特許第6481194号(P6481194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481194
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】サンバイザの印刷システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20190304BHJP
   B60J 3/00 20060101ALI20190304BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   G05B19/418 Z
   B60J3/00 Z
   B41J21/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-160161(P2014-160161)
(22)【出願日】2014年8月6日
(65)【公開番号】特開2016-38652(P2016-38652A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】230112449
【弁護士】
【氏名又は名称】光石 春平
(74)【代理人】
【識別番号】100102945
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康幸
(74)【代理人】
【識別番号】100120673
【弁理士】
【氏名又は名称】松元 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100182224
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲三
(72)【発明者】
【氏名】友延 英史
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 孝幸
【審査官】 大野 明良
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−073638(JP,A)
【文献】 特開2012−096169(JP,A)
【文献】 特開2012−240490(JP,A)
【文献】 特開2000−005981(JP,A)
【文献】 特開平07−232111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06Q 50/04
B05B 12/16 −12/36
14/00 −17/08
B05C 7/00 −21/00
B05D 1/00 − 7/26
B41J 5/00 − 5/52
21/00 −21/18
B60J 3/00 − 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の生産序列番号と前記生産序列番号に対応するサンバイザの部品番号とが登録された作業指示データを有するサーバと、
前記サーバから送信された前記作業指示データに基づいて、複数の前記サンバイザを対象とする印刷画像を作成し、作成した前記印刷画像の印刷指示を行う制御装置と、
前記生産序列番号に従って複数の配置位置に各々配置した複数の前記サンバイザに対し、前記制御装置の前記印刷指示に基づいて、前記印刷画像を印刷するプリンタとを有し、
前記制御装置は、
複数の前記配置位置に各々配置する複数の前記サンバイザの配置位置情報及び複数の前記サンバイザの前記部品番号に対応する複数のラベルの印刷位置情報が登録された印刷情報マスタデータと、複数の前記ラベルの画像情報が登録された画像データとを有し、前記生産序列番号に従って複数の前記配置位置に各々配置する複数の前記サンバイザについて、前記印刷情報マスタデータ及び前記画像データに基づいて複数の前記ラベルの画像位置を各々決定すると共に、決定した複数の前記画像位置に対して印刷される複数の前記ラベルの前記画像情報を1つに合成して前記印刷画像を作成する
ことを特徴とするサンバイザの印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載のサンバイザの印刷システムにおいて、
前記制御装置は、
前記生産序列番号に従って、複数の前記配置位置と、複数の前記配置位置に各々配置する前記サンバイザの前記部品番号とを1回の印刷作業毎に対応付けた印刷作業用データを作成し、
作成した前記印刷作業用データに基づいて、1回の印刷作業毎に1つの前記印刷画像を合成する
ことを特徴とするサンバイザの印刷システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のサンバイザの印刷システムにおいて、
前記プリンタは、紫外線硬化インクを用いるインクジェットプリンタである
ことを特徴とするサンバイザの印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のサンバイザに印刷を行うサンバイザの印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線(以降、UV)硬化インクを用いて、サンバイザに印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−240290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両には、サンバイザが備えられており、このサンバイザは、ドライバの目につきやすい位置に取り付けられていることから、注意事項等を記載したコーションラベルが印刷されている。このようなコーションラベルは、各国法規、言語等により種類があり、サンバイザの仕様(例えば、車種、内装色、ランプの有無、バニティーミラーの有無など)との組み合わせにより、多数のサンバイザの種類が必要であり、車両の生産ラインには、多数の種類のコーションラベルを印刷したサンバイザを多数在庫として用意する必要があった。そのため、在庫品の置き場の確保、取り付け作業に必要なサンバイザの移動や序列作業等が必要となり、コスト悪化の要因となっていた。
【0005】
そこで、上述したようなインクジェットプリンタを用い、生産序列に合わせて、サンバイザにコーションラベルを印刷して、生産ラインに随時供給することが考えられる。この場合、生産ラインのラインタクトに合わせて、所望の工程作業時間内に印刷するには、複数のサンバイザを一括して印刷する必要があり、そのための印刷画像も生産序列に合わせて作成する必要がある。しかしながら、従来は、生産序列に合わせた印刷画像をラインタクトに合わせて作成し一括して印刷する印刷システムはなかった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、生産序列に合わせて、複数のサンバイザにラベルを一括して印刷することができるサンバイザの印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する第1の発明に係るサンバイザの印刷システムは、
車両の生産序列番号と前記生産序列番号に対応するサンバイザの部品番号とが登録された作業指示データを有するサーバと、
前記サーバから送信された前記作業指示データに基づいて、複数の前記サンバイザを対象とする印刷画像を作成し、作成した前記印刷画像の印刷指示を行う制御装置と、
前記生産序列番号に従って複数の配置位置に各々配置した複数の前記サンバイザに対し、前記制御装置の前記印刷指示に基づいて、前記印刷画像を印刷するプリンタとを有し、
前記制御装置は、
複数の前記配置位置に各々配置する複数の前記サンバイザの配置位置情報及び複数の前記サンバイザの前記部品番号に対応する複数のラベルの印刷位置情報が登録された印刷情報マスタデータと、複数の前記ラベルの画像情報が登録された画像データとを有し、前記生産序列番号に従って複数の前記配置位置に各々配置する複数の前記サンバイザについて、前記印刷情報マスタデータ及び前記画像データに基づいて複数の前記ラベルの画像位置を各々決定すると共に、決定した複数の前記画像位置に対して印刷される複数の前記ラベルの前記画像情報を1つに合成して前記印刷画像を作成する
ことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する第の発明に係るサンバイザの印刷システムは、
上記第1の発明に記載のサンバイザの印刷システムにおいて、
前記制御装置は、
前記生産序列番号に従って、複数の前記配置位置と、複数の前記配置位置に各々配置する前記サンバイザの前記部品番号とを1回の印刷作業毎に対応付けた印刷作業用データを作成し、
作成した前記印刷作業用データに基づいて、1回の印刷作業毎に1つの前記印刷画像を合成する
ことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する第の発明に係るサンバイザの印刷システムは、
上記第1又は第2の発明に記載のサンバイザの印刷システムにおいて、
前記プリンタは、紫外線硬化インクを用いるインクジェットプリンタである
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、生産序列に合わせて、複数のサンバイザにラベルを一括して印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るサンバイザの印刷システムを示す構成図である。
図2図1に示したサンバイザの印刷システムで合成する印刷画像の準備手順を説明するフローチャートである。
図3図1に示したサンバイザの印刷システムで実施する印刷手順と、後続するUV照射手順及び車両への取り付け手順を説明するフローチャートである。
図4図2に示したサンバイザの印刷システムのフローチャートにおいて、サーバへ登録する作業指示を説明する図である。
図5図2に示したサンバイザの印刷システムのフローチャートにおいて、制御装置で作成する印刷作業用データを説明する図である。
図6図1に示したサンバイザの印刷システムのインクジェットプリンタのテーブルへセットする複数のサンバイザの配置を説明する図である。
図7図1に示したサンバイザの印刷システムのインクジェットプリンタのテーブルとサンバイザとラベルとの位置関係を説明する図である。
図8図2に示したサンバイザの印刷システムのフローチャートにおいて、制御装置で合成する印刷画像を説明する図である。
図9図1に示したサンバイザの印刷システムを用いて、複数のサンバイザに印刷したラベルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るサンバイザの印刷システムの実施の形態について、図1図9を参照して説明を行う。
【0014】
(実施例1)
図1は、本実施例のサンバイザの印刷システムを示す構成図である。又、図2は、図1に示したサンバイザの印刷システムで合成する印刷画像の準備手順を説明するフローチャートであり、図3は、図1に示したサンバイザの印刷システムで実施する印刷手順と、後続するUV照射手順及び車両への取り付け手順を説明するフローチャートである。又、図4図5図8は、図2に示したサンバイザの印刷システムのフローチャートを説明する図であって、図4は、サーバへ登録する作業指示を説明する図、図5は、制御装置で作成する印刷作業用データを説明する図、図8は、制御装置で合成する印刷画像を説明する図である。又、図6は、図1に示したサンバイザの印刷システムのインクジェットプリンタのテーブルへセットする複数のサンバイザの配置を説明する図であり、図7は、そのテーブルとサンバイザとラベルとの位置関係を説明する図である。又、図9は、図1に示したサンバイザの印刷システムを用いて、複数のサンバイザに印刷したラベルを示す図である。
【0015】
本実施例のサンバイザの印刷システムは、サーバ10と、ネットワーク15を介してサーバ10と接続された制御装置20と、制御ケーブル25を介して制御装置20と接続されたUV硬化インクを用いるインクジェットプリンタ30を有する。
【0016】
サーバ10は、作業指示データ11を有しており、作業指示データ11には、後述の図4に示す作業指示の内容が登録されている。この作業指示データ11は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク15を介して、制御装置20へ送信される。
【0017】
コンピュータ及びディスプレイから構成された制御装置20は、サーバ10から送信された作業指示データ11に基づいて、複数のサンバイザ35a〜35dを対象とする印刷画像を作成し、作成した印刷画像の印刷指示を行うものである。制御装置20は、具体的には、後述する印刷情報マスタデータ21、画像データ22、印刷作業用フォルダ23を有しており、作業指示データ11に加えて、印刷情報マスタデータ21及び画像データ22も参照して、後述の図8に示す印刷画像を作成し、作成した印刷画像を印刷作業用フォルダ23に登録することで、インクジェットプリンタ30への印刷指示としている。
【0018】
印刷作業用フォルダ23は、インクジェットプリンタ30のソフトウェアが使用するものであり、印刷作業用フォルダ23に印刷画像を登録すれば、登録された印刷画像が、印刷時に制御ケーブル25を介してインクジェットプリンタ30へ自動的に送信されて、複数のサンバイザ35a〜35dに自動的に印刷されることになる。
【0019】
このインクジェットプリンタ30は、印刷対象物である複数のサンバイザ35a〜35dを複数の配置位置(エリアA〜D)に配置するテーブル31(後述の図6参照)と、ホワイト、ブラック、イエロー、シアン、マゼンダ等の複数色のUV硬化インクを各々噴射して、複数のサンバイザ35a〜35dに印刷を行う複数のヘッド(図示省略)と、複数のサンバイザ35a〜35dに印刷したUV硬化インクにUVを照射して硬化させるUVランプ(図示省略)とを有している。
【0020】
このような構成を有するインクジェットプリンタ30においては、後述する生産序列番号に従って複数のエリアA〜Dに複数のサンバイザ35a〜35dを各々配置し、配置した複数のサンバイザ35a〜35dに対し、制御装置20の印刷指示に基づいて、作成した印刷画像を印刷している。
【0021】
又、インクジェットプリンタ30は、リモート/ローカルの切換ボタンを有しており、リモートによる印刷終了後には、自動的にローカルになるようになっている。具体的には、リモート時には、制御装置20の印刷指示により、印刷作業用フォルダ23に登録された印刷画像が自動的に送信されて、その印刷画像が複数のサンバイザ35a〜35dに自動的に印刷される。そして、リモートによる印刷終了後、インクジェットプリンタ30は、自動的にローカルになる。このとき、作業者が印刷後の複数のサンバイザ35a〜35dを取り出し、次に印刷するサンバイザ35a〜35dをインクジェットプリンタ30に配置し、ローカルからリモートへ切り換えることで、次の印刷を自動的に行うようになっている。
【0022】
なお、上述した制御装置20は、サーバ10との通信機能、サーバ10から受信した作業指示データ11の管理機能、登録されている印刷情報マスタデータ21及び画像データ22の管理機能、印刷画像の合成機能、合成した印刷画像の印刷作業用フォルダ23への登録機能(インクジェットプリンタ30への印刷指示機能)などを有しているが、更に、インクジェットプリンタ30について、プリンタ管理機能、テスト印刷機能、割込印刷機能、印刷履歴管理機能、再印刷機能などを備えるようにしても良い。
【0023】
例えば、プリンタ管理機能では、インクジェットプリンタ30の印刷状況などを監視すると共に、異常などを検知して、印刷の可否を判断可能としている。又、テスト印刷機能では、インクジェットプリンタ30のテスト印刷を可能としている。又、割込印刷機能では、サーバ10から受信した作業指示データ11の作業指示に無いサンバイザの印刷を行いたいときに、当該サンバイザを割り込ませて印刷する割込印刷を可能としている。又、印刷履歴管理機能では、印刷の履歴を保存、管理しており、再印刷機能では、印刷失敗時などに、その印刷の履歴を参照して、再印刷を実行可能としている。
【0024】
加えて、制御装置20は、印刷を行う作業者の作業補助を行うよう、作業指示表示機能、データメンテナンス機能などを備えるようにしても良い。例えば、作業指示表示機能では、印刷を行う複数のサンバイザの配置を指示する表示を行い、作業者は、この表示を参照して、後述の図6に示すように、複数のサンバイザを配置する。又、データメンテナンス機能では、作業者が、印刷情報マスタデータ21、画像データ22の追加、修正することを可能としている。
【0025】
上記構成を有するサンバイザの印刷システムで合成する印刷画像の準備手順を、図2に示すフローチャートと共に、図4図9を参照して説明する。
【0026】
(ステップS1)
まず、サーバ10の作業指示データ11に作業指示の内容を登録する。具体的には、図4に示すように、左端に示す車両の生産序列番号に対応して、右端に示すサンバイザの部番(部品番号)を登録する。生産序列番号は、生産ラインを流れる車両の順番であり、これに対応して、各生産序列番号の車両に取り付けるサンバイザの部番が各々登録されている。
【0027】
(ステップS2)
ネットワーク15を介して、サーバ10に登録された作業指示データ11が制御装置20へ送信される。
【0028】
(ステップS3)
制御装置20において、送信された作業指示データ11に基づいて、印刷作業用データを作成する。具体的には、インクジェットプリンタ30では、テーブル31のエリアA〜Dに4個のサンバイザ35a〜35dを配置して印刷を行う構成となっているので、図5に示すように、生産序列番号に従って、エリアA〜DとエリアA〜Dに各々配置する4個のサンバイザ35a〜35dの部番とを1回の印刷作業毎に対応付けた情報を登録すると共に、更に、4個のサンバイザ35a〜35dの裏表の情報を登録している。
【0029】
例えば、1番目(#1)の印刷作業では、テーブル31のエリアAに生産序列番号「001」の部番「1」のサンバイザが裏側を上面にして配置され、テーブル31のエリアCに生産序列番号「002」の部番「2」のサンバイザが裏側を上面にして配置され、テーブル31のエリアBに生産序列番号「003」の部番「3」のサンバイザが表側を上面にして配置され、テーブル31のエリアDに生産序列番号「004」の部番「4」のサンバイザが表側を上面にして配置されるという情報が登録されている。
【0030】
又、2番目(#2)の印刷作業、3番目(#3)の印刷作業でも、後続する生産序列番号のサンバイザについて、1番目と同様の情報が登録されているが、印刷が表裏必要なサンバイザがある場合、例えば、生産序列番号「003」の部番「3」のサンバイザ及び生産序列番号「004」の部番「4」のサンバイザについては、1番目(#1)の印刷作業のエリアB、Dに続いて、2番目(#2)の印刷作業のエリアA、Cにおいて、テーブル31のエリアAに生産序列番号「003」の部番「3」のサンバイザが裏側を上面にして配置され、テーブル31のエリアCに生産序列番号「004」の部番「4」のサンバイザが裏側を上面にして配置されるという情報が登録されている。
【0031】
このような印刷作業用データを作成することにより、後述の図8に示す印刷画像の合成を簡単に作成可能となる。
【0032】
(ステップS4)
制御装置20において、ステップS3で作成された印刷作業用データと登録済みの印刷情報マスタデータ21及び画像データ22とに基づいて、1回の印刷作業毎の印刷画像を合成する。
【0033】
印刷情報マスタデータ21としては、図7に示すように、テーブル31のテーブル原点31a(X座標、Y座標の原点)に対する、エリアA〜Dに各々配置するサンバイザ35a〜35dの配置位置情報として、それらの配置原点36a〜36dの位置情報(X座標、Y座標の位置)を登録しておく。加えて、それらの配置原点36a〜36dに対する、サンバイザ35a〜35dの部品番号に対応するラベルLa、Lb、Lc、Ld1、Ld2の印刷位置情報として、それらの印刷原点の位置情報を予め登録しておく。各ラベルLa、Lb、Lc、Ld1、Ld2の印刷原点としては、例えば、図7における左上角などを設定すれば良い。
【0034】
具体的に説明すると、テーブル31のテーブル原点31aからサンバイザ35aの配置原点36aまでの位置情報として、XY座標上の位置を、Xa、Yaとし、その配置原点36aから印刷するラベルLaの左上角の印刷原点までの位置情報として、X座標方向の相対距離をX1、Y座標方向の相対距離をY1とすると、ラベルLaの印刷原点のXY座標上の位置は、X=Xa+X1、Y=Ya+Y1となる。なお、ここでは、配置原点36a〜36dを各々XY座標の原点としたとき、各ラベルLa、Lb、Lc、Ld1、Ld2の印刷原点が負の位置にある場合、相対距離を負の値としており、図7では、X1、Y1は共に負の値である。
【0035】
このように、印刷情報マスタデータ21としては、以下の表1、表2のようなデータを登録しておく。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
又、画像データ22として、各ラベルa、b、c、d1、d2の画像情報を予め登録しておく。各ラベルa、b、c、d1、d2の画像情報は、車種や言語等に応じた注意事項や図が記載されたものである。
【0039】
なお、ラベルa、b、c、d1、d2は例示であり、実際には、多くの種類のラベルが存在しており、ラベルの種類に対応して、上述したラベルの位置情報や画像情報が、印刷情報マスタデータ21及び画像データ22に登録されている。
【0040】
印刷情報マスタデータ21に登録されたサンバイザ35a〜35dの配置位置情報及びラベルa、b、c、d1、d2の印刷位置情報に基づいて、作成する印刷画像中におけるラベルa、b、c、d1、d2の画像位置を各々決定する。そして、決定した複数の画像位置に対して画像データ22に登録されたラベルa、b、c、d1、d2の画像情報を各々合成することで、図8に示すように、サンバイザ35a〜36dに対応する1つの印刷画像を合成することができる。このような印刷画像を、ステップS3で作成された印刷作業用データに基づいて、1回の印刷作業毎に作成しておく。
【0041】
このようにして、ステップS3で作成された印刷作業用データに基づいて、1回の印刷作業毎に1つの印刷画像を合成しており、1つの印刷画像では、生産序列番号に従ってエリアA〜Dに各々配置するサンバイザ35a〜35dについて、サンバイザ35a〜35dの部品番号に対応して各々印刷される複数のラベルa、b、c、d1、d2の画像情報が1つに合成されることになる。
【0042】
(ステップS5)
制御装置20において、ステップS4で合成した印刷画像を印刷作業用フォルダに登録する。これにより、インクジェットプリンタ30への印刷指示の準備が完了する。
【0043】
以上で、制御装置20における印刷前の印刷画像の準備手順は終了する。
【0044】
次に、上記構成を有するサンバイザの印刷システムで実施する印刷手順と、後続するUV照射手順及び車両への取り付け手順を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0045】
(ステップS6〜S7)
ラベル印刷前のサンバイザ35a〜35dが入った納品箱が搬入されると、納品箱からサンバイザを取り出す。
【0046】
(ステップS8)
図6に示したように、4個のサンバイザ35a〜35dをテーブル31に配置することにより、サンバイザ35a〜35dをインクジェットプリンタ30にセットする。このとき、サンバイザ35a〜35dの裏表を注意して配置する。
【0047】
(ステップS9)
印刷開始ボタンとして機能するインクジェットプリンタ30のリモート/ローカルの切換ボタンをリモートに切り換えると、制御ケーブル25を介して、制御装置20の印刷作業用フォルダ23に登録された印刷画像がインクジェットプリンタ30へ送信され(印刷指示)、送信された印刷画像に基づいて、テーブル31に配置したサンバイザ35a〜35dに各々異なるラベルa、b、c、d1、d2を自動的に一括印刷する。
【0048】
このようにして印刷することにより、図9に示すように、サンバイザ35a〜35dにラベルa、b、c、d1、d2が印刷されることになる。このとき、インクジェットプリンタ30のリモート/ローカルの切換ボタンは、自動的にローカルに切り換わる。
【0049】
(ステップS10)
インクジェットプリンタ30のテーブル31からサンバイザ35a〜35dを取り出す。
【0050】
(ステップS11)
取り出したサンバイザ35a〜35dにおいて、反対側の面への印刷が必要な場合には、ステップS12へ進み、不要な場合には、ステップS13へ進む。
【0051】
(ステップS12)
反対側の面への印刷が必要なサンバイザを反転して、ステップS8へ戻る。
【0052】
取り出したサンバイザ35a〜35dにおいて、反対側の面への印刷が必要なサンバイザがある場合、ステップS8〜S10では、反転したサンバイザを含めた複数のサンバイザをインクジェットプリンタ30のテーブル31に配置し、その後、インクジェットプリンタ30のリモート/ローカルの切換ボタンをリモートに切り換えると、制御装置20の印刷作業用フォルダに登録された次の印刷画像を読み込み、新たに読み込んだ印刷画像に基づいて、テーブル31に配置した複数のサンバイザに異なるラベルを一括印刷することになる。
【0053】
(ステップS13〜S15)
インクジェットプリンタ30とは独立して設けたUV照射装置へサンバイザ35a〜35dをセットし、サンバイザ35a〜35dへUV照射を行って、その後、サンバイザ35a〜35dをUV照射装置から取り出す。このステップS13〜S15は、インクジェットプリンタ30に組み込んであるUVランプによるUV照射の照射量が不足している場合に行えば良い。この際、UV照射装置での照射量は、インクジェットプリンタ30のUVランプでの照射量より多くすると共に、UV照射装置でのUVの波長を395nm以上としている。これは、UV照射装置でのUV照射が、UV硬化インクを複数積層した後に行われるためであり、積層されたUV硬化インクを硬化させるため、より多くの積算光量が必要となるためである。このようにすることにより、UV硬化インクの硬化性を向上させている。
【0054】
なお、インクジェットプリンタ30のUVランプでの照射量が十分である場合には、ステップS13〜S15を飛ばして、ステップS16〜S17へ進んでも良い。
【0055】
(ステップS16〜S17)
サンバイザ35a〜35dの印刷品質を確認し、サンバイザ35a〜35dを生産序列番号に従って序列箱に格納する。
【0056】
(ステップS18)
サンバイザ35a〜35dが格納された序列箱を車両の製造ラインへ運搬する。
【0057】
(ステップS19)
序列箱からサンバイザ35a〜35dを取り出し、車両へ取り付ける。
【0058】
このような手順により、生産ラインの生産序列に合わせて、複数のサンバイザに各々異なるラベルを自動的に一括印刷することができ、生産序列に従って、ラベルを印刷したサンバイザを随時供給して、サンバイザを車両へ取り付けることができる。
【0059】
なお、ここでは、4個のサンバイザに対して一括印刷を行っているが、インクジェットプリンタのテーブルに配置できれば、サンバイザの数はいくつでも良く、その数に合わせて、複数のラベルの印刷画像を合成すれば良い。又、ここでは、紫外線硬化インクを用いるインクジェットプリンタを例示したが、複数のサンバイザに各々異なるラベルを一括印刷できれば、他の方式のプリンタでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、車両のサンバイザの印刷に好適なものである。
【符号の説明】
【0061】
10 サーバ
20 制御装置
30 インクジェットプリンタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9