特許第6483239号(P6483239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483239
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】放熱特性が向上したエネルギー貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/18 20130101AFI20190304BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20190304BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20190304BHJP
   H01G 2/08 20060101ALI20190304BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20190304BHJP
   H01M 10/643 20140101ALI20190304BHJP
   H01M 10/653 20140101ALI20190304BHJP
   H01M 10/651 20140101ALI20190304BHJP
   H01M 10/6551 20140101ALI20190304BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   H01G11/18
   H01G11/10
   H01G2/02 101E
   H01G2/08 A
   H01M10/613
   H01M10/643
   H01M10/653
   H01M10/651
   H01M10/6551
   H01M2/10 V
   H01M2/10 F
   H01M2/10 G
【請求項の数】16
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-508672(P2017-508672)
(86)(22)【出願日】2015年6月26日
(65)【公表番号】特表2017-532764(P2017-532764A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(86)【国際出願番号】KR2015006596
(87)【国際公開番号】WO2016027978
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2017年2月15日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0107939
(32)【優先日】2014年8月19日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0179732
(32)【優先日】2014年12月12日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0086880
(32)【優先日】2015年6月18日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509023012
【氏名又は名称】エル エス エムトロン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS Mtron Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】イ・ジョンゴル
(72)【発明者】
【氏名】ソ・テホ
【審査官】 田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−508366(JP,A)
【文献】 特開2011−009477(JP,A)
【文献】 特開2012−222097(JP,A)
【文献】 特開2010−225338(JP,A)
【文献】 特開2011−134523(JP,A)
【文献】 特開2004−071168(JP,A)
【文献】 特開2002−093470(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0082887(US,A1)
【文献】 特開2005−056837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 11/18
H01G 2/02
H01G 2/08
H01G 11/10
H01M 2/10
H01M 10/613
H01M 10/643
H01M 10/651
H01M 10/653
H01M 10/6551
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの円筒形のエネルギー貯蔵セルが直列で連結されて形成されたセルアセンブリと、
前記エネルギー貯蔵セルの外側面に対応する形状の収容部を備え、前記セルアセンブリを収容するケースと、
前記セルアセンブリのエネルギー貯蔵セルの外側面と前記収容部の内側面との間に設けられる放熱パッドと、を含み、
前記ケースは、少なくとも2つのケースブロックを含み、
前記ケースブロックの結合によって前記収容部が形成され、
前記放熱パッドは、弾性を有し、
前記収容部と前記エネルギー貯蔵セルとの間の間隔は、前記放熱パッドの圧着前の厚さより小さく、且つ、前記エネルギー貯蔵セルの直径公差より大きく、
前記放熱パッドの終端地点から前記エネルギー貯蔵セルと前記ケースとの間の距離が広がって前記エネルギー貯蔵セルと前記ケースとの間を絶縁することを特徴とする、エネルギー貯蔵装置。
【請求項2】
前記放熱パッドと接触する前記エネルギー貯蔵セルの中心角は、30°〜60°であることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項3】
前記収容部が形成する弧の長さは、前記放熱パッドの長さ以上であることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項4】
前記放熱パッドは、前記エネルギー貯蔵セルに付着されることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項5】
前記放熱パッドは、熱伝導フィラーであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項6】
前記放熱パッドの一面に接着層を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項7】
前記エネルギー貯蔵セルは、ウルトラキャパシタであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項8】
前記ケースブロックは、
前記エネルギー貯蔵セルの外側と同じ形状の弧を有する複数の凸部と、
前記複数の凸部を連結する凸部連結部と、
前記凸部と前記凸部連結部との間に形成された凹部と、を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項9】
前記凹部に少なくとも1つの放熱板が垂直に突出して形成されることを特徴とする請求項8に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項10】
前記ケースブロックは、L字状またはコ字状であることを特徴とする請求項8に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項11】
前記ケースブロックがL字状である場合、
前記複数の凸部の最外側凸部のうち1つは、凸部の弧の形状がつながるように連結されることを特徴とする請求項10に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項12】
前記ケースブロックは、
前記最外側凸部のうち1つから延びて前記ケースブロックの長手方向に折り曲げられたケースブロック連結部をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項13】
前記ケースブロックがコ字状である場合、
前記複数の凸部のうち最外側凸部は、凸部の弧の形状がつながるように連結されることを特徴とする請求項10に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項14】
前記ケースブロックは、
前記最外側凸部のそれぞれから延びて前記ケースブロックの長手方向に折り曲げられたケースブロック連結部をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項15】
前記凸部連結部には、カバーを固定するためのタブが形成されていることを特徴とする請求項8に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項16】
前記エネルギー貯蔵セルの外面に絶縁フィルムがさらに設けられることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー貯蔵装置に関し、より詳しくは、放熱特性が向上したエネルギー貯蔵装置に関する。
【0002】
本出願は、2014年8月19日出願の韓国特許出願第10−2014−0107939号、2014年12月12日出願の韓国特許出願第10−2014−0179732号、及び2015年6月18日出願の韓国特許出願第10−2015−0086880号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
一般に、ウルトラキャパシタ(ultra capacitor)はスーパーキャパシタ(super capacitor)とも呼ばれ、電解コンデンサと二次電池との中間的な特性を有するエネルギー貯蔵装置である。ウルトラキャパシタは高い効率、半永久的な寿命特性のため二次電池との併用が可能であり、さらには二次電池に代替できる次世代電気エネルギー貯蔵装置である。
【0004】
メンテナンスが容易でなく長い使用寿命を要求するアプリケーションに対しては、ウルトラキャパシタが蓄電池に代替して使用されることもある。ウルトラキャパシタは、速い充放電特性を有するため、移動通信情報機器である携帯電話、ノートパソコン、PDAなどの補助電源として使用することができる。また、高容量が求められる電気自動車、夜間道路表示灯、無停電電源供給装置(Uninterruptible Power Supply;UPS)などの主電源または補助電源として適する。
【0005】
このようなウルトラキャパシタの適用の際、高電圧用電池として使用するためには数千ファラド(farad)または数百ボルトの高電圧モジュールが必要である。高電圧モジュールは必要な数量の複数のウルトラキャパシタをケース内で連結して構成することができる。
【0006】
図1は、従来のウルトラキャパシタモジュールの構成を示した図である。
図1に示されたように、従来のウルトラキャパシタモジュールは、ウルトラキャパシタアレイ10、ウルトラキャパシタアレイ10を収容するケース20、及びケース20の上方と下方の開口を覆うカバー30、40を含む。ウルトラキャパシタアレイ10は、バスバー11を介して複数のウルトラキャパシタの電極ターミナルが連結され、ナットによって結合されて構成される。
【0007】
ウルトラキャパシタモジュールは複数のウルトラキャパシタの駆動を通じてエネルギー貯蔵特性を向上させることができる。しかし、ウルトラキャパシタモジュールの駆動時に生じる熱も急激に増加し、ウルトラキャパシタモジュールの信頼性や安全性が低下する恐れがある。
【0008】
上記のような従来のウルトラキャパシタモジュールは、隣接するウルトラキャパシタを連結する連結部材であるバスバー11、及びケース20の上面と下面を覆う金属材質のカバー30、40を通じて主に放熱する。しかし、ケース20の側面は、ウルトラキャパシタモジュールの重さを減らし且つ生産コストを抑えようとして合成樹脂から製作され、板状になっているため、ウルトラキャパシタとの接触面積が狭く放熱が殆ど行われない。
【0009】
また、上記のような従来技術によれば、ウルトラキャパシタは主にバスバー11を通じて放熱できるが、バスバー11の放熱面積が狭いため効率的に放熱できず、ケース内部の温度が上昇してウルトラキャパシタの寿命が短くなるという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国特許第10−1341474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ウルトラキャパシタのようなエネルギー貯蔵セルをケースに収容するとき、接触面積の広いケース側面を通じて放熱が行われるようにすることで、放熱特性を向上させたエネルギー貯蔵装置を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的及び長所は、下記する説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様によるエネルギー貯蔵装置は、少なくとも2つの円筒形のエネルギー貯蔵セルが直列で連結されて形成されたセルアセンブリ;前記エネルギー貯蔵セルの外側面に対応する形状の収容部を備え、前記セルアセンブリを収容するケース;及び前記セルアセンブリのエネルギー貯蔵セルの外側面と前記収容部の内側面との間に設けられる放熱パッド;を含み、前記ケースは少なくとも2つのケースブロックを含み、前記ケースブロックの結合によって前記収容部が形成される。
【0014】
前記放熱パッドと接触する前記エネルギー貯蔵セルの中心角は、30°〜60°であり得る。
【0015】
前記収容部が形成する弧(arc)の長さは、前記放熱パッドの長さ以上であり得る。
【0016】
前記放熱パッドは弾性を有し、前記収容部と前記エネルギー貯蔵セルとの間の間隔は前記放熱パッドの圧着前の厚さより小さく、且つ、前記エネルギー貯蔵セルの直径公差より大きくなり得る。
【0017】
前記放熱パッドは、前記エネルギー貯蔵セルに付着することができる。
【0018】
前記放熱パッドは、熱伝導フィラーであり得る。
【0019】
前記放熱パッドの一面には、接着層を備えることができる。
【0020】
前記エネルギー貯蔵セルは、ウルトラキャパシタであり得る。
【0021】
前記ケースブロックは、前記エネルギー貯蔵セルの外側と同じ形状の弧を有する複数の凸部;前記複数の凸部を連結する凸部連結部;及び前記凸部と前記凸部連結部との間に形成された凹部;を含むことができる。
【0022】
前記凹部には少なくとも1つの放熱板が垂直に突出して形成され得る。
【0023】
前記ケースブロックは、L字状またはコ字状であり得る。
【0024】
前記ケースブロックがL字状である場合、前記複数の凸部の最外側凸部のうち1つは、凸部の弧の形状がつながるように連結され得る。
【0025】
前記ケースブロックは、前記最外側凸部のうち1つから延びて前記ケースブロックの長手方向に折り曲げられたケースブロック連結部;をさらに含むことができる。
【0026】
前記ケースブロックがコ字状である場合、前記複数の凸部のうち最外側凸部は、凸部の弧の形状がつながるように連結され得る。
【0027】
前記ケースブロックは、前記最外側凸部のそれぞれから延びて前記ケースブロックの長手方向に折り曲げられたケースブロック連結部;をさらに含むことができる。
【0028】
前記凸部連結部にはカバーを固定するためのタブが形成され得る。
【0029】
前記放熱パッドの終端地点から前記エネルギー貯蔵セルと前記ケースとの間の距離が広がり、前記エネルギー貯蔵セルと前記ケースとの間を絶縁することができる。
【0030】
前記エネルギー貯蔵セルの外面に絶縁フィルムをさらに設けることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ナット及びバスバーのような連結部材を通じた放熱だけでなく、ケースとエネルギー貯蔵セルとの間に放熱パッドを設けることで、エネルギー貯蔵セルとケースとの接触面積を広げて放熱特性を向上させることができる。
【0032】
本発明によれば、多くのエネルギー貯蔵セルを収容するケースを複数のケースブロックの結合によって製造することで、前記放熱パッドを容易に設けることができ、ケースの製造コストを節減することができる。
【0033】
本発明によれば、放熱特性を向上させると同時にエネルギー貯蔵装置の製品重量を最適化することができる。
【0034】
本発明によれば、放熱パッドの両終端からエネルギー貯蔵セルとケースとの間の距離が広がるようにすることで、ケースとエネルギー貯蔵セルとの間を自然に絶縁して製品安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【0036】
図1】従来のエネルギー貯蔵装置モジュールを示した図である。
図2】本発明の一実施例によるエネルギー貯蔵装置の構成を示した図である。
図3】本発明の他の実施例によるエネルギー貯蔵セル同士の連結を示した図である。
図4図2のII−II´矢視図である。
図5】本発明の一実施例によるケースブロックの構成を示した図である。
図6】本発明の他の実施例によるケースブロックの構成を示した図である。
図7】本発明の一実施例による放熱パッドとエネルギー貯蔵セルとが接触するときの中心角を示した図である。
図8】本発明の一実施例による放熱パッドとエネルギー貯蔵セルとの接触形状、放熱効率及び製品重量を角度毎に示した図である。
図9】本発明の一実施例による接触角毎の放熱効率及び製品重量の変化を示したグラフである。
図10図4のA部分を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0038】
また、本発明の説明において、関連公知機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要にぼやかし得る場合はその詳細な説明を省略する。
【0039】
図2は、本発明の一実施例によるエネルギー貯蔵装置の構成を示した図である。図3は、本発明の他の実施例によるエネルギー貯蔵セル同士の連結を示した図である。図4は、図2のII−II´矢視図である。
【0040】
図2図4を参照すれば、本実施例によるエネルギー貯蔵装置は、少なくとも2つのエネルギー貯蔵セル110が直列で連結されたセルアセンブリ100、及びセルアセンブリ100を収容するケース200を含む。
【0041】
セルアセンブリ100は、少なくとも2つのエネルギー貯蔵セル110を直列で連結して形成することができる。エネルギー貯蔵セル110はウルトラキャパシタであり得、本実施例の説明においてエネルギー貯蔵セルはウルトラキャパシタであるが、これに限定されず、二次電池、バッテリーなど電気エネルギーを貯蔵可能なセルであれば良い。
【0042】
ウルトラキャパシタ110は速い充放電特性を有するため、移動通信情報機器である携帯電話、ノートパソコン、PDAなどの補助電源だけでなく、高容量が要求される電気自動車やハイブリッド自動車、太陽電池用電源装置、無停電電源供給装置などの主電源または補助電源として使用することができる。
【0043】
ウルトラキャパシタ110は円筒形であり得、図2に示されたように、電極が形成された長手方向に他のウルトラキャパシタと直列で連結されてセルアセンブリ100を構成することができる。このとき、隣接するウルトラキャパシタは連結部材、例えばナット及びバスバーによって連結することができる。
【0044】
また、図3に示されたように、ウルトラキャパシタ110を並列に位置させた状態で、第1ウルトラキャパシタの正極端子と第2ウルトラキャパシタの負極端子とをバスバー130及びナット150などのような連結部材を用いて直列で連結してセルアセンブリ100を形成することができる。このとき、複数のウルトラキャパシタ110はバスバー130によって正極端子と負極端子とが連結され、ナット150によって結合されてセルアセンブリ100を構成する。セルアセンブリ100をケース200に収容してウルトラキャパシタモジュールを構成することができる。
【0045】
ケース200は、ウルトラキャパシタ110が直列で連結されて形成されたセルアセンブリ100を収容することができる。ケース200はウルトラキャパシタ110の外側面に対応する形状の収容部を備え、ウルトラキャパシタ110が直列で連結されて形成されたセルアセンブリ100を収容することができる。
【0046】
ケース200は同じ形状の少なくとも2つのケースブロック(図5の510または図6の610)を結合して形成することができる。ケースブロック(図5の510または図6の610)の結合によってセルアセンブリ100を収容する収容部を形成することができる。ケースブロック(図5の510または図6の610)については図5及び図6を参照して詳しく後述する。
【0047】
図5は、本発明の一実施例によるケースブロックの構成を示した図である。
【0048】
図5を参照すれば、ケースブロック510はL字状であり得、ウルトラキャパシタ110の外側形状に対応する形状の収容部518を有する。ウルトラキャパシタ110が円筒形である場合、ウルトラキャパシタ110の外側面と接するケースブロック510の内側面は円筒形の丸い形状であり得る。前記L字状のケースブロックを4つ結合してケース200が完成でき、それによって収容部518を形成することができる。
【0049】
より具体的に、図5に示されたように、ケースブロック510は、ウルトラキャパシタ110の外側と同じ形状の弧を有する複数の凸部511、凸部511を連結する凸部連結部513、凸部511と凸部連結部513との間に形成された凹部512、及びケースブロック510を連結するケースブロック連結部514、515を含む。
【0050】
複数の凸部511は、ウルトラキャパシタ110の外側と同じ形状の弧を有してウルトラキャパシタ110を収容する収容部518を形成し、その内側に放熱パッド210が付着される。放熱パッド210はウルトラキャパシタ110で発生した熱を凸部511に放出し、またウルトラキャパシタ110と凸部511(すなわち、ケース200)との間を絶縁させる機能を果たす。このような凸部511は凸部連結部513によって連結され、凸部連結部513にはケース200を覆う上部カバー及び下部カバーを固定するためのタブが形成されている。タブはボルト締め(bolting)処理のための構成であって、ケース200とカバーとを固定するためのボルトが締め込まれる。
【0051】
複数の凸部511が連結されて形成されるケースブロック510はL字状を有する。幅手方向にケースブロック510を連結するため、最外側凸部のうち1つは幅手方向に配置されて連結され、その他の凸部は長手方向に配置されて連結される。すなわち、複数の凸部511の長手方向の最外側凸部のうち1つは、凸部511の弧の形状がつながるように連結される。
【0052】
凹部512は凸部511と凸部連結部513との間に形成される。凹部512は凸部511の一部を外側に折り返すことで形成されるが、これは絶縁距離を確保するためである。詳しくは後述する。凹部512には一定間隔で複数の放熱板517が垂直に設けられ、ウルトラキャパシタ110で発生する熱を外部に放出する。すなわち、放熱板517の間の空気の流れを通じて放熱効率を高めるため、一定間隔で放熱板517が垂直に設けられる。そして、放熱面積を広げるため、複数の放熱板517が設けられる。このとき、放熱板517の高さは凸部連結部513の高さと同一に形成される。図5では長手方向の左側端に位置する凸部連結部513の両側に凹部512が形成されていないが、他の凸部連結部513と同様に両側に凹部512を形成することもできる。
【0053】
ケースブロック連結部514、515はケースブロック510を連結する。ケースブロック連結部514、515のうちケースブロック連結部514は、凸部511から延びて長手方向に折り曲げられ、幅手方向にケースブロック510を連結する。ケースブロック連結部514、515のうちケースブロック連結部515は、凸部511から延びて幅手方向に折り曲げられ、長手方向にケースブロック510を連結する。
【0054】
図6は、本発明の他の実施例によるケースブロックの構成を示した図である。
【0055】
図6を参照すれば、ケースブロック610はコ字状であり得、ウルトラキャパシタ110の外側形状に対応する形状の収容部618を有する。ウルトラキャパシタが円筒形である場合、ウルトラキャパシタ110の外側面と接するケースブロック610の内側面は円筒形の丸い形状であり得る。前記コ字状のケースブロックを2つ結合してケース200が完成でき、それによって収容部618を形成することができる。
【0056】
より具体的に、図6に示されたように、ケースブロック610は、ウルトラキャパシタ110の外側と同じ形状の弧を有する複数の凸部611、凸部611を連結する凸部連結部613、凸部611と凸部連結部613との間に形成された凹部612、及びケースブロック610を連結するケースブロック連結部614を含む。
【0057】
複数の凸部611は、ウルトラキャパシタ110の外側と同じ形状の弧を有してウルトラキャパシタ110を収容する収容部618を形成し、その内側に放熱パッド210が付着される。放熱パッド210はウルトラキャパシタ110で発生した熱を凸部611に放出し、またウルトラキャパシタ110と凸部611(すなわち、ケース200)との間を絶縁させる機能を果たす。このような凸部611は凸部連結部613によって連結され、凸部連結部613にはケース200を覆う上部カバー及び下部カバーを固定するためのタブが形成されている。タブはボルト締め処理のための構成であって、ケース200とカバーとを固定するためのボルトが締め込まれる。
【0058】
複数の凸部611が連結されて形成されるケースブロック610はコ字状を有する。幅手方向に2つのケースブロック610を連結するため、最外側凸部は幅手方向に配置されて連結され、その他の凸部は長手方向に配置されて連結される。すなわち、複数の凸部611の最外側凸部は凸部611の弧の形状がつながるように連結される。
【0059】
凹部612は凸部611と凸部連結部613との間に形成される。凹部612は凸部611の一部を外側に折り返すことで形成されるが、これは絶縁距離を確保するためである。詳しくは後述する。凹部612には一定間隔で複数の放熱板617が垂直に設けられ、ウルトラキャパシタ110で発生する熱を外部に放出する。すなわち、放熱板617の間の空気の流れを通じて放熱効果を高めるため、一定間隔で放熱板617が垂直に設けられる。そして、放熱面積を広げるため、複数の放熱板617が設けられる。このとき、放熱板617の高さは凸部連結部613の高さと同一に形成される。図6では長手方向の両終端に位置する凸部連結部613の両側に凹部612が形成されていないが、他の凸部連結部613と同様に両側に凹部612を形成することもできる。
【0060】
ケースブロック連結部614はケースブロック610を連結する。ケースブロック連結部614は、凸部611から延びて長手方向に折り曲げられ、幅手方向にケースブロック610を連結する。
【0061】
図5及び図6を参照して上述したケースブロック510、610の結合によって形成されるケース200は金属材質で形成することができる。ケース200の内部に形成される収容部518、618はウルトラキャパシタ110の外側面と対応する形状に、ウルトラキャパシタ110の形状に最大限に合わせて製作する。したがって、ケース200とウルトラキャパシタ110との間の接触面を最大化して熱が放出される面積を増やすことで、放熱効果を高めることができる。
【0062】
上述したように、本実施例によれば、放熱効果をさらに向上させるため収容部518、618の内側面に放熱パッド210が付着される。すなわち、セルアセンブリ100が収容部518、618に挿入されたとき、セルアセンブリ100と収容部518、618との間に放熱パッド210が位置できるように、収容部518、618の内側面に放熱パッド210を付着することができる。放熱パッド210はウルトラキャパシタ110の電極が形成された長手方向に収容部518、618の内側面に付着することができる。放熱パッド210の幅は収容部518、618が形成する弧の長さより小さい。放熱パッド210の幅が収容部518、618が形成する弧の長さより大きい場合、放熱パッド210の一部が収容部518、618に当接しなくなって放熱できなくなる。換言すれば、収容部518、618は放熱パッド210の幅より長い弧を有しなければならない。
【0063】
放熱パッド210は、熱伝達のための熱伝導フィラー、例えば、金属粉末またはセラミックス粉末を含むことができる。金属粉末の例としては、アルミニウム、銀、銅、ニッケル及びタングステンのうちいずれか1つ又は2つ以上の混合物が挙げられる。また、セラミックス粉末の例としては、シリコーン、グラファイト及びカーボンブラックが挙げられる。本発明の実施例が放熱パッド210の材質によって限定されることはない。または、放熱パッド210の材質はシリコーン合成ゴムであり得る。
【0064】
放熱パッド210はケース200の内部に収容されるウルトラキャパシタ110を固定する役割を果たすことができる。すなわち、放熱パッド210は、ケース200の内部にウルトラキャパシタ110が収容される場合、ウルトラキャパシタ110と当接してウルトラキャパシタ110の動きを防止し固定することができる。収容部518、618がウルトラキャパシタ110の外側面に対応する形状で製作されても、ウルトラキャパシタ110と緊密な接触面が形成されないこともあり、それによって適切に放熱できないこともある。したがって、ウルトラキャパシタ110と接触する収容部518、618の内側面に放熱パッド210を付着することで、ウルトラキャパシタ110をケース200内に固定すると共に、ケース200とウルトラキャパシタ110との間の接触面積を広げて放熱効果を高めることができる。
【0065】
また、放熱パッド210は弾性を有し得る。ケース200には複数のウルトラキャパシタ110が挿入されるが、それぞれのウルトラキャパシタ110の直径が異なり得る。そのため、ウルトラキャパシタ110が放熱パッド210に完璧に圧着されないこともある。したがって、このようなウルトラキャパシタ110同士の直径の差を考慮し、弾性を有する放熱パッド210を用いることで、全てのウルトラキャパシタ110が放熱パッド210に十分圧着されるようにする。このとき、放熱パッド210の圧着前の厚さはウルトラキャパシタ110の直径公差より大きいことが望ましい。例えば、ウルトラキャパシタ110の標準直径が60.7mm、公差が±0.7mmである場合、放熱パッド210の圧着前の厚さは1.4mm(0.7mm×2)より大きいことが望ましく、例えば2mmの厚さを有するようにする。
【0066】
放熱パッド210が弾性を有する場合、ケース200にウルトラキャパシタ110が挿入されれば、放熱パッド210はウルトラキャパシタ110の外形に沿って変形し、それによってウルトラキャパシタ110との密着力を高めることができ、結果的に接触面積が増加する。したがって、接触面積の増加によって放熱効率をさらに高めることができる。
【0067】
一方、放熱パッド210の使用において、ケース200の収容部518、618とウルトラキャパシタ110との間隔は放熱パッド210の圧着前の厚さより小さく、且つ、前記ウルトラキャパシタ110の直径公差より大きいことが望ましい。ここで、収容部518、618とウルトラキャパシタ110との間隔は、放熱パッド210を使用せずにエネルギー貯蔵装置の組立てを完了したときの間隔である。前記間隔が前記直径公差より小さければ、ケースの組立てが不完全になって隙間が生じ得るため、前記間隔はウルトラキャパシタ110の直径公差より大きくなければならない。そして、ウルトラキャパシタ110を放熱パッド210に十分圧着させるため、前記間隔は放熱パッド210の圧着前の厚さより小さくなければならない。前記間隔が放熱パッド210の圧着前の厚さより小さければ、ケースを組み立てるとき、ウルトラキャパシタ110が放熱パッド210を圧着するようになることで、ウルトラキャパシタ110をケース200内に固定すると共にウルトラキャパシタ110と放熱パッド210との間の接触面積を広げて放熱効果を高めることができる。
【0068】
また、図示していないが、放熱パッド210の一面に接着層を備えることで、ケース200の収容部518、618に前記放熱パッドを容易に付着することができる。ここで、前記接着層は熱伝導フィラー、例えば金属粉末またはセラミックス粉末をさらに含み、接着層によって熱伝導率が低下することを防止できる。
【0069】
本実施例によれば、放熱パッド210をケース200の内側面、すなわち、ウルトラキャパシタ110の外側面と対応する収容部518、618の内側面に付着することで、ケース200の側面を通じた放熱を行って放熱性能をさらに向上でき、前記ケース200には銅またはアルミニウムのような熱伝導性に優れた材質を使用するため、ケース200の内部で発生した熱を効果的に外部に伝達し放出することができる。
【0070】
従来は隣接するウルトラキャパシタ110を連結する連結部材、すなわち、バスバーによって主に熱を放出したが、前記バスバーは熱を放出可能な面積が狭くその効果が低かった。例えば、前記バスバーの長さが100mm、幅が28mmである場合、ウルトラキャパシタ1つ当りバスバーを通じて放熱可能な面積は100×28/2(ウルトラキャパシタ1つ当りのバスバーの面積)×2(上面及び下面)=2800mmであり得る。
【0071】
しかし、上述したように本実施例によれば、ケース200の側面を通じて、すなわち、放熱面積を増加させて熱を放出することで、より効率的にケース200内部の熱を外部に放出させることができる。また、ウルトラキャパシタ110が接触するケース200の内側面に熱伝導性に優れた放熱部材、すなわち、放熱パッド210を付着することで、放熱性能を一層向上させることができる。
【0072】
例えば、図4に示されたように、放熱パッド210と接触するウルトラキャパシタの接触角、すなわち中心角が60°である場合、ウルトラキャパシタ1つ当りの放熱面積は2×3.14×(60(ウルトラキャパシタの直径)/2)×130(放熱パッドの長さ)(mm)×60(角度)×2/360=8164mmであり得る。このとき、本実施例では2ヶ所に放熱パッド210が付着されているため、角度に2を掛ける。一般に中心角は円や扇形で2つの半径が成す角度であって、本実施例における中心角は、放熱パッド210とウルトラキャパシタ110とが接触するとき、ウルトラキャパシタ110の中心からその接触する部分の両終端をつなぐ2つの半径が成す角度である。図7は、本発明の一実施例による放熱パッド210とウルトラキャパシタ110とが接触するときの中心角を示した図である。図7に示されたように、中心角αは、放熱パッド210とウルトラキャパシタ110とが接触するとき、ウルトラキャパシタ110の中心からその接触する部分の両終端をつなぐ2つの半径が成す角度である。ここで、前記両終端とは、ウルトラキャパシタ110とケース200との間で放熱パッド210が圧着されたときの両終端を意味する。
【0073】
一方、放熱パッド210と接触するウルトラキャパシタ110の接触角、すなわち、中心角αは30°〜60°であることが望ましい。中心角αが30°以上であるときの放熱効率は、中心角αが30°未満であるときの放熱効率より格段に高い。そして、放熱パッド210とウルトラキャパシタ110との接触面積が広いほど、すなわち、放熱パッド210と接触するウルトラキャパシタ110の中心角αが大きくなるほど、放熱効率が改善されるが、その分エネルギー貯蔵装置の製品重量は大きくなる。前記中心角αが30°〜60°である場合、製品重量は徐々に増加するが、中心角αが60°より大きくなれば、製品重量が急激に増加する。したがって、放熱パッド210と接触するウルトラキャパシタ110の中心角αは30°〜60°であることが望ましい。図面を参照して説明すれば、以下のようである。
【0074】
図8は、本発明の一実施例による放熱パッドとエネルギー貯蔵セルとの接触形状、放熱効率及び製品重量を角度毎に示した図である。また、図9は、本発明の一実施例による接触角毎の放熱効率及び製品重量の変化を示したグラフである。
【0075】
まず、放熱効率の算出条件は下記表1のようであり、エネルギー貯蔵セルとして18個のウルトラキャパシタを用いる。
【0076】
【表1】
【0077】
放熱効率は、数1の式を用いて計算する。
【0078】
【数1】
【0079】
製品重量は、ウルトラキャパシタの総重量、ケースの重量、放熱パッドの重量及びその他の部品の重量を合算する。
【0080】
図8を参照すれば、ケースブロックの間に形成された収容部518、618にエネルギー貯蔵セル、すなわちウルトラキャパシタ110が挿入され、収容部518、618の内側面にはウルトラキャパシタ110と接触する放熱パッド210が付着されている。ウルトラキャパシタ110と放熱パッド210との間の接触面積を大きくするためには放熱パッド210の幅が広くならなければならず、それに従って収容部518、618の弧も長くならなければならない。このようにウルトラキャパシタ110と放熱パッド210との間の接触面積が大きくなれば、放熱パッド210と接触するウルトラキャパシタ110の中心角が大きくなる。そして、隣接したウルトラキャパシタ110の間のケース200外側面に形成される凹部512、612はその深さを増す。
【0081】
図9において、左側のY軸は放熱効率を示し、右側のY軸は製品重量を示す。図9において、910は放熱効率のグラフであり、920は製品重量のグラフである。図8及び図9に示されたように、放熱パッド210と接触するウルトラキャパシタ110の中心角αが大きくなれば、エネルギー貯蔵装置の放熱効率が改善される。特に、中心角αが30°以上にあれば、中心角αが30°未満であるときより放熱効率が格段に良くなる。例えば、中心角αが10°である場合の放熱効率は90.66%であるが、中心角αが30°である場合の放熱効率は97.28%であって、中心角αが30°になることで放熱効率が良くなる。図9の放熱効率グラフに付された数字は、1°当り放熱効率の増加幅を示す。例えば、中心角αが10°から20°に増加すれば、平均的に1°当り0.36%ポイント(3.6%÷10)放熱効率が増加する。中心角αが20°から25°に増加すれば、平均的に1°当り0.30%ポイント放熱効率が増加する。図9に示されたように、中心角αが30°であるときまで放熱効率が大幅に増加し、それ以上の中心角αでは放熱効率の増加幅が鈍化する。したがって、放熱パッド210と接触するウルトラキャパシタ110の中心角αは30°以上であることが望ましい。
【0082】
しかし、放熱パッド210と接触するウルトラキャパシタ110の中心角αが30°以上に大きくなれば、その分エネルギー貯蔵装置の製品重量が増加する。放熱パッド210の幅が広くなって放熱パッド210の重量が増加し、収容部518、618の弧も同時に長くなり、隣接したウルトラキャパシタ110の間のケース200外側面に形成される凹部512、612の深さが増加して、ケース200の重量も増加するためである。図8及び図9に示されたように、中心角αが60°になるまでは製品重量が緩やかに増加するが、中心角αが60°を超えれば製品重量が急激に増加する。すなわち、60°を超える中心角αにおける製品重量増加率が60°以下の中心角αにおける製品重量増加率よりさらに大きくなる。図9の製品重量グラフに付された数字は、1°当り製品重量の増加幅を示す。例えば、中心角αが10°から20°に増加すれば、平均的に1°当り0.25%ポイント(2.5%÷10)製品重量が増加する。中心角αが20°から22.5°に増加すれば、平均的に1°当り0.23%ポイント製品重量が増加する。図9に示されたように、中心角αが60°であるときまで製品重量は緩やかに増加するが、中心角αが60°を超えれば、製品重量が急激に増加する。例えば、中心角αが55°から60°に増加するとき1°当り0.34%ポイント製品重量が増加する一方、中心角αが60°から65°まで増加すれば、1°当り0.45%ポイント製品重量が大幅に増加する。したがって、放熱パッド210と接触するウルトラキャパシタ110の中心角αは30°〜60°であることが望ましい。
【0083】
図10は、図4のA部分を拡大した図である。図10を参照すれば、ケース200を折り返すことで形成される凹部512、612から、ケース200とウルトラキャパシタ110との間の距離1010は益々遠くなる。すなわち、凹部512、612の先端を基点にしてケース200とウルトラキャパシタ110との間の距離1010は益々遠くなる。あるセルの隣接凹部512、612から遠くなるケース200は、隣接するセルの隣接凹部512、612から遠くなるケース200と凸部連結部513、613で接してケースを形成する。上述したように、放熱パッド210は、放熱機能の外に、ケース200とウルトラキャパシタ110との間を絶縁する機能を果たす。放熱パッド210がない部分、すなわち放熱パッド210が終わる地点からは、ケース200とウルトラキャパシタ110との間の距離1010を広げることで、間接的にケース200とウルトラキャパシタ110との間が絶縁されるようにする。上記のように絶縁距離を確保すること以外の絶縁対策として、それぞれのセルの外面に絶縁フィルムを付着するか、または、絶縁コーティングを施すこともできる。また、図10に示されたように、隣接するウルトラキャパシタ110とケース200との間にはセンシング及びバランシングのためのハネスを設けるための空間1020が形成される。該空間1020を通ってハネスが通過し、また該空間1020にある空気の流れによって追加的な放熱が可能である。
【0084】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0085】
10 ウルトラキャパシタアレイ、11 バスバー、20 ケース、
30、40 カバー、100 セルアセンブリ、
110 エネルギー貯蔵セル(ウルトラキャパシタ)、130 バスバー、
150 ナット、200 ケース、210 放熱パッド、
510 ケースブロック、511 凸部、512 凹部、
513 凸部連結部、514、515 ケースブロック連結部
517 放熱板、518 収容部、
610 ケースブロック、611 凸部、612 凹部、613 凸部連結部、
614 ケースブロック連結部、617 放熱板、618 収容部、
1010 距離、1020 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10