特許第6428224号(P6428224)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6428224電力ケーブル用ポリマー接続部及び鉄道車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6428224
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】電力ケーブル用ポリマー接続部及び鉄道車両
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/064 20060101AFI20181119BHJP
   H01B 17/26 20060101ALI20181119BHJP
   H01B 17/00 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   H02G15/064
   H01B17/26 D
   H01B17/00 B
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-251555(P2014-251555)
(22)【出願日】2014年12月12日
(65)【公開番号】特開2016-116279(P2016-116279A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年9月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100099597
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 賢二
(74)【代理人】
【識別番号】100124235
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100124246
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 和光
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100145171
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩行
(72)【発明者】
【氏名】村田 亘
(72)【発明者】
【氏名】相島 幸則
【審査官】 久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−031416(JP,A)
【文献】 特開2000−278852(JP,A)
【文献】 実開昭59−126419(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/00−15/196
H01B 17/00
H01B 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
段剥処理された電力ケーブルの端部が差し込まれるケーブル差込み穴を有するポリマー碍管を備え、
前記ポリマー碍管は、ポリマー系材料から形成された絶縁体と、
前記絶縁体の内周面に前記電力ケーブルの端部に対向するように埋設された金属製の埋パイプと、
主としてポリマー系材料から形成され、前記埋パイプの外周面を覆う半導電部と、
他の部材に取り付けられる取付け面が前記絶縁体から露出するように前記絶縁体の外周面側に埋設された金属製の埋込フランジと、
主としてポリマー系材料から形成され、前記埋込フランジの前記絶縁体から露出していない表面を覆う半導電部と、
を備えた電力ケーブル用ポリマー接続部であって、
前記電力ケーブル用ポリマー接続部は、鉄道車両の天井に設けられると共に、非垂直起立姿勢で使用される電力ケーブル用ポリマー接続部。
【請求項2】
前記電力ケーブル用ポリマー接続部は、水平姿勢で用いられ、
前記埋設パイプの厚さは、2〜5mmである
請求項1に記載の電力ケーブル用ポリマー接続部。
【請求項3】
段剥処理された電力ケーブルの端部が差し込まれるケーブル差込み穴を有するポリマー碍管を備え、
前記ポリマー碍管は、ポリマー系材料から形成された絶縁体と、
前記絶縁体の内周面に前記電力ケーブルの端部に対向するように埋設された金属製の埋込パイプと、
主としてポリマー系材料から形成され、前記埋込パイプの外周面を覆う半導電部と、
を備えた電力ケーブル用ポリマー接続部であって、
前記電力ケーブル用ポリマー接続部は、鉄道車両の天井に設けられると共に、非垂直起立姿勢で使用され、
前記埋パイプは、前記絶縁体からケーブル軸方向に露出している部分を有し、
前記露出部分が接続部材を介して前記電力ケーブルの導体に接続された、
力ケーブル用ポリマー接続部。
【請求項4】
段剥処理された電力ケーブルの端部が差し込まれるケーブル差込み穴を有するポリマー碍管を備え、
前記ポリマー碍管は、ポリマー系材料から形成された絶縁体と、
前記絶縁体の内周面に前記電力ケーブルの端部に対向するように埋設された金属製の埋込パイプと、
主としてポリマー系材料から形成され、前記埋込パイプの外周面を覆う半導電部と、
を備えた電力ケーブル用ポリマー接続部であって、
前記電力ケーブル用ポリマー接続部は、鉄道車両の天井に設けられると共に、非垂直起立姿勢で使用され、
前記ポリマー碍管は、前記電力ケーブルの端部が差し込まれる前は前記電力ケーブルの端部の外径よりも小さい内径を有し、前記電力ケーブルの端部が差し込まれたときは前記電力ケーブルの端部に密着する第1のケーブル差込み穴を有する絶縁保護層を備え、
前記金属製の埋パイプは、前記絶縁保護層の前記第1のケーブル差込み穴よりも差込み側の内周面に前記電力ケーブルの端部に対向するように埋設され、前記電力ケーブルの端部の外径よりも大きい内径の第2のケーブル差込み穴を有する、
力ケーブル用ポリマー接続部。
【請求項5】
前記埋パイプの外周面の算術平均粗さRaは、6.3μm以下である
請求項1〜いずれかに記載の電力ケーブル用ポリマー接続部。
【請求項6】
前記電力ケーブルは、撚り線からなる導体と、前記導体の外周に形成された内部半導電層と、前記内部半導電層の外周に形成された絶縁層と、前記絶縁層の外周に形成された外部半導電層と、前記外部半導電層の外周にワイヤーを巻き付けて形成された遮蔽層と、前記遮蔽層の外周に押えテープを巻き付けて形成された押えテープ層と、前記押えテープ層の外周に形成されたシース層とを備える、
請求項1〜いずれかに記載の電力ケーブル用ポリマー接続部。
【請求項7】
請求項1〜いずれかに記載の電力ケーブル用ポリマー接続部を有する鉄道車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー碍管を用いた電力ケーブル用ポリマー接続部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の碍子型の自立型乾式終端接続部は、磁器製の碍子が比較的重いことから、磁器製の碍子よりも軽量化を図った自立型乾式終端接続部が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この自立型乾式終端接続部は、ケーブルの端部側が差し込まれるケーブル差込み穴を備えた可撓性を有するゴム製の絶縁層と、絶縁層の肉厚の中間内部に軸線方向に向けて延伸され、絶縁層と一体的に設けられた電気的絶縁性及び剛性を有する自立用樹脂管とを備える。
【0004】
この構成によれば、軽量なゴム製の絶縁層、及び芯材として樹脂管を用いることにより終端接続部を軽量化することができる。また、樹脂管を芯材として用いることにより垂直な起立姿勢を維持しようとする自立性を発揮することができる。そのため、電柱への設置作業が容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5060800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の自立型乾式終端接続部によれば、芯材としての自立用樹脂管は樹脂製であるので、当該接続部を水平の姿勢で使用する場合には、自身で水平の姿勢を保つことができずに先端側が垂れてしまうため、樹脂管は芯材としては十分ではない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、磁器製の碍子を用いた場合よりも軽量で、水平の姿勢で用いた場合でもその姿勢を維持しようとする自立性を発揮することが可能な電力ケーブル用ポリマー接続部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、段剥処理された電力ケーブルの端部が差し込まれるケーブル差込み穴を有するポリマー碍管を備え、前記ポリマー碍管は、ポリマー系材料から形成された絶縁体と、前記絶縁体の内周面に前記電力ケーブルの端部に対向するように埋設された金属製の埋設パイプと、主としてポリマー系材料から形成され、前記埋設パイプの外周面を覆う半導電部と、を備えた電力ケーブル用ポリマー接続部を提供する。
【0009】
上記の構成において、他の部材に取り付けられる取付け面が前記絶縁体から露出するように前記絶縁体の外周面側に埋設された金属製の埋込フランジと、主としてポリマー系材料から形成され、前記埋設フランジの前記絶縁体から露出していない表面を覆う半導電部と、をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、磁器製の碍子を用いた場合よりも軽量で、水平の姿勢で用いた場合でもその姿勢を維持しようとする自立性を発揮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力ケーブル用ポリマー接続部の構成例を示す縦断面図である。
図2図2は、図1に示す電力ケーブルの横断面図である。
図3図3は、本発明の第2の実施の形態に係る車両間接続部の構成例を示す要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力ケーブル用ポリマー接続部の構成例を示す縦断面図である。図2は、図1に示す電力ケーブルの横断面図である。
【0014】
この電力ケーブル用ポリマー接続部1は、主としてポリマー系材料(絶縁性高分子材料)から形成され、段剥処理された電力ケーブル100の端部101が差し込まれるケーブル差込み穴2a、2bを有するポリマー碍管2と、ポリマー碍管2の後端側(差込み方向Aと反対側)Bを保護する保護金具3と、電力ケーブル100の導体120に接続される導体接続棒4と、導体接続棒4が取り付けられる固定端子5と、固定端子5を介して導体接続棒4に接続する高圧シールド6と、保護金具3と電力ケーブル100との間をシールする防水処理部7とを備える。
【0015】
(ポリマー碍管の構成)
ポリマー碍管2は、ポリマー系材料から形成された可撓性を有する絶縁体20と、絶縁体20の内周面に電力ケーブル100の端部101の絶縁層140に対向するように埋設された補強部材又は芯材としての金属製の埋込パイプ21と、絶縁体20の外周面側に埋設された補強部材又は芯材としての金属製の埋込フランジ22と、電力ケーブル100の端部101における電界を緩和する第1の半導電部23Aと、埋込パイプ21における電界を緩和する第2の半導電部23Bと、埋込フランジ22における電界を緩和する第3の半導電部23Cとを備える。また、ポリマー碍管2を構成する絶縁体20、埋込パイプ21、埋込フランジ22及び第1乃至第3の半導電部23A〜23Cは、工場でモールドにより一体成型される。ここで、絶縁体20及び第1乃至第3の半導電部23A〜23Cは、絶縁保護層の一例である。
【0016】
絶縁体20の外周には、複数の傘部20aが一定の間隔を設けて形成されている。絶縁体20は、ポリマー系材料として、例えばシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等から形成されている。
【0017】
絶縁保護層の差込み方向Aと反対側Bの第1のケーブル差込み穴2aは、電力ケーブル100の端部101が差し込まれる前は電力ケーブル100の端部101、すなわち絶縁層140の外径Dよりも小さい内径を有し、電力ケーブル100の絶縁層140が差し込まれたときは絶縁層140に密着する。
【0018】
埋込パイプ21は、例えば黄銅、アルミウム合金等の金属から形成されている。また、埋込パイプ21は、例えば、外径30〜50mm、厚さ2〜5mmを有する。電力ケーブル100の差込みを容易とするため、埋込パイプ21は、絶縁層140の外径よりも大きい内径Dの第2のケーブル差込み穴2bを有する。埋込パイプ21の外周面を第2の半導電部23Bで覆っているので、埋込パイプ21として市販のものを使用することが可能である。なお、埋込パイプ21の外周面を滑面(例えば、算術平均粗さRaが6.3μm以下)とすることにより、第2の半導電部23Bを省くことも可能である。
【0019】
また、埋込パイプ21は、差込み方向Aの端部が絶縁体20からケーブル軸方向に露出している部分21aを有し、この露出した部分21aは、接続部材としての高圧シールド6に接続され、この高圧シールド6が固定端子5及び導体接続棒4を介して電力ケーブル100の導体120に接続している。これにより埋込パイプ21がシールド効果を発揮する。すなわち、絶縁体20の内周面に埋込パイプ21を埋設しない構造の場合、電力ケーブル100の絶縁層140との間の空間を、絶縁破壊抑制のために絶縁性を有するコンパウンドで埋める必要がある。一方、本実施の形態では、絶縁体20の内周面に埋込パイプ21を埋設し、その埋込パイプ21を電力ケーブル100の導体120に接続しているので、埋込パイプ21と絶縁層140との間の空間が閉じた空間となり、埋込パイプ21と絶縁層140との間にコンパウンドで埋める必要がなくなる。
【0020】
埋込フランジ22は、円筒状の形状を有する円筒部22aと、円筒部22aの外周面に全周に渡って設けられた鍔部22bとを備える。埋込フランジ22は、他の部材に取り付けられる取付け面22cが絶縁体20から露出するように絶縁体20の外周面側に埋設されている。その取付け面22cには、雌ねじ22dが形成されており、埋込フランジ22をボルト30によって筐体等に取り付けできるように構成されている。このような埋込フランジ22は、例えば、黄銅、アルミウム合金等の金属から形成され、使用時にグランドに接続される。
【0021】
第1乃至第3の半導電部23A〜23Cは、主としてポリマー系材料から形成されている。すなわち、第1乃至第3の半導電部23A〜23Cは、ポリマー系材料として、例えばシリコーンゴム、EPM、EPDM等にカーボン等の導電性粉末を分散して導電性を持たせたものを押出成形することにより形成される。
【0022】
第1の半導電部23Aは、電力ケーブル100の端部101が差し込まれる前は絶縁層140の外径Dよりも小さい外径を有する。第2の半導電部23Bは、埋込パイプ21の外周面を差込み方法A側の端部を除いて覆っている。第3の半導電部23Cは、埋込フランジ22の絶縁体20から露出していない表面を覆っている。
【0023】
(その他の構成)
保護金具3は、例えば、黄銅、アルミニウム合金等の金属から形成され、ボルト30によって電力ケーブル用ポリマー接続部1を後述する筐体201A、201Bに取り付けできるように構成されている。
【0024】
導体接続棒4は、後端側に接続穴4aが形成され、先端側に雄ねじ4bが形成されている。電力ケーブル100の導体120を導体接続棒4の接続穴4aに挿入して導体接続棒4の後端側をかしめることによって接続穴4aが縮径して導体接続棒4と電力ケーブル100の導体120とが接続される。
【0025】
固定端子5は、導体接続棒4を挿通させるための挿通穴5aと、電線が接続される接続穴5bが形成されている。固定端子5は、挿通穴5aに導体接続棒4を挿通させ、ナット40を雄ねじ4bに締結することにより導体接続棒4に取り付けられる。
【0026】
高圧シールド6は、導体接続棒4の周囲を覆う円筒状を有して、金属から形成されている。高圧シールド6は、埋込パイプ21を固定端子5に接続して導体接続棒4をシールドする。
【0027】
防水処理部7は、耐水性が良好な部材、例えば粘着層付きのポリエチレンテープやエポキシテープ等を巻き付けて形成される。
【0028】
(電力ケーブルの構成)
電力ケーブル100は、撚り線からなる導体120と、導体120の外周に形成された内部半導電層130と、内部半導電層130の外周に形成された絶縁層140と、絶縁層140の外周に形成された外部半導電層150と、外部半導電層150の外周にワイヤー171を巻き付けて形成された遮蔽層170と、遮蔽層170の外周に押えテープ181を巻き付けて形成された押えテープ層180と、押えテープ層180の外周に形成されたシース層190とを備えて構成されている。
【0029】
導体120は、複数の素線を撚り合わせて形成されている。素線としては、例えば錫メッキ軟銅線等の線材を用いることができる。導体120は、例えば7000V以上の高電圧を送電する。
【0030】
内部半導電層130及び外部半導電層150は、電界の集中を緩和させるために設けられており、主としてポリマー系材料から形成され、例えば、エチレンプロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合(EVA)樹脂、ブチルゴム等のゴムにカーボン等の導電性粉末を分散して導電性を持たせたものを押出成形することにより形成される。
【0031】
絶縁層140は、例えばエチレンプロピレンゴム、塩化ビニル、架橋ポリエチレン、シリコーンゴム、フッ素系材料等の材料を押出成形することにより形成される。
【0032】
遮蔽層170は、外部半導電層150の外周にワイヤー171をケーブル軸方向に沿って螺旋状に巻き付けて形成されている。遮蔽層170は、使用時にグランドに接続される。
【0033】
押えテープ層180は、遮蔽層170の外周に押えテープ181をケーブル軸方向に沿って螺旋状に重ね巻きして形成されている。押えテープ181は、例えば、厚さ0.03〜0.5mm、幅50〜90mmのプラスチック又はレーヨンからなるテープを用いることができる。
【0034】
シース層190は、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロロビドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ノンハロゲンポリオレフィンエラストマー等のゴムに架橋剤等が添加されたものを押出成形することにより形成される。
【0035】
(第1の実施の形態の作用、効果)
本実施の形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
(1)絶縁体として磁器よりも軽いポリマー系材料を用い、補強部材として厚さの薄い埋込パイプ21を用いているので、本電力ケーブル用ポリマー接続部1は磁器製の碍子を用いた場合よりも軽量になる。
(2)絶縁体20の内周面に金属製の埋込パイプ21を埋設しているので、本電力ケーブル用ポリマー接続部1を水平の姿勢で用いた場合でも水平の姿勢を維持しようとする自立性を発揮することができる。
(3)埋込パイプ21に加えて、絶縁体20の外周面側に金属製の埋込フランジ22を埋設しているので、本電力ケーブル用ポリマー接続部1を水平の姿勢で用いた場合でも水平の姿勢を維持しようとする自立性をより発揮することができる。
(4)埋込パイプ21の外周面を第2の半導電部23Bで覆っているため、埋込パイプ21の外周面に傷があってもそれによる電界の集中を緩和することができる。
(5)埋込フランジ22の絶縁体20から露出している以外の表面を第3の半導電部23Cで覆っているため、埋込フランジ22の表面に傷があってもそれによる電界の集中を緩和することができる。
(6)埋込パイプ21を電力ケーブル100の導体120に接続しているので、埋込パイプ21と絶縁層140との間の空間が閉じた空間となり、埋込パイプ21と絶縁層140との間にコンパウンドで埋める必要がなくなる。
【0036】
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る車両間接続部の一例を示す要部正面図である。車両間接続部は、第1の実施の形態に係る電力ケーブル用ポリマー接続部を適用したものであり、一方の鉄道車両200Aの天井に設けられた筐体201Aに取り付けられた電力ケーブル用ポリマー接続部1Aと、他方の鉄道車両200Bの天井に設けられた筐体201Bに取り付けられた電力ケーブル用ポリマー接続部1Bと、両方の電力ケーブル用ポリマー接続部1A、1Bを接続する可撓性を有する電線8と、電力ケーブル用ポリマー接続部1A、1Bの導体接続部4、固定端子5及び高圧シールド6を覆う絶縁性のカバー9とを備える。
【0037】
電力ケーブル用ポリマー接続部1A、1Bの筐体201A、201Bへの取付けは、図1に示すように、ボルト30を保護金具3とともに埋込フランジ22の雌ねじ22bに締め付けることにより行われる。
【0038】
電力ケーブル用ポリマー接続部1A、1B間の接続は、電線8の導体をそれぞれの固定端子5に取り付けることにより行われる。
【0039】
(第2の実施の形態の作用、効果)
本実施の形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
(1)電力ケーブル用ポリマー接続部1A、1Bとして絶縁体20の内周面に金属製の埋込パイプ21を埋設し、絶縁体20の外周面側に金属製の埋込フランジ22を埋設しているので、電力ケーブル用ポリマー接続部1A、1Bを水平の姿勢にしても先端側がほとんど垂れないため、電力ケーブル用ポリマー接続部1A、1Bを水平の姿勢で用いることができる。
(2)電力ケーブル用ポリマー接続部1A、1B間を可撓性を有する電線8で接続しているので、鉄道車両200A、200Bがカーブを曲がるときでもそれに追従することができる。
【0040】
なお、本発明の実施の形態は、上記各実施の形態に限定されず、種々な実施の形態が可能である。例えば、上記各実施の形態は、ケーブル線路の終端接続部について説明したが、本発明は、ケーブル線路の中間接続部にも適用可能である。
【0041】
また、上記第2の実施の形態は、水平の姿勢で用いる場合について説明したが、本発明は、垂直の姿勢に用いる場合にも適用可能である。
【0042】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態の構成要素の一部を省くことや変更することが可能である。例えば、上記実施の形態では、埋込パイプ21の外周面を滑面あるいは鏡面とすることにより、第2の半導電部23Bを省いてもよい。また、上記実施の形態では、埋込フランジ22の表面を滑面あるいは鏡面とすることにより、第3の半導電部23Cを省いてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1、1A、1B…電力ケーブル用ポリマー接続部、2…ポリマー碍管、
2a…第1のケーブル差込み穴、2b…第2のケーブル差込み穴、3…保護金具、
4…導体接続棒、4a…接続穴、4b…雄ねじ、5…固定端子、5a…挿通穴、
5b…接続穴、6…高圧シールド、7…防水処理部、8…電線、9…カバー、
20…絶縁体、20a…傘部、21…埋込パイプ、22…埋込フランジ、
22a…円筒部、22b…鍔部、22c…取付け面、22d…雌ねじ、
23A…第1の半導電部、23B…第2の半導電部、23C…第3の半導電部、
30…ボルト、40…ナット、
100…電力ケーブル、120…導体、130…内部半導電層、140…絶縁層、
150…外部半導電層、170…遮蔽層、171…ワイヤー、180…テープ層、
181…テープ、190…シース層、
200A、200B…鉄道車両、201A、201B…筐体
A…差込み方向、B…後端側(反対側)
図1
図2
図3