特許第6424169号(P6424169)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6424169熱シールのための可撓性フィルム組成物、およびそれを有する容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6424169
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】熱シールのための可撓性フィルム組成物、およびそれを有する容器
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/32 20060101AFI20181105BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   B32B27/32 E
   B65D65/40 D
   B32B27/32 C
   B32B27/32 D
【請求項の数】18
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-549690(P2015-549690)
(86)(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公表番号】特表2016-506324(P2016-506324A)
(43)【公表日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】US2013076488
(87)【国際公開番号】WO2014100386
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年12月15日
(31)【優先権主張番号】61/739,286
(32)【優先日】2012年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US13/72026
(32)【優先日】2013年11月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】クラウディア・ヘルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・シー・マッツォーラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ・ジェイ・アイ・ヴァン・ダン
(72)【発明者】
【氏名】カート・ブラナー
(72)【発明者】
【氏名】マリア・イザベル・アロヨ・ヴィラン
【審査官】 伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−511367(JP,A)
【文献】 特開2005−168810(JP,A)
【文献】 特開2009−078520(JP,A)
【文献】 特開平10−035694(JP,A)
【文献】 特開2012−045884(JP,A)
【文献】 特開2003−103727(JP,A)
【文献】 特開昭55−019522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00− 43/00
C08K 3/00− 13/08
C08L 1/00−101/14
B65D 30/00− 33/38,
67/00− 79/02,
81/18− 81/30,
81/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱シール可能な可撓性フィルム構造物であって、
層(A)であって、プロピレン/エチレンコポリマーを含む、前記層(A)の35〜80重量パーセントのプロピレン系プラストマーまたはエラストマー(「PBPE」)と、0.915g/cm3〜0.935g/cm3の範囲内の密度を有する、前記層(A)の20〜65重量パーセントの低密度ポリエチレンとを含む前記層(A)と、
前記層(A)に隣接する層(B)であって、(i)エチレンおよび3〜10個の炭素原子を有する1つ以上のα−オレフィンに由来する単位を含む、チーグラー−ナッタ触媒エチレンコポリマー、(ii)エチレンおよび3〜10個の炭素原子を有する1つ以上のα−オレフィンに由来する単位を含む、メタロセン触媒エチレンコポリマー、(iii)チーグラー−ナッタ触媒エチレンホモポリマー、(iv)メタロセン触媒エチレンホモポリマー、(v)低密度ポリエチレン、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリオレフィン系ポリマーを含む、前記層(B)と、
140℃を超える融点を有する材料を含む最外層(C)と、
前記層(B)と前記最外層(C)との間に配設された内層(D)であって、前記内層(D)は、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンビニルアルコールコポリマー、無水マレイン酸修飾ポリエチレン、ポリアミド、環状オレフィンコポリマー、エチレン酢酸ビニル、プロピレンホモポリマー、塩化ビニリデンポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む、前記内層(D)と
を含む、前記熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項2】
前記層(A)中の前記低密度ポリエチレンが、高圧オートクレーブ重合プロセス、高圧管状重合プロセス、またはこれらの組み合わせを使用して生成される、請求項1に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項3】
前記フィルム構造物が、(i)2つの(A)層が互いに接触し、かつ第1の範囲のシール温度に曝露される際に硬質シールを形成し、(ii)2つの(A)層が互いに接触し、かつ第2の範囲のシール温度に曝露される際に脆質シールを形成し、前記第2の範囲が前記第1の範囲よりも低い、請求項1に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項4】
前記第2の範囲のシール温度の上限と前記第2の範囲のシール温度の下限との間の差が、少なくとも30℃である、請求項3に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項5】
記層(A)が、30ミクロン未満の厚さを有する、請求項1に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項6】
前記層(A)が、50重量%〜80重量%の前記プロピレン/エチレンコポリマーと、50重量%〜20重量%の前記低密度ポリエチレンとを含む、請求項1に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項7】
前記層(B)が、0.940g/cm3〜0.965g/cm3の密度と、5.0g/10分未満のメルトインデックスとを有する高密度ポリエチレンを含む、請求項1に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項8】
前記最外層(C)の材料が、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリアミド、プロピレンホモポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料である、請求項1に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項9】
前記内層(D)が、0.940g/cm3〜0.965g/cm3の密度と、5.0g/10分未満のメルトインデックスと、を有する高密度ポリエチレンを含む、請求項に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項10】
前記層(A)が、70重量%〜80重量%の前記プロピレン/エチレンコポリマーと、30重量%〜20重量%の前記低密度ポリエチレンとを含
前記層(B)の前記ポリオレフィン系ポリマーが、高密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリエチレンまたはこれらの組み合わせからなる群から選択されるエチレン系ポリマーであり、
前記最外層(C)の材料が、ポリ(エチレンテレフタレート)である、請求項1に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項11】
前記フィルム構造物が、鋳造押出プロセス、または吹込フィルム押出プロセスによって加工される、請求項1に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項12】
前記層(A)、層(B)、層(C)、及び層(D)のうちの1つ以上が発泡性である、請求項1に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
【請求項13】
請求項1に記載の前記熱シール可能な可撓性フィルム構造物を備える可撓性容器。
【請求項14】
可撓性容器であって、
第1のフィルムおよび第2のフィルムを備え、各フィルムが、
シール層(A)であって、前記シール層(A)の35〜80重量パーセントのプロピレン系プラストマーまたはエラストマー(「PBPE」)と、0.915g/cm3〜0.935g/cm3の範囲内の密度を有する、前記層(A)の20〜65重量パーセントの低密度ポリエチレンとを含む前記シール層(A)と、
前記シール層(A)に隣接する基層(B)であって、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるエチレン系ポリマーを含む前記基層(B)と、
140℃を超える融点を有する材料を含む最外層(C)と、
前記基層(B)と前記最外層(C)との間に配設された内層(D)であって、前記内層(D)は、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンビニルアルコールコポリマー、無水マレイン酸修飾ポリエチレン、ポリアミド、環状オレフィンコポリマー、エチレン酢酸ビニル、プロピレンホモポリマー、塩化ビニリデンポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む、前記内層(D)と
を含む熱シール可能な可撓性フィルム構造物を含み、
前記フィルムが、各フィルムの前記シール層(A)が互いに接触し、かつ前記第2のフィルムが前記第1のフィルム上に重ね合わせられて、共通の周辺縁部を形成するように配置され、
熱シールが、前記共通の周辺縁部のうちの少なくとも一部分に沿って位置付けられる、前記可撓性容器。
【請求項15】
前記容器が、硬質シールおよび脆質シールを備える、請求項14に記載の可撓性容器。
【請求項16】
硬質シールが少なくとも1つの周辺縁部に沿って位置付けられ、脆質シールが前記周辺縁部以外の領域内に位置付けられる、請求項14に記載の可撓性容器。
【請求項17】
前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムが、単一可撓性シートの構成要素であり、前記単一可撓性シートが折り畳まれて前記第2のフィルムを前記第1のフィルム上に重ね合わせる、請求項14に記載の可撓性容器。
【請求項18】
前記周辺熱シールが容器内部を画定し、前記可撓性容器が、前記容器内部を横断し、かつ2つの区画を画定する脆質シールを更に備える、請求項14に記載の可撓性容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、脆質シールおよび硬質シールを有する可撓性容器の生成のための熱シール可能なフィルム構造物を対象とする。
【背景技術】
【0002】
脆質シールを有する可撓性容器の生成のための熱シール可能なフィルムが既知である。脆質シールを有する可撓性容器は、品物の一時的な貯蔵容器として実用性を見いだす。脆質シールは、可撓性容器の内容物を放出または混合するために手動で(手によって)開けられ得る。
【0003】
当該技術分野は、可撓性容器の多方面の使用のための改良された熱シール可能なフィルムのための必要性を認識する。したがって、当該技術分野は、脆質シールおよび硬質シールの両方を生成することができる熱シール可能なフィルム、ならびに簡略化した生成プロセスの必要性を認識する。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、熱シールの生成のための組成物およびフィルムを対象とする。本明細書で開示される組成物およびフィルムは、脆質熱シール、硬質熱シール、または脆質熱シールと硬質熱シールの組み合わせを有する構造物を生成するために有利に使用される。本開示は、脆質熱シールおよび/または硬質熱シールを含む可撓性容器を更に対象とする。
【0005】
本開示は、熱シール可能な可撓性フィルム構造物を提供する。一実施形態において、熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、
層(A)であって、35〜80重量パーセントのプロピレン系プラストマーまたはエラストマー(「PBPE」)と、0.915g/cm〜0.935g/cmの範囲内の密度を有する20〜65重量パーセントの低密度ポリエチレンと、を含む、層(A)と、
層(A)に隣接する基層(B)であって、
(i)エチレンおよび3〜10個の炭素原子を有する1つ以上のα−オレフィンに由来する反復単位を含む、チーグラー−ナッタ触媒エチレンコポリマー、
(ii)エチレンおよび3〜10個の炭素原子を有する1つ以上のα−オレフィンに由来する反復単位を含む、メタロセン触媒エチレンコポリマー、
(iii)チーグラー−ナッタ触媒エチレンホモポリマー、
(iv)メタロセン触媒エチレンホモポリマー、
(v)低密度ポリエチレン(LDPE)、ならびにこれらの組み合わせ、から選択される少なくとも50重量パーセントのポリオレフィン系ポリマーを含む、層(B)と、140℃を超える融点を有する材料を含む最外層(C)と、を含む。重量パーセントは、それぞれの層の全重量に基づく。
【0006】
熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、熱シールを形成することができる。硬質シールは、2つの(A)層が互いに接触し、かつ第1の範囲のシール温度に曝露される際に形成され、(ii)脆質シールは、2つの(A)層が互いに接触し、かつ第2の範囲のシール温度に曝露される際に形成され、第2の温度範囲は第1の温度範囲よりも低い。
【0007】
本開示は、可撓性容器を提供する。一実施形態において、可撓性容器は、第1のフィルムおよび第2のフィルムを含む。各フィルムは、
35〜80パーセントのPBPEと、0.915g/cm〜0.935g/cmの範囲内の密度を有する20〜65重量パーセントの低密度ポリエチレンと、を含む、シール層(A)と、
少なくとも50重量パーセントのエチレン系ポリマーを含む、基層(B)と、
140℃を超える融点を有する材料を含む、最外層(C)と、を含む熱シール可能な可撓性フィルム構造物を含む。重量パーセントは、それぞれの層の全重量に基づく。フィルムは、各フィルムの層(A)が互いに接触するように配置される。第2のフィルムは、第1のフィルム上に重ね合わせられて、共通の周辺縁部を形成する。可撓性容器は、共通の周辺縁部のうちの少なくとも一部分に沿って位置付けられる、熱シールを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に従う、可撓性容器の正面図である。
図2】本開示の一実施形態に従う、可撓性容器の正面図である。
図3】本開示の一実施形態に従う、可撓性容器の正面図である。
図4】本開示の実施形態に従う、熱シール可能な可撓性フィルム構造物の熱シール曲線を示す。
図5】本開示の実施形態に従う、熱シール可能な可撓性フィルム構造物の熱シール曲線を示す。
図6】本開示の実施形態に従う、熱シール可能な可撓性フィルム構造物の熱シール曲線を示す。
図7】本開示の実施形態に従う、熱シール可能な可撓性フィルムの熱シール曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、熱シール可能な可撓性フィルム構造物を提供する。一実施形態において、熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、層(A)と、層(B)と、最外層(C)と、任意の1つ以上の追加の層と、を含む。
【0010】
「熱シール可能なフィルム構造物」は、本明細書で使用される場合、熱シーリング手順に供される際に熱シールを形成するフィルム構造物である。熱シーリング手順は、開位置から閉位置まで移動する溶銑シーリングジョーを含む。閉位置において、溶銑ジョーは、一定期間(滞留時間)、所定のシーリング圧力および所定のシール温度で、フィルムの最外層と直接接触する。滞留時間中、熱はフィルムの最外層を通して伝達され、対合する内部シール層を融解および融合して、熱シールを形成する。一般的に、最外層は、シール層よりも高い融解温度を有する。したがって、シール層が融解してシールを形成する一方で、フィルムの最外層は、融解することも、シーリングジョーに粘着または実質的に粘着することもない。シーリングジョー棒に表面処理を適用して、フィルムに対する粘着効果を更に低減させることができる。シーリングジョーが再度開いた後、フィルムは室温になるまで冷却される。熱シーリング手順は、フィルムを、袋、パウチ、小袋、および自立型パウチなどの所望の形状に形成するために使用され得る。
【0011】
一実施形態において、溶銑ジョーは、形成、充填、およびシール装置の構成要素である。
【0012】
熱シールは、脆質シールまたは硬質シールであり得る。「脆質シール」は、本明細書で使用される場合、フィルムの破壊なく手動で分離可能な(または剥離可能な)熱シールである。「硬質シール」は、本明細書で使用される場合、フィルムの破壊なく手動で分離不可能な熱シールである。一般的に、脆質シールは、シールへの指圧または手圧の適用で、分離可能である、または開けられるように設計される。硬質シールは、シールへの指圧または手圧の適用で、無傷のままであるように設計される。
【0013】
本熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、
【0014】
プロピレン/エチレンコポリマーの配合物と、低密度ポリエチレンと、を含む、層(A)と、
【0015】
高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、およびこれらの組み合わせから選択されるエチレン系ポリマーを含む、層(B)と、
【0016】
140℃を超える融解温度を有する材料を含む、最外層(C)と、を含む。
【0017】
1. 層(A)
層(A)は、プロピレン系プラストマーまたはエラストマー(「PBPE」)の配合物と、低密度ポリエチレン(LDPE)と、を含む。一実施形態において、層(A)は、シール層(A)である。「プロピレン系プラストマーまたはエラストマー」(または「PBPE」)は、プロピレンに由来する少なくとも50重量パーセントの単位と、プロピレン以外のコモノマーに由来する少なくとも約5重量パーセントの単位と、を有する、少なくとも1つのコポリマーを含む。
【0018】
PBPEは、実質的にイソタクチックのプロピレン配列を有することを特徴とする。「実質的にイソタクチックのプロピレン配列」は、配列が、0.85を超える、または0.90を超える、または0.92を超える、または0.93を超える13C NMRによって測定されたイソタクチックの三徴候(mm)を有することを意味する。イソタクチックの三徴候は、当該技術分野において既知であり、例えば、13C NMRスペクトルによって決定されるコポリマー分子鎖における三徴候単位の観点からイソタクチック配列を参照する、米国特許第5,504,172号および国際公開第2000/01745号において記載される。
【0019】
PBPEは、ASTM D−1238(230℃/2.16Kgで)に従って測定される、0.1〜25g/10分(min.)の範囲内の融解流量(MFR)を有する。0.1〜25g/10分の全ての個別の値および亜範囲が含まれ、本明細書で開示される。例えば、MFRは、0.1、0.2、または0.5の下限から、25、15、10、8、または5g/10分の上限までであり得る。例えば、PBPEがプロピレン/エチレンコポリマーである際に、それは、0.1〜10、または代替として、0.2〜10g/10分の範囲内のMFRを有し得る。
【0020】
PBPEは、少なくとも1〜30重量%の範囲内の結晶化度(少なくとも2〜50ジュール/グラム(J/g)未満の融合熱)を有し、これらの全ての個別の値および亜範囲が含まれ、本明細書で開示される。例えば、結晶化度は、1、2.5、または3重量%(それぞれ少なくとも2、4、または5J/g)の下限から、30、24、15、または7重量%(それぞれ50、40、24.8、または11J/g未満)の上限までであり得る。例えば、PBPEがプロピレン/エチレンコポリマーである際に、それは、少なくとも1から、24、15、7、または5重量%(それぞれ少なくとも2から、40、24.8、11、または8.3J/g未満)の範囲内の結晶化度を有し得る。結晶化度は、以下の試験方法部分において記載されるように、DSC法によって測定される。プロピレン/エチレンコポリマーは、プロピレンに由来する単位、ならびにエチレンコモノマーおよび任意でC〜C10α−オレフィンに由来するポリマー単位を含む。例示的なコモノマーは、C、およびC〜C10α−オレフィン、例えば、C、C、C、およびCα−オレフィン(エチレンは本開示においてα−オレフィンと考えられる)である。
【0021】
一実施形態において、PBPEは、1重量%〜40重量%のエチレンコモノマーを含む。1重量%〜40重量%の全ての個別の値および亜範囲が含まれ、本明細書で開示される。例えば、コモノマー内容物は、1、3、4、5、7、または9重量%の下限から、40、35、30、27、20、15、12、または9重量%の上限までであり得る。例えば、プロピレン/エチレンコポリマーは、1〜35重量%、または代替として、1〜30、3〜27、3〜20、3〜15重量%のエチレンコモノマーを含む。
【0022】
一実施形態において、PBPEは、0.850g/cc、または0.860g/cc、または0.865g/ccから、0.900g/ccまでの密度を有する。
【0023】
一実施形態において、PBPEは、数平均分子量で割った重量平均分子量(M/M)として定義される、3.5以下、代替として3.0以下、または別の代替として1.8〜3.0の分子量分布(MWD)を有する。
【0024】
そのようなPBPE型のポリマーは、米国特許第6,960,635号および同第6,525,157号において更に記載され、これらは本明細書に参照によって組み込まれる。そのようなPBPEは、The Dow Chemical Companyから商標名VERSIFYで、またはExxonMobil Chemical Companyから商標名VISTAMAXXで市販されている。
【0025】
一実施形態において、PBPEは、(A)プロピレンに由来する60〜100未満、80〜99、85〜99の重量%単位、(B)エチレンおよび任意で1つ以上のC4〜10α−オレフィンに由来するゼロ超〜40、または1〜20、4〜16、または4〜15の重量%単位、を含み、平均で少なくとも0.001、少なくとも0.005、または少なくとも0.01の長鎖分岐/1000全炭素を含むことを更に特徴とする。長鎖分岐という用語は、短鎖分岐を超える少なくとも1つ(1)の炭素の鎖長を指し、短鎖分岐は、コモノマー内の炭素の数未満の2つ(2)の炭素の鎖長を指す。例えば、プロピレン/1−オクテンインターポリマーは、少なくとも7つ(7)の炭素の長さの長鎖分岐を有するバックボーンを有するが、これらのバックボーンはまた、6つ(6)のみの炭素の長さの短鎖分岐を有する。プロピレン/エチレンコポリマーインターポリマーにおける長鎖分岐の最大数は、3長鎖分岐/1000全炭素を超えない。
【0026】
一実施形態において、PBPEコポリマーは、55℃〜146℃の融解温度(Tm)を有し得る。
【0027】
好適なプロピレン/エチレンコポリマーの非限定的な例は、The Dow Chemical Companyから入手可能なVERSIFY3200である。
【0028】
層(A)の配合物はまた、低密度ポリエチレン(LDPE)を含む。LDPEは、0.2g/10分または0.5g/10分から、10g/10分、または20g/10分、または50g/10分までのメルトインデックス(MI)を有する。
【0029】
LDPEは、0.915g/ccから、0.925g/cc、または0.930g/cc、0.935g/cc、または0.940g/ccまでの密度を有する。
【0030】
一実施形態において、LDPEは、高圧オートクレーブ重合プロセス、高圧管状重合プロセス、またはこれらの組み合わせにおいて作製される。更なる一実施形態において、LDPEは線状低密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンを除外する。
【0031】
層(A)の配合物は、35重量%〜80重量%のPBPEと、20重量%〜65重量%のLDPEと、を含む。重量パーセントは、層(A)の全重量に基づく。
【0032】
一実施形態において、層(A)は、75重量%のPBPEと、25重量%のLDPEと、を含む。75/25配合物は、0.89g/cc〜0.90g/ccの密度と、3.0g/10分〜4.0g/10のメルトインデックスと、を更に有する。更なる一実施形態において、75/25配合物は、0.895g/ccの密度と、3.8g/10分のメルトインデックスと、を有する。
【0033】
一実施形態において、層(A)は、50重量%のPBPEと、50重量%のLDPEと、を含む。50/50配合物は、0.90g/cc〜0.91g/ccの密度と、1.0g/10分〜2.0g/10分のメルトインデックスと、を更に有する。更なる一実施形態において、50/50配合物は、0.902g/ccの密度と、1.2g/10分のメルトインデックスと、を有する。
【0034】
本PBPEは、本明細書で開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0035】
本層(A)は、本明細書で開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0036】
2. 層(B)
各フィルムは、層(B)を含む。一実施形態において、層(B)は基層(B)である。層(B)は、(i)エチレンおよび3〜10個の炭素原子を有する1つ以上のα−オレフィンに由来する反復単位を含む、チーグラー−ナッタ触媒エチレンコポリマー、(ii)エチレンおよび3〜10個の炭素原子を有する1つ以上のα−オレフィンに由来する反復単位を含む、メタロセン触媒エチレンコポリマー、(iii)チーグラー−ナッタ触媒エチレンホモポリマー、(iv)メタロセン触媒エチレンホモポリマー、(v)低密度ポリエチレン(LDPE)、ならびにこれらの組み合わせ、から選択される、層(B)の少なくとも50重量%のオレフィン系ポリマーを含む。一実施形態において、層(B)は、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、およびこれらの組み合わせから選択される。
【0037】
一実施形態において、層(B)は、線状低密度ポリエチレンである。線状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)は、ポリマー化形態において、LLDPEの全重量に基づいて、エチレンに由来する主要重量パーセントの単位を含む。一実施形態において、LLDPEは、エチレンのインターポリマーおよび少なくとも1つのエチレン性不飽和コモノマーである。一実施形態において、コモノマーは、C〜C20α−オレフィンである。別の実施形態において、コモノマーは、C〜Cα−オレフィンである。別の実施形態において、C〜Cα−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンから選択される。一実施形態において、LLDPEは、以下のコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、およびエチレン/オクテンコポリマー、から選択される。更なる一実施形態において、LLDPEは、エチレン/オクテンコポリマーである。
【0038】
一実施形態において、LLDPEは、0.865g/cc〜0.940g/cc、または0.90g/cc〜0.94g/ccの範囲内の密度を有する。LLDPEは、好適には0.1g/10分〜10g/10分、または0.5g/10分〜5g/10分のメルトインデックス(MI)を有する。
【0039】
LLDPEは、バナジウム触媒およびメタロセン触媒などの、チーグラー−ナッタ触媒または単一部位触媒で生成され得る。一実施形態において、LLDPEは、チーグラー−ナッタ型触媒で生成され得る。LLDPEは線状であり、長鎖分岐を含まず、分岐または不均質分岐ポリエチレンである低密度ポリエチレン(「LDPE」)とは異なる。LDPEは、主ポリマーバックボーンから延出する比較的多数の長鎖分岐を有する。LDPEは、高圧でフリーラジカル反応開始剤を使用して調製され得、典型的に0.915g/cc〜0.940g/ccの密度を有する。
【0040】
一実施形態において、LLDPEは、チーグラー−ナッタ触媒エチレンおよびオクテンコポリマーであり、0.90g/cc〜0.93g/cc、または0.92g/ccの密度を有する。好適なチーグラー−ナッタ触媒LLDPEの非限定的な例は、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能な、商標名DOWLEXで販売されるポリマーである。
【0041】
層(B)の好適なLLDPEの非限定的な例は、The Dow Chemical Companyから入手可能なDOWLEX2045BおよびDOWLEX2107Bを含む。
【0042】
一実施形態において、層(B)は、高密度ポリエチレン(HDPE)である。HDPEは、エチレンホモポリマーまたはエチレン系インターポリマーである。エチレン系インターポリマーは、ポリマー化形態において、インターポリマーの重量に基づいて、主要重量パーセントのエチレンと、1つ以上のコモノマーと、を含む。HDPEは、0.940g/cc、または0.940g/ccを超える密度を有する。一実施形態において、HDPEは、0.940g/cc〜0.970g/cc、または0.950g/cc〜0.960g/cc、または0.956g/ccの密度を有する。一実施形態において、HDPEは、0.1g/10分〜10g/10分、または0.5g/10分〜5g/10分のメルトインデックスを有する。HDPEは、エチレンおよび1つ以上のC〜C20α−オレフィンコモノマーを含み得る。コモノマー(複数可)は、線状または分岐であり得る。好適なコモノマーの非限定的な例は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、および1−オクテンを含む。HDPEは、スラリー反応器、ガス相反応器、または溶液反応器内で、チーグラー−ナッタ、クロム系、束縛構造、またはメタロセン触媒のいずれかで調製され得る。
【0043】
一実施形態において、HDPEは、約0.95g/cc〜0.96g/ccの密度と、1.5g/10分〜2.5g/10分のメルトインデックスと、を有するエチレン/α−オレフィンコポリマーである。
【0044】
一実施形態において、HDPEは、エチレン/α−オレフィンコポリマーであり、0.940g/cc〜0.970g/cc、または0.956g/ccの密度と、0.1g/10分〜10g/10分のメルトインデックスと、を有する。
【0045】
一実施形態において、HDPEは、0.94g/cc〜0.962g/ccの密度と、0.5g/10分〜1.0g/10分のメルトインデックスと、を有する。
【0046】
基層(B)の好適なHDPEの非限定的な例は、The Dow Chemical Companyから入手可能なELITE 5960Gを含む。
【0047】
HDPEは、前述の実施形態のうちの2つ以上を含み得る。
【0048】
一実施形態において、層(B)は、低密度ポリエチレン(LDPE)である。LDPEは、有利に0.2g/10分、または0.5g/10分から、10g/10分、または20g/10分、または50g/10分までのメルトインデックス(MI)を有し得る。
【0049】
LDPEは、有利に0.915g/ccから、0.925g/cc、または0.930g/cc、0.935g/cc、または0.940g/ccまでの密度を有し得る。
【0050】
一実施形態において、LDPEは、高圧オートクレーブ重合プロセス、高圧管状重合プロセス、またはこれらの組み合わせにおいて作製される。更なる一実施形態において、層(B)は、線状低密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンを除外し得る。
【0051】
一実施形態において、層(B)は、層(A)に直接隣接する。「に直接隣接する」という用語は、本明細書で使用される場合、これによりいかなる介在する層、またはいかなる介在する構造物も層(A)と層(B)との間に位置付けられない、層(B)に対する層(A)の緊密な接触である。
【0052】
3. 最外層(C)
熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、最外層(C)を含む。最外層(C)は、140℃を超える融解温度を有する、ポリマーまたは他の材料で構成される。一実施形態において、最外層(C)は、150℃〜200℃を超える融解温度を有する。
【0053】
一実施形態において、最外層(C)は、貼着性単一フィルム構造物を作製するための任意の接着剤を有する積層プロセスを使用して、被覆として追加される、または第2のフィルムとして追加され得る。
【0054】
一実施形態において、最外層(C)は、層A、B、およびCが単一プロセスで共押出される、共押出プロセスを使用して形成される。共押出接着剤層は、最外層(C)に隣接する層として有利に使用され得、したがって少なくとも4つの層を有する熱シール可能な可撓性フィルム構造物を作製する。
【0055】
一実施形態において、最外層(C)は、噴霧被覆、浸漬被覆、またはブラシ被覆などの被覆である。最外層(C)の好適な被覆の非限定的な例は、高温耐性(すなわち、140℃を超える融解温度)を有するニスまたはラッカを含む。
【0056】
最外層(C)の好適な材料の非限定的な例は、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリアミド、プロピレンホモポリマー、およびアルミニウム箔を含む。
【0057】
一実施形態において、最外層(C)は、PETフィルムである。
【0058】
4. 内層(D)
熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、1つ以上の任意の内層を含み得る。熱シール可能な可撓性フィルム構造物が、1つ、2つ、3つ以上の内層(複数可)(D)を含み得、層(D)は同一または異なることが理解される。一実施形態において、熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、内層(D)を含む。内層(D)は、層(A)が層(B)に直接隣接して、基層(B)と最外層(C)との間に配設される。一実施形態において、内層(D)は、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、およびこれらの組み合わせから選択されるエチレン系ポリマーを含む。内層(D)は、以上の基層(B)のために開示されるような任意のHDPEまたはLLDPEであり得る。
【0059】
層(B)および内層(D)は同一または異なり得る。一実施形態において、層(B)および内層(D)は同一の組成物である。代替的な実施形態において、層(B)および内層(D)は異なる組成物で構成される。
【0060】
一実施形態において、内層(D)は、障壁層である。障壁層の好適なポリマーは、HDPE、LLDPE、LDPE、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、無水マレイン酸修飾ポリエチレン、ポリアミド(PA)、環状オレフィンコポリマー(COC)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、プロピレンホモポリマー(PP)、および塩化ビニリデンポリマー、およびこれらの組み合わせを含む。
【0061】
多くの商用の適用において、第1のフィルムのシール層(A)が第2のフィルムのシール層(A)と接触するように、第2のフィルムが第1のフィルム上に重ね合わせられるように、2つの熱シール可能な可撓性フィルムが共に使用される。他の適用において、単一フィルムまたは単一シートが、同一のシール層(A)の2つの表面が互いに接触するように折り畳まれ得る。
【0062】
熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、(i)2つの(A)層が互いに接触し、かつ第1の範囲のシール温度に曝露される際に硬質シールを形成し、(ii)2つの(A)層が互いに接触し、かつ第2の範囲のシール温度に曝露される際に脆質シールを形成し、第2の範囲は第1の範囲よりも低い。一実施形態において、第2の範囲のシール温度の上限と第2の範囲のシール温度の下限との間の差は、少なくとも30℃である。
【0063】
熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、以下の3つのパラメータのうちの少なくとも2つ(好適には、3つ全て)が満たされる際に硬質シールを形成する。(i)3.0N/mm以上のシーリング圧力、(ii)1.5秒以上の滞留時間、および(iii)120℃以上のシール温度。
【0064】
一実施形態において、脆質シールは、以下の3つのパラメータのうちの少なくとも2つが満たされる際に形成される。(i)3.0N/mm未満のシーリング圧力、(ii)1.5秒未満の滞留時間、および(iii)120℃未満のシール温度。
【0065】
この方法において、熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、加工条件に応じて、脆質シールまたは硬質シールのいずれかの生成を有利に可能にする。
【0066】
一実施形態において、層(A)、(B)、および層(D)は、共押出を手段として形成される。最外層(C)は、共押出された構造物A/B/(任意でD)に後続して積層される。これは、共押出された層構造物A/B/Dおよび積層最外層(C)を有する熱シール可能な可撓性フィルム構造物A/B/D/Cを形成する。
【0067】
一実施形態において、層(A)、(B)、(D)、および最外層(C)は、共押出を手段として形成される。これは、共押出された層構造物A/B/D/Cを有する熱シール可能な可撓性フィルム構造物を形成する。
【0068】
一実施形態において、層(A)、(B)、および層(D)は、共押出を手段として形成される。最外層(C)は、層(D)上に被膜される。これは、共押出された層構造物A/B/Dおよび最外層(C)の被覆を有する熱シール可能な可撓性フィルム構造物A/B/D/Cを形成する。
【0069】
一実施形態において、熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、
70重量%〜80重量%のプロピレン/エチレンコポリマーと、30重量%〜20重量%の低密度ポリエチレンと、を含む、シール層(A)である層(A)と、
高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、および低密度ポリエチレンから選択されるエチレン系ポリマーを含む、基層(B)である層(B)と、
高密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリエチレンから選択されるエチレン系ポリマーを含む、内層(D)である層(D)と、
ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムで構成される、最外層(C)である層(C)と、を含む。
【0070】
一実施形態において、各熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、以下の構成、すなわち、
5ミクロン、または10ミクロン、または15ミクロン未満から、20ミクロン、または25ミクロン、または30ミクロンを超えるまでの厚さを有するシール層(A)と、
10ミクロン〜100ミクロンの厚さを有する基層(B)と、
10ミクロン〜100ミクロンの厚さを有する内層(D)と、
10ミクロン〜40ミクロンの厚さを有する最外層(C)と、を有する。更なる一実施形態において、熱シール可能な可撓性フィルム構造物の全厚さは、60ミクロン〜80ミクロンまたは70ミクロンである。
【0071】
一実施形態において、熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、鋳造押出プロセス、または吹込フィルム押出プロセスによって加工される。
【0072】
一実施形態において、熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、発泡性の1つ以上の層A、B、C、またはDを含む。
【0073】
一実施形態において、熱シール可能な可撓性フィルム構造物を備える可撓性容器が提供される。
【0074】
本熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、本明細書で開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0075】
5. 可撓性容器
本開示は、可撓性容器を提供する。一実施形態において、可撓性容器は、第1のフィルムおよび第2のフィルムを含む。あるいは、可撓性容器は、折り畳まれた単一シートから形成され得、該折り畳みが第1のフィルムおよび第2のフィルムを画定する。第1のフィルムおよび第2のフィルムのうちのそれぞれは、以上に開示されるような熱シール可能な可撓性フィルム構造物を含む。具体的には、第1のフィルムおよび第2のフィルムは、それぞれ、
PBPEの配合物と、低密度ポリエチレンと、を含む、シール層(A)と、
高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、および低密度ポリエチレンから選択されるエチレン系ポリマーを含む、基層(B)と、
140℃を超える融点を有する材料を含む、最外層(C)と、を含む。フィルムは、第2のフィルムが第1のフィルム上に重ね合わせられて、共通の周辺縁部を形成し、各フィルムのシール層(A)が互いに接触するように配置される。可撓性容器は、共通の周辺縁部の少なくとも一部分に沿って熱シールを含む。可撓性容器は、パウチ、小袋、自立型パウチ、およびフォーム充填シールパウチであり得る。
【0076】
一実施形態において、可撓性容器のシール層(A)は、35〜80重量%の「PBPE」と、0.915g/cm〜0.935g/cmの範囲内の密度を有する20〜65重量%の低密度ポリエチレンと、を含む。重量パーセントは、層(A)の全重量に基づく。
【0077】
一実施形態において、基層(B)は、LLDPE、HDPE、およびLDPEから選択される少なくとも50重量%のエチレン系ポリマーを含む。重量パーセントは、層(B)の全重量に基づく。
【0078】
一実施形態において、可撓性容器は、硬質シールおよび脆質シールを含む。更なる一実施形態において、硬質シールは少なくとも1つの周辺縁部に沿って位置付けられ、脆質シールは周辺縁部に沿う以外の領域内に位置付けられる。
【0079】
一実施形態において、可撓性容器の周辺縁部の全体が、硬質シールである。可撓性容器はまた、周辺縁部以外の領域内に位置付けられる脆質シールを含む。
【0080】
一実施形態において、可撓性容器は、単一シートから作製される。第1のフィルムおよび第2のフィルムは、それぞれ、同一の単一可撓性シート構成要素である。単一可撓性シートは、第2のフィルムを第1のフィルム上に重ね合わせるように折り畳まれ、シール層(A)を嵌合し、以上に記載されるような共通の周辺縁部を形成する。単一シート可撓性容器は、フォーム、充填、およびシールプロセスを手段として生成され得る。
【0081】
可撓性容器の周辺熱シールは、容器内部を画定する。一実施形態において、可撓性容器は、容器内部を横断する脆質シールを更に含む。脆質シールは、2つの区画を画定する。一実施形態において、可撓性容器は、容器内部を横断して、3つ以上の区画を画定する2つ以上の脆質シールを含む。
【0082】
図1に示されるような一実施形態において、可撓性容器10が示される。可撓性容器10は、以上に記載されるように、第1のフィルムおよび第2のフィルムで形成される。可撓性容器10は、周辺熱シール12を含む。周辺熱シール12は、以下の熱シール条件の以下の3つのうちの少なくとも2つ(好適には、3つ全て)が満たされる際に形成される硬質シールである。(i)3.0N/mm以上のシーリング圧力、(ii)1.5秒以上の滞留時間、および(iii)120℃以上のシール温度。
【0083】
一実施形態において、図2に示されるように、可撓性容器20が示される。可撓性容器20は、以上に記載されるように、第1のフィルムおよび第2のフィルムから形成される。可撓性容器20は、周辺硬質シール部分22および周辺脆質シール部分24を含む。周辺脆質シール部分24は、以下の熱シール条件のうちの少なくとも2つが満たされる際に形成される。(i)3.0N/mm未満のシーリング圧力、(ii)1.5秒未満の滞留時間、(iii)120℃未満のシール温度、ならびにこれらの組み合わせ。
【0084】
一実施形態において、可撓性容器20は、容器の2つ以上の側部のそれぞれの上に2つ以上の周辺脆質シールを有する。
【0085】
一実施形態において、可撓性容器20は矩形形状を有する。脆質シール部分24は、可撓性容器20の角部26に位置付けられる。脆質シール部分24は、周辺硬質シール部分22が無傷のまま、手圧または指圧で分離され得る。この方法で、可撓性容器20の内容物は、分離された(または開いた)脆質シール部分24からの退出を手段として容器内部28から除去され得る。脆質シール部分24のサイズおよび位置は、周辺熱シール12に沿う1つ以上の位置付けに位置付けられ得る。
【0086】
一実施形態において、脆質シール部分24は、ノズルに成形または他の方法で形成され得る。
【0087】
一実施形態において、可撓性容器20は、脆質シール部分が輸送および取り扱い中に開くことを防ぐために、脆質シール部分24に近接する二次脆質シールを含み得る。
【0088】
一実施形態において、可撓性容器30は、図3に示されるように提供される。可撓性容器30は、硬質シールであり、周辺脆質シール部分34を任意で含み得る、周辺熱シール32を含む。硬質シールとしての周辺熱シール32は、少なくとも2つ(好適には3つ全て)の熱シール条件が満たされる際に形成される。(i)3.0N/mm以上のシーリング圧力、(ii)1.5秒以上の滞留時間、および(iii)120℃以上のシール温度。周辺熱シール32は、容器内部36を画定する。脆質シール38は、容器内部36にわたって延出する。容器内部36の形状およびサイズは、内容物の種類およびパッケージ設計に基づいて変化し得る。
【0089】
脆質シール38は、少なくとも2つ(好適には、3つ全て)の熱シール条件が満たされる際に形成される。(i)3.0N/mm未満のシーリング圧力、(ii)1.5秒未満の滞留時間、および(iii)120℃未満のシール温度。図3は、周辺熱シール32の一側部から周辺熱シール32の対合する側部へと延出し、これにより容器内部を横断し、第1の区画40および第2の区画42を画定する、脆質シール38を示す。脆質シール38は、異なる形状および構成に形成され得る。可撓性容器30は、それぞれが脆質シール38に類似して、追加区画を画定する、1つ以上の任意の追加脆質シールを含み得る。
【0090】
区画40、42は、それぞれの内容物を単独で、または他の方法で他の区画から分離して貯蔵するためにシールされる。使用の用意ができる際に、ユーザは脆質シール38を分離または他の方法で剥離して開き、区画40の内容物を区画42の内容物と結合または他の方法で混合する。その後、混合物は、周辺脆質シール34を断裂させることによって容器30内部から除去され得る。
【0091】
一実施形態において、可撓性容器は、以下のパウチ、小袋、および自立型パウチのうちの1つ以上の形態であり、周辺熱シールは、硬質シールと脆質シールの組み合わせである。
【0092】
一実施形態において、可撓性容器は、パウチ、小袋、自立型パウチの形態であり、周辺熱シールは、容器内部を画定する。可撓性容器は、周辺熱シール内部の脆質シールを更に含み、第1の区画および第2の区画、またはそれ以上の区画を画定する。
【0093】
可撓性容器10、20、30による収容に好適な内容物の非限定的な例は、食べ物(飲み物、スープ、チーズ、シリアル)、液体、シャンプー、油、蝋、皮膚軟化剤、ローション、保湿剤、薬剤、ペースト、界面活性剤、ゲル、接着剤、懸濁液、溶液、酵素、石鹸、化粧品、散布剤、流動性微粒子、およびこれらの組み合わせを含む。
【0094】
本可撓性容器は、本明細書で開示される2つ以上の実施形態を備え得る。
【0095】
定義
特に異なる記載がない、文脈から黙示的でない、または当該技術分野において慣例でない限り、全ての部およびパーセントは、重量に基づき、全ての試験方法は、本開示の出願日の時点で最新である。
【0096】
「組成物」という用語は、本明細書で使用される場合、組成物を含む材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成される反応生成物および分解生成物を含む。
【0097】
「を含む(備える)」という用語およびその派生語は、これらが本明細書で開示されるかどうかに関わらず、いかなる追加の構成要素、工程、または手順の存在をも除外することを意図されない。あらゆる疑念を避けるために、特に異なる記載がない限り、「を含む(備える)」という用語の使用を通して本明細書で主張される全ての組成物は、ポリマーまたは別のものであるかに関わらず、任意の追加の添加剤、補助剤、または化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、動作性に必須ではないものを除いて、あらゆる後続の記述の範囲から、いかなる他の構成要素、工程、または手順をも除外する。「からなる」という用語は、明確に記述または列記されていない、いかなる構成要素、工程、または手順をも除外する。「または」という用語は、別段記載がない限り、個別におよび任意の組み合わせで、列記される構成員を指す。
【0098】
「エチレン系ポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、ポリマー化形態において、主要量(ポリマーの重量に基づいて)のエチレンモノマーを含むポリマーを指し、任意で1つ以上のコモノマーを含み得る。
【0099】
「プロピレン系ポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、ポリマー化形態において、主要量(ポリマーの重量に基づいて)のプロピレンモノマーを含むポリマーを指し、任意で1つ以上のコモノマーを含み得る。
【0100】
「プロピレン/エチレンコポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、ポリマー化形態において、主要量(ポリマーの重量に基づいて)のプロピレンモノマーおよび微量のエチレンコモノマーを含むポリマーを指し、任意で1つ以上の追加コモノマーを含み得る。
【0101】
試験方法
密度を、ASTM D792に従って測定する。
【0102】
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)
従来のGPC測定を、ポリマーの重量平均(Mw)および数平均(Mn)分子量を決定するため、かつMWD(=Mw/Mn)を決定するために使用する。試料を、高温GPC計器(Polymer Laboratories,Inc.model PL220)で分析する。
【0103】
本方法は、液体力学量の概念に基づく既知の万能較正法を用い、較正を、140℃のシステム温度で動作する4つのMixed A20μmカラム(Agilent(旧Polymer Laboratory Inc.)からのPLgel Mixed A)と共に狭ポリスチレン(PS)基準を使用して実行する。試料を、1,2,4−トリクロロベンゼン溶媒中で「2mg/mL」濃度で調製する。流量は1.0mL/分であり、注入サイズは100マイクロリットルである。
【0104】
説明されるように、分子量決定を、それらの溶出量と併せて、狭分子量分布ポリスチレン基準(Polymer Laboratoriesより)を使用することによって推定する。等価ポリエチレン分子量を、ポリエチレンおよびポリスチレンの適切なMark−Houwink係数(Williams and WardによるJournal of Polymer Science,Polymer Letters,Vol.6,(621)1968に記載)を使用することによって決定し、以下の式を導き出す:
Mポリエチレン=a*(Mポリスチレン)
【0105】
この式において、aは0.4316であり、bは1.0である(Williams and Ward,J.Polym.Sc.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載)。ポリエチレン等価分子量計算を、VISCOTEK TriSEC software Version 3.0を使用して実行した。
【0106】
示差走査熱量計法(DSC)
示差走査熱量計法(DSC)を使用して、ポリマー(例えば、エチレン系(PE)ポリマー)における結晶化度を測定する。約5〜8mgのポリマー試料を秤量し、DSCパン内に定置する。蓋をパン上に圧着して、密閉した大気を確保する。試料パンをDSCセル内に定置し、その後約10℃/分の割合でPEが180℃(PPは230℃)の温度になるまで加熱する。試料をこの温度で3分間維持する。その後、試料を10℃/分の割合でPEが−60℃(PPは−40℃)になるまで冷却し、その温度で等温的に3分間維持する。次に、試料を10℃/分の割合で完全に融解するまで加熱する(第2の加熱)。第2の加熱曲線から決定される融合熱(H)を、292J/gのPEの理論上の融合熱(PPは165J/g)で割り、この量に100を乗じることによって、パーセント結晶化度を計算する(例えば、(PEの)%結晶化度=(H/292J/g)×100)。
【0107】
別段の記載がない限り、各ポリマーの融点(複数可)(T)は第2の加熱曲線(頂点Tm)から決定され、結晶化温度(T)は第1の冷却曲(頂点Tc)から決定される。
【0108】
融解流量、すなわちMFRを、ASTM D1238、条件230℃/2.16kgに従って測定する。
【0109】
メルトインデックス、すなわちMIを、ASTM D1238、条件190℃/2.16kgに従って測定する。
【0110】
熱シール強度
熱シール強度は、熱シールを分離するために必要とされる力の測定である。フィルム上の熱シール測定を、ASTM F−88に従って工業的引張試験機械上で実行する(技術A)。材料の試験ストリップを分離するために必要とされる力は、標品破損の様式を特定する。熱シール強度は、解離力およびパッケージ一体性に関連する。
【0111】
切断の前に、第1のフィルムおよび第2のフィルムを、ASTM D−618(手順A)に従って、最低40時間、23℃(±2℃)かつ50%(±5%)R.H.(相対湿度)で調湿する。その後、フィルムを、3層の共押出された積層フィルムから、約11インチの長さかつ約8.5インチの幅に機械方向に切断する。第1のフィルムを、以下の条件下で、J&B Hot Tack Tester上で、様々な温度で、機械方向にわたって第2のフィルムに熱シールする:
シーリング圧力:0.275N/mm
シーリング滞留時間:0.5秒
【0112】
温度範囲は、Hot Tack Range(熱間粘着範囲)(すなわち、少なくとも最低限の熱間粘着シールが達成される溶落温度の前の温度範囲)によっておおよそ与えられる。
【0113】
シールされたフィルムを、1インチ幅のストリップに切断する前に、最低3時間、23℃(±2℃)かつ50%R.H.(±5%)で調湿する。その後、これらのストリップを、試験の前に最低21時間、23℃(±2℃)かつ50%R.H.(±5%)で更に調湿する。
【0114】
試験のために、ストリップを、引張試験機械の把持部内に、2インチ(50.8mm)の初期分離で装填し、10インチ/分の把持部分離速度で、23℃(±2℃)かつ50%R.H(±5%)で引張する。ストリップを、支持なしで試験する。6回の反復試験を各シール温度について実行する。報告されたデータは、最大負荷、最大負荷での歪み、および破損様式である。
【0115】
本開示のいくつかの実施形態が、以下の実施例においてこれより詳細に記載される。
【実施例】
【0116】
1. 材料
発明実施例の材料および比較試料を、以下の表1に提供する。
【表1】
【0117】
表1の樹脂は、共押出されて、吹込フィルム押出によって調製される共押出された構造物を形成する。吹込フィルム押出は、4つの主な工程からなる。
1.ポリマー材料は、ペレット形態から始まり、連続的に圧縮および融解されて、連続粘性液体を形成する。その後、この溶融プラスチックは、環状ダイを通して加力または押出される。
2.空気をダイの中央の孔を通して注入し、その圧力は、押出された融解物を膨張させて泡にする。この泡に進入する空気は、均一かつ一定の圧力が維持されて、フィルムの均一な厚さを確保するように、それを出る空気に取って代わる。
3.泡は、ダイから上方向に継続的に引張され、冷却リングは空気をフィルム上に吹き込む。フィルムはまた、内部泡冷却を使用して、内側から冷却され得る。これは、泡直径を維持しながら、泡内の温度を低減する。
4.凍結線での固化後、フィルムは、泡を圧潰し、それを2つの平坦フィルム層に平坦化する一組のニップローラーに移動する。引張ロールは、フィルムを巻取ローラー上に引張する。フィルムは、このプロセス中、アイドラーロールを通過して、フィルム内に均一な張力があることを確保する。適用に応じて、ニップローラーと巻取ローラーとの間で、フィルムは処理センタを通過し得る。この段階中、フィルムは切り離されて1つまたは2つのフィルムを形成し得るか、または表面処理され得る。
【0118】
共押出された構造物を、以下の表2に示す。
【表2】
【0119】
熱シール可能な可撓性フィルム構造物は、PETフィルム(すなわち、最外層C)を、表2(試料4以外)の共押出された構造物のそれぞれの上に積層することによって生成される。12ミクロンのPETフィルム(最外層C)は、ポリウレタン(MORFREE MF970/Cr−137)で構成される2〜3g/mの接着剤層を使用して、共押出された構造物の層Dに積層される。
【0120】
(試料#4の場合、フィルムはそれ自身にシールされた(すなわち、積層ではない))。積層は、オーブン硬化されて、接着剤を完全に硬化させ、層構成A/B/D/Cを有する熱シール可能な可撓性フィルム構造物を形成する。構造物A/B/D/Cを有する最終熱シール可能な可撓性フィルム構造物を、F1、F2、F3、F5、およびF6(表2の試料番号に対応する数字)として示す。積層F1、F2、F3、F5、およびF6は、82ミクロンの全厚さを有する。最外PETフィルムが共押出された構造物に積層されると、最終熱シール可能な可撓性フィルム構造物が形成される。最外層(C)は、燃焼または熱シール装置への粘着なく、より高いシール温度(120℃〜170℃)が構造物に適用されることを可能にする。
【0121】
表3は、構造物を評価するために使用される3つの別個の熱シール条件を提供する。
【表3】
【0122】
図4は、積層F1、F2、F3、F5、およびF6のために、条件ASTM F−88に従って生成される熱シールの熱シール曲線を示す。
【0123】
図4の曲線は、樹脂5をシーラント層(A)として、および樹脂1、2、および3を基層(B)として使用して生成される、積層F1、F2、F3、およびF6が、類似した特徴を呈することを示す。積層F5(樹脂6をシーラント層として使用)は、最低のシール強度を示す。5つ全ての積層F1、F2、F3、F5、およびF6は、シーラント層内で貼着性破損(脆質シール)を呈する。120℃未満の熱シール温度で、シール層(A)は脆質シールを生成する。図4はまた、0.275N/mmのシーリング圧力が適用される際、120℃を超える温度ですら、シール層(A)は脆質シールを生成し続けることを示す。
【0124】
図5は、条件1に従って、熱シール可能な可撓性フィルム構造物F1およびF2を使用して生成される熱シールの熱シール曲線を示す。積層F1およびF2は、0.5秒のシーリング(滞留)時間および3.0N/mmのシーリング圧力を使用して熱シールを形成する。
【0125】
積層F1およびF2の構築は、シール層(A)の厚さにおいてのみ異なる。F1について、シール層(A)は23ミクロンの厚さである。F2について、シール層(A)は10ミクロンの厚さである。積層F1は、シール温度80℃、100℃、120℃、および140℃で貼着性破損(脆質シール)を呈する。
【0126】
積層F2は、シール温度80℃、100℃、および120℃で貼着性破損(脆質シール)を呈する。これらの結果は、140℃で、F2内のより薄いシール層が、いくつかのシール領域から完全にまたは部分的に除去され、0.5秒の滞留時間でさえ、いくつかの硬質シール領域が形成されることを示す。
【0127】
図6は、条件2に従って生成される熱シールの熱シール曲線を示す。積層F1、F2、F3、F5、およびF6は、3.0N/mmのシーリング圧力および1.5秒のシーリング(滞留)時間でシールされる。
【0128】
積層F1、F2、F3、F5、およびF6は、80℃、100℃、および120℃の温度で、シール層内で貼着性破損(脆質シール)を呈する。
【0129】
積層F1、F2、F3、F5、およびF6は、140℃で硬質シールを呈する。樹脂6をシーラント層として使用する積層F5は、全ての温度範囲に沿って最低のシール強度を示す。
【0130】
積層F1、F2、F3、F5、およびF6について、シール温度が120℃以上、かつ滞留時間が1.5秒以上、かつシーリング圧力が0.275N/mm以上である際に、フィルムは硬質シールを生成することが結論付けられ得る。
【0131】
(i)3N/mm以上のシーリング圧力、および(ii)1.5秒以上のシーリング(滞留)時間の組み合わせを使用して、120℃未満の温度でシール強度をわずかに増加させることが可能であり、3つのシーリング条件のうちの2つの組み合わせが、少なくともより高いシール強度を有する脆質シールを作製し得ることを示す。
【0132】
特定の理論によって拘束されず、1.5秒以上の滞留時間に対する120℃以上のシール温度は、3.0N/mm以上のシーリング圧力の適用が、シール領域のいくつかの領域からシール層(A)を押す、または他の方法で圧搾するように、シール層(A)の粘度を減少させると考えられる。シール層(A)のうちのいくつか、実質的に全て、または全てがシール領域を出ると、第1のフィルムおよび第2のフィルムからのそれぞれの基層(B)は、互いに接触するように押される。シーリング条件は、第1のフィルムの基層(B)を第2のフィルムの基層(B)に融解および融合して、硬質シールを形成する。熱シーリングプロセス中にフィルムを最外層(C)での燃焼から保護しながら、層(A)を有する脆質シールおよび層(B)を有する硬質シールを形成する能力は、驚くべき、予期せぬものである。
【0133】
図7は、表4に列記される条件に従う、フィルムS4の熱シール曲線を示す。フィルムS4は、120℃の温度まで貼着性破損(脆質シール)を示すが、140℃で硬質シールを呈する。
【0134】
表4は、フィルムS4を評価するために使用される熱シール条件を提供する。
【表4】
フィルムS4について、シール温度が120℃以上、滞留時間が0.5秒以上、シーリング圧力が1.0N/mm以上である際に、積層は硬質シールを生成することが結論付けられ得る。
【0135】
本開示は、本明細書に収容される実施形態および図に限定されず、以下の特許請求の範囲内である、実施形態の部分および異なる実施形態の要素の組み合わせを含む、これらの実施形態の修正された形態を含むことが、特に意図される。
なお、本発明には、下記態様が含まれることを付記する。
〔1〕
熱シール可能な可撓性フィルム構造物であって、
層(A)であって、プロピレン/エチレンコポリマーを含む、前記層(A)の35〜80重量パーセントのプロピレン系プラストマーまたはエラストマー(「PBPE」)と、0.915g/cm3〜0.935g/cm3の範囲内の密度を有する、前記層(A)の20〜65重量パーセントの低密度ポリエチレンと、を含む、層(A)と、
前記層(A)に隣接する層(B)であって、(i)エチレンおよび3〜10個の炭素原子を有する1つ以上のα−オレフィンに由来する単位を含む、チーグラー−ナッタ触媒エチレンコポリマー、(ii)エチレンおよび3〜10個の炭素原子を有する1つ以上のα−オレフィンに由来する単位を含む、メタロセン触媒エチレンコポリマー、(iii)チーグラー−ナッタ触媒エチレンホモポリマー、(iv)メタロセン触媒エチレンホモポリマー、(v)低密度ポリエチレン、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、ポリオレフィン系ポリマーを含む、層(B)と、
140℃を超える融点を有する材料を含む、最外層(C)と、を含む、熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔2〕
層(A)中の前記低密度ポリエチレンが、高圧オートクレーブ重合プロセス、高圧管状重合プロセス、またはこれらの組み合わせを使用して生成される、〔1〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔3〕
前記フィルム構造物が、(i)2つの(A)層が互いに接触し、かつ第1の範囲のシール温度に曝露される際に硬質シールを形成し、(ii)2つの(A)層が互いに接触し、かつ第2の範囲のシール温度に曝露される際に脆質シールを形成し、前記第2の範囲が前記第1の範囲よりも低い、〔1〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔4〕
前記第2の範囲のシール温度の上限と前記第2の範囲のシール温度の下限との間の差が、少なくとも30℃である、〔3〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔5〕
前記シール層(A)が、30ミクロン未満の厚さを有する、〔1〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔6〕
前記層(A)が、50重量%〜80重量%のプロピレン/エチレンコポリマーと、50重量%〜20重量%の低密度ポリエチレンと、を含む、〔1〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔7〕
前記層(B)が、0.940g/cm3〜0.965g/cm3の密度と、5.0g/10分未満のメルトインデックスと、を有する高密度ポリエチレンを含む、〔1〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔8〕
前記最外層(C)が、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリアミド、プロピレンホモポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料である、〔1〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔9〕
層(B)と前記最外層(C)との間に配設される内層(D)を更に含む、〔1〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔10〕
前記内層(D)が、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンビニルアルコールコポリマー、無水マレイン酸修飾ポリエチレン、ポリアミド、環状オレフィンコポリマー、エチレン酢酸ビニル、プロピレンホモポリマー、塩化ビニリデンポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む、〔9〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔11〕
前記内層(D)が、0.940g/cm3〜0.965g/cm3の密度と、5.0g/10分未満のメルトインデックスと、を有する高密度ポリエチレンを含む、〔9〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔12〕
70重量%〜80重量%のプロピレン/エチレンコポリマーと、30重量%〜20重量%の低密度ポリエチレンと、を含む、シール層(A)と、
高密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリエチレンまたはこれらの組み合わせからなる群から選択されるエチレン系ポリマーを含む、基層(B)と、
高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンビニルアルコールコポリマー、無水マレイン酸修飾ポリエチレン、ポリアミド、環状オレフィンコポリマー、エチレン酢酸ビニル、プロピレンホモポリマー、塩化ビニリデンポリマー、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む、少なくとも1つの内層(D)と、
ポリ(エチレンテレフタレート)を含む、最外層(C)と、を含む、〔1〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔13〕
前記フィルム構造物が、鋳造押出プロセス、または吹込フィルム押出プロセスによって加工される、〔1〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔14〕
前記層のうちの1つ以上が発泡性である、〔1〕に記載の熱シール可能な可撓性フィルム構造物。
〔15〕
〔1〕に記載の前記熱シール可能な可撓性フィルム構造物を備える、可撓性容器。
〔16〕
可撓性容器であって、
第1のフィルムおよび第2のフィルムを備え、各フィルムが、
シール層(A)であって、前記層(A)の35〜80重量パーセントのプロピレン系プラストマーまたはエラストマー(「PBPE」)と、0.915g/cm3〜0.935g/cm3の範囲内の密度を有する、前記層(A)の20〜65重量パーセントの低密度ポリエチレンと、を含む、シール層(A)と、
高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるエチレン系ポリマーを含む、基層(B)と、
140℃を超える融点を有する材料を含む、最外層(C)と、を含む熱シール可能な可撓性フィルム構造物を含み、
前記フィルムが、各フィルムの前記層(A)が互いに接触し、かつ前記第2のフィルムが前記第1のフィルム上に重ね合わせられて、共通の周辺縁部を形成するように配置され、
熱シールが、前記共通の周辺縁部のうちの少なくとも一部分に沿って位置付けられる、
可撓性容器。
〔17〕
前記容器が、硬質シールおよび脆質シールを備える、〔16〕に記載の可撓性容器。
〔18〕
硬質シールが少なくとも1つの周辺縁部に沿って位置付けられ、脆質シールが前記周辺縁部以外の領域内に位置付けられる、〔16〕に記載の可撓性容器。
〔19〕
前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムが、単一可撓性シートの構成要素であり、前記単一可撓性シートが折り畳まれて前記第2のフィルムを前記第1のフィルム上に重ね合わせる、〔16〕に記載の可撓性容器。
〔20〕
前記周辺熱シールが容器内部を画定し、前記可撓性容器が、前記容器内部を横断し、かつ2つの区画を画定する脆質シールを更に備える、〔16〕に記載の可撓性容器。



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7