特許第6536272号(P6536272)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6536272
(24)【登録日】2019年6月14日
(45)【発行日】2019年7月3日
(54)【発明の名称】絶縁カバー
(51)【国際特許分類】
   H02G 7/00 20060101AFI20190625BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20190625BHJP
   H01B 17/58 20060101ALI20190625BHJP
【FI】
   H02G7/00
   H02G1/02
   H01B17/58 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-157007(P2015-157007)
(22)【出願日】2015年8月7日
(65)【公開番号】特開2017-38440(P2017-38440A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2018年7月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】竹澤 光弘
【審査官】 石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭44−020762(JP,Y1)
【文献】 特開2008−131723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 7/00
H01B 17/58
H02G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
間接活線工具により電線に取り付けて用いられる絶縁カバーであって、
その長手方向に沿って側面が2つ割れすることにより開口可能な略管状の絶縁部材と、
前記絶縁部材の長手方向の所定位置に当該絶縁部材の内周面に沿って設けられる一つ以上の電線取付金具と、
を備え、
前記電線取付金具は、
前記絶縁部材の前記2つ割れする側に設けられ、前記絶縁部材の軸方向から眺めた場合に略V字状を呈するネック部と、
前記ネック部に連続して設けられ、前記絶縁部材の軸方向から眺めた場合に環状を呈する環状部と、
を有し、
前記ネック部は、前記略V字状の部分を構成する各片の内側面に電線が押し当てられることにより前記略V字状の部分の頂部が開くように設けられ、
前記環状部は、開いた前記頂部を通過した前記電線に係止されるように設けられ
前記絶縁部材は、前記電線取付金具が設けられている部分の近傍の、前記2つ割れすることにより開口する側と対向する側の側面に、前記間接活線工具により把持される把持部を有する
絶縁カバー。
【請求項2】
請求項1に記載の絶縁カバーであって、
前記電線取付金具は、一本の棒状部材を所定位置で折り曲げることにより形成され、前記ネック部の前記略V字状の部分を構成する各片は、夫々、前記棒状部材の各両端部から所定長さの部分を用いて形成され、前記環状部は、前記棒状部材の前記ネック部以外の部分を環状に折り曲げることにより形成される
絶縁カバー。
【請求項3】
請求項1または2に記載の絶縁カバーであって、
前記絶縁部材の一端から所定長さまでの部分である第1部分の内径、及び前記絶縁部材の他端から所定長さまでの部分である第2部分の外径が、前記第2部分を前記第1部分に嵌挿可能な程度に設定されている
絶縁カバー。
【請求項4】
請求項に記載の絶縁カバーであって、
前記絶縁部材は、前記第1部分の内周面に形成された凹部と、前記第2部分の外周面の、前記第2部分を前記第1部分に挿入した際に前記凹部に嵌合可能な位置に形成された凸部とを有する
絶縁カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、絶縁カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、間接活線工法に用いる配電線用絶縁カバーについて開示されている。上記配電線用絶縁カバーは、配電線を覆う左右一対のカバー部材の上端をヒンジを介して回動自在に結合し、左右一対のカバー部材の下端部にカバー部材を開閉自在に係止させる係止手段を備え、係止手段は、一方のカバー部材の下端部に設けられた、係止孔が穿設された舌片状の第1係止片と、他方のカバー部材の下端部に設けられた、係止孔に係止する係止爪を備える舌片状の第2係止片とを有し、第1係止片及び第2係止片は、カバー部材に対して内側に傾斜して形成され、係止爪を係止孔に係止すると係止爪が係止孔から突出し、第1係止片と第2係止片とがカバー部材に対して略45°の角度で互いに直交する、と記載されている。
【0003】
特許文献2には、高圧配電線に取付けられる配電線用絶縁カバーについて開示されている。上記配電線用絶縁カバーは、上端のヒンジ部を支点に開閉自在な左右一対のカバー部材と、この一対のカバー部材の各下端に対向するように設けられた左右一対の鍔部と、この一対の鍔部に設けられ、鍔部およびカバー部材を閉成状態に保持する係止手段と、一対の鍔部の各々に形成された貫通孔と、一対の鍔部の各内面に突設され、鍔部およびカバー部材が閉成状態になると、反対側の鍔部に形成された貫通孔を貫通して反対側の鍔部外側に先端側が突出する左右一対の取外し用突起とを具備し、反対側の鍔部外側に突出した左右一対の取外し用突起の両先端を内側方向に押すことにより係止手段による係止が外れて一対の鍔部および一対のカバー部材が開放状態に操作される、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−33274号公報
【特許文献2】特開2007−6655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
架空電線等の電線を対象として行われる、いわゆる間接活線作業に際しては、事故防止のために電線の充電部分に防護用の絶縁カバーを取り付けている。
【0006】
図13乃至図16に絶縁カバー(以下、絶縁カバー70と称する。)の一例を示している。ここで図13は、絶縁カバー70の斜視図であり、図14は、絶縁カバー70の側面図、図15は、図14の絶縁カバー70を同図に示すA−A’線で切断したときの断面図、図16は、図14に示した絶縁カバー70を同図におけるB−B’線で切断したときの断面図である。
【0007】
絶縁カバー70は、樹脂等の柔軟な絶縁性の素材を用いて構成されている。図14に示すように、絶縁カバー70は、電線2の所定範囲をカバーするように所定長さで延伸する長尺の略管状体である。絶縁カバー70は、その長手方向に沿って側面が2つ割れすることにより開口可能であり、絶縁カバー70は、上記開口から内部空間に電線2を取り込むことにより電線2の周囲に取り付けられる。図17に絶縁カバー70が電線2に取り付けられた状態を示す。
【0008】
図14に示すように、絶縁カバー70の一端には、内周面の一部に凹部711が形成された雌側接続部71が、他端には外周面の一部に凸部721が形成された雄側接続部72が形成されている。雌側接続部71と雄側接続部72とを結合させることにより、隣接して電線に取り付けられている2つの絶縁カバー70を連結することができる。より詳細には、図18に示すように、一方の絶縁カバー70の雄側接続部72を他方の絶縁カバー70の雌側接続部71に差し込み、一方の絶縁カバー70の凸部721を他方の絶縁カバー70の凹部711に嵌合させることにより、2つの絶縁カバー70を連結することができる。
【0009】
ところで、間接活線作業における上記絶縁カバー70の取り付けは間接活線工具6(絶縁ヤットコ等)を用いて行われるが、その際、作業者は、絶縁カバー70の重量を間接活線工具6で支えつつ、前述した開口部を電線2に押し付けて開口部をこじ開ける必要がある。また図16に示すように、開口部の内周面には、絶縁カバー70の長手方向に沿って絶縁カバー70が電線2から脱落するのを防ぐための返し構造77が設けられており、絶縁カバー70を電線2に取り付ける際、作業者はこの返し構造77に起因する反力に逆らって絶縁カバー70を電線2に押し付ける必要もあり、取り付け時における作業者の肉体的な負担は大きい。また絶縁カバー70を連結する場合には、作業者は、間接活線工具6を用いて一方の絶縁カバー70の雄側接続部72を他方の絶縁カバー70の雌側接続部71に押し込むように操作するが、その際、絶縁カバー70同士の摩擦力に抗する必要があり、この作業も負担が大きい。
【0010】
また絶縁カバー70の上記のような作業(絶縁カバー70の取り付け、取り外し、連結)に際し、例えば、図19に示すように、絶縁カバー70の側面を間接活線工具6で掴んでしまうと、絶縁カバー70の側面が潰れ、その結果、絶縁カバー70と内部に取り込まれている電線2との間の摩擦力が増大して作業がしづらくなる。また例えば、図20に示すように、間接活線工具6で絶縁カバー70をその全周に亘って挟んでしまうと、絶縁カバー70の可撓性により絶縁カバー70を確実に把持することが難しくなる。
【0011】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、絶縁カバーの電線への取り付け等の作業を容易かつ効率よく行うことが可能な絶縁カバーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明のうちの一つは、間接活線工具により電線に取り付けて用いられる絶縁カバーであって、その長手方向に沿って側面が2つ割れすることにより開口可能な略管状の絶縁部材と、前記絶縁部材の長手方向の所定位置に当該絶縁部材の内周面に沿って設けられる一つ以上の電線取付金具と、を備え、前記電線取付金具は、前記絶縁部材の前記2つ割れする側に設けられ、前記絶縁部材の軸方向から眺めた場合に略V字状を呈するネック部と、前記ネック部に連続して設けられ、前記絶縁部材の軸方向から眺めた場合に環状を呈する環状部と、を有し、前記ネック部は、前記略V字状の部分を構成する各片の内側面に電線が押し当てられることにより前記略V字状の部分の頂部が開くように設けられ、前記環状部は、開いた前記頂部を通過した前記電線を係止するように設けられる。
【0013】
本発明の絶縁カバーによれば、作業者は、間接活線工具を用いて絶縁部材の2つ割れして開口する側を電線に押し付けるようにすることで電線取付金具のネック部が開いて電線が環状部に収容される。また電線から絶縁カバーを取り外す際は、作業者は間接活線工具を用いて電線から引き離す方向に力を加えるだけで上記ネック部が開いて環状部から電線を取り外すことができる。このように本発明の絶縁カバーによれば、作業者は絶縁カバーの電線への取り付けや取り外しを容易かつ効率よく行うことができる。
【0014】
本発明の他の一つは、上記絶縁カバーであって、前記絶縁部材は、前記電線取付金具が設けられている部分の近傍の、前記2つ割れすることにより開口する側と対向する側の側面に、前記間接活線工具により把持される把持部を有する。
【0015】
作業者は、間接活線工具により上記把持部を把持することで、電線取付金具のネック部に力を集中させやすくなり、絶縁カバーの電線への取り付け作業や取り外し作業を効率よく行うことができる。
【0016】
本発明の他の一つは、上記絶縁カバーであって、前記電線取付金具は、一本の棒状部材を所定位置で折り曲げることにより形成され、前記ネック部の前記略V字状の部分を構成する各片は、夫々、前記棒状部材の各両端部から所定長さの部分を用いて形成され、前記環状部は、前記棒状部材の前記ネック部以外の部分を環状に折り曲げることにより形成される。
【0017】
このように電線取付金具は簡素な構成であるため容易に製造することができる。
【0018】
本発明の他の一つは、上記絶縁カバーであって、前記絶縁部材の一端から所定長さまでの部分である第1部分の内径、及び前記絶縁部材の他端から所定長さまでの部分である第2部分の外径が、前記第2部分を前記第1部分に嵌挿可能な程度に設定されている。
【0019】
2つの絶縁カバーの一方の第2部分を他方の絶縁カバーの第1部分に嵌挿することにより、2つの絶縁カバーを連結することができる。尚、2つの絶縁カバーの絶縁部材は、いずれもその内周面に沿って設けられた電線取付金具によって一定の形態に維持されるので、第1部分の内径と第2部分の外径は、嵌挿する際の摩擦力が過大とならないように維持される。
【0020】
本発明の他の一つは、上記絶縁カバーであって、前記絶縁部材は、前記第1部分の内周面に形成された凹部と、前記第2部分の外周面の、前記第2部分を前記第1部分に挿入した際に前記凹部に嵌合可能な位置に形成された凸部とを有する。
【0021】
第1部分の内周面に形成された凹部と、第2部分の外周面に形成された凸部とを嵌合させることで、確実かつ着脱自在に2つの絶縁カバーを連結することができる。
【0022】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、絶縁カバーの電線への取り付け作業等を容易かつ効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】絶縁カバー1の側面図である。
図2図1のA−A’線で切断した際の絶縁カバー1の断面図である。
図3図1のB−B’線で切断した際の絶縁カバー1の断面図である。
図4】絶縁カバー1の各端部周辺を拡大して描いた側面図である。
図5】絶縁カバー1を電線2に取り付ける手順を説明する図である。
図6】絶縁カバー1を電線2に取り付ける手順を説明する図である。
図7】絶縁カバー1を電線2に取り付ける手順を説明する図である。
図8図7の状態における絶縁カバー1の斜視図である。
図9】絶縁カバー1を連結する手順を説明する図である。
図10】絶縁カバー1の取り外しの手順を説明する図である。
図11】絶縁カバー1の取り外しの手順を説明する図である。
図12】絶縁カバー1の取り外しの手順を説明する図である。
図13】従来の絶縁カバー70の斜視図である。
図14】絶縁カバー70の側面図である。
図15図14の絶縁カバー70を同図に示すA−A’線で切断したときの断面図である。
図16図14に示した絶縁カバー70を同図におけるB−B’線で切断したときの断面図である。
図17】絶縁カバー70が電線2に取り付けられている様子を示す図である。
図18】絶縁カバー70を連結する手順を説明する図である。
図19】絶縁カバー70の課題を説明する図である。
図20】絶縁カバー70の課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態として示す、架空電線等の電線2の間接活線作業に際して電線2の充電部分の防護に用いられる絶縁カバー1の側面図、図2は、図1のA−A’線で切断した際の絶縁カバー1の断面図、図3は、図1のB−B’線で切断した際の絶縁カバー1の断面図である。
【0027】
図1に示すように、絶縁カバー1は、その全体が長尺の略管状体を呈する。絶縁カバー1は、防護対象となる電線2の所定範囲をカバーすべく所定長さで延伸する筒状の絶縁部材11と、絶縁部材11の内部に設けられた3つ以上の電線取付金具15とを含む。絶縁部材11は、樹脂等の可撓性を有する絶縁性の素材を用いて構成されている。絶縁カバー1を電線2に取付けた状態では、電線2は、絶縁部材11の内部の空間に収容される。
【0028】
絶縁部材11の長手方向の所定位置には、側面が略矩形状の扁平な3つの把持部12が所定の間隔を開けて形成されている。同図に示す絶縁カバー1の場合は、3つの把持部12が、絶縁部材11の長手方向に沿って等間隔で形成されている。
【0029】
上記3つの電線取付金具15は、夫々、絶縁部材11の長手方向に沿って絶縁部材11の各把持部12が設けられている位置の近傍に設けられている。各電線取付金具15は、いずれも金属(ステンレス)等の所定の素材を用いて構成されている。
【0030】
絶縁部材11は、その長手方向に沿って側面が2つ割れすることにより開口可能な構造を有する。同図に示す絶縁カバー1の場合は、絶縁部材11の把持部12が設けられている側と対向する側の端辺116が2つ割れして開口する。
【0031】
図3に示すように、電線取付金具15は、絶縁部材11の軸方向から眺めた場合に略V字状を呈するネック部151と、絶縁部材11の軸方向から眺めた場合に環状を呈する環状部152とを有する。
【0032】
電線取付金具15は、例えば、所定長さの一本の棒状部材(帯状部材でもよい)を所定位置で折り曲げることにより形成することができる。その場合、ネック部151の略V字状の部分を構成する各片151a,151bは、夫々、上記棒状部材の各両端部から所定長さの部分を用いて形成する。また環状部152は、上記棒状部材の上記ネック部151以外の部分を環状に折り曲げることにより形成する。ネック部151は、環状部152の中央付近を支点153として開閉し、ネック部151には当該ネック部151の略V字状の部分を構成する各片151a,151bが閉じる方向に力が作用する。尚、各片151a,151bの長さは、図3に示した態様に限られない。また環状部152の態様は、図3に示したものに限られない。
【0033】
尚、以上のように構成される電線取付金具15と類似の構成を備えるものとして、例えば、防護管電線取付金具(例えば、ヨツギ株式会社(登録商標)製の「防護管電線取付金具」)がある。
【0034】
図4は、絶縁カバー1の各端部周辺を拡大して描いた側面図である。同図に示すように、絶縁部材11の一端から所定長さまでの部分である第1部分、及び絶縁部材11の他端から所定長さまでの部分である第2部分には、当該絶縁カバー1を隣接して電線2に取り付けられている他の絶縁カバー1と連結するための構造(以下、連結構造とも称する。)が形成されている。以下、第1部分に形成されている上記連結構造を雌側接続部111と、第2部分に形成されている上記連結構造を雄側接続部112と、夫々称する。
【0035】
雌側接続部111の内径は、雄側接続部112を嵌挿可能な程度、雄側接続部112の外径よりもやや大きく設定されている。絶縁部材11は、雌側接続部111の内周面に形成された略矩形状の凹部113、及び雄側接続部112の外周面に形成された略矩形状の凸部114を有する。同図に矢印で示したように、絶縁カバー1を連結する際は、一方の絶縁カバー1の雄側接続部112を他方の絶縁カバー1の雌側接続部111に嵌挿し、一方の絶縁カバー1の凸部114を他方の絶縁カバー1の凹部113に嵌合させる。
【0036】
<絶縁カバー1の取り付け>
続いて、間接活線工具6(絶縁ヤットコ等)を用いて絶縁カバー1を電線2に取り付ける際の具体的な手順について、図5乃至図7とともに説明する。尚、図5乃至図7は、いずれも絶縁カバーと当該絶縁カバー1が取り付けられる電線2との関係を示した模式図(図1のB−B’線で切断した際の絶縁カバー1の断面図)である。
【0037】
まず図5に示すように、作業者は、絶縁カバー1の把持部12を間接活線工具6で掴んで絶縁カバー1を持ち上げ、絶縁カバー1の軸方向と電線2の延伸する方向をあわせつつ、絶縁カバー1の2つ割れした部分を電線2に押し当てる。
【0038】
続いて、作業者は、絶縁カバー1の把持部12を間接活線工具6(同図では省略)で掴んだまま間接活線工具6をさらに押し上げる。これにより、図6に示すように、電線取付金具15のネック部151(絶縁部材11の2つ割れした開口部)が開いて電線2が環状部152の方に押し込まれ、最終的には、図7に示すように、電線2が環状部152の内側に収容されて、環状部152が電線2に係止された(ぶら下がった)状態となる。図8に、図7の状態における絶縁カバー1の斜視図を示す。
【0039】
尚、ネック部151を開くために必要な力は、作業者がネック部151を開くのにさほどの力を必要とせず、かつ、環状部152が電線2に係止された状態でネック部151が確実に閉じた状態(電線2から外れにくい状態)に維持されるように調節される。
【0040】
以上のように、本実施形態の絶縁カバー1によれば、作業者は、電線2への絶縁カバー1の取り付け作業を容易に行うことができる。また電線取付金具15によって絶縁カバー1を電線2に確実に取り付けることができる。このように、本実施形態の絶縁カバー1によれば、作業者は経験や熟練を要することなく効率よく作業を進めることができる。
【0041】
<絶縁カバー1同士の連結>
前述したように、絶縁カバー1は連結構造を有しており、隣接して電線2に設けられている絶縁カバー1同士は互いに連結することができる。
【0042】
上記連結に際しては、作業者は、各絶縁カバー1を電線2に取付けた後、間接活線工具6を用いて連結する2つの絶縁カバー1を近づけて、図9に示すように一方の絶縁カバー1の雄側接続部112を他方の絶縁カバー1の雌側接続部111に嵌挿し、一方の絶縁カバー1の凸部114を他方の絶縁カバー1の凹部113に嵌合させる。
【0043】
ここで絶縁カバー1は、電線取付金具15によって形態が維持されているので、雌側接続部111の内径及び雄側接続部112の外径はいずれも固定されている。そのため、雄側接続部112は雌側接続部111にスムーズに嵌挿することができる。また雌側接続部111の内径及び雄側接続部112の外径を夫々予め適正な値に設定しておけば、上記嵌挿に際して過大な摩擦力が生じることもなく、作業者は2つの絶縁カバー1を難なく連結することができる。尚、連結を解除する際は、基本的に以上と逆の手順を辿ればよい。
【0044】
<絶縁カバー1の取り外し>
絶縁カバー1を電線2から取り外す際は、基本的に前述した絶縁カバー1を取り付ける際の手順と逆の手順を辿ればよい。即ち図10に示すように、作業者は、まず絶縁カバー1の把持部12を間接活線工具6(同図では省略)で掴んで下方に引っ張る。これにより図11に示すように、電線取付金具15のネック部151が開き、図12に示すように電線2が環状部152から外れる。以上のように、作業者は、容易かつ効率よく電線2から絶縁カバー1を取り外すことができる。
【0045】
以上に説明したように、本実施形態の絶縁カバー1にあっては、作業者が、間接活線工具6を用いて絶縁部材11の2つ割れして開口する側を電線2に押し付けるようにすることで、電線取付金具15のネック部151が開き、電線2がスムーズに環状部152に収容され、絶縁カバー1を電線2に取り付けることができる。また電線2から絶縁カバー1を取り外す際は、作業者は間接活線工具6を用いて電線2から引き離す方向に力を加えるだけで上記ネック部151が開き、環状部152から電線2を取り外すことができる。このように本実施形態の絶縁カバー1によれば、作業者は、絶縁カバーの電線2への取り付けや取り外しを容易(軽負荷)かつ効率よく行うことができる。
【0046】
また作業者は、間接活線工具6により前述した把持部12を把持することで、電線取付金具15のネック部151に力を集中させやすくなり、絶縁カバー1の電線2への取り付け作業や取り外し作業を効率よく行うことができる。
【0047】
また電線取付金具15は簡素な構成で実現することができ、本実施形態の絶縁カバー1は容易に製造することができる。
【0048】
また2つの絶縁カバー1の一方の第2部分を他方の絶縁カバー1の第1部分に嵌挿することにより、隣接して電線2に取り付けられている2つの絶縁カバー1同士を容易に連結することができる。尚、2つの絶縁カバー1の絶縁部材11は、いずれもその内周面に沿って設けられた電線取付金具15によって一定の形態に維持されるので、第1部分の内径と第2部分の外径は、嵌挿する際の摩擦力が過大とならないように維持される。
【0049】
また第1部分の内周面に形成された凹部113と、第2部分の外周面に形成された凸部114とを嵌合させることで、2つの絶縁カバー1は確実かつ着脱自在に連結することができる。
【0050】
尚、以上の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
1 絶縁カバー、2 電線、11 絶縁部材、12 把持部、15 電線取付金具、111 雌側接続部、112 雄側接続部、113 凹部、114 凸部、116 端辺、151 ネック部、151a,151b 片、152 環状部、153 支点
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