特許第6423266号(P6423266)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6423266
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】不正開封防止機能付き箱型容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20181105BHJP
【FI】
   B65D77/20 B
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-262928(P2014-262928)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-120962(P2016-120962A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2017年7月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】早川 茂
(72)【発明者】
【氏名】太田 淳士
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−240699(JP,A)
【文献】 特開2005−335803(JP,A)
【文献】 特開2006−213361(JP,A)
【文献】 特開2007−284090(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3108990(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する有底筒状の容器本体と、
前記容器本体の上端開口部に離脱自在に外嵌された装着筒を有する蓋体と、
を備える箱型容器であって、
前記容器本体には、前記装着筒を径方向外側から囲繞する囲繞筒が配設され、
前記囲繞筒が、前記容器本体に固着された固着帯部と、前記固着帯部の両周方向端部同士の間に介装された可動帯部と、を備え、
前記可動帯部のうち、周方向の一端部が前記固着帯部に固着され、周方向の他端部が、前記固着帯部に破断可能な弱化部を介して連結され、
前記可動帯部が、周方向の一端部回りに径方向外側に向けて回動自在に形成され、
前記固着帯部には、前記可動帯部が径方向外側に向けて回動されて前記可動帯部の外周面が前記固着帯部の外周面に重ね合わされたときに、前記可動帯部に形成された係止部と係止する被係止部が形成されていることを特徴とする箱型容器。
【請求項2】
前記可動帯部の内周面には、複数の縦溝が周方向に間隔をあけて形成されると共に前記可動帯部の外周面が、平滑面であることを特徴とする請求項1に記載の箱型容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正開封防止機能付き箱型容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内容物を収容する有底筒状の容器本体と、屈曲部を介して容器本体に連結された蓋体と、を備える箱型容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような箱型容器では、蓋体を屈曲部回りで回動させることによって容器本体を開閉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平03−017056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような箱型容器では、一般的に、蓋体及び容器本体に対して一体にラベルを貼着したり蓋体及び容器本体をフィルムで被覆したりすることによって、不正開封防止を図っている。しかしながら、この場合、内容物の使用に先立って、ラベルやフィルムを除去して廃棄する必要があった。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、開封時に廃棄物を発生させることのない不正開封防止機能を付与した箱型容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明の箱型容器は、内容物を収容する有底筒状の容器本体と、前記容器本体の上端開口部に離脱自在に外嵌された装着筒を有する蓋体と、を備える箱型容器であって、前記容器本体には、前記装着筒を径方向外側から囲繞する囲繞筒が配設され、前記囲繞筒が、前記容器本体に固着された固着帯部と、前記固着帯部の両周方向端部同士の間に介装された可動帯部と、を備え、前記可動帯部のうち、周方向の一端部が前記固着帯部に固着され、周方向の他端部が、前記固着帯部に破断可能な弱化部を介して連結され、前記可動帯部が、周方向の一端部回りに径方向外側に向けて回動自在に形成され、前記固着帯部には、前記可動帯部が径方向外側に向けて回動されて前記可動帯部の外周面が前記固着帯部の外周面に重ね合わされたときに、前記可動帯部に形成された係止部と係止する被係止部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、弱化部を破断する前は、囲繞筒が蓋体の装着筒を径方向外側から囲繞しているため、蓋体を容器本体から取り外されることを防止する。そして、固着帯部との間の弱化部を破断して可動帯部をその一端部回りで回動させると、装着筒のうち可動帯部で覆われていた部分が露呈されるため、この部分を操作することによって、蓋体を容器本体から取り外し可能となる。このとき、可動帯部をその一端部回りに回動させて係止部を被係止部に係止させているため、可動帯部が容器本体からは取り外されない。これにより、開封時に廃棄物を発生させることなく箱型容器に不正開封防止機能を付与できる。
【0008】
また、本発明の箱型容器では、前記可動帯部の内周面には、複数の縦溝が周方向に間隔をあけて形成されると共に前記可動帯部の外周面が、平滑面であってもよい。
この場合では、縦溝を形成することによって、可動帯部をその一端部回りで回動させたときに、固着帯部に沿うように可動帯部を変形しやすくなるので、係止部を被係止部により容易に係止させることができる。また、可動帯部の外周面が平滑面とされているので、可動帯部の外観を維持できる。
【発明の効果】
【0009】
この発明にかかる箱型容器によれば、開封前は囲繞筒によって蓋体が容器本体から取り外されることを規制し、また、固着帯部との間の弱化部を破断して可動帯部を回動させ、係止部を被係止部に係止させた後では蓋体を容器本体から取り外し可能となると共に可動帯部が容器本体から取り外されないので、開封時に廃棄物を発生させることなく箱型容器に不正開封防止機能を付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態にかかる箱型容器を示す部分断面図である。
図2図1の箱型容器を示す上面図である。
図3図1の囲繞筒を示す部分拡大図である。
図4図1のA−A矢視断面図である。
図5図1のB−B矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明における一実施形態にかかる箱型容器を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0012】
本発明にかかる箱型容器1は、図1から図3に示すように、内容物を収容する有底楕円筒状の容器本体2と、容器本体2の上端開口部2Aに装着された有頂楕円筒状の蓋体3と、を備える。
容器本体2及び蓋体3は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置する状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oと称し、図1において容器軸Oに沿って容器本体2の底部から上端開口部2Aに向かう方向を上方、その逆方向を下方とする。また、容器軸Oから見た平面視で容器軸Oに直交する方向を径方向、容器軸O回りで周回する方向を周方向と称する。
【0013】
容器本体2は、図1に示すように、楕円状の底部(図示略)と、この底部の外周縁から上方に延設された楕円筒状の胴部11と、を備える。
胴部11の上端部には、胴部11の上端部を径方向外側から囲繞する楕円筒状の被装着筒12と、被装着筒12を径方向外側から囲繞する楕円筒状の囲繞筒13と、が設けられている。
被装着筒12及び囲繞筒13それぞれの下端は、胴部11の上端よりも下側に位置し、被装着筒12及び囲繞筒13それぞれの上端は、胴部11の上端よりも上側に位置している。
被装着筒12の上下方向の中央部は、胴部11の上端から全周にわたって径方向外側に延在する平面視で楕円環状の環状接続部14によって胴部11の上端に接続されている。
【0014】
囲繞筒13は、図1から図3に示すように、周方向に沿って延在する帯状の固着帯部15及び可動帯部16を有する。
固着帯部15の下端は、図1図3及び図4に示すように、周方向の全長にわたって、帯接続部17を介して被装着筒12の下端に連結されている。
【0015】
可動帯部16は、図1から図3に示すように、固着帯部15の周方向両端部同士の間に介装されており、可動帯部16の下端は、図1図3及び図5に示すように、周方向の全長にわたって、破断可能な弱化接続部18を介して被装着筒12の下端に接続されている。弱化接続部18は、図5に示すように、帯接続部17よりも上下方向の厚さを薄くすることによって形成されている。また、図1から図3に示すように、可動帯部16の周方向の一端部は、固着帯部15の一端部に固着されており、可動帯部16は、薄肉とされることによって、この一端部回りに径方向外側に向けて回動自在に形成されている。
可動帯部16の周方向の他端部は、破断可能な弱化連結部(弱化部)19を介して可動帯部16の他端部に連結されている。また、可動帯部16のこの他端部には、係止突出部(係止部)16Aが径方向外側に向けて突設されている。この係止突出部16Aは、固着帯部15において可動帯部16を回動させて固着帯部15の外周面に重ね合わされたときに係止突出部16Aに対応する位置に形成された係止孔部(被係止部)15Aと係止する。また、可動帯部16のこの他端部には、上方に向けて操作突出部16Bが延設されている。
さらに、可動帯部16の内周面には、複数の縦溝16Cが周方向に間隔をあけて形成されている。なお、可動帯部16の外周面は、平滑面とされている。
【0016】
蓋体3は、平面視で楕円状の天壁部21と、天壁部21の外周縁から下方に向けて延設された楕円筒状の側壁部22と、を有する。
側壁部22の下端部には、図1図2図4及び図5に示すように、側壁部22の下端部22Aを径方向外側から囲繞する楕円筒状の装着筒23が配設されている。装着筒23の上端は、側壁部22の上下方向の中央部から全周にわたって径方向外側に延在する平面視で楕円環状の環状フランジ部24によって側壁部22の上下方向の中央部に接続されている。また、装着筒23の下端には、全周にわたって環状突出部23Aが径方向外側に向けて突設されている。環状突出部23Aの外周縁は、囲繞筒13の上下方向の中央部において囲繞筒13の内周面に当接している。さらに、装着筒23は、被装着筒12とアンダーカット嵌合している。そして、装着筒23は、側壁部22の下端部22Aと共に被装着筒12の上端部を径方向で挟み込んでおり、高い密封性を付与して内容物が乾燥することなどを防止している。
【0017】
次に、以上のような構成の箱型容器1の使用方法について説明する。
まず、箱型容器1の例えば流通時や陳列時では、囲繞筒13が蓋体3の装着筒23を径方向外側から全周にわたって囲繞し、装着筒23の環状突出部23Aの外周縁が囲繞筒13の内周面に当接していると共に装着筒23が被装着筒12とアンダーカット嵌合している。蓋体3を容器本体2から取り外すためには蓋体3の装着筒23を径方向外側に弾性変形させて被装着筒12とのアンダーカット嵌合を解除する必要があるが、装着筒23の環状突出部23Aの外周縁が囲繞筒12の内周面に当接しているので、装着筒23の径方向外側への弾性変形が規制される。そのため、容器本体2から蓋体3を容易には取り外しにくくなっている。
【0018】
続いて、箱型容器1の容器本体2から蓋体3を取り外す際には、まず、可動帯部16の周方向の他端部を摘まんで引き上げるなどして固着帯部15との間の弱化連結部19を破断する。そして、可動帯部16を周方向の一端部に向けて周方向で引っ張っていく。これにより、可動帯部16の下端と容器本体2の被装着筒12の下端との間の弱化接続部18を周方向に沿って順次破断する。弱化接続部18の破断後、可動帯部16を周方向の一端部回りで径方向外側へ回動させ、可動帯部16の他端部に形成されている係止孔部15Aを固着帯部15に形成されている係止突出部16Aに係止させる。このとき、可動帯部16の内周面に縦溝16Cが形成されているので、可動帯部16は、その一端部回りで折り返して反転させたときに、固着帯部15に沿うように容易に配置される。
これにより、蓋体3の装着筒23のうち可動帯部16を折り返すことによって露出した部分は、囲繞筒13による規制から解除され、径方向外側に弾性変形可能となる。そして、この部分に指をかけるなどして、蓋体3を容器本体2から取り外す。その後、適宜内容物を取り出す。
【0019】
以上のような構成の箱型容器1によれば、流通時や陳列時などでは、囲繞筒13が蓋体3の装着筒23を径方向外側から囲繞することによって蓋体3を容器本体2から取り外すことが規制されており、また、蓋体3を容器本体2から取り外す際には、可動帯部16を破断してその一端部回りで折り返すように回動させた後に係止孔部15Aを係止突出部16Aに係止し、可動帯部16を容器本体2から取り外さないので、開封時に廃棄物を発生させることなく箱型容器1に不正開封防止機能を付与できる。
さらに、可動帯部16の内周面に縦溝16Cが形成されているので、可動帯部16をその一端部回りで折り返したときに可動帯部16を固着帯部15に沿って容易に配設でき、係止孔部15Aと係止突出部16Aとを容易に係止させることができる。ここで、可動帯部16の外周面が平滑面とされているので、蓋体3を容器本体2から取外し可能とする前の可動帯部16の外観を維持できる。
【0020】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、係止部を係止孔部とし、被係止部を係止突出部としているが、係止部を係止突出部とし、被係止部を係止孔部とするなど、係止部及び被係止部の構造を適宜変更してもよい。また、係止部及び被係止部それぞれを複数設けてもよい。
可動帯部の内周面に縦溝を形成すると共に外周面を平滑面としているが、係止突出部と係止孔部とを係止させることができれば、例えば可動帯部の外周面に縦溝を形成してもよく、可動帯部の形状を別の形状としてもよい。
可動帯部は、周方向の他端部回りに回動されて固着帯部に沿うように折り返されているが、係止突出部と係止孔部とを係止させることができれば、必ずしも固着帯部の沿うように折り返される必要はない。
弱化連結部及び弱化接続部は、薄肉とすることによって破断可能とされているが、例えば破断可能なブリッジなど、他の構成により形成されてもよい。
可動帯部の下端は、弱化接続部を介して被装着筒の下端に接続されているが、囲繞筒が装着筒を径方向外側から囲むように配設されていれば、弱化接続部が設けられていなくてもよい。
可動帯部は、囲繞筒の複数個所に設けられてもよい。
装着筒の下端には環状突出部が形成されており、環状突出部の外周縁が囲繞筒の内周面に当接しているが、囲繞筒の内周面に当接していなくてもよい。
容器本体、蓋体、装着筒及び囲繞筒は、楕円筒状をなしているが、四角状など他の形状をなしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
この発明によれば、開封時に廃棄物を発生させることのない不正開封防止機能を付与した箱型容器に関して、産業上の利用可能性が認められる。
【符号の説明】
【0022】
1 箱型容器、2 容器本体、2A 上端開口部、3 蓋体、13 囲繞筒、15 固着帯部、15A 係止孔部(被係止部)、16 可動帯部、16A 係止突出部(係止部)、16C 縦溝、19 弱化連結部(弱化部)、23 装着筒、O 容器軸
図1
図2
図3
図4
図5