(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
【0026】
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0027】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0028】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。また、演出ボタン67は、その周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。
また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0029】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4には多数の遊技釘3が打ち付けられている。
【0030】
遊技領域4のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージを備えている。本実施例のセンターケース5にはその中央に、複数の演出図柄が設けられたベルト部材を回転駆動するように構成された3つの回転ベルト式リール機構(以下、単にリール機構という)91,92,93を備えたリール式演出図柄表示装置6が設置されている。
また、センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えている。
【0031】
遊技領域4の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる普通図柄表示装置7・第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
【0032】
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0033】
図3から
図7を用いて、本実施例のリール式演出図柄表示装置6について説明する。
リール式演出図柄表示装置6は、前側が開口する合成樹脂製の浅い角形の容器体99と、その開口部を塞ぐ合成樹脂製の蓋体98からなるケース体に3つのリール機構91,92,93が収納されている(
図3を参照)。
蓋体98からなるリール式演出図柄表示装置6の前面には、縦長の長方形状の透明な3つの窓状の表示部94,95,96が横方向に並設してあり、左表示部94により左リール機構91の演出図柄を、中央表示部95により中央リール機構92の演出図柄を、右表示部96により右リール機構93の演出図柄をそれぞれ見せるように構成されている(
図3及び
図4を参照)。
【0034】
図5を用いて、各表示部94,95,96について説明する。
左表示部94は、左リール機構91の上段に示す左リール上段図柄(
図5に示す1)、左リール機構91の中段に示す左リール中段図柄(
図5に示す2)、左リール機構91の下段に示す左リール下段図柄(
図5に示す3)から構成されている。
中央表示部95は、中央リール機構92の上段に示す中央リール上段図柄(
図5に示す4)、中央リール機構92の中段に示す中央リール中段図柄(
図5に示す5)、中央リール機構92の下段に示す中央リール下段図柄(
図5に示す6)から構成されている。
右表示部96は、右リール機構93の上段に示す右リール上段図柄(
図5に示す7)、右リール機構93の中段に示す右リール中段図柄(
図5に示す8)、右リール機構93の下段に示す右リール下段図柄(
図5に示す9)となっている。各リール機構91,92,93が回転することで、複数種類の演出図柄が変動する。そして、各リール機構91,92,93が停止すると、各表示部94,95,96の上中下3段で演出図柄が確定表示するように構成されている。
【0035】
後述する特別図柄当否判定処理による当否判定の結果に応じて、各リール機構91,92,93を停止させて各表示部94,95,96の上中下3段で演出図柄を確定表示させる。当否判定の結果から大当りである場合には、確定表示させた演出図柄の組合せ(例えば、同一の数字など)が、
図5に示す5種類のラインのうち、何れかのライン上に一列で並ぶと、遊技者に大当りとなったことを報知する。
5種類のラインには、左リール上段図柄(
図5に示す1)、中央リール上段図柄(
図5に示す2)及び右リール上段図柄(
図5に示す7)の横一列からなるライン113、左リール中段図柄(
図5に示す2)、中央リール中段図柄(
図5に示す5)及び右リール中段図柄(
図5に示す8)の横一列からなるライン114、左リール下段図柄(
図5に示す3)、中央リール下段図柄(
図5に示す6)及び右リール下段図柄(
図5に示す9)の横一列からなるライン115、左リール下段図柄(
図5に示す3)、中央リール中段図柄(
図5に示す6)及び右リール上段図柄(
図5に示す7)の右斜め上の一列からなるライン116、左リール上段図柄(
図5に示す1)、中央リール中段図柄(
図5に示す6)及び右リール下段図柄(
図5に示す9)の右斜め下の一列からなるライン117がある。
【0036】
本実施例では、5種類のラインのうち、何れかのライン上に一列で並ぶことで、遊技者に大当りとなったことを報知する構成となっているが、ラインの種類は特に限定されるものではない。
【0037】
図6は各リール機構91,92,93に設けられるベルト部材91b、92b、93bの平面図を示す。各ベルト部材91b、92b、93bは、薄い合成樹脂のフィルム体からなり、上下に間隔をおいて複数種類の演出図柄が設けられている。本実施例では、左右のベルト部材91b、93bにはそれぞれ6種類の図柄、中央ベルト部材92bには7種類の図柄が設けられている。本実施例の中央リール機構92の中央ベルト部材92bにのみ疑似演出ボタン図柄111が設けられている。
【0038】
各リール機構91,92,93は、それぞれ個別の駆動機構により駆動され、個別に回転、停止が可能とされている。
図7は
図3の点線に沿う位置で、中央リール機構92を示す断面図であり、
図7に基づいてリール機構の構成を説明する。尚、各リール機構は同一の構成であり、左右のリール機構91,93の機構の説明は省略する。
【0039】
中央リール機構92は、窓状の中央表示部95の上方に設置された前側上段プーリー101と、中央表示部95の下方に設置された前側下段プーリー108と、両プーリー101,108の後方位置で上下中間に設置された後方中段プーリー104、および後方下部に設置された後方下段プーリー107とを備え、これら4つのプーリー101,104,107,108に中央ベルト部材92bがループ状に巻き回されている。
また、前側上段プーリー101と後方中段プーリー104との間にはテンション部材102が設けられ、これにより中央ベルト部材92bには一定のテンションがかけられている。
【0040】
そして、前側下段プーリー108および後側下段プーリー107には、駆動モータ105とタープーリー106との間で駆動ベルト110が巻き回されており、駆動モータ105の回転力が両プーリー107,108に伝達されて、中央ベルト部材92bが回転する構成である。
【0041】
中央リール機構92は前側の上段プーリー101と下段プーリー108との間で、中央ベルト部材92bの上下3段の演出図柄を中央表示部95へ臨ませるように構成されている。
また、中央リール機構92には、上段プーリー101と下段プーリー108との間で、中央表示部95へ臨む中央ベルト部材92bの背面側に、発光表示器100が上下に3段設けられており、上下3段の発光表示器100により、窓部95に臨む中央ベルト部材92bの各演出図柄をそれぞれ後方より照らし、遊技者から視認しやすいように構成されている。
【0042】
各発光表示器100はそれぞれ、複数のLEDからなるドットマトリクス表示器で構成され、簡単な文字や数字又は図形を表示可能である。
【0043】
パチンコ機50の裏面は
図8に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(
図9も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0044】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図8では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0045】
このパチンコ機の電気的構成は、
図9のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0046】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31aなどの検出信号が入力される。
【0047】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0048】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0049】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0050】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0051】
満杯スイッチ22が満杯を検出すると、払出制御装置81へと下皿63の許容量が満杯状態である旨の信号を送信し、受信した払出制御装置81は、賞球又は球貸し中ならば、払出モータ20を停止する。また、払出制御装置81は、主制御装置80へ下皿63の許容量が満杯状態である旨の信号を送信する。
【0052】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0053】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成である。近年には、発射された遊技球を遊技機内部で回収し、再び発射装置により発射すると共に、ICカード等の記憶媒体を用いて遊技者の持ち球数をデータとして管理する遊技機(封入式遊技機または封入式遊技機などと呼ばれる)が存在し、本実施例のパチンコ機50を封入式遊技機とする構成であってもよい。
【0054】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域4に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0055】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、演出ボタン67及びジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
【0056】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82は双方向への通信が可能となっている。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいてリール式演出図柄表示装置6を制御して、リール式演出図柄表示装置6の各リール機構91,92,93の各駆動モータ105を制御して演出図柄を変動、確定表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
【0057】
メインルーチンを
図10に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0058】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0059】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0060】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0061】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0062】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。なお、通常確率状態時で大当りと判定される値の数は10で、値は「775」〜「777」「1775」〜「1777」「2774」〜「2777」であり、高確率状態時に大当りと判定される値の数は100で、値は「758」〜「777」「1314」〜「1333」「1758」〜「1777」「2758」〜「2777」「3314」〜「3333」である。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0063】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では31〜40、高確率状態では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0064】
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0065】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0066】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0067】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了する。続く不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0068】
続く各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0069】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図10に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0070】
S50の入賞確認処理は
図11に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
【0071】
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS115へ移行する。
【0072】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS115に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S115:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S120)。
【0073】
第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させる(S125)。既に4個の第2保留記憶があれば(S120:yes)、第2保留を記憶せず、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)も、本処理を終了する。
【0074】
図12〜15に示す特別図柄当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S150)。S150の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S155:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S160:no)、
図13のS200に移行し、第2保留記憶(上記、
図10のS125による保留記憶)があるか否かを判断する(S200)。
【0075】
この保留記憶があれば(S200:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S205)、S220に進む。第2保留記憶がなければ(S200:no)、第1保留記憶(上記、S110による保留記憶)があるか否かを判断する(S210)。第1保留記憶があれば(S210:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S215)、S220に進む。なお、第1保留記憶がなければ(S210:no)、特別遊技処理へと移行する。
【0076】
S220では第2保留記憶(但し第2保留が存在する場合は、第1保留の方が古い場合でも第2保留を優先)を読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判定であれば(S220:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S225)。ここで当り値の数は100で、758〜777、1314〜1333、1758〜1777、2758〜2777、3314〜3333である。つまり当たり確率は1/39.67となる。否定判定であれば(S220:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S230)。ここで当り値の数は10で、775〜777、1775〜1777、2774〜2777である。つまり、当り確率は1/396.7となる。なお、本実施例においては、大当り確率はこれらの概数(通常時は1/400、高確率状態(確変)は1/40)にて表示している。そして大当り後に高確率状態になる割合は70%と設定されている。
【0077】
図13に戻る。S225またはS230の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S235)、肯定判定であれば(S235:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S240)。その後、変動パターン決定処理(S245)に移行する。変動パターン決定処理では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。変動パターン決定処理後、大当り設定処理を行う(S250)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や開放延長の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
【0078】
S235において外れと判定された場合は、大当り図柄決定用乱数によってハズレ図柄を決定する(S255)。ハズレ図柄を決定すると、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S260)。こうして、変動パターンが設定されると、ハズレ設定処理を行なう(265)。ハズレ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
【0079】
S250又はS265に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる特図変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S270)、特別遊技処理を行なう。
なお、S270の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0080】
図12のS155において特別図柄が変動中と判定された場合には(S155:yes)、
図14のS300に移行し、図柄変動時間(S245、又はS260の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判定の場合には(S300:no)、そのまま特別遊技処理に移行する。肯定判定の場合には(S300:yes)、確定図柄表示処理(S305)を行なってから特別遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0081】
図12のS160において確定図柄を表示中と判定された場合には(S160:yes)、
図15のS350に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合は(S350:no)、特別遊技処理を行う。肯定判定の場合は(S350:yes)、確定図柄の表示を終了し(S355)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S360)。肯定判断された場合は(S360:yes)、確変フラグが1か否かを判定する(S365)。確変フラグが1であれば(S365:yes)、S370にて確変フラグを0にし、S375に移行する。確変フラグが1でなければ(S365:no)、そのままS375に移行する。S375では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S375:yes)、S380にて時短フラグを0にし、S385に移行する。時短フラグが1でなければ(S375:no)、そのままS385に移行する。
【0082】
S385では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS390にて役物連続作動装置を作動させ、S395にて大当り遊技開始処理を行なう。大当り遊技開始処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り遊技開始処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
【0083】
S360で確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は(S360:no)、確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S400:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S405)。確変回数が0であれば(S405:yes)、S410にて確変フラグを0にしてS415に進む。確変フラグが1でないとき(S400:no)又は確変回数が0ではないとき(S405:no)はそのままS415に移行する。
S415では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S415:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S420)。時短回数が0であれば(S420:yes)、S425にて時短フラグを0にしてS430に進む。時短フラグが1でないとき(S415:no)又は時短回数が0ではないとき(S420:no)はそのままS430に移行する。
【0084】
S430では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理を実行する。なお、本実施例の場合、当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
【0085】
図16に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S450)。役物連続作動装置が作動中でない場合(S450:no)、そのまま本処理を終了(リターン)する。役物連続作動装置が作動中なら(S450:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S455)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S455:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S460)。インターバル中でもない場合は(S460:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S465)。これも否定判断の場合は(S465:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S470)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S470:yes)、大入賞口開放処理(S475)を行なって本処理を終了する。なお、大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過していない場合には(S470:no)、そのまま特別遊技処理をと終了する。
【0086】
S455で大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S455:yes)、
図17のS500に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S500:yes)にはS510に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S515)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S500:no)には、S505に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は28秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S505:yes)には、S510に合流し、終了していない場合は(S505:no)特別遊技処理を終了する。
【0087】
図16のS460でインターバル中であると判定された場合は(S460:yes)、
図17のS520に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S520:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S525)。最終ラウンドであれば(S525:yes)、大当り終了演出処理(S530)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S525:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S535)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S520:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0088】
図16のS465で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S465:yes)、
図18のS550に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S550:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S555)、条件装置の作動を停止する(S560)。そして、S250で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S565)。確変に移行する場合(S565:yes)は、確変回数を設定し(S570)、確変フラグを1に設定し(S575)、S580に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合(S565:no)はそのままS580に移行する。なお、確変回数は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。
【0089】
S580では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合(S580:yes)は、時短回数を設定し(S585)、時短フラグを1に設定し(S590)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S595)を行ない、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S597)して特別遊技処理を終了する。
S585で設定する時短回数は、通常大当りでは100回であるが、確変大当りにおいては10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの時短の継続を保証する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットする。時短に移行しない場合(S580:no)はS595に直行する。
【0090】
図19は、
図13のS270で主制御装置80から送信された特図変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置83がリール式演出図柄表示装置6で行う演出についての変動開始処理のフローチャートとなっている。
始めに、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からの特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S600)。特図変動開始コマンドを受信した場合には(S600:yes)、受信した特図変動開始コマンドに含まれている抽選結果のデータから今回の抽選結果から、特図変動が大当りであるか否かを判定する(S605)。特図変動が大当りであると判定された場合には(S605:yes)、大当りリーチ演出変動パターン決定処理を行う(S635)。本実施例の大当りリーチ演出変動パターン決定処理(S635)では、リール式演出図柄表示装置6の各リール機構91,92,93により演出図柄の変動表示を行うように、各リール機構91,92,93による演出図柄の変動パターンを決定する。そして、大当り演出図柄決定処理を実行し(S640)、S645に移行する。本実施例の大当り演出図柄決定処理(S640)では、各リール機構91,92,93による演出図柄の停止図柄を決定する。
なお、従来の遊技機においても行なっていた、変動パターン用決定乱数に基づいて決定される演出パターンを決定するものである。S645の演出表示開始処理では、S635及びS640に基づいて大当りリーチ演出開始処理を行う。なお、サブ統合制御装置83が特図変動開始コマンドを受信していない場合には(S600:no)、そのままリターン(終了)となる。
【0091】
サブ統合制御装置83は、受信した特図変動開始コマンドに含まれている抽選結果のデータから、特図変動が大当りではないと判定された場合(S605:no)、受信した特図変動開始コマンドからハズレリーチとなるか否かを判定する(S610)。肯定判定の場合には(S610:yes)、ハズレリーチ演出変動パターン決定処理を行う(S625)。
本実施例のハズレリーチ演出変動パターン決定処理(S625)では、リール式演出図柄表示装置6の各リール機構91,92,93により演出図柄の変動表示を行うように、各リール機構91,92,93による演出図柄の変動パターンを決定する。その後、ハズレ演出図柄決定処理を実行し(S630)、S645に移行する。本実施例の演出図柄決定処理(S630)では、各リール機構91,92,93による演出図柄の停止図柄を決定する。そして、S645の演出表示開始処理では、S625及びS630に基づいてハズレリーチ演出開始処理を行う。
【0092】
また、受信した特図変動開始コマンドからハズレリーチとはならない場合には(S610:no)、ハズレ演出変動パターン決定処理を行う(S615)。
本実施例のハズレ演出変動パターン決定処理(S615)では、リール式演出図柄表示装置6の各リール機構91,92,93により演出図柄の変動表示を行うように、各リール機構91,92,93による演出図柄の変動パターンを決定する。その後、ハズレ演出図柄決定処理を実行し(S620)、S645に移行する。本実施例のハズレ演出図柄決定処理(S620)では、各リール機構91,92,93による演出図柄の停止図柄を決定する。そして、S645の演出表示開始処理では、S615及びS620に基づいてハズレ演出開始処理を行う。
【0093】
図20は、リール式演出図柄表示装置6で行うリール演出中に実行される信頼度報知演出についてのフローチャートとなっている。
始めに、リール式演出図柄表示装置6において演出図柄を用いた演出中(本実施例では、リーチ状態中)であるかを判定する(S650)。なお、演出図柄を用いた演出中が、リーチ状態中に限定されるものではない。肯定判定である場合には(S650:yes)、演出ボタン67の有効期間中であるか否かを判定する(S655)。有効期間中である場合には(S655:yes)、演出ボタン67が有効期間中であることを示す演出が行われている否かを判定する(S660)。否定判定の場合には(S660:no)、S665にて演出ボタン有効表示処理を行い、S667へと移行する。なお、本実施例の演出ボタン有効表示処理では、演出ボタン67の操作が有効であることを示唆する演出がリール式演出図柄表示装置6で行われる。本実施例の演出ボタン67の操作が有効であることを示唆する演出の具体的な内容は後述する。また、肯定判定の場合は(S660:yes)、そのままS667へと移行し、パチンコ機50の前面に搭載されている演出ボタン67が操作されたか否かを判定する。演出ボタン67が操作された場合には(S667:yes)、信頼度報知演出表示処理により、変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度を報知する演出が行われ(S675)、演出ボタン67の操作が有効となる有効期間を終了し(S680)、終了となる。
なお、演出ボタン67が操作されなかった場合には(S667:no)、有効期間が終了したか否かを判定する(S670)。有効期間が終了した場合には(S670:yes)、S680へと移行する。有効期間中である場合には(S670:no)、そのまま終了となる。
リール式演出図柄表示装置6において演出図柄を用いた演出が行われていない場合(S650:no)、又は演出ボタン67の操作が有効となる有効期間中ではない場合(S655:no)、そのまま終了となる。
【0094】
図21から
図23を用いて、実施例1のリール式演出図柄表示装置6で行われる演出の演出態様の一例を説明する。
図21(a)に示すように、各リール機構91,92,93が駆動することで、各リール機構の演出図柄は変動している。その後、
図21(b)に示すように、左リール機構91が停止して左リール機構91の左リール中段図柄で「7」が停止し、右リール機構93が停止して右リール機構93の右リール中段図柄で「7」が停止し、中央リール機構92が駆動中であるため演出図柄は変動しているため、リーチ状態となっている。これにより、遊技者にリーチ状態であることを報知している。
図21(c)に示すように、各リール機構91,92,93が停止し、各リール機構91,92,93の各リール中段図柄の全てで「7」が停止していることから(
図5に示すライン114)、遊技者に大当りとなったことを報知している。
【0095】
図22を用いて、リール式演出図柄表示装置6で行われる演出ボタン67の操作を示唆する演出の演出態様の一例を説明する。
リーチ状態であるときに、
図20のS665による処理が実行されると、演出ボタン67の操作が有効であることを示唆する演出がリール式演出図柄表示装置6で行われる。
例えば、左リール機構91の左リール中段図柄の位置に「7」、右リール機構93の右リール中段図柄の位置に「7」が停止してリーチ状態になると、
図22(a)へと移行し、疑似演出ボタン図柄111を中央リール機構92の中央リール上段図柄の位置で仮停止される。なお、左リール機構91及び右リール機構93は停止している。そして、
図22(b)に示すように、疑似演出ボタン図柄111が中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置へとゆっくりと移動し、
図22(c)に示すように、疑似演出ボタン図柄111が中央リール機構92の中央リール下段図柄へとゆっくりと移動していく。そして、疑似演出ボタン図柄111は、中央リール機構92の中央表示部95の下部の方向へとゆっくりと移動していき、当該表示部95から消える。
本実施例では、
図22(a)から
図22(c)を用いて説明したように、中央リール機構92の中央リール上段図柄の位置で疑似演出ボタン図柄111が仮停止し、当該上段図柄の位置から中央表示部95の下部の方向へと移動して、当該表示部95から消えるまでの期間が、演出ボタン67の操作が可能となる有効期間となっている。なお、演出ボタン67の操作が有効であることを遊技者により認識させるために、中央リール機構92の中央ベルト部材92bの背面側に設けられている発光表示器100のみ発光させる構成にしてもよい。
また、左リール機構91の左ベルト部材91b及び右リール機構93の右ベルト部材93bも発光させるが、中央リール機構92の中央ベルト部材92bをより明るくすることも考えられる。また、疑似演出ボタン図柄111が位置する箇所のみを発光させる構成とすることも考えられる。なお、演出ボタン67の操作が有効となる有効期間に演出ボタン67の操作されずに、当該有効期間が経過して有効期間が終了し、中央リール機構92の中央表示部95の下部の方向へと疑似演出ボタン図柄が消えると、中央リール機構92は通常の速度による駆動へと戻り、中央リール機構92の演出図柄は通常の変動を行う。
【0096】
本実施例では、リーチ状態である場合に、
図20のS665による処理が実行されると、演出ボタン67の操作が有効であることを示唆する演出がリール式演出図柄表示装置6で行われる構成となっているが、特に限定させるものではない。例えば、各リール機構91,92,93が回転駆動中に、中央リール機構92のみ演出ボタン67の操作が有効であることを示唆する演出を行うために、中央リール機構92の回転駆動を停止する構成であってもよい。
【0097】
本実施例では、遊技者が演出ボタン67の操作が可能であることを示す有効期間中に演出ボタン67を操作すると、遊技者に変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度を報知する演出が行われる。本実施例の変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度を報知する演出として、各リール機構91,92,93が回転駆動する方向の違いを用いた演出となっている。演出態様の一例として、
図22(d)に示す演出が行われる。
【0098】
遊技者は、演出ボタン67の操作が有効となる有効期間中に演出ボタン67を操作すると、
図22(d)に示すように、左リール機構91は上部から下部へと駆動することで、演出図柄は上部から下部へと変動し、中央リール機構92及び右リール機構93は下部から上部へと駆動して、演出図柄は下部から上部へと変動する演出が行われる。当該演出が行われる場合、変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度は40%となっている。
各リール機構91,92,93が回転駆動する方向の違いを用いた演出として、
図22(d)に示した演出のみ説明したが、変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度の違いに応じて、各リール機構91,92,93が回転駆動する方向が異なる演出を行ってもよい。
【0099】
そして、
図22(d)に示した演出表示から
図22(e)へと移行する。
図22(e)に示すように、中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置に「7」、右リール機構93の右リール中段図柄の位置に「7」が停止し、左リール機構91の演出図柄が変動中であることから、リーチ状態であることを示す。
【0100】
図22(d)に示した演出表示の一例に限定されることなく、各リール機構91,92,93を用いた他の演出表示が行われる構成としてもよいし、各リール機構91,92,93のベルト部材91b,92b,93bを発光させる発光色の変化や、パチンコ機50に可動役物を搭載した構成とすると、可動役物を用いた演出であってもよい。また、これらの組合せであってもよい。
【0101】
リール機構を備えたパチンコ機では演出ボタンの操作を示唆する表示を表示することができないため、演出ボタンの操作が有効であることを示唆する専用の装置を設けなければならず、遊技者に演出ボタンが有効であることを報知することは困難である。
以上のパチンコ機50によれば、中央リール機構92の中央ベルト部材92bに疑似演出ボタン図柄111が設けてあり、演出ボタン67の操作が有効となる有効期間になると、疑似演出ボタン図柄111は中央リール機構92の中央リール上段図柄で仮停止し、その後、中央リール機構92の中央リール上段図柄から中央リール下段図柄の方向へと移動していくことになる。このような構成であれば、遊技者に演出ボタン67の操作が有効であることを示唆することができ、パチンコ機50に演出ボタン67の操作が有効であることを示す専用の装置を搭載する必要がない。
さらに、演出ボタン67が操作された場合には信頼度報知演出が行われ、又は有効期間を経過したことで終了となった場合には中央リール機構92が通常の回転駆動に戻り、演出図柄も通常の変動となるため、遊技者による演出ボタン67の操作が有効であったこと、又は演出ボタン67の操作が有効となる有効期間が終了となったことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
【0102】
また、以上のパチンコ機50によれば、単に中央リール機構92の中央リール上段図柄の位置に疑似演出ボタン図柄111が仮停止して遊技者に演出ボタン67の操作が有効であること示唆するよりも、疑似演出ボタン図柄111が中央リール機構92の中央リール上段図柄の位置で仮停止した後に、中央リール機構92の中央リール上段図柄から下段図柄の方向へと移動することで演出ボタン67の操作が有効であることを示唆する方が、遊技者に演出ボタン67の操作が有効であることを認識させ易い。
【0103】
図22で説明した演出態様以外にも、
図23に示す演出態様であってもよい。
例えば、左リール機構91の左リール中段図柄の位置に「7」、右リール機構93の右リール中段図柄の位置に「7」が停止してリーチ状態になると、
図23(a)に示すように、一度疑似演出ボタン図柄111は、中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置で仮停止し、
図23(b)に示す中央リール上段図柄の位置へと移動する。なお、左リール機構91及び右リール機構93の演出図柄は停止している。
そして、
図23(b)に示すように、中央リール機構92の中央リール上段図柄の位置へと移動した疑似演出ボタン図柄111は、
図23(c)に示すように中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置へとゆっくりと移動し、
図23(d)に示すように中央リール機構92の中央リール下段図柄へとゆっくりと移動していく。そして、疑似演出ボタン図柄111は、中央リール機構92の中央表示部95の下部の方向へとゆっくりと移動していき、当該表示部95から消える。
【0104】
ここで、実施例1の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
第1始動口11及び第2始動口12が、本発明の「始動口」に相当し、左リール機構91,中央リール機構92,右リール機構93が、本発明の「リール機構」に相当し、左表示部94,中央表示部95,右表示部96が、本発明の「表示領域」に相当し、サブ統合制御装置83が、本発明の「変動演出実行手段」に相当し、演出ボタン67が、本発明の「演出ボタン」に相当し、
図20のS665による処理が、「演出ボタン有効示唆実行手段」に相当し、疑似演出ボタン図柄111が、本発明の「演出ボタン図柄」に相当する。
[実施例2]
【0105】
本発明の実施例2について
図24及び
図25を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。
【0106】
図24は実施例2の各リール機構91,92,93に設けられるベルト部材91b、92b、93bの平面図を示す。各ベルト部材91b、92b、93bは、薄い合成樹脂のフィルム体からなり、上下に間隔をおいて複数種類の演出図柄が設けられている。実施例2のベルト部材91b,92b,93bにはそれぞれ7種類の図柄が設けられている。なお、実施例1との異なる点としては、実施例2の左ベルト部材91b及び右ベルト部材93bにも疑似演出ボタン図柄111が設けられている点である。
【0107】
本実施例の信頼度報知演出制御処理と、実施例1の
図20に示した信頼度報知制御処理と異なる点は、演出ボタン有効表示処理(
図20のS665)により演出ボタンの操作が有効であることを示唆する演出を行うと同時に、当該演出にて変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度を示唆する信頼度示唆演出処理を備えた点である。
【0108】
図24に示した各ベルト部材91b,92b,93bに疑似演出ボタン図柄111を設けた構成とすることで、実施例1とは異なった演出ボタン67の操作を示唆する演出表示を行うことができる。実施例1とは異なり、リーチ状態のときに行われる演出表示ではなく、全てのリール機構91,92,93が駆動中に行われる演出表示となっている。
具体的には、
図25(a)に示すように、各リール機構91,92,93が駆動し、各リール機構の演出図柄は変動している。そして、各リール機構91,92,93の疑似演出ボタン図柄111が
図25(b)に示すように各リール機構91,92,93の各リールの中段図柄の位置に横一列で仮停止した場合(
図5に示すライン114上)、
図25(c)に示すように左リール機構91の左リール下段図柄の位置に疑似演出ボタン図柄111、中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置に疑似演出ボタン図柄111、右リール機構93の右リール上段図柄の位置に疑似演出ボタン図柄111が仮停止した場合(
図5に示すライン116上)、又は
図25(d)に示すように、左リール機構91の左リール上段図柄の位置に疑似演出ボタン図柄111、中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置に疑似演出ボタン図柄111、右リール機構93の右リール下段図柄の位置に疑似演出ボタン図柄111が仮停止する(
図5に示すライン117上)ことで、遊技者に演出ボタン67の操作が有効であることを報知する。なお、各リール機構の疑似演出ボタン図柄111の仮停止した位置の組合せによって、変動中の特別図柄が大当りである信頼度の示唆を行う。
【0109】
変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度が高い演出が行われる場合には、
図25(b)から
図25(d)に示す演出のうち、
図25(b)に示す疑似演出ボタン図柄111が各リール機構91,92,93の各リールの中段図柄の位置に横一列で揃う演出(
図5に示すライン114上)が行われる確率が高い。しかし、変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度が高い演出が行われる場合には、
図25(b)から
図25(d)に示す演出のうち、
図25(d)に示す疑似演出ボタン図柄111が左リール機構91の左リール下段図柄の位置、中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置、右リール93の右リール上段図柄の位置に揃う右斜め下に一列に揃う演出(
図5に示すライン117上)が行われる確率が低い。
変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度が低い演出が行われる場合には、
図25(b)から
図25(d)に示す演出のうち、
図25(d)に示す疑似演出ボタン図柄111が左リール機構91の左リール下段図柄の位置、中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置、右リール93の右リール上段図柄の位置に揃う右斜め下に一列に揃う演出(
図5に示すライン117上)が行われる確率が高い。しかし、変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度が低い演出が行われる場合には、
図25(b)から
図25(d)に示す演出のうち、
図25(b)に示す疑似演出ボタン図柄111が各リール機構91,92,93の各リールの中段図柄の位置に横一列で揃う演出(
図5に示すライン114上)が行われる確率が低い。
なお、本実施例の演出ボタン67の操作を示唆する演出では、各リール機構91,92,93の各リールの上段図柄の位置に横一列(
図5に示すライン113上)及び各リール機構91,92,93の各リールの下段図柄の位置に横一列(
図5に示すライン115上)では仮停止しない構成としている。しかし、とくに限定される構成ではなく、各リール機構91,92,93の各リールの上段図柄の位置に横一列(
図5に示すライン113上)及び各リール機構91,92,93の各リールの下段図柄の位置に横一列(
図5に示すライン115上)で仮停止する構成とし、その場合には変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度の示唆を行ってもよい。
【0110】
以上のパチンコ機によれば、単に疑似演出ボタン図柄111を停止させて、演出ボタン67の操作が有効であることを示唆する演出を行うよりも、
図25(b)から
図25(d)に示すように、疑似演出ボタン図柄111が
図5に示すライン114、ライン116、ライン117上で並ぶことによって演出ボタン67の操作が有効であることを示す示唆すると、遊技者は演出ボタン67の操作が有効であることをより明確に認識させることができる。
疑似演出ボタン図柄111がライン114上で一列に並ぶと大当りとなる信頼度が高い構成とすると、遊技者は演出図柄の組合せが
図5に示すライン113,114,115,116,117上に停止して大当りかハズレかを報知する前に、疑似演出ボタン図柄111がライン114上で一列に仮停止するかどうかで、大当りへの期待を膨らませることが出来る。
【0111】
また、以上のパチンコ機50によれば、複数のライン(例えば、
図5に示すライン114、ライン116、ライン117)のうち、何れのライン上に疑似演出ボタン図柄111が仮停止されたかによって、変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度が高いかを示唆する演出であるかどうか異なるため、演出ボタン67を積極的に操作する遊技者にとっては、変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度が高いか低いかを示唆する演出で確認して、演出ボタン67を操作して信頼度報知演出を楽しむことができる。あまり、演出ボタン67を操作しない遊技者にとっては、ある程度の信頼度を把握することができるため、当否判定の結果が当りであるか否かの判断する有効な判断材料となる。
[実施例3]
【0112】
本発明の実施例3について
図26を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。実施例1とは異なり、リーチ状態のときに行われる演出表示ではなく、全てのリール機構91,92,93が駆動中に行われる演出表示となっている。
【0113】
本実施例では、中央ベルト部材92bに疑似演出ボタン図柄111を設け、中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置で、疑似演出ボタン図柄111が仮停止した場合のみ演出ボタン67の操作が有効となっている。よって、中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置で、疑似演出ボタン図柄111が仮停止することによって、遊技者に演出ボタン67の操作が有効であることを報知している。
【0114】
実施例3の中央ベルト部材92bに疑似演出ボタン図柄111を設け、中央リール機構92の中央リール中段図柄に疑似演出ボタン図柄111が仮停止する演出態様の一例を示す。
【0115】
図26(a)に示すように、各リール機構91,92,93が駆動し、各リール機構91,92,93の演出図柄は変動している。そして、中央リール機構92に設けられている疑似演出ボタン図柄111が、
図26(b)に示すように中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置に仮停止すると、遊技者による演出ボタン67の操作が有効となる。なお、遊技者は、演出ボタン67を操作すると、
図22(d)に示すような演出が行われる。
【0116】
以上のパチンコ機50によれば、例えば、中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置以外の位置で疑似演出ボタン図柄111が仮停止した場合には、演出ボタン67の操作が有効な有効期間ではないことを遊技者に認識させることができる。そのため、疑似演出ボタン図柄111が中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置で停止するか否かによって、演出ボタン67の操作が有効となるか否かの煽る演出表示を実行することも可能となり、各リール機構91,92,93による回転駆動による演出表示の自由度を向上させることが可能となる。
【0117】
本実施例と異なる構成として、例えば、疑似演出ボタン図柄111が、中央リール機構92の中央リール上段図柄、中段図柄、下段図柄で仮停止している場合に演出ボタン67の操作が有効であることを示唆し、中央リール機構92の中央リール上段図柄、中段図柄、下段図柄のうち、何れかの位置で仮停止するかによって、変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度が高いか低いかを示唆する構成も考えられる。当該構成について、
図26を示して説明する。
【0118】
図26(a)に示すように、各リール機構91,92,93が駆動し、各リール機構91,92,93の演出図柄は変動している。そして、中央リール機構92に設けられている疑似演出ボタン図柄111が、
図26(b)に示すように中央リール機構92の中央リール上段図柄の位置、
図26(c)に示すように中央リール中段図柄の位置、中央リール下段図柄の位置に仮停止すると、遊技者に演出ボタン67の操作が有効であることを報知する。
【0119】
変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度が高い演出が行われる場合には、
図26(b)から
図26(d)に示す演出のうち、
図26(b)に示す疑似演出ボタン図柄111が中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置で仮停止する確率が高い。しかし、変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度が高い演出が行われる場合、
図26(b)から
図26(d)に示す演出のうち、
図26(d)に示す疑似演出ボタン図柄111が中央リール機構92の中央リール下段図柄の位置で仮停止する確率が低い。
変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度が低い演出が行われる場合には、
図26(b)から
図26(d)に示す演出のうち、
図26(d)に示す疑似演出ボタン図柄111が中央リール機構92の中央リール下段図柄の位置で仮停止する確率が高い。しかし、変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度が低い演出が行われる場合、
図26(b)から
図26(d)に示す演出のうち、
図26(b)に示す疑似演出ボタン図柄111が中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置で仮停止する確率が低い。
[実施例4]
【0120】
本発明の実施例4について
図27から
図31を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。
【0121】
実施例4の各リール機構91,92,93に設けられるベルト部材91b,92b,93bの平面図は、実施例1の各リール機構91,92,93に設けられるベルト部材91b,92b,93bの平面図と同じである。
【0122】
実施例1の構成と異なる点として、実施例4の遊技盤1には、演出ボタン67の操作が有効である有効期間内に、パチンコ機50と対向する遊技者の位置から中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置にある疑似演出ボタン図柄111の周囲を取り囲むように視認可能とする表示窓役物97が備えられている点である(
図27を参照)。
なお、表示窓役物97には、窓部97aが設けられており、窓部97aを通して、リール式演出図柄表示装置6の中央表示部95を視認することが可能となる。また、表示窓役物97には演出ボタン67の操作が有効となる有効期間を示す表示メータ112が設けられている。
【0123】
次に、
図28を用いて、本実施例の変動開始処理について説明する。
始めに、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からの特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S700)。特図変動開始コマンドを受信した場合には(S700:yes)、受信した特図変動開始コマンドに含まれている抽選結果のデータから今回の抽選結果から、特図変動が大当りであるか否かを判定する(S705)。特図変動が大当りであると判定された場合には(S705:yes)、大当りリーチ演出変動パターン決定処理を行う(S745)。本実施例の大当りリーチ演出変動パターン決定処理(S745)では、リール式演出図柄表示装置6の各リール機構91,92,93により演出図柄の変動表示を行うように、各リール機構91,92,93による演出図柄の変動パターンを決定する。そして、表示窓役物動作決定処理(S750)を行い、S755へと移行する。本実施例の表示窓役物動作決定処理(S750)では、主制御装置80から送信された特図変動開始コマンドに含まれる変動パターンのデータから表示窓役物97を動作させる変動パターンであれば、
図20のS665による演出ボタン有効表示に行われる表示窓役物97の動作を決定する。また、主制御装置80から送信された特図変動開始コマンドに含まれる変動パターンのデータから表示窓役物97を動作させない変動パターンであれば、表示窓役物97を動作させないことを決定する。そして、大当り演出図柄決定処理(S755)を実行し、S760に移行する。本実施例の大当り演出図柄決定処理(S755)では、各リール機構91,92,93による演出図柄の停止図柄を決定する。S760の演出表示開始処理では、S745、S750及びS755に基づいて大当りリーチ演出開始処理を行う。なお、サブ統合制御装置83が特図変動開始コマンドを受信していない場合には(S700:no)、そのままリターン(終了)となる。
【0124】
サブ統合制御装置83は、受信した特図変動開始コマンドに含まれている抽選結果のデータから、特図変動が大当りではないと判定された場合(S705:no)、受信した特図変動開始コマンドからハズレリーチとなるか否かを判定する(S710)。肯定判定の場合には(S710:yes)、ハズレリーチ演出変動パターン決定処理を行う(S730)。
本実施例のハズレリーチ演出変動パターン決定処理(S730)では、リール式演出図柄表示装置6の各リール機構91,92,93により演出図柄の変動表示を行うように、各リール機構91,92,93による演出図柄の変動パターンを決定する。そして、表示窓役物動作決定処理(S735)を行い、S740へと移行する。本実施例の表示窓役物動作決定処理(S735)では、主制御装置80から送信された特図変動開始コマンドに含まれる変動パターンのデータから表示窓役物97を動作させる変動パターンであれば、
図20のS665による演出ボタン有効表示に用いられる表示窓役物97の動作を決定する。また、主制御装置80から送信された特図変動開始コマンドに含まれる変動パターンのデータから表示窓役物97を動作させない変動パターンであれば、表示窓役物97を動作させないことを決定する。そして、ハズレ演出図柄決定処理を実行し(S740)、S760に移行する。本実施例のハズレ演出図柄決定処理(S740)では、各リール機構91,92,93による演出図柄の停止図柄を決定する。
S760の演出表示開始処理では、S730、S735及びS740に基づいてハズレリーチ演出開始処理を行う。
【0125】
また、受信した特図変動開始コマンドからハズレリーチとはならない場合には(S710:no)、ハズレ演出変動パターン決定処理を行う(S715)。
本実施例のハズレ演出変動パターン決定処理(S715)では、リール式演出図柄表示装置6の各リール機構91,92,93により演出図柄の変動表示を行うように、各リール機構91,92,93による演出図柄の変動パターンを決定する。そして、表示窓役物動作決定処理(S720)を行い、S725へと移行する。本実施例では、リーチ状態で、演出ボタンの操作を示唆する演出を行う場合に表示窓役物が動作することになるため、表示窓役物動作決定処理(S720)は、表示窓役物97を動作させなきことを決定する。しかし、特に限定されるものではないため、主制御装置80から送信された特図変動開始コマンドに含まれる変動パターンのデータから表示窓役物97を動作させる変動パターンであれば、
図20のS665による演出ボタン有効表示に行われる表示窓役物97の動作を決定し、主制御装置80から送信された特図変動開始コマンドに含まれる変動パターンのデータから表示窓役物97を動作させない変動パターンであれば、表示窓役物97を動作させないことを決定する構成であってもよい。
その後、ハズレ演出図柄決定処理を実行し(S725)、S760に移行する。本実施例のハズレ演出図柄決定処理(S725)では、各リール機構91,92,93による演出図柄の停止図柄を決定する。S760の演出表示開始処理では、S715、S720及びS725に基づいてハズレ演出開始処理を行う。
【0126】
次に、
図29及び
図30を用いて表示窓役物97の作動を制御に関するフローチャートについて説明する。
始めに、
図29において、リーチ状態のときに、
図20のS665により演出ボタン有効表示がリール式演出図柄表示装置6で実行されるか否かを判定する(S800)。なお、否定判定の場合には(S800:no)、そのまま終了となる。肯定判定の場合には(S800:yes)、疑似演出ボタン図柄111が中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置に仮停止したか否かを判定する(S805)。なお、否定判定の場合には(S805:no)、再度S805へと移行する。肯定判定の場合には(S805:yes)、表示窓役物97を中央リール機構92の中央リール中段図柄の前面の位置へと移動させ(S810)、終了となる。そして、有効期間表示開始処理(S815)では、表示窓役物97に設けられている表示メータ112の全てのメータ領域を点灯させ、中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置を発光させる。なお、表示メータ112についての詳細は、後述する。
【0127】
次に、
図30を用いて、表示窓役物制御処理2について説明する。
始めに、演出ボタン67の操作が有効となる有効期間が終了となったか否かを判定する(S850)。なお、有効期間が終了となっていない場合には(S850:no)、そのまま終了となる。有効期間が終了となった場合には(S850:yes)、表示窓役物97の表示メータ112を用いた有効期間表示を終了させる(S855)。そして、中央リール機構92の中央リール中段図柄の前面位置から所定の初期位置へと表示窓役物97を移動させ(S860)、終了となる。
【0128】
当該表示窓役物97を備えた構成とすることで、
図31から
図32に示すように、リーチ状態のときに、演出ボタンの操作が有効であることを示すボタン演出表示を行うことができる。
【0129】
例えば、左リール機構91の左リール上段図柄の位置に「7」、右リール機構93の右リール上段図柄の位置に「7」が停止してリーチ状態になると、
図31(a)に示すように、中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置に疑似演出ボタン図柄111が仮停止する。そして、
図31(b)から
図31(d)に示すように、表示窓役物97が中央リール機構92の中央リール中段図柄の位置へと移動していき、
図31(e)に示すように表示窓役物97が中央リール機構92の中央リール中段図柄の前面の位置で仮停止する。これにより、遊技者は、遊技者の位置から窓部97aを通して、中央リール中段図柄の位置に停止した疑似演出ボタン図柄111を視認することが可能となる。
そして、
図31(e)に示すように、表示窓役物97に設けられた表示メータ112が点灯する。表示窓役物97に設けられた表示メータ112は、第1表示メータ領域112a、第2表示メータ領域112b、第3表示メータ領域112c、第4表示メータ領域112d、第5表示メータ領域112e、第6表示メータ領域112fに分けられている。有効期間が開始されてから所定の時間の経過する毎に、第1表示メータ領域112aから第6表示メータ領域112fの順番に消灯していく。当該表示メータ112は、演出ボタン67の操作が有効であること示す有効期間を示すものとなっている。
【0130】
図31(e)から
図32(a)へと移行すると、有効期間が開始されてから所定の時間を経過すると、表示窓役物97に設けられている表示メータ112の第1表示メータ領域112aが消灯する。次に、所定の時間を経過すると、
図32(b)へと移行し第2表示メータ領域112bが消灯する。そして、所定の時間を経過すると、
図32(c)へと移行し第3表示メータ領域112cが消灯する。所定の時間を経過すると、
図32(d)へと移行し第4表示メータ領域112dが消灯する。さらに、所定の時間を経過すると、
図32(e)へと移行し第5表示メータ領域112eが消灯する。最後に所定の時間を経過すると、
図32(f)へと移行し第6表示メータ領域112fが消灯する。表示窓役物97の表示メータ112は消灯したことで、演出ボタン67の操作が有効となる有効期間が終了となったことを示す。
なお、本実施例の表示窓役物97は、有効期間が経過して終了するか、又は有効期間中に演出ボタン67が操作されると、表示窓役物97は所定の初期位置へと戻っていく。なお、有効期間に演出ボタン67の操作がされた場合には、各リール機構91,92,93が駆動を再開して、
図22(d)に示すような変動中の特別図柄が大当りとなる信頼度を示す演出が行われる。
【0131】
以上のパチンコ機50によれば、単に疑似演出ボタン図柄111が仮停止されることにより演出ボタン67の操作が有効であること示唆する場合よりも、疑似演出ボタン図柄111をライン上に仮停止させ、仮停止した疑似演出ボタン図柄111の前面の位置に表示窓役物97を移動させて、遊技者に窓部97aを通して、疑似演出ボタン図柄111を視認可能とするだけでなく、表示窓役物97の表示メータ112が演出ボタン67の操作が有効となる有効期間を示すことで、遊技者に演出ボタンの操作が有効であること認識させ易くなる。
【0132】
本実施例では、中央リール機構92を停止させてから、表示窓役物97を移動させる構成となっていたが、先に表示窓役物97を移動させてから、中央リール機構92を仮停止させ、擬似演出ボタン図柄111を仮停止させる構成としてもよい。この構成の場合、疑似演出ボタン図柄111が仮停止するか否かを煽るような演出を行ってもよい。
また、疑似演出ボタン図柄111が中央表示部95の所定の位置で仮停止するタイミングと、表示窓役物97が当該所定の位置の前面で停止するタイミングとが一致した場合に、演出ボタン67の操作が有効となる構成であってもよい。この場合、仮停止するタイミングと表示窓役物97の停止するタイミングが不一致である場合には、演出ボタン67の操作が有効とはならない構成とすることができる。
【0133】
表示窓役物97は、演出ボタン67の操作が有効となる有効期間であることを示す演出を所定のタイミングで行う構成としてもよい。
例えば、普段は実施例1から実施例3で記載した演出ボタン67の操作が有効であることを示す示唆演出を行い、リーチ状態で、演出ボタン67が操作されると、当否判定の結果を遊技者に報知する演出時などの所定のタイミングのみ表示窓役物97を用いて演出ボタン67の操作が有効であることを示す示唆演出を行う構成としてもよい。
【0134】
ここで、実施例1の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
表示窓役物97が、本発明の「可動役物」に相当し、窓部97aが、本発明の「窓部」に相当する。