及び前記第2の対物光学系を通過した光学像が結像する撮像面を備える撮像素子が設けられた、撮像枠と、前記第1の対物レンズ枠の対物光学系用孔内に配設されて、前記第1のレンズ室に配設された第1の対物光学系の光学部材及び前記第2のレンズ室に配設された第2の対物光学系の光学部材を予め定めた位置に配置させる位置決め部材と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】内視鏡撮像装置を説明する図
図2】内視鏡撮像装置を説明する長手方向断面図
図3図2のY3−Y3線断面図であって、対物光学系用孔及び孔内に配置される位置決め部材を説明する図
図4A】位置決め部材の変形例の一例である、弾性部を有するスペーサを説明する図
図4B】弾性部を有するスペーサの構成の変形例を説明する図
図4C図4Bに示したスペーサを重ねて中継孔内に配設した状態を示す図
図5A】位置決め部材の変形例の一例である、中継孔内に配設される棒部材を説明する図
図5B】棒部材の形状を説明する図
図5C】テーパ面を有する棒部材の作用を説明する図
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
なお、以下の説明に用いる各図において、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものもある。即ち、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0009】
図1に示す内視鏡撮像装置は、立体視内視鏡撮像装置9であって、第1の対物レンズ枠1と、第2の対物レンズ枠2と、撮像枠3と、先端レンズ枠4と、を主に備えている。先端レンズ枠4は、立体視内視鏡撮像装置9の先端を構成し、先端レンズ4Lが設けられている。
【0010】
図2に示すように第2の対物レンズ枠2は、矢印Y2aに示すように第1の対物レンズ枠1に対して光軸方向に摺動自在に配置される。撮像枠3は、矢印Y2bに示すように第2の対物レンズ枠2に対して光軸方向に摺動自在に配置される。
【0011】
撮像枠3には撮像素子31、カバーレンズ32a、32b等が固設されている。第2の対物レンズ枠2には第2の対物光学系20の光学部材の一部分を構成する複数の光学レンズ22、23が設けられている。第1の対物レンズ枠1には第1の対物光学系10と第2の対物光学系20とが設けられている。
【0012】
第1の対物光学系10は、光学部材である、複数の光学レンズ11、12、13を備えて構成されている。第2の対物光学系20は、複数の光学レンズ22、23以外の光学部材である複数の光学レンズ21を備えて構成されている。
【0013】
第1の対物光学系10を構成する光学部材と第2の対物光学系20を構成する光学部材とは同部材である。したがって、第1の対物光学系10の複数の光学レンズ11及び光学レンズ12、13と、第2の対物光学系20の複数の光学レンズ21及び光学レンズ22、23とは略同様の光学レンズである。
【0014】
そして、第1の対物光学系10を通過した光学像及び第2の対物光学系20を通過した光学像は、撮像素子31の撮像面31fに結像するようになっている。
【0015】
図2図3に示すように第1の対物レンズ枠1には、長手軸a9に沿って貫通孔5が形成されている。貫通孔5は、対物光学系用孔であって亜鈴形状である。したがって、貫通孔5は、略円形形状で並列された第1の配設孔5a及び第2の配設孔5bと、中継孔5cと、を有している。中継孔5cは、第1の配設孔5aと第2の配設孔5bとを繋いで1つの貫通孔5にする連結部である。
【0016】
第1の配設孔5aは、第1の対物光学系10を構成する複数の光学レンズ11、12、13が配設される第1のレンズ室である。第2の配設孔5bは、第2の対物光学系20を構成する複数の光学レンズ21が配設される第2のレンズ室である。中継孔5cは、位置決め部材であるスペーサ6が配設される位置決め用空間である。
【0017】
スペーサ6は、硬質部材であって方形状な板部材として形成されている。スペーサ6は、予め定めた厚さに設定されている。なお、スペーサ6は、遮光部材、あるいは、反射防止部材を兼用している。
【0018】
符号5dは保持面である。保持面5dは、第1の配設孔5a及び第2の配設孔5bにそれぞれ設けられている。具体的に保持面5dは、第1の配設孔5aの軸a5aを挟んで中継孔5cの反対側に位置する孔内周面、第2の配設孔5bの軸a5bを挟んで中継孔5cの反対側に位置する孔内周面である。
【0019】
このように構成された第1の対物レンズ枠1によれば、作業者によって、複数の光学レンズ11、12、13が第1の配設孔5aに配設され、複数の光学レンズ21が第2の配設孔5bに配設される。
【0020】
この配設状態において、作業者は、スペーサ6を中継孔5c内において隣設する光学レンズ11と光学レンズ21との間の隙間Sに配設する。
すると、第1の配設孔5aに配設された複数の光学レンズ11、12、13がスペーサ6によって該配設孔5aの保持面5d方向に寄せられる。一方、第2の配設孔5bに配設された複数の光学レンズ21がスペーサ6によって該配設孔5bの保持面5d方向に寄せられる。
そして、接着剤(不図示)を第1の対物レンズ枠1の内周面と該レンズ枠1の最先端に位置する光学レンズ11、21の外周面との間に塗布して固定する。このことによって、2つの対物光学系10、20を設けた第1の対物レンズ枠1を得られる。
【0021】
この結果、スペーサ6によって隣設する対物光学系を構成する光学レンズ同士を含む光学部材同士の接触を確実に防止できる。また、スペーサ6によって隣設する配設孔5a、5bに配設された光学部材が保持面5d方向に寄せられて予め定めた位置に位置決めされて、第1の対物光学系10の光軸と第2の対物光学系20の光軸との間隔が高精度になるとともに、嵌合ガタが減少されて偏心の発生を抑えることができる。また、隙間Sにスペーサ6が配設されているので第1の対物レンズ枠1と光学レンズ11の外周面との間に塗布した接着剤が隙間Sを介して後方側に流れ出して後段に位置する光学レンズ11、21の有効径内へ付着することを防止できる。
これらのことによって、第1の対物レンズ枠1内に第1の対物光学系10と第2の対物光学系20とを高精度に並設させて光学特性の向上を図ることができる。
【0022】
また、隙間Sにスペーサ6を配設したことによって、隣設する孔内に配設された光学部材同士が接触する不具合の解消、及び一方の対物光学系を通過する光線が他方の対物光学系に入り込む不具合の解消を図ることができる。
なお、スペーサ6は、硬質部材に限定されるものでは無く、体積変化するシリコン、ゴム等の素材で形成するようにしてもよい。
【0023】
上述のように構成された、2つの対物光学系10、20を設けた第1の対物レンズ枠1と、第2対物光学系20の光学レンズ22、23を設けた第2の対物レンズ枠2と、撮像素子31等を配設した撮像枠3とは、作業者によって組み付けられて立体視内視鏡撮像装置9として構成される。
【0024】
この際、作業者によって、第1の対物レンズ枠1と第2の対物レンズ枠2と撮像枠3とはそれぞれ図示されていない第1の治具、第2の治具、第3の治具に取り付けられてピント調整が行われる。このとき、第1の対物レンズ枠1は第1治具に取り付けられ、第2の対物レンズ枠2は第2治具に取り付けられ、撮像枠3は第3治具に取り付けられる。
【0025】
この取付状態において、作業者は、まず、第1の対物光学系10を通過した光学像が撮像素子31の撮像面31fに結像するようにピント調整を行う。その際、作業者は、第2の治具の位置を固定して第1の治具を光軸方向に移動させる位置調整、または、第3の治具を光軸方向に移動させる位置調整、あるいは、第1の治具及び第3の治具を光軸方向に移動させる位置調整を行ってピントの調整を行う。
【0026】
次に、作業者は、第2の対物光学系20を通過した光学像が撮像素子31の撮像面31fに結像するようにピント調整を行う。その際、作業者は、上述の調整に使用した第1の治具の位置及び第3の治具の位置を固定して第2の治具を光軸方向に移動させる位置調整を行ってピントの調整を行う。
【0027】
この結果、第1の対物光学系10を通過した光学像を撮像素子31の撮像面31fに結像させるピント調整及び第2の対物光学系20を通過した光学像を撮像素子31の撮像面31fに結像させるピント調整、を枠1、2、3を光軸方向に移動させる位置調整によって行うことができる。
【0028】
このように、中継孔5c内において隣設する光学レンズ11と光学レンズ21との間の隙間Sにスペーサ6を設けることによって、第1の配設孔5a内に配設した第1の対物光学系10の光軸と第2の配設孔5b内に配設した第2の対物光学系20の光軸との間隔を高精度にし、且つ、第1の配設孔5a内に配設された複数の光学部材の嵌合ガタ及び第2の配設孔5b内に配設された複数の光学部材の嵌合ガタを減少させた第1の対物レンズ枠1を得る。その上で、この第1の対物レンズ枠1と、第2対物光学系20の光学レンズ22、23を設けた第2の対物レンズ枠2と、撮像素子31等を配設した撮像枠3と、を組み付け、枠1、2、3をそれぞれ光軸方向に移動させてピントの調整を行って立体視内視鏡撮像装置9を構成する。
この結果、所望する光学性能を確保した立体視内視鏡撮像装置9を得ることができる。
【0029】
なお、上述した実施形態において、位置決め部材であるスペーサ6を方形状な板部材としている。しかし、位置決め部材は、スペーサ6に限定されるものでは無く、図4A図4Cに示すように弾性部を有する板部材、あるいは、図5A図5Cに示すような棒部材であってもよい。
【0030】
図4A図4Cを参照して位置決め部材の変形例の一例を説明する。
図4Aに示すよう位置決め部材は、弾性部6eを有するスペーサ6Aである。スペーサ6Aの厚さはスペーサ6と同じである。スペーサ6Aには複数の光学レンズ11、21のうち予め定めた光学レンズに当接する弾性部6eが設けられている。
【0031】
弾性部6eは、硬質な板部材を折り曲げ形成して形作られており、一面6b側に2つの当接面部6cが突出して、他面6d側に1つの当接面部6cが突出している。
【0032】
スペーサ6Aは、スペーサ6と同様に中継孔5c内において隣設する光学レンズ11と光学レンズ21との間の隙間Sに配設される。スペーサ6Aを中継孔5c内に配設していくとき、当接面部6cが光学レンズ11、21に接触して弾性変形されて板状になる。
【0033】
スペーサ6Aが隙間S内に配設された状態において、第1の配設孔5aに配設された複数の光学レンズ11のうちのいずれか及び第2の配設孔5bに配設された複数の光学レンズ21のうちのいずれかは、弾性部6eからの弾性力によってレンズが互いに離れる方向に常時押圧される。すなわち、押圧されたレンズは、それぞれ反対方向に位置する保持面5dに押圧される。
【0034】
この構成によれば、配設孔5a、5bに配設された複数の光学レンズ11、21のうちのいずれかが、スペーサ6Aの弾性部6eからの弾性力によって保持面5dに押圧される。この結果、嵌合ガタが減少されて偏心の発生をより効果的に抑えることができる。
【0035】
なお、図4Bに示すように光学レンズ11、21等にカット面cを設けて光学レンズ11、21をD字形状にして小型化を図る場合、図4Cに示すスペーサ6Bを中継孔5c内に2枚配設するようにしてもよい。
【0036】
図4Cに示すスペーサ6Bは、複数の弾性部6e(本図においては3つ)を備えている。複数の弾性部6eは、複数の光学レンズ11、12の数に合わせて設けてある。そして、スペーサ6Bの各弾性部6eは各レンズ11、21に形成されているカット面c上に設置されるようになっている。
【0037】
なお、本実施形態の弾性部6eも硬質な板部材を折り曲げ形成して形作られている。しかし、本実施形態において当接面部6cは、一面6b側に全て突出し、他面6d側は平面である。そして、他面6dは合わせ面であって、2つのスペーサ6Bは、他面6dを合わせた状態で中継孔5c内に配設される。
【0038】
この構成によれば、配設孔5a、5bに配設された複数の光学レンズ11、21は、各スペーサ6Bの弾性部6eからの弾性力によって互いに離れる方向に押圧されて保持面5d方向に移動される。
【0039】
この結果、スペーサ6Bの弾性部6eからの弾性力によって、隣設する配設孔5a、5bにそれぞれ配設された光学レンズ11、21が保持面5d方向に常時押圧されて、光軸間隔が高精度に保持されるとともに、嵌合ガタが大幅に減少されて偏心の発生をより効果的に抑えることができる。
【0040】
したがって、第1の対物レンズ枠1内に第1の対物光学系10と第2の対物光学系20とを高精度に並設させて光学特性の向上を図ることができる。
【0041】
図5A図5Cを参照して位置決め部材の変形例の一例を説明する。
図5Aに示す位置決め部材は、予め定め径寸法の棒部材6Rである。棒部材6Rは、中継孔5cを構成する一辺5caとレンズ11、21の外周面とで構成される第1ロッド用空間Sr1内及び一辺5cbとレンズ11、21の外周面とで構成される第2ロッド用空間Sr2内に配置される。すなわち、2つの棒部材6Rがそれぞれ第1ロッド用空間Sr1と、第2ロッド用空間Sr2に配置される。そして、棒部材6Rは、図5Bに示すようにストレート形状である。
【0042】
本実施形態によれば、第1ロッド用空間Sr1内に棒部材6Rを配置し、第2ロッド用空間Sr2に棒部材6Rを配置することによって、配設孔5a、5bに配設された複数の光学レンズ11、21は、2つの棒部材6Rによって保持面5d方向に寄せられる。
【0043】
この結果、第1の対物光学系10の光軸と第2の対物光学系20の光軸との間隔が高精度になるとともに、嵌合ガタが減少されて偏心の発生を抑えて、第1の対物レンズ枠1内に第1の対物光学系10と第2の対物光学系20とを高精度に並設されせ光学特性の向上を図ることができる。
【0044】
なお、棒部材6Rは、硬質な素材、あるいは体積変化する素材で形成されている。
【0045】
なお、図5Cに示すようにロッド用空間Sr1、Sr2を構成する光学レンズ11の外周面及び光学レンズ21の外周面と、中継孔5cを構成する辺5ca、5cbと、に予め定め他角度の傾斜面5sをそれぞれ設ける一方、棒部材6Rの端部に傾斜面の角度に対応するテーパ面6tを設ける。
【0046】
この構成によれば、第1ロッド用空間Sr1内に棒部材6Rを配置する際、あるいは、第2ロッド用空間Sr2に棒部材6Rを配置する際、テーパ面6tが傾斜面5sに押し当たって配置位置が規定される。また、テーパ面6tが傾斜面5sに当接させて押圧することによって、テーパ面6tによって光学レンズ11、21が離れる方向に押圧される。
【0047】
これらのことによって、第1の対物レンズ枠1内に第1の対物光学系10と第2の対物光学系20とを高精度に並設させて光学特性の向上を図ることができるとともに、棒部材6Rがロッド用空間Sr1、Sr2内に所定の状態で配置されたことを押し当たることによって判断して作業性の向上を図ることができる。
【0048】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0049】
本出願は、2017年5月1日に日本国に出願された特願2017−91220号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。
【要約】
立体視内視鏡撮像装置9は、第1の対物光学系10が配設される第1の配設孔5a及び第1の対物光学系10に並列に配置される第2の対物光学系20が配設される第2の配設孔5bを設けた貫通孔5を有する第1の対物レンズ枠1と、第1の対物レンズ枠1に摺動自在に配置される、第2の対物光学系20の一部分が配設される第2の対物レンズ枠2と、第2の対物レンズ枠2に摺動自在に配置される撮像素子31が設けられた撮像枠3と、第1の対物レンズ枠1の貫通孔5内に配設されて、第1の対物光学系10の光学部材及び第2の対物光学系20の光学部材を予め定めた位置に配置させるスペーサ6と、を備えている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C