(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、塵芥の付着箇所の露出を抑制する清掃シートおよび清掃用具に関する一層合理的な構築技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る清掃シートは、保持具に装着される清掃シートであって、保持具が装着される装着領域と、第1面と、当該第1面の反対側に形成される第2面とを有するシート状部材と、第1面に設けられて被清掃領域の清掃を行う刷毛部材と、所定の第1方向上において清掃シートの外郭領域をそれぞれ構成する第1端部および第2端部とを有する。本発明に係る清掃シートは保持具に着脱自在とされ、使用者が刷毛部の汚れ具合を判断し廃棄する使い捨てタイプのものとすることができる。装着領域は、保持部における清掃シートの被装着箇所を許容する空間部により構成することができる。シート状部材および刷毛部材は可撓性を有する素材により構成することができる。より具体的には、シート状部材は不織布により構成することができる。また、刷毛部材は所定方向に配向性を有する繊維の集合体により構成することができる。
なお、第1端部および第2端部は第1方向上における清掃シートの外郭領域における点を示すことができる。一方、第1端部および第2端部は、第1方向と交差する方向である第2方向に延在する縁部とすることもできる。
【0006】
本発明に係る清掃シートは、第1端部と第2端部が第1方向に関して所定の第1間隔に離間するように置かれ、刷毛部材を外部に露出させて清掃作業を許容する第1状態と、第1端部と第2端部が第1方向に関して第1間隔よりも短い第2間隔に近接するように置かれ、刷毛部材の外部への露出面積を第1状態における露出面積よりも低減させた第2状態との間で変形可能に構成される。すなわち、上述した通りシート状部材および刷毛部材は可撓性を有する素材により構成されているため、清掃シートは第1状態と第2状態との間で変形可能とされる。
【0007】
さらに、本発明に係る清掃シートは、シートが第2状態に置かれた場合に、第2間隔を維持する第2間隔維持部材を有する。第2状態は刷毛部材の外部への露出面積が第1状態よりも低減されている。これによって、刷毛部材に付着した塵芥が刷毛部材から離脱することを抑制することが可能となる。
【0008】
さらに本発明に係る清掃シートにあっては、第2間隔維持部材は、清掃シートに接合する接合部と、接合部から延出して清掃シートから離間する離間部と、離間部と清掃シートの相対移動を規制する規制部とを有する。
接合部は、離間部の所定領域を接着剤や溶着などの手段により清掃シートに接合することにより形成される。当該構成により、離間部は接合部から延出されることとなる。離間部は、伸長可能に構成されることが望ましい。伸長可能な構成の一例として、ゴム弾性を有する素材により離間部を構成することができる。また、複数のシートを積層するとともに隣接するシートにおける端部を接合することにより、使用者の操作により連続したシート体が延出する構成とすることができる。
規制部は、清掃シートが第2状態に置かれた場合に、使用者の操作によって離間部と清掃シートの相対移動を規制して第2間隔を維持するよう構成される。すなわち、使用者が規制部を操作することによって、第2間隔を維持することが可能となる。
【0009】
また本発明に係る清掃用具は、上述した清掃シートと保持具とを有する。保持具は、使用者に把持される把持部と、把持部に連接される長尺部とを有する。
【0010】
また本発明に係る清掃シートにおける解決手段の一態様として、装着領域は、第1方向に延在するよう構成される。この場合、離間部を使用者の操作によって第1方向に延在可能に構成することができる。当該構成は、例えば離間部を可撓性の素材にて構成することにより達成することができる。この場合、装着領域を第1方向に延在させることが好ましい。これにより、第1方向の一方の側は清掃シートと保持具を装着する挿入側とされ、他方の側は清掃シートと保持具を離脱する離脱側とすることができる。
この態様に係る清掃シートによれば、清掃シートに保持具が装着された状態において、使用者が離間部を第1方向に操作することにより清掃シートを保持具から離脱することが可能となる。すなわち、使用者は塵芥が付着された刷毛部材に触れる機会を低減した状態で、保持具から清掃シートを離脱することができる。
【0011】
また本発明に係る清掃シートにおける解決手段の一態様として、装着領域を分割する分割部を有することができる。この場合、接合部を分割部上に接合することができる。当該分割部は、保持具を清掃シートに着脱するにあたり当該保持具が通過することのできない領域となる。この態様に係る清掃シートによれば、接合部が保持具に押圧され、清掃シートから離脱することを抑制することが可能となる。
【0012】
また本発明に係る清掃シートにおける解決手段の一態様として、規制部を離間部に設けられるとともに清掃シートに接着可能な接着部により構成することができる。接着部は、清掃シートが第2状態に置かれた場合に、使用者の操作によって清掃シートに接着されることにより離間部と清掃シートの相対移動を規制することができる。この場合、清掃シートは第2間隔を維持するため、刷毛部材の塵芥の離脱を抑制することが可能となる。
なお、接着部は接着剤により構成することや、例えばシート状部材を構成する不織布に係合可能なフック部材により構成することができる。
【0013】
また本発明に係る清掃シートにおける解決手段の一態様として、清掃シートは接着部に接着される被接着部材を有することができる。例えば、接着部が複数のフック要素を有するフック部材により構成される場合、被接着部材として多数のループ要素を有するループ部材を使用することができる。この対応に係る清掃シートによれば、清掃シートに対して接着部をより確実に配設することが可能となる。
【0014】
また本発明に係る清掃シートにおける解決手段の一態様として、規制部を離間部の先端部を含む先端領域により構成することができる。先端領域は、清掃シートが第2状態に置かれた場合に、使用者の操作によって離間部に接合されることにより離間部と清掃シートの相対移動を規制することができる。この場合、清掃シートは第2間隔を維持するため、刷毛部材の塵芥の離脱を抑制することが可能となる。
なお、当該態様に係る第2間隔維持部材は、紐などの長尺体により構成することができる。
【0015】
また本発明に係る清掃シートにおける解決手段の一態様として、離間部を第1離間要素と第2離間要素とにより構成することができる。この場合、第1離間要素は第1離間要素の先端部を含む第1先端領域を有し、第2離間要素は第2離間要素の先端部を含む第2先端領域を有する。当該構成の場合、規制部は第1先端領域と第2先端領域とにより構成される。第1先端領域と第2先端領域は、清掃シートが第2状態に置かれた場合に、使用者の操作によって互いに接合されることにより第1離間要素および第2離間要素と清掃シートの相対移動を規制することができる。この場合、清掃シートは第2間隔を維持するため、刷毛部材の塵芥の離脱を抑制することが可能となる。
【0016】
また本発明に係る清掃シートにおける解決手段の一態様として、離間部を開口を有する環状要素により構成することができる。この場合、環状要素は規制部を兼用する。環状要素は、清掃シートが第2状態に置かれた場合に使用者の操作によって開口に清掃シートが挿通されることにより
環状要素と清掃シートの相対移動を規制することができる。この場合、清掃シートは第2間隔を維持するため、刷毛部材の塵芥の離脱を抑制することが可能となる。
【0017】
また本発明に係る清掃シートにおける解決手段の一態様として、装着領域は、シート状部材を重ねることによって構成することができる。この場合、複数のシート状部材を積層するとともに、当該積層されたシート状部材を所定間隔を有する接合部により接合することにより、当該所定間隔を有する接合部同士の間に装着領域を構成することができる。また、単一のシートを折り畳むことにより生ずる空間を装着領域とすることも可能である。
【0018】
また本発明に係る清掃シートにおける解決手段の一態様として、シート状部材の
第2面には、他の刷毛部材を設けることができる。この場合、シート状部材の第1面および第2面に刷毛部が構成されるため、清掃可能領域の増加を図ることが可能となる。
【0019】
また本発明に係る清掃用具における解決手段の一態様として、装着領域を第1方向に延在し、第2間隔維持部材を使用者の操作により第1方向に延在可能に構成することができる。当該構成によって、保持具に清掃シートが装着されている状態において、使用者が第2間隔維持部材を第1方向へ移動することにより、保持具から清掃シートを離脱することが可能となる。
この態様に係る清掃用具によれば、清掃シートに保持具が装着された状態において、使用者が離間部を第1方向に操作することにより清掃シートを保持具から離脱することが可能となる。すなわち、使用者は塵芥が付着された刷毛部材に触れる機会を低減した状態で、保持具から清掃シートを離脱することができる。
【0020】
また本発明に係る
清掃用具における解決手段の一態様として、清掃シートは、装着領域を分割する分割部を有し、保持具は、分割部により分割された装着領域の数と同数の長尺部を有することができる。この場合、接合部を分割部上に接合することが可能となる。当該分割部は、保持具を清掃シートに着脱するにあたり当該保持具が通過することのできない領域となる。この態様に係る清掃用具によれば、接合部が保持具に押圧され、清掃シートから離脱することを抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、塵芥の付着箇所の露出を抑制する清掃シートおよび清掃用具に関する一層合理的な構築技術を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(清掃用具の説明)
本発明に係る第1実施形態を
図1〜
図16に基づき説明する。
図1は清掃用具A100を示す斜視図である。
図1に示すとおり清掃用具A100は、保持具D100と、保持具D100に着脱自在とされた清掃シートB100とにより構成される。清掃シートB100には保持具D100が装着される装着領域B600が構成される。この清掃用具A100が本発明に係る「清掃用具」の一例であり、保持具D100が本発明に係る「保持具」の一例であり、清掃シートB100が本発明に係る「清掃シート」の一例であり、装着領域B600が本発明に係る「装着領域」の一例である。
清掃シートB100は、清掃シートB100のみで販売される場合と、清掃シートB100と保持具D100とが同時に梱包されて清掃用具A100として販売される場合がある。清掃シートB100は、一回使用を目安とした使い捨てタイプのものや、清掃対象の被清掃面から除去したごみや埃を保持しつつ複数回の使用を目安として交換を行う使い捨てタイプのものであってもよい。
【0024】
装着領域B600は所定の第1方向B100yに延在される。第1実施形態に係る清掃用具A100においては、第1方向B100yが清掃シートB100の長尺方向を規定する。第1方向B100yと交差する方向は第2方向B100xとされる。第1方向B100yおよび第2方向B100xは、清掃シートB100および保持具D100の延在方向を規定する。清掃シートB100における第1方向B100y上の端部はそれぞれ第1端部B101および第2端部B102を構成する。また、清掃シートB100における第2方向B100x上の端部はそれぞれ第3端部B103および第4端部B104を構成する。この第1方向B100yが本発明に係る「第1方向」の一例であり、第1端部B101が本発明に係る「第1端部」の一例であり、第2端部B102が本発明に係る「第2端部」の一例である。
なお、第1方向B100yにおいて、清掃シートB100に保持具D100を装着する側は挿入側B100y1を規定し、清掃シートB100から保持具D100を抜去する側は離脱側B100y2を規定する。
【0025】
(保持具の説明)
図2〜
図4に基づき保持具D100の説明を行う。
図2は保持具D100の全体を示す平面図、
図3は保持具D100における延在部D140の構成を示す側面図、
図4は
図2におけるI−I線断面図である。
図2に示す通り、保持具D100は、清掃シートB100の装着領域B600に保持される長尺部D110と、使用者に把持されるハンドル部D160とを有する。長尺部D110は、先端部D120と、基部D130と、当該先端部D120と基部D130との間に延在する延在部D140とを有する。延在部D140は、基部D130から二股状に形成される。よって、基部D130は単一であるが、延在部D140と先端部D120とはそれぞれ2つずつ構成される。ハンドル部D160は、先端部D161と、後端部D162と、当該先端部D161と後端部D162との間に延在する把持部D163とを有する。長尺部D110の基部D130と、ハンドル部D160の先端部D161とは、着脱自在に構成されている。この長尺部D110が本発明に係る「長尺部」の一例であり、把持部D163が本発明に係る「把持部」の一例である。保持具D100は、樹脂材料にて成型されており、本発明に係る実施形態においては、長尺部D110がポリプロピレンにより形成され、ハンドル部D160がポリエステルにより形成されている。
【0026】
図2に示すとおり、延在部D140は第1延在部D141と第2延在部D142とを有する。二股状の延在部D140において、第1延在部D141は互いに近接する位置関係にあり、第2延在部D142は互いに離間する位置関係にある。より具体的には
図2に示すとおり、二つの第1延在部D141は第2方向B100xにおいて互いに近接する方向に突出するような湾曲形状とされる。二つの第2延在部D142は、第2方向B100xにおいて互いに離間する方向に突出するような湾曲形状とされる。
図2に示すとおり、第2延在部D142は、先端部D120側の先端側凸部D151と、基部D130側の基部側凸部D152とを有する。当該先端側凸部151と基部側凸部D152は、清掃シートB100の装着領域B600を構成する内壁に係止し、保持具D100と清掃シートB100の離脱を抑制する。
【0027】
図4および
図5に示す通り、第1延在部D141と第2延在部D142は、それぞれが離間する方向に湾曲する。具体的には
図4に示すとおり、第1延在部D141の中央領域が
図4における下側方向に突出するように湾曲し、第2延在部D142の中央領域が
図4における上側方向に突出するように湾曲する。よって、長尺部D110は、巨視的には概ね立体的な形状とされている。
【0028】
(清掃シートの基本構成に係る説明)
図5〜
図7に基づき、清掃シートB100の基本構成を説明する。
図5は清掃シートB100を示す平面図、
図6は清掃シートB100を示す平面図、
図7は
図5におけるI−I線断面図である。
図7に示すとおり清掃シートB100は、シート状部材と、繊維束B400とを主体として構成される。シート状部材とは、第1シートB210と、第2シートB220と、第3シートB230とを示す。第1シートB210と第2シートB220は重ねられる。繊維束B400は、第2シートB220と第3シートB230との間に配置される。シート状部材と、繊維束B400とは、所定の接合部により接合される。第1シートB210と第2シートB220との間には、保持具D100の長尺部D110が収容される装着領域B600が形成される。装着領域B600は、第1シートB210と第2シートB220とを第1接合部B710および第2接合部B720により接合することにより形成される。すなわち、装着領域B600の外縁は、第2接合部B720により構成される。
【0029】
図7に示すとおり第1シートB210は、第1面B211と、第1面211の反対側に形成される第2面B212とを有する。第2面B212には、後述する維持部材C100が設けられる。第1面B211には、第2シートB220、繊維束B400、第3シートB230が設けられる。第2シートB220、繊維束B400および第3シートB230は、使用者によって被清掃領域に当接されて清掃を行う刷毛部B500を構成する。この第1シートB210が本発明に係る「シート状部材」の一例であり、第1面B211が本発明に係る「第1面」の一例であり、第2面B212が本発明に係る「第2面」の一例であり、第2シートB220、第3シートB230および繊維束B400が本発明に係る「刷毛部材」の一例である。
【0030】
なお、第1実施形態に係る清掃シートB100は、刷毛部B500が第1面B211のみに形成されている。一方、第2面B212に繊維束B400を接合することにより、第2面B212にも刷毛部B500を形成することができる。この場合、第2面B212に配置される繊維束B400は、維持部材C100が形成されていない領域に配置することが好ましい。
【0031】
図5に示すとおり、装着領域B600は両端に開口B610を有する。保持具D100の長尺部D110は、どちらの開口B610からも挿入することが可能である。
図5に示すとおり、第1方向B100yにおいて、第1シートB210は第2シートB220よりも短く形成されている。
図5に示すとおり第1シートB210および第2シートB220は、第2方向B100xに延在する切込みB310を複数本有する。また、
図6に示すとおり第3シートB230も、第2方向B100xに延在する切込みB310を複数本有する。第1シートB210、第2シートB220および第3シートB230における隣接した切込みB310の間には、短冊片B300が形成される。当該短冊片B300は、使用者により被清掃対象に当接され塵芥を掻き出す機能を有する。
【0032】
第1シートB210、第2シートB220および第3シートB230は、熱溶融性繊維(熱可塑性繊維)からなる不織布により形成される。よって、第1シートB210、第2シートB220および第3シートB230は可撓性を有する。
【0033】
繊維束B400は繊維構成体により形成される。この発明において、繊維構成体とは、「繊維」により形成される構造物を示すものである。この発明において、「繊維」とは、典型的な単一の繊維によるものや、典型的な繊維が長さ方向および/または径方向にそろって形成されるもの(撚糸、紡績糸、複数の長繊維が部分的に接続された糸材など)を含むものである。ここで「典型的な繊維」とは、糸、織物などの構成単位であり、太さに比して十分な長さを持つ、細くてたわみやすい形態のものである。具体的には長い連続状の繊維が長繊維(フィラメント)とされ、短い繊維が短繊維(ステープル)とされる。
ここで、本実施形態に係る清掃シートB100において、繊維束B400は、所定の方向に配向性を有する複数の繊維による繊維集合体により形成される。具体的には、繊維集合体は第2方向B100xに配向性を有する繊維の集合体により形成される。
繊維集合体は、第2方向B100xに配向性を有するとともに積層された複数の繊維により形成される。繊維は柔軟な素材であるため、容易に屈曲、変形される。よって、繊維の繊維配向方向とは、製品の設計上における繊維配向性のことを示すものである。また、この構成により繊維束B400は可撓性を有する。
繊維集合体は、芯部分ポリエチレンテレフタレートであり、当該芯部分の外面を覆う鞘部分がポリエチレンである複合繊維を用いたトウを開繊することによって得られる長繊維(フィラメント)の集合体が用いられることが好ましい。
【0034】
図7に示すとおり、第1シートB210、第2シートB220、繊維束B400および第3シートB230は第1接合部B710により接合される。また、第1シートB210、第2シートB220および一部の繊維束B400は第2接合部B720により接合される。装着領域B600は、第1シートB210と第2シートB220の間における第2接合部B720に囲まれた領域に構成される。この意味において、第1接合部B710は装着領域B600を分割する分割部を構成すると言うことができる。この第1接合部B710が本発明に係る「分割部」の一例である。
装着領域B600に分割部を構成することにより、保持具D100の長尺部D110の数に応じた数を有する装着領域B600を構成することが可能となる。この長尺部D110に対応した装着領域B600の個数は、設計者が任意に選択することができる。なお、装着領域B600に分割部を設けず、単一の装着領域B600とすることも可能である。
【0035】
上述の通り、装着領域B600は第1シートB210と第2シートB220とを重ねることにより構成される。一方、例えば単一のシート状部材における互いに離間した領域同士を重ね、当該重ねられた領域を第1方向B100yに沿って接合することにより構成される空間を装着領域B600とすることもできる。
【0036】
(維持部材の説明)
次に、
図8〜
図12に基づき維持部材C100の説明を行う。第1シートB210、第2シートB220、第3シートB230および繊維束B400はそれぞれ可撓性を有する。当該構成により、清掃シートB100は可撓性を有する。
図8に示すとおり、清掃シートB100に保持具D100を装着して清掃作業を行う場合などは、清掃シートB100を第1端部B101と第2端部B102が第1方向B100yに関して所定の第1間隔B110に離間するような形状に置くことができる。この場合、清掃シートB100は、刷毛部B500を外部に露出させる第1状態を形成する。
一方、
図9に示すとおり、例えば清掃シートB100を廃棄する場合は、清掃シートB100を第1端部B101と第2端部B102が第1方向B100yに関して第1間隔B110よりも短い第2間隔B120に近接するような形状に置くことができる。この場合、清掃シートB100は、刷毛部B500の外部への露出面積を第1状態における露出面積よりも低減させた第2状態を形成する。
この第1間隔B110が本発明に係る「第1間隔」の一例であり、第2間隔B120が本発明に係る「第2間隔」の一例である。
【0037】
清掃シートB100は、清掃シートB100が第2状態に置かれた場合に第2間隔B120を維持する維持部材C100を有する。この維持部材C100が本発明に係る「第2間隔維持部材」の一例である。
図5に示すとおり、維持部材C100は、第1シートB210の第2面B212における第1接合部B710(分割部)上に設けられる。清掃シートB100に対し保持具D100を着脱する場合、第1接合部B710は長尺部D110を許容しない領域となる。よって、第1接合部B710上に維持部材C100を設けることによって、保持具D100の着脱が維持部材C100に与える影響を低減することが可能となる。
【0038】
図10に示すとおり、維持部材C100は、清掃シートB100に接合する接合部C110と、接合部C110から延出して清掃シートB100から離間する離間部C120と、離間部C120と清掃シートB100の相対移動を規制する規制部C130とを有する。この接合部C110が本発明に係る「接合部」の一例であり、離間部C120が本発明に係る「離間部」の一例であり、規制部C130が本発明に係る「規制部」の一例である。
規制部C130は、清掃シートB100が第2状態に置かれた場合に、使用者の操作によって離間部C120と清掃シートB100の相対移動を規制して第2間隔B120を維持するよう構成される。規制部C130の具体的な構成については後述する。
【0039】
なお、清掃シートB100は可撓性を有するため、第2状態として
図9に示した第1端部B101と第2端部B102とが向かい合う形状の他に、種々の形状をとることができる。例えば、
図11に示すように第2端部B102を有する清掃シートB100の領域上に第1端部B101を有する清掃シートB100の領域が重なる形状に清掃シートB100が変形し、第2間隔B120を形成することができる。また、
図12に示すように、清掃シートB100が折り畳まれる形状にて変形し、第2間隔B120を形成することができる。これらのいずれの場合であっても、第2間隔B120を形成する第2状態において、規制部C130は、離間部C120と清掃シートB100の相対移動を規制して第2間隔B120を維持することができる。
【0040】
第1実施形態に係る清掃シートB100においては、規制部C130は、離間部C120に設けられるとともに清掃シートB100に接着可能な接着部により構成される。当該構成によって。清掃シートB100が第2状態に置かれた場合に、使用者の操作によって接着部が清掃シートB100に接着されることにより、離間部C120と清掃シートB100の相対移動を規制することを特徴とする清掃シート。これにより、清掃シートB100は第2状態を維持することができるため、刷毛部B500から塵芥が離脱することを抑止することができる。
【0041】
第1実施形態に係る維持部材C100のさらに具体的な構成を
図13〜
図16に基づき説明する。第1実施形態において、維持部材C100は接着体C200により構成される。
図13は接着体C200が使用者に操作されていない状態を示す。
図14は、
図13における接着体C200の概要をさらに明確に説明するための説明図である。
図13において、接着体C200は複数の可撓性を有する合成樹脂製のフィルム体により構成される。第1実施形態の場合、接着体C200は第1接着体C201、第2接着体C202および第3接着体C203を積層することにより構成される。この接着体C200を構成するフィルム体の数は、任意に設定することが可能である。
【0042】
図13に示すとおり、第1接着体C201、第2接着体C202および第3接着体C202は第1シートB210側の面にそれぞれ接着層C210を有する。接着層C210はホットメルト系接着剤の塗布により構成することができる。接着層C210の内、第1接着体C201の接着層C210が接合部C110を構成し、第3接着体C203の接着層C210が接着部(規制部C130を構成する。)この第3接着体C203の接着層C210が本発明に係る「接着部」の一例である。すなわち、接着層C210を有する接着体を複数積層することにより維持部材C100を構成する場合は、第1シートB210に隣接する接着層C210が接合部C110を構成し、第1シートB210に隣接しない接着層が接着部(規制部C130)を構成する。
【0043】
第1接着体C201および第2接着体C202において、接着層C110を有する側とは反対側の面には、隣接される他の接着体の接着層C210との接着を抑制する接着抑制領域と、接着を許容する接着許容領域が設けられる。
図14に示すとおり、第1接着体C201における右側の端部領域には接着許容領域が設けられ、それ以外の領域には接着抑制領域が設けられる。接着抑制領域は、接着体の所定箇所にシリコーン加工などを施すことにより構成することができる。また、接着許容領域は、当該シリコーン加工を施さないことにより構成することができる。
【0044】
図13および
図14において、第2接着体C202における左側の端部領域には接着許容領域が設けられ、それ以外の領域には接着抑制領域が設けられる。これにより、第1接着体C201の接着許容領域には第2接着体C202の接着層C210が接着され連結部C240を構成する。また、第2接着体C202の接着許容領域には第3接着体C203の接着層C210が接着され連結部C240を構成する。なお、第3接着体C203における連結部C240と対向する端部領域には接着層C210が設けられていない領域が形成される。当該領域は、使用者の指で把持される摘み部C230を構成する。
なお、
図14に示すとおり、摘み部C230の操作により接着抑制領域と隣接する接着体の領域は剥離され、剥離部C220を構成する。この剥離部C220は離間部C120を構成する。
【0045】
次に、
図15に基づき接着体C200(維持部材C100)の動作を説明する。
図15においては、清掃シートB100が第1状態を構成しており、保持具D100が
図15における左側(挿入側B100y1)に配置されており、使用者に操作される以前の状態における摘み部C230が離脱側B100y2に配置されているものとする。
使用者が摘み部C230を引き操作すると、第3接着体C203は第2接着体C202から剥離され、第2接着体C202は第1接着体C201から剥離されることにより剥離部C220を形成する。剥離部C220は使用者が摘み部C230を引き操作する方向に延在する。この場合、使用者が離脱方向B100y2方向に摘み部C230を引き操作しているため、剥離部C220が離脱方向B100y2に延在されることとなる。この状態のまま使用者が摘み部C230の引き操作を継続することにより、清掃シートB100を保持具100から離脱することができる。すなわち、使用者は塵芥が付着した刷毛部B500に触れることなく、清掃シートB100と保持具D100とを分離することができる。
【0046】
保持具D100から離脱された清掃シートB100は、使用者によって第2状態とされる。しかる後に、剥離部C220を第2状態の清掃シートB100に巻回し、第3接着体C203の接着層C210を清掃シートB100の所定箇所に接着する。
これによって、清掃シートB100は第2状態を維持可能となる。よって、使用者は、刷毛部B500から塵芥が離脱することを抑制した状態にて、清掃シートB100を廃棄場所へと運搬することが可能となる。さらに、刷毛部B500の露出が低減された状態であるため、不快感を低減することが可能となる。
【0047】
次に、
図16に基づき第1実施形態に係る接着体C200の他の動作を説明する。
図16においては、清掃シートB100が第1状態を構成しており、保持具D100が
図15における右側(挿入側B100y1)に配置されており、使用者に操作される以前の状態における摘み部C230が挿入側B100y1に配置されているものとする。
使用者が摘み部C230を離脱側B100y2に引き操作すると、第3接着体C203は第2接着体C202から剥離される。一方、第1接着体C201と第2接着体C202の連結部C240は挿入側B100y1に配置されているため、第1接着体C201と第2接着体C202とは剥離されない。よって、この段階において剥離部C220は第3接着体C203のみにより構成される。一方、この状態であっても剥離部C220は離脱側に延在されているため、このまま使用者が摘み部C230の引き操作を継続することにより、清掃シートB100を保持具100から離脱することができる。
【0048】
保持具D100から離脱された清掃シートB100は、使用者によって第2状態とされる。しかる後に、摘み部C230の引き操作により第1接着体C201と第2接着体C202を剥離する。これによって、剥離部C220を第2接着体C202と第3接着体C203とにより構成することができる。
そして使用者は、剥離部C220を第2状態の清掃シートB100に巻回し、第3接着体C203の接着層C210を清掃シートB100の所定箇所に接着する。
これによって、清掃シートB100は第2状態を維持可能となる。
【0049】
(他の実施形態)
次に、
図17〜
図27に基づき他の実施形態を説明する。
図17および
図18は第2実施形態を、
図19〜
図21は第3実施形態を、
図22〜
図24は第4実施形態を、
図25〜
図27は第5実施形態をそれぞれ示す。第2実施形態〜第5実施形態において、第1実施形態と同一の部品もしくは同一の機能を有する部品については同一の部品名称および同一の図面符号を用いることがある。
【0050】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る維持部材C100は第1実施形態と同様に接着体C200により構成される。第2実施形態に係る接着体C200は、第1実施形態と比して規制部C130の構成が異なる。
図17は第2実施形態に係る清掃シートB100の平面図、
図18は接着体C200(維持部材C100)の概要を示す側面図である。
第2状態にある清掃シートB100に対し、確実に接着部(規制部C130)を接着する必要がある場合は、清掃シートB100に被接着部材を設けることができる。
図18に示すとおり、第2実施形態においては接着部が多数のフックを有するフック部材C250により構成される。一方、清掃シートB100に配置される被接着部材は、フック部材C250のフックに係合可能なループを複数有するループ部材C260により構成される。このループ部材C260が本発明に係る「被接着部材」の一例である。
【0051】
第2実施形態の清掃シートB100においては、第2状態にある清掃シートB100において、ループ部材C260からフック部材C250を取り外す。そして、離間部C120により清掃シートB100を巻回し、フック部材C250をループ部材C260へ接着する。これにより、第2実施形態の清掃シートB100は第1実施形態の清掃シートB10と同様に、刷毛部B500の塵芥の脱落抑制機能や、刷毛部B500の隠蔽機能を奏する。
【0052】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る維持部材C100は長尺体C300により構成される。
図19は第3実施形態に係る清掃シートA100の平面図、
図20は維持部材C100(長尺体C300)の概要を示す側面図、
図21は第3実施形態の維持部材C100の動作を示す説明図である。
図19に示される長尺体C300は、植物繊維や合成繊維の集合体による紐体や、紙や不織布により構成することができる。
図20に示すとおり、長尺体C300は第1シートB210の第2面B212に接合部C110により接合され、これによって、離間部C120が構成される。離間部C120は、先端部C310を含む領域である先端領域C311を有する。第3実施形態においては、先端領域C311が規制部C130を構成する。この先端部C310が本発明に係る「先端部」の一例であり、先端領域C311が本発明に係る「先端領域」の一例である。
【0053】
次に、
図21に基づき第3実施形態の清掃シートB100における動作を説明する。第2状態にある清掃シートB100に対し、離間部C120により清掃シートB100を巻回する。この状態において、先端領域C311を離間部C120に接合し、連結部C320を構成する。この連結部C320は、先端領域C311を離間部C120に結び付けることにより形成することができる。連結部C320を構成することにより、離間部C120と清掃シートB110との相対的な移動が規制される。すなわち、清掃シートB100は第2状態を維持することが可能となる。
これにより、第3実施形態の清掃シートB100は第1実施形態の清掃シートB100と同様に、刷毛部B500の塵芥の脱落抑制機能や、刷毛部B500の隠蔽機能を奏することが可能となる。
【0054】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る維持部材C100は、第3実施形態と同様に長尺体C300により構成される。第4実施形態に係る長尺体C300は、第3実施形態と比して離間部C120の構成が異なる。
図22は第4実施形態に係る清掃シートB100の平面図、
図23は維持部材C100(長尺体C300)の概要を示す側面図、
図24は第4実施形態の維持部材C100の動作を示す説明図である。
図22に示すとおり、第4実施形態に係る長尺体C300は、接合部C110が長尺体C300の中間領域に配置されている。これによって、
図23に示す通り、長尺体C300には第1長尺体C400と第2長尺体C500が構成される。第1長尺体C400は、先端部C410を含む第1先端領域C411を有する。第2長尺体C500は、先端部C510を含む第2先端領域C511を有する。
この第1長尺体C400が本発明に係る「第1離間要素」の一例であり、第1先端領域C411が本発明に係る「第1先端領域」の一例であり、第2長尺体C500が本発明に係る「第2離間要素」の一例であり、第2先端領域C511が本発明に係る「第2先端領域」の一例である。
【0055】
次に、
図24に基づき第4実施形態の清掃シートB100における動作を説明する。第2状態にある清掃シートB100に対し、第1長尺体C400および第2長尺体C500により清掃シートB100を巻回する。この状態において、第1先端領域C411と第2先端領域C511を接合し、連結部C320を構成する。この連結部C320は、第1先端領域C411と第2先端領域C511を結び付けることにより形成することができる。連結部C320を構成することにより、第1長尺体C400,第2長尺体C500および清掃シートB100の相対的な移動が規制される。すなわち、清掃シートB100は第2状態を維持することが可能となる。
これにより、第4実施形態の清掃シートB100は第1実施形態の清掃シートB100と同様に、刷毛部B500の塵芥の脱落抑制機能や、刷毛部B500の隠蔽機能を奏することが可能となる。
【0056】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る維持部材C100は開口C610を有する環状体C600により構成される。
図25は第5実施形態に係る清掃シートA100の平面図、
図26は維持部材C100(環状体C600)の概要を示す側面図、
図27は第5実施形態の維持部材C100の動作を示す説明図である。この環状体C600が本発明に係る「環状要素」の一例であり、開口C610が本発明に係る「開口」の一例である。
図25に示される環状体C600は、ゴム製によるものや、植物繊維や合成繊維の集合体による紐体や、紙や不織布により構成することができ、伸縮可能に構成することが望ましい。
図26に示すとおり、環状体C600は第1シートB210の第2面B212に接合部C110により接合され、これによって、環状の離間部C120が構成される。第5実施形態においては、環状の離間部C120が規制部C130を兼用する。
【0057】
次に、
図27に基づき第5実施形態の清掃シートB100における動作を説明する。使用者は第2状態にある清掃シートB100を開口C610に前記清掃シートが挿通する。これによって、離間部C120と清掃シートB100との相対的な移動が規制される。すなわち、清掃シートB100は第2状態を維持することが可能となる。
これにより、第5実施形態の清掃シートB100は第1実施形態の清掃シートB100と同様に、刷毛部B500の塵芥の脱落抑制機能や、刷毛部B500の隠蔽機能を奏することが可能となる。
【0058】
(実施の形態ないし実施例本発明の各構成要素の対応について)
清掃用具A100は本発明に係る「清掃用具」の一例である。保持具D100は本発明に係る「保持具」の一例である。清掃シートB100は本発明に係る「清掃シート」の一例である。装着領域B600は本発明に係る「装着領域」の一例である。第1方向B100yは本発明に係る「第1方向」の一例である。第1端部B101は本発明に係る「第1端部」の一例である。第2端部B102は本発明に係る「第2端部」の一例である。長尺部D110は本発明に係る「長尺部」の一例である。把持部D163は本発明に係る「把持部」の一例である。第1シートB210は本発明に係る「シート状部材」の一例であり、第1面B211は本発明に係る「第1面」の一例であり、第2面B212は本発明に係る「第2面」の一例であり、第2シートB220、第3シートB230および繊維束B400は本発明に係る「刷毛部材」の一例である。第1接合部B710は本発明に係る「分割部」の一例である。第1間隔B110は本発明に係る「第1間隔」の一例であり、第2間隔B120は本発明に係る「第2間隔」の一例である。維持部材C100は本発明に係る「第2間隔維持部材」の一例である。接合部C110は本発明に係る「接合部」の一例であり、離間部C120は本発明に係る「離間部」の一例であり、規制部C130は本発明に係る「規制部」の一例である。第3接着体C203の接着層C210は本発明に係る「接着部」の一例である。ループ部材C260は本発明に係る「被接着部材」の一例である。先端部C310は本発明に係る「先端部」の一例である。先端領域C311は本発明に係る「先端領域」の一例である。第1長尺体C400は本発明に係る「第1離間要素」の一例である。第1先端領域C411は本発明に係る「第1先端領域」の一例である。第2長尺体C500は本発明に係る「第2離間要素」の一例である。第2先端領域C511は本発明に係る「第2先端領域」の一例である。環状体C600は本発明に係る「環状要素」の一例である。開口C610は本発明に係る「開口」の一例である。