【発明が解決しようとする課題】
【0006】
酸発生剤の酸発生を向上させる試剤およびフォトレジストの組成物が説明される。典型的には、そのような試剤は、プレンステッド酸の発生を支援する。さらに、そのような試剤はルイス酸の発生に適用し得る。典型的には、そのような試剤は、還元性を有する中間体を発生させる。
【0007】
そのような試剤の例は、ビスアリールケトン、アリールアルキルケトン、ビスアリールメチルハライド、ベンゾイン、カルバゾール、アルコキシ(またはアリールオキシ)ベンゾフェノン、アルコキシ(またはアリールオキシ)メチルナフタレン、および少なくとも1つのベンジル基を含む試剤である。
【0008】
ある実施形態では、上記試剤は、上記試剤以外のアクセプタにエネルギーが直接または間接的に適用される場合に、上記試剤は、励起されたアクセプタからエネルギーを受けることによって、または励起されたアクセプタまたはアクセプタから発生された反応性化学種と反応することによって、中間体を発生させ、上記中間体は前駆体からの酸の発生を向上させることを特徴とする。
【0009】
ある実施形態では、上記試剤は、上記試剤に直接または間接的にエネルギーが適用される場合に、中間体が上記試剤から発生され、上記中間体は前駆体からの酸の発生を向上させることを特徴とする。
【0010】
ある実施形態では、上記中間体は還元性を有していてもよい。ある実施形態では、上記中間体はケチルラジカル等のラジカルであってもよい。
【0011】
ある実施形態では、上記中間体は還元特性を有する水素原子および水素イオンの少なくとも1つを放出する。
【0012】
ある実施形態では、上記エネルギーは、極紫外線または波長が15nm以下である光等の光での照射を含む。上記エネルギーは、電子線等の粒子線への暴露を含み得る。
【0013】
例として、フォトレジストの組成物は、半導体装置および電気光学装置等の電子装置の製造に適用することができる。
【0014】
本発明の態様に関するある実施形態における試剤は、上記試剤に、またはエネルギーを受けるアクセプタにエネルギーを供給すると、上記試剤から中間体が発生され、上記中間体は、前駆体から酸および塩基等の化学種酸の発生を向上させることを特徴とする。
【0015】
中間体は還元性または電子供与性を有することが好ましい。光酸発生剤は、上記中間体から電子を受けることによって酸または塩基を容易に発生し得る。
【0016】
上記中間体はラジカル等の反応性中間体であることが好ましい。
【0017】
上記中間体は還元特性を有する水素原子および水素イオンの少なくとも1つを放出することが好ましい。
【0018】
上記中間体はケチルラジカルであることが好ましい。そのようなケチルラジカルはアリール基によって安定化され得、少なくとも1つのアリール基を有する上記試剤はそのようなケチルラジカルを容易に生成することができる。
【0019】
上記エネルギーの供給を、光の照射または粒子線への暴露によって実行することが好ましい。
【0020】
波長が15nm以下である光および電子線の少なくとも1つで上記試剤を照射することによってエネルギーの供給を実行することが好ましい。そのような光または電子線での照射によって実行されるエネルギーの供給は、超微細構造を備えたパターンの形成を可能にする。
【0021】
本発明の態様に関するある実施形態における組成物は、上記試剤のうちのいずれか1つと、酸の発生源として機能する第1化合物と、を含む。
【0022】
上記組成物は、酸および塩基等の化学種によって開裂可能な結合を有する第2化合物をさらに含むことが好ましい。
【0023】
本発明の態様に関するある実施形態における組成物は、式(I)によって表される試剤と、酸の発生源として機能する第1化合物と、を含む。
【0024】
【化1】
【0025】
R
1は、水素原子であり、R
2は、水素原子、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基、環状または多環状部分を含むアルキル基、または炭素原子および水素原子以外の少なくとも1つの原子を含む置換基であり、R
3は、水素原子、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基、環状または多環状部分を含むアルキル基、または炭素原子および水素原子以外の少なくとも1つの原子を含む置換基であることが好ましい。
【0026】
本発明の態様に関するある実施形態における組成物は、試剤と、エネルギーを受けることによって、または、電子若しくは少なくとも1つの水素原子を受けることによって酸を発生する第1化合物と、を含む。
【0027】
組成物に関して、上記試剤は、水酸基と、該水酸基および水素原子に結合した炭素原子を含む第1環状部分と、を含むことが好ましい。
【0028】
上記組成物に関して、上記試剤はさらに第2環状部分を含み、上記第1環状部分は、第2環状部分にも含まれる少なくとも2つの原子を含むことが好ましい。
【0029】
上記組成物に関して、上記試剤はさらに第3環状部分を含み、上記第1環状部分は、上記第3環状部分にも含まれる少なくとも2つの原子を含むことが好ましい。
【0030】
上記組成物に関して、上記第1環状部分は6員環または5員環のいずれかであることが好ましい。
【0031】
上記組成物に関して、上記第2環状部分が芳香族基であることが好ましい。
【0032】
本発明の態様に関するある実施形態における組成物は、式(II)によって表される試剤と、エネルギーを受けることによって、または、電子若しくは少なくとも1つの水素原子を受けることによって酸を発生する第1化合物と、を含む。
【0033】
【化2】
組成物に関して、Zはカルボニル基、メチレン基、アルコキシメチレン、アリールオキシメチレン、またはヒドロキシメチレンであり、R
4は、アリール基、または、芳香族基と炭素原子および水素原子以外の少なくとも1つの原子を含む、上記芳香族基上の置換基とを含むアリール基であり、R
5は、水素原子、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基、環状または多環状部分を含むアルキル基、または炭素原子および水素原子以外の少なくとも1つの原子を含む置換基であることが好ましい。
【0034】
上記組成物に関して、上記第1化合物はヨードニウムイオンまたはスルホニウムイオンを含む有機塩であることが好ましい。
【0035】
上記試剤に関して、上記中間体は、試剤から水素原子を引き抜くことによって発生することが好ましい。
【0036】
上記試剤に関して、上記中間体の基底状態の第1酸化電位および励起状態の第2酸化電位の少なくとも1つと、上記前駆体の基底状態の第1還元電位および励起状態の第2還元電位の少なくとも1つとの差は、0.10eV以上であることが好ましい。
【0037】
試剤に関して、第1還元電位は第1酸化電位および第2酸化電位の少なくとも1つより低いことが好ましい。
【0038】
試剤に関して、中間体は還元性を有することが好ましい。
【0039】
試剤に関して、中間体はラジカルであることが好ましい。
【0040】
試剤に関して、中間体は、還元特性を有する水素原子および水素イオンの少なくとも1つを放出することが好ましい。
【0041】
試剤に関して、中間体はケチルラジカルであることが好ましい。
【0042】
試剤に関して、エネルギーの供給は光で試剤を照射することによって実行されることが好ましい。
【0043】
試剤に関して、波長が15nm以下である光および電子線の少なくとも1つで試剤を照射することによってエネルギーの供給は実行されることが好ましい。
【0044】
上記試剤に関して、上記中間体は、上記試剤の水素原子を引き抜くことによって発生することが好ましい。
【0045】
本発明の態様に関するある実施形態におけるデバイスを製造する方法は、基板に組成物のいずれか1つの溶液を塗布して上記組成物を含む膜が基板上に形成されるようにすること、上記膜の第2部分が電磁線および粒子線の少なくとも1つで照射されない一方で、上記膜の第1部分が電磁線および粒子線の少なくとも1つで照射されるように、電磁線および粒子線の少なくとも1つで上記膜を照射することを含む。
【0046】
上記方法に関して、上記方法は上記第1部分を取り除くことをさらに含むことが好ましい。
【0047】
上記方法に関して、上記方法は上記第1部分が存在した基板の第3部分がエッチングされるように基板をエッチングすることをさらに含むことが好ましい。
【0048】
上記方法に関して、上記膜の照射を、EUV光および電子線の少なくとも1つを使用して実行することが好ましい。
【0049】
本発明の態様に関するある実施形態における試剤は、上記試剤にエネルギーが直接または間接的に適用する場合に、中間体が上記試剤から発生し、上記中間体は前駆体からの酸の発生を向上させることを特徴とする。
【0050】
上記試剤に関して、上記中間体は還元性を有することが好ましい。
【0051】
上記試剤に関して、上記中間体はラジカルであることが好ましい。
【0052】
上記試剤に関して、上記中間体はケチルラジカルであることが好ましい。
【0053】
上記試剤に関して、上記中間体は、還元特性を有する水素原子および水素イオンの少なくとも1つを放出することが好ましい。
【0054】
上記試剤に関して、上記エネルギーは光での照射を含むことが好ましい。
【0055】
上記試剤に関して、光は15nm以下の波長を有することが好ましい。