特許第6501548号(P6501548)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6501548
(24)【登録日】2019年3月29日
(45)【発行日】2019年4月17日
(54)【発明の名称】収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 17/00 20060101AFI20190408BHJP
【FI】
   A01D17/00
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-27671(P2015-27671)
(22)【出願日】2015年2月16日
(65)【公開番号】特開2016-149947(P2016-149947A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2017年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】堀江 文治
(72)【発明者】
【氏名】鬼丸 亮介
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 康子
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−067514(JP,U)
【文献】 実開昭55−020865(JP,U)
【文献】 実開昭54−038289(JP,U)
【文献】 実開昭52−112449(JP,U)
【文献】 実開昭61−092252(JP,U)
【文献】 特開2001−025313(JP,A)
【文献】 特開2008−182963(JP,A)
【文献】 米国特許第04014390(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 17/00−17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を掘り取る堀取体と、この堀取体により堀り取られた作物を搬送する無端搬送体とを備え、
前記無端搬送体は、
前記作物を載置して搬送移動する搬送経路部とこの搬送経路部の下方側で搬出側から搬入側へ戻り移動する戻り経路部とを循環移動し、且つ移動方向に平行状に並べて設けられた第1搬送杆及び第2搬送杆と、
ループ状に配置され且つ周方向で交互に配置された内側リンク及び外側リンクを有し、且つ、前記内側リンクと前記外側リンクとの各端部同士が前記第1搬送杆で枢支連結されることで前記移動方向に無端状に連結された無端チェーンと、
前記搬送経路部では、前記移動方向で隣接する第1搬送杆の間の第1位置に前記第2搬送杆が前記第1搬送杆と平行に延びる状態で位置し、前記戻り経路部では、前記隣接する第1搬送杆の間から退避した第2位置に前記第2搬送杆が位置するように該第2搬送杆を位置変更可能に支持する支持部材であって、
記移動方向で隣接する第1搬送杆のうち前記移動方向前側の第1搬送杆に枢支連結された枢支部と、前記隣接する第1搬送杆のうち前記移動方向後側の第1搬送杆に係脱可能に係合する係合部と、前記枢支部と前記係合部との間に位置していて前記第2搬送杆が固定される固定部とを含む支持部材とを有し、
前記支持部材は、前記搬送経路部では前記移動方向後側の第1搬送杆に前記係合部が上側から係合することで前記隣接する第1搬送杆同士の間隔の広がりを防止すると共に前記第2搬送杆を前記第1位置に位置させ、且つ搬送経路部から戻り経路部に至る際に、当該支持部材の自重によって前記後側の第1搬送杆から前記係合部が下方に外れることで回転して前記第2搬送杆を前記第2位置に位置変更させることを特徴とする収穫機。
【請求項2】
前記支持部材は、前記第2搬送杆の中央側に設けられ、
前記支持部材の近傍に、前記移動方向で隣接する前記支持部材のうち前記移動方向前側の支持部材の係合部が係合する第1搬送杆と、前記隣接する支持部材のうち前記移動方向後側の支持部材の枢支部が枢支される第1搬送杆とを連結する連結杆が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の収穫機。
【請求項3】
前記無端搬送体は、
前記移動方向で隣接する第1搬送杆の間に位置変更不能に配置される第3搬送杆であって、前記第2搬送杆が位置する第1搬送杆間とは異なる第1搬送杆間に前記第1搬送杆と平行に延びる状態で配置される第3搬送杆とを有し、
前記第2搬送杆と前記第3搬送杆とは、前記搬送経路部において、前記第1搬送杆間すべてに位置し且つ一本の第1搬送杆を挟むように前記移動方向で交互に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の収穫機。
【請求項4】
前記無端搬送体を駆動する駆動輪であって、前記第1搬送杆に係合することで該無端搬送体に駆動力を伝達する係合突部を有する駆動輪を備え、
前記各第3搬送杆は、該第3搬送杆の前記移動方向前後に位置する一対の第1搬送杆同士を連結する連結プレートに固定され、
前記移動方向で隣接する連結プレートの間に位置する一対の第1搬送杆間に、前記係合突部が挿入する係合スペースが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の収穫機。
【請求項5】
前記第1搬送杆、前記第2搬送杆及び前記第3搬送杆は左右方向に延伸して配置おり、
前記支持部材とは異なる支持部材であって、前記第2搬送杆の端部側に設けられた端部側の支持部材を有し、
前記搬送経路部の左右方向端部側で且つ該搬送経路部の前端から後端にわたって設けられていて、前記係合スペース及び前記端部側の支持部材を覆うカバーを有することを特徴とする請求項4に記載の収穫機。
【請求項6】
前記無端搬送体で搬送した作物を収容するカゴであって、土が通過可能なカゴを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の収穫機。
【請求項7】
前記カゴを取出し可能に支持する支持フレームを有することを特徴とする請求項6に記載の収穫機。
【請求項8】
前記カゴを振動させる振動付与機構を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の収穫機。
【請求項9】
前記作物がついた状態の植物の基本器官から作物を分離させる分離部材を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ちょろぎ(地下塊茎類)や落花生等のように地中にできる小さい作物(地下茎作物)を収穫する収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地中にできる作物の収穫機として、特許文献1に記載された収穫機がある。
この収穫機は、作物を掘り取る堀取体と、この堀取体により堀り取られた作物を搬送する無端搬送体を備えている。
無端搬送体は、左右一対の無端チェーンと、この左右の無端チェーンの間に設けられた複数の搬送杆とを有する。搬送杆は、無端チェーンの周方向に間隔をおいて並べて設けられ且つ端部が無端チェーンに固定されている。この無端搬送体は、従動輪と駆動輪とにわたって巻掛けられ、駆動輪は搬送杆に係合する係合突部を有する。そして、駆動輪が回転することにより、無端搬送体が循環移動する。
【0003】
また、無端搬送体は、作物を載置して搬送移動する搬送経路部と、この搬送経路部の下方で搬出側から搬入側へ戻り移動する戻り経路部と、戻り経路部から搬送経路部に至る搬入側折返し部と、搬送経路部から戻り経路部に至る搬出側折返し部とを有する。搬送杆は、搬送経路部から搬出側折返し部を経て戻り経路部へ至り、戻り経路部から搬入側折返し部を経て搬送経路部へと至るように循環移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−25313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記収穫機で作物の収穫をする際において、堀取体により堀り取られた作物は土と共に無端搬送体上に載る。この無端搬送体上に載った土が搬送杆の間から落ちやすいように、搬送杆のピッチ(間隔)を大きくすると、ちょろぎの様な小さい作物を収穫する場合、搬送杆の間から作物が落ちてしまう。
そこで、搬送杆のピッチを、小さい作物が搬送杆の間から落ちないようなピッチにすると、土を搬送杆の間から落下排出する性能である「土の分離性能」が落ちる。この土の分離性能が落ちると、土が戻り経路部の上に溜まり、戻り経路部と搬送経路部との間に土が滞留する。
【0006】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、小さい作物の搬送が可能であり、且つ戻り経路部での土の分離性能の低下を防止した無端搬送体を有する収穫機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
本発明の一態様に係る収穫機は、作物を掘り取る堀取体と、この堀取体により堀り取られた作物を搬送する無端搬送体とを備え、前記無端搬送体は、前記作物を載置して搬送移動する搬送経路部とこの搬送経路部の下方側で搬出側から搬入側へ戻り移動する戻り経路部とを循環移動し、且つ移動方向に平行状に並べて設けられた第1搬送杆及び第2搬送杆と、ループ状に配置され且つ周方向で交互に配置された内側リンク及び外側リンクを有し、且つ、前記内側リンクと前記外側リンクとの各端部同士が前記第1搬送杆で枢支連結されることで前記移動方向に無端状に連結された無端チェーンと、前記搬送経路部では、前記移動方向で隣接する第1搬送杆の間の第1位置に前記第2搬送杆が前記第1搬送杆と平行に延びる状態で位置し、前記戻り経路部では、前記隣接する第1搬送杆の間から退避した第2位置に前記第2搬送杆が位置するように該第2搬送杆を位置変更可能に支持する支持部材であって、前記移動方向で隣接する第1搬送杆のうち前記移動方向前側の第1搬送杆に枢支連結された枢支部と、前記隣接する第1搬送杆のうち前記移動方向後側の第1搬送杆に係脱可能に係合する係合部と、前記枢支部と前記係合部との間に位置していて前記第2搬送杆が固定される固定部とを含む支持部材とを有し、前記支持部材は、前記搬送経路部では前記移動方向後側の第1搬送杆に前記係合部が上側から係合することで前記隣接する第1搬送杆同士の間隔の広がりを防止すると共に前記第2搬送杆を前記第1位置に位置させ、且つ搬送経路部から戻り経路部に至る際に、当該支持部材の自重によって前記後側の第1搬送杆から前記係合部が下方に外れることで回転して前記第2搬送杆を前記第2位置に位置変更させることを特徴とする。
【0008】
また、前記支持部材は、前記第2搬送杆の中央側に設けられ、前記支持部材の近傍に、前記移動方向で隣接する前記支持部材のうち前記移動方向前側の支持部材の係合部が係合する第1搬送杆と、前記隣接する支持部材のうち前記移動方向後側の支持部材の枢支部が枢支される第1搬送杆とを連結する連結杆が設けられていることを特徴とする。
また、前記無端搬送体は、前記移動方向で隣接する第1搬送杆の間に位置変更不能に配置される第3搬送杆であって、前記第2搬送杆が位置する第1搬送杆間とは異なる第1搬送杆間に前記第1搬送杆と平行に延びる状態で配置される第3搬送杆とを有し、前記第2搬送杆と前記第3搬送杆とは、前記搬送経路部において、前記第1搬送杆間すべてに位置し且つ一本の第1搬送杆を挟むように前記移動方向で交互に設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、前記無端搬送体を駆動する駆動輪であって、前記第1搬送杆に係合することで該無端搬送体に駆動力を伝達する係合突部を有する駆動輪を備え、前記各第3搬送杆は、該第3搬送杆の前記移動方向前後に位置する一対の第1搬送杆同士を連結する連結プレートに固定され、前記移動方向で隣接する連結プレートの間に位置する一対の第1搬送杆間に、前記係合突部が挿入する係合スペースが設けられていることを特徴とする。
また、前記第1搬送杆、前記第2搬送杆及び前記第3搬送杆は左右方向に延伸して配置おり、前記支持部材とは異なる支持部材であって、前記第2搬送杆の端部側に設けられた端部側の支持部材を有し、前記搬送経路部の左右方向端部側で且つ該搬送経路部の前端から後端にわたって設けられていて、前記係合スペース及び前記端部側の支持部材を覆うカバーを有することを特徴とする。
【0010】
また、前記無端搬送体で搬送した作物を収容するカゴであって、土が通過可能なカゴを有することを特徴とする。
また、前記カゴを取出し可能に支持する支持フレームを有することを特徴とする。
また、前記カゴを振動させる振動付与機構を有することを特徴とする。
【0011】
また、前記作物がついた状態の植物の基本器官から作物を分離させる分離部材を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
送経路部では、移動方向で隣接する第1搬送杆の間の第1位置に第2搬送杆が位置し、戻り経路部では、第1位置から退避した第2位置に第2搬送杆が位置するので、搬送経路部での第1搬送杆と第2搬送杆との間隔を狭くしても、戻り経路部での土の分離性能の低下を防止することができる。これによって、搬送経路部における第1搬送杆と第2搬送杆との間隔を小さい作物を搬送することができる間隔にすることができると共に、戻り経路部と搬送経路部との間に土が滞留するのを防止することができる。
【0013】
また、第2搬送杆を支持する支持部材が、移動方向で隣接する第1搬送杆のうち移動方向前側の第1搬送杆に枢支された枢支部と、隣接する第1搬送杆のうち移動方向後側の第1搬送杆に係脱可能に係合する係合部とを有する。これによって、第2搬送杆を第1位置と第2位置とに位置変更可能に支持することができる。
また、係合部は、搬送経路部では後側の第1搬送杆に上側から係合し、搬送経路部から戻り経路部に至る際に、支持部材が自重で回転することで後側の第1搬送杆から外れる。これによって、構造の簡素化を図ることができる。
【0014】
また、移動方向で隣接する第1搬送杆の間に位置変更不能に配置される第3搬送杆を設けることにより、位置変更可能な第2搬送杆の数を減らすことができ、無端搬送体の構造の簡素化を図ることができる。
また、第2搬送杆と第3搬送杆とを、移動方向で交互に設けることにより、戻り経路部での土の分離性能の低下を良好に防止することができる。
【0015】
また、無端搬送体で搬送した作物を収容するカゴであって、土が通過可能なカゴを設けることにより、収穫した作物を拾い上げる手間をなくすことができる。また、無端搬送体で排除されなかった土をさらに排除することができる。
また、収穫した作物を収容するカゴを取出し可能とすることにより、収穫した作物の移送を容易に行える。
【0016】
また、カゴを振動させる振動付与機構を設けることにより、作物と共にカゴに入った土を、カゴから容易に排除することができる。
また、植物の基本器官から作物を分離させる分離部材を設けることにより、作物を一つ一つ分離する手間を削減することができる。
また、駆動輪の係合突部が挿入する係合スペースを覆うカバーを設けることにより、搬送経路部で搬送される作物が前記係合スペースから落下するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】無端搬送体の側面図である。
図2】搬送装置の一部の平面図である。
図3】無端搬送体の斜視図である。
図4】カゴ及び支持フレームの斜視図である。
図5】カゴ及び支持フレームの背面断面図である。
図6】振動付与機構の側面図である。
図7】支持フレームに分離部材を取り付けた状態の斜視図である。
図8】分離部材でちょろぎを分離させる状態を示した側面図である。
図9】カバーで係合スペースを覆う状態を示した背面断面図である。
図10】収穫機の側面図である。
図11】収穫機の平面図である。
図12】他の実施形態を示す平面図である。平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図10及び図11は、ちょろぎや落花生等のように地中にできる小さい作物(収穫物)を収穫する収穫機1を示している。図10は収穫機1の側面図であり、図11は収穫機1の平面図である。
以下の説明において、左右方向内方とは、図11に矢印X1で示すように、収穫機1の左右方向の端部から左右方向の中央に向かう方向をいう。また、左右方向外方とは、図11に矢印X2で示すように、収穫機1の左右方向の中央から左右方向の端部に向かう方向をいう。
【0019】
図10及び図11に示すように、収穫機1は、機枠2と、堀取体3と、搬送装置4とを有する。
機枠2は、ギヤケース5と、左右のサポートアーム6L,6Rと、左右のサイドフレーム7L,7Rと、連結枠8と、接地体9とを有する。
ギヤケース5は、機枠2の左右方向中央に配置されている。このギヤケース5の前部には、入力軸10が前方突出状に設けられている。この入力軸10には、トラクタ等の牽引車両に設けられた動力取出し軸(PTO軸)からジョイント軸を介して動力が伝達される。ギヤケース5内には、ベベルギヤ伝動機構で構成された伝動機構11が設けられている。
【0020】
左側のサポートアーム6Lは、ギヤケース5の左側面から左右方向外方(左方)に突設され、右側のサポートアーム6Rは、ギヤケース5の右側面から左右方向外方(右方)に突設されている。これら左右のサポートアーム6L,6Rは、円筒状部材によって構成されている。右側のサポートアーム6R内には、伝動軸12が設けられている。この伝動軸12には、前記入力軸10に伝達された動力が前記伝動機構11を介して伝達される。この伝動軸12の右端側は、右側のサポートアーム6Rから突出している。
【0021】
左側のサイドフレーム7Lは、左側のサポートアーム6Lの左側方に配置され、この左側サイドフレーム7Lの上部に、左側のサポートアーム6Lが連結されている。右側のサイドフレーム7Rは、右側のサポートアーム6Rの右側方に配置され、この右側のサイドフレーム7Rの上部に、右側のサポートアーム6Rが連結されている。
連結枠8は、牽引車両の後部に装着される三点リンク機構に着脱自在に連結される。この連結枠8は、マスト13と、左右のロワーアーム14L,14Rと、左右の連結部材15L,15Rとを有する。マスト13は、ギヤケース5の上部から前上方に突設されている。このマスト13の前部には、三点リンク機構のトップリンクに連結される上連結ピン16が設けられている。左側のロワーアーム14Lは、左側のサポートアーム6Lから前
下方に突設され、右側のロワーアーム14Rは、右側のサポートアーム6Rから前下方に突設されている。左右のロワーアーム14L,14Rの前部には、三点リンク機構のロワーリンクに連結される下連結ピン17が設けられている。
【0022】
左側の連結部材15Lは、マスト13と左側のロワーアーム14Lとを連結しており、右側の連結部材15Rは、マスト13と右側のロワーアーム14Rとを連結している。
この連結枠8を、牽引車両に装着された三点リンク機構に連結して該牽引車両を前進させることで、収穫機1が前方に牽引される。
接地体9は、左側のサイドフレーム7Lの左側下部と、右側のサイドフレーム7Rの右側下部とに、それぞれ上下位置調整可能に設けられている。この接地体9は、地面に接地して地面を滑動するソリ体によって構成されている。
【0023】
堀取体3は、左右のサイドフレーム7L,7Rの前部間に、前下がり傾斜状に設けられている。この堀取体3の前部は、山形状に形成されている。堀取体3は、収穫機1が前方移動することにより、土を掘り起こしながら進行する。堀取体3が土を掘り起こしながら進行することによって作物が掘り出される。
搬送装置4は、堀取体3によって掘り出された作物を搬送する装置である。この搬送装置4は、堀取体3の後方側で且つ左右のサイドフレーム7L,7R間に設けられ、作物を後方側に搬送する。
【0024】
図1図2図3図10及び図11に示すように、搬送装置4は、駆動軸18と、駆動輪19と、従動輪20と、無端搬送体21とを有する。
駆動軸18は、機枠2の後部に左右方向に配置され、横軸(左右方向の軸心)回りに回転自在に設けられている。詳しくは、駆動軸18は、左側のサイドフレーム7Lと右側のサイドフレーム7Rとにわたって架設され、且つ左右のサイドフレーム7L,7Rに横軸回りに回転自在に支持されている。
【0025】
図11に示すように、この駆動軸18は、機枠2の右側に設けられた動力伝達機構22によって前記伝動軸12から動力が伝達されて軸芯回りに駆動される。この動力伝達機構22は、例えば、ベルト伝動機構からなり、伝動軸12と一体回転する第1プーリ23と、駆動軸18と一体回転する第2プーリ24と、これら第1プーリ23と第2プーリ24とに巻掛けられた無端ベルト25とを有する。
【0026】
駆動輪19は、無端搬送体21の後部の左右の端部側にそれぞれ設けられている。左側の駆動輪19は、左側のサイドフレーム7Lの後部の左右方向内側面(右側面)近傍に設けられ、駆動軸18に一体回転可能に取り付けられている。右側の駆動輪19は、右側のサイドフレーム7Rの後部の左右方向内側面(左側面)近傍に設けられ、駆動軸18に一体回転可能に取り付けられている。
【0027】
図1に示すように、各駆動輪19は、該駆動輪19の周面に径方向突出状に設けられた複数の係合突部26を有する。係合突部26は、駆動輪19の周方向に一定間隔をおいて設けられている。
図11に示すように、従動輪20は、無端搬送体21の左右の端部側にそれぞれ設けられている。左側の従動輪20は、左側のサイドフレーム7Lの前部の左右方向内側面(右側面)近傍に設けられ、該左側のサイドフレーム7Lに支軸27を介して横軸回りに回転自在に支持されている。右側の従動輪20は、右側のサイドフレーム7Rの後部の左右方向内側面(左側面)近傍に設けられ、該右側のサイドフレーム7Rに支軸27を介して横軸回りに回転自在に支持されている。
【0028】
図1に示すように、無端搬送体21は、駆動輪19と従動輪20とにわたって巻掛けられ、駆動輪19によって駆動されて循環移動する。
この無端搬送体21は、搬送経路部28と、戻り経路部29と、搬入側折返し部30と、搬出側折返し部31とを有する。搬送経路部28は、堀取体3によって掘り出された作物を載置して後方側(後上方)に搬送移動する部位である。戻り経路部29は、搬送経路部28の下方側を前方側(前下方)に戻り移動する(搬出側から搬入側へ戻り移動する)部位である。搬入側折返し部30は、戻り経路部29から搬送経路部28に至る部位である。搬出側折返し部31は、搬送経路部28から戻り経路部29に至る部位である。
【0029】
この無端搬送体21は、図1に矢印Aで示すように、搬送経路部28から搬出側折返し部31を経て戻り経路部29へ至り、戻り経路部29から搬入側折返し部30を経て搬送経路部28へと至るように循環移動する。
図1図2及び図3に示すように、無端搬送体21は、左右の無端チェーン(無端循環帯)32と、左右の無端チェーン32の間に設けられた第1搬送杆33、第2搬送杆34及び第3搬送杆35とを有する。左右の無端チェーン32、第1搬送杆33、第2搬送杆34及び第3搬送杆35は、矢印Aで示す移動方向に循環移動する。言い換えると、第1搬送杆33、第2搬送杆34及び第3搬送杆35は、搬送経路部28と戻り経路部29とを循環移動する。
【0030】
無端チェーン32は、周方向で交互に且つ無端状(ループ状)に配置された内側リンク36と外側リンク37とを有する。内側リンク36は、外側リンク37の左右方向内方側に位置する。外側リンク37は、内側リンク36の左右方向外方側に位置する。これら内側リンク36と外側リンク37とは端部同士が重ね合わされ、その重ね合わされた部分が枢支連結されている。
【0031】
第1搬送杆33は、内側リンク36と外側リンク37との重合部分を枢支連結している。この第1搬送杆33は、無端チェーン32の周方向全周にわたって設けられ、且つ移動方向Aに等間隔をおいて平行状に並べて設けられている。内側リンク36の両端に位置する一対の第1搬送杆33は、端部同士が連結プレート(連結部材)38によって連結され、左右方向中央部同士が連結杆(連結部材)39によって連結されている。
【0032】
第2搬送杆34は、無端チェーン32の周方向全周にわたって設けられ、且つ移動方向Aに間隔をおいて平行状に並べて設けられている。この第2搬送杆34は、左右両端部及び左右方向中央側が支持部材40によって第1搬送杆33に支持されている。
図1に示すように、この支持部材40は、搬送経路部28では、移動方向Aで隣接する第1搬送杆33の間の位置(中央位置)である第1位置B1に第2搬送杆34が位置し、戻り経路部29では、第1位置B1から退避した第2位置B2に第2搬送杆34が位置するように該第2搬送杆34を位置変更可能に支持する。
【0033】
第2搬送杆34は、搬送経路部28において、外側リンク37の両端に位置する第1搬送杆33の間の中央に位置する。また、第2搬送杆34は、搬送経路部28において、移動方向Aで隣接する第1搬送杆33の間に、移動方向A一つおきに位置する。
支持部材40は、枢支部41と、係合部42と、固定部43とを有する。
枢支部41は、移動方向Aで隣接する第1搬送杆33のうち移動方向A前側の第1搬送杆33Aに枢支される部位である。この枢支部41を第1搬送杆33が貫通することで、枢支部41が第1搬送杆33に枢支されている。係合部42は、移動方向Aで隣接する第1搬送杆33のうち移動方向A後側の第1搬送杆33Bに係脱可能に係合する部位である。固定部43は、第2搬送杆34が固定される部位であり、枢支部41と係合部42との間に位置する。
【0034】
前記係合部42は、支持部材40が搬送経路部28に位置する際には、後側の第1搬送杆33Bに上側から係合している。これによって、搬送経路部28において第2搬送杆34が第1位置B1に保持される。そして、支持部材40が搬送経路部28から戻り経路部29に至る際に、該支持部材40は自重で回転する。これによって、係合部42は、後側の第1搬送杆33Bから下側に外れ、第2搬送杆34が第2位置B2に自動的に位置変更する。戻り経路部29では、支持部材40は、移動方向A前側の第1搬送杆33Aから吊り下がった状態となる。また、支持部材40が戻り経路部29から搬送経路部28に至る際に、該支持部材40は自重で回転する。これによって、係合部42は、後側の第1搬送杆33Bに係合し、第2搬送杆34が第1位置B1に自動的に位置変更する。
【0035】
図3に示すように、第2搬送杆34の端部側の支持部材40Aの係合部42は、ストレート状に形成されている。第2搬送杆34の中央側の支持部材40Bの係合部42は、フック状に形成されている。基本的には、係合部42は、端部側の支持部材40Aの形状で問題ない。しかし、作物の収穫作業中に第1搬送杆33がたわんだりして第1搬送杆33の間隔が広がったりしない様、第1搬送杆33の間隔の広がり防止のため、中央側の支持部材40の係合部42(拡開防止用の係合部)をフック状に形成している。
【0036】
左右両側の支持部材40Aの固定部43には、第2搬送杆34の端部が固定されている。左右方向中央側の支持部材40Bの固定部43には、第2搬送杆34が貫通して固定されている。
また、左右両側の支持部材40Aは、外側リンク37から所定間隔をおいて配置されている。この外側リンク37と支持部材40Aとの間であって移動方向Aで隣接する第1搬送杆33の間に係合スペース44が設けられている。この係合スペース44に、回転する駆動輪19の係合突部26が挿入し、該係合突部26が第1搬送杆33に係合することにより、無端搬送体21が駆動される。
【0037】
第3搬送杆35は、無端チェーン32の周方向全周にわたって設けられ、且つ移動方向Aに等間隔をおいて平行状に並べて設けられている。
この第3搬送杆35は、移動方向Aで隣接する第1搬送杆33の間であって、第2搬送杆34が位置する第1搬送杆33間とは異なる第1搬送杆33間に設けられている。具体的には、第3搬送杆35は、内側リンク36の両端に位置する第1搬送杆33の間の中央位置に設けられている。したがって、第3搬送杆35は、移動方向Aで隣接する第1搬送杆33の間に、移動方向A一つおきに配置され、且つ第2搬送杆34と第3搬送杆35とは、移動方向Aで交互に設けられている。
【0038】
また、第3搬送杆35は、端部が連結プレート38に溶接等によって固定されている。したがって、第3搬送杆35は、第1搬送杆33の間に位置変更不能に設けられている。
図1に示すように、搬送装置4は、係合部材45と、この係合部材45が接当可能なガイドローラ46とを有する。係合部材45は、第1搬送杆33に固定されている。ガイドローラ46はサイドフレーム7L,7Rの内側面に取付固定されている。無端搬送体21が循環移動することで、係合部材45は、ガイドローラ46に接当して乗り上げると共にガイドローラ46を通過した際に落下する。これによって、無端搬送体21に振動が付与される。堀取体3によって掘り出された作物は、土と共に無端搬送体21上に載る。無端搬送体21に振動を付与することで、無端搬送体21上に載った土をふるい落とすことができる。
【0039】
従来の収穫機にあっては、土が落ちやすいように搬送杆の間隔を広くすると、ちょろぎのような小さい作物は搬送杆の間から落ちてしまう。そこで、搬送杆の間から小さい作物が落ちないように、搬送杆のピッチを小さくすると、土の分離性能が落ちる。この土の分離性能が落ちると、搬送経路部28から下方に落下した土が戻り経路部29の上に溜まり、戻り経路部29と搬送経路部28との間に土が滞留する。
【0040】
本実施形態では、搬送経路部28における第1搬送杆33と第2搬送杆34の隣接間隔(図2において矢印Y1で示す)及び第1搬送杆33と第3搬送杆35の隣接間隔(図2において矢印Y2で示す)を、ちょろぎのような小さい作物が落下しない間隔にしている。これによって、ちょろぎのような小さい作物が落下せずに搬送可能である。また、戻り経路部29では、第2搬送杆34が第1搬送杆33の間から退避することによって、戻り経路部29での土の排出がよくなる。これによって、戻り経路部29における土の分離性能が低下するのが防止される。戻り経路部29における土の分離性能の低下を防止することができるので、戻り経路部29と搬送経路部28との間に土が滞留するのを防止することができる。
【0041】
以上のように、ちょろぎのような小さい作物を搬送することができ、且つ戻り経路部29と搬送経路部28との間に土が滞留するのを防止することができる収穫機1を提供することができる。
また、第2搬送杆34を支持する支持部材40は、移動方向A前側の第1搬送杆33Aに枢支された枢支部41と、移動方向A後側の第1搬送杆33Bに係脱可能に係合する係合部42とを有する。これによって、第2搬送杆34を、第1搬送杆33の間の第1位置B1と第1搬送杆33の間から退避した第2位置B2とに位置変更可能に支持することができる。
【0042】
また、係合部42は、搬送経路部28では後側の第1搬送杆33Bに上側から係合し、
搬送経路部28から戻り経路部29に至る際に、支持部材40が自重で回転することで後側の第1搬送杆33Bから下側に外れる。これによって、構造の簡素化を図ることができる。
また、無端搬送体21を無端チェーン32と第1搬送杆33と第2搬送杆34とで構成してもよいが、本実施形態では、移動方向Aで隣接する第1搬送杆33の間に位置変更不能に配置される第3搬送杆35を設けることにより、位置変更可能な第2搬送杆34の数を減らすことができ、無端搬送体21の構造の簡素化を図ることができる。
【0043】
また、第2搬送杆34と第3搬送杆35とを、移動方向Aで交互に設けることにより、第3搬送杆35を設けても、戻り経路部29での土の分離性能の低下を良好に防止することができる。
図10に示すように、前記収穫機1は、収穫した作物を収容するカゴ47を有する。このカゴ47は、搬送装置4の後部側に設けられ、このカゴ47内に搬送装置4で搬送された作物が収容される。
【0044】
図4に示すように、カゴ47は、上面、前後面、左右側面及び底面が開口状に形成された直方体状のフレーム48と、このフレーム48の前後面、左右側面及び底面の開口を覆うように設けられた網状部材49を有している。網状部材49は、作物が通過不能で且つ土が通過可能とされている。
搬送装置4で搬送した作物を圃場に排出したのでは、圃場から作物を拾い上げなければならない。そこで、カゴ47を設けることにより、搬送装置4で搬送した作物を受けることができる。これにより、収穫した作物を拾い上げる手間をなくすことができる。また、カゴ47は土の通過が可能であるので、無端搬送体21で排除されなかった土をさらに排除することができる。これにより、後作業が容易になる。
【0045】
また、図10に示すように、収穫機1は、カゴ47を支持する支持フレーム50を有する。この支持フレーム50は、機枠2の後部に設けられた枠体51に前後移動自在に支持されている。
枠体51は、第1部材52と、第2部材53と、第3部材54と、第4部材55とを有する。
【0046】
第1部材52は、右側のサイドフレーム7Rの後部の下部に下方突出状に設けられている。第2部材53は、第1部材52の下部から後方突出状に設けられている。第3部材54は、左側のサイドフレーム7Lの後部の外面から後方突出状に設けられている。この第3部材54は、第2部材53よりも上位に位置する。第4部材55は、第2部材53と第3部材54とを連結している。
【0047】
なお、枠体51は、本実施形態の構造のものに限定されることはなく、支持フレーム50を前後移動自在に支持可能な構造のものであればよい。
図4及び図5に示すように、支持フレーム50は、前後のレール部材56,57と、第1連結部材58と、第2連結部材59と、引掛け部材60と、補強部材61とを有する。
前後のレール部材56,57は、カゴ47を載置して左右方向スライド自在に支持する部材である。この前後のレール部材56,57は、前後方向に間隔をおいて配置されている。前レール部材56は、底壁56aと、この底壁56aの前端から上方に延びる前壁56bとを有する。後レール部材57は、底壁57aと、この底壁57aの後端から上方に延びる後壁57bとを有する。前後のレール部材56,57の底壁56a,57aにカゴ47が載置される。また、前レール部材56の前壁56bでカゴ47の前方移動が規制され、後レール部材57の後壁57bでカゴ47の後方移動が規制される。
【0048】
第1連結部材58は、前後のレール部材56,57の左端側同士を連結する部材である。この第1連結部材58は、前後のレール部材56,57の底壁56a,57a同士を連結する底壁58aと、前レール部材56の前壁56b左端と後レール部材57の後壁57b左端とを連結する縦壁58bとを有する。縦壁58bは、底壁58aの左端から上方に延出している。
【0049】
第2連結部材59は、前後のレール部材56,57の右側部同士を連結する部材である。この第2連結部材59は、前後のレール部材56,57の底壁56a,57a同士を連
結する上壁59aと、この上壁59aの左端から下方に延びる延出壁59bとを有する。また、第2連結部材59は、枠体51の第2部材53に左右方向移動自在に載置されている。
【0050】
引掛け部材60は、第1連結部材58に取り付けられている。この引掛け部材60は、第1連結部材58の縦壁58bの左側面から上方に延びる支持部60aと、枠体51の第3部材54に前後移動自在に引っ掛けられた掛合部60bと、掛合部60bと支持部60aとを連結する連結部位60cとを有する。
補強部材61は、前レール部材56の底壁56aの下面左側と、後レール部材57の底壁57aの下面右側とを連結している。
【0051】
カゴ47は、前レール部材56の前壁56bと後レール部材57の後壁57bとの間に、右側から挿入され且つ右側に引き出される。
カゴ47の中が作物でいっぱいになると、支持フレーム50からカゴ47を引き出して新しいカゴ47を支持フレーム50にセットする。又は、支持フレーム50からカゴ47を引き出した後、カゴ47の中身をコンテナ等に移して、該カゴ47を支持フレーム50に再セットする。
【0052】
図6に示すように、収穫機1は、カゴ47を振動させる振動付与機構62を有する。この振動付与機構62は、回転部材63と、第1リンク64と、第2リンク65とを有する。
回転部材63は、円板によって構成され、左側のサイドフレーム7Lから突出した駆動軸18の左端側に、一体回転自在に取り付けられている(図11参照)。この回転部材63は、回転中心(駆動軸18の軸芯)から偏倚した位置に設けられた係合ピン66を有する。
【0053】
第1リンク64は、長手方向の中途部が枢軸67によって機枠2側(枠体51)に枢支されている。この第1リンク64の上部には長手方向に長い長孔からなるガイド孔68が形成され、このガイド孔68に係合ピン66が挿通されている。
第2リンク65は、一端側が第1リンク64の下端側に第1ピン69によって横軸回りに回転自在に連結され、他端側が支持フレーム50に第2ピン70によって横軸回りに回転自在に連結されている。
【0054】
前記振動付与機構62にあっては、回転部材63が回転すると、第1リンク64が枢軸67を中心に前後に揺動する。第1リンク64が前後に揺動すると、第2リンク65が前後に押し引きされ、支持フレーム50が前後に往復移動する。これによって、カゴ47に振動が付与される。カゴ47を振動させることにより、カゴ47からの土の排出が促進される。
【0055】
また、図10に示すように、収穫機1は、植物の基本器官(茎、葉、根などで構成される植物の基本部分)から作物(本実施形態では、塊茎である「ちょろぎ」)を分離させる分離部材71を有する。
図7及び図8に示すように、分離部材71は、板材からなり、取付基部72と、この取付基部72から上方に延出された扱ぎ部73とを有する。
【0056】
取付基部72は、左右方向に長い横長に形成され、支持フレーム50(詳しくは、後側のレール部材57)に取り付けられている。
扱ぎ部73は、取付基部72から上方側に延出する複数の扱ぎ歯74を有する。扱ぎ歯74は、左右方向に間隔をおいて並設されている。また、各扱ぎ歯74は、取付基部72から真上に延びる下部の第1部位75と、この第1部位75から前上方に向けて傾斜状に延びる上部の第2部位76とを有する。
【0057】
ちょろぎ77は根から外れやすい作物であるが、カゴ47に収容された状態で根にちょろぎ77が残ってしまうものがある。この根に残ったちょろぎ77を一つ一つ手作業で分離するのは手間がかかる。本実施形態では、ちょろぎ77が残っている根を扱ぎ部73に通すことにより、ちょろぎ77を容易に分離することができる。
図9及び図11に示すように、搬送装置4は、ゴム板等の弾性板材によって形成されたカバー78を有する。このカバー78は、無端搬送体21の上面側の左右両側に配置され
ており、搬送経路部28の前端から後端にわたって設けられている。このカバー78の上部78aは、サイドフレーム7L,7Rの内面側にボルト等によって取り付けられている。カバー78の下部78bは、係合スペース44を覆うように、無端搬送体21の上面側の左右両側を上から覆っている。
【0058】
搬送装置4は、駆動輪19の係合突部26を挿入するために、支持部材40と外側リンク37との間に係合スペース44を有しているので、この係合スペース44から作物が落下する恐れがある。前記カバー78を設けることにより、支持部材40と外側リンク37との間の係合スペース44から作物が落下するのを防止することができる。
前記実施形態では、無端チェーン32と第1搬送杆33と第2搬送杆34と第3搬送杆35とを有する無端搬送体21を例示したが、これに限定されることはない。例えば、図12に示すように、無端チェーン32と第1搬送杆33と第2搬送杆34とで無端搬送体21を構成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
3 堀取体
19 駆動輪
21 無端搬送体
26 係合突部
28 搬送経路部
29 戻り経路部
33 第1搬送杆
34 第2搬送杆
35 第3搬送杆
40 支持部材
41 枢支部
42 係合部
44 係合スペース
47 カゴ
50 支持フレーム
62 振動付与機構
71 分離部材
78 カバー
A 移動方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12